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Data 数字は語る 女性の活躍推進に必要となるのは夫婦の適正な家事分担
安 分担割合 家事・育児 1:9 夫 妻 は語る 字 数 倍晋三首相が成長戦略ス ピーチで女性の活躍推進 を打ち出してから約1年 がたち、役員や管理職に女性を登 用したり、女性の管理職比率など について目標数値を示したりする 企業が増えてきた。 さらなる女性の活躍推進のため には、保育所や学童保育などのイ ンフラ、年金や税制などの制度の 課題もあるが、夫婦の分業体制の 見直しも必要になってくるだろう。 図はともにフルタイムで働く夫 婦の平日の仕事、家事・育児の時 間を示したものである。子どもが いない夫婦のみの世帯における家 事︵・育児︶の分担は夫1割妻9 割。とはいえ、妻の家事時間も1 時間半にすぎないため、まだ仕事 に支障が出るほどではなさそうだ。 子どもが産まれると育児が加わ り家事・育児に必要な時間は急増 する。それでも家事・育児の分担 は夫1割妻9割でほぼ変わらない ため、妻の家事・育児時間は5時 間弱まで膨れ上がっている。仕事 時間との合計で見れば夫婦の負担 は均衡しているが、妻の仕事時間 は5時間半まで圧縮されている。 Data 大和総研金融調査部 研究員 是枝俊悟 女性 活躍推進 必要 夫婦 適正 家事分担 平日1日当たりの仕事、家事・育児の時間と夫婦内シェア 9時間08分 7時間46分 夫婦のみ世帯 10時間16分 夫婦と子 ︵末子が 未就学︶ の世帯 100% 80% 60% 40% 20% 0% 10時間11分 合計 4時間45分 46分 家事・育児 5時間31分 9時間25分 仕事 9時間19分 9時間20分 合計 1時間33分 12分 家事・育児 妻 仕事 夫 *夫婦ともに週35時間以上働く雇用者である世帯 総務省「平成23年社会生活基本調査」を基に大和総研作成 女性が活躍できるような人事制度 を設けていても、これだけ短い時 間で働きながら出世できるほどの 実績を残せる女性はまれであろう。 夫婦ともフルタイムで働く場合 に限っても夫婦間の家事・育児分 担の差は歴然で、これが働ける時 間の差となり、ひいては管理職や 役員に昇進できる可能性の差にも つながっているのではないか。 女性の活躍推進のために国や企 業として何が必要なのかを考える ことも大事だが、共働きの男性は、 まず﹁自分の妻﹂が活躍するため にできることをすべきだろう。 働 夫婦 平日 家事・育児 時間 (総務省「平成23年社会生活基本調査」 ) 週刊ダイヤモンド 2014/05/03・10 合併号 22