Comments
Description
Transcript
法人税の税率 租税条約と源泉税 キャピタルゲインへの課税 配当の受領
2007年 （平成19年） ８月15日＜水＞ Copyright (C) NNA All rights reserved. 0488号−2 ものの、配当の５％相当は税控除の 対象外と見なされる。英 国 で は 現 在、外国子会社から受け取る配当 に課税しているが、免税を導入す べきかを検討中だ。 租税回避に対する法規 ［第10回］ 欧州持ち株会社設立地の選択 Greenback Alan LLP Tax Partner: Nick Nicolaou（ニック・ニコラウ） 企業は欧州における業務が増 えて複雑になってくると欧州持 ち株会社 （ホールディングカンパ ニー） を設立することが多い。ま た場合によっては法制面や税務 面から持ち株会社が必要となる こともある。持ち株会社をどの 国に設立すべきかを一般化する ことはできず、自社の状況を子 細に検討するのが大切だが、こ こではその要因の１つとなる課 税の問題に焦点を当てることに しよう。 法人税の税率 欧 州 で は「 被 支 配 外 国 会 社 （Controlled Foreign Company/ＣＦ Ｃ） 規則」 を導入している国が多い。 入以来、欧州内の関連企業同士での 例外としてはオーストリア、キプロ こうした支払いには源泉税が課され ス、ルクセンブルク、スイスがあ なくなった。さらに英国やキプロ る。ＣＦＣ規則は、法人税率の極めて ス、ハンガリーは支払先がどこにあ 低い国に持ち株会社や子会社を設立す ろうと配当に源泉税を課していない。 るのを阻止することを狙ったものだ。 課税面でもう１つ考慮すべきなの 英国はこの規則について欧州内で は、源泉税が資産流動化の利益配分 も適用するという姿勢を取ってお にも適用されるかどうかという点 り、欧州内の子会社には適用しない だ。オーストリアやデンマーク、ル ドイツとは対照的だ。 クセンブルク、スウェーデンでは配 租税回避の手段としては他に 「過小 当と同じように源泉税を徴収してい 資本」も挙げられる。親会社が子会 るが、他の国では資産流動化の利益 社に対し出資を少なくする代わりに 配分には源泉税を課さないか、配当 貸し付けを増やす仕組みだ。こうし と資産流動化の利益配分の間では異 た過少資本の企業の場合でも、一部 なる税率を適用している。 の国は貸し付けに対する支払利子の 租税控除額に制限を設けていない。 西欧各国の法人税の基本税率はア キャピタルゲインへの課税 ただ制限を設けている国や新たに制 イルランドの12.5％を除き、平均し 欧州の大半の国々では現在、 「資本 限の導入を計画している国も多い。 て3 0 ％程度だ。前回も触れたよう 参 加 免 税（ p a r t i c i p a t i o n なお最近は不当な利益の獲得に租 に、税率が最も高いドイツでも他の exemption） 」 を適用しており、外国 税条約を使うといった「条約あさり 租税も含めた実効税率は減税によっ て30％弱となる。一方、キプロスは 子会社からの配当に対して課税しな （treaty shopping）」を阻止するた いほか、子会社の処分から生じる めの条項を設けることが多い。 10％、エストニアでは留保利益に対 キャピタルゲインも免税としてい する課税は免除。これまで持ち株会 る。ただ子会社の売却時の主たる資産 （以上の説明は、概要を示したもの 社にとって好条件だったルクセンブ が現地の不動産の場合には利益に課税 で税務アドバイスではありません。 ルクやスイスなどに対し、投資誘致 する権利を保持している国が多い。 個々の詳細などについては、会計士 で激しい競争を展開している。 租税条約と源泉税 または税理士に直接お問い合わせ下 配当の受領への課税 さい。） 欧州内では外国子会社からの配当 通常、二重課税を防止するための の受領に対して法人税を免除してい 日系企業に強い会計事務所 租税条約（ＤＡＴｓ/Double Taxa- る国が多い。ただ子会社が実際に営 Greenback Alan LLP tion Agreementﾕs） では条約締結相 業していなければならないことや子 手国への配当や利子、ロイヤル 会社に最低限の納税義務が必要と ティーの支払いに対する源泉税率を いった、適用に関するさまざまな条 軽減している。欧州連合（ＥＵ）では 件を設けている国もある。また中に 皆様のニーズに合わせた多岐にわた るサービスをご提供致します。 初回相談無料、日本人スタッフ(浦崎) までお気軽にお問い合わせ下さい。 親会社・子会社に関する指令 は間接的な対応を取っている国もあ Tel：+44 (0)20 7403 5959 Fax：+44 (0)20 7403 3111 （Parent/Subsidiary Directive） の導 る。例えばドイツでは課税はしない Email：[email protected] Web：www.greenback-alan.co.uk 11 Raven Wharf, Lafone Street, London, SE1 2LR