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留 市 監 第 106 号 平 成 19 年 3 月 29 日 留 萌 市 長 高 橋 定 敏 様 留萌市議会議長 樋 口 隆 様 留萌市教育委員長 有 一 様 沢 準 留萌市監査委員 阿 部 洋 一 留萌市監査委員 中 村 才 藏 行政監査の実施について(報告) 地方自治法第 199 条第 2 項の規定に基づき、平成 18 年度行政監査を実施したので、同条第 9 項の規定により、その結果に関する報告を次のとおり提出します。 なお、当該監査結果に基づき、又は当該監査の結果を参考として措置を講じたときは、同 条第 12 項の規定により、その旨を通知願います。 平 成 18 年 度 監 査 報 告 書 行 政 監 査 留 萌 市 監 査 委 員 行 政 監 査 報 告 1.監査のテーマ 「委託等契約事務について」 社会経済情勢の変化や市民ニーズの多様化に伴い、今後ますます増大する行政需要に対し、 事務事業全般にわたって見直しが行われている中で、外部委託の状況を分析し、その経済性、 効率性及び有効性を横断的に検証し、今後の事務改善に資するため、行政監査のテーマとして 選定した。 1.監査の対象 総務部(総務課・管財課・税務課) 生活福祉部(市民課・生活環境課・市民サポートグループ・社会福祉課・児童家庭課・げんき課・ いきがい課) 産業建設部(農林水産課・商工観光課・経済振興課・地籍調査室・港湾課・都市整備課・ 建築指導課・下水道課) 政策経営室(企画調整課・財政課) 議会事務局 留萌市教育委員会(学校教育課・生涯学習課・女性青少年室・幌糠地区公民館・図書館・ 海のふるさと館・学校給食センター) 2.監査の範囲 本市において委託料から支出されている委託契約(指定管理者=協定書を結んでいるものを 含む)をしているもののうち、企業会計を除く全部署における平成 17 年 4 月 1 日から平成 18 年 3 月 31 日までに執行された契約事務。 3.監査の実施期間 平成 19 年 1 月 15 日から平成 19 年 3 月 28 日 4.監査の方法 平成 17 年度の委託契約等事務 452 件を各所管に照会し、委託の性質、契約業者の市内・市 外別、契約の方法、随意契約の根拠法令等を分析する。 その中から任意に 30 件を抽出し、関係書類及び諸帳簿等を通査するとともに、必要に応じて 担当職員から事務の執行状況及び内容等の説明を受け、目的、契約事務、成果品などの状況 を把握し、適法性、効率性、有効性などの観点から総合的な評価を行う。 5.監査の結果 (1)委託料の年度別推移 委託料とは、地方公共団体がその権限に属する事務、事業等を他の機関又は特定の者に委 託して行わせる場合に、その反対給付として支出する経費である。 平成 15 年度から 17 年度までの一般会計・特別会計における委託料の決算額の推移は次表 のとおりである。 委 託 料 決 算 額 推 移 (単位:円) 平成17年度 決算額 一般会計 特別会計 合 計 総 額 19,084,062,045 委託料 889,346,167 総 額 9,355,546,541 委託料 226,368,785 総 額 28,439,608,586 委託料 1,115,714,952 平成16年度 構成比 4.7% 2.4% 3.9% 決算額 14,352,093,713 937,861,108 8,712,953,922 186,742,646 23,065,047,635 1,124,603,754 平成15年度 構成比 6.5% 2.1% 4.9% 決算額 14,476,444,655 965,851,721 8,594,161,570 238,594,790 23,070,606,225 1,204,446,511 構成比 6.7% 2.8% 5.2% ※ 平成17年度一般会計は起債の借換をしているため、補償補填及び賠償金と償還金利子及び割引 料の構成比が例年より高くなっている。 起債借換がなかったとした場合の平成17年度構成比は一般会計で6.4%、合計で4.8%となる。 一般会計・特別会計の歳出決算額及び委託料の動向は次表のとおりで、平成 17 年度を 9 年 前の平成 8 年度と比較すると、歳出決算額(起債借換分を除く)は 6%減少しているのに対 し、委託料は 11.6%増加している。これは低経済成長の影響等を受けて税収が伸び悩み、そ の一方で、市民ニーズの多様化などに伴う行政需要の増大の中「最少の経費で最大の効果を 挙げる」という基本理念に基づき、より効率的、効果的なものにするための方策の一つとし て、事業事務の外部委託が推進されたことによると考えられる。 しかし、ここ 2・3 年については予算の枠配分方式や事務事業評価が実施され、既存の委託 料の更なる見直し等が進んだことにより、支出額・構成比ともに減少傾向にある。 一般会計・特別会計の歳出決算額及び委託料の動向 指数 委託料決算額 140 130 120 110 100 90 80 70 決算額総額 H17決算で起 債借換がな かった場合 年度 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 ※ 指数は、平成8年度を100とした数値である。 (2)委託等契約の集計 ① 契約状況の集計区分 業務の分類を次のグループにまとめ、業務性質をこの名称により記述することとした。 A 調査・設計業務(専門、技術的要素が強く、高度な成果品を求める業務) B 市民サービス業務(市民サービスを効率的に行う業務) C 保守管理業務(保守管理、事務業務を能率的に行う業務:指定管理者委任を含む) D 一般事務業務(一般事務を効率的に行う業務) E その他 契約業者の区分は、市内業者、準市内業者(市内支店) 、市外業者に区分した。 契約方法は地方自治法施行令第 167 条に規定する指名競争入札と同令 167 条の 2 に規定す る随意契約の方法による契約ごとに集計し、さらに随意契約については、留萌市契約規則第 27 条の「随意契約によろうとするときは、なるべく 2 人以上の者から見積書を徴さなければ ならない。 (ただし書き規定あり) 」との規定に基づき、見積書 2 人以上とそれ以外(見積 1 人以下)に区分した。 ② 契約の集計結果 監査対象の委託料は件数で 452 件、金額では 1,115,714,952 円となっており、性質別には 次図のとおりである。 その他の業務 2.0% 性質別件数 性質別金額 一般事務業務 12.4% 市民サー ビス業務 11.7% 保守管理 業務 66.4% 調査・設計業務 7% その他の業務 3.6% 一般事務業務 8.0% 市民サー ビス業務 18.4% 保守管理 業務 57.9% 調査・設計業務 12.1% また、契約業者別の件数と金額は次図のとおりである。 契約業者別金額 契約業者別件数 未契約 18% 市外業者 38.8% 市外業者 29.6% 市内業者 61.5% 準市内業者 8.8% 市内業者 57.3% 準市内業者 4.0% さらに、契約方法別の件数と金額の割合は次図のとおりである。 契約方法別金額 契約方法別件数 指名競 争入札 12.4% 随意契約 (見積2人以下) 10% 指定管理者 0.7% 指定管理者 0.9% 未契約 18% 指名競争入札 34.1% 随意契約 (見積1人以下) 72.1% 随意契約 (見積1人以下) 53.1% 随意契約 (見積2人以下) 11.9% 委託契約は圧倒的に随意契約が多く、且つ、見積書1社以下が件数で 7 割以上、金額でも 5 割以上となっている。 随意契約は競争という方法をとらず、任意に選定した特定人を相手方として締結する契約 をいうが、随意契約によることができる場合は、地方自治法施行令第 167 条の 2 第 1 項第 1 号から第 9 号に明示されている。 1 号は予定価格が規則で定める額を超えないときで、269 件が該当となる。しかし、これは 随意契約ができるという根拠であり、留萌市契約規則では、なるべく 2 人以上のものから見 積書を徴さなければならないとされている。 見積書が 1 社で良い場合は、地方自治法施行令第 167 条の 2 第 1 項第 2 号から第 9 号に当 イコール てはまる理由が必要であるが、根拠法令の解釈間違いや随意契約=1社見積としているなど の誤りとともに、各部署での考え方や理由の根拠付けに統一性の欠如が見受けられる。 本年度の定期監査でも指摘したとおり、契約マニュアルに沿った契約作業を徹底する必要 がある。 なお、参考までに考え方に相違のある各課に共通する契約を 2 つ抽出し検証してみた。 ■消防用設備等保守点検業務委託 各部署で 22 件の契約があるが、内訳は次のとおりである。 担当課 建築指導 学校教育 生活環境 学校教育 特会下水 げんき 児童家庭 都市整備 市民サポート ふるさと館 図書館 総務 商工観光 都市整備 幌糠公民館 農林水産 東部公民館 都市整備 農林水産 生涯学習 給食センター 市民サポート H17支出額 836,850 504,000 467,250 399,000 326,550 299,250 186,375 136,500 126,000 115,500 109,200 94,500 66,150 64,050 42,000 41,580 40,950 36,750 34,545 28,350 24,150 19,950 相手方 市内支店 市内支店 市内 市内支店 市内支店 市内 市内 市内支店 市内支店 市内支店 市内支店 市内支店 市内支店 市内支店 市内 市内 市内 市内支店 市内 市内支店 市内支店 市内支店 入札見積 参加業者 入札 3 社 入札 3 社 見積書 2 社 入札 3 社 見積書 1 社 見積書 3 社 見積書 2 社 見積書 1 社 見積書 2 社 見積書 1 社 見積書 1 社 見積書 3 社 見積書 2 社 見積書 1 社 見積書 2 社 見積書 1 社 見積書 2 社 見積書 2 社 見積書 2 社 見積書 1 社 見積書 2 社 見積書 2 社 契約方法 指名競争 指名競争 随意契約 指名競争 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 根拠法令 167-1-3 167-1-2 167-2-1(1) 167-1-2 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(2) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 予定価格 50 万未満の契約は随意契約が認められるが、請け負うことができる業者が複数社 あるのであれば見積書を 2 社以上取るべきである。 ■廃棄物処理委託料 各部署で 10 件の契約があり、内訳は次のとおりである。 担当課 学校教育 商工観光 学校教育 給食センター 総務 生涯学習 ふるさと館 げんき 図書館 児童家庭 H17支出額 4,053,840 3,472,836 1,387,080 1,221,150 764,360 360,240 337,980 267,780 169,980 146,220 相手方 市内 市内 市内 市内 市内 市内 市内 市内 市内 市内 入札見積 参加業者 見積書 1 社 入札 4 社 見積書 1 社 入札 6 社 入札 5 社 見積書 1 社 見積書 1 社 見積書 1 社 見積書 1 社 見積書 2 社 契約方法 随意契約 指名競争 随意契約 指名競争 指名競争 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 随意契約 根拠法令 167-2-1(2) 167-1-3 167-2-1(2) 167-1-1 167-1-3 167-2-1(2) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 167-2-1(1) 消防用設備等保守点検業務委託と同じように、請け負うことができる業者が複数社あるの であれば見積書は 2 社以上取るべきであり、予定価格 50 万以上の契約については入札を行う べきと考える。 (3)調査書等による委託契約の状況(抽出) 委託事務内容を把握するために作成した調書は随意契約 30 件で、次のとおりである。 なお、28 件が見積書 1 社のみ又は見積書を取っていないもので、平成 18 年度も継続して 委託契約を結んでいるものである。 担当課 生活環境 社会福祉 げんき いきがい 農林水産 商工観光 建築指導 都市整備 港湾 学校教育 一般事務 1 件 市民サービス 3 件 1 件 2 件 4 件 4 件 1 件 1 件 4 件 保守管理 3 件 調査設計 その他 2 件 1 件 2 件 1 件 (4)抽出分委託契約の調査結果 ① 契約事務 今回抽出した委託契約は、ほとんどが継続して同一業者と随意契約をしているものである が、継続する場合は「事務事業の内容が専門的で、代替可能な委託先が存在しない」等の明 確な理由を明記する必要がある。 通常、執行伺には根拠法令や随意契約理由等を記載する書式となっているが、今回抽出分 は執行伺を取っていないものが極めて多く、随意契約の根拠法令、理由が明記されていない ものが目立った。 また、積算根拠、予定価格調書といった必要調書が添付されていないだけでなく、中には 見積書、実績報告がないなど、書類的に不備のあるものが多く見受けられた。 契約事務における指摘事項は 3 月 19 日、20 日に実施した講評の中で指導したので個別の 記述は省略するが、契約担当者をはじめとする主管部署は、今回の講評での指摘事項にあわ せ、昨年末に実施した平成 18 年度定期監査での指摘及び 3 月 23 日に開催された契約係によ る契約事務研修会の指導を十分理解・認識し、契約事務にあたってもらいたい。 ② 委託の効果 地方自治法第 2 条第 14 項に「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福 祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」 と規定されているように、委託にあたっては常に経済性、効率性、有効性等の効果が期待で きるものでなければならない。 効果の測定については特に規定されていないが、事務事業管理における基本であり、この 結果をもとに常に事務事業の見直しを行わなければならないものである。また、効果測定の 結果を文書により明確にすることは、処理経過の明確化ということからも重要なことである。 なお、調査した結果、委託契約の経済性、効率性、有効性等の効果について、次のような 事例があったので検討されたい。 ③ 事例 ■交通安全啓発事業委託料(294 千円) 留萌市交通安全条例では市の責務として「市民の交通安全意識の高揚と自主的な交通安全 活動を確保するため、啓発活動及び交通環境の整備等の総合的な交通安全対策の実施に努め なければならない。 」としており、交通安全に係る啓発業務を実施することにより、市民生活 の安定を図ることを目的とした業務委託である。 業務の性格上広範なものになることは理解できるが、書類上の不備が多く見受けられるの で、委託料として支出する以上、具体的な精査が必要である。また、長年(財)留萌市交通安 全協会と随意契約を結んでいるが、留萌市と交通安全協会の役割分担の明確化をはかり、そ れに基づいた委託内容、積算根拠の明示に留意すること。 ■日曜日一次救急医療業務委託料(1,185 千円) 留萌医師会会員病院(留萌管内初山別村以南)が、留萌南部(留萌・増毛・小平) 、留萌中 部(苫前・羽幌・初山別)でそれぞれ月1回日曜日に輪番により当番病院を開設し、初期救 急医療に対応するものであり、金額の関係だけで推し量れず、制度の継続が優先される事業 である。ただし、各市町村の負担金算出に明確な根拠付けが必要である。 市町村負担金の算出が6市町村で総体金額を均等割、人口割で算出しているため、留萌市 が 566,140 円と一番高い負担となっている。二次医療ではあるが、留萌市立病院でも救急患 者を受け入れしていることからすれば、留萌市民が中部の病院に行くことは考えられず、中 部・南部地区でそれぞれ実施しているのであれば、総体金額の2分の1を地区市町村で負担 すべきである。 ■シルバーハウジング生活援助員派遣業務委託料(2,286 千円) シルバーハウジング事業に基づく措置であり、費用負担基準を留萌市単独で考えることは できないものであるが、平成 18 年度より事業費の大部分を占めていた補助金が税源委譲によ る一般財源化により、現在は留萌市単独事業となっている。 事業に対する留萌市の負担を軽減させるため、介護保険法による地域支援事業への取り組 みについて早急に検討をすべきである。 ■高齢者緊急通報システム業務委託料(1,815 千円) ■電話サービス事業委託料(987 千円) 高齢者を対象に、緊急時の通報手段の確保が困難な者や、日常生活の相談や安否確認を必 要とする者に対しておこなう、高齢者の福祉向上を目的とした事業であるが、平成 17 年度か ら事業費の大部分を占めていた国・道補助金が廃止され、留萌市単独事業となっている。 事業の性質から公的関与の必要性が強い事業であることは認められるが、高齢者を一律に 扱うのではなく、所得に応じた負担区分の設定等を検討すべきである。 ■ゴールデンビーチるもい駐車場管理業務委託料(1,260 千円) 駐車場の収益としては年間 700 万円ほどあがっているが、上記業務は管理のみで、料金徴 収は直営で短期臨時職員を雇って行っている。また、海の監視、浜辺の監視等、海水浴場に は様々な業務がおこなわれている。 海浜公園駐車場部分との一体管理、有料化等に向けた検討を進めるとともに、指定管理者 制度を念頭に民間参入についても検討を進め、全体的な施設管理の構築を急ぐべきである。 ■観光案内所開設業務委託料(900 千円) 留萌観光協会経営のおみやげ屋「萌」内に併設しているが、業務遂行上の観光協会と留萌 市の住み分けが不明確である。案内業務が兼業であるなら、人件費は業務負担率で積算する 必要があり、逆に設置場所代、通信費等の加算が必要となる。 委託業務内容をより明確にし、積算根拠を示す必要がある。 ■市営住宅駐車場管理委託料(2,475 千円) 留萌市営住宅等駐車場管理規則第9条では「使用決定者は、使用許可に係る駐車場の清掃、 除雪等適正な維持管理に努めなければならない」として、清掃・除雪は利用者がすることに なっているが、この管理業務の内容に「駐車場の清掃・除雪」が入っており、整合性が図ら れていない。 利用者自らが管理運営することにより、不法駐車や除雪等のトラブルが減り、スムーズな 運営がされている等の委託効果は見受けられるが、規則との整合性を早急に整理する必要が ある。 ■留萌市明元町駐車場管理業務委託料(682 千円) 条例上は消費生活センター利用者等の駐車場であるが、実態は産業会館の駐車場として利 用されており、現状は公共駐車場としての役割は希薄と考えられる。 収入は年間 70~80 万程度で市からの持ち出しはないものの、通年の活用策を検討し、土 地の有効活用を考えるべきである。 ■留萌港船舶給水業務委託料(3,595 千円) ■留萌港引船運行業務委託料(20,408 千円) 本来は民営により行ってもらいたい事業であるが、利用船舶数が少ないために収益を得ら れず、港湾管理者の責任として留萌市が事業主になっている実情がある。 ともに港湾管理上必要な業務であり、特殊業務のため委託先が限定される業務であるが、 入港船舶数等、他港の実態を調査し、料金の見直しも必要と思われる。 ■留萌市教育の研究調査委託料(500 千円) 留萌市の教育振興のための研究調査で、教育にかかる様々な研究調査を業務にあげている が、どれも抽象的な委託内容である。 調査委託等については、成果を今後の事業に活かす目的があり、その成果を活用し、事業 の早期実現をめざすものでなければならない。どんな事業の研究調査なのかが不明である。 契約では成果表により報告するよう規定しているが、業務内容と成果品の間に整合性が無 く、今後は業務内容をはっきりと示し、その成果品を今後の事業にどのように活かしていく のかを明確にすべきである。 6.まとめ 行政が住民の信頼を確保し、その期待に的確に応えていくには、行政のあらゆる分野にわた って絶えずその運営が経済的かつ効率的に行われているか検証し、評価を加え、見直さなけれ ばならないものである。それゆえ、外部委託によることが可能で有利な業務については、これ を積極的に活用し、効率的にその効果を上げていく必要がある。 今回 30 件を抽出し、適法性、効率性、有効性などの観点から評価を行ったが、事務事業の外 部委託は着実に推進されてきてはいるものの、長期的に外部委託契約が行われている事務事業 のなかには、前段調査結果にも指摘しているように、明確な理由のない 1 社随意契約が多く、 契約事務の公正・透明性が欠けているものや、委託の仕様・算出根拠が不明確なもの、委託の成 果報告がなく、効果の測定がされていないものなど、疑問を擁するものも多く見受けられた。 このことは、長期的に繰り返し行われる外部委託契約事務が、何ら疑問もなく前例踏襲的に 行われてきた結果であると推測され、所管課の改善・改革意識の低さにもつながっているものと いえよう。 時代の趨勢とともに、 政策手段として NPO を含めた民間活力の導入は拡大の方向にあるが、 それが真に市民サービスの向上のために有効であるかを常に検証し、評価を加え、最小の経費 で最大の効果を挙げながら、市民福祉の向上と充実に一層寄与するよう望むものである。