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議事録 - 経済産業省

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議事録 - 経済産業省
6.二酸化炭素削減技術実証試験事業
○保坂政策評価審議官
それでは、ちょっと押しておりますので、続けてまいりたいと
思います。2コマ目でございます。二酸化炭素削減技術実証試験事業という案件でござい
ます。本セッションでございますけれども、まず冒頭、岩井経済産業大臣政務官にご出席
賜りましたので、一言ご挨拶申し上げます。岩井政務官、お願いをいたします。
○岩井経済産業大臣政務官
経済産業大臣政務官の岩井茂樹でございます。有識者の皆
様方におかれましては、本当にご多忙中のところをお越しいただき、また議論いただいて
おりますこと、心から感謝申し上げます。きのうから2日間にわたるこの公開プロセスも
あと残り2事業でございますので、ぜひともよろしくお願いをいたします。
次のCCS事業は石炭火力の大規模発生源からCO2を回収して、それを地中深くため
ておくという。いいかえますと地球温暖化対策の大きな切り札になるような実証事業でご
ざいますが、またこのCCS事業は温暖化対策で世界的にも研究開発、実証をやられてい
るのですけれども、実は将来的には我が国の高効率の石炭火力を世界展開していく中でも
なくてはならない技術だと考えておりますので、本日はこの事業に対しまして今までの成
果や効率性など、忌憚のないご意見をぜひいただくことをお願い申し上げます。どうかよ
ろしくお願いいたします。
○保坂政策評価審議官
ありがとうございました。本セッションのとりまとめは、引き
続き山谷委員にお願いいたします。よろしくお願い申し上げます。
それでは、まず産業技術環境局より事業の概要をご説明させていただきます。
○永澤地球環境連携室長
お手元にお配りしております資料のうち、パワーポイントの
ほうでご説明をさせていただきたいと思います。
表紙をおめくりいただきまして1枚目でございます。CCSについてというところでご
ざいます。まずCCSとは、工場や発電所などから排出される二酸化炭素を大気拡散する
前に回収し、地下へ貯留するという技術でございます。資料1ページの右下のほうにです
が、イメージを描いておりますが、いわゆる地下に貯留層といわれているすき間の多い層。
そこにCO2を入れます。そして、その上に遮蔽層と呼んでおりますCO2を通さない層
がございまして、こういった地層をみつけて貯留層というところにCO2をためるという
- 1 -
技術でございます。本技術についてはIEA、またIPCCなど国際的な機関からも、温
暖化対策に効果的な技術ということで評価をされております。
1枚おめくりいただきまして2ページ目でございます。我が国のCCS政策でございま
す。2020年ごろのCCS技術の実用化を目指し、現在、苫小牧での実証事業、また要素技
術の研究開発を実施するとともに、潜在的に国内でCO2を貯留できる場所ということで
地質調査を進めております。
3ページ目でございます。本日ご議論いただきます苫小牧の実証事業についてご説明し
たいと思います。本事業は北海道苫小牧市の沖合の海底下に、我が国で初めてとなる大規
模なCCS実証試験を行うこととしておりまして、具体的にCO2を圧入するのは2016年
度から実施するという予定でございます。CO2につきましては近くにある製油所の排出
ガスから分離回収をし、CO2を年間約10万トン規模で地下へ貯留するというプロジェク
トでございまして、貯留したCO2については2ヵ年の間、監視、モニタリングを行う予
定としております。右下のほうに実証試験スケジュールという表がございますが、2012年
から本年度、2015年度までが、いわゆる準備期間といたしまして設備の設計、建設、井戸
の掘削、操業の準備等をしておりまして、2016年度、来年度から圧入を3年間、それから
モニタリングを2年間行う予定になっております。
次のページでございますが、4ページ目、これまでの外部からの指摘と対応ということ
で3つ、整理をさせていただいております。2008年に総合科学技術会議より、実施計画、
事業期間の妥当性の検証等、適切な事業運営の確保というご指摘をいただきまして、具体
的には2011年度に有識者による実施計画、事業期間を評価いただくとともに、事業開始後
は2014年度より事業を定期的にフォローする第三者委員会を設置し、事業の適正性を確認
しております。
2点目でございますが、2010年に行政刷新会議、事業仕分けの中で、国費100%負担の
妥当性の明確化の必要性というご指摘をいただきました。本事業につきましては、国家的
対応の必要な環境技術の研究開発は経済性がなく、企業等に負担を求めることは困難と整
理させていただきまして、国費100%負担の妥当性を明確化したところでございます。
3つ目でございますが、2013年の財務省の執行調査におきまして執行状況を踏まえた予
算要求というご指摘をいただきましたが、具体的な対応といたしましては、国庫債務負担
行為の交付予定額は470億円でございましたが、再委託等において複数社の競争を働かせ
てコスト削減を図ることによりまして、予算額を390億円まで削減させていただきました。
- 2 -
5ページ目は、総合科学技術会議における主な指摘とその対応ということで、参考まで
に整理しております。
続きまして6ページ、実用化に向けた苫小牧実証試験のロードマップでございますが、
本事業により2020年時点で年間10から20万トン規模のCCSの実施ができる技術、知見、
ノウハウ等を獲得ということを目指しております。具体的に2020年以降の技術的課題につ
いては、本事業の進捗等も踏まえて今後検討していくという予定でございます。こちらの
表にございますように操業能力、分離回収、輸送、貯留等、CCSの個々の技術、また全
体をオペレーションする操業能力。こういったものについて2020年までに技術を獲得して
いくという段取りで進めております。
7ページでございます。これまでの成果目標と見直しの方向性でございます。これまで、
2012年から2015年度までは準備段階ということで、成果目標を2つ設定しております。観
測井、圧入井の掘削本数5本。それから成果目標の2つ目ですが、環境影響調査の実施回
数4回というとでございまして、これらについては、それぞれ5本、それから実施回数4
回ということで全て達成済みでございます。今後は具体的にCO2を圧入するという段階
で来年度からなっていきますので、新たな成果目標について検討を始めているところでご
ざいます。具体的には操業能力に関する指標、プロジェクトの進捗として事業どおりの事
業の進捗。また分離回収、輸送、貯留・安全性に関する指標につきましても、指標とそれ
ぞれの目標ということで定める予定でございます。またそれ以外の指標といたしましても、
コスト効率化、操業に習熟したスタッフ数、CCSに対する理解促進等々の指標について
も現在検討をしているところでございます。
説明は以上になります。
○保坂政策評価審議官
それでは、議論に移りたいと思います。本事業の論点をご説明
申し上げます。今回も3点でございます。
第1点目でございますが、過去の外部からの指摘を踏まえた見直しの内容は適当かとい
うことでございます。2点目でございますが、CCSは温暖化対策上、実施が不可欠な技
術として世界的に評価されている技術であるが、本事業は将来のCCSの実用化にどのよ
うに寄与するのかということでございます。3点目でございますが、平成24年度から本年
度までの準備を経て、来年度から実際にCO 2の地下貯留を行うこととなりますけれども、
これまでの成果目標とその実績としてどのような成果が得られており、また来年度以降、
成果目標、成果実績をどのように見直すのかという3点を中心にご議論いただければと思
- 3 -
います。
それでは、ご自由にご議論をお願いします。豊田委員、お願いします。
○豊田委員
どうも豊田です。ご説明ありがとうございます。このCCSという技術そ
のものについては、なかなか有益なものではないかという印象をもつのですけれども、こ
れまでにわかっている環境への影響を中心とした弊害のところを、なるべく具体的に教え
ていただけますでしょうか。
○永澤地球環境連携室長
具体的に弊害、または学術の世界でいわれていることとしま
しては2つございます。1つは、CO2を貯留し、貯留したCO2が漏れ出てこないかと
いうことでございます。また2つ目の問題としましては、地下にCO2を入れることによ
って、地下に一定の圧力の変化を及ぼすことによって、微小震動を起こすというリスクが
あるのではないかということでございます。
それで1点目につきましては、既にイギリスのほうで研究が進んでおりまして、実際に
CO2を埋めた後に貯留した先から漏らすという実験をやった結果、具体的に生態系に大
きな影響はなかったという報告がされております。また2点目につきましては、これまで
海外で一定程度行われたCO2の圧入において具体的に体に感じるほどの揺れを誘発する
等の大きな圧力の変化が起きたという報告は、今のところされておりません。ただ、いず
れにしましても、こうしたリスクについてはご指摘がありますので、こうしたリスクに対
応できるように研究開発等を進めていくということとしております。
○豊田委員
ありがとうございます。
○保坂政策評価審議官
○平石委員
それでは、平石委員、お願いします。
平石でございます。1つ教えていただきたいのですけれども、この実証実
験が終わった後、これから検討されるのですか。何をどう評価して実用化につないでいく
か。実用化していく上での予算規模、あるいは現時点で想定される障害がありましたら、
その辺のご意見を伺いたいのですが。
○永澤地球環境連携室長
本苫小牧の実証事業並びに並行して行っております研究開発
事業等を通じまして、2020年の時点で日本の技術として国内で年間10万から20万トン規模
のCO2を貯留するという能力については、確実に本事業を通じて獲得できると思ってお
ります。ただ、2020年以降につきまして、どの程度規模を拡大してCCSを国内でやって
いくかどうかということにつきましては、これは日本全体としてどのぐらいCO2を削減
しなければいけないかという、もう少し長期的な目標との関係も発生します。したがいま
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して、2020年まで本事業は続けさせていただいた上で、2020年以降の取り組みについては、
また改めて本事業の進捗を踏まえて検討していくということとしたいと思います。
○平石委員
ありがとうございます。ただ、2020年は先のようでもうすぐだと思うので、
今から大ざっぱでもいいですからロードマップを見据えてやっておかないと、実証実験だ
けで終わってしまうともったいないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○永澤地球環境連携室長
○平石委員
はい。
○保坂政策評価審議官
○太田委員
ご指摘を踏まえて対応したいと思います。
ほかにご意見ありますでしょうか。太田委員、お願いします。
これ、目標額です。CO21トン当たり削減が幾らぐらいのコストを目標
としているかという点をお聞かせください。
○永澤地球環境連携室長
現在、国内でCCSを通じて削減できるコストにつきまして
は、推計ではございますが、CO21トン当たり大体7,000円、またそれ以上かかるとい
う試算がございます。それで私ども別途研究開発を進めておりますが、特にCO2の分離
回収部分が非常にコストがかかるということで、ここの部分は現在4,000円程度かかると
いわれているのを、2,000円程度まで下げられないかという研究開発は現在進めていると
ころでございます。したがいまして、トータルでは現在7,000円のものが、少なくとも5,0
00円ぐらいになるというのを目標として今進めております。
○太田委員
現在、排出権を買ってくるとお幾らなのですか。
○永澤地球環境連携室長
現在、排出権を買ってくるということについては、日本は京
都議定書の第二約束期間にもう参加しておりませんので一義的にはいえませんが、例えば
EU内で取引されているEU-ETSの市場価格ですと1トン当たり大体1,000円程度に
なります。
○太田委員
これは計画でいうと1,000円買ってくるよりも、排出権を買ってくるより
も、こちらの技術でやったほうが負担が少なくなるということに関する予測、もしくは技
術的な可能性についてお聞かせください。
○永澤地球環境連携室長
幾つか申し上げたいと思いますが、まず国際的に今後海外ク
レジットというものが一体どうなるか。これについては全く不透明でございます。それが
1点。また仮に海外クレジットが現在国連で交渉している中で認められるとしましても、
果たしてクレジット価格が現在のように1,000円程度で済むのかどうかというところにつ
いては、まだ見通しが立っていないと思います。現在、数年前までは、海外のクレジット
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というのも大体3,000円ぐらいしたという時代もございます。したがいまして、クレジッ
トばかりを前提に、クレジットと単純に比較すれば、確かにクレジットのほうが安いとい
うことになるかと思いますが、一方でクレジットを通じての削減ということについて、果
たしてこのまま進められるかどうかということは少し不透明が漂っております。
○太田委員
これは、まずこの技術を実施する場所として日本列島というのは向いてい
るのでしょうか。
○永澤地球環境連携室長
向いているかどうかという点で申し上げますと、できなくは
ないと思っておりますが、もちろん世界的にはもう少し有利な地層をもった国というのは
ございます。
○太田委員
コスト的には、そちらのほうが安いということですか。
○永澤地球環境連携室長
海外での具体的なコストについては詳細は把握しておりませ
んが、日本でやるよりはもしかしたら安いという可能性はあると思います。
○太田委員
これは陸地でやる場合と、こちらは海でやるというお話ですけれども、何
か素人的には海のほうがコストがかかりそうなイメージなのですが、実際のところどうな
のでしょうか。
○永澤地球環境連携室長
それもケース・バイ・ケースであると思います。一般的には
海底のほうが少し井戸を掘る長さも深くなるものですから高くなる傾向にあると思います
が、陸上と海底で大きく違いがあるかというと、コストからみてそんなに物すごく優位に
違いがあるというようには聞いておりません。
○太田委員
ありがとうございました。
○保坂政策評価審議官
続けますが、ここで岩井政務官、公務を控えてますので退席と
させていただきます。岩井政務官、ありがとうございました。
それでは、お願いします。
○梅野委員
今の太田先生の続きのような質問なのですが、この技術が本当に実用化で
きれば、これはすばらしいものだろうということは全く私も同感なのですが、一方、余り
よく勉強したわけではございませんが、かつてこの技術の推進に賛成された方でも、コス
ト面を特に見込んで考え方を変えられているような方もいらっしゃるというようにお聞き
していますけれども、2020年までは実証化段階ということで、これはコストの見込み等々
にはよらず、とにかくこの事業は進めるという前提でございましょうか。
○永澤地球環境連携室長
現在進めている事業を通じまして、特に日本の技術を通じて
- 6 -
一貫してCO2を貯留。分離回収して、輸送して、地下に穴を掘って埋めるという一連の
プロセスを、この大規模でまずやるということをもって、まず日本としてトータルでCC
Sを動かす能力ができるというのを確立することを目的としておりまして、その際にコス
トについては先ほど申し上げましたが研究開発等が進めば、トータルで現時点では5,000
円程度ぐらいまでは下がるのではないかという見通しを立てております。
○梅野委員
このレビューシートの1ページ目を拝見しても、アウトカムとして観測井
を5本掘削するとか、環境影響評価を4回やるとかいうことは書いてあるのですが、これ
というのはアウトカムなのですかね。何か具体的な目標ということでアウトプットという
点では理解しやすいですが、より行政が国民にどういった形のメリットを与えるかという
アウトカムとしては、ちょっと何か直接的過ぎるような気がするのですけれども。
○永澤地球環境連携室長
ご指摘のとおりだと思います。現在は、今年度までは準備期
間ということで、実際にCO2を入れるという作業の一歩手前まででございまして、来年
度以降から実際にCO2を埋める。そして入れてモニタリングすると。こういった一連の
プロセスがようやく来年度から始まります。したがいまして、来年度から、いわゆるアウ
トカム指標になるようなものをつくっていきたいと思っております。
○梅野委員
その中でまだ今の2020年までの実用段階においては、先ほどお話があった
コスト面というものは、具体的なアウトカムとかアウトプットの中では出てこない。まだ
その段階ではないという理解でいいでしょうか。
○永澤地球環境連携室長
本事業に絞ってみますと、コスト削減自体が本事業で達成で
きるかというと少し難しい面がございますが、別途分離回収技術はほかの機関で研究開発
を進めておりまして、そちらの研究が進めば回収技術については、現在4,000円のものが2,
000円ぐらいになると思いますので、CCSトータルとしてのコストというのは、日本全
体では下がる可能性があると思っております。
○梅野委員
要は私がお聞きしたかったのは、これを2020年まではやられると。確かに
着手した以上、そこまではやるということは理解できますが、やはり国民サイドの関心と
しては、果たしてそこまでやった上で、それが本当に実証段階だけでなく実用化できるか。
つまりコスト面でも他の競合する技術等と競合できるかといった見通しなしに、どんどん
お金だけ出ていってしまうというのは余り望ましいことではないだろうなと。ですから、
やはりこのプロセスの過程でも、コスト的なものがどういう見込みなのかというのを第三
者機関なり専門家機関でもいいですが、そういうところを通じてご説明をしていっていた
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だかないと、何か単にお金だけ突っ込んで実用化段階、実証化段階で終わってしまうみた
いな結果というのは一番望ましくないだろうと思いますが、その点はいかがなのでしょう
か。
○永澤地球環境連携室長
ご指摘のとおりだと思います。CCS事業につきましては、
本実証事業に加えまして研究開発事業を別途進めております。そうしたCCS政策全体と
しての指標という観点からコスト面についても指標を設定し、また目標値を設定するとい
うことで、2020年に向けた実用化というところでロードマップ等を作成していきたいと思
っております。
○梅野委員
その上でどこかで本当にコスト的な見込みが立たないというのであれば、
そこは何らかの判断みたいなのも必要なのかなと思った次第です。とりあえず終わらせて
いただきます。ありがとうございます。
○保坂政策評価審議官
○山谷委員
ほかにございますでしょうか。では山谷委員、お願いします。
2点教えていただきたいのですけれども、レビューシートをみていてちょ
っと思ったのですが、まず一番上に、事業終了(予定)年度というところに終了予定なし
と書いているのですが、これと2020年の関係がどういうことなのかを教えていただきたい。
これが1点目です。
それから2点目なのですけれども、井戸を掘って、それを将来的に管理していくわけで
すよね。そのイメージとして教えていただきたいのですが、国家がずっと管理していくの
か。それとも民間ベースで何かやっていくのか。そういうイメージ、どちらなのかという
ことを教えていただきたいです。
○永澤地球環境連携室長
まずレビューシートにある終了予定なしという点についてで
ございますが、現在CO2を地下に貯留した際に、法的にこれを何年間管理しなければい
けないかというところがまだ決まっておりませんで、したがいまして、無制限に管理する
ということではないと思っておりますが、少なくとも例えば20年とか、そういった単位で
ある程度CO2がちゃんと地下に貯留しているということをモニタリング、監視すること
が必要だろうと思っておりまして、現時点では終了予定なしというように書かせていただ
いております。
それから2点目のご質問とも関連いたしますけれども、具体的にこの実証事業終了後、
誰がここのCO2を管理するかということでございますが、本事業に限っていえば委託事
業ということですので、国が責任をもつということになろうと思いますが、実際には国か
- 8 -
ら委託を受けた本事業の実施事業者、もしくは今後少し考えてそういう専門にモニタリン
グを行う会社などが今後出てくれば、そういった会社にお願いするということもあろうか
と思っております。
○山谷委員
ありがとうございます。
○保坂政策評価審議官
○上山委員
上山委員、お願いします。
先ほどの話ですが、現状は1トン7,000円ぐらいですか。それが5,000円ぐ
らいまでは下げる見込みが立っていると。2020年に向けて、2020年以降かもしれないです
けれども、ロードマップをつくって実用化に向けてやっていくということなのですが、そ
うすると将来的に実用化されれば、当然こういった事業に携わる民間の人たちにお金が落
ちていくという形にはなっていくわけですよね。
○永澤地球環境連携室長
2つあると思いますが、まずはCO2を大規模に削減しなけ
ればいけない事業者さんというのが、大きな工場ですとか、また発電所という方々が排出
事業者としてCO2を削減しなければいけないというようになったときは、その人たちは
一定のコストをかけて削減をすると。したがいまして、このCCS業務を、仮にそういう
排出事業者以外の方がCCS事業を行うということになれば、排出事業者からCCS事業
者のほうにコストが払われるというようになると思います。
○上山委員
排出する業者でも、自分のところでやるにしてもどこかに依頼して、そう
いう設備なりをつくるわけですよね。お聞きしたいのは、現状では将来的な政策、ほかの
政策とのミックスによってどのような形になっていくかわからないということだと思うの
ですけれども、当然実証で実用化に向けてやっていると。現時点では経済性もないので全
額国負担ということにはなっているのですけれども、ある程度ロードマップに沿って進ん
でいって実用化がみえてきたところで、それが今後ビジネスとして請け負っていくような
民間の人に、一定程度の負担というのは考えてもいいのではないかなということを思った
のですね。
○永澤地球環境連携室長
日本国としてどのぐらいCO2を削減するという全体のスキ
ームにかかわってくるとは思いますが、いつまでも国が100%で研究開発、実証試験を行
うという性質のものではないと思いますので、実用化に近づけば近づくほど民間の負担と
いうのは考えていかなければいけないと思っております。
○上山委員
すみません、事業仕分けの指摘に対して経済性がないので国家全額負担に
なっていたので、そこのところは今後変わっていくというところをご確認いただければと
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思ったので。
○保坂政策評価審議官
そろそろシートのほうに……(「シートがない」の声あり)。
すみません、今コメントシートをお配りします。では豊田委員、お願いします。
○豊田委員
すみません、再度環境への影響ですとかリスクについての質問なのですが、
万々が一大規模漏えいが起こった場合の影響といいますか、危険性というのはどの程度で
しょうか。
○永澤地球環境連携室長
100%安全というように、もちろん言い切るつもりはござい
ません。ただ、そうした漏えいが起きないように万全の対策を施すつもりでございますが、
万々が一漏れた際にどの程度の影響があるかということでございますが、これは先ほども
若干申し上げましたが、イギリスのほうで実際にCO2を貯留して漏らすという実験をし
た結果、生態系に大きな変化はなかったというように聞いておりまして、したがいまして、
大きな生態系への影響というのは現時点では想定はできないと思います。想定はしており
ませんが、もう少しさまざまな研究成果も踏まえて検討したいと思います。
○豊田委員
すみません、いじわるなのですけれども、例えば漏れたところに人がいた
として大丈夫なのですかね。もともと二酸化炭素自体は大気中にあるものではあると思う
のですが、要は高濃度の二酸化炭素の中に人間がいた場合にどういう影響が出るのでしょ
うか。
○永澤地球環境連携室長
日本で行うCCSに限定しますと海底下で行うということに
なっておりますので、仮に漏れるとしましたら海底下から海中にCO2がリークしてくる
といいますか。そういう経路を想定はしておりません。したがいまして、そこに人間がい
るというのはほぼ想定しづらいのではないかと思います。
○豊田委員
それは水に溶けてしまって、大気中に高濃度で出てくることはないという
ことですかね。
○永澤地球環境連携室長
大体、海中に溶けるCO2もございます。また一部、CO2
が海底から海中に溶けずに出てくるという可能性ももちろんあるとは思います。
○川端環境調和産業・技術室課長補佐
すみません、少々補足をさせていただきますと、
科学的には大体CO2は大気中のというか、7%から8%ぐらいの濃度で中毒症状を起こ
すというようにいわれております。ただ、相当極端なケースの漏えいのシミュレーション。
例えばある程度、一定の大きさの穴が貯留層まで一気にあいた場合というシミュレーショ
ンをしていますけれども、そのケースでも地上までCO2が出てくるには約1年から2年
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かかるという結果が出ていますので、ほとんど大規模な漏えいが一気に起こるケースとい
うのはほぼ想定し得ないと考えております。
○豊田委員
ありがとうございます。
○保坂政策評価審議官
○太田委員
太田委員、どうぞ。
これは技術的な持続可能性というのはかなりあるのですか。要するに1つ
穴を掘ると、そこは何年ぐらい使えるものなのでしょうか。例えばあちこちにたくさん井
戸を掘って、掘るところがなくなってしまうと。海だとどんどん掘れるのかもしれません
が、どうなのでしょう。
○永澤地球環境連携室長
その地層の状況によります。その地層がどのぐらい厚くて、
どのぐらい広がりをもっているかということにかかってくると思いますが、例えば苫小牧
で現在3年間、10万トン掛ける3年で30万トンぐらいCO 2 を入れるわけでございますが、
その後でも貯留層のほうの容量はまだまだあるというように分析をしております。
○太田委員
そうすると予見し得る将来に、いっぱいになってしまって埋められなくな
ることは考えにくいということですか。
○永澤地球環境連携室長
当然容量にもマックスがございますので、しっかり地層の分
析をした上で最大このぐらい入れられるというのは確認をしながら、そのCO2を貯留す
るということを予定しております。
○太田委員
ふえてくれば当然漏えいリスクは上がってくる。
○永澤地球環境連携室長
漏えいリスクが上がる前に、そこでの貯留はやめるというこ
とになると思います。
○太田委員
ありがとうございました。
○保坂政策評価審議官
他にございますでしょうか。
それでは、コメントシートのほうの記述をよろしくお願いいたします。――どうぞ上山
委員、お願いします。
○上山委員
すみません、支出について一応教えていただきたいのですが、これ、ほと
んど石油資源開発というところがやっているみたいですが、基本的には、こういったこと
ができるのはこの会社しかないということなのですか。
○永澤地球環境連携室長
いわゆる国内のこういう規模で井戸を掘るというと、石油の
上流分野の会社ということになってくると思います。そうすると日本では、大体大きいと
ころでいうと国際資源開発さんと石油資源開発さんという2社がございます。特に北海道
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については石油資源開発さんが陸上のほうでガス田ももっているということで、北海道の
地質状況にも大変知見を有しているということで、このケースでは石油資源開発さんにお
願いをしたということでございます。
○上山委員
ごめんなさい、2社はあるけれども、入札ではなくて随意契約なのですか。
○中野環境調和産業・技術室課長補佐
石油資源開発と契約するに当たって入札可能性
調査ということを行いまして、そこのデータなりを公表して入札する意思があるものを一
般に広く公開した結果、石油資源開発しか手を挙げるものがいなかった。その結果、随契
になったということでございます。
○上山委員
今レビューシートの一番後ろをみているのですけれども、それのBの1な
んかをみると入札者数が1社なのですが、もう1社のほうはどうして応札されなかったの
でしょうかね。
○中野環境調和産業・技術室課長補佐
○上山委員
今ご覧いただいたのはBの民間企業の一番上の。
はい。
○中野環境調和産業・技術室課長補佐
この圧入井の掘削に関しては入札可能性調査を
実施していますので、ちょっと事実関係を確認いたしますけれども、一般に公募するよう
に平成25年度に財務省の執行調査というものを受けた結果、1億円以上のものは全て競争
を働かせるという。特にこれは非常に金額が大きいので一般競争入札とするというような
指摘を受けた経緯がありますので、やったと思うのですけれども、ちょっと確認したいと
思います。
○上山委員
事業も毎年80とか100億とか大きな金額なので、やはりそれなりに調達の
ほうというのも競争性を働かせて無駄のないようにする必要はあると思うので、確かにそ
んなにたくさん入札の資格をもった会社というのがないのかもしれないですけれども、少
なくともおっしゃられたようにもう1社あるのであれば、その両社が応札するような形と
いうのは必要なのかなと思います。
○永澤地球環境連携室長
ありがとうございます。繰り返しになりますが、1億円以上
につきましては入札等の何らかの競争性が働くような仕組みで、現在事業は進めていると
ころでございます。
○上山委員
ごめんなさい、申し上げたかったのは1社しか応札してないという状況を
みて実質的に、要は入札、競争性が働くようにということを申し上げているのであって、
形式的なお話を差し上げているつもりはないので、実質的にやっているのだということで
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あれば、それはそのようにご説明いただければ結構ですし、何かしら改善の余地があるよ
うであればそのようにしていただきたい。そういう趣旨のコメントでございます。
○保坂政策評価審議官
○太田委員
では太田委員、お願いします。
いろいろ推計を伺っている上で非常にすばらしいバラ色な技術なのではな
いかと思われますけれども、大抵こういう国のプロジェクトというものは、やる前は大体
すばらしい数字が出てくるもので、推計されている主体も、恐らくその技術に詳しい方で
あれば甘目の推計をするインセンティブは強力にあるわけですね。それは公共事業等であ
れば、空港などは予想された利用者の5分の1だとかいうことはよくあるわけで、後々問
題になっている。ところが、後々その推計が大きく外れたといったときには、取り返しが
つかない状態になっているということなのですけれども、これ、推計を妥当にするために
何か特に工夫されていますか。例えば何年か後に5,000円が2,000円になるのだといって、
とりあえず信じるしかないといった場合、その推計をされている人は非常に技術に詳しく
て、かつ甘目の推計をするインセンティブをもっている場合に、それを国民の目線に立っ
て適正な推計にするためにどのような工夫をされているのでしょう。
○永澤地球環境連携室長
先ほどコストの推計については、この事業をやっている主体
とは別の研究機関が日本国内のさまざまなデータを用いて推計したというコストでござい
ますが、おっしゃるとおり、その研究機関のコストしか現時点ではもってございませんの
で、今後さまざまな機関にもそういう推計等をお願いするということで、多様な意見とい
いますか、さまざまなコストの可能性というのは少し調査させていきたいと思います。
○太田委員
予定どおりコストが下がらなかった場合ということも当然あると思うので
すけれども、予定どおりコストが下がらなかった場合に撤退するラインというのはどこで
考えているのですか。7,000円のままではペイしないわけですよね。
○永澤地球環境連携室長
コストは当然下がったほうがいいと思っております。現在7,
000円が5,000円になれば、それにこしたことはございません。他方、日本国内でどれだけ
CO2を減らさなければいけないかというのは、現時点、見通しが立っておりません。今
国連等で議論が今後されるのは2030年までの削減目標でございます。これからCCS、具
体的には2050年の目標との関係で、どのぐらいCCSが必要になるかというところに係っ
てくると思います。したがいまして、現時点でコストが下がったほうがいいというように、
もちろん思っております。
一方でクレジットというのも、もちろん代替手段としてあるわけでございますが、世界
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の流れ、特に先進国は自国内でどれだけCO2を減らすかということが非常に大事になっ
てきていますので、そういう意味ではCCSの役割というのはあろうかと思いますし、さ
らにいうとクレジットの価格というのも、今後一体どうなるかというのは少し不透明なも
のでございまして、現時点で何円以上ならもう撤退というラインを引くのは非常に難しい
のではないかと思います。
○太田委員
ただ、枠組みが大きく決まってくれば、その数字がより将来になればみえ
てくるだろうと思うのですけれども。
○永澤地球環境連携室長
それはおっしゃるとおりでございます。したがいまして、国
内でどのぐらいの規模でCCSを通じてCO2を減らすかということが明らかになってき
たときに、そのときのコストというのをもって他の代替手段との比較ということは当然な
ろうかと思います。
○太田委員
恐らく国際的に評価が高い方法だということなので、まずもって間違いな
いとは思いますが、例えばこうすれば5,000円になるという話がいつまでたっても7,000円
のままだと。繰り返し繰り返し裏切られるようなことがあれば当然撤退することも考える。
あるいはほかの技術、手段を考えるということもあろうかと思いますので、そのあたりに
ついて撤退の何か具体的なラインというのはあるのですか。とりあえず今不確実だから、
当面予見し得る将来はとにかく続けると。
○永澤地球環境連携室長
ものすごい将来的な技術というのは、もちろんいろいろなポ
テンシャルはあると思います。ただ、現時点で世界的に確実に大量にCO2を削減できる
技術はCCSだけだと思います。したがいまして、これは日本としても当面は取り組んで
いくということかと思っておりまして、幾ら以下でなければやらない、やるという点につ
いてはもう少し先の議論になろうかと思います。
○太田委員
はい。
○保坂政策評価審議官
○梅野委員
どうぞ。
関連してなのですが、コスト面の削減ということが話題になっていますが、
これが今おっしゃられているような5,000円、あるいはそれ以下のレベルに達するために
は、他の要因は別として今の技術が改善されていけばいいものなのか。それとも何らかの
相当大きなイノベーションみたいのがないと下がらないものなのかというのは、それはど
ういう見通しなのでございましょうか。
○永澤地球環境連携室長
CCSも個々の案件ごとに当然コストというのは変わってく
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るかと思いますが、先ほども申し上げました7,000円のうち4,000円を分離回収技術が占め
ておりまして、現在、分離回収技術のうち、今進めている研究開発が進めば2,000円まで
になるというように聞いておりまして、逆にそれ以外は輸送手段とか、それからまた穴、
井戸を掘る技術とかがもう少し安くなれば全体としてのコストは下がる可能性はあろうか
と思いますが、一番コスト削減する可能性が大きいのは分離回収する技術かと思っており
ます。
○梅野委員
大体の着地点は、ある程度は今の段階で予想できると。特にイノベーショ
ンがない限り、そういうことになるわけですね。
○永澤地球環境連携室長
○梅野委員
そうです。
わかりました。あともう1点ですけれども、先ほど上山委員のほうから質
問があった点に関連するのですが、たしか予算執行の関係で24年とか25年にはかなり競争
入札を導入したのかどうか。その結果、競争性を高めた結果、削減できたというように理
解していますが、今後は圧入、モニタリングのステージに入るわけですね。その際には、
そういう圧入とかモニタリングの技術をもっていらっしゃるような企業さんなり、その主
体はどの程度今想定されていらっしゃるのでしょうか。
○永澤地球環境連携室長
来年度以降の事業の具体的な事業者については、まだ断定的
に申し上げることはできませんが、当然地下の貯留ということに詳しい事業者というのを
想定しております。
○梅野委員
その後当然やられると思いますけれども、いろいろと調査等を行った上で
競争性を高めていただきたいなと思う次第です。
以上です。
○保坂政策評価審議官
ありがとうございました。他にございますでしょうか。
それでは、集計を今しておりますので、しばらくお待ちください。
○太田委員
集計中であれば、これは技術、特許その他もあるのでしょうか、になると
いうことも。
○中野環境調和産業・技術室課長補佐
本実証事業自身では特許は生まれておりません
が、先ほど説明させていただいています分離回収技術については、指標として今5本ぐら
い特許を出しているというような成果は出てございます。
○太田委員
とすると、これ自体では出ないということは、特許はこの事業には基本的
に関係ない感じですか。
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○中野環境調和産業・技術室課長補佐
今もう分離回収プラントをつくっておりますの
で、まさに特許をとっているような技術というものをそこに適用するということは難しい
ので、この事業では特許と余り関係はしないです。
○太田委員
余り関係ない。
○中野環境調和産業・技術室課長補佐
○太田委員
はい。
横展開する、あるいは本格的に事業化するというところに当たっても、こ
こでは知的財産権は特段発生しないということですか。
○中野環境調和産業・技術室課長補佐
この範囲では発生しないと思います。ただ、横
展開なり広げていく、実用化していく段階には先ほどから申し上げているコストを下げる
ということは、イコール今研究開発しているような技術を適用していくという形になろう
かと思いますので、そういった意味で関係して将来的には、今分離回収の技術開発をして
いる研究で生まれた知的財産というものは、多少関係してくると思ってございます。
○太田委員
つまりこれ、全く知的財産は生まれないとすると国がやらなくてもいいよ
うに、民間ではペイしないわけですよね。でも将来、民間でペイするのだったら、そちら
で回収すればいい。
○永澤地球環境連携室長
現時点では民間が実質的にやるインセンティブは全くござい
ませんので、民間が実質的にやることはないと思います。将来これがビジネスとして成り
立つのだったら、それは民間が実質的にいろいろ知財等も含めて確保していくのもあるで
しょうしと思います。
○太田委員
民間でビジネスが成り立つようにコストを削減するのは、かなりこの実証
事業が影響するということになるのではないですか。
○永澤地球環境連携室長
コスト削減は大変重要だと思いますが、繰り返しになります
けれども、日本全体としてCO2をどれだけ減らしていくかというところに大分係ってく
るので、現時点でビジネスとしてできるかどうかということは、ちょっと今予断をもって
申し上げることは少し難しいかなと思います。
○太田委員
仮にビジネスとして成り立つとなったら、ここで生まれたものはかなり役
に立つということですよね。
○永澤地球環境連携室長
はい。ここで獲得した、いわゆる操業に係るノウハウですと
か、そういったものは非常に有効だと思います。
○太田委員
それは将来、仮にうまくいってビジネスとして成功した場合に稼がれる利
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益の中から、この国がやった分の貢献を回収するということは全く考えられていないです
か。余りにも確率が低いので、論じること自体が現実的でないというお話なのでしょうか。
○永澤地球環境連携室長
ちょっと少しそこまで頭が回っておりませんで恐縮でござい
ますが、そういった可能性はもちろん否定できないものですから少し収益納付という点で、
どういうことがあるかというのは少し検討したいと思います。
○太田委員
それは非常に非現実的だということは、将来にわたってもCO2削減のた
めに国費を入れつつ、ずっと削減していくということを基本的には想定されているのです
か。
○永澤地球環境連携室長
民間事業者がCO2を削減しなければいけないときに、国費
を入れてCO2を削減するというのは余り想定はしておりませんで、国の役目は、あくま
でも技術面でのリスクをしっかり解消していくということだと思っております。
○太田委員
CO 2 排出業者がCO 2 排出権のような形でコストを負担するとなったら、
ビジネスでかなり成功、回収できるような気がするのですが、そのときにも、とりあえず
まだ収益納付は考えていない。
○永澤地球環境連携室長
ビジネスとしてCCSが仮に成り立つということでしたら、
もちろん収益納付も考えなければいけないとは思います。ただ、ちょっと現時点で何年ぐ
らいからCCSが果たして国内でビジネスになるのかというのは、見通しが立つのは少し
難しいかなと思います。
○太田委員
ありがとうございました。
○保坂政策評価審議官
○山谷委員
それでは、集計が出ましたので、山谷委員、お願いいたします。
それでは、集計結果をお知らせいたします。評決の結果でございます。現
状どおりが4名、事業内容の一部改善が2名でございます。
代表的なコメントといたしましては、現状どおりとされた方からは2つございます。1
つ目は環境評価を厳密に実施すべき。2つ目が2020年までの実証事業は継続すべきである
が、コスト面から実用性に疑問を呈する指摘もあり、将来的にコスト面を含めて実用可能
な技術であることについて、専門的見地から国民に対し説明をしていくべきの意見がござ
いました。
事業内容の一部改善とされた方からは3つ、ご意見がございます。1つ目、実用化に向
けて中長期のロードマップの策定をすべき。2つ目、事業の進展に伴い、民間事業者によ
る費用負担も今後検討すべき。3つ目、事業の実施について、調達や契約でより競争性が
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働くようにすべきでございます。
また2名の方から、本事業を強力に推進すべきとの意見がございました。ご意見は2つ
ございます。1つ目が世界レベルでCO2削減をリードしていくべき。2つ目が技術的可
能性、採算見込みなどか想定どおりであれば積極的に推進すべきと考えられる。ただし、
推計をする主体は甘目の推計をするインセンティブがあるため、適正な推計をするために
いろいろと工夫する必要があるなどの意見でございました。
以上を踏まえまして、本セッションの評価結果を以下のとおりにとりまとめたいと思い
ます。現状どおりでございます。本事業は現状どおりに行うこと。
今後の予算要求に当たっては、以下のコメントも踏まえて不断の見直しを行うこととし、
引き続き効率的、効果的な予算執行を継続してください。
意見でございますが、①事業目標・成果についてですが、事業目標についてコスト引き
下げの関係で実施している研究開発の進捗等を踏まえ、定期的に見直しを行うこと。
②実用化に向けた取り組みです。実証事業を着実に推進するとともに、実用化に向けて
コスト面や経済性の観点、民間の関与のあり方など中長期の取り組みも具体的に検討すべ
き。2つ目ですが、環境への影響評価や安全性についてモニタリングを十分に行うととも
に、リスクへの対処を厳密に実施すべき。
③です。事業の執行に当たりましては、引き続きコスト削減や事業の効率的な実施に最
大限努めること。特に事業の実施に際し、調達や契約でより競争性が働くようにすべきで
ございます。
このコメントで、さらに追加でご意見、あるいはコメントございますでしょうか。――
よろしゅうございますか。では、このとおりで確定させていただきます。どうもありがと
うございます。
○保坂政策評価審議官
ありがとうございました。
それでは、事務方、何かございますか。
○永澤地球環境連携室長
本日はありがとうございました。いただきましたご指摘を踏
まえまして、今後とも事業について不断の見直しをしていきたいと思います。
○保坂政策評価審議官
それでは、以上で2コマ目のセッションを終了とさせていただ
きます。どうもありがとうございました。
次は5分休みまして、40分からの再開とさせていただきます。よろしくお願いいたしま
す。
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――了――
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