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7 月のお題 「大阪・家庭の夏料理として」 ●今ではつくられなくなった「ひじき」 ●子どもが食べてくれる「鰯」 ●切り身で買ってきた「鱸」 ●半夏生、七夕の料理 セッサーにかける。ごぼうのささがき、 人参のみじん切り、玉ねぎは大き目の みじん切り、コーン、チーズを混ぜ、 宇賀佐智子 新連載を担当する生粋の大阪人、お母さん記者の宇賀佐智子です。タイトルの ヒトコト とろろ(山芋)を入れるとパサつか 中骨にある身をスプーンで集める。し ない いたけ・人参をみじん切り、油で炒め て鱸の身を入れる。生姜のすりおろし、 ひじきと切干大根のさっぱり和え 醤油、味噌を加え炒り煮にする。 切り身は別の料理に。ちょっとした 工夫で常備菜ができる ヒトコト 七夕そうめん 上半期が無事に終えた時期、それを 祝うために小豆を入れた。小豆のゆ で汁をお味噌汁に使ってもいい ヒトコト 半夏生(はんげしょう) ハンゲショウの花の咲く頃までに田植 えをするといい米ができる、関西では 作物がタコの足のように大地にしっか り根付くようにと、豊作を祈ってこの 時期にタコを食べる習慣があります。 タコ飯 オリーブ油(または太白胡麻油) で玉ねぎのみじん切りを炒める。 洗い米を加え弱火で5∼7分。ボ イルタコ、固ゆでにした小豆、塩、 薄口醤油、小豆のゆで汁に出汁を 足して鍋(または炊飯器)で炊く。 1999 年、上野修三氏が「浪速魚菜を食べよ う会」を立ち上げ、のちに NPO 法人「浪速 魚菜の会」と改称(笹井良隆代表) 。良質な 浪速の伝統魚菜を大阪の地に、今一度復活さ せるとともに、これを広く普及させること、 大阪ならではの食と食文化を考える会。 http://www.ukamuse.jp/index.html くり、家庭料理の大切さを説く。 「なにわ大阪 食 べものがたり」 (創元社) 、 「なにわ料理一代」 (創 元社) 、 「なにわ野菜 割烹指南」 (クリエテ関西) など著書多数。 開催される﹁大阪おかず料理会﹂レポートを中心に、大阪発、日本の食事情を 油で揚げる。 ●浪速魚菜の会 1981 年大阪の一隅から「フクロの味よりおふ くろの味を」を合言葉に、宮本智恵子初代代 表を中心に 22 名で発足。全国会員数 500 名。 1992 年「アメリカン・トレイン」に対抗して、 「米輸入自由化反対!日本の農漁業と食文化を 守れ」を掲げ「伝統食列車」第 1 号を走らせた。 今年 10 月に第 24 号列車は沖縄を訪ねる。 http://blog.dentousyoku.org/ ﹁大阪の食﹂は﹁日本の食﹂に通じると考えてのことです。連載では、隔月で ◀上野修三(うえのしゅうぞう)さん MJ 記者が行く 鰯は頭・内臓・骨を取ってフードプロ 日本の伝統食を考える会 ◀事務局長 浅岡元子(あさおかもとこ)さん 1935 年大阪・河内長野市出身。大阪料理研究家。 生産者や流通を結ぶ大阪の料理会の要。料理人 を引退後、なにわの食文化の語り部、食の随筆家 として執筆を行う。愛妻のために三度の食事をつ 紹介していきます。和魂︵日本人特有の精神︶が全国に広がり、家庭の食卓を ・日本料理を基本に置きながら、和洋の良いところを 取り入れて和食に変える。 ・食材すべてを使い切る「始末の心」を大切にする。 ・パン食ではなく、ご飯のおかずとしての料理を 心がける。 ・季節の海のものと山のものを合わせる。 ・味噌やおダシを上手に使う。 これらを心がけて、わが家の味を創る。 守るお母さんたちが、食を考える上でのヒントになればと願っています。 せっかくなら骨も一緒に食べよう。 鱸のそぼろ 未来につながっていくのだか ら、と力説。日本に昔からあ るおかずを見直して四季を取 り入れること。行事食や伝統 食の意義を考え、しっかりと 伝えることも必要だと。 古いものを今の子どもたち の口に合うように、かといっ て子どもに媚びることなく、 ﹁子どもが喜ぶもの﹂より﹁子 どもに食べさせたいもの﹂を 工夫していこうと提案する。 本 紙 連 載 で は、 ﹁大阪おか ず料理会﹂レポートと、大阪 の食に関するさまざまな取り 組みや食事情、食イベントな どを交互に紹介していく。 大阪からの発信が﹁家庭の 食卓﹂を変える、楽しむきっ かけになれば幸いである。 <大阪おかず料理会が心がけること> 大阪発! 新連載スタート 鰯の揚げ物 がテーマ。 あっさりしたものというよう お母さんに伝えたい 子どもの未来に に、ちょっとした工夫が子ど ﹁魚をさばくの大変ですや 家庭の食卓の大切さ つながる食のあり方 ろ? 近所の魚屋さんにおろ もの体をつくっていく。何を 家庭の食事が欧米化してい 食べるというよりは、誰と食 日本料理界の草分けであり、 してもろたらええ。骨と内臓 大阪料理の研究家でもある上 る。 濃 い 味 ば か り が 続 く と、 もちょーだいや、とゆーたら べるかが大切である。 野修三氏と﹁日本の伝統食を 舌がぼやけて日本人特有の繊 一目置いてもらえんで﹂ 。魚 ﹁お母さんは か月もお腹 考える会﹂が協力し、始めた 細さが失われてしまう。ユネ をおろすのが苦手な私は、一 の中で命を育む。男にはでけ のが﹁大阪おかず料理会﹂ 。 気に心が軽くなった。 へ ん こ と や、 う ら や ま し い。 スコ無形文化遺産に登録され 一見落語家さんのような風 だからお母さんたちには誇り ﹁和食﹂は世界に認められた ﹁お母さんでもお父さんで 貌でちょこちょこギャグを入 が、当事者の私たちはどうだ もかまへんけど、家庭にはお を持って家庭の料理を守って れる巧みな話術とお人柄に惹 ろう。長寿国の日本だが、未 かずをつくる責任者が必要 ほしい﹂と。 かれ、和やかに会は進行して や﹂ 。 家 庭 の 料 理 と は、 家 族 ﹁ 上 野 氏 か ら の 季 節 の 話、 来の子どもたちはどうなって いく。 いくのか。気づいた者から変 一緒に食卓を囲み、食べる顔 食材や料理法の謂れ、調理の ﹁家庭の食卓を守るお母さ えないと、と警鐘を鳴らす。 が見られる=家族の体調を知 ヒントなどを聞くのはとても んはえらい!﹂と言われた時 るチャンス。わが子の体質や 勉強になります。毎回、皆さ 食を守り、伝えるのは、学 には胸が熱くなった。 校ではなく家庭。お母さんは 性質をわかるのはお母さん。 んが工夫してつくられるお料 この日は、鰯︵いわし︶や 今こそ食のあり方を見直して 運 動 で 疲 れ て い れ ば 塩 分 の 理 を 味 わ え る の も 楽 し み で 鱸︵すずき︶を使ったおかず ほしい。それが子どもたちの 濃いもの、胃腸が悪い時には す﹂と参加者。 10 2015 年(平成 27 年)8 月号 < 2 >