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A-1,2

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A-1,2
A実験:液体の蒸気圧
水とトルエンの蒸気圧の温度変化から蒸発のエンタルピー変化とエントロピー変化を求め、
その数値の比較を行う。
実験自体は使用する液体が異なるだけで、その方法は同じである。よって、一週目では実
験方法について説明するが、二週目は説明しないので、各班で独自に進めてかまわない。
※試薬
1週目・・・トルエン、2週目・・・イオン交換水
※実験器具
三口フラスコ
滴下漏斗
コールドトラップ管
デジタル温度計・・・2個
シリコンゴム栓
ガーゼ
木綿糸
水浴
真空ライン(テキストp9図 A.4参照)
真空ポンプ
※準備
A1では、トルエンを、A2ではイオン交換水の蒸気圧を測定する。測定圧は 30~120torr
の範囲で行うので、この圧力領域における、各圧力と沸点との関係を文献から予め調べて
おくこと。
そして、 ln
P
1
(ただし、 P は各圧力(torr)、 P0 は大気圧(torr)=1atm)と (ただし、
P0
T
T (K)は各圧力における沸点)の関係をプロットしグラフに書く。そのプロットから最小二
乗法を用いて直線の式を求め、直線の傾き及び切片から、熱力学的諸量の理論値を求めて
おくこと。
(⇒研究計画書には、1週目トルエン、2週目水の理論値を必ず書いておくこと)
※実験操作
◎装置の組み立て方、使い方は担当者が説明するので、それまで各班で以下の器具の準備
をする。説明するまでは、すでに実験台上に組んである真空ラインには触れなくて良い。
ガラス製で破損し易いので注意すること。
滴下漏斗の内部をよく洗浄する。滴下漏斗のコック部分はその日使用する液体で内部を
置換すること。(トルエンはドラフト内に置いてある)
三口フラスコ、コールドトラップ管は洗浄の必要はないが、内部を完全に乾燥させる。
接続部のスリ部分は傷つけないこと。各コックは必ず両手で操作すること。真空ポンプ
の使い方を誤ると破損するため、担当者の説明に従うこと。
◎実験手順は、空気もれがないかどうかをまず確認し、それから低圧から各圧力下におけ
る溶媒の沸点をラムゼー・ヤングの装置を用いて測定する(詳細な測定法は当日する)。設
定圧力は5点あれば良い。
※解析
◎各設定圧力における温度計の読みを一定時間ごとに(1分おきに)読み取り、記録する。
その際、圧力もわずかに変動することがあるので、同時に測定し記録すること。
⇒温度の時間変化をグラフに書きながら測定を繰り返し、温度が一定になったら平衡に達
したと見なす。その最終値をその設定圧力における沸点とする。
各圧力における温度変化のデータをグラフにまとめる(図1とする)
◎測定した各圧力における沸点のデータを用いて、
ln
1
P
(ただし、 P は各圧力(torr)、 P0 は大気圧(torr)=1atm)と (ただし、 T (K)は
P0
T
各圧力における沸点)の関係をプロットしグラフに書く(図2とする)。そのプロットから
最小二乗法を用いて直線の式を求め、直線の傾き及び切片から、熱力学的諸量の理論値を
求める。図2には、理論値を使って求めたグラフも載せておくこと。そして、実験値、理
論値から求めたグラフの違いを示すこと。
※1週目の報告書(トルエンに関して)
◎図1および図2
◎理論値および実験値から求めた熱力学的諸量の値を比較すること
※2週目の報告書
◎トルエンおよび水の図1、図2
◎トルエンおよび水の理論値および実験値から求めた熱力学的諸量の値の比較
A 実験:レポート課題
◎トルートンの法則とは?また、トルエンはトルートンの法則に従うが水は従わないのは
何故か?トルートンの法則に従わないものは水の他にどんなものがあるか?
◎ラムゼ-ヤングの装置についている大きなフラスコの役割は?
◎液体の蒸気圧を決定するとき、系(空気)の圧力を記録しているが、何故液体の圧力と
等しいと考えていいのか?
◎トラップ管の役割は?
◎クラウジウス-クラペイロンの式
dP ΔSV ΔH V
=
=
dT
ΔV
TΔV
より
ΔSV = S g − S l :1 モル当たりの蒸発エントロピー変化
ΔH V = TΔSV :1 モル当たりの蒸発エンタルピー変化
ΔV = V g − Vl :1 モル当たりの蒸発体積変化
ここで、各温度における気体と液体の比熱の差を無視すれば、
ΔH V = const
であり、 V g >> Vl であることから、液体の体積を無視でき、蒸気が理想
気体とすると、上式は積分でき、
ln
ΔH V ΔH V
P
=−
+
P0
RT
RT0
となることを示せ。
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