女性の自然観に関する 心理学的研究

女性の自然観に関する
心理学的研究
∼自然の中の大いなるなにかとの
出会いを通して∼
関西医科大学 精神神経科
岡村 宏美
日本人の宗教性
「無宗教」といわれる日本人
→既成宗教への信仰 、関心からは
離れている
日本人独特の宗教性の存在
→様々なものに神を見る
→神を意識しない宗教性
これまでの研究より
護る神、祟る神
甘えの存在
宗教的自然観
母なる自然
目的
日本人女性の自然の中の「出会い体験」
の有無
自然の中の「出会い体験」の有無は一般
的な心性であるか?個別的な生活経験によ
るものか?
自然の中の「出会い体験」の質的側面の
検討
予備調査
目的
1.自然の中の「出会い体験」の有無
2.本調査における自由記述例文の収集
方法
調査対象 関西地区2060代女性38名
調査内容
1.「出会い体験」の有無
2. 時期（幼稚園ー社会人）
3.「出会い体験」の状況、気持
予備調査自由記述
状況／気持
その他
14%
自然
8%
気象
45%
その他
40%
大いなる存在
30%
樹木
14%
景観
19%
図１「出会い体験」時の状況
プラスの
感覚 11%
存在の中の
自分19%
図２ 出会い体験時の気持ち
本調査
目的／方法
目的
1.自然の中の「出会い体験」の有無
2.「出会い体験」の有無と個別的な生活経
験の関連検討
3.「出会い体験」の質的側面の検討
方法
調査対象
成人前期女性109名
成人後期女性 44名
本調査
内容
1.フェイスシート
2.「出会い体験」のイメージ描画導入例文
3.「出会い体験」時の大いなるなにかのイ
メージ画/気持ちのイメージ画
4.3の描画を元にした自由記述
5.金児（1997）の宗教態度尺度(5件法)
西脇（2003）の宗教意識尺度(5件法)
本調査 フェイスシート
信仰の有無、宗
教教育の有無
周 囲 の 自然環境
の多少
年齢差
出会い経験無
20名
出会い経験有
133名
図3 出会い経験の有無
本調査
4
宗教態度尺度
*
3.5
3
2.5
経験有り
2
経験無し
1.5
1
0.5
0
加護観念
輪廻転生
霊魂供養
図４ 出会い体験の有無と宗教態度
p<.05* p<.01**
本調査
宗教意識尺度
**
4
3.5
3
2.5
経験有り
2
経験無し
1.5
1
0.5
0
神仏関与
宗教肯定
自然・神秘
図5 出会い体験の有無と宗教意識
p<.05* p<.01**
本調査
その他
38%
自由記述分析
気象
46.3%
水15%
図6「出会い体験」時の状況
その他
12%
畏れを抱く
5%
美しさ
8%
ちっぽけな
存在として
の自分
15% 圧倒
10%
プラスの
内的状態
30%
融合
20%
図7 「出会い体験」時の気持ち
本調査
自由記述分析2
郷愁6%
その他7%
プラスの変化
強烈、鮮明
26%
7%
得体のしれな
い存在
14%
安心、大切
25%
人生で起こる
頻度
15%
図18 「出会い体験」は自分にとってどのようなものか
まとめ
「出会い体験」は個人の生活環境には左
右されない一般的な心性であろう
→日本人男性、外国との比較
自由記述では肯定的な内容
→「タタリ」の側面についての調査が必要
質的な側面の検討方法