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情勢分析 - 一般財団法人日本エネルギー経済研究所 中東研究センター

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情勢分析 - 一般財団法人日本エネルギー経済研究所 中東研究センター
-情勢分析20001110-
(財)中東経済研究所
― 中東・エネルギー情報 ―
2000 年 11 月 10 日
Vol.2, No.14
情勢分析
目次
再検討を迫られる国連賠償委員会の役割とイラク問題 ................................... 2
I 承認されたクウェートの巨額請求 .................................................................................. 2
II 対イラク圧力機関としての UNCC ................................................................................. 3
III 予想される UNCC 審理の紛糾 ...................................................................................... 3
<トピックス> .......................................................................................................................... 4
OPEC:初めて発動されたプライス・バンド・メカニズム ............................................. 4
アルジェリア:Sonatrach がペルーのガス開発に参加....................................................... 4
イラク:原油販売をユーロ建てに変更 ............................................................................... 4
カタル:Rasgas が台湾への LNG 供給に基本合意 ............................................................. 5
サウジアラビア:Saudi Aramco が原油生産力増強プロジェクトを再開........................ 5
トルコ:ロシアがガス供給拡大で合意 ............................................................................... 6
リビア:入札鉱区の情報を公開 ........................................................................................... 6
<石油データ> ........................................................................................................................... 8
I 価格動向(10 月 25 日 - 11 月 7 日)...................................................................................... 8
II 需要、供給、在庫 .............................................................................................................. 11
1. 需要動向(11 月 10 日更新)............................................................................................. 11
2. 生産動向(10 月 27 日更新)............................................................................................. 12
3. 在庫動向(11 月 10 日更新)............................................................................................. 13
III 需給実績と短期需給見通し ............................................................................................. 16
1. IEA, Oil Market Report, 2000 年 11 月号(11 月 10 日更新).......................................... 16
2. 米エネルギー省 , Short-Term Energy Outlook, 2000 年 11 月号(11 月 10 日更新).... 17
3. その他(10 月 27 日更新)................................................................................................. 18
4. 原油価格見通し(11 月 10 日更新)................................................................................. 19
1
-情勢分析20001110-
再検討を迫られる国連賠償委員会の役割とイラク問題
I 承認されたクウェートの巨額請求
ジュネーブで開催されていた国連賠償委員会 (UNCC)は 9 月 28 日、6 月以来の懸案事
項であった159億ドルにのぼるクウェートの対イラク賠償請求を全会一致で承認した。表
によれば、湾岸危機・戦争に伴うイラクへの賠償請求は2000年9月6日現在で260万1814
件、額にして 3221 億 600 万ドルに達しており、うち 99.5% に相当する 258 万 8728 件はす
でに UNCC の承認を受けている。だが、全体の 99.8% を占め 1 件当たり請求額の小さい
個人賠償の審理を優先していることもあり、件数では承認済みの割合が高率となるもの
の、額的に見ると承認済み分は 543 億 500 万ドルにすぎず (全体の 16.9%)、そのうち実際
に支払いが完了しているのは 81 億 1300 万ドルにとどまっている。その意味では、承認
されたクウェート請求分の巨大さは際立っている。
それゆえ当該請求の承認手続きは難航し、承認を主張する米国とこれに反対するロシ
ア、フランスの対立を浮き彫りとした。しかしながら最終的に、
「オイル・フォー・フー
ド」に基づくイラクの石油収入のうち、賠償基金への繰り入れ割合を現行の30%から25%
に低下させることで妥協が成立し、クウェートの請求は全会一致で承認された。その際
UNCC はまた、2000 年中に審理過程の見直しを行うことでも合意している。
かかる経緯を受けた 10 月 16 日、イラクのサッハーフ外相はアナン国連事務総長に書
簡を送付し、支払い側の当事者であるにもかかわらず、イラクが UNCC の審理から除外
されている現状の改善を求めた。表面上こうした要求は、フセイン政権による常套的な
国際社会への揺さぶりにすぎないようにも見える。けれども米国が UNCC に与えてきた
イラク政策上の位置づけからして、UNCC の現状は岐路を感じさせるものともなってい
る。
表 国連賠償委員会(UNCC)ヘの賠償請求
(2000年9月6日現在)
(単位:件、100万US$、%)
賠償全体
請求合計(1+2)
件数
額
承認待ち請求(1)
件数
額
承認済み請求(2)
件数
額
うち裁定済み分
件数
額
うち支払済み
(個人賠償)
(その他)
(個人賠償比率)
2,601,814
322,106
2,595,540
22,409
6,274
299,698
99.8
7.0
13,086
267,801
8,554
9,401
4,532
258,400
65.4
3.5
2,588,728
54,305
2,586,986
13,008
1,742
41,298
99.9
24.0
1,501,855
15,669
8,113
1,500,818
8,377
8,030
1,037
7,293
83
99.9
53.5
99.0
出所: UNCC, "Status of Claims Processing," http://www.unog.ch/uncc/status.htm
2
-情勢分析20001110-
II 対イラク圧力機関としての UNCC
1991 年 5 月 20 日の安保理決議 692 に基づいて設立された UNCC は、安保理と同様の 15
カ国によって構成され、イラクに対する賠償請求を処理してきた。その決定は 9 カ国以
上の単純多数決によっており、いずれの国も拒否権は持っていない。
設立当初から UNCC は米国の強い影響下にあり、フセイン政権に対する圧力機関とし
ての特性を明らかにしてきた。事実、UNCC の決定はイラク政府に賠償責任を負わせる
にもかかわらず、それにイラク側が異議を申し立てる道筋は封じられており、イラク側
はただ決定の概要を事後通告されるにすぎない。
そうした UNCC の賠償請求処理に関しては、
「可能なかぎり寛大な規準」 (エジプト人
の元職員)の採用が求められており、また親米国であるクウェート、サウジアラビア、イ
スラエルの請求には特別扱いの印象もただよっている。仏人ジャーナリストのアラン・
グレシュは、イラクの軍事行動に起因する営業利益の逸失として、イスラエルの花屋や
八百屋、映画館、ホテル等の賠償請求が認められた例を捉え、イギリスの映画館が 1939
- 45 年の観客減少に関しドイツに補償を要求するようなものと評している。
現在のイラクの石油収入水準 (年 200 億ドル)を前提にその 25% が賠償基金に繰り入れ
られるとすれば、その額は年間50 億ドルとなる。しかしこれまでに寄せられている賠償
請求の総額は 3200 億ドルを超えており (表)、支払い済み分を考慮に入れたとしても、賠
償の完了は 60 年後のこととならざるをえない。これは現実的といえるであろうか。
III 予想される UNCC 審理の紛糾
のみならず今後 UNCC は、1 件当たり請求額の大きな政府や企業の賠償請求を本格的
に処理しなければならない時期を迎え、審理の場ではいやがうえにも利害の対立が際立
つ場面が多くならざるをえない。個人による賠償請求のうちすでに承認されたものは件
数で 99.7%、額で 58.0% となっているのに対し、政府や企業による賠償請求は承認済み
が件数で 27.8%、額で 13.8% にとどまっている (表)。とどのつまりは全会一致の承認と
なったクウェートの巨額請求をめぐるような UNCC 審理の紛糾は、今後は頻発を予想し
ておくべきかもしれない。
イラク側がそうした審理への参加要求を強め、おそらくは次第にこれを支持する国が
増えることを考えれば、制裁全体の見直しを含め、米国をはじめとする国際社会はイラ
ク政策の再構築を迫られる局面に立ち至ったように思われる。
(立花 亨)
3
-情勢分析20001110-
<トピックス>
OPEC:初めて発動されたプライス・バン
ド・メカニズム
OPEC は、プライス・バンド・メカニズ
ムにのっとり 10 月 31 日からの 50 万 b/d 増
産を加盟各国に伝え、2000 年に入って 4 回
目の増産を行うことになった。プライス・
バンド・メカニズムは、OPEC バスケット
価格が 20 営業日連続で 28 ドルを上回った
場合に 50 万 b/d を増産するというもので、
OPEC の非公式な合意事項とされている。
同メカニズムは 2000 年 3 月の OPEC 総会で
提起され、その後 6 月の OPEC 総会で一部
修正され現行方式となっている。しかし、
これまではプライス・バンド・メカニズム
の発動条件を満たした場合にも実施され
ず、OPEC 増産はもっぱら総会の決議に
よっていた。そのため今回が初めての同メ
カニズムによる OPEC 増産になる。
今回の増産後も、原油価格は暖房油を中
心とした製品在庫への懸念と中東情勢の緊
張から高値で推移しており、今回の増産が
市況に与える影響は軽微であると見られて
いる。ロドリゲスOPEC 議長は 2001 年の第
I 四半期までは原油高は継続するとしてお
り、今後も市場からの増産要請が高まるこ
とが予想される。(徳原)
ジェクトの投資総額は6億9500万ドルとな
る見込みである。Sonatrachはこのプロジェ
クトで探査技術顧問の役割を期待されてい
るが、同相はガス田開発にも取り組みたい
ようだ。Sonatrach の出資金 6900 万ドルに
ついては、1500万ドルは株式資金として出
資し、残りは技術顧問指導料として現物出
資するようだ。(佐々木)
イラク:原油販売をユーロ建てに変更
10月12日イラクのラシード石油相は、イ
ラク原油の購入者に対して、11 月 1 日から
の引き取りについてこれまで使用してきた
米ドルに代えユーロで支払うよう要請し、
国連に対してもこれを認めるよう要求して
いることを発表した。これに対して国連事
務局は、10月27日、ユーロ建てへの変更は
イラクにとって大きな費用負担となるとの
見解を示し、オイル・フォー・フード計画
の収入減に繋がるとイラクに対して警告す
る一方で、更なる検討が必要としユーロ建
てへの変更時期を先送りするよう要請し
た。イラク国内では、この問題に関して、国
連が認めなければ11月1日から石油輸出を
停止するとの強硬意見も出されていたが、
10月30日にユーロ建て開始を1週間先送り
することを発表し国連の決定を待つ姿勢を
示した。結局、国連のイラク制裁委員会は
同日イラクの要求を認める決定を行い、こ
アルジェリア:Sonatrach がペルーのガス の問題に関してイラクの石油輸出で大きな
開発に参加
混乱はないものと思われる。
今回、イラクの要求が問題なく認められ
Khelil エネルギー・鉱業相は 10 月 25 日、 たのは、国連事務局が難色を示したもの
アルゼンチンの Techint 主導で行うペルー の、対イラク強硬派の米国が異議を唱えな
東部のCamiseaプロジェクトにSonatrachが かったためである。米国は早々と10月26日
10% 出資をする事を発表した。このプロ 時点で、イラクが石油輸出にあたってどの
4
-情勢分析20001110-
サウジアラビア:Saudi Aramcoが原油生産
力増強プロジェクトを再開
ような通貨を使用したとしても、フセイン
政権に武器を購入するための資金が渡らな
ければ問題ないとしていた。米国が柔軟な
姿勢を示したのは、大統領選を間近に控
え、高止まりしている石油市場にイラク原
油の供給途絶という混乱要因をつけ加える
ことで、問題を大きくすることがためらわ
れたためではないかと思われる。(三田)
石油専門誌 Weekly Petroleum Argus 誌
(2000.10.16)などの報道によれば、サウジア
ラビアは原油生産能力増強のため、2 つの
石油上流部門のプロジェクトを始動させ
た。これらのプロジェクトは、今後 4 年間
で 2 つの油田から約 60 万 b/d の Arab Light
(AL)原油を増産することを計画しており、
15億8000万ドルのコストが見込まれる。サ
ウジ政府の方針どおり、外資を導入せず
Saudi Aramco が単独で実施する。
一つは Haradh-2 プロジェクトであり、陸
上ガワール油田のHaradh地区で2億8000万
ドルをかけて、AL原油を約30万b/d増産す
ることを目的とする。このプロジェクトは
1995年から1998年に延期され、さらに石油
価格低迷により棚上げされていたものであ
る。当初計画では2003年に生産開始する予
定であった。30 万 b/d のガス・オイル・セ
パレーション・プラント、45 万 b/d の水攻
設備およびガス・ギャザリング設備の入札
依頼が、エンジニアリング会社に対してな
されたといわれる。
二つ目は、13 億ドルをかけ Qatif 油田の
生産能力を 15 万 b/d から約 65 万 b/d に増強
する新規プロジェクトである。AL 原油 30
万 b/d のほかに、Arab Extra Light 原油 7 万
b/d、Arab Medium 原油 13 万 b/d の増産を見
込んでいる。エンジニアリング会社に対し
入札依頼がなされ、2001 年 9 月には初期エ
ンジニアリング作業が開始され、2002 年 3
月までにターン・キー契約がアウォードさ
れる予定である。Qatif 油田は、ガワール油
田の北東、ベリー油田の南に位置する。
ヌアイミー石油相などの政府高官は以前
カタル:Rasgas が台湾への LNG 供給に基
本合意
Ras Laffan Liquefied Natural Gas Company
(Rasgas)と台湾 Tung Ting Gas Corporation
(Tung Ting)は 10 月 22 日、LNG180 万 t/y の
長期供給 (2003 年末から 25 年間)について
基本合意書 (HOA)を取り交わした。現在の
ところ、売買契約 (SPA)は 2001 年半ばに締
結される見込みである。カタルから輸出す
るガスは、台湾北部に新たに建設される
TaiPower の発電所 (4000MW)に燃料として
供給される。また、Rasgasは資金調達、LNG
受入基地の建設・操業に関する入札の面
で、Tung Ting側をサポートすることにも合
意した。
Tung Ting は China Industrial Development
Bank、Uni-President's Group、三菱商事、伊
藤忠商事、Taipei City Gas 等からなるコン
ソーシアムである。なお、Rasgas は 1994 年
に台湾 China Petroleum Company と LNG210
万t/yの供給について合意したが、売買契約
締結に至らなかったという経緯がある。
(高橋)
5
-情勢分析20001110-
から、サウジアラビアは充分な余剰生産能
力があるので、石油上流部門の開発は喫緊
の課題ではないとしてきた。ところが2000
年に入って OPEC による小刻みな増産が積
み上がり、最近ではサウジアラビアの原油
生産量は約900万b/dまで伸びている。原油
生産能力そのものは約 1050 万 b/d といわれ
ており、現状でも依然150万b/d程度の余剰
生産能力を有するが、1 年前と比べて半減
していることは事実であり、このことが今
回のプロジェクト始動の背景となったもの
と考えられる。(原)
1 7 日にフランスのニースで開かれた
SMi2000 会議に出席した MEES の地中海編
集委員 Eric Warkins の報告によれば、リビ
ア政府は新鉱区の IOC への利益 (特にシル
トとムルツク盆地において)を考慮している
ようだ。
開発有望盆地 (シルト、海上、ガダムス、
ムルツク、キレナイカ、トリポリタニア、ク
フラ)別に探鉱可能面積、可能鉱区数、平均
鉱区面積、試掘井数、発見数、成功率、生
産能力 、発見埋蔵量、予想埋蔵量、未発見
埋蔵量が公開され、提示率が発表された。
また、公開された財務計算上の条件等は
次の通りである。
トルコ:ロシアがガス供給拡大で合意
トルコを訪問中のロシアのカシヤノフ首
相は、10 月 24 日のトルコのエルシュメル・
エネルギー相との会談の後、ロシアはブル
ガリア・ルーマニア経由でのトルコへのガ
ス供給を拡大することで合意したと語っ
た。具体的な数量については、10月27日の
トルコ国営アナトリア通信によると、現在
3100万m3/dのところを11月から3700万m3/
d に、さらに 2001 年初めには 3800 万 m3/d
に拡大される予定だ。トルコでは、かねて
からの電力需給の逼迫に、今年冬の少雨に
よる水力発電の減少が追い打ちをかけてお
り、政府は輸入電力の拡大交渉と並行し
て、発電所増設および発電用燃料の確保を
急いでいる。(大月)
・国は商業生産の目処がたった段階で、生
産権益の半分を取得し、運転費用の全額
を支払うが、
開発費用は50%だけ支払う。
・鉱区使用料、特別支払はない。
・請負人 (IOC)の費用は生産持ち分に応じ
た範囲で早期回収が可能になる。
・国の当初の取り分と請負人 (IOC)のコス
ト回収後の国と請負人 (IOC)の生産物割
当量は日産量毎に決められた生産指数と
R 要素で決まる。R 要素は業者の累積費
用に対する累積収入の比率である。請負
人(IOC)の取り分は二つの指数を掛け合
わせることによって決まる。
・請負人(IOC)に特別税率 65% で課された
所得税は還付される。
・源泉徴収税は課さない。
・費用回収が必要な工事区域は明確に区分
する。
・モデル契約はガスには適用されない。
・NOC はガス開発も望んでいる。EPSAIII
での新条項は生産されたガスを NOC が
地元の消費に充てるために優先的に購入
リビア:入札鉱区の情報を公開
リビア国営石油会社(NOC)は現在の探鉱
生産分与契約 (EPSA III)を押し進め、少な
くとも年末までに国際石油会社(IOC)1社と
交渉して結論を出したいようだ。10 月 16 -
6
-情勢分析20001110-
できるものとしている。国内消費に宛て
られるガスは 18 万 5000b/d の石油に代替
する。
なお、生産指数、収入/費用指数は次の表
から算出する。
生産指数
生産量
石油
ガス
千b/d
百万cf/d
0 - 10
0 - 60
10 - 25
60 - 150
25 - 50 150 - 300
50 - 75 300 - 450
75 450 -
指数
0.95
0.80
0.50
0.20
0.10
収入/費用指数
R要素
指数
<
1.5
3.0
>
1.5
- 3.0
- 4.0
4.0
1.00
0.80
0.60
0.40
出所:IHSエネルギー
(佐々木)
7
-情勢分析20001110<石油データ>(今号担当:牛嶋)
I 価格動向(10 月 25 日 - 11 月 7 日)
(1) WTI は 32 - 33 ドル台で推移
ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油スポット価格は中東情勢、イラク問
題、原油・暖房油在庫、天候などのニュースで価格が小刻みに変動する相場が続いている。
OPEC がプライス・バンド・メカニズムに基づいて 50 万 b/d を増産するとの観測から、10 月 27
日には $32.73/b まで下がったが、実際に増産を発表した 30 日には OPEC の増産余力や原油輸
送の問題、収拾の見通しがたたない中東情勢などを背景に$32.83/bと若干値上がりした。翌31
日の価格は暖房油に連れてやや下落したものの、11 月 1 日、API 原油在庫の予想外の低下、イ
ラク・シリア間の国連決議に反するパイプライン再開問題などで $33.28/b と再び 33 ドル台へ
上昇した。2 日は イスラエル・パレスチナ間で停戦合意に達したことや、イラクが輸出原油の
ユーロ決済問題で譲歩し、輸出停止の懸念が減少したことなどから $32.53/b まで値を下げた。
しかし、その後 R/D Shell がナイジェリアの製油所の一部を、現地の治安悪化を理由に閉鎖し
たことや、またイラクがトルコのジェイハンからの輸出を差し止めたことなどから7日には再
び 33 ドルを超え、$33.40/b となった。
(2) OPEC バスケット価格
10 月 30 日に 50 万 b/d 増産に踏み切った以後も OPEC バスケット価格はほとんど変わらず、
おおむね 30 ド台で推移している。次回のプライス・バンド・メカニズムは 10 月 31 日から起
算されている。
(3) WTI 先物はバックワーデーション
NYMEX の WTI 先物市場は、依然としてバックワーデーション(期近物が期先物より高い
状態)が続いている。11月に入ってからは、先安感の強まりから 期近物と 期先物の差が広がっ
てきている。
最近の原油スポット価格の推移
($/b)
38.00
36.00
34.00
32.00
30.00
28.00
Brent
WTI
Dubai
OPEC Basket
26.00
24.00
8/3
8/9
8/15
8/21
8/25
8/31
9/6
9/12
9/18
出所:Wall Street Journal. 日本経済新聞, OPEC通信。
8
9/22
9/28
10/4
10/10 10/16 10/20 10/26
11/1
11/7
-情勢分析20001110-
原油スポット価格の推移(1年)
($/b)
36
34
32
30
28
26
24
Dubai
Brent
WTI
OPEC Basket
22
2000年
20
11/5
12/3
12/31
1/28
2/25
出所:Platt's Oilgram Price Report, OPEC通信。
($/b)
3/24
4/21
5/19
6/16
7/14
8/11
9/8
10/6
11/3
WTI先物価格価格差(期先物価格-期近物価格)
2.00
コンタンゴ
1.00
0.00
Jan.92
Jan.93
Jan.94
Jan.95
Jan.96
Jan.97
Jan.98
Jan.99
Jan.00
-1.00
-2.00
-3.00
2nd month
3rd month
4th month
-4.00
バックワーデーション
-5.00
出所:PMIおよびOMI, 2000年10月以降についてはWall Street Journalより算出。
NYMEX:製品先物価格の推移(期近物)
(¢/gal)
110.0
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
暖房油
ガソリン
1999年
50.0
11/3
12/6
出所:Wall Street Journal.
2000年
1/7
2/8
3/9
4/7
5/9
9
6/8
7/11
8/9
9/8
10/9
11/7
-情勢分析20001110-
表I - 1 原油価格動向(ロッテルダム・米国湾岸)
(単位: $/b)
1999年
2000年
11月
12月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
アラビアン・ライト34°
ネットバック
21.60 22.16 22.40 23.82 25.22 22.16 23.71 25.99 25.01 25.79 29.42
スポット
24.15 23.95 25.08 26.25 26.30 22.38 27.05 28.80 27.38 27.33 31.93 30.13
アラビアン・ヘビー27°
ネットバック
18.74 20.35 19.60 20.77 23.10 19.72 19.84 22.60 22.51 21.26 25.20
スポット
23.30 22.65 23.73 24.40 24.80 21.43 26.05 29.70 26.18 25.73 29.33 28.03
イラニアン・ライト34°
ネットバック
20.05 21.92 21.54 22.94 24.97 21.88 22.58 25.00 25.77 24.41 28.84
スポット
24.00 23.80 24.93 26.10 26.15 22.23 26.90 28.70 27.28 27.23 31.83 30.03
クウェート31°
ネットバック
19.35 21.09 20.50 21.75 23.93 20.67 21.06 23.63 23.84 22.70 26.95
スポット
23.60 23.15 24.28 25.10 25.35 21.73 26.40 28.15 26.53 26.28 30.28 28.88
イラク・キルクーク37°
ネットバック
20.53 22.44 21.85 23.28 25.44 22.71 23.68 26.21 26.24 24.94 30.44
スポット
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
ドバイ・ファテ32°
ネットバック
21.49 22.06 22.29 23.73 25.11 22.06 23.60 25.90 25.02 25.68 29.25
スポット
23.55 23.75 23.90 25.15 25.35 21.50 26.75 28.35 26.40 27.05 31.20 30.55
ナイジェリア・ボニー・ライト37°
ネットバック
23.17 23.89 24.40 25.98 27.22 24.73 26.85 29.12 28.40 29.64 33.32
スポット
25.45 25.75 26.45 28.50 29.05 22.90 29.15 30.15 27.85 28.90 32.75 30.35
OPECバスケット
(7油種平均)*
23.75 24.77 24.58 26.84 26.71 22.93 26.94 29.12 27.94 28.30 31.48 30.42
イギリス・ブレント38°
ネットバック
22.78 23.39 23.91 25.65 27.02 24.46 26.42 28.96 28.41 29.04 32.50
スポット
25.30 25.50 26.30 28.10 28.55 22.65 28.80 30.00 28.25 29.65 33.00 30.65
ノルウェー・エコフスク43°
ネットバック
21.63 23.62 23.35 25.24 27.59 25.46 26.33 28.97 30.10 28.08 32.92
スポット
25.40 25.80 26.60 28.60 28.95 22.80 29.20 30.35 27.70 28.60 33.15 30.30
メキシコ・イスムス34°**
ネットバック
21.91 23.27 23.34 27.41 28.40 23.78 28.60 29.95 29.29 27.87 32.81
スポット
24.27 24.63 26.45 28.07 29.16 23.70 28.03 29.66 28.07 29.39 32.52 29.87
ウェスト・テキサス・インターミディエイト40°**
ネットバック
24.22 24.15 26.19 29.49 30.24 27.11 31.70 33.75 31.73 32.80 35.97
スポット
25.70 26.00 28.95 29.90 31.50 26.30 29.85 32.05 31.15 31.63 36.05 33.30
出所:ネットバックはOil Market Intelligence, スポットはPlatt's Oilgram Price Report月央値, OPECバスケット価格はOPEC通信。
注:*OPECバスケットはサウジ産Arab Light, UAE産Dubai, ナイジェリア産Bonny Light, アルジェリア産Saharan Blend,
ベネズエラ産T.J. Light, インドネシア産Minas, メキシコ産Isthmusの7油種平均。
**米国湾岸市場、他はロッテルダム市場の価格。
表I - 2 製品価格動向(スポット、シンガポール市場)
(単位:$/b, 重油のみ$/Metric Ton)
1999年
2000年
10月
11月
12月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
ガソリン(プレミアム)
24.81
25.98
25.31
27.96
31.03
33.03
27.98
32.11
32.94
35.96
38.31
35.00
ジェット燃料
25.84
27.51
29.53
31.29
31.07
32.91
27.84
29.09
30.99
33.15
38.04
42.14
軽油
23.69
24.70
25.70
28.25
29.83
33.14
26.81
28.07
30.48
31.77
36.97
40.17
重油(硫黄3.5%)
137.76 142.96 142.14 136.55 143.05 171.85 155.08 164.33 174.60 151.92 148.83 170.98
出所:Oil Market Intelligence, EIG
注:いずれもf.o.b.価格
10
-情勢分析20001110II 需要、供給、在庫
1. 需要動向(11 月 10 日更新)
(1)9 月の米国の石油需要 2000.8 万 b/d
DOE, Monthly Energy Review, 2000 年 10 月号によると、2000 年 9 月の米国の石油需要は前
年同月比 2.4% 増の 2000.8 万 b/d となった。
製品別ではガソリンが 0.1%の減少、中間留分が 11.9%、重油が 9.4%の増加となった。
(2) 8 月の日本の石油需要 450.0 万 b/d
石油連盟『石油資料月報』2000 年 10 月号によると、2000 年 8 月の日本の石油需要は前年同
月比 3.3% 増の 450.0 万 b/d となった。
製品別ではガソリンが 4.2%、中間留分が 1.6% 、重油が 7.6% の増加となった。
表II- 1
主要7カ国の石油需要動向
(単位:1000b/d, %)
2000年
3月
4月
5月
6月
7月
米国
ガソリン
8,232
(1.9)
8,229 (-1.9)
8,505
(3.3)
8,663 (-1.0)
8,600 (-2.1)
中間留分
3,660 (-4.2)
3,447
(1.0)
3,637 (15.3)
3,554
(3.0)
3,373 (-1.3)
重油
609 (-35.3)
713 (10.7)
651 (-27.6)
846 (14.3)
979 (27.0)
その他
6,563 (-1.3)
6,201 (-3.4)
6,552 (11.9)
6,770 (-0.4)
6,632
(1.6)
合計
19,064 (-2.2) 18,590 (-1.4) 19,345
(6.6) 19,833
(0.5) 19,584
(0.4)
日本
ガソリン
976
(1.6)
954
(0.8)
992
(3.5)
985
(3.3)
1,060
(3.0)
中間留分
1,593
(4.4)
1,141 (-4.8)
957
(2.5)
943 (-2.9)
946 (-3.3)
重油
1,204 (-1.4)
991 (-1.2)
872
(0.7)
977 (-3.8)
992
(4.5)
その他
1,363 (-0.9)
1,105
(2.0)
1,023 (-6.2)
1,169
(1.0)
1,256
(8.6)
合計
5,136
(1.1)
4,191 (-1.0)
3,844 (-0.1)
4,073 (-0.6)
4,254
(3.4)
ドイツ
ガソリン
680 (-9.3)
680 (-2.9)
710 (-1.4)
690 (-6.8)
690 (-4.2)
中間留分
1,280 (-36.3)
1,190 (21.4)
1,190 (20.2)
1,270 (10.4)
1,280 (17.4)
重油
170
(6.3)
170 (21.4)
160
(6.7)
160
(6.7)
180 (38.5)
その他
620 (-1.6)
610 (-1.6)
630
(0.0)
600 (-9.1)
610 (-4.7)
合計
2,750 (-22.5)
2,650
(8.6)
2,690
(8.0)
2,720
(0.7)
2,760
(7.0)
フランス
ガソリン
330
(0.0)
320 (-8.6)
330
(0.0)
370
(2.8)
350 (-7.9)
中間留分
1,150
(6.5)
1,020
(2.0)
980 (15.3)
1,010 (-1.0)
1,050
(1.9)
重油
150 (-11.8)
140
(0.0)
120
(9.1)
120
(0.0)
120 (50.0)
その他
460 (-9.8)
440 (-17.0)
400 (-4.8)
440 (-8.3)
420 (-8.7)
合計
2,090
(0.0)
1,920 (-5.0)
1,830
(7.0)
1,940 (-2.0)
1,940 (-0.5)
イギリス
ガソリン
500 (-3.8)
470 (-6.0)
490
(0.0)
480 (-4.0)
470 (-7.8)
中間留分
840
(2.4)
750
(0.0)
770
(8.5)
790
(3.9)
770
(4.1)
重油
80 (-27.3)
80 (-11.1)
70 (-22.2)
70 (-22.2)
60 (-25.0)
その他
390 (-7.1)
370 (-5.1)
320 (-13.5)
330 (-10.8)
300 (-21.1)
合計
1,810 (-3.2)
1,670 (-3.5)
1,650 (-0.6)
1,670 (-2.9)
1,600 (-6.4)
イタリア
ガソリン
400 (-11.1)
430 (-12.2)
420 (-2.3)
440 (-8.3)
420 (-12.5)
中間留分
640 (-5.9)
580
(5.5)
590
(7.3)
620
(0.0)
620
(1.6)
重油
450 (-2.2)
390 (-7.1)
360
(0.0)
470 (14.6)
420 (-6.7)
その他
370 (19.4)
330
(3.1)
340
(6.3)
340
(6.3)
310
(6.9)
合計
1,860 (-2.1)
1,730 (-2.8)
1,710
(3.0)
1,870
(2.2)
1,770 (-3.3)
カナダ
ガソリン
610 (-3.2)
620 (-1.6)
670
(3.1)
680 (-4.2)
700 (-1.4)
中間留分
600
(1.7)
530 (-1.9)
610 (15.1)
570
(0.0)
540
(3.8)
重油
120 (-25.0)
100 (-28.6)
130 (18.2)
150 (15.4)
130
(8.3)
その他
580
(7.4)
610
(7.0)
690 (21.1)
760 (22.6)
700
(7.7)
合計
1,910 (-0.5)
1,860 (-1.1)
2,100 (12.9)
2,160
(6.4)
2,070
(3.5)
主要7カ国計
ガソリン
11,728
(0.1) 11,703 (-2.5) 12,117
(2.6) 12,308 (-1.5) 12,290 (-2.6)
中間留分
9,763 (-7.2)
8,658
(2.7)
8,734 (13.2)
8,757
(2.5)
8,579
(2.3)
重油
2,783 (-13.6)
2,584
(0.3)
2,363 (-8.6)
2,793
(5.2)
2,881 (11.6)
その他
10,346 (-0.8)
9,666 (-2.7)
9,955
(7.5) 10,409
(0.1) 10,228
(1.2)
合計
34,620 (-3.6) 32,611 (-1.0) 33,169
(5.7) 34,266
(0.5) 33,978
(0.9)
出所:米国:Monthly Energy Review, DOE
日本:石油連盟『石油資料月報』
ドイツ, イギリス, フランス, イタリア, カナダ:Oil Market Report, IEA
注:( )内は前年同月比。
日本はキロリットルからバーレルに換算している。中間留分は軽油と灯油の和とする。
ドイツ, イギリス, フランス, イタリア, カナダの中間留分はJet/Kerosene, Diesel, Other Gasoilの和とする。
11
8月
9月
8,762
(2.1)
3,694
(9.2)
876 (-13.6)
6,892 (-0.2)
20,224
(1.7)
1,164
967
1,062
1,308
4,500
(4.2)
(1.6)
(7.6)
(0.6)
(3.3)
8,340
3,808
875
6,985
20,008
(-0.1)
(11.9)
(9.4)
(0.0)
(2.4)
-情勢分析200011102. 生産動向(10 月 27 日更新)
(1) 9 月の OPEC 原油生産量は 2929.5 万 b/d
EIG, Oil Market Intelligence, 2000 年 10 月号によると、2000 年 9 月の OPEC 原油生産量は、イ
ラクが 17.5 万 b/d、サウジアラビアが 15 万 b/d 増加し、アルジェリアが 7 万 b/d 減少したこと
などから、全体では前月より 22 万 b/d 増の 2929.5 万 b/d となった。
(2) 非 OPEC 生産は 3998.4 万 b/d
同誌によると、2000年9月の非OPEC原油生産量は、ノルウェーが13万b/d、イギリスが7.7
万 b/d 増加し、全体では 16.5 万 b/d 増の 3998.4 万 b/d となった。
表II - 2 原油生産動向*
2000年
2月
3月
4月
サウジアラビア
7,550 7,600 7,800
イラン
3,540 3,600 3,650
イラク
2,640 2,210 2,680
クウェート
1,700 1,750 1,800
UAE
2,170 2,200 2,300
カタル
670
670
680
中立地帯
630
580
600
ナイジェリア
1,950 1,970 2,050
リビア
1,350 1,350 1,380
アルジェリア
760
760
800
ベネズエラ
2,800 2,800 2,850
インドネシア
1,310 1,310 1,310
OPEC計
27,070 26,800 27,900
米国
5,691 5,522 5,499
うちアラスカ
1,031 1,011 1,008
メキシコ
2,897 2,998 3,041
イギリス(北海のみ)
2,566 2,601 2,466
ノルウェー(北海のみ) 3,345 3,260 3,077
中国
3,287 3,281 3,300
旧ソ連
7,201 7,315 7,291
その他
15,003 15,209 15,090
非OPEC計
39,990 40,186 39,764
世界計
67,060 66,986 67,664
出所:Oil Market Intelligence, EIG.
アラスカのみMonthly Energy Review, DOE.
注:* NGLとコンデンセートは含まない。
**2000年7月1日からの合意産油量。
5月
8,080
3,650
3,080
1,780
2,300
700
620
2,000
1,400
810
2,850
1,300
28,570
5,485
966
3,040
2,510
3,041
3,251
7,341
15,007
39,675
68,245
12
6月
8,100
3,700
2,590
1,850
2,335
700
640
2,030
1,400
820
2,900
1,300
28,365
5,409
925
3,056
2,511
3,024
3,294
7,421
15,115
39,830
68,195
7月
8,350
3,715
2,560
1,875
2,370
725
645
2,010
1,350
800
2,920
1,305
28,625
5,420
913
2,876
2,488
3,185
3,228
7,506
15,077
39,780
68,405
(単位:1,000b/d)
00年6月
8月
9月 合意**
8,500 8,650 8,253
3,565 3,740 3,727
2,990 2,991
1,850 1,850 2,037
2,370 2,390 2,219
725
725
658
645
645
2,050 1,980 2,091
1,360 1,380 1,361
810
820
811
2,930 2,950 2,926
1,280 1,300 1,317
29,075 29,295 25,400
5,400 5,350
914
893
3,162 3,180
2,433 2,510
2,945 3,075
3,206 3,250
7,566 7,616
15,107 15,003
39,819 39,984
68,894 69,279
-情勢分析200011103. 在庫動向(11 月 10 日更新)
(1) OECD 諸国の在庫動向
IEA, Oil Market Report, 2000 年 11 月号によると、2000 年 9 月の OECD 諸国の民間原油在庫
は、8 億 6400 万バーレルとなり、前月の 8 億 7200 万バーレルより 800 万バーレル減少した。
製品別ではガソリンが 3 億 7400 万バーレル、中間留分が 5 億 400 万バーレル、重油が 1 億
4900 万バーレルとなった。
(2) 米国の在庫動向
API (米国石油協会), Weekly Statistical Bulletin 最新号によると、2000 年 11 月第 1 週(10/28 11/3)の米国の民間原油在庫は、2 億 8169.6 万バーレルとなり、前週の 2 億 8166.1 万バーレル
より 3.5 万バーレル増加した。
製品別ではガソリンが 1 億 8963.7 万バーレル、軽油が 1 億 1520.7 万バーレルとなった。
表II - 3 OECD諸国の民間在庫
(単位:100万バーレル)
1997年 1998年 1999年 2000年
9月
9月
9月
4月
在庫変動(対前月比)
5月
6月
7月
8月
9月
7月
8月
9月
401
239
173
43
601
1,142
397
240
179
46
625
1,161
390
241
182
45
635
1,166
380
241
189
44
651
1,175
381
227
186
46
639
1,163
379
227
187
45
642
1,162
-10
0
7
-1
16
9
1
-14
-3
2
-12
-12
-2
0
1
-1
3
-1
304
126
207
83
570
967
324
123
227
81
527
917
329
115
221
79
511
901
339
119
220
77
512
918
346
121
229
78
529
942
322
119
233
85
541
930
325
121
236
81
541
933
7
2
9
1
17
24
-24
-2
4
7
12
-12
3
2
3
-4
0
3
189
25
88
24
207
486
186
25
82
23
198
464
170
28
66
23
175
426
181
27
68
23
182
444
186
26
70
22
180
446
191
26
79
24
198
471
170
26
84
23
205
457
160
26
81
24
201
443
5
0
9
2
18
25
-21
0
5
-1
7
-14
-10
0
-3
1
-4
-14
947
392
602
164
1,522
2,793
932
387
581
157
1,461
2,685
895
390
465
147
1,304
2,485
907
382
469
148
1,318
2,505
915
386
472
145
1,328
2,529
916
388
497
146
1,377
2,588
872
372
503
154
1,385
2,550
864
374
504
149
1,384
2,537
1
2
25
1
49
59
-44
-16
6
8
8
-38
-8
2
1
-5
-1
-13
北米
原油
ガソリン
中間留分
重油
製品計*
北米計
393
227
222
43
677
1,232
409
238
239
50
731
1,310
406
236
228
51
693
1,254
欧州
原油
ガソリン
中間留分
重油
製品計*
欧州計
311
119
235
92
537
907
349
128
275
90
584
997
太平洋
原油
ガソリン
中間留分
重油
製品計*
太平洋計
191
24
96
28
220
504
OECD**
原油
ガソリン
中間留分
重油
製品計*
OECD合計
895
370
553
162
1,434
2,643
出所: Oil Market Report, IEA
*製品計はガソリン、中間留分、重油その他の石油製品の合計を示す。
**OECDには全加盟国(29カ国)を含む。
注:いずれも月末値
13
-情勢分析20001110OECD諸国の民間原油在庫(1996 - 2000年)
(100万バーレル)
1020
1000
980
1996
1997
1998
1999
2000
960
940
920
900
880
860
Jan
Feb
Mar
Apr
May
Jun
Jul
Aug
Sep
Oct
Nov
Dec
OECD諸国の民間ガソリン在庫(1996 - 2000年)
(100万バーレル)
460
440
420
1996
1997
1998
1999
2000
400
380
360
340
Jan
Feb
Mar
(100万バーレル)
Apr
May
Jun
Jul
Aug
Sep
Oct
Nov
Dec
OECD諸国の民間中間留分在庫(1996 - 2000年)
650
600
1996
1997
1998
1999
2000
550
500
450
400
Jan
Feb
Mar
Apr
May
Jun
Jul
Aug
出所:Oil Market Report, IEA
14
Sep
Oct
Nov
Dec
-情勢分析20001110-
米国の原油在庫(1996 - 2000年)
(100万バーレル)
360
350
340
330
320
310
1996
1997
1998
300
1999
2000
290
280
270
J
F
M
A
(100万バーレル)
M
J
J
A
S
O
N
D
米国のガソリン在庫(1996 - 2000年)
235
230
225
220
1996
1997
1998
215
1999
2000
210
205
200
195
190
185
J
F
M
A
(100万バーレル)
M
J
J
A
S
O
N
D
米国の中間留分在庫(1996 - 2000年)
160
150
140
130
120
1996
1997
1998
1999
2000
110
100
90
80
J
F
M
A
M
J
J
A
出所:API, Weekly Statistical Bulletin
注:月ラベルは2000年各月第1週の位置に表記。
2000年は11月3日までの数値(週末値)。
15
S
O
N
D
-情勢分析20001110III 需給実績と短期需給見通し
1. IEA, Oil Market Report, 2000 年 11 月号(11 月 10 日更新)
・10 月の石油価格は中東情勢によって上下する不安定な相場だった。低在庫のため、今後も
市場は天候、暖房油、イラクの動向などによって影響を受けるだろう。
・10 月の OECD 諸国の需要は前年同月比 1.3% 増の 4800 万 b/d となり、前月より 0.2% 増加し
た。第 III 四半期の世界需要は 7550 万 b/d だった。今後、第 IV 四半期、2001 年第 I 四半期に
200 万 b/d 増加した後、第 II 四半期に減少するだろう。
・9 月の OECD 諸国の在庫は、需要の増大から 40 万 b/d 減少した。通常、第 III 四半期は在庫
が増える時期だが、今年の増加分(10 万 b/d 以下)は例年より低く、低在庫での第 IV 四半期
の始まりとなった。
・10 月の世界の原油生産量は 9 月から 92 万 b/d 増加して 7860 万 b/d となった。北海がメンテ
ナンスから復帰したことにより、非 OPEC 生産量が 44 万 b/d 増加した。OPEC 10 の生産量
は 2650 万 b/d で、10 月 1 日からの生産枠(2620 万 b/d)を大きく上回り、10 月 31 日からの新
生産枠(2670 万 b/d)に近い。
・季節的要因により、9 月の OECD 通油量は前月の 3890 万 b/d より 2% 減少した。稼働率は平
均で 90.5% だった。米国の 9 月の通油量は 0.6% しか減っておらず、10 月は米国湾岸の精製
マージンが堅調だったため、定修期にも関わらず、稼働率が高かった。
表III - 1 石油需給見通し(IEA, 11月9日予測)
(単位:100万b/d, %)
1997年 1998年 1999年
<需要>
北米
欧州
太平洋
OECD計*
旧ソ連
中国
欧州
中南米
アジア
中東
アフリカ
非OECD計
需要合計
<供給>
OECD諸国*
旧ソ連
中国
その他非OPEC
プロセスゲイン**
非OPEC計
2000年
2001年
平均
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
22.7
15.0
9.0
23.1
15.3
8.4
23.6
15.8
9.4
23.5
14.4
7.9
24.1
14.7
8.2
24.3
15.7
9.1
23.9
15.1
8.6
23.6
15.1
9.3
23.7
14.5
8.0
24.4
14.9
8.3
24.6
15.8
9.1
24.1
15.1
8.7
24.2
15.5
9.7
24.2
14.7
8.2
24.8
15.1
8.5
25.1
16.0
9.5
24.6
15.3
9.0
46.7
46.8
48.7
45.7
47.0
49.0
47.6
47.9
46.2
47.6
49.5
47.8
49.4
47.1
48.3
50.5
48.8
(1.7)
(0.2)
(3.2)
(0.7)
(0.9)
(1.9)
(1.7)
(-1.6)
(1.1)
(1.3)
(1.0)
(0.4)
(3.1)
(1.9)
(1.5)
(2.0)
(2.1)
3.8
4.2
0.8
4.7
6.7
4.0
2.3
3.7
4.2
0.8
4.8
6.8
4.2
2.3
3.6
4.4
0.8
4.6
7.0
4.2
2.3
3.3
4.6
0.7
4.8
7.1
4.3
2.3
3.4
4.3
0.7
4.9
7.0
4.3
2.3
3.7
4.6
0.7
4.8
7.1
4.1
2.4
3.5
4.5
0.7
4.8
7.0
4.3
2.3
3.5
4.7
0.8
4.7
7.1
4.2
2.4
3.4
4.5
0.8
4.8
7.4
4.4
2.3
3.4
4.9
0.7
4.9
7.2
4.5
2.3
3.6
5.0
0.8
5.0
7.4
4.3
2.4
3.5
4.8
0.8
4.8
7.3
4.3
2.4
3.6
5.0
0.8
4.8
7.4
4.4
2.4
3.4
4.8
0.8
5.0
7.8
4.5
2.3
3.3
5.1
0.7
5.1
7.6
4.6
2.4
3.5
5.3
0.8
5.1
7.7
4.5
2.5
3.4
5.1
0.8
5.0
7.6
4.5
2.4
26.5
26.7
26.9
27.1
27.0
27.4
27.1
27.4
27.6
28.0
28.4
27.8
28.4
28.5
28.8
29.3
28.8
(3.1)
(0.8)
(-1.8)
(-0.4)
(0.7)
(1.9)
(1.5)
(1.9)
(1.8)
(3.7)
(3.6)
(2.6)
(3.6)
(3.3)
(2.9)
(3.2)
(3.6)
73.1
(2.1)
73.5
(0.5)
75.7
(1.6)
72.8
(0.3)
74.0
(0.8)
76.4
(2.0)
74.7
(1.6)
75.3
(-0.5)
73.8
(1.4)
75.5
(2.0)
77.9
(2.0)
75.6
(1.2)
77.9
(3.5)
75.6
(2.4)
77.1
(2.1)
79.8
(2.4)
77.6
(2.6)
22.1
7.2
3.2
10.4
1.6
21.9
7.3
3.2
10.7
1.6
21.5
7.4
3.2
10.9
1.7
20.9
7.4
3.2
10.8
1.6
21.3
7.5
3.2
10.9
1.6
22.0
7.6
3.2
11.0
1.7
21.4
7.5
3.2
10.9
1.7
22.2
7.7
3.3
10.9
1.7
21.9
7.8
3.2
11.0
1.7
21.8
8.0
3.2
11.2
1.7
22.3
8.1
3.2
11.2
1.7
22.0
7.9
3.2
11.0
1.7
22.5
8.1
3.2
11.1
1.8
22.2
8.1
3.2
11.1
1.7
22.1
8.2
3.2
11.0
1.7
22.7
8.3
3.2
11.1
1.8
22.4
8.2
3.2
11.0
1.8
44.5
44.7
44.6
44.0
44.5
45.5
44.7
45.8
45.5
45.7
46.5
45.9
46.7
46.4
46.4
47.1
46.7
(2.1)
(0.4)
(-1.5)
(-1.6)
(1.1)
(1.8)
(0.0)
(2.7)
(3.4)
(2.7)
(2.2)
(2.7)
(2.0)
(2.0)
(1.5)
(1.3)
(1.7)
OPEC 原油
OPEC・NGL
27.2
2.7
28.0
2.8
27.8
2.8
26.3
2.8
26.2
2.8
26.1
2.8
26.6
2.8
26.5
2.8
27.8
2.9
28.7
2.9
28.5
2.9
26.8
2.9
28.2
3.0
26.2
3.0
27.7
3.0
29.7
3.0
27.9
3.0
OPEC合計
29.9
(5.3)
30.8
(3.0)
30.6
(-2.2)
29.1
(-6.7)
29.1
(-4.0)
29.0
(-4.9)
29.4
(-4.5)
29.3
(-4.2)
30.7
(5.5)
31.6
(8.6)
31.4
(8.3)
29.7
(1.0)
31.2
(6.5)
29.2
(-4.9)
30.7
(-2.8)
32.7
(4.1)
30.9
(4.0)
供給合計
74.4
(3.3)
75.5
(1.5)
75.2
(-2.0)
73.1
(-3.6)
73.6
(-1.1)
74.4
(-1.1)
74.1
(-1.9)
75.1
(-0.1)
76.2
(4.2)
77.3
(5.0)
77.9
(4.7)
75.6
(2.0)
77.9
(3.7)
75.6
(-0.8)
77.1
(-0.3)
79.8
(2.4)
77.6
(2.6)
在庫変動
1.2
1.9
-0.5
0.3
-0.4
-2.0
-0.7
-0.2
2.4
1.8
-
-
-
-
-
-
-
出所:Oil Market Report 2000年11月号, IEA
注:( )内は対前年伸び率。
2000年第IV 四半期以降(囲み部分)は当研究所にて在庫変動0で試算。
*OECDには全加盟国(29カ国)を含む。
**プロセスゲインは精製過程(ただし旧ソ連、中国、非OECDヨーロッパは含まない)、海上輸送損失におけるネット量。
16
-情勢分析200011102. 米エネルギー省(DOE/EIA), Short-Term Energy Outlook, 2000 年 11 月号(11 月 10 日更新)
・10 月 1 日からの 80 万 b/d 増産にも関わらず原油価格は下落せず、OPEC はプライス・バン
ド・メカニズムによって、10 月 31 日からさらに 50 万 b/d 増産すると発表した。OPEC 10 の
第 IV 四半期の生産量は第 III 四半期より 60 万 b/d 増えると予測される。この水準で OPEC が
生産を続ければ春には大幅な価格下落に見舞われる。EIA では OPEC 生産量は 2001 年春ま
でに 60 万 b/d 減少するとみている。
・米国では暖房油シーズンを迎えたが、今のところ暖房油需要は予想ほど伸びていない。し
かし、精製業者の努力にもかかわらず暖房油在庫は例年より遙かに低く、またこれまでの
予想をも下回っている。8 月から 10 月までの暖房油の生産量を考えれば、早い時期に業者、
消費者の間で二次在庫、三次在庫が積み増されているのではないかと考えられる。そうす
ると公式統計よりも 600 万 - 800 万 bbl の余裕があるが、こうした末端における在庫は一時
しのぎにはなるが、冬の供給を保障するものではないことに注意しなければならない。
・EIA の予測では、OECD 諸国の石油在庫は 2000 年初めの非常に低いレベルから増加してお
り、2000 年末までには年初より約 2 日間分増えるだろう。それにより、供給途絶や寒波な
どに対する市場の脆弱性は軽減される。OPEC の生産枠増大によって 2001 年はさらに 2 日
分の在庫積み増しがなされるだろう。
・2000 年の石油需要は 100 万 bbl 強(1.5%)増加して約 7600 万 b/d と、アジア経済危機があった
1998年を除いて、1993年以来最低の水準になる見込みである。2001年の需要増加量は約200
万 b/d で、1995 - 1997 年と同程度となろう。
表III - 2 石油需給見通し(DOE, 11月8日予測) (単位:100万b/d, %)
1997年 1998年 1999年
<需要>
北米
欧州
太平洋
OECD計*
旧ソ連
欧州
中国
その他アジア
その他非OECD
非OECD計
需要合計
<供給>**
OECD諸国*
旧ソ連
中国
メキシコ
その他
非OPEC計
OPEC
供給合計
在庫変動
2000年
2001年
平均
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
20.7
14.4
6.6
21.1
14.7
6.4
21.4
15.2
7.2
21.4
13.8
6.0
22.1
14.0
6.2
22.2
15.0
6.9
21.7
14.5
6.6
21.4
14.5
7.0
21.5
13.9
6.0
22.3
14.4
6.3
22.5
15.1
6.7
21.9
14.5
6.5
22.1
14.9
7.2
22.0
14.0
6.0
22.6
14.5
6.3
22.9
15.2
6.8
22.4
14.6
6.5
41.8
42.2
43.8
41.2
42.4
44.1
42.9
42.9
41.4
43.1
44.4
42.9
44.1
42.1
43.4
44.8
43.6
(1.2)
(1.0)
(2.8)
(0.5)
(0.5)
(2.1)
(1.7)
(-2.1)
(0.5)
(1.7)
(0.7)
(0.0)
(2.8)
(1.7)
(0.7)
(0.9)
(1.6)
4.4
4.2
3.8
3.5
3.6
3.7
3.6
3.8
3.6
3.6
3.6
3.7
3.8
3.7
3.7
3.7
3.7
1.4
3.9
8.8
13.0
1.5
3.9
8.7
13.2
1.6
4.4
8.8
13.4
1.6
4.3
8.8
13.6
1.5
4.3
8.7
13.7
1.6
4.3
9.0
13.7
1.6
4.3
8.8
13.6
1.6
4.6
9.2
13.7
1.6
4.5
9.2
14.0
1.6
4.5
9.0
14.1
1.6
4.5
9.4
14.0
1.6
4.5
9.2
14.0
1.7
4.8
9.7
14.2
1.7
4.8
9.7
14.4
1.7
4.7
9.4
14.5
1.7
4.8
9.9
14.5
1.7
4.8
9.7
14.4
31.4
31.5
31.9
31.8
31.7
32.3
31.9
32.9
33.0
32.8
33.2
33.0
34.2
34.3
34.0
34.5
34.2
(3.0)
(0.3)
(0.6)
(1.0)
(1.0)
(2.5)
(1.3)
(3.1)
(3.8)
(3.5)
(2.8)
(3.4)
(4.0)
(3.9)
(3.7)
(3.9)
(3.6)
73.2
73.8
75.7
73.1
74.1
76.3
74.8
75.8
74.4
75.9
77.6
75.9
78.4
76.4
77.4
79.3
77.9
(1.9)
(0.8)
(1.9)
(0.8)
(0.7)
(2.1)
(1.4)
(0.1)
(1.8)
(2.4)
(1.7)
(1.5)
(3.4)
(2.7)
(2.0)
(2.2)
(2.6)
19.9
19.7
19.2
19.0
19.3
20.2
19.4
20.2
19.7
19.7
20.2
19.9
20.2
19.9
19.8
20.2
20.0
7.1
3.2
3.4
10.5
44.1
7.2
3.2
3.5
10.9
44.5
7.3
3.2
3.6
11.3
44.5
7.3
3.2
3.4
11.2
44.0
7.5
3.2
3.3
11.2
44.6
7.5
3.2
3.3
11.2
45.5
7.4
3.2
3.4
11.2
44.6
7.6
3.3
3.5
11.2
45.7
7.7
3.3
3.5
11.2
45.4
7.9
3.3
3.5
11.4
45.9
8.0
3.3
3.6
11.4
46.5
7.8
3.3
3.5
11.3
45.9
8.1
3.3
3.6
11.5
46.5
8.1
3.3
3.7
11.5
46.4
8.2
3.3
3.8
11.5
46.5
8.3
3.3
3.8
11.5
47.1
8.2
3.3
3.7
11.5
46.7
(1.6)
(0.9)
(-1.1)
(-1.1)
(1.6)
(2.2)
(0.2)
(2.7)
(3.2)
(2.9)
(2.2)
(2.9)
(1.8)
(2.2)
(1.3)
(1.3)
(1.7)
29.9
30.4
30.4
28.9
29.2
28.7
29.3
29.3
30.7
31.6
32.4
31.0
32.1
31.8
31.8
31.9
31.9
(5.7)
(1.7)
(-1.6)
(-6.2)
(-3.0)
(-4.3)
(-3.6)
(-3.6)
(6.2)
(8.2)
(12.9)
(5.8)
(9.6)
(3.6)
(0.6)
(-1.5)
(2.9)
74.0
74.9
74.9
72.9
73.8
74.2
73.9
75.0
76.1
77.5
78.9
76.9
78.6
78.2
78.3
79.0
78.6
(3.2)
(1.2)
(-1.3)
(-3.2)
(-0.3)
(-0.4)
(-1.3)
(0.1)
(4.4)
(5.0)
(6.3)
(4.1)
(4.8)
(2.8)
(1.0)
(0.1)
(2.2)
0.8
1.2
-0.8
-0.1
-0.3
-2.2
-0.9
-0.7
1.7
1.6
1.3
1.0
0.2
1.8
0.9
-0.2
0.7
出所:Short-Term Energy Outlook, 2000年11月号, DOE/EIA
注:( )内は対前年伸び率。
*OECDにはチェコ、ハンガリー、メキシコ、ポーランド、韓国は含まない。
**供給にはNGL、コンデンセート等も含む。
17
-情勢分析200011103. その他(10 月 27 日更新)
Petroleum Argus 社 , Petroleum Argus Weekly Global Markets, 2000 年 10 月 23 日号
・タンカー不足が世界の石油供給を制限している。世界の在庫は第 III 四半期に 160 万 b/d 増
えたと見積もられているが、OPEC の 70 万 b/d の増産にもかかわらず、欧州と米国の在庫は
ほとんど増えていない。増加した分は未だ海上か積み出し港の貯油施設にある。
・タンカー運賃は 2000 年初に比べて 2 倍以上に上昇しており、石油輸送の増加のために能力
いっぱいの輸送を行っている。中東 - 大西洋岸の運航には VLCC で往復 60 日間かかり、こ
の輸送の問題が、OPEC の市場に対するコントロール力を失わせている。
・ガソリンの記録的な高騰に見られたように、東海岸では天候次第で暖房油不足に直面する
可能性がある。米国、欧州の中間留分在庫は第 II、III 四半期にわずか 12 万 b/d しか増えて
おらず、10年来最も低い水準である。米国北東部の暖房油在庫は1年前の半分しかない。気
温が突然下がれば、需要が増大して在庫はすぐに使い尽くされてしまうだろう。
・需要が季節的に減少する 2001 年第 II 四半期に減産することについては、OPEC は慎重に考
えなければならない。タンカーの輸送能力を考慮すると、消費地に十分な供給を行うには
第 II、III 四半期も高い生産水準が必要である。そうしなければ、第 IV 四半期の強い需要を
賄うことができなくなるだろう。
・2001 年を通して、米国の精製業者が十分な原油供給によって在庫を積み増すことができな
ければ、現在の低在庫、石油不足、価格高騰のサイクルが続くであろう。
表III - 3 石油需給見通し(Argus, 10月23日予測) (単位:100万b/d, %)
1998年 1999年
2000年
2001年
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
47.6
48.6
45.7
46.9
49.1
47.6
47.7
46.2
47.6
49.8
47.8
49.7
47.2
48.3
50.8
49.0
27.4
27.3
27.2
27.6
27.6
27.4
28.2
28.1
28.2
28.9
28.4
28.9
28.8
28.7
29.5
29.0
75.0
75.9
72.9
74.5
76.7
75.0
75.9
74.3
75.8
78.7
76.2
78.6
76.0
77.0
80.3
78.0
(1.6)
(1.7)
(0.0)
(0.9)
(2.1)
(0.0)
(0.0)
(1.9)
(1.7)
(2.6)
(1.6)
(3.6)
(2.3)
(1.6)
(2.0)
(2.4)
21.4
21.5
20.9
21.2
22.1
21.4
22.2
21.8
21.9
23.0
22.3
22.8
22.4
22.3
22.7
22.6
23.1
23.0
23.0
23.2
23.4
23.1
23.5
23.7
23.9
23.9
23.7
24.0
24.2
24.3
24.4
24.2
44.5
44.5
43.9
44.4
45.5
44.5
45.7
45.5
45.8
46.9
46.0
46.8
46.6
46.6
47.1
46.8
(0.2)
(-1.8)
(-1.8)
(0.9)
(2.0)
(0.0)
(2.7)
(3.6)
(3.2)
(3.1)
(3.4)
(2.4)
(2.4)
(1.7)
(0.4)
(1.7)
26.5
27.6
26.1
26.3
26.0
26.5
26.3
27.9
28.6
29.0
27.98
29.0
29.0
29.0
29.0
28.99
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
29.4
30.5
29.0
29.2
28.9
29.4
29.2
30.8
31.5
31.9
30.9
31.9
31.9
31.9
31.9
31.9
(-2.0)
(-2.9)
(-6.5)
(-2.7)
(-3.7)
(0.0)
(-4.3)
(6.2)
(7.9)
(10.4)
(5.0)
(9.2)
(3.6)
(1.3)
(0.0)
(3.3)
73.9
75.0
72.9
73.6
74.4
73.9
74.9
76.3
77.3
78.8
76.9
78.7
78.5
78.5
79.0
78.7
(-0.7)
(-2.2)
(-3.7)
(-0.5)
(-0.3)
(0.0)
(-0.1)
(4.7)
(5.0)
(5.9)
(4.0)
(5.1)
(2.9)
(1.6)
(0.3)
(2.4)
-1.1
-1.0
-0.1
-1.0
-2.3
-1.1
-1.0
2.0
1.5
0.1
0.7
0.1
2.4
1.4
-1.3
0.6
需要
供給
50.5
44.0
51.0
44.1
49.0
43.3
50.5
43.7
51.9
44.8
50.6
44.0
50.0
44.9
49.6
44.9
50.8
45.3
52.9
46.5
50.8
45.4
52.2
46.4
50.6
46.0
51.4
46.0
53.8
46.5
52.0
46.2
供給-需要***
-6.6
-6.8
-5.7
-6.8
-7.2
-6.6
-5.1
-4.7
-5.5
-6.4
-5.4
-5.8
-4.6
-5.4
-7.3
-5.8
需要
20.1
20.7
19.5
19.7
20.6
20.1
21.7
20.2
20.6
21.6
21.0
22.1
20.8
21.0
22.1
21.5
供給
8.1
8.1
8.0
8.1
8.2
8.1
8.3
8.3
8.4
8.4
8.4
8.4
8.4
8.4
8.4
8.4
-12.0
-12.6
-11.5
-11.6
-12.4
-12.0
-13.4
-11.9
-12.2
-13.2
-12.7
-13.7
-12.4
-12.6
-13.7
-13.1
<需要>
OECD諸国
非OECD
需要合計
<供給>
OECD諸国
その他非OPEC
非OPEC計*
OPEC原油
OPEC NGLs
OPEC計
供給合計
供給-需要
大西洋市場**
アジア太平洋市場
供給-需要***
中東市場
需要
4.3
4.2
4.3
4.4
4.1
4.3
4.2
4.4
4.4
4.2
4.3
4.4
4.5
4.6
4.3
4.5
供給
21.8
22.7
21.5
21.8
21.4
21.8
21.7
23.1
23.7
23.9
23.1
24.0
24.0
24.0
24.0
24.0
供給-需要***
17.6
18.5
17.1
17.4
17.3
17.6
17.5
18.7
19.2
19.7
18.8
19.6
19.4
19.4
19.6
19.5
出所:Petroleum Argus Weekly Global Markets, Petroleum Argus社
注:( )内は対前年伸び率。
*非OPEC供給はプロセス・ゲイン(160万b/d)を含む。
**大西洋市場には南北米、欧州、旧ソ、アフリカを含む。
***大西洋市場、アジア太平洋市場、中東市場の需給バランスは在庫変動0とする。
18
-情勢分析200011104. 原油価格見通し
予測者(機関)
価格見通し
理由・根拠
小川 芳樹氏
・ 30ドル前後で膠着状態
・ 原油の供給分が暖房油に転換され、
(日本エネルギー経済研究所、
(冬場の需要期)
十分な在庫積み増しができるかどう
第二研究部長) ・ 最終的には20ドル台前半くらいが
かがキーポイントになるが、その実
落ち着きどころ
績が数字として現れるにはだいぶ時
間がかかりそう。寒波、中東情勢な
どで急騰する可能性は否定できない
が、着実に製品在庫の積み増しが進
む環境になれば、おそらく年明け頃
に、供給過剰といった状況が出てく
る可能性がある。
Energy Security Analysis Inc.
・ 20ドル台後半 (2001年第I四半期)
・ 米国、特に中西部で持続的な在庫積
み増しがなされるまではバックワー
デーションが続き、悪循環に陥り、
足下の価格は$30/b近い。しかし2001
年第I四半期には供給過剰から価格は
下落を始める。
アラン・マクドナルド氏
・ $20 - 25/b程度に下落する。
(UBSウォーバーグの
(2001年春)
石油アナリスト)
・ プライス・バンド・メカニズム発動
は相場に織り込み済みだが、中期的
な需給に与える影響は大きい。すで
に原油は供給過多の状態で、需要が
低下する来春には価格押し下げ圧力
が強まる。
ローレンス・イーグルス氏
・ 当面下落幅は$0.5/b程度に留まる。 ・ すでに相場に織り込まれているう
え、ただちに増産できる体制が整っ
(GNIリサーチの石油アナリスト)
ている国は限られている。
・ $25 -28/b (2000年末 - 2001年初め) ・ 数週間中に、欧米で現在メンテナン
ス中の製油所が再稼働する見込み
で、石油製品の在庫が目に見えて増
える。
・ 10月のWTI価格は$33.10/bと、9月よ
り$1.10/b低いがそれでも湾岸戦争以
後の10年で2番目に高い水準となっ
た。2000年末まで30ドル以上で推移
するが、冬の終わりまでには供給過
剰によって$3 - 5/b下落するだろう。
しかし、もし高価格が続き、世界の
石油在庫が増えていることが明らか
にならなければ、我々の需給予測は
はずれて、市場が「再びバランスす
る」までにもう少し時間がかかるか
もしれない。
DOE/EIA
・ WTIスポット平均価格
(Energy Information Administration)
1999 2000 2001
1Q 13.07 28.82 28.46
2Q 17.65 28.78 26.22
3Q 21.73 31.61 25.18
4Q 24.56 31.41 24.28
Avg. 19.25 30.16 26.03
(斜体は実績)
19
出所
石油情報センター
Report
2000年11月号
(10月6日記)
MEES
2000.10.30
日経新聞
2000.10.31
Short-Term Energy
Outlook
Nov. 00
Fly UP