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講演「心の扉を開けて~一人ひとりの輝きを見失わないで~」

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講演「心の扉を開けて~一人ひとりの輝きを見失わないで~」
講演「心の扉を開けて~一人ひとりの輝きを見失わないで~」
講師:千葉紘子さん(歌手、保護司、篤志面接委員)
篤志面接委員として昭和54年から27年経ちました。歌手がなぜ、そのようなボラン
ティアをするのか?と疑問視されました。どうしてそのようなことをしているの?と聞か
れます。法務局の中で社会を明るくする運動というのがあります。犯罪を少なくする。保
護局と矯正局という部署があります。施設に行って、色々な活動をする。落語家や歌手、
それぞれの立場で、意欲的に生きる手助けをする。社会の架け橋をする。犯罪は許されざ
るべきものですが、刑期を終えた人間に対し、色眼鏡を持って接している。が、やはり温
かい目も必要。
知人から勧められ、簡単に引受けた。交通費は出ませんが、施設に行き、対応する。全
国施設の多くに伺った。ある男性の施設で、親子の歌を歌っていると、男性が泣いている。
心の中で、「お父さん」と叫んでいるのでは?私と同じだと思った。それまでは、別の考え
を持つ人間だと思っていたけれども、その瞬間、親を思い、子を思う姿を見たとき、みな、
人間は同じ。
人生を考える上で、「知りたい」という好奇心は大切です。篤志面接委員へのボランティ
アに入ったきっかけかもしれません。週 1 回、東京の施設で個人面接を行い、コーラス指
導も行っています。指導だけでなく、心の内を知る。同じ女の子と出会って、話します。
収容期間は半年から1年くらいですが、人それぞれです。毎週面接をしています。8月は
お休みです。面接員は全員につくわけではなく、10人前後の人しか面接はしないです。
14~19歳までの子供達が収容されています。
どのように面接しているのか?それらを通して、家庭などの話にもつなげていきたいと
思います。身近な話ではないかもしれませんが、それぞれで考えて頂きたいと思います。
-----------非行に走った理由…。どの子も、淋しいとよく言います。だから一緒にいられる友達と
いた、と言います。淋しいとはどういうことなの?と話の中で聞き出します。共働きの親、
片親の家庭、それぞれです。片親が悪い訳ではなく、離婚という事実を子どもがどう受け
止めたか?です。また、家族といても、淋しかったと伝える子どももいる。一緒にいても
心が通わない、共に過ごさない。強い孤独感を持っている。また、孤独は恐ろしいという
気持ちも持っている。社会不適応という面も持っている子どももいる。それらが原因で、
遊びに走ってしまう。社会からはじかれ、子どものみの社会に入り込んでしまう。精神的
に発達することができず、幼児性が強くなる。高校生くらいでも、幼い。また、被害感情
が強い。家庭内での被害感情、親からの攻撃性を感じている。学校ではイジメを受けてい
る。人からの被害感情をもっている子どもが多い。自分の力で立ち向かっていく強さがな
い。子どもだけの世界では自分を認めてくれる為、その世界のみで生きていこうとする。
が、それはその瞬間のみで、時にはリンチし合うという暴力の関係の中で、何となく抜け
出せずにつながりを続けている。これだけが特徴ではないけれど、このような特徴を持っ
ている子供達が多い。
-----------まず、話を聴くことが大事。相手の言っている事をよく聴く。自分の主張を通すだけで
は、交流にならない。面接はまず、話を聴く事から始まります。最初はつまらない事ばか
り言っているなぁと思うときもある。が、ある時、全てを受け止めるのが必要だと感じた
事がある。ある日、大人の主張を言うと、次の面接からその子が、何も話さなくなった。
それからは、とにかく聴く事を大切にするようになった。よくよく、一言一言を聴くと、
つまらない事はなかった。その奥の感情に気づいていないだけであった。共感を持てるこ
とも出てきた。良い事を言ったときは、素直に、すぐに誉めるようにしている。が、聴く
だけでなく、その内に大人のルールも話すようにしている。アメリカの博士がいった言葉
がある。
「『あなたメッセージ』ではなく、
『私メッセージ』で話すこと。」すなわち、
「私は、
こういうようにしている。」というような言い方です。つい、「あなたメッセージ」を使い
がちになる。
----------------施設内で、子供たちの成長があります。彼らは、入所した時はまず自己評価が低い。自
己肯定感がない。大人も、そういう人があるかもしれません。自分の存在を認める元とな
るものです。自尊心のない人が、どうして他人を大切にできるでしょうか。自分を愛する
気持ちをなかなか持てないということなのでしょう。人から愛された経験が物を言うので
しょう。
人の注目をあびたい、愛されたいと思うだけでは、満足は得られない。人間は、子供の
内は愛されたいと思っている存在ですが、大人になるということは、愛する側に回ること
ではないでしょうか。人間は、おろかであり、社会ももろく、崩れていくかもしれない。
うすい空気層の中に、世界の全てがある。地球上のものをすべて愛する気持ちで見ること
…。人権は、愛することが大事であるということが意味を持っていると思います。
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