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第 26 講 寒帯の自然と人間生活

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第 26 講 寒帯の自然と人間生活
基礎からわかる地理 第 26 講 寒帯の自然と人間生活 寒帯 ・ ET(ツンドラ気候)→短いの夏の期間だけ凍土の表面が融解し,こけ等が生育。
ツンドラ土とよばれる、泥炭、水分が多い土壌。降水量
は少ないので,耕作は行わずおもに、トナカイの遊牧や
アザラシ等の狩猟を行っている。イヌイットは毛皮のテ
ント(ツピク)や氷の家(イグルー)で生活している。
・ EF(氷雪気候)→南極やグリーンランドなど限られた地域に分布。大陸氷河に
覆われていて,非居住地域(アネクメーネ)である。
※ ツンドラ気候で生活している人々の中には、サーミやイヌイットと呼ばれる民族
がいる。両者とも漁労や狩猟等で生計を立てている。
※白 夜 → 高緯度で見られる、日の出前および日没後の薄明状態。
極に近い地域では夏季に太陽が地平線とほぼ平行に動く。
極 夜 → 太陽が一日中地平線から姿を見せない日。
緯度 66.6 度では冬至の一日。極では半年間続く。
※グリーンランド → 大西洋北部に位置する世界最大の島。
デンマーク領で面積は 216.6 万㎢。人口6万人。
面積の 80%が氷床。海岸はフィヨルド。
チューレ:アメリカ合衆国の軍事基地がある。
※南 極 → 南極点を中心に広がる大陸。
面積 1361 万㎢。
東南極は安定陸塊、西南極は新期造山帯を形成。
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第 26 講 寒帯の自然と人間生活 2,000m におよぶ厚さの氷床。
※南極条約 → 1959 年締結。
平和目的の科学活動に限り、大陸内での自由活動を保障。
18 カ国が観測基地を設置。
例:昭和基地(日本) ヴォストーク基地(旧ソ連)
【ワーク】
以下の世界地図に,ツンドラ気候の地域を示してみよう。
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基礎からわかる地理 次の問に答えよ。
(1)寒帯の条件を示せ。
(2)ETとEFの条件の違いを説明せよ。
(3)ETとEFの植生上の違いは何か。
(4)ET気候はどのような地域に分布しているか。
(5)ET気候の地域でみられる農業について述べよ。
(6)ET気候の他、寒冷地にみられる凍結土が主体の土壌を何というか。
(7)寒帯地域の土壌の地力について述べよ。
(8)南極の平均高度はどのくらいか。
(9)南極大陸の大陸氷河(氷床)の厚さはどのくらいか。
(10)南極大陸にある、日本の観測・研究の拠点を何というか。
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第 26 講 寒帯の自然と人間生活 次の各文には誤りがある。誤りを訂正し、正しい文に書き換えよ。
(1)寒帯気候は冬、寒さが厳しいためどの気候区より気温の年較差が最も大きい。
(2)寒帯気候は年間を通じて、寒冷であるため植生は見られない。
(3)寒帯の地域では、おもにトナカイやアザラシの遊牧が盛んに行われている。
(4)寒帯では人々はおもに高床式の住居で生活している。
(5)寒帯は緯度 50 度以上の地域でしか見られない。
次の問に答えよ。
(1)寒帯地域は人が居住するのには向いていない土地であるにもかかわらず、一部の地域で
は多くの人々が居住している。この理由を具体的な都市を含めて、60 字以内で述べよ。
(2)南極は世界のどの国にも属さない。その背景を 30 字以内で述べよ。
南極大陸とその周辺海域に関わる資源と開発、領土問題、および環境問題についてのべた
文として下線部が適当でないものを、次の①
④のうちから一つ選べ.
(2004 年センター本
試)
① 南極海周辺諸国や、探検・科学的観測の実績を持つ国の中には、南極大陸の領有を主
張している国もあるが、今のところ南極条約によって領有権は凍結されている。
② 南極海における母船式船団による商業捕鯨は、1980 年代中ごろ以降、IWC(国際捕
鯨委員会)の管理下におかれ、禁漁区以外の海流で限定的に行われてきた。
③ 南極大陸には石炭や石油が埋蔵されており、ほかにも様々な鉱床の存在が推定されて
いるが、南極条約の規制などもあって、鉱産資源の商業的採掘は行われていない。
④ 南極大陸の上空では、1980 年代にオゾンホールが発見され、これが景気となって、
オゾン層破壊物質に関する規制への世界的な取組みがすすめられてきた。
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