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春日・大野城・那珂川消防本部 様

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春日・大野城・那珂川消防本部 様
春日・大野城・那珂川消防本部 様
地方公共団体
モバイル活用システム
ShieldPRO
「ShieldPRO」を導入し、モバイル活用システムを構築
災害現場・救急現場での迅速かつ正確な活動を強力に支援
モバイル端末は、現場での迅速で的確な意思決定を支援する道具です。しかし、過酷な現場では、端末そ
のものを安定稼働させることが困難です。堅牢ノート「ShieldPRO(シールドプロ)」を活用し、こうし
た“壁”を乗り越えたのが、福岡県の春日・大野城・那珂川消防本部様です。同本部では、先進的な高機
能消防管制指令センターのサブシステムとして、モバイル活用システムを構築。ShieldPROを6台導入し
て、救急車と消防車に搭載しました。これにより、救急隊は収容病院などで事務処理ができ、帰署せずと
も次出動に備えるなど、効果的な救助活動を行うことが可能になりました。災害現場や救急現場におい
て、ShieldPROは、人命を救おうと活躍する消防隊や救急隊の迅速かつ正確な活動を支えています。
春日・大野城・那珂川消防本部
指令課 指令第2係長
春日・大野城・那珂川消防本部
指令課 指令課長
宮嶋 文洋 氏
因幡 敏幸 氏
事業環境・
課題・
導入の目的
迅速かつ正確な救助活動を行うために、防塵・防滴、耐衝撃性に
優れたモバイル端末を必要としていました。
に出動(2006年度実績)していますが、システム
1秒でも早い出動体制の実現に向け最新技術を活用
面で1つの課題を抱えていました。それは、予算
春日市・大野城市・那珂川町は、福岡市の南に
の関係で10年前のシステムを使わざるを得なかっ
位置し、福岡都市圏の住宅都市として成長してき
たこと。作業は手書きが中心で、市民からの消防
ました。3市町を合わせて人口は約25万人。現在
や救急の連絡も公衆電話回線しか対応していませ
でも人口が増加傾向にあり、九州で最も人口密度
んでした。
が高い地域の1つであることからも、その住みや
「救急は、心肺停止して5分経つと生存率が急激
すさと活気のほどがわかります。
に低下します。火事はもちろん初期消火が重要。1
この地域の安全で住みやすい地域づくりに欠か
分1秒でも早く現場へ出動するために、システムを
せない存在なのが、春日・大野城・那珂川消防本
刷新する必要がありました」と同本部の指令課長
部様です。1970年に発足し、1999年、現在の3市
である因幡 敏幸氏は熱を込めて語ります。
町を管轄する組合消防体制になりました。
そこで同本部では、コンサルタント会社に根本
的な分析と提案を依頼して、全国屈指の機能を備
同本部は、年間70件の火災と8310件の救急業務
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2007
春日・大野城・那珂川消防本部 様
えた「高機能消防管制指令センター」のシステム
を構築。システムインテグレーションを担当した
のはNECで、2007年4月1日から本稼働をしていま
す。
最新技術を搭載した指令管制センター
電話の発信地を瞬時に表示するシステムをはじめ、火災・救急現場へ
迅速に到着するための様々な最新技術を採用している。
載システムへ送信。また消防や救急の活動中も、
現場での活動を支えるモバイル活動システムを導入
車両の状態や位置を自動管理しており、変化する
状況に応じて、臨機応変な対応ができる体制を実
高機能消防管制指令センターは、次の3つのシス
現しているのです。
テムで構成されています(図)。
さらに加えて、ビル火災であれば、現場で的確
第1は「全電話対応発信地表示システム」。これ
な判断をするために、建物のレイアウト図なども
は、発信者番号表示システムと連携して、119番通
いち早く入手しておく必要があります。救急車に
報をしてきた場所をセンターの画面へ瞬時に表示
乗る救急隊なら、搬送する患者の情報を記録・入
するものです。一般の公衆電話回線のほか、携帯
力するためのモバイルシステムも必要です。そこ
電話やIP電話にも対応しました。
で同本部では、過酷な環境でも安定して稼働する
堅牢ノート「ShieldPRO」を、消防の指揮隊用に1
第2が「高機能消防指令管制システム」。災害点
台、救急隊用に5台で、合計6台導入。高機能災害
に一番近くて対応可能な消防車・救急車が選択さ
対応システムのサブシステムとして、モバイル活
れ、災害内容によって最適な出動隊が自動編成さ
用システムを構築しました。通信環境は、既存の
れ、出動指令が出る仕組みです。出動指令と同時
さまざまな回線が利用できる専用回線等接続サー
に、出動指令書などの情報を消防車・救急車の車
ビスを採用し、ShieldPROにつないだFOMA端末から
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春日・大野城・那珂川消防本部 様
管制指令センターのLANへの接続を実現していま
す。
そして第3のシステムが「多機能情報配信システ
ム」です。管制指令センターの出動指令発信と同
時に災害情報が必要な部署へ送られ、住民からの
問い合わせへスムーズに対応。消防本部のホーム
ページにも掲載されて、インターネットでの照会
も可能になりました。
「こうしたシステムを組み合わせて利用するこ
とで、現場へ早く到着できるようになりました。
従来は通報を受けてから出動するまでに3~4分か
かるケースもありましたが、今では、10秒以内で
出動することも可能です」と因幡氏は話します。
新システムの導入で、住民の安全・安心を支える
力が一層高まりました。
高機能消防管制指令センターの概要
大きく3つのシステムで成り立っています。ShieldPROは、
その中でも最前線の現場で使用される業務端末として採用
され、高機能消防管制指令センターの一翼を担っています。
システム概要・
導入効果・
将来展望
すべての救急車にShieldPROを装備。空き時間・待ち時間に報告書の
すべての救急車にShieldPROを装備。空き時間・待ち時間に報告書の
情報入力ができるため、次の救急現場へスムーズに移行できます。
情報入力ができるため、次の救急現場へスムーズに移行できます。
気温が50℃にも達する車内でも
安定稼働するShieldPRO
「救急隊は、病人を病院へ搬送してから、医師
迅速に出動した後、災害現場での活動を支援す
なります。施術や診断の待ち時間に情報を入力す
るのが、モバイル活用システムです。
る作業ができれば時間を有効に使うことが可能に
の治療や診断内容を聞いて記録することが義務に
なります」と同本部指令課の指令第2係長である宮
現在、春日・大野城・那珂川消防本部は救急車
嶋 文洋氏は説明します。つまり、救急隊員の1人
を5台保有していますが、そのすべてに、Shield-
が医師と話している間に、車内で待機する救急隊
PROを1台ずつ搭載。NECの消防情報支援システムア
員が情報を入力しておけば、いちいち帰署するこ
プリケーションパッケージ「NEFOAP(ネホープ)」
ともなく、次の出動へ備えることもできるので
を使用しています。これは、搬送する病人などの
す。
情報を入力し、最終的に市町や国へ提出する報告
書を作成するソフトウェアです。
「救急車は1分1秒を争いますから、端末に振
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動が加わる場合もあります。また、火災現場へ行
しようとか消火作戦を考えますが、ShieldPROを活
けば、水に濡れ、灰やチリが飛び交う環境の中で
用すれば、現場に着く前に的確な作戦を立てられ
使用する可能性もあります。ShieldPROなら、こ
る確率が高まります」と因幡氏は言います。
うした環境でも問題なく使用できますし、万が一
、作業中に落としても大丈夫なので安心です」と
火事の翌日の現場検証にも、ShieldPROを持参す
宮嶋氏は語ります。
るようになっています。現場で急に必要になった
情報を、本部から即座に送信してもらうことがで
現在、ShieldPROは完全な救急隊の「車載機」
きるからです。しかも、電話とは異なり、被災者
になっており、真夏の昼間も真冬の夜中も車の中
のプライバシーを保護しながら必要な情報のみを
に積んだままです。充電も社内の100Vコンセント
やりとりできます。
経由。このような過酷な使い方でも、一度も故障
することなく、車内の気温が50℃にも達したこの
常に状況が変わる災害現場で最も効果的な動き
暑い夏も乗り越えました。
をするためには、本部からの指示を一方通行で表
示する専用システムよりも、自由度の高いモバイ
「システム刷新を計画したときから、モバイル
ル端末が有効です。降り注ぐ灰や水しぶきにも負
活用は不可欠だと思っていましたが、ShieldPRO
けないShieldPROは、春日・大野城・那珂川消防本
を見て、このシステムに最適だと思いました。こ
部のさらに柔軟で的確な意思決定を、これからも
れほど堅牢なコンピュータはこれまでありません
強力に支えていくでしょう。
でしたし、画面が大きくて暗い戸外で見やすいの
も現場で評判の良いポイントです」と因幡氏は評
価します。
消防の指揮隊の活動をはじめ、
より柔軟で自由度の高い活用へ
消防の指揮隊でのShieldPRO運用も始まりまし
た。現在、これまで紙で持ち歩いていた現場の地
図を、管制指令センターのサーバからShieldPRO
へ送信する形態へと、移行を進めているところで
す。
「ShieldPROであれば、夜間でも読み取れます
し、何十年も前の書類でも一部分を拡大して詳細
を確認することができます。指揮隊は、非常階段
へ直行しやすい場所にハシゴ車を止めようとか、
消火栓の位置を配慮して東・西の両方向から放水
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春日・大野城・那珂川消防本部 様
お客様のプロフィール
春日・大野城・那珂川消防本部
発足
1970年6月1日(1999年4月1日、那珂川消防本部と合併)
職員数
197人(2007年4月1日現在)
管内人口 251,332人(春日市109,333人、大野城市93,381人、那珂
川町48,618人:2007年3月31日の住民基本台帳による)。
福岡県春日市、大野城市、那珂川町の3市町を管轄する
組合消防組織。1本部1署4出張所・消防車11台・救急車6
台の体制で、2006年は、70件の火災と8310件の救急業
務に出動した。シンボルマークのフェニックスは、「使命・
愛・勇気」を象徴。
URL
http://fukuoka.kon119.or.jp
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