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ムツトゲイセキグモ Ordgarius sexspinosus (Thorell)

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ムツトゲイセキグモ Ordgarius sexspinosus (Thorell)
クモ類 <クモ目 コガネグモ科>
ARACHNIDA <ARANEAE ARANEIDAE>
ムツトゲイセキグモ
愛知県:絶滅危惧ⅠB類 (国:リスト外)
AICHI:EN
(JAPAN:−)
Ordgarius sexspinosus (Thorell)
【選定理由】
県内の確認できた生息地は 4
カ所で、いずれも個体数は少な
い。
【形 態】
体長雌 8∼10mm。頭部背甲は
濃褐色で 2 本の尖った突起が縦
に並び、後方にも 4 突起が横に
並ぶ。腹部背面は黒褐色で白い
網目模様がある。その両肩は隆
起、その上に小突起がいくつか
見られる。後端にも 4 個の突起
がある。雄は小さく、体長 2mm、
別種のようである。
名古屋市千種区(平和公園), 2008 年 7 月 12 日, 緒方清人 撮影
【分布の概要】
県内の分布は、現在まで名古屋市守山区と
千種区(平和公園)・豊田市(トヨタの森)・
豊川市(旧宝飯郡音羽町)で確認されただけ
である。個体数は少ないので見つけにくいが、
2008 年に 2 カ所で採集されたので、まだ発見
される可能性はあると思われる。
国内では、本州(関東以南)
・四国・九州・
南西諸島に分布する。
県内分布図
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【生息地の環境/生態的特性】
昼は広葉樹の葉の裏に潜んでいる。夜、枝
や葉に簡単な糸を引き張り、そこから第 2 脚
の先端に粘球を糸で釣り下げ、それを投げ縄
のように回転させ、蛾の仲間を捕らえる。
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【現在の生息状況/減少の要因】
もともと個体数の少ない希産種である。県
内の生息確認地での個体数は少ない。
【保全上の留意点】
生息環境(二次林)の確保。特に分布確認地での環境を変えないような努力が必要である。
【関連文献】
千国安之輔, 1989. 写真日本クモ類大図鑑. p.83, p.217. 偕成社, 東京.
八木沼健夫, 1986. 原色日本クモ類図鑑. p.112. 保育社, 大阪.
新海栄一, 2006. 日本のクモ. p.165. 文一総合出版, 東京.
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