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「都市計画税のあり方検討結果報告書」(PDFデータ)

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「都市計画税のあり方検討結果報告書」(PDFデータ)
都市計画税のあり方検討結果報告書
平成25年10月
都市計画税 検討委員会
1. 検討するに至った経緯
都市計画税は、都市計画法に基づいて行う都市計画事業又は土地区画整理
法に基づいて行う土地区画整理事業に要する費用に充てるため、都市計画区
域として指定されたもののうち市街化区域内に所在する土地及び家屋に対
し課することができる目的税であり、本町においては、昭和 62 年度から税
率 0.2%で課税しています。
都市計画税の税収は、これまで『並木山王土地区画整理事業(昭和 51 年
度事業開始)
』
、
『石橋駅東土地区画整理事業(昭和 62 年度事業開始)
』とい
った土地区画整理事業、『下水道整備』、
『公園整備』、
『街路整備』といった
都市計画事業に充ててきましたが、土地区画整理事業については平成 11 年
度に事業が完了し、実施中の事業は都市計画事業の下水道整備のみとなって
いることから、現在は主に各事業実施時の起債の償還に充てている状況です。
近年、
「土地区画整理事業が完了し、都市計画事業もほぼ完了するような
状況で、このまま都市計画税を課税していく必要性があるのか」
、
「充当する
起債の償還額が税収より少なくなった場合は目的税の趣旨に反した課税に
なってしまうのではないか」
、などの疑義が生じてきていることから、今後
の課税のあり方について検討する必要がありました。
-1-
2. 検討方法
現状を把握したうえで今後の見通しを立てるとともに課税に関する課題
と必要性を明確にするため、すでに『調査研究会』では以下の項目について
調査研究をしており、その結果をまとめた資料(別添「上三川町における都
市計画税の課税について 平成 25 年 5 月都市計画税調査研究会」
)が作成さ
れています。
検討委員会ではこの成果を検証し、課税のあり方について検討することと
しました。
調査項目
① これまでの税収
② 県内市町の課税状況
③ これまでの都市計画事業費
④ これまでの都市計画事業費に係る起債償還額
⑤ これからの税収見込みと都市計画事業実施見込み
⑥ これからの都市計画事業に係る起債償還額の推移
研究項目
① 課税に関する課題
② 課税を廃止した場合の影響
③ 他自治体における課税見直し事例
-2-
3. 調査研究結果のポイント
A) これからの
これからの税収見込み
税収見込み
土地の評価額はいまだに下落しており、このことで土地の課税標準額
が下がり税収も落ち込むと予想されます。また、家屋の新築等による増
収が土地の減収分を上回ることは見込めません。よって、都市計画税は
今後減収していくと考えられます。
千円
260,000
240,000
222,300
220,000
220,600
209,800
209,100
200,000
197,400
197,900
196,700
208,300
180,000
186,600
187,100
160,000
140,000
都市計画税収
120,000
100,000
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
H34
B) これからの都市計画事業実施予定
市街化区域内における汚水の下水道整備事業は冨士山地区内を残す
のみとなっており、まもなく完了する予定です。今後は、雨水の下水道
整備事業を予定しているものの事業着手時期は未定です。よって、都市
計画税を充てることのできる新たな都市計画事業の着手時期は未定と
なっています。
事業名
特
公共下水道汚水・雨水整備事業(冨士山地区)
総事業費
事業期間
(千円)
(年数)
127,000
10
50,000
10
530,000
10
別
会
計
公共下水道雨水整備事業(多功排水区)
公共下水道雨水整備事業(武名瀬川排水区)
-3-
C) これからの公債費の推移
一般会計分の起債の償還額は平成 33 年度以降“0”となります。ま
た、雨水の下水道整備事業の着手時の起債は現時点では見込めないこ
とから、特別会計分の起債の償還額も今後減少していくと考えられま
す。よって、新たな都市計画事業の起債が無ければ公債費(起債の償
還額)は減少していくと推測されます。
千円
500,000
400,000
300,000
200,000
321,793
342,802
344,052 342,334
298,973
241,162
特別会計
263,463
198,708
223,401
177,189 一般会計
100,000
0
H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34
D) 調査研究結果
今後の都市計画事業費と新規事業の起債償還額が不明であることか
ら、それらを除く今後の公債費の推移と今後の税収見込みから、平成
34 年度には公債費(起債の償還額)が税収を下回ることが見込まれま
す。(税収を都市計画事業費に充当しきれず、余剰金が生じることにな
ります。
)
500,000
400,000
300,000
特別会計
一般会計
200,000
都市計画税収
100,000
0
H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34
-4-
4. 検討結果
今回調査研究会の成果を検証した結果、今後新たな都市計画事業の着手時
期が不明確である現状において、平成 34 年度には都市計画税収を都市計画
事業費及び都市計画事業に係る起債の償還額が下回ることが分かりました。
つまり、税収の全てを目的税の趣旨に沿って都市計画事業又は土地区画整理
事業に要する費用に充てることができず、余剰金が生じることになります。
本町における都市計画税の課税のあり方としては、余剰金が生じる状況で
の課税は目的税本来の趣旨からして適当ではなく、都市計画事業又は土地区
画整理事業に要する費用の範囲内で税収を得られるよう課税するべきと考
えます。
「地方税法の施行に関する取扱いについて(平成 22 年 4 月 1 日 総税市第
16 号)
」では、『都市計画税を都市計画事業又は土地区画整理事業に要する
費用に充てた後にやむを得ず余剰金が生じた場合には、これを後年度におい
てこれらの事業に充てるために留保し、特別会計を設置している場合には繰
越しをし、設置していない場合にはこのための基金を創設することが適当で
あること。
』さらに、
『余剰金が数年にわたって生じるような状況となった場
合においては、税率の見直し等の適切な措置を講ずべきものであること。
』
とされています。
本町においては、基金を設置していない状況であることから、余剰金が生
じる前に税率の見直し等の適切な措置を講ずべきと考えます。
その判断は、目安として5年後の平成 30 年度の時点における税収の見込
み、都市計画事業の着手時期、公債費の推移等を検証し、改めて課税の継続
について検討を行ったうえでその結果を参考に行うこととし、それまでは現
状どおりの課税を継続するべきという結論に至りました。
なお、平成 30 年度までに都市計画税の大幅な増収があった場合には前倒
して検討する必要があることを申し添えます。
-5-
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