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国民保護について

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国民保護について
国民保護について
平成19年8月7日
総務省消防庁 国民保護・防災部長
岡山 淳
国民保護とは?
●万一の武力攻撃や大規模テロの際に、迅速に住民の避難を行う
など、国、県市町村、住民などが協力して、住民を守るための仕組み
●こうした事態を招かないように、最大限の外交努力を行うことは、
当然の前提。
●あってはならないことに対する万一の備えをすることにより、安全度
を高める取組み。
●万一のときに、迎撃ばかりにシフトしないよう、常に避難など国民を
守る取組みを意識し、実施することを担保するもの。
「あってはならない武力攻撃、
なくてはならない国民保護」
1
国民保護法成立までの経過
1993・94 (H5・6)
北朝鮮核疑惑
1995 (H7) 3月20日
地下鉄サリン事件
1998 (H10) 8月31日
北朝鮮弾道ミサイル発射事件(テポドン、三陸沖)
1999 (H11) 3月23日
日本近海での不審船事案(能登半島沖)
5月28日
カーター元大統領
周辺事態安全確保法 成立
2001 (H13) 9月11日
米国同時多発テロ
11月 2日
テロ対策特別措置法
12月22日
日本近海での不審船事案(九州南西海域)
2002 (H14) 4月
有事関連3法案(武力攻撃事態対処法を含む)を国会提出
2003 (H15) 6月
有事関連3法案(武力攻撃事態対処法を含む)が成立
2004 (H16) 3月11日
スペイン同時多発列車爆破事件
2004 (H16) 6月
国民保護法が成立
2
武力攻撃事態対処法
(平成15年6月施行)
【対処に関する基本理念】
○国、地方公共団体及び指定公共機関が、国民の協力を得つつ、相互に連携協力し、万全の措置が講じられなければならない。
○日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならず、これに制限が加えられる場合にあっても、その制限は当
該武力攻撃事態等に対処するため必要最小限のものに限られ、かつ、公正かつ適正な手続の下に行われなければならない。
【対処基本方針】
国際人道法の的確な実施
捕虜
取扱い法
【武力攻撃事態等対策本部】
対処基本方針に基づいて
対処措置を実施
国民保護法
国際人道法
違反処罰法
承 認
会
答申
国
諮問
安全保障会議
○手続
・内閣総理大臣が案を作成し、閣議の決定を求める。
・案の作成に当たっては、安全保障会議に諮る。
・閣議の決定の後、国会の承認を求める。
○定める事項
①武力攻撃事態であること又は武力攻撃予測事態であること
の認定及び当該認定の前提となった事実
②武力攻撃事態等への対処に関する全般的な方針
③対処措置に関する重要事項
・国民の保護に関する措置
・自衛隊の行動 ・米軍の行動に関する措置 ・その他
武力攻撃の排除
特定公共施設
利用法
(平成16年9月施行)
・米軍行動関連措置法
・海上輸送規制法
・自衛隊法の一部改正
自衛隊による活動
避難に関する
措置
救援に関する
措置
被害最小化の
ための措置
米軍の行動に
関する措置
3
地方自治体の危機管理
● 自然災害(地震、大雨等) ← 災害対策基本法 等
● 事故等(火災、列車事故)
●
・ 感染症、鳥インフルエンザ 等
● 武力攻撃、大規模テロ
← 武力攻撃事態対処法(H15.6月成立)
(H16.6月成立)
国民保護法
地方自治体に災害時と同様、重要な役割
4
防災との相違
防 災
国民保護
地震、台風等
武力攻撃、テロ
地理的状況、気象状況等による
悪意ある相手により引き起こされる
自治事務
事務性格
法定受託義務
市町村(国、県は補完)
対応主体
国→県→市町村
市町村
費用負担
国
独自に設置
対策本部
国の指定による設置
自主的な避難
・補完
・市町村による避難の勧告・指示
(緊急通報、防御措置は実施しない)
避
難
県の役割
避難誘導
・主体
・県による避難の指示、緊急通
報、防御措置
5
未 然 防 止
・我が国としての、また
国際社会を通じたでき
る限りの外交努力
・テロの未然防止に
関する行動計画
武力
攻撃
・テロリストを入国させ
ないための対策
・
起きた場合に被害を
起きた場合の
最小化する措置
対 処
・平素からの取組み
・訓練
・地域における協力体制の
構築
・生活関連等施設の安全
確保
・テロリストを自由に活
動させないための対策
テロ
国民保護計画
・国民保護法の
枠組み
警報伝達、避難など
・テロに使用されるお
それのある物資の管
理強化
・平素からの取組み
自然災害
・訓練
地域防災計画
・治山、治水対策
(地震
・災害に強いまちづくり
・大雨)
・耐震化、防火対策
・災害対策基本法
の枠組み
6
国民の保護に関する計画のスケジュール等
【国】
国民の保護に関する基本指針(H17.3月作成済み)
・国民保護の実施に関する基本的な方針
・国民保護計画及び業務計画の作成の基準
・想定される武力攻撃事態の類型
・類型に応じた避難措置、救援、武力攻撃災害への対処措置
【都道府県】
【指定行政機関】
国民保護計画
(H17.10月全機関
作成済み)
・内閣総理大臣に協議
国民保護計画
(H18.3月全団体作成済み)
・国民保護協議会に諮問
・内閣総理大臣に協議
H17.7.22・・・福井県、鳥取県
H18.1.20・・・21道府県
H18.3.31・・・24都県
・議会に報告
◎京都府(H18.1.20)
◎京都市(H19.1.26)
特 色 : 観光旅行者等の保護
文化財の保護
【指定公共機関】
国民保護業務計画
・内閣総理大臣に報告
H18.5月末までに全機
関(159)が作成完了
【消防庁】
・都道府県モデル
計画作成
(H17.3月作成済み)
【市町村】
国民保護計画
(H18年度)
・国民保護協議会に諮問
・都道府県知事に協議
・議会に報告
【指定地方公共機関】
国民保護業務計画
(H18年度)
・都道府県知事に報告
【消防庁】
・市町村モデル計画
作成
市町村国民保護協議会
○会長・・・市町村長
○委員・・・下記から任命
・助役
・教育長
・区域を管轄する消防長等(消防団長)
・市町村の職員
・区域を管轄する指定地方行政機関
の職員
・自衛隊に所属する長官の同意する者
・都道府県職員(警察官を含む)
・当該市町村の区域において業務を行
う指定公共機関又は指定地方公
共機関の役員又は職員
・専門家、有識者、医療関係者、一般
の住民など
(H18.1月作成済み)
※ 「国民保護法制整備本部」第5回会合の申し合わせスケジュールより
7
国民保護措置の3つの柱
警報の伝達
住民の避難
避難の実施
避難住民の救援
収容施設の供与
食品等の提供
医療の提供
武力攻撃災害への
消火、救助
対処
等
警戒区域の設定
退避の指示
等
8
武力攻撃事態等における国民の保護に関する措置の仕組み
都道府県(対策本部)
国 (対策本部)
・避難の指示
・避難の指示の伝達
・避難住民の誘導
民 ︵協 力 ︶
是正
避難先地域等)
指示
・救援の指示
(避難経路、交通手段等)
・ 食品、生活必需品
・救援 ・ 収容施設
是正
武力攻撃災害への
対処
・警報の伝達
指示
・避難措置の指示
(要避難地域、
救 援
・警報の市町村への通知
住
避 難
・警報の発令
・武力攻撃災害への
対処の指示
指示
・NBC攻撃等への対処
・生活関連等施設の
安全確保
市町村 (対策本部)
・ 医療
・救援に協力
等
・武力攻撃災害の防御
・警戒区域の設定・退避
の指示
指示
・消防
・警戒区域の設定・退避の指示
・緊急通報の発令
指定公共機関
・放送事業者による警報等の放送
・日本赤十字社による救援への協力
指定地方公共機関
・運送事業者による住民・物資の輸送
・電気・ガス等の安定的な供給
国、地方公共団体、指定公共機関等が相互に連携
9
武力攻撃事態の4類型
①
②
③
④
着上陸侵攻
ゲリラ・特殊部隊による攻撃
弾道ミサイル攻撃
航空機による攻撃
(国民の保護に関する基本指針 平成17年3月閣議決定)
緊急対処事態の4類型
① 原子力事業所等の破壊、石油コンビナートの爆破等
② ターミナル駅や列車の爆破等
③ 炭疽菌やサリンの大量散布等
④ 航空機による自爆テロ等
(国民の保護に関する基本指針 平成17年3月閣議決定)
10
武力攻撃やテロ発生時の避難誘導における留意点
1.事態に即した対応
2.情報の共有化、一元化
3.住民への的確な情報提供
4.高齢者、障害者等への配慮
5.安全かつ一定程度規律を保った避難誘導の実現
6.学校や事業所における対応
7.民間企業の積極的な協力の確保
8.住民の「自助」努力による取り組みの促進
11
①特徴
●発射前に着弾地域を特定することが極めて困難であり、短時間での着
弾が予想されます。このため、まず弾道ミサイルの発射が差し迫っている
との警報が発令され、テレビやラジオなどを通じてその内容が伝えられま
す。その後実際に弾道ミサイルが発射されたときはその都度警報が発令
され、着弾が予想される地域には、サイレンなどにより注意を呼びかける
こととしています。
●弾頭の種類(通常弾頭であるのか、核・生物・化学弾頭であるのか)を
着弾前に特定するのが困難であり、弾頭の種類に応じて、被害の様相
や対応が大きく異なります。
②留意点
●攻撃当初は屋内へ避難し、その後状況に応じ行政機関からの指示にした
がい適切に避難しましょう。屋内への避難にあたっては、近隣の堅牢な建
物や地下街などに避難しましょう。
12
13
①
特徴
●化学剤は、特有のにおいがあるもの、無臭のものなど、その性質は
化学剤の種類によって異なります。比較的早く目の充血、咳込み、
かゆみなどの症状が現れます。
●飲食物への混入、人体への直接注入、爆発物や噴霧器による散布が
考えられます。
●国や都道府県、市町村などは連携して原因物質の検知と汚染範囲の
特定をし、汚染地域の除染する措置などを実施します。
●汚染された可能性があれば、医師の診断を受ける必要があります。
②
留意点
●口と鼻をハンカチで覆いながら汚染のおそれの
ない安全な地域に避難しましょう。
●屋内では窓を閉め、目張りで室内を密閉します。
また、なるべく上の階に避難しましょう。
●汚染された衣類は速やかに処分する必要があ
ります。脱いだ後はビニール袋に密閉し、その後
石けんで体をよく洗いましょう。
●汚染された疑いのある水や食物の摂取は避けましょう。
14
① 特徴
●生物剤は、人や動物を殺傷することを目的とした細菌やウイルスとそれ
らが作り出す毒素のことをいいます。化学剤同様、飲食物への混入、人
体への直接注入、爆発物や噴霧器による散布が考えられます。
●発症するまでの潜伏期間に感染した人々が移動し、広域的に被害が広
がる可能性があります。
●国はデータ解析により感染源となった病原体に応じた医療を行い、まん
延の防止に努めます。
② 留意点
●口と鼻をハンカチで覆いながら汚染のおそれの
ない安全な地域に避難しましょう。
●屋内では窓を閉め、目張りで室内を密閉します。
また、なるべく上の階に避難しましょう。
●汚染された衣類は速やかに処分する必要があ
ります。脱いだ後はビニール袋に密閉し、その後
石けんで体をよく洗いましょう。
●汚染された疑いのある水や食物の摂取は避けましょう。
●感染した可能性がある人が触れたものには触らないようにし、頻繁に手
を洗いましょう。
15
① 特徴
●被害については、核爆発に伴う熱線、爆風による物質の燃焼、建物の破壊、
放射能汚染が生じ、その後、放射能を持った灰の降下による放射線障害が
あります。
●ダーティーボム(放射性物質を散布することによる汚染を意図した爆弾)の
爆発では、核爆発ほどの被害はありませんが、爆薬と放射能による被害を
もたらします。
② 留意点
◎核爆発
●閃光は失明のおそれがあるため見ないでください。
●遮蔽物の陰や建物の中に避難しましょう。
地下施設やコンクリート建物はより安全です。
●屋内では窓を閉め、目張りで室内を密閉します。
●汚染された衣類は脱いで密閉し、石けんで体を
よく洗いましょう。
●汚染された疑いのある水や食物の摂取は避けましょう。
◎ダーティーボムの爆発
●爆発が起こった建物などからできる限り速やかに離れましょう。
●外傷がない場合でも、医師の診断を受けましょう。
16
自然災害や武力攻撃・テロから身を守るための最初の行動
1 地震が起きたら、丈夫な机の下へ
2 地震が落ち着いたら、避難路の確保、海岸では高台へ
3 身の回りで急な爆発が起こったら、姿勢を低くし安全の確保
4 ミサイルが発射されたら、屋内へ避難
5 化学剤テロの場合は、まず風上へ避難
被災した可能性があれば、衣類を処分し、除染(石けんで洗浄)
6 上記事態においては、テレビ・ラジオ等により情報収集に努めよう。
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