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資料1
図書館サービス基礎研修
資料組織化編
平成28年6月24日(金)
10:10~11:00
分類について
1
はじめに ❶
資料の組織化とは
図書資料を
一定のルールに基づき整理し、
あとで取り出しやすく蓄積すること。
2
はじめに ❷
資料組織化の目的
図書館情報資源を
検索可能な状態にし、
実物を入手できるようにする。
3
はじめに ❸
資料組織化の意義
図書館サービスを
より適切に機能させることができる。
4
資料の組織化にかかわる業務には
おおきく分けて
目録作業
と
分類作業
がある
5
分類作業
個々の資料の主題内容を把握し、
適用する分類表に基づいて最も適切な分類記号を
与える。そして、必要に応じて図書記号、別置記号
を与え、書架に配列する一連の作業。
6
分類作業の2つの側面
・・・ 対象となる情報資源を ・・・
● 書架のどこに位置づけるか決める
● 利用者が主題から探索しようとしたときに
対応できるだけの情報を準備する
7
つまり 分類とは
● 同じような内容(同一主題)のものを集める
● 蔵書を主題ごとに体系づける
● 図書の書架上の位置を決める
こと
8
一言でいうと
「仲間分け」
分類=
図書館内での住所(配架場所)も
決まります
9
請求記号
請求記号(所在記号)=分類記号+図書記号
014.45
分類記号
ニホ
図書記号
同一分類記号の図書を
さらに順序づける
10
日本の標準的な分類法
日本十進分類法
(Nippon Decimal Classofication 略称NDC)
● 最新は『日本十進分類法 新訂10版」
● 本表、一般補助表、相関索引などの諸表から
構成されている。
11
日本十進分類表(NDC)
〔情報資源=知識の出力物〕の全体
0類
総記
5類
技術・工学
1類
哲学・宗教
6類
産業
2類
歴史・地理
7類
芸術
3類
4類
社会科学
自然科学
8類
9類
言語
文学
12
NDCの区分
まず知識の全分野を9区分してから
1から9の記号を割り当て、
どこにも入らないものを0として残す。
こうしててきた第1区分を「類」と呼ぶ。
次の第2区分、第3区分…も、このように十進法で順次
細かく展開できる。
13
哲学・宗教
1類
100 哲学
110
哲学各論
120
東洋思想
130
西洋哲学
140
心理学
150
倫理学 . 道徳
160 宗教
170
神道
180
仏教
190
キリスト教
(人間の精神に関すること)
覚えやすい考え方
資料は人間の知識の出力で
ある。言い換えれば、精神活動
の産物であるので、最初に精神
について扱う「哲学」や「宗教」
などの資料を入れ込む入れ物
(区分肢)を用意する。
14
歴史・地理
2類
200 歴史
210
日本史
220
アジア史 . 東洋史
230
ヨーロッパ史 .西洋史
240
アフリカ史
250
北アメリカ史
260
南アメリカ史
270
オセアニア史 . 両極地方史
280 伝記
290 地理 . 地誌 . 紀行
(歴史・地理に関すること)
覚えやすい考え方
人間は、古来、先人の知恵に
学んできた経緯があるので、
次に「歴史」を扱った入れ物を
用意する。
歴史は時間的隔たりだから、
空間的な隔たりの「地理」も
一緒にしておく。
15
社会科学
3類
300 社会科学
310
政治
320
法律
330
経済
340
350
360
財政
統計
社会
370
教育
380
390
風俗習慣 . 民俗学 . 民族学
(社会・社会集に関すること)
覚えやすい考え方
人間は、歴史過程を、社会を
形成しつつ現代まで歩んできた
ので、「社会科学」を次におく。
国防・軍事
16
自然科学
4類
400 自然科学
410
数学
420
物理学
430
化学
440
天文学 . 宇宙科学
450
地球科学 . 地学
460
生物化学 . 一般生物学
470
植物学
動物学
480
490
(自然界のこと)
覚えやすい考え方
人間は、社会的存在であると
同時に、大昔は畏敬の対象で
あった自然に驚異を克服し、
神話的宇宙観を乗り越え、
自然界のあらゆる現象を明ら
かにしようと取り組んできた。
よって、4つめは自然科学。
医学
17
技術・工学
5類
500 技術・工学
510
建設工学・土木工学
520
建築学
530
機会工学
540
550
560
570
580
590
電気工学
海洋工学 . 船舶工学
金属工学 . 鉱山工学
化学工学
製造工業
家政学 . 生活科学
(テクノロジーのこと)
覚えやすい考え方
自然を対象とした学究の成果は
燃える石や水、電気が一方的に
流れる物質の発見につながり、
それらを応用するテクノロジーを
発達させた。
18
産業
6類
600 産業
610
農業
620
園芸
630
蚕糸業
640
畜産業
650
林業
660
水産業
670
商業
680
運輸 . 交通
690
通信事業
(産業に関すること)
覚えやすい考え方
技術や工学の進んだ
ところに産業が興る。
19
芸術
7類
700 芸術・美術
710
彫刻
720
絵画
730
版画
740
写真
750
工芸
760
音楽
770
演劇
780
スポーツ . 体育
790 諸芸 . 娯楽
(美に関すること)
覚えやすい考え方
人間は、美しいものを美しい
と感じる心があるから、
「芸術」に関する区分肢が
必要。
20
言語
8類
800 言語
810
日本語
820
中国語
830
英語
840
850
860
870
880
890
ドイツ語
フランス語
スペイン語
イタリア語
ロシア語
その他の諸言語
(言葉に関すること)
覚えやすい考え方
人間は、“美しい”と感じたら
言葉を発する。
だから、次の区分肢は言語。
21
文学
9類
900 文学
910
日本文学
920
中国文学
930
英米文学
940
950
960
970
980
990
ドイツ文学
フランス文学
スペイン文学
イタリア文学
ロシア・ソヴィエト文学
その他の諸文学
(文学作品など)
覚えやすい考え方
言葉があれば、そこに文学が
生まれる。
22
総記
0類
000 総記
010
図書館 . 図書館学
020
図書 . 書誌学
030
百科事典
040
一般論文集 . 一般講演集
050
逐次刊行物
060
団体
070
ジャーナリズム
080
叢書 . 全集 . 選集
090
貴重書 . 郷土資料 .
(文学作品など)
覚えやすい考え方
分類できないもの
(分類した結果残ったもの)
には、0の記号を与える。
その他の特別コレクション
23
NDCの使い方(1)
● 『本表編』
をたどり、細分化していく。
例:株式会社についての本
第1次区分(類目表)
第2次区分(綱目表)
第3次区分(要目表)
第4次区分(分目)
第5次区分(厘目)
3 (社会科学)
32 (法律)
325 (商法)
325.5 (会社法)
325.24 (株式会社)
24
NDCの使い方(2)
● 『相関索引』 を使う。
<メリット>
言葉から分類記号を探せる。
!注意!
必ず「本表編」にもどり、確認すること。
観念が異なっていたり、採られていない小概念が存在する
可能性がある。分類表にあたり、その前後に記されている項目と
概念の上下関係を確認することが必要。
25
NDCの使い方(3)
「をみよ」参照、「をもみよ」参照
「→」
・・・ 「をみよ」参照
● 矢印のさきの分類を、通常使用する。
「→:」
・・・ 「をもみよ」参照
● 関連が深い項目。
他の観点からの分類。参考までに。
26
分類のポイント
この資料の
「 主題 」
は何か?
何について書かれている資料なのかを判断する。
27
主題をとらえるということ
「 魚を釣る 」 という行為は同じでも・・・
● 職業として
664(漁業)
● 趣味として
787(釣り)
28
主題把握の手段
できるだけ資料を通読することなく内容を要約し、主題を把握する。
① タイトル
② 著者
③ 目次
④ 序文、あとがき、解説など
⑤ 帯、カバー
29
① タイトル
タイトルは、その資料を他と識別するための
名称で、通常、資料の内容を簡潔に表現して
いる。したがって、タイトル中に主題を表す
語句が含まれていることも多い。
だが、必ずしも資料の内容と直接結びつくタイトルとなっている
とは限らない。この情報だけで主題を判断してはいけない。
30
★ 本タイトル と サブタイトル
時として、本タイトルは簡潔すぎて内容を
十分に表してないことがある。そのような場合は、
タイトルだけでなく、サブタイトルに注目すると
内容が明確になることがある。
特に、新書などのように、販売目的で目立つタイトルを付けた
ものは、必ずしもその内容を適切に表しているとは限らない。
このような場合、サブタイトルの方が内容を知るために有効で
あることがある。
31
② 著者
著者の選考や過去の業績などを知ることに
よって、タイトルからでは把握できない内容の
手がかりをつかむことができたり、著者の観点
や立場が明らかになる場合も多い。
その資料に記載された著者紹介や著者経歴、または人名事典
などによって著者に関する知識を得ることができる。
32
③ 目次
目次は資料の内容を、その構成に従って
順に表示した見出しである。
目次によって内容を概観し、そこから主題の
範囲や、その扱われ方、または編集形式が
体系的であるかどうかを判断する。
33
④ 序文、あとがき、解説 など
資料の成立に至るまでの問題意識や事情
および内容の概要などは、序文、あとがき
などに記されていることが多い。
この部分で、著者の著作意図、立場、観点
なども知ることができる。
34
⑤ 帯、カバー
新刊書の場合、帯やカバーに内容の紹介が
簡潔にまとめられていることがあるので、
内容を理解する近道になる。
ただし、宣伝のために目に付きやすい表現をとっていることも
多いので、かならず資料の中身を確認する。
35
複数主題の主題判断
複数主題
中心となる
中心となる主題がない
主題がある
主題数3つまで
中心となる
主題に分類
最初の
主題に分類
主題数4つ以上
上位の
分類項目に分類
36
複数主題の主題判断(例)
● 「鉄・コバルト・ニッケル」
⇒
主題が3つ
鉄
最初の主題に分類
● 「キューバ・ジャマイカ・ハイチ・ドミニカ共和国」
⇒
主題が4つ以上
西インド諸島
上位の分類項目に分類
37
主題と主題の関係(1)
影響関係
● 原則として 影響を受けた側 に分類する。
(例) 「 市場経済化と集団農業の解体」
⇒ 集団農業
● 個人の思想、業績が多数人に影響を及ぼした
影響については、個人の側へ分類する。
(例) 「ハイデガーとフランス文学」
⇒ ハイデガー
38
主題と主題の関係(2)
因果関係
● 原因ではなく、結果に分類する。
(例) 「大気の汚染と気候の変化」
⇒ 気候変化
39
主題と主題の関係(3)
概念の上下関係
●
上位概念に分類する。
(例) 「ほ乳類・霊長目・人科」
⇒ ほ乳類
40
主題と主題の関係(4)
比較対照関係
●
比較される側、
著者が重点をおくほうに分類する。
(例) 「仏教とキリスト教:イエスは釈迦である」
⇒ キリスト教
41
時間と空間
国や地域の歴史や美術史など、
ある主題の歴史については、
地域は時代に先行する。
地域で区分できる場合には
まずその地域で分類し、
その後で時代に区分できる場合に
時代で区分する。
42
地理区分
その資料の主題が特定の地域や国に
限定されている場合に、地理区分を付加して
その地域や国を表すことができる。
★付与には
つぎの2つの場合がある。
43
❶ 本表に「*地理区分」とある場合
● 本表の分類記号に
そのまま 地理区分の記号を付加する。
(例) 332 経済史・事情. 経済体制 には、
「*地理区分」とあるので、中国経済であれば‐22を付加して
332 経済史・事情. 経済体制+ 22 中国
→
332.22
となる。
44
❷ 本表に「*地理区分」がない場合
● 形式区分の
-02 歴史的・地域的論述を
間に挟むことで、どの分類記号に対しても地理区分
することができる。
(例) ドイツ医学史は
49 医学 + 02 歴史的・地域的論述 + 34 ドイツ
→
490.234 となる。
45
海洋区分
● 陸の上の区分である地理区分に対する
海の上の区分。
● 「*海洋区分」とある主題にのみ使用。
● 分類記号にそのまま付与する。
● 地理区分とは併用できない。
(例)太平洋の海図
557.78(海図)+1(太平洋) → 577.781
46
言語区分
● 著作物の表現に用いられた言語で区分。
● 8類、9類、および0類の一部、
また、「*言語区分」とある箇所で使用。
● 分類記号にそのまま付加。
(例) ドイツ語で書かれた雑誌
05(逐次刊行物)+4(ドイツ語)→ 054
47
別置
管理・利用頻度・形態の点から
一般の資料とは別に配列すること。
● 管理
・・・ 貴重資料 など
● 利用頻度 ・・・ 小説 など
● 形態
・・・ 大型本・文庫本 など
48
文学作品
文学作品は、その作品の主題によらず、
言語区分の上、文学共通区分という叙述形式
によって分類する。これは、作品自体は科学の
成果ではなく、想像上の所産だからである。
(例)
阿部牧郎/著 『素晴らしきプロ野球』
→ 913.6[×783.7]
プロ野球を主題としているが、選手たちの人生を描いた
小説なので、プロ野球ではなく、近代日本の小説に収める。
49
芸術作品
文学作品と同じく、芸術作品も、主題を表現して
いる芸術形式(絵画,彫刻等)に分類する。
これらも、作品自体は科学の成果ではなく、
想像の結果作り出されたものだからである。
(例)歌川広重/画『保永堂版東海道五拾三次』
→721.8 [×291.5]
50
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