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娘は非常に豚
ごうつかほ 家畜衛生広報 (H26 Vol.2) かわら版 江津家畜保健衛生所(西部農林振興センター 江津家畜衛生部) 〒695-0011 江津市江津町 1016 番地 13 TEL(0855)52-3111 FAX(0855)52-4216 10 同様に発生数が増加しています(図1)。 また、本病には有効な治療法がなく、一旦ウイルスに感 2,500 島根県 全国 2,000 1,500 1,000 5 染すると他の牛への感染源となるだけでなく、乳量の減少 500 や枝肉の廃棄などの損失につながるため、生産性向上のた 0 めにできることからしっかりと対策をしていきましょう。 ○原因 牛白血病ウイルス(Bovine leukemia virus:BLV) ○感染経路 0 H15 H17 H19 H21 H23 H25 図1. 牛白血病 届出頭数 ○症状 ・直検、採血、搾乳、除角など人の手によるもの ・多くは3歳以上 ・リンパ節の腫大 ・アブなど吸血昆虫によるもの ・眼球の突出 ・呼吸器、消化器症状 ・妊娠中や、産後の母乳など母から子に感染するもの ・乳量の減少 ○ウイルス浸潤状況調査 2009~2011 年に実施された BLV 全国浸潤状況調査では、 乳用牛で約 40%(農場レベルで約 80%)、肉用牛で約 30%(同、 約 70%)と推定され(図表参照)、既に全国に広まっている ことが分かっています。 図2. 年齢別 BLV 抗体陽性率の推移 表1. BLV 抗体陽性率 区分(調査対象頭数) 抗体陽性率 乳用牛(11,113 頭) 40.9% 肉用牛( 9,722 頭) 28.7% 図3. 農場内抗体陽性率の頻度 本ウイルスは既に全国に浸潤していますが、発症率は1~2%であり感染してもすぐに発症する わけではありません。しかし、対策の方法は各農場での飼養形態などにより異なり、高率に感染し ている農場では対策に多くの時間と手間がかかります。感染牛摘発のため、家保では抗体検査(720 円/頭)も行っていますので、外部導入の際には積極的にご利用ください。また、対策の取り組み について、詳しくは家保にご相談ください。 (担当:源田) ) 本病の発生件数は全国的に増えており、県内においても ) 15 頭( 頭( 牛白血病について 家畜伝染病発生情報 ○アジア地域における口蹄疫発生情報 2014 年は、日本と地理 的に近い国(韓国、北朝 鮮、ロシアのプリモルス キー地方)での発生が多 く確認されており、国内 への本病ウイルスの侵 入リスクは非常に高ま っていると考えられま す。 改めて、農場出入車両 等の消毒や異常家畜の 早期通報などの飼養衛 生管理基準の遵守の徹 で囲まれた部分は今年 2014 年の発生報告分 底をお願いします。 ○アジア地域における高病原性及び低病原性鳥インフルエンザ発生情報 (農林水産省 HP より) 2014 年は、主に韓国、中 国、ベトナムで継続的に発 生が確認されています。4 月には、熊本県のブロイラ ー農場において高病原性 鳥インフルエンザが確認 されました。これからの季 節、大陸からの渡り鳥の飛 来が多くなります。改めて 飼養衛生管理基準の遵守 (防鳥ネット等の補修点 検など)の徹底をお願いし ます。 (担当:石川) (農林水産省 HP より) で囲まれた部分は今年 2014 年の発生 豚流行性下痢(PED)の発生状況と対策について 国内では平成 25 年 10 月に沖縄で7年ぶりに発生し、平成 26 年8月末までに1道 37 県 817 農場で発生し、377,471 頭の死亡が確認されました。同年9月以降は、10 月末時点、群 馬県、愛知県、鳥取県の各1農場で発生し、10 月 11 日には東京都で疑い事例が出ています。 本病は、糞便を介した直接的あるいは間接的な経口感染が主であり、発生予防およびま ん延防止のためには、何より飼養衛生管理基準の遵守が重要です。冬は流行の時期であり、 発生農場では、常在化したウイルスによる再発も懸念されています。 県内での発生は起きていません。引き続き油断なく防疫対策を徹底しましょう。 ○毎日の豚の健康観察 本病は哺乳豚だけで なく、育成豚や肥育豚、 繁殖豚でも、嘔吐および 水様性下痢の症状、ま た、繁殖母豚の食欲減退 や泌乳量の減少といっ た異常が認められるこ ともあります。 本 病 が 疑わ れ る場 合 は、すぐに家保に連絡し てください。 ○農場外からのウイルス侵入防止 車両、物品、人によるウイルス侵入を防止しましょう。車両は外側だ けでなく、荷台、運転席マット、ペダルなどの消毒も実施してください。 人の出入りは最小限とし、農場専用の衣服、長靴を使用しましょう。ま た、踏み込み消毒槽の設置と消毒液の交換、農場出入り口での石灰撒布 など基本的な防疫対策を継続しましょう。 (担当:荒川) 種雄牛「隆娘」・「茂福花」の精液供給休止についてのお知らせ このことについて、すでにリーフレットを配布していますが「隆娘」において平成 26 年7月~ 8月にかけて、妊娠後期に胎膜水腫を発症し胎子や母牛が死亡する事例が3件発生したため調査を 実施することとなりました。また、当該種雄牛2頭について、新規交配時に「茂福花」で2頭、 「隆 娘」で1頭について同様の症状が確認されています。 ※※ 胎膜水腫とは? ※※ 聞きなれない病名だと思いますが、県内でも数年に1~2頭の発症が確認されています。原因は 遺伝性あるいは子宮疾患によると言われていますが、特定はされていません。 軽症例では通常の分娩時に胎水(40~80ℓ)と奇形胎子が確認されることが多く、重症例では妊娠 5~8か月で多量の胎水(80~200ℓ)が貯留しそれに伴い腹囲が著しく膨満し、食欲不振、反芻停 止、便秘等の症状が認められます。その後、症状の進行により起立困難、呼吸困難等の症状を呈し た場合は予後不良となります。※通常胎水量6~23ℓ(羊水2~8ℓ、尿膜水4~15ℓ) 原因はまだ特定されていませんが、当面「隆娘」 、 「茂福花」の精液譲渡が休止されています。ま た、皆様方におかれましても「隆娘」、 「茂福花」の交配を控えていただきますようにお願いします。 なお、今後の対応等を検討するために、過去5年間の発生状況の調査が行われています。また、 県有種雄牛を交配し妊娠している繁殖雌牛の調査も同時に実施されていて、発生時の迅速な対応や 観察強化が図られていきますので、畜産農家の皆様方にも御協力をお願いします。 (担当:丹羽) ○問い合わせ先 石見家畜診療所 (0854-82-8374) 江津家畜保健衛生所(0855-52-3111) 受精卵移植(ET)技術研修会を開催しました。 去る9月4日と5日に、邑南町にある県立矢上高等学校及び大田市三瓶町の酪農家2戸を会場に、 本年度第2回目の受精卵移植技術研修会を開催しました。 今回の研修は、本年度本県主催の家畜人工授精師養成講習会(牛の体内受精卵移植)を受講し、 同移植に係る資格を取得した2名を含む管内のET師の技術向上を図るとともに、矢上高校の施設 を利用することで、同校生徒が受精卵移植に係る様々な技術を間近で見ることで、同技術そして畜 産への興味を深めてもらうことを目的としています。また今回は、我々と同じく家畜衛生業務に携 わる県内の若手職員たちもET及び繁殖技術の向上を目的として参加しました。 今回は、図のとおり、過排卵処 理した供卵牛(ドナー)から採卵 し、事前に同期化処理した受卵牛 (レシピエント)にその日のうち に新鮮卵移植を行いました。1日 目は、参加ET師及び家畜衛生部 職員がレシピエントの生殖器確認 による翌日のET実施の可否の確 認、2日目の午前中は県畜産技術 センター職員等によるドナーの採 卵~検卵~ストロー詰めを矢上高 校産業技術科動物専攻の2、3年 を含む全員で見学、午後から三瓶 に移動しET師によるレシピエントへの新鮮卵移植、家畜衛生部職員がそのフォローを行い、同校 生徒が見学しました。 当部では、今後も様々なスタイルの研修会を企画・開催し、管内の受精卵移植技術の推進を図っ ていきたいと思っています。 (採卵) (担当:徳永) (検卵) (移植) ~編集後記~ 去る8/31(日)、家保職員で第 39 回江の川レガッタ 大会に出場しました!結果は・・・予選グループ2位→ 敗者復活2位と、結局予選落ちでした。 更にチームワークを高めて!来年こそは!予選突破を目指します! (源田)