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2011 年 11 月 14 日[月]成田空港第一ターミナル B カウンターにて、国際

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2011 年 11 月 14 日[月]成田空港第一ターミナル B カウンターにて、国際
2011 年 11 月 14 日[月]成田空港第一ターミナル B カウンターにて、国際交流基金の中道
主税氏と、同行の富山県すし健吉田健作氏とヤマサ醤油の濱田氏と落ち合う。ヤマサ醤油の
濱田さんは多くの企業協賛があり、その展示や一連のセミナーのサポートをして頂く為に同
行をお願いした。
今回の事業は、国際交流基金の依頼で、ルーマニアとウクライナ2ヶ国の日本大使館にての
文化紹介である。隣国のウクライナは 5 月に訪問をしているので、粗方食事情も予測が着く。
出発までの 2 ヶ月間は現地でのイベントに対する確認に明け暮れた。特に使用する食材確認
は気が抜けない。9 月にノルウエーのベルゲンを訪問し、9 月 20 日には都内でノルウエー
水産物審議会のタリアマーセン代表と有効条約の協定を結んだ結果。海外セミナーの主食材
である、ノルウエーサーモンの提供を頂くことになった。今回の事業でも 45Kg のノルウエ
ーサーモンの提供を頂き、ルーマニアのすしセミナーは行われる。ルーマニアは近隣諸国と
同じくソ連崩壊後、同様の道を辿ったが、独裁政権がその後も続き発展は著しく遅れていた。
しかし近年発展成長し注目を浴びる様にもなっている。しかしまだ日本の企業からすると、
採算性の課題があり企業進出の熱は少ない。だが日本の食文化の中でも現地で知られている
のは、先ずは Sushi であり、今回の訪問はかなり現地での期待と関心度も多い。現地での
日本食品関連事情を JETRO 調査によると、食品での知名度は、海苔が 70、日本茶 68、米
1
64、醤油 60、豆腐 20、わさび 20、日本酒 13 との%が報告されている。そこで日本料理の
知名度は Sushi94、刺身 86、天ぷら 45、鉄板焼 34、すき焼き 41%の認知度が有る。市民
で日本食関連食品の購入経験は、醤油 19 でトップ、豆腐 13、海苔 12、米 11、わさび 10
と続いた。味噌などは味噌汁の作り方が解らないので、ランク外なのであろう。日本料理の
消費経験はやはり、刺身
と Sushi が 26%、鉄板
焼 19、天ぷら 17 とルー
マニアでも市民権を持
ち始めている。但し、日
本食は高価な食べ物と
してのイメージがあり
高値の華の食でもある。
日本食品の流通事情は日本及びタイ、ベトナム、中国などで生産された物が、西欧の輸入卸
売り業者を経て輸入されている。海の無い国なので鮮魚の入手はフランスやノルウエーから
で、メメトロなどでの購入が主である。日本食店舗は 10 数件あるが、Sushi だけの店舗は
なく和食や居酒屋の中での Sushi メニューの店舗が多いとの調査報告がある。B カウンター
でチェックをするが、今回の荷物の量たるや尋常ではない。今回 2 ヶ国事業に対する商品協
賛があり、一般のハンドキャリーの想像を超えている。かねさ味噌さんから「ぱら味噌・み
そチャップ」東京カネクさんからは「粉わさび・すしガリ・練りわさび」大塚薬品工業さん
は「ミオラ詰め合わせ」白鶴酒造さんは「梅酒・大吟醸・生搾り酒」他にアクティブ 21 さ
んから「抗菌紙・ミクロキラー」等で 30Kg が 4 箱、そして吉田さんと私のスーツケース
30Kg が 2 個、180Kg 超えである。オーストリア航空はビジネスクラスだと 32Kg が 2 個ま
でで、スターアライアンスの上級会員だともう一つ OK で、超過料金も支払わず運び屋のよ
うな我々である。そこに濱田さんのスーツケースが 2 個と中道さんの荷物である。手荷物検
査と出国手続きを済ませ、ラウンジで吉田さんはうどんとおにぎりを、私はビールを飲み、
4 人で打ち合わせをする。12 時 40 分に搭乗し機体が成田を離れたのは 13 時 20 分頃であっ
た。寝不足で食事をいただくのも勢いが無い。メニューは和食を頂いたが、他の航空宇会社
に引けを取らない質である。 昨日寝たのが 1 時半頃だったが、4 時に携帯のPC宛のメー
ル受信を確認。開くと NHK シンガポー
ル支局の有馬さんからで、モスクワ支
局よりウクライナの、プロ技術特別講
習の取材を検討しているとの連絡があ
り、PC に向かいお礼のメールを打つ。
前回ウクライナで 400 人以上のセミナ
ーをした折り、現地シェフのお手伝い
をしていただいた。その時参加したシ
ェフは全ての者がヘッドシェフと紹介
されたが、その技術は先走った仕事を
2
追いかける様な状況で、基本調理技術の無い酷いレベルであった。帰国後もこれが気になり、
来年はプロ向けの実技講習をとの思いを練っていた。そこに今回の訪問があり、東欧の
Sushi 調理レベルを上げる決断をした。短い滞在期間であるが有効に文化紹介が出来ること
を祈るばかりである。食事を済ませるとそれから 5 時間死んだ様に眠った。しかしまだ 5
時間ほどのフライトである。そこで又少し眠り PC を開けタイピングをする。11 時間強の
フライト後ウイーンに着いた。空港は霧に包まれ気温
は2℃との報告を受けた。午後4時近くのオーストリ
アはすでに暮れかけており、空港のライトがおぼろに
霧を輝かせている。次のフライトの待ち時間が1時間
以上あるのでラウンジに入り、PCを接続させメール
を確認する。吉田さんもメールを開き、閉口一番息子
から税務署が入ったとの連絡だ。不景気でそれ所じゃ
ないのにと嘆いている。ラウンジのワインを飲むと軽
くて飲みやすく、吉田さんの嘆きとは別に良い感じだ。短時間のラウンジでメール確認も済
ませ、ゲートに進む。すでに搭乗客で大変な混みようだ。
しばらく待って搭乗すると、機体は定刻にゲー
トを離れた。外は重圧な霧が流れ、閉ざされた
視界の中に誘導路のランプが覗ける。しかし滑
走路に向かう途中で、霧の中から放水車の様な
物が現れ、翼に何やら掛けた。氷点下での霧は、
霧氷となって翼を覆うので除去作業の様だ。普
段見られない光景を目の当たりにする。ウイー
ンを離れ2時間弱の飛行でルーマニアの空港に
到着。現地時間は午後8時、日本時間は午前3
時半で15時間をかけての到着となった。空港
には在’日本大使館類家派遣員さんが、入国検査前で待機しており、180Kg 越えの荷物も無
難にルーマニア入りした。エントランスで
待機していた小野寺二等書記官と合流し、
大使館の車で宿泊先のクラウンプラザホ
テルに向かう。ホテルではヤマサ醤油の高
橋牧子さんの出迎えを受け、関係者一同で
打ち合わせをする。
11月15日
ホテルにて長嶺大使公邸料理人と小野寺
さんを交え打ち合わせをした後、市内で食
材の調達をする。魚は ZEN Sushi が準
備したものと、大使公邸に届いたノルウエ
ーサーモンの以外の鮮魚の調達もする。基本的にはメトロの魚を購入する。鯖と鯛と鱸は鮮
3
度も良く安心をする。しかし平目は良くない。
大使公邸にて昼過ぎから仕込みに入る。
仕込みの補助にルーマニア人シェフが4名
で、大変役助かった。ブカレストの ZEN
Sushi2名は日本人オーナーの元で仕事を
覚え、地方から来た TOKYO グループ2名
の若いシェフも、千葉県出身の土屋尚史さ
んの元で働いているので、海外のシェフと
してはレベルも標準以上であった。
明日明後日と2日間のイベントなので、サ
ーモンは塩で締めて水を抜くものと、醤油
漬けの2種類を作る。マグロは生で色も鮮
度も落ちているので、血抜き[流水で表面の血糊と体液を取る]と、鰻は表面のタレをお湯
で洗い流して、フライパンに水を注ぎ煮直しをして、蒲焼きのタレを薄めて煮て仕上げる。
玉子焼きは、生卵を 10kg 割り出汁を加えて焼き上げた。公邸は電気調理器では無くガスな
ので玉子焼きも順調に進んだ。
仕込みは5時間ほどの時間を要したが、公邸の調理場という条件に恵まれ、順調に進められ
た。
夕 方 補 助 を し て い た だ い た ZEN
Sushi にて小野寺書記官並びに関係者
が集まりイベントの成功を祈って会食
をした。
11月16日
大使公邸に9時に入り、イベントで提
供するサーモン・鱸・マグロ・鰻・鯖・
平目の切りつけをする。シャリ炊きも
200 人分の量なので、少ない炊飯器
では時間を要したが、土屋さんが合
流し、手は十分である。魚の切りつ
けは自分達が主になり、現地シェフ
を指導した。補助のシェフは大変勉
強熱心で感心する。シャリも順次揃
い始めた所で、ロールの見本を作り、
彼らにそれを調理してもらう。ロー
ルは鰻胡瓜巻きでゴマソースを掛
ける。サーモンの皮をパリパリに焼いた芯とネギとゴマを加えて巻き、食べるラー油を添え
4
る。サーモンを捌いた時の骨の部分の身と切
り屑をマヨネーズとコチジャンを混ぜて、表
にはカネサ味噌のパラミソで覆うスパイシ
ーサーモンロールの 3 種類である。イベント
会場のクラウンホテルは、宿泊先でもあるが、
お借りする調理場は狭く事前の調理が必要
である。イベント会場には 2 時頃に入り、会
場での準備に入る。握りは現地シェフに任せ、
会場の後部でスシデモをしながら、お土産を
作りセミナー終了後に配布をする予定であ
る。握りすしは、ノルウエーサーモンのズケ、
サーモン炙りヤマサポン酢ジュレ添え、サー
モン塩締め、みそチャップ添えと玉子焼きで
5
ある。
セミナー開始までの設営準備には時間もあり余裕であった。定刻の 18 時に会場は 8 部の入
りとなり開始を待ったが、市内の渋滞が酷く 30 分ほど待ちの開始であった。在’ルーマニ
ア日本大使館雨宮夏雄特命全権大使の挨拶の後、セミナーはスターとした。この地域でも、
Sushi はご飯の上に乗った食べ物で、日本人なら誰でも作れる簡単な料理と思われているの
で、魚の衛生調理知識を重点的に説明する。すしにするシャリの扱いではシャリ研ぎを実演。
どこの国のシェフでも包丁の管理と扱い方が悪いので、包丁の種類から研ぎ方使い方を説明
し、その切れ味の素晴らしさも伝える。恒例のお姉さんの腕の上での胡瓜の試し切りは会場
の視線を釘付けにした。その他にも包丁の技を幾つか披露して会場を沸かせる。海苔巻きの
作り方と握り寿司の作り方では、簡単な方法も伝授する。[丸いご飯のボールを作り、その
上に魚を乗せて左手の上で形を整える作り方を説明]握りすしは素手で作るが、その時は酢
に手を入れて抗菌して握る事も説明して、一通りの知識を会場の皆さんに伝えた。終わりに
世界の Sushi として、各地で開催したセミナーや珍しい 350 枚の映像を披露した。終わり
に会場の 200 名の参加者と一緒に手締めを行い、大盛況の内にセミナーは終了した。
会場の皆さんに日本の奥深さを知って大変良かったと喜んで頂けたので嬉しい。
11 月 17 日
朝 8 時半にホテル
を出て、大使公邸
に向かう。公邸で
の VIP イベント
は、11 時開始の為
早速準備に入る。
提 供 す る Sushi
は昨日の握りの他、鱸の握り
にモミジおろしを乗せ、ポン
酢ジュレを添える。他には鰻
の握りの他、鯖の寿司などバ
リエーションも加え楽しんで
いただく。10 時になると現地
シェフも加わり準備は整いお
客様を待つ。VIP 招待のイベ
ントでは、松本由美子さんの
津軽三味線の演奏が行われ、
招待者を楽しませた。11 時に
なると VIP も揃い定刻より多
少遅れての開始となった。公
邸には現地の閣僚も参加し大
6
使館の狙いは十二分に伝わった。ここでは昼食前のセミナーなので時間は 30 分を目処に、
Sushi の基本調理をお話し、包丁技も見せて会場を沸かせた。Sushi の提供時には小生達も
加わり皆さん痛く感動して、召し上がっていただいた。終盤には雨宮大使の合図で早握りの
競争も行い、ここでも大いに盛り上がり
を見せ大盛況の内に VIP セミナーも終
了した。終わりに勿論手締めをして、現
地の VIP と気持ちを一つにした。参加
された皆さんが興奮して公邸を後にし
て行ったのが印象的であった。約 2 時間
のイベントであったが、16 時から専門
家セミナーであるが、続いて公邸でのイ
ベントなので移動も無く気も楽だ。
専門家セミナーは 16 時開催であるが、
急遽テレビ取材があり 30 分ほど遅れての開始
となった。VIP の時と同じく雨宮大使の挨拶の
後開始となった。専門家では特に魚の衛生調理
に重点を置き講義を進め、包丁に関する事も詳
細に伝えた。現在 Sushi を提供しているレスト
ランは少ないが、今後急激に増える可能性があ
るだけに、このセミナーの意義は高い。約 3 時
間のイベントも終了し、ルーマニアでの事業は
全て無事に行われた。
どの会場でも、日本の食の奥深さを知り大変参
考になったと言う言葉をいただいた。国際交流基金事業の在日本大使館の活動として、日本
文化を現地に伝える事が出来た。会場の片づけをしてホテルに戻り、最後の夜をルーマニア
料理のレストランで過ごす。この時高松書記官も同伴し、ルーマニアの事情を詳しく教えて
いただいた。この時高松書記官は、チェコの落合書記官と同期である事を知る。
11 月 18 日
離陸の時間は 15 時なので、午前中は観光を設
定していただいた。ブカレストの名所旧跡を、
高松書記官と三味線演奏をした松本さんに随
行いただく。ドラキュラ伯爵のお城にも行き、
束の間の観光を楽しんだ。ドラキュラの「ドラ
ク」はルーマニア語で「竜」を意味し、悪魔と
も言う。ドラクルはオスマン帝国軍や敵対する
貴族などを串に刺して地面に立て、オスマン帝
国軍や近隣の人を震え上がらせたと言う。その
方法は非常に残酷で、木製の串を敵の背中に刺し、死に至るまで少なくとも 28 時間は苦し
7
めたと伝えられている。昼食はルーマニア料理のレストランに行き、小生は豚のソテーを食
べたが、高松書記官はグラーシュを食べている。小生がチェコで初めて食べた料理である。
昼食を済ませ空港に向かい、ヤマサ醤油の高橋さんと濱田さんと合流。チェックインカウン
ターに向かうが、ここで大変な事が起きた。事前に荷物の重量を調査してあったが、我々2
人の荷物重量は一人 30kg1 個と言われた。余裕でいたが大変な誤算である。やむなく超過
料金€444 を支払い、チェックを済ませた。
ルーマニアの印象は親日家も多く、経済はまだ周辺諸国に追いついていないが、確実に成長
を遂げている。国の期間がまだ発展に追いつかず、障害はあるが楽しみな国である。出来れ
ば再度この地を訪問させて頂き、事業貢献が出来たらと祈りブカレストを後にした。
関係者の皆さんから、今回限りの講演では無く再度訪問をしてくださいとの暖かいお言葉を
頂戴して去るルーマニアであった。
報告
全国すし商生活衛生同業組合連合会常任理事
全国すし商衛生同業組合連合会海外すし知識認証制度委員長
千葉県すし商生活衛生同業組合 理事長 風戸正義
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