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ロコモティブシンドローム - エヌ・ケイ・クリニック
平成 29 年 2 月 健康だより 職場に於ける腰痛に関する調査結果では、腰痛の症状を有する労働者の割合は、 40~50%と半数を占め、更には、腰痛の既往歴を有する割合は、70~80%にも上る ことが示されました。腰痛は、日常的に起こり得る、大多数の方が抱える疾病であると共に、 一度発症すると、休業が 4 日以上にも及ぶ可能性が高いため、予防や早期受診が大切です。 腰痛とは、腰部を主とした痛みやはりなどの不快症状の総称であり、原因が特定可能か否かにより、特異 的腰痛と非特異的腰痛に分類されます。医師の診察やレントゲン検査、MRI 検査等の画像検査で特定でき る特異的腰痛は、腰痛全体の約 15%であり、残り約 85%は、原因が特定しきれない非特異的腰痛に分類 されます。発症割合や頻度が高い“ぎっくり腰”も非特異的腰痛の一つです。 特異的腰痛(約 15%):原因が特定できる腰痛 ・椎間板ヘルニア 4~5% ・脊柱管狭窄症 4~5% ・圧迫骨折 4% ・感染性脊椎炎やがんの脊椎転移 1% ・大動脈瘤、尿路結石などの内臓疾患 1%未満 非特異的腰痛(約 85%):原因が特定しきれない腰痛 腰痛を発症または症状を悪化させる要因は様々存在しますが、職場における腰痛発生の原因は、主に、 ①動作要因 ②環境要因 ③個人的要因の3つの要因が挙げられ、これらが重なり合って発生します。 腰部に動的あるいは静的に過度 に負担を加えている状態 腰部の振動、寒冷、床・階段で の転倒等で見られる 「重量物を頻繁に取り扱う」 年齢、性別、体格、筋力等の違 いや、既往症または基礎疾患の 有無、精神的な緊張度等による 「身体が寒冷にさらられる」 「腰を深く曲げたり、ひねったりす 「車輛運転などの全身振動に長時間 「慢性化した腰痛を抱えている」 ることが多い」 「年齢とともに痛みが続く」 さらされる」 「長時間同じ姿勢で仕事をする」 「職場が乱雑であり、安全な移動が 「腰痛があっても休息が摂れない」 困難である」 「夜間勤務が長い」 心理的要因:職場の対人ストレスなど 医療法人社団 俊秀会 エヌ・ケイ・クリニック 平成 29 年 2 月 健康だより 腰痛予防には、臀部を中心とした腹筋、背筋、臀筋等の筋肉の柔軟性を確保し、疲労の回復を図ることが 大切です。職場においても、ストレッチングを主体とした腰痛予防体操を実施することで柔軟性を維持する ことが可能です。特に、筋肉を伸ばした状態で静止する「静的なストレッチング」が、筋肉への負担が少な く、安全に筋疲労回復、柔軟性、リラクセーションを高めることができるため、お奨めです! ①息を止めずにゆっくりと吐きながら伸ばしていく ②反動・はずみはつけない ③伸ばす筋肉を意識する ④張りを感じる痛みのない程度まで伸ばす ⑤20 秒から 30 秒伸ばし続ける ⑥筋肉を戻すときはゆっくりとじわじわ戻っていることを意識する ⑦一度のストレッチングで 1 回から 3 回ほど伸ばす 予防と早期受診が大切です 医療法人社団 俊秀会 エヌ・ケイ・クリニック