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-2- も余分に空くことはないか。これが、退室 時の募集条件を決めるときの

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-2- も余分に空くことはないか。これが、退室 時の募集条件を決めるときの
も余分に空くことはないか。これが、退室
時の募集条件を決めるときの「ひとつの判
断基準」となるワケです。
ただし、家賃を下げることはリスクが発
生することを知らなければなりません。ま
ず、他の借主が新しい募集条件に気付きま
すので、家賃の値下げを要求してきたり、
あるいはそれがキッカケで、黙って退去し
ていくかもしれません。もうひとつは、家
賃を下げ続けることによる「借主の質の低
下」です。入居時に値引きを要求する借主
は、退去時には原状回復費用の負担に文句
を言うかもしれません。苦情やトラブルが
多くなることが心配
されます。一般的に、
低予算のお客様の方
が、細かなことに不
満を言い、過分な要
求をする傾向にあり
ます。
予算とターゲットを決めたリフォーム
3つめは「リフォームを実施する」とい
う選択肢です。たとえば予算を、家賃を下
げたときの収入ロスの24万円、とするの
は「ひとつの」考え方ですね。そして、家
賃は下げないで5万円のままで募集しま
す。24万円あれば、エアコン、テレビ付
きドアホン、浴室乾燥機、洗濯機置き場、
アクセントクロス等々、色々なことができ
ます。この部屋の弱点を埋めるために24
万円という予算の中で、一番効果的なリフ
ォームを考えるのです。あるいは、もっと
予算を上げて(家賃の1年分とか)、もっ
と大がかりなリフォームをするのも、この
範疇に含まれます。ユニットバスやキッチ
ンセットを新しくすることも出来ます。
予算を決めた上でリフォームをすれば、
何もせずに家賃据え置きで募集するより
も、早く決まる可能性は確実に高くなりま
す。家賃を下げて募集するより、苦情やト
ラブルが避けられます。何よりも、貸室の
資産価値を上げることができます。重要な
のは、リフォーム予算を効果的に使うこと
です。そのために、この部屋に暮らしても
らう借主というターゲットを明確にして、
そのターゲットが好む、設備やクロスの柄
を選ぶことです。ただし、この予算内で行
うリフォームでは、地域のライバルに大き
な差別化をはかることは出来ません。新築
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時に要求されていなかった設備を、現在の
ニーズに合わせて追加したにすぎません。
新築や築浅のライバル物件は当たり前に備
えている仕様です。
そこで、4つめの選択肢は「リノベーシ
ョン」です。古くなった設備や内装を「元
に戻す」のがリフォームなら、リノベーシ
ョンは「新たな価値に再生させるもの」と
言えるでしょう。ユニットバスやキッチン
セットを高級感のあるものに取り替えた
り、場合によっては、部屋をスケルトンに
戻して、間取を大きく変更したりします。
予算も、家賃の数年分を費やします。「古
い物件にそのようなコストをかけてどう
か」という不安が当然にありますね。そこ
でリノベーションのことを、賃貸経営の「第
二の新築」「第二の創業」と捉えらていま
す。賃貸物件を40年以上保持することが
前提でしたら、20年を経過した時点で「生
まれ変わらせる」という考えです。そして、
地域のライバルと大きな差別化をはかり、
家賃を最も高いクラスに設定します。
経営戦略が明確だから判断できる
このように、築15年
~20年の物件の空室に
は多くの選択肢がありま
す が 、「 ど れ を 選 ぶ か 」
を考えるときに重要なの
が「賃貸経営戦略」の存
在です。この戦略で、
・原状回復以外は費用をかけずに家賃の値
下げで対応する
・一定の予算の範囲でリフォームをする
・「第二の創業」というようなリノベーシ
ョンを施す
などの選択肢を判断できます。
では、賃貸経営戦略とはどんなものでし
ょうか。今回は「客層の限定」にスポット
を当てて考えてみることにします。
商売には 様々な「客層」が存在するこ
とは ご存知の通りです。たとえば、ハン
バーグレストランにも、380円でランチ
を食べさせる店と、3000円のハンバー
グを供する店があります。どちらもハンバ
ーグを食べたいお客様ですが、訪れる客層
は異なります。ユニクロはカシミアセータ
ーを5千円で売り、有名ブランドは10万
円で販売しています。賃貸では、40㎡の
貸室は同じ地域内で、4万円で探す人もい
れば 7万や8万円で決める人もいます。
同じ広さの貸室でも、高収入の客層は「高
くても良いもの」を求め、若者や収入の少
ない人は「家賃で選ぶ」のです。新築時は
7万8万で貸せた40㎡の貸室ですが、2
0年が経てば老朽化によって家賃は下が
り、やがて4万円になります。そのときに、
7万8万の客層に「住んでもらいたい」と
思ったなら、タイミングをみてリノベーシ
ョンをすることになるでしょう。4万円の
客層をターゲットとするなら、基本的には
家賃の値下げで対応することになるでしょ
う。あるいは、真ん中の5万6万の客層を
狙うなら、予算を設定してリフォームを考
えることになるでしょう。築年の経過によ
って、どのような方法を選ぶかは、この「住
んでもらいたい客層」をどこに想定するか、
によります。すなわち、「賃貸経営戦略を
どのように設定するか」で決まってくるの
です。賃貸経営は短期間だけで判断するも
のではなく、中長期を俯瞰(ふかん)的に
見ることが重要になりますので、このこと
に真剣に取り組む時間も必要なのではない
でしょうか。
繁忙期が終わったこの時期が、考えるのに
ちょうど良いのでは・・・と思います。
Q.昭和54年に建てた築35年の鉄骨賃貸マンションを所
有しています。「耐震性能が不足している」と言われて耐震
補強も考えたのですが、費用対効果がないので取り壊したい
と思っています。耐震性能不足を理由に、契約解除・立退き
を要求することはできるのでしょうか?
A.「普通借家契約」で締結しているとし
て、答えさせていただきます。ご存知の通
り、貸主が更新を拒否して契約解除を求め
るには、「正当事由」が認められなければ
なりませんね。耐震強度不足が正当事由に
あたるかどうか、というのがポイントにな
ります。ひとつの判例が昨年の3月にあり
ました。結論から言うと、貸主側(UR 都
市機構でした)の訴えが認められて、借主
に「退去命令」が下されました。貸主の正
当事由が認められたのです。
まず貸主側は、昭和
46年に建築された1
1階建てのマンション
の耐震改修を検討しま
した。そのために 改修
工事の試算をして、そ
の効果も検討しました。
そのうえで、「改修費用
が過大にかかり、改修
をしても機能性や使用価値を大きく損な
う」と判断したのです。その根拠を、交渉
の席で借主に示したうえで、2年間の時間
を与えて、引っ越し先の斡旋や引っ越し費
用の負担を申し出ました。2年間のうちに、
204世帯のうち197世帯が交渉に応じ
て移転が完了しましたが、残りの7世帯の
借主は居住し続けました。
借主側は、「耐震強度不足を補うのは民
法の修繕義務にあたるので、貸主には修繕
義務ある」と主張しました。ところが判決
には「貸主の修繕義務とは契約の締結時以
上のものまで含めるものではない」という
主旨があり、耐震性能についても「建設後
に改正された耐震関係法規をも満たすこと
は、修繕義務に含まれない」と判断されて
いました。次に借主側は、「もっと安く実
現可能な改修方法を検討すべき」と貸主に
求めましたが、判決は「改修するか取り壊
すかの決定は建物の所有者が判断すべき」
と却下しました。ただし、「判断に大きな
間違いがなく、借主に十分な代償措置が取
られていること」を条件に挙げています。
今回の判決には、貸主である UR 側の以
下の行為が大きく反映しています。
・居住者の希望や年齢や障害の有無を
考慮して類似物件をあっせんした。
・移転費用の補てんや補助等は、退去
にかかる経済的負担を配慮した手厚
い内容だった
・取り壊す理由を多数回説明し、移転
期限までに2年間の猶予を設けた。
さて、このように貸主側の正当事由が認
められた判決ですが、だからと言って、す
べての耐震強度不足の物件に、更新拒否の
正当事由がある、と思うのは早計ですね。
オーナー様の物件は昭和54年築なので、
2年後の昭和56年6月に改正された「新
耐震基準」に適合していなくても違法では
ありません。貸主にとって老朽した物件は、
空室や修繕費の負担増で収益の悪化をもた
らす一方で、「借主に安心安全な住まいを
提供する」という義務も果たしにくくなり
-3-
ます。「だから・・・経営も厳しいし、安
全も保障できないから取り壊したい」とい
う貸主の考えはもっともです。一方で、そ
こで暮らす借主の事情も配慮しなければな
らない、と判決は語っています。長く暮ら
せば暮らすほど、生活の場所を変えるのは
簡単ではありません。そのため、国や地方
自治体は 耐震強度不足が予想される建物
は耐震診断することを勧めていて、自治体
の中には、無料で耐震診断を行っていると
ころもあります。その結果、震度6~7の
地震が発生した時に「建物内の人間を守る
ことができない」と評価されたときは、補
強工事をするか、それとも取り壊すか、と
いう判断をくだすことになります。
今回の判決が私たちに教えていること
は、もし取り壊すと判断した場合は、その
根拠を十分に借主に説明したうえで、退去
までの必要な時間的猶予を与えることで
す。引っ越し先の斡旋や引っ越しにかかる
費用等の負担を申し出る必要も教えていま
す。いままでは、「老朽化による更新拒否
は正当事由として認められにくい」と言わ
れてきました。それが認められた判決とし
て、参考になる部分が多いのではないでし
ょうか。
さて、ご質問に対する解答としては「イ
エス」です。ただし、解決に至るまでに
十分なプロセスが求められることをご理解
ください。
「個人住宅の賃貸流通の
促進に関する検討会」
全国には多くの空き家があり、増加の一
途です。一方で質の高い住宅は多いので、
賃貸流通や住み替えを促進させて、居住の
選択肢を広げたい、という思惑もあります。
そこで国土交通省では、掲題の検討会を設
置して骨子案を発表しました。そのガイド
ラインで、賃貸借契約を「修繕負担の考え
方別」に4つのタイプに分類しているので
すが、その中の「借主負担のDIY型」が
注目に値しますので紹介いたします。
通常の賃貸借契約では、入居前と入居中
は 貸主が必要な修繕をして賃貸しなけれ
ばならない、と定めています。借主も、承
諾がなければ 増改築や模様替えをするこ
とはできません。この「DIY型」では、
貸主は、入居前と入居中の修繕費用の負担
義務がない代わりに、安い賃料で貸し出し
ます。借主は、入居前と入居中を、現状の
ままで暮らすこともできます。たとえば、
壊れたドアやガスコンロ、給湯器などを修
繕せず そのまま居住したり、すり切れた
畳の上にカーペットを敷いて暮らすことも
可能です。その分、安い家賃で賃借できま
す。一方で、躯体等を除けば、借主が負担
して修繕や模様替えすることもでき、退去
時の原状回復義務も免除される、というも
のです。この「借主負担のDIY型」には、
「現状有姿タイプ」と「一部要修繕タイプ」
があります。
「働くアラフォーママが夫にナイショで
家賃年収4000万円!」 内本智子 著
著者は講演などで「引っ張りだこ」の方
ですが、生まれて20年は学校へ、20年
は会社員、退職後の20年は好きなことを
する、という人生設計を立てていました。
その計画通りに、40歳で勤務先を退職し
て専業大家となり、たった1年で4棟51
室のマンションオーナーなった経緯が紹介
されています。現在、家賃収入は年間で4
000万、キャッシュフローも1000万
になるそうです。資金も保証人もコネもな
い素人が、どのように実現したかが語られ
ています。若い時に人生の設計図を描き、
それを実現する行動力がスゴイですね。
ただし、本書に書かれているのは「ここ
までの成功物語」です。
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ここから先の経営について
は、これから経験を重ねて、
第二弾、第三弾の著作に繋
がると期待しています。こ
れから著者を襲うのは、退
室ごとの原状回復リフォー
ムと、10年ごとの大規模
修繕費用の想像以上の重い
負担です。加えて、手元に
残る現金は減るのに課税所得は増えるので、
税金が重くのしかかってきます。これらは
キャッシュフローを大きく圧迫してきます。
それらの問題にも上手く対処して、その続
編の体験記もぜひ読みたいと思います。
■ 発 行 日 ; 2014.4.1
第 2 巻 10 号 ( 通 算 22 号 )
■ 発 行 所 ;株 式 会 社 フ ァ ー ス ト ホ ー ム
名 古 屋 市 南 区 内 田 橋 1 丁 目 6 番 2 号 フ ァ ー ス ト ビ ル 1F
■ 発 行 人 ;山 内
義洋
TEL.052-698-2224 http://www.first-hm.com/
4月の花
ヒガンバナ科
君子蘭(くんしらん)
花言葉「貴い」「情け深い」「誠実」
君子蘭という名ですがラン科でなく、ヒガンバナ科の植物で、南アフリカ・ナ
タールに分布する、毎年花を咲かせる多年草です。日本には明治時代に入ってき
ました。4 月~ 5 月に咲く花は、豪華で人目を引く大型の鉢花として古くから親
しまれています。春になると葉の間からやや厚みのある帯状の花茎を長く伸ばし
て、その先端に 10 数輪の花を咲かせます。花色は濃いオレンジや赤みがかった紅
色で、じょうご型です。ヨーロッパでは花を楽しむものとされていますが、日本
では万年青などと同様に葉の美しさを楽しむようになりました。それゆえ、古典園芸植物に分類さ
れています。「高貴な花」とのイメージから「君子蘭」の名前になりました。
「賃貸経営の戦略を考える」
そろそろ繁忙期も終わり、今後の賃貸経営について「じっくり」
と考えるときではないでしょうか。築年数が10年を超えて、15
年20年と経ったときに、賃貸経営の戦略が明確でないと「どう対
処すべきか」迷うことがあります。正しい判断をくだすために、ど
のような賃貸経営戦略を考えておくべきなのでしょうか。
いま、5万円で賃貸していた部屋が空い
たとします。2ヶ月以内(長くても3ヶ月)
の空室期間で埋めることを見据えた、戦略
的な募集条件を決める必要があります。
ひとつめの選択肢は、
原状回復工事だけで、
家賃も5万円のままで
募集する、という方法。
これで2ヶ月以内に決
まれば問題はありませ
ん。このとき、「賃貸経営で避けられない
事実」を確認しておく必要があります。そ
れは、「貸室の賃料は新築時が一番高く貸
せて、時間の経過とともに下がり続ける」
という事実です。その理由は言うまでもな
く、建物と設備が古くなることと、新築で
最新設備の貸室が近隣に出現することで
す。この現実の中で、原状回復のみ・家賃
据え置きで、お客様に選んでいただけるの
かどうか・・・。判断を誤ると「2~3ヶ
月で埋める」という計画が狂い、最も困る
のは、2~3ヶ月が経過して「決まらない
から次の手段を講じる」という事態です。
それでは、最初の3ヶ月が無駄になり、家
賃収入の機会を失うことになりますから。
家賃を下げるのもリスクがある
そこで、家賃を下げて募集するという選
択肢が、一方にあります。たとえば8%下
げて4万6千円で募集すれば、5万円より
は確実に早く決まるはずです。もし、この
お客様が、5年間(60ヶ月)暮らしてい
ただいたと仮定すると、家賃の値下げによ
る収入ロスは24万円となります。
4千円(値下げ分)× 60 ヶ月=24万円
この収入ロスは家賃5万円で貸せたときの
約5ヶ月分に相当します。
24万円÷5万円=4.8ヶ月
つまり、家賃を下げて5ヶ月早く決まるの
か、逆に、家賃を下げなくても5ヶ月以上
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