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第24号 (PDF:859KB)
KKR札幌医療センター 平成19年2月5日発行 〒062−0931 地域連携室だより第24号 札幌市豊平区平岸1条6丁目3−40 フリーダイヤル0120−552−303 FAX011−832−9624 h t t p : / / w w w. k k r- s m c . c o m 地球温暖化の影響か雪も少なく暖かい日々が続いていましたが、ようやく北海道らしい 寒さとなってまいりました。先生方におかれましては益々ご健勝のことと拝察申し上げま す。 平素は、当院の地域連携室の運営につきまして格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げ ます。今後も先生方のご協力を頂きながら、地域医療の発展に邁進していく所存でおりま す。 さて、今回の連携室だよりでは、KKR札幌医療センターの上手なかかり方、症例検討 会のご案内など下記の項目を掲載させて頂きます。 今後とも当地域連携室へのご指導ご鞭撻の程、どうぞ宜しくおねがい申し上げます。 目 次 1.新年のごあいさつ 2.KKR札幌医療センターの上手なかかり方 3.もの忘れドックを開設しました 4.映画「ココロの星・ポーラスターを抱きしめて」ロケ報告 5.症例検討会のご案内 6.平成18年「特掲診療料の施設基準」の手術実施件数 7.災害救急・二次救急のお知らせです 8.北海道ニューオフィス推進賞を受賞しました 同 封 循環器カンファレンス通信第5号 1. 新年のごあいさつ 院長 川上 義和 新年明けましておめでとうございます 連携医の諸先生方には、温暖な気候に恵まれて平穏な正月を迎えられたことと存じます。今年もどう ぞよろしくお願い申し上げます。 昨今、医療をめぐる問題が急激に多様化し拡がってきました。医療事故をめぐる偏見・無理解、クレ ームの多発・乱発、医師不足などが大きな問題で、真面目なマスコミの特集番組でも取り上げられるよ うになりました。私どもの病院でもこれらの問題に直面しています。医療事故については、国民一般や マスコミに事故=過誤・過失、と捉えるような誤った傾向がありますが、これは医学、医療を良く知ら ない一部の偏見です。弁護士、裁判官までもがこの傾向に乗っています。医療職は毅然とした態度で臨 まなければなりません。政府もいわゆる「無過失事故」に対する補償の検討を始めたことは評価できま す。クレームの多発・乱発については、連携医の先生方もご経験があり、不快に思っておられるのでは ないでしょうか。何事もうまく行って当たり前、うまく行かないのは他人のせい、あわよくば金をせし めたいという邪悪な考えが蔓延っているかのように見受けられます。金品の要求に対しては、当院では 一貫して毅然とした態度をとっています。 医師不足については深刻で長期にわたる問題となりつつあります。大学医局の一部が医師派遣の機能 を失いつつあり、地域医療に対する情熱も低下していることは事実です。結局このしわ寄せが回りまわ って国民に戻ってくるのは自明の理でしょう。 当院はこのような逆風に向かって進化を遂げなければならない義務と責任があり、職員一丸となって 精進を続けたいと思います。先生方のご理解とご支援を切にお願い申し上げます。 2. KKR札幌医療センターの上手なかかり方 このコラムは、患者向けのパンフレット 札幌医療センターつうしん 1月号に掲載したものです。 院長 1. 初めての方は かかりつけ医 川上 義和 から当院へ紹介してもらうのが一番です 普段 かかりつけ医 をお持ちですか?慢性疾患で安定した状態にあるときや風邪など軽い病気では、 気軽に近くの信頼できる医院にかかるのが かかりつけ医 です。その経過の中で、悪くなったときや 手術、検査が必要になった時だけ当院を紹介してもらうのが一番上手なかかり方です。その理由の第一 は、紹介状を書いてもらうと当院での特定療養費(2,100円)がかからなくて済むからです。いき なり紹介状なしに当院にかかるとその分料金がかさむ決まりがあるのです。このことをご存じない患者 さんは、「紹介状がないと受け付けないのか」と言って気分を害する人がいますが、それは誤解です。 第二に、紹介状は かかりつけ医 から詳しい病状や今までの治療内容が書かれていますので、当院の 医師にとって非常に有益な情報ともなります。 2. 再来患者の皆さん 逆紹介 のことをご存知ですか? 当院に長い間かかっていて病状が安定した時、もともと かかりつけ医 から当院へ紹介された患者 さんの場合は、主治医から近くの病院や専門の医院を勧められることがありますが、気分を害さないで 下さい。これは、当院が治療や経過追跡を止めた、諦めた、もう来なくて良いですよ、という意味では ありません。安定期には近くの良い医師にかかっているほうが通院の時間や交通費を節約出来ますし、 定期検査や悪化の時は当院へまた戻って頂いて結構です、という意味です。これを 逆紹介 と言うの です。当院には多くの診療科がありますので、いろいろな病気を持っている患者さんには確かに当院へ 通うのが便利ですし、安心です。でも、そのような患者さんでも普段は かかりつけ医 にかかる方法 があるはずですので、主治医に相談してみて下さい。 3. 病状の説明は簡潔に! 時にはメモなどを用意してください 病状を要領よく手短かに説明をして頂くことが大切です。あまりに説明が長いと他の患者さんを長く お待たせすることになります。慣れた患者さんは詳しい症状や今までかかった病気、家族の病気などを 書いたメモを予め用意していますが、そうすると医師や看護師は大助かりです。日記でも良いです。後 で思い出したことも忘れないでしっかり言ってください。薬の副作用を気にする人が多いですが、これ も今までにあった副作用をメモにして出して頂くと助かります。前に検査した時に具合が悪くなったよ うなトラブルがあったかどうかも参考になります。 4. セカンドオピニオンを正しく使って下さい 当院で診断を受けて治療を進めている途中で何か疑問が晴れない場合は、セカンドオピニオンを受け ることをお勧めします。その時は主治医の手紙を持って行って下さい。当院の主治医の了解を得ないで 内密にセカンドオピニオンを求めると、トラブルが起きることがあるので注意して下さい。カルテや資 料のコピー、手紙を持たないで(当院の主治医に内密で)他の医師(第二の医師)に移った場合も、トラブル の元になることがあります。第二の医師は患者さんや家族からだけの情報、したがって主観的な情報し かありませんので、初めの医師の診断法、治療法を誤解して「誤診」と早とちりしてしまうことさえ、 あるのです。 5. 外来通院中の患者さんで夜や休日に具合が悪くなった時は? 外来通院中の患者さんで夜や休日など急に具合が悪くなったり、心配になった時は救急外来を受診す るか、電話で問い合わせてください。救急外来では、当直医師(一般救急担当医と集中治療センター医師 が二人体制で当直しています)が、外来担当医が院内に不在のときでも連絡をとったり、臨機応変診療に 応じています。しかし、これはあくまで応急処置など救急の医療です。 外来の経過の途中で「医者を替えてみようか」という軽い判断で病院を替えることはありませんか? そのような時は患者さん側になんらかの不満や疑問があってのことだと思いますが、その前に率直に主 治医に尋ねてください。誠実に説明があると思います。急性期の病気は時々刻々と病状が変わりますの で、初めは診断が難しく治療の効き目があったか、なかったかで初めて正しい診断がつくことさえある のです。治療の効果が自覚的に出ない場合は主治医に率直に言ってください。言わないで内密に医師を 変えた場合には、セカンドオピニオンの欄に書いたようなトラブルが起きることがあります。 6. 待ち時間の過ごし方 どんな病院でも診察、検査、薬局、会計の前には待ち時間があります。どれだけ待ったら診察が始ま り薬や会計が出てくるのか、気になるところですが、それが「もう待ちきれない」という限界になるの は個人差が大きくて、10分待っても「長い間待った」と感じる人もいれば、60分でも「平気」とい う人もいます。一番賢明な待ち方は、本や雑誌、新聞などの読物などをご自分でお持ちになり時間を有 効に使って頂くことです。病院にはパンフレット類以外は用意していませんので、本などを置いて欲し いというご意見を頂くこともあります。しかし、①他人の触ったものは触りたがらない人が多い、②万 人に読まれるような読物を用意するのはむずかしい、読み物には好みがある、③残念なことに用意して もなくなることが多い、という理由から置いていません。 それでも待ち時間が長くなったと思われた時にはなにか理由があることが多いです。その時は、遠慮 なく担当職員にお尋ね下さい。 7. 院外処方箋も扱っています 薬の待ち時間がない方は院外処方箋を出すように、医師に申し出てください。ただ、院外処方箋は同 じお薬でも院内の場合よりも少し高くなります。 8. 結果の責任はすべて医師にあるのでしょうか? 治療の効果が出ない、治らない場合はすべて医師に責任があるのでしょうか?逆に、完全に治った場 合はすべて医師の腕が良かったためでしょうか? 賢明な皆さんはどちらも「ノー」と答えることと思います。病気が治る、治らないは非常に多くの原 因が積み重なって決まるのです。これをすべて「医師のせいだ、手落ちがあった、誤診だ」と責められ ると、この世界から医師はいなくなるか、診断や治療を断念するかだと思います。医療に詳しい人から 聞いた話ですが、アメリカでは治療途中に患者さんや家族から意見や希望、苦情は頻繁に出されますが、 結果について(意外なことですが)苦情は少なく感謝されて終わることが多いそうです。従って裁判に なる場合は非常にまれとのことです。この主な理由は宗教があり、神を信じているためと言われます。 9. 医療は医師と患者さんの共同作業です 医療、特に治療はすべて「医師に任せる」のではなく、「医師と患者さんの共同作業」です。患者さ んが正しい情報を伝えない場合、偏見や悪意のある態度や言葉、粗暴な態度や恐喝まがいの言動は正し い治療を妨げます。医師と患者さんの間に信頼関係が出来あがって初めて良い医療が出来るようになる のです。治療効果も上がります。ご理解をお願いします。 3.もの忘れドックを開設しました 脳神経科外科部長 八巻 稔明 高齢化社会の進行とともにもの忘れ、認知症の方が増えてきていると言われています。認知症に対す る社会の関心は大変高く、脳を鍛える大人用のトレーニング教材は大変な売れ行きと聞いています。最 近では、もの忘れ、認知症をできるだけ早く見つけ出し、必要な対策や治療を行えば、認知症の進行を 遅らせるあるいは、ある程度改善させることができるということがわかってきました。また記憶力は年 齢が進むとともに悪くなる一方ではなく、脳の使い方で改善させていくことも可能だと言われています。 もの忘れは誰にでも起こる現象ですが、この<もの忘れドック>で、もの忘れの程度が年齢に伴う通常 の程度かどうか判断します。正常と判断されたらひとまず安心です。一方、異常(知的機能の低下)と 判断されたからといって悲観することはありません。早いうちに必要な対処をすれば改善も期待できる のです。 <もの忘れドック>での検査 当ドックでは、医学的に信頼性の高い高次脳機能検査を行って、知能、記憶力、注意力などの認知力 を評価します。次いで高磁場 MRI により、脳梗塞などの脳内の異常の有無、大脳白質にみられる加齢変 化の程度、脳血管の異常の有無を検査いたします。MRI で無症候性の脳梗塞が発見されたり、大脳白質 の高信号域が年齢相応より目立つ場合は要注意です。これらは認知障害、うつ、感情障害と関連性があ ると言われています。高次脳機能検査と MRI 検査の2つの検査によって、もの忘れが年齢にともなう通 常のもの忘れレベルなのか、それとも対処、治療を必要とする認知症あるいはその前段階なのかを評価 します。もし認知症あるいはその疑いと判定された場合、その原因は何かを MRI での異常の有無などか ら総合的に判断します。 受診する際は、認知症と診断されるのではないかと誰もが心配に感じますが、検査結果などのプライ バシーは完全に守られます。また1度検査を受けると、その結果が今後のあなたの認知症を見つける上 での大事なデータとなります。2−3年に1度の割合で<もの忘れドック>を受ければ、最初の検査結 果との比較から認知症を早期発見することができます。 1度、この機会にお気軽に<もの忘れドック >を受けられてはいかがでしょうか? この MRI は頭重感、ふらつきを主訴に来院された 43 歳、男性のものです。通常 50‐60 歳代からポツポ ツ見られる脳室周囲の高信号域(白い斑状の部分)が年齢の割りに目立ちます。この時点では記憶力の 減退はありませんが、要注意です。 この MRI は当院の健康管理センターの脳ドックを受診された60歳女性のものです。自覚症状はありま せんが、認知障害と関係のある脳室周囲の白室の高信号域(白い部分)が非常に目立ちます。この時点 で同時に高次脳機能検査を行うと、記憶力、計算力の低下などから軽度の認知障害と判定されることが あります。 *もの忘れドック 受付方法:医事課初診窓口にて受付いたします。(電話での受付はしておりません。) 料 金:35,000円(税込) 4.映画「ココロの星・ポーラスターを抱きしめて」ロケ報告 平成 19 年 4 月、道内先行上映、10 月全国上映を予定している「ココロの星・ポーラスターを抱きし めて」のロケが 1 月 7 日当院で行われました。 著者大原まゆの「おっぱいの詩」が原作で、札幌在住の現在 24 歳になる著者が 21 歳の若さで乳がん を発病し、その闘病生活を書いた作品の映画化です。 機会がございましたら、ぜひご覧下さい。 ○出演者 平山 あや、三浦 友和、浅田 美代子 5.症例検討会のご案内 第 24 回札幌市医師会豊平区・清田区合同症例検討会 下 記 の 要 領 で 第 24 回 札 幌 市 医 師 会 豊 平 区 ・ 清 田 区 合 同 症 例 検 討 会 を 開 催 致 し ま す 。4 症 例 を 予 定 し て お り ま す の で豊平区・清田区以外の先生方もどうぞご参加下さい。 記 開 会 催 日 : 平 成 19 年 2 月 21 日 ( 水 ) 18:30∼ 場 : KKR 札 幌 医 療 セ ン タ ー 3 階 会 議 室 札 幌 市 豊 平 区 平 岸 1 条 6 丁 目 3-40 電 話 822‐ 1811 FAX 841‐ 4572 6.平成18年「特掲診療料の施設基準」の手術実施件数 ― 期 掲示義務により玄関ホールに掲示しています ― 間:(平成18年1月1日から平成18年12月31日) 厚生労働大臣が定める基準「特掲診療料の施設基準」の手術実施件数 手 術 名 件 数 平成 18 年 1 月 1 日から 12 月 31 日 頭蓋内腫瘤摘出術等 25 黄班下手術等 9 鼓室形成手術等 肺悪性腫瘍手術等 4 50 靭帯断裂形成手術等 2 水頭症手術等 尿道形成手術等 11 4 肝切除術等 10 子宮付属器悪性腫瘍手術等 13 上顎骨悪性腫瘍手術等 1 バセドウ甲状線全摘(亜全摘)術(両葉) 食道切除再建術等 1 2 人工関節置換術 27 ペースメーカー移植術及びペースメーカー交 換術(電池交換を含) 冠動脈、大動脈バイパス移植術及び 体外循環を要する手術 経皮的冠動脈形成術 経皮的冠動脈血栓切除及び 経皮的冠動脈ステント留置術 45 87 160 分娩件数 平成 18 年 1 月 1 日から 12 月 31 日 461 7.災害救急・二次救急のお知らせです 札幌市医師会一次・二次救急指定病院に参加していますが、この2月から4月までの 指定日が決まりましたのでお知らせ致します。 災害(けが)救急 2月 7日(水)・18日(日) 3月 4日(日)・27日(火) 4月 8日(日)・19日(木) 循環器・呼吸器系二次救急 2月 4日(日) 3月 1日(木)・20日(火) 4月11日(水) 消化器系二次救急 2月13日(火)・27日(火) 3月17日(土) 4月 7日(土) 小児科系二次救急 2月 5日(月)・15日(木)・25日(日) 3月 5日(月)・13日(火)・22日(木) 4月 2日(月)・14日(土)・23日(月) 産婦人科系二次救急 2月 1日(土)・12日(月)・22日(木) 3月10日(土)・14日(水)・22日(木) 4月13日(金)・22日(日) 泌尿器科系二次救急 2月 9日(金) 3月 2日(金) 4月10日(火) 脳神経外科系二次救急 2月 6日(火)・13日(火) ・20日(火)・27日(火) 3月 6日(火)・13日(火) ・20日(火)・27日(火) 4月 3日(火)・10日(火) ・17日(火)・24日(火) 8.北海道ニューオフィス推進賞を受賞しました 当院はこの度、第19回日経ニューオフィス賞北海道ブロック(建物の部門)において 「北海道ニューオフィス推進賞」を受賞致しました。この賞は、「ニューオフィス」づくり の普及・促進を図ることを目的として、創意と工夫をこらしたオフィスを顕彰する「日経ニ ューオフィス賞」を 1988 年から毎年実施しているもので、今回は北海道から7件の応募が ありました。 ★ アピールポイント 1.病院と感じさせないインテリア計画 2.ディルームをガラス張りにし開放感とくつろぎの場を演出 3.1 階は「織」フロア、2 階は「絵画」フロアとし、 街の中のオアシス をコンセプトとして いる 4.患者さんのゆとりのためや職員の安全管理のために巾 6mの廊下としている 5.病院基準値 1.25 を上回る 1.3 の耐震構造としている 以上をベースにデザインフロンティアの代表である渡辺様の協力を得て建築しました。 KKR札幌医療センター TEL 0120-552-303 ・ 室 長 西浦洋一 副室長 佐藤千歳 地域連携室 FAX 011-832-9624 副室長 金子良一 看護師 湯瀬美佳子 事務員 大石ひろみ