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エコエリアなんよう推進方針
エコエリアなんよう推進方針 (平成 18 年 7 月 27 日制定) (平成 23 年 4 月 1 日一部変更) 南陽市農林課 第1 目的 南陽市は自然が豊かで住みよい環境のもとにあり、このような貴重な資源である自然環境 に対する市民の意識も高く良好な環境を将来世代に継承していく取組みが進められている。 農業においても、豊かな自然を活かしながら将来にわたり安定的に生産活動を継続するた め、生産者の環境に対する認識を高め環境負荷を極力軽減した持続性の高い農業生産方式の 導入や堆肥等の地域有機性資源の利活用など具体的な取組みをいっそう進める必要がある。 また、消費者サイドからは、食の安全性と環境に配慮された生産活動であることのより高 度な組み合わせの確保などが期待されており、これに応えようとする取組みを推進する必要 がある。 ついては、山形県の「エコエリアやまがた推進方針」と連携を図りながら、環境保全型の 農業、資源循環型の農業及び持続性の高い農業(以下エコ農業という。)の推進を「安全で安 心なうるおいのあるまち南陽」の農業部門における具体策と位置づけ、これを効果的に進め るにあたり、基本的な考え方と講ずべき施策の内容など必要な事項を定めるものである。 第2 基本的な 基本的な考え方 1 農業と 農業と自然環境の 自然環境の関わり 農業は、本来、物質循環や生態系との調和の中で成り立つ産業であり、食料供給産業 であると同時に、適正な生産活動や農地の保全管理を通じて洪水の防止や生態系の保全、 良好な農村景観形成など、多面的な機能を発揮する側面がある。 このような農業の有する機能を健全に維持し将来世代にもこうした恩恵を享受できる ようにしていく必要がある。 2 農業生産活動に 農業生産活動に伴う環境負荷 効率的かつ安定的な農業生産には化学肥料や化学合成農薬は必要であるが、これ等に 対する依存度が高くなった場合には、肥料の過剰施用による地下水等への成分流出や農 薬の飛散など少なからず周辺環境への負荷や自然環境の二次的な劣化を招くおそれが生 じることになる。 特に、農薬については生活者の関心も高く生活者の視点に立った規制への対応が求め られている。また、生産現場において過度の化学合成農薬への依存の結果として、殺虫 剤抵抗性や殺菌剤耐性のある菌の発生、天敵の減少や産卵数の増加が生じ、害虫の発生 増加(リサージュ現象)などの問題も懸念されている。 3 農産物の 農産物の安全性確保 食品の安全性に対する関心の高まりから、農産物生産においても残留農薬に係るリス ク管理が行われているが、今後は、ポジティブリスト制を踏まえた対策の強化が必要に なる。 エコ農業は、化学合成農薬の使用そのものを節減する取組みでもあり、残留農薬に係 る農産物の安全性水準が高まることから、多くの消費者の信頼と共感が得られており、 このような取組みを一層拡大していく必要がある。 4 「環境と 環境と調和した 調和した自然共生型農業 した自然共生型農業」 自然共生型農業」の推進方向 これらの情勢を踏まえ、本市では畜産由来堆肥の利活用を積極的に推進しているとこ ろであるが、これらとリンクした土づくりを行いながら、また化学肥料や化学合成農薬 を2、3 割以上減らした農産物の生産を奨励する山形県の「全県エコエリア構想」を推 進し、収量や品質など生産性を維持しつつ、農薬や化学肥料の使用量を抑えた安心感の ある農産物供給と生物多様性保全農業の多面的機能の健全な発揮を目指すこととする。 こうした構想を推進するためには、地域の生活者及び消費者に対する「自然と共生す る環境保全型農業の先進地域」としてのイメージを定着させていくことも必要である。 このため広く機会を捉えて、こうした取組みの情報を発信しながら、流通販売戦略とも 連携し、消費者の信頼と共感を得たいと考えている。 第3 推進項目及び 推進項目及び内容 1 環境と 環境と調和した 調和した持続性 した持続性の 持続性の高い農業生産方式の 農業生産方式の導入促進 (1)「エコエリアやまがた環境規範 エコエリアやまがた環境規範」 環境規範」の実践 ア 農業生産活動によって生ずる環境負荷を極力低減する取組みを推進するため、国 においては、「環境と調和のとれた農業生産活動規範」が策定され、山形県において は、これを基本とした「全県エコエリア構想」の趣旨に沿って特に実行を促したい取 組みを独自に追加した「エコエリアやまがた環境規範」 (以下「環境規範」という。) が策定されており、この方針に添いながら「環境規範」を実践していくものとする。 イ 市が実施する各種事業について、環境規範の実践を適宜要件化することにより、環 境規範を実践する農業者に対して支援策を講じていくこととする。 ウ 環境規範の普及促進を図り、農業者の実践を広く促していくことにより、ポジティ ブリスト制度にも配慮しながらエコ農業の面的な広がりを推進していく。 (2)環境と 環境と調和した 調和した持続性 した持続性の 持続性の高い農業生産技術の 農業生産技術の普及 ア 持続性の高い農業生産技術は、この方針の推進にとっても推進基盤となるものであ り、山形県における同技術開発及び普及の取組みを受け、これを積極的に活用するも のとする。 イ 普及の過程においては、山形県の指導を仰ぎながら先進的な施肥・防除を実践する 圃場を啓蒙展示圃として設定するなどして、推進を図るものとする。 (3)環境保全型農業 (3)環境保全型農業を 環境保全型農業を実践する 実践する農業者 する農業者等 農業者等の拡大 ア 「エコファーマー」制度を紹介し、持続性の高い農業生産方式の導入を促進しなが ら、その拡大を図る。 イ 「有機栽培」認証制度を紹介し、これに取り組む農業者の拡大を図る。 ウ 「特別栽培」認証制度を紹介し、化学肥料及び化学合成農薬を極力使用しないか または減少させて栽培に取り組む農業者の拡大を図る。 エ 「水稲の直播栽培」については、農業経費及び労力の観点から持続性の高い農業生 産を実践する者に準ずるものと認識し、これに取り組む農業者の拡大を図る。 オ 標準的な化学肥料及び化学合成農薬の使用量については、山形県の方針について情 報を提供するように努める。 カ 生物フェロモンを活用した減農薬栽培の推進を図る。 キ 水田生態系の質的向上につながる冬期湛水管理の推進を図る。 (4)環境負荷の 環境負荷の低減を 低減を図る取組に 取組に対する支援策 する支援策など 支援策など ア 前項各号に掲げる項目を促進するため、適宜支援策を講ずるものとする。 イ 山形県においては、「エコエリアやまがた推進方針」において、環境負荷の低減を 図る取組に対する支援策の一環として、①米の数量配分に際して環境保全型農業の取 組みを指標の一つとして傾斜配分するよう働きかけを行うこと ②農地・水・環境保 全対策(営農活動支援)を積極的に推進し、農業者が行う一定水準以上の先進的な環 境負荷軽減活動に対して支援していく、としており本市としてもこれらを理解しなが らこの方針を推進するものとする。 2 堆肥等の 堆肥等の利活用推進 耕畜連携により 耕畜連携により良質堆肥 により良質堆肥を 良質堆肥を安定的に 安定的に供給する 供給する仕組 する仕組みの 仕組みの模索 みの模索 ア 畜産系堆肥等有機性資源の利活用を促進するためには、耕種農家と畜産農家との 橋渡しが重要であることから、地域の実情に応じた耕畜連携システムの構築を図る ものとし、堆肥散布・利用組織における堆肥の利活用実践活動及びその促進活動に ついて支援する。 イ 地域における堆肥の需給実態を踏まえて計画された堆肥生産拠点の整備について は、国県の施策を活用しながら推進する。 ウ 良質堆肥の利用促進を図る観点から、堆肥及び堆肥を活用した土壌の分析等を推 進し、必要な支援について考慮する。良質堆肥を活用した栽培のための土づくりに ついて、有効な方法で推進する。 エ 高性能堆肥散布機等の整備については、国県の制度活用に努めながら支援するも のとし、これに準ずる散布機の整備については地域の実情を勘案しながら推進する ものとする。 3 安心感のある 安心感のある農産物供給 のある農産物供給の 農産物供給の促進 (1) 「全県エコエリア 全県エコエリア」 エコエリア」運動との 運動との連携 との連携 山形県が実践する、「全県エコエリア」運動との連携を図りながら、安心感のある 農産物の供給を促進する。 (2) 農産物表示とトレーサビリティーの 農産物表示とトレーサビリティーの推進 とトレーサビリティーの推進 消費者が有機栽培農産物や特別栽培農産物、エコファーマーなどエコ農業への取組 みを認識できるようにすることは、生産者にとっても大きなメリットである。このた め、山形県が実践する統一マークの農産物への表示及び信頼できる各種認定マークの 表示制度の利活用を積極的に紹介しながら推進するものとする。 また、組織的に前段に掲げる認証を受け環境保全型農業の取組みを拡大しようとす る者に対しての支援について検討していくものとする。なお、マーク表示やこれを活 用した優位的販売については、出荷及び流通関係団体において検討、実践されるよう 働きかける。 (3) 消費者の 消費者の信頼と 信頼と共感に 共感に根ざした「 ざした「やまがたブランド」 やまがたブランド」の形成 山形県の促進する「やまがたブランド」を形成していくことは、この方針にとって 重要な課題であり、山形県等との連携を図り指導を受けながら農業者の参画を拡大で きるように働きかけるものとする。 第4 推進体制 エコエリアなんよう推進 エコエリアなんよう推進会議 推進会議の 会議の設置 この方針の趣旨を踏まえ、施策の具体策を検討及び実践するため、 「エコエリアなんよ う推進会議」を設置する。 「エコエリアなんよう会議」の検討及び実践にあっては、山形県はじめ関係団体セク ションとの連携を十分に図りながら、社会情勢の変化に応じた推進方向についても協議 するものとする。