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第六部 コミュニケーション 340~362ページ

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第六部 コミュニケーション 340~362ページ
第六部 コミュニケーション
第1章 縫製工場とのコミュニケーション
第2章 製品の発注から納品までの書類の流れ
−341−
第1章 縫製工場とのコミュニケーション
複数の人達で何かを始めようとすれば、分業体制下では必ず何らかの方法で何かを伝えなくてはならな
いし、あらゆる面でコミュニケーションをなくしては、ものごとは進まないと言ってもよいでしょう。ま
して、ファッションとしての感性・機能性及び加工法と言うものを伝達するには、それ相応の方法なり手
段がいるはずです。そこでパターンメーカーの立場から、設計されたパターンが手元を離れ縫製工場にお
いて、製品ができ上がるまでに行える情報伝達の仕方をいくつかにまとめ、又新たな方法への提案を模索
してみたいと思います。
Ⅰ 書 類
アパレルメーカーと縫製工場が取組む上での書類は大きく分類して、加工契約書・加工依頼書・付属明
細書・裁断報告書・納品報告書等があり、それらの仕組みの中でパターンメーカーが縫製工場とコミュニ
ケーションを図るものとして、縫製基準書・縫製仕様書・パターン(設計図)等があります。更にそれら
が円滑に進行できるようにするために書類ではないが、縫製サンプルや先上げサンプルがあります。
そこで、ここではアパレルメーカーと縫製工場との間で取り交わされる書類等の中で、パターンメー
カーが知識として知っておいて欲しいものと、自身が行う範囲の書類等の説明に触れてみましょう。その
前に書類等の分類を整理してみると【図1】のようになります。尚、加工契約書に関しては取引の際に常
時行われるものではないため、【図1】からはずしました。但し、どのような内容のものであるかは、簡
単に説明をしておきます。
<加工契約書>
アパレルメーカーと縫製工場との間での加工の形態には、大きく分けて二つの形態があります。一つは、
委託加工でありもう一つは製品買いです。前者はアパレルメーカーが原材料のすべてを支給し工賃のみ支
払う純工方式と、副資材等は工場サイドの仕入れによりそれらを含めた支払いによる属工方式です。後者
は製品が完成するまでの原材料のすべてを工場が調達し、アパレルメーカーは工場から、一着に付きいく
らという形で仕入れる製品買いの方法です。一般的には委託加工の方法で行われている場合が多いでしょ
う。そこで委託加工に限定してみますと内容としては、各アパレルメーカーとも共通性は高く、次のよう
なものになります。
・原材料の支給方法について 原材料の管理と責任について 納期について 不良品について
・原材料や加工製品の運搬等について 契約の解除について 契約の期限と更新について
だいたい以上のような事柄について述べられています。
又、裁断・縫製・検査・納品及び工賃の支払い等の具体的な事については、アパレルメーカーにより多
少の違いはあるかも知れませんが、加工契約書に準ずる形で別途に業務取引に関して明記してある場合も
あります。いずれにしても、これらのことが相互の理解のもとに確認されたことを前提にして、受発注の
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関係が成り立つことになります。
図−1
加工契約書の例
−344−
1 加工依頼書
(1) 加工依頼書
アパレルメーカーが縫製工場へ、正式に生産加工を依頼する書類として加工依頼書があります。この書
類によって、アパレルメーカーと縫製工場という企業間での、一つの仕事がスタートとなるものです。
アパレルメーカーにとっては仕事の発注書であり、縫製工場においては受注書に当たるでしょう。縫製
工場との間で一般的には、事前に各アパレルメーカーの担当部署との間で展示会等での打合せやデザイン
及び素材等の確認があり、双方のコンセンサスが取られているでしょう。それらを正式な形で受発注を書
類化したものが加工依頼書になるわけです。主として記載されている内容は次のようなものになります。
① デザイン№
服種毎に分類された型番
② 使用原材料
色別の反数や副資材
③ 工 賃
一着当りの加工賃
④ 納 期
最終納品日
⑤ 要 尺
一着当りの使用m数
⑥ サ イ ズ
サイズ別明細
⑦ ネーム類
下札・表示類
⑧ 納品方法
ダンボール箱・ハンガー・ビニール袋等
つまり、あるデザインを製品化するのにどういう素材と副資材で、色別・サイズ別にどれだけの数量の
ものを、いつまでに、いくらで行うかを明記してあります。これに対して加工を受け持つ縫製工場ではデ
ザインや素材を吟味し、技術力・品質・生産性・納期等を考え生産の準備を整えるわけです。
〔加工依頼書の記入例〕
−345−
(2) 付属明細書
加工依頼書の発行に従って、一つのデザインが製品になるために必要な付属類の明細です。製品のカ
ラー別に使用する付属の種類や個数とそれらの納期が書込まれています。その書類の流れをたどってみま
すと、まずアパレルメーカーから縫製工場へ付属明細書を発送します。それと同時に付属メーカー別に分
類した同様のものを付属メーカーにも発送します(現在はFAXの利用が多い)。各付属メーカーは発注さ
れた付属類の色・サイズ・個数をそろえて指定された縫製工場へ送ります。そして縫製工場では既に受け
取っている付属明細書と照し合せて、送られてきた付属類のチェックをします。純工方式も属工方式も基
本的な流れは変わりませんが、属工方式の場合は付属メーカーへの発注については、縫製工場サイドで行
うことになるわけです。
−346−
(3) 裁断報告書
縫製工場に投入された原反に対して一着当たりの要尺で、計算上の着数がでます。しかし現実には、中
々計算通りにはいかないのが実態でしょう。そこで実際にマーキングをして生地を延反し、裁断した結果
の着数(カラーおよびサイズ別)の報告をするわけです。一般的に裁断報告書に記載されるのは表地の着
数のみになります。なぜかと言いますと
① 表地は原材料の中でも比較的コストのしめる比率が高い。
② 裏地や芯地は要尺の不足が生じても、比較的支給あるいは調達しやすい。
③ 従って主原料である表地を基準に、ロットに対する他の付属類の個数も決まる。
アパレルメーカーからの指図着数と実際の裁断着数の違いは、ほとんど日常化されています。その増減
産の理由としては、アパレルメーカーの見積り要尺の誤差や原反不良です。原反不良については様々な内
容があります。例えば、生地幅の違い・色ムラ.織りキズ・斜行(ヨコ地)・収縮の変化等々でしょう。 一般にそれらの要因のみとは言いきれませんが、増減産の原因を明らかにして有効な裁断着数の結果を縫
製工場からアパレルメーカーに、書面で報告するのが裁断報告書になります。
〔裁断報告書の例〕
(4) 納品報告書
これは裁断報告書からのつながりになります。なぜかと言いますと、裁断着数と製品の完成着数は同じ
であり、従って納品着数も同じになるからです。ところが実際には縫製段階においても、多少の変動が生
じる場合もあります。それは単なる縫製ミスや縫製の途中で発見される原反不良(キズ・色ムラ・その
他)等によります。当然、減産になる理由を明かにする必要があります。
そして、製品が完成すると最終的な製品をカウントし、納品着数が決まります。原則としては加工依頼
書に記載されている納期が最終納期になっています。ロット数によっては一括納品になるものと分割納品
になる場合があります。いずれの場合も事前に納品する日を連絡し、製品の受け入れの準備をしてもらい
ます。納品報告書には工場名・デザイン№を記入し、各カラーおよびサイズ別に納品着数を書込みアパレ
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ルメーカーの関連部署(生産担当)へ発送します。又、アパレルメーカーによってはすべての製品の納品
が完了した時点で、縫製工場から完納報告書というものを、提出してもらうケースもあります。以上の書
類をもって、縫製工場での役割が完了することになるわけです。
2 縫製基準書
(1) 縫製基準書
各アパレルメーカーの基本とするポリシーに沿って打ち出すものであり、縫製加工をするにあたり文字
通り一番ベースになるものです。加工依頼をする縫製工場に事前に配布して、自社の製品に関する縫製加
工上の決め事や品質について理解をしてもらうことにより、円滑なコミュニケーションを図ることができ
ます。また、縫製基準書の内容については各社の実態にあわせ、製品のアイテム・シーズン・グレード別
に編集して使いやすいようにした方がよいでしょう。内容は次のようになります。
① 裁断準備についての説明
検反・延反・パターンのパーツ数や縫代の確認等
② 芯地及びテープ類の取り扱い方の説明
芯地のタイプ別(織物・編物・不織布・毛芯etc.)の取り扱い条件や注意を要するポイント等
テープの種類や用途別(目的別)の使い方等
③ 縫製についての基本的な仕様の網羅
ミシンの目数や使用する糸について
パットの種類と付け方について
縫代幅や縫代始末について
芯地及びテープの種類と仕様について
裏仕様について
衿・袖・ポケットの種類別の作り方と付け方について
縫製上のポイントとなるミシン使いやアイロンの処理方法について
ボタンホールの種類について
ボタン・ファスナーの種類や付け方について
その他(まとめ仕様について)
④ ネーム類・品質表示・下げ札等の付け方の説明
⑤ 納品方法
ハンガー・ビニールカバー等
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以上のようなものになりますが、縫製工場においてパターンを受取り裁断してから製品を仕上げ納品す
るまでの、縫製にかかわるすべてのことについて明記されている手引書と理解していただいた方がわかり
やすいでしょう。
(2) 縫製仕様書
あるデザインのパターンが完成したら、具体的に縫製加工上の情報を伝えるものが必要になります。そ
れが縫製仕様書になります。縫製に関して縫製基準書が決め事の集まりであるならば、縫製仕様書は製品
に息をふきかけるようなものでしょう。一般的には縫製仕様書には二つのタイプに分類できます。一つは
<サンプルメーキングを目的とした縫製仕様書>
これは、サンプルメーキングに際してサンプル工場や量産の生産を受持つ縫製工場で行うものですが、
ラフな書込みのものと量産を前提にして細かな指示をしたものまで様々です。アパレルメーカーの実態に
よって違いが大きいため、このようなものですとは断言はできません。それとサンプル自体が社内的なデ
ザインサンプルの検討用のものや、展示会等に使用する目的が高いため、短期間であらゆることを行う必
要に迫られているのが実情です。アパレルメーカーによっては、サンプルメーキング用の縫製仕様書とし
て書式化しているところとプロダクション用の縫製仕様書を利用しているところもあるようです。いずれ
にしても最低限の縫製情報は必要です。もう一つは
<プロダクションを目的とした縫製仕様書>
これもアパレルメーカーによって独自の方法なり工夫がほどこされてできています。ここでの縫製仕様
書は、あるデザインが製品になるまでの縫製に関する情報のすべてが必要です。伝えるべき情報の内容と
しては
① ブランドおよびデザイン№
② 仕様書の作成者名
③ 素材および付属関係
・表地 裏地 芯地 テープ類の品番および使用箇所と要尺
・パット 裄綿類の品番
・ボタン・ファスナー・バックル・ベルト等の種類、品番、個数
④ サイズ表
・生産するサイズ数とその設定寸法
⑤ 裁断情報
・柄合せ 差し込みの不可etc
⑥ 各部位の縫製ポイント(まとめ関係も含む)
⑦ 使用する表示類の指示
現在、習慣的にパターン上に各部位の仕様を図解や文字によって説明を補足したりしていることもあり
ますが、製品を作るための設計としてのパターンと縫製仕様書は、はっきりと区別した方が理想的でしょ
う。そして、より正確にかつ短時間で仕様書を作成する上でもコンピュータの利用による作業が望まれる
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今日、さらにその考えを推し進めてゆくべきではないでしょうか。
〔縫製仕様書の例〕
(3) 先上げサンプル報告書
先上げサンプルとは、あるデザインの製品を縫製工場で生産に入る前に工場において試作するサンプル
のことを言います。先上げサンプルの目的には
アパレルメーカーとしては
① 生産における原材料の最終確認(風合・色・柄 etc )
② 製品上でのデザインイメージが表現できているかの確認
③ 縫製仕様と品質面の確認
縫製工場としては
① 工程分析と工程編成の検討
② 縫製機器類のレイアウトの検討
③ 工賃バランスを考慮した生産性の検討
以上のようなものになります。そして先上げサンプル報告書にも、お互いのコミュニケーションが図れ
るように双方からのものがあります。順番としては縫製工場において試作されたサンプルと一緒に、要望
事項等を添えてアパレルメーカーに送る縫製工場からのものがあります。もう一つは、それに答えるかた
ちでアパレルメーカーがサンプルをチェックして、生産において改善や注意をしてもらいたい項目を書込
んで、縫製工場に送るものです。工場からの内容としては、実際の生産段階で起きるかも知れない問題部
分への、仕様上の改善提案や縫製機器類及び生産性を考えた仕様面の要望などがあります。アパレルメー
カーからの内容としては、ブランドやデザインのイメージ通りにできているか、設定寸法に上がっている
か、仕様面の理解は得られたかどうか、一定の品質レベルになっているかというようなものです。時には
縫製仕様書の段階で予測できなかったことの依頼をする場合もあります。いずれも生産前におけるお互い
の最終的なコミュニケーションになるわけです。このような書類に関しては、要点を的確に相手に伝える
ためにも各アパレルメーカーなりの工夫が必要になるでしょう。
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〔先上げサンプル報告書の一例〕
(4) 検査報告書
アパレルメーカーでは一部の例外を除いては、一般に外注による委託加工の依存度が高いのが実情です。
そのために納品における製品の受入れ時点で、品質判定を行うことになります。これも各アパレルメー
カーの製品に対するポリシーにより、その判定の違いが多少はあるでしょう。但し、いずれの場合におい
ても消費者に満足してもらえる製品としての合・否の判断をすることです。わかりやすい判定基準として、
製品をグレード(各付け)別に判定する方法があります。自社が打ち出す商品をブランド単位で品質上の
位置付けを図り製品グレードを設定します。そしてでき上がった製品を、その設定されたグレード別の品
質基準で判定するものです。製品の欠点によっては商品にならない場合もありますが、通常は製品の欠点
をマークして減点法によって一定のレベル以上で合格になるかどうかを判定します。チェック項目として
は次のようなものになるでしょう。
① 製品の全体的なでき映えのチェック
② デザイン上のチェック
③ 設定寸法のチェック
④ 縫製仕様のチェック
⑤ 物性及び機能面のチェック
⑥ 表示類のチェック
⑦ その他
検査方法は生産されたロット数によって、全数検査と抜取り検査等があります。全数検査は製品の全品
を行うことであり、抜取り検査は生産ロットに対して何パーセントかを抜取って行なうことです。そして、
いろいろな方法によって検査した結果を書類としてまとめたものが検査報告書になるわけです。縫製工場
において生産された製品が、各アパレルメーカーの求める品質ででき上がっているかをチェックし、速や
かにその情報をフィードバックして現在生産中の製品に応じてもらうのも目的の一つです。また、今後生
産する上でもさらにより良い品質の製品へとお互いに努力しあう目安にもなるわけです。
−351−
〔検査報告書の一例〕
Ⅱ 会 議
生産に関して、縫製工場と行う会議の方法を考えてみましょう。会議の方法も様々な形態が考えられる
ため説明が難しいのですが、会議をする目的は何かということに視点を当ててみます。その目的とは
① 市場においてシーズン毎に展開する自社の商品(ブランド)のポイントの理解を得る
② 自社の主力となるデザイン(シルエット)や素材上の特徴の説明
③ デザイン(シルエット)や素材からくるパターン(設計)上の説明
④ 縫製上でのポイントとなる仕様の説明
⑤ デザインイメージを表現するための仕上げ方法の説明
⑥ 生産計画に関するアウトラインの説明
以上のようなものになります。会議を催す規模やテーマの内容によって要点を絞ることもあります。常
に項目に上げたすべてを行えるものではないでしょう。また、パターンメーカーの役割の範囲を越えるも
のもあります。ですから、自社の商品をより深く理解してもらい、より良い製品作りを目的とするならM
D・デザイナー・パターンメーカー・生産担当と一緒になって、まさに生産プロジェクトとしての立場で
取り組まなくてはならないでしょう。【図2】に示したように商品を中心にして、みんなで考える仕組み
を作ることではないでしょうか。
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【図2】 商品を中心にしたコミュニケーションのリンケージ
【図3】 縫製工場への情報
会議をする上でパターンメーカーが行う目的は、③・④・⑤の項目になります。【図3】に示したように
生産に当たって、縫製工場への情報はそれぞれの立場からあった方が、よりスムーズに製品作りに結びつく
でしょう。もちろんバラバラに行うのではなく、一致協力して行うのがポイントになります。ここまでの全
体的な関係の中で、会議におけるパターンメーカーの位置付けと役割がご理解いただけたことと思います。
パターンメーカーは基本的にはパターンメーキングを主体に仕事を進めるわけですが、衣服の設計を受
持つ立場の者として、パターンメーキングをするには材料(素材)を知らなくてはならないでしょう。そ
してMDやデザイナーが求めるデザイン表現に、どのように市場にマッチさせて作り上げるかが基本にな
ります。そのためには縫製知識や多少の縫製技術もおのずから求められるでしょう。また何よりもブラン
ドイメージや商品の付加価値を付けるために時流に合った縫製仕様の検討も必要です。モノ作りの伝達者
であるパターンメーカーとして縫製工場との会議は製品作りにおける重要な意味をもちます。
それでは、【図2】や【図3】で仕組みや役目の中で、具体的にパターンメーカーが行う会議の内容に
ついてふれてみましょう。製品作りの目的によって会議のタイプもいくつかに分類されますが、ここでは
縫製仕様説明会と製品の品質検討会という、二つの会議の内容について説明致します。
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1 縫製仕様説明会
アパレルメーカーにおいてブランド服種単位で行うのが一般的です。そして、ブランドや服種単位でグ
ルーピングされた縫製工場へ、デザイン(シルエット)や素材について縫製上の対応と、それに関わる芯
地・テープ等の付属類の応用技術を説明してもらうのが目的です。そのために、パターンメーカーは事前
にブランドや服種単位で、そのシーズンに生産するためにパターンや縫製上でのポイントになる部分の、
資料やマニュアルを作成して用意する必要があるでしょう。
資料やマニュアルとしてまとめる内容は次のようになります。
① 主力になるデザインや素材について縫製及びアイロンの応用技術について
② デザイン表現に生かせる芯地・テープ・パット等の付属類に関する仕様別・種類別の応用技術について
③ デザインや素材に対応できる・まとめ仕様について
④ デザインや素材に対応できる・仕上げ方法について
以上のことがらについて、そのシーズンに展開する商品の生産に入る前に勉強会のようなかたちで行う
わけです。パターンメーカーがすべてを行うとは限りません。パターンメーキング・縫製技術・仕上げプ
レス技術と分業化しているアパレルメーカーが一般的でしょうから、それらの専門技術関係の部署や人達
と力を合わせて行えばよいでしょう。なお、この時にMDやデザイナーの協力があれば、さらに会議の効
果は上がるものと思われます。
2 品質検討会
これも、ブランドや服種単位で行った方がポイントが明確になり、その効果も大きいでしょう。この会
議の目的は、縫製工場から納品された製品の品質に関する統計上の分析結果による改善点および、市場で
の商品としての品質や仕様上の改善や対応についてです。そして、次のシーズンの生産に向けて、対象と
なる製品や資料をもとに改善事項の検討を行うものです。
品質検討会で行う内容としては
① 市場における商品のクレーム事例等について
② ブランドや服種における製品上の良否について
③ 仕上げ方法の再確認
④ 流通媒体を考えた納品方法の再確認
これらの会議の主旨としては、一方的なコミュニケーションにならないように心がける必要があるでし
ょう。お互いの立場から建設的な意見の交流を図り、双方にとって有効かつ有益になるようにするべきで
す。
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〔アパレルメーカーと縫製工場との勉強会風景〕
Ⅲ 電話やその他の通信回線の利用
通信回線を利用したコミュニケーションは、電話やファクシミリが代表的な手段であり、日常の仕事の
上で一番身近に感じて欠くことのできないものです。そして、あらためて説明を加える必要はないように
思われますので、簡単に述べさせていただきます。それと、同じ通信回線の利用でも映像によってリアル
タイムに行える、静止画像の方法についても多少ふれてみます。
1 電話・ファクシミリ
遠く離れた場所との間で行う、きわめて一般的なコミュニケーションの方法です。製品を作る上での様
々な情報や確認事項を伝達します。電話は言葉によるコミュニケーションであり、ファクシミリは文字や
図解によるコミュニケーションです。そして、電話では言葉のニュアンスや要件の伝わるイメージが、受
け取る側の状況によって変化したり誤解を生じたりすることもあります。そこで、事前に伝えたい要件や
要点を文章や図解にして用紙にまとめてから、ファクシミリによって電送します。後ほどそれらの要件や
要点が理解してもらえたかを電話等で確認し、不明瞭な点があればその時にフォローをします。それぞれ、
その時々の目的に合わせて使い分けますが、以上の点から二つを併用して行なう方が、コミュニケーショ
ンの効果はより大きいものになります。
2 静止画像
電話回線等を利用して、遠く離れた場所にリアルタイムに伝えたい映像を静止させた画像によって電送
する方法です。短い時間で映像によって電送できるため、トラブルや確認を要することが生じても対応が
スピーディに行なえます。応用次第では、特に製品及び素材上での問題の対応や解決には威力を発揮する
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でしょう。それでは、それぞれの立場からの使い方やメリットについて考えてみます。
アパレルメーカーからは
縫製工場で生産する製品のデザインサンプルをダミーに着用させたりして、デザイン情報や素材のおお
よその色使い、柄や柄合わせのポイント、縫製仕様上のポイントを画像で送ります。もちろん、電話等で
さらにポイントの説明を加えれば、より大きな効果が図れます。
縫製工場からは
アパレルメーカーからの指定の要尺に対してマーキング上での不都合が生じたり、原反のキズ、色ムラ、
柄や柄のピッチ違いの確認等があります。さらには、製品上でのトラブルに対する判断を求めたり、仕上
り具合の確認に応用します。特に生産現場では、時間的なロスが生産性や工場の利益に敏感なためメリッ
トは大きいでしょう。
商品(物流)センターからは
アパレルメーカーの実情によって、その機能が内部に集結している場合はあまり問題にはならないでし
ょうが、商品(物流)センター等が遠く離れている場合での応用になります。アパレルメーカーの製品に
対する検査機能は、役目がら商品(物流)センター内におかれている場合が多いようです。そこで、縫製
工場から納品された製品について、特に確認を要する時に用いることがあります。
以上のように、従来は素材や製品について実際に現品を目の前にして判断しなければ解決しにくかった
ことを、その対象となるものを可能な範囲で映像化し電送することにより、問題解決までのタイムラグの
短縮を図ることができます。そして、何よりも縫製工場での生産のタイミングロスを少なくし、結果的に
アパレルメーカーでは市場への商品供給が、よりスムーズになることを目的とします。
〔静止画像のリンケージ〕
Ⅳ 対 話
アパレルメーカーと縫製工場とが対話形式で行なうコミュニケーションのメリットは、それぞれがマン
ツーマンで個別の目的や内容について、より深く検討や打合せができることです。対話で行なう目的や内
容は主に生産に関することになりますが、大きく分けると次の二つになります。
① 生産の加工依頼や製品の進捗状況と納期等の打合せおよび確認
② 縫製加工上の技術面に関する打合せおよび確認
方法としてはお互いの事情によって、アパレルメーカーから縫製工場へ出向く場合と縫製工場からアパ
−356−
レルメーカーへ出向く場合があります。いずれの場合も目的や内容について、①か②にあてはまるでしょ
う。
①についてはアパレルメーカーの生産担当者と縫製工場の生産責任者とで行なうことが一般的です。具
体的に話し合うことは、生産準備・生産加工・製品納期等についてです。細かい内容は
a.縫製加工するデザインについて
b.パターンや原材料の投入される期日について
c.縫製工場の生産の計画や見積りについて
d.加工賃の打合せ
e.製品の納期について
f.納品方法について
等があげられます。以上のことを、お互いの立場のバランスを図りながら担当者同士の面談で行われます。
②についてはアパレルメーカーのパターンメーカー(技術者)と縫製工場の縫製責任者とで行われます。
具体的には先上げサンプルや生産中の製品について仕様上のチェックや品質面のチェックを行ない、お互
いの要望や改善点について話合いをします。内容としては、
a.パターンの特性(いせ・ゆるみ etc)の説明
b.素材特性の説明
c.副素材の取扱いについての説明
d.パターンと仕様の関係について
e.製品の品質について
f.生産ラインの人員や設備について
g.縫製機器や生産効率を考慮した仕様の見直しについて
h.仕上げ方について
i.納品方法について
以上のことがらです。そして、生産中の製品についてはお互いに改善すべきことの確認を取った上で、
パターンや仕様についてその場で作業することもあります。個別に本音で話し合うことにより、多くは次
のパターンメーキングや製品作りに生かすことができるでしょう。
コミュニケーションの方法は様々なことが考えられますが、対話を通して行なうことが一番確実な方法
であることは間違いありません。しかし、時間やお互いの距離的なことを考えると、常に適切な手段とは
限らないため、それぞれ伝えたい内容や目的に合わせて、有効な方法で行なえればよいでしょう。
コミュニケーションの基本は、
「だれが・いつ・どこで・なにを・どのように・なぜ」ということをいか
にして行なうかです。
−357−
第2章 製品の発注から納品までの書類の流れ
この章では、書類の発行部署とその流れによって関連する作業内容について、説明します。あるデザイ
ン製品が完成するまでには、まずアパレルメーカーにおいて社内的な作業のスタートになる書類がありま
す。そして、それに基づきアパレルメーカー(社内)から縫製工場(社外)へ情報を橋渡しをする書類と、
縫製工場からアパレルメーカーへ発行する書類があります。もちろん企業における業務の進行には様々な
帳票類があるのは当然ですが、ここでは省略します。大別して三つのタイプについて整理しますと、次の
ようになります。
(1) アパレルメーカー社内の書類
企画書
パターン加工依頼書
(2) アパレルメーカーから縫製工場への書類
加工依頼書
付属明細書
縫製仕様書
先上げサンプル(確認)報告書
検査報告書
(3) 縫製工場からアパレルメーカーへの書類
先上げサンプル報告書
裁断報告書
納品報告書
各ポジションと書類の関係は【表1】のようになります。書類の目的や役目については第1章の説明と
重複するので、【表1】について各ポジション別に、書類の流れについて追ってみます。
Ⅰ MDが発行する書類としては企画書
ここでは、MDは商品における企画の立案者であると同時に、その商品についての仕入れ責任がありま
す。ですから企画書には一つのデザインが製品化されるまでのすべての情報が盛り込まれている必要があ
ります。しかし、企業の大小に関わらず生産までの業務を一人で行うのは不可能に近いのではないでしょ
うか。そこで、MDは原材料の単価や仕入れ先・表示類・納期・サイズ毎の生産バランス等を記入し原価
見積りをした上で関連部署を経由させます。企画書は部署毎に、その機能に基づき生産工場・決定加工
賃・表地、裏地の要尺・芯地、テープ類の品番や個数等が記入されてMDの元に戻ります。MDは最終的
な原価計算をして一着当たりのコストを出します。そして仕入れ先別に仕入れ数が決定しますと代金の支
払がなされるわけです。社内的には重要な書類の一つです。
−358−
Ⅱ 生産管理が発行する書類としては加工依頼書・付属明細書・パターン加工依頼書(伝票)
【表1】 製品の発注から納品までの書類の流れ
−359−
MDからの企画書を受けて、社内的にはパターン加工依頼書を発行します。パターンメーカーはパター
ン加工依頼書によりパターンメーキングを行なうわけです。しかし、生産の時期によっては工場数や生産
ラインの拡大により、パターンメーキングにおける需要と供給のバランスが崩れることもあるため、一般
的には生産管理との間で事前に打合せが必要になります。縫製加工を依頼する縫製工場の生産ローテーシ
ョンに沿って、パターンメーキングのための作業スケジュールを作成し計画的に行なうことが理想的でし
ょう。社外的には縫製加工の依頼をするために縫製工場へ加工依頼書と付属明細書を発行します。縫製工
場ではデザイン・原材料・製品納期・加工賃・付属類等の確認を行い生産の準備をします。そして、マス
ターパターンが着荷したら先上げサンプルの製作をし、先上げサンプル報告書に縫製加工上の改善事項や
要望を書込み、先上げサンプルと一緒に送付します。アパレルメーカーからの先上げサンプルに対する確
認連絡の後、裁断・縫製へと仕事を進めていきます。加工依頼書や付属明細書は、縫製工場へ数値管理上
の情報を橋渡しする大事な書類です。
Ⅲ パターンメーカー(技術部門)が発行する書類としては縫製基準書・縫製仕様書・先上げサンプル
(確認)報告書
縫製基準書はパターンの完成に伴い、その都度発行するものではなく、シーズンや服種あるいはブラン
ド単位でまとめてあるものです。基本的には事前に関連部署(縫製工場・製品の受入れ部門等)に配布さ
れていなくてはならないので、【表1】での書類の流れでの説明は省きます。縫製仕様書はパターンの完
成と共に作成されます。一般的にはパターンメーカーが、それを作成する役目を持っています。企業によ
ってはパターンメーキングと縫製仕様書の作成を分業化しているところもあるかも知れませんが、縫製仕
様書は加工技術の情報を伝達する重要な書類です。その中味はデザイン情報・素材情報・裁断情報・芯地
仕様情報・付属類の情報・表示類(ネーム、下札、品質等)情報・サイズ情報・縫製情報・まとめ情報・
仕上げ情報等の縫製加工上の必要事項がほとんど網羅されているものです。そして、完成したパターンと
縫製仕様書はコピーされて縫製工場へと発送されます。内部的な作業はまだ完了していませんので、次の
段階であるグレーディング及びマーキング作業へとパターンと縫製仕様書は移行していきます。グレーデ
ィングは縫製仕様書のサイズ情報を基に、指定されたサイズ数のパターン処理を行ないます。マーキング
は企画書と縫製仕様書の情報を基に、パターンの型入れを行い表地・裏地・芯地等の一着当たりの要尺を
算出(実質要尺に数%の余裕率を掛ける場合もある)します。算出されたそれぞれの要尺は企画書に記入
し、企画書は経由してきた部署を逆戻りしてMDへといきます。当然ながら担当部署では企画書をコピー
や、企画書そのものが複写になっているもので控えをキープしておく必要があるでしょう。
先上げサンプル(確認)報告書は、縫製工場においてマスターパターンと縫製仕様書を基に、生産準備
のために製作されたサンプルに対して確認をし連絡を行なうものです。デザイン表現・原材料とパターン
設計上の確認・縫製仕様・寸法・まとめ・仕上げ等に関して縫製加工における最終チェックをし、コミュ
ニケーションを図る書類です。
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Ⅳ 縫製工場が発行する書類としては先上げサンプル報告書・裁断報告書・納品報告書(伝票)
先上げサンプル報告書は受注した製品の加工について、縫製工場の生産ラインの人員や縫製機器類ある
いは工程編成により、アパレルメーカーの求めるデザイン表現や品質に影響の出ない範囲で仕様上の改
善・要望をします。また、サンプル製作の時点で量産時に発生しやすい問題部分(パターン・素材・仕様
etc)についても書き添えてコミュニケーションを図ります。裁断報告書は加工依頼書により指図された生
産着数に対し、実際に裁断を行なった結果の報告をするものです。生産を前にしてあってならないことで
すが、パターン修正や原反問題(生地幅違い・キズによる裁替えロス etc)により要尺が変更することも
あります。いずれにしても、ここでは増減産の理由を明確にしておく必要がありますので、それらの理由
も書き添えてアパレルメーカーに報告します。納品報告書(伝票)は製品が完成すると、製品納期に沿っ
て納品日と納品着数をアパレルメーカーに報告するものです。アパレルメーカーでは製品の受入れ準備を
します。納品された製品は検査部門へいき、製品の品質上のチェックを受けて納品が完了します。アパレ
ルメーカーは納品の完了を確認して、縫製工場へ加工賃の支払をします。双方にとって重要な位置付けに
ある書類の一つです。
Ⅴ 検査部門が発行する書類としては検査報告書
縫製基準書や縫製仕様書を基に各アパレルメーカーの検査基準書に沿って製品の検査をし、その品質結
果の内容が報告される書類です。アパレルメーカーによっては、縫製工場別に月単位で検査結果を集計し
て、統計的な資料を作成し品質向上に努力しているところもあるでしょう。この書類は関連する縫製工
場・パターンメーカー(技術)・生産管理へ発送されます。縫製工場では、自社の製品品質の把握をし、
次の生産にその結果を活かすことと技術対応力の確認を行ないます。今後の生産における技術や生産性の
アップに向けて、必要な設備投資や人材育成の目安にもなるでしょう。
パターンメーカーは、デザイン・素材・パターン設計・仕様設計上のバランスを再確認します。もし、
製品の品質上での問題になった部分があれば、その原因を掘り下げて問題の改善を努力します。品質上の
問題はいろいろな原因で起きますが、ここでパターンメーカー(技術)は、より客観的に問題点を把握し
分析した結果によって、その原因が何処にあるのかを明確にする必要があるでしょう。そして関連部署
(MD・デザイナー・生産管理・パターンメーカー同士・縫製工場・原材料メーカー等)とのコミュニ
ケーションを図るようにします。
生産管理は縫製加工を依頼した縫製工場の生産性(納期対応力)と、ブランドや服種に対して自社の求
める一定の品質基準に適合できているかどうかを判断します。生産スケジュールに対して、縫製工場が得
意とする服種や適合できる服種での打合わせの目安にもなります。また、生産計画に基づき縫製工場との
関係をより強固にし、他のアパレルメーカーとの差別化等を図る場合等は、その対象となる工場の選定に
際して一つの判断材料にもすることができるでしょう。
大まかな説明ですが、書類の流れと役目は以上のようなものです。企業においては、それぞれの持ち場
や立場があります。従って様々な書類が存在します。ここでは、製品の発注から納品までの中で、パター
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ンメーカーにとって日常の業務上で、比較的関連性のある書類について説明致しました。
Ⅵ マンネリ化を防ぐ
一般的にアパレルメーカーと言われる中でも、自社内に生産工場としての機能を備えているところは、
まだまだ少ないようです。それは過去において、問屋と下請の関係と言われた時代から、現在のようにア
パレルメーカーと協力工場(縫製工場)という企業化された規模の関係になっても、日本のアパレル産業
の歴史的な背景もあり、中々変わるものではないでしょう。しかし、現在の関係の方がお互いの努力目標
が明確になっているのではないでしょうか。そして、そのバランスによって、今日までのアパレル産業を
発展させてきたのかも知れません。当然ながら、どのアパレルメーカーも同じ商品や経営ポリシーではな
いでしょう。一方では価格メリットの追求を図り、数多くのお客様に喜ばれる企業を目指し安定と拡大を
しようとするところもあります。また、一方ではより高級指向の路線を明確にさせて、プレタからクチ
ュールへと商品をシフトするアパレルメーカーもあるでしょう。そして、総合アパレルメーカーと称され
るところも、さらに企業の競争力を付けるために、場合によってはそのどちらをも包括し市場の開拓と拡
大を目標に、会社の方針を掲げていることと思われます。
縫製工場も人材の集まりにくい背景の中で、職人的(本来のモノ作りにおいては必要不可欠なもので
す)な縫製技術からできる限りのマシンメードへ技術の転換が余儀なくされています。しかし、取引き相
手であるアパレルメーカーに対しては、常に技術力に裏打ちされた品質によって対応していかなくてはな
らないでしょう。安かろう悪かろうではなく、ボリュームゾーンと言われる一般品から高級品(高品質・
高付加価値の伴うもの)までの製品作りの中で、それぞれの縫製工場が得意とするゾーンのものを、より
システマチックに生産するには機械化のための設備投資も必要になります。生産に関わるすべてのスペシ
ャルエンジニア(SE)のような形態で、それぞれをフォローしあうことも大事です。そして、そのフォ
ローこそコミュニケーション無くしては成り立たないのではないのでしょうか。
縫製工場とのコミュニケーションということを考えたとき、様々な情報は多くの人の間を経て初めて、
その目的が達せられます。簡単なようでもありますが、過去から現在に到るまで幾度となくコミュニケー
ションの方法は検討や模索されて、改善に改善を加えられてきました。それだけに安直な結論付けをする
ことはできませんが、コミュニケーションとは意図しているもの(こと)を、的確に、どのようにしたら
相手に伝わるかを、その時の必要な手段によって行なうことでしょう。そしてコミュニケーションそのも
のがマンネリに陥らないように、常に良い刺激を与え合う工夫も大事な要素かも知れません。
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