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第4 住宅施策の展開

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第4 住宅施策の展開
第4
1
住宅施策の展開
重点的な取組
本市では、市民の「住み続けたい」という高い定住志向をもとに、市民誰もが誇りと愛着を持って、
市内で、住み慣れた地域で、引き続き「住み続ける」ことができるように住宅施策を展開する視点か
ら、重点的に取り組むべき施策として次の 6 点を定めました。
重点的
な
取組1
子育て世帯をはじめとする若年層や学生のニーズに応じた居住支援
~子育てしやすい居住環境の形成や学生等の新たな居住ニーズへの対応~
【関連する主な個別施策の番号】(個別施策は 55 ページ以降に掲載)
01.02.03(73).04(19).05.06.07.08.23.55.58.62.72.77
人口減少社会の到来を踏まえ、本市が将来にわたって持続的な発展を遂げていくためには、
市内に居住する子育て世代などの若年層や市域近郊に立地する 21 の大学等に通う学生が、本
市に住み続けたい、住んでみたいと思える魅力的な住宅・住環境づくりが重要となります。
そのため、一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」による「マイホーム借上げ制度」の活
用など、民間事業者等との連携を図りながら、住まいの広さや安全性など子育て世帯のニーズ
に対応する子育てに配慮した住宅の供給促進や三世代同居・近居といった多世代がお互いに支
え合える環境づくりに向けた情報提供等に取り組んでいくとともに、市営住宅においても、特
に配慮が必要な多子世帯やひとり親世帯に対する入居優遇などの支援を行っていきます。
また、学生や若年層が、ひとつの住宅に共同で居住するシェアハウス※18や借主が自費で修
繕やDIY※19を行う借主負担型の賃貸住宅など、新しい住まい方について調査・研究を行い、
新たなニーズに対応した住宅供給に取り組みます。
■
移住・住みかえ支援機構による「マイホーム借上げ制度」
※18
シェアハウス
ひとつの建物に親族以外の複数人が生活し、台所や風呂・トイレなど共同で利用する居住の形態、
又はそのための住宅。住居内の各部屋が住居者のプライベートな空間となり、そのほかは共同利用
の空間となる。
※19
DIY
DO IT YOURSELF の略で、自身で家具やリフォームなどの工事を行うことをいう。日曜大工。近年で
は、自費で DIY することで自分好みにリフォームする代わりに、賃料を安く抑える DIY 型の新しい
賃貸借形態も提示されている。
44
重点的
な
取組2
高齢者・障害者が安心して暮らせる住環境の整備促進
~生活支援サービスと地域の力で、支えあう仕組みづくり~
【関連する主な個別施策の番号】(個別施策は 55 ページ以降に掲載)
02.04(19)
.09.10.11.12.13.14.15.16.17.18.20.21.22(74)
.23.24(76)
.
25.54.55.58.62.72.77
高齢者や障害者が、地域で安心して住み続ける
には、住み慣れた住まいで自立した生活を送るこ
■『八王子版』地域包括ケアシステムイメージ
とのできる住環境づくりが必要です。
高齢者については、医療と介護の連携の取れた
サービスや生活支援サービスの提供が受けられ
る体制、そして町会・自治会や民生・児童委員な
ど、地域で活動する様々な組織による見守り・支
えあう仕組みが有機的に結びついた「地域包括ケ
アシステム※20」の構築を進めています。
障害者については、高齢化・重度化を見据え、
地域の中で、安心して暮らせる環境づくりを推進
するため、相談支援事業所や障害者施設等の社会
資源を活かした地域のネットワークである「障害
者地域生活支援体制」の整備を進めます。
また、住まいの安定確保が必要なことから、高
齢者の単身者や夫婦のみの世帯が増加している
現状等を踏まえ、バリアフリー化され、安否確認
や生活相談などのサービスが提供される「サービ
ス付き高齢者向け住宅」の地域の状況に応じた供
給の誘導や適正な運営についての指導、高齢者や
障害者が家庭的な環境の中で共同生活を送るこ
とのできる住宅の整備促進のほか、新たに設置す
る居住支援協議会の運営を通して、民間住宅への
円滑な入居を支援することなど
■八王子市地域生活支援体制(面的体制)イメージ
に取り組んでいきます。
そのほか、高齢者・障害者の
暮らしを想定した住宅整備やリ
フォームの促進に取り組むほか、
高齢者・障害者がニーズに適し
た住宅を自ら選択できるよう情
報提供の充実に取り組みます。
※20
地域包括ケアシステム
地域住民に対し、保健サービス(健康づくり)、医療サービス及び在宅ケア、リハビリテーション等
の介護を含む福祉サービスを、関係者が連携、協力して、地域住民のニーズに応じて一体的、体系
的に提供する仕組み
45
重点的
な
取組3
住宅の耐震化の促進
~耐震化が確実に進むための現行支援制度の強化~
【関連する主な個別施策の番号】(個別施策は 55 ページ以降に掲載)
26.27.28.29.35.43.54.55.56.58.65.66.68.69.70
安心して住み続けるためには、住まいの安全確保
が欠かせません。国も「建築物の耐震改修の促進に
関する法律」を平成 25 年に改正し、建築物の耐震
化を加速することとしていますが、本市にある旧耐
震基準で建設された住宅(約 5.4 万戸)の耐震化率
は 23.9%です。これまでも補助制度の見直しなど
耐震化の促進に取り組んできましたが、今後、その
耐震改修工事相談
取組をさらに進めていく必要があります。
市民自身が所有する住宅の改善は、市民自らが取
り組むことが基本となりますが、市民の生命や財産
を守り災害に強いまちづくりを進める観点から、所
有者がより住宅の耐震化に取り組むことが出来る
よう、平成 26 年度に実施した「木造住宅耐震化実
態調査」の結果を踏まえ、町会・自治会、自主防災
組織や施工業者等と連携した意識啓発や支援制度
耐震化促進アドバイザー派遣
の周知活動にさらに取り組むとともに、木造住宅耐
震改修補助金制度の充実を図っていきます。
また、災害時の
■市内の住宅の耐震化率(平成 26 年度末)
救急活動や物資の
区分
戸数
輸送などに重要な
木造
122,759
93,509
76.2%
役割を担う緊急輸
非木造
129,271
117,469
90.9%
送道路が建築物の
倒壊により閉塞さ
れることを防ぐた
ンションの耐震化
などを促進するた
め、専門家等との
協力体制強化など
の支援策を総合的
に進めます。
耐震化率
合計
252,030
210,978
(内、旧耐震基準で建設された住宅数)
(53,958)
(12,906)
83.7%
(23.9%)
資料:平成 25 年住宅・土地統計調査及び固定資産概要調書をもとに算出(単位:戸)
めの沿道建築物の
耐震化や、分譲マ
うち耐震性あり
■耐震化に取り組んでいない理由
3.8%
耐震改修工事費が高額だから
後に住む親族がいないから
信頼できる工事業者がいないから
実際に転倒するかわからない
面倒だから
いずれ改修するから
法的に義務化されていないから
いずれ転居するから
その他
未記入
5.0% 8.0%
26.0%
6.7%
7.0%
16.3%
7.3%
9.3%
10.6%
資料:平成 26 年度八王子市木造住宅耐震化実態調査
46
重点的
な
重点的
取組4
な
取組1
住宅の低炭素化の促進
~環境と調和する再生可能エネルギーの活用や省エネルギー化された住宅の整備促進~
【関連する主な個別施策の番号】(個別施策は 55 ページ以降に掲載)
39.40.45.54.55.56.58
東日本大震災を契機とするエネルギー需要の変化やエネルギー・地球温暖化に関する
国民の意識の高揚等を踏まえ、住宅等におけるエネルギー利用の合理化や都市機能の集
約化などを目的とした「都市の低炭素化の促進に関する法律」が平成 24 年に施行され
ました。
住宅政策においても、新規に供給される住宅や既存の住宅の質を高め、長期にわたり
有効に活用される住宅、省エネルギー性能の高い住宅など、環境共生型、低炭素型の住
宅ストックの形成を目指した施策展開をさらに進めていく必要があります。
現在、
「八王子市再生可能エネルギー導入方針」に基づき、再生可能エネルギー(太陽
光発電、太陽熱利用システム等)の導入を推進するため、エネルギーの有効的な利用に
ついての啓発や住宅における太陽光発電システムなどの導入経費に対する助成など、住
宅の省エネルギー化に向けた支援を行っています。今後も、
「低炭素都市づくり計画」を
策定し、
「低炭素建築物の認定制度」の普及や木材などの低炭素化に資する材料の利用促
進などに取り組み、省エネルギー性能を有した低炭素型住宅の供給を促進します。
■低炭素なまちづくりのイメージ
〇森林のバイオマス等の利用
≪中心拠点や地域拠点≫
○都市機能の集約化
○公共交通機関の利用促進
○歩いて暮らせるまちづくり
(歩道の整備、バリアフリー化等)
〇市街地更新による効率的なエネル
ギー利用
≪住宅地≫
〇太陽光発電等の再生可能エネルギ
ーの導入
○省エネルギー化や高効率機器の導入
47
重点的
な
取組5
住宅ストックの活用促進
~ストック活用の促進に向けた多角的な取組~
【関連する主な個別施策の番号】(個別施策は 55 ページ以降に掲載)
34(37.51)
.55.57.58.59.60.61.62.63.64
人口減少等に伴い、全国的な空き家等の増加が懸念される中、平成 27 年に「空家等
対策の推進に関する特別措置法」が施行され、各自治体における空き家の適正管理、有
効活用に関する取組が求められています。
■空き家の内訳
平成 25 年の住宅・土地
統計調査によると、本市に
住宅
区分
総数
おける空き家は 28,980 戸
で、そのうち賃貸・売却用
の空き家が 22,870 戸、そ
の他の空き家が 5,850 戸と
平成
20 年
平成
25 年
空き家
二次的
賃貸用
売却用
その他
住宅
の住宅
の住宅
の住宅
260,340
27,960
240
20,280
2,420
5,020
281,300
28,980
260
21,350
1,520
5,850
資料:住宅・土地統計調査(単位:戸)
なっており、特にその他の
空き家に関しては、管理不全による特定空家※21化を防いでいくためにも、住宅以外の
用途も含めた利活用を図っていく必要があります。
そのため、住宅確保要配慮者への居住支援として、賃貸用の空き家の利用促進に向
け、空き家の入居につながる住宅改修などを支援していくとともに、不動産関係団体や
福祉団体との連携により設置する「居住支援協議会」の活動のなかでも、その利用を図
っていきます。また、活用されていない空き家については、地域のサロンや市民活動団
体の活動拠点として利活用できるよう、所有者との調整やそのデータベース化を図っ
ていきます。その他、市営住宅の整備におきましても、新たな整備手法として、空き家
の活用を視野に入れた民間住宅の借上げを進めていきます。
■居住支援協議会のイメージ
居住支援協議会
いマージ
既存ストック改修への支援
連携
居住支援
協議会等
入居
希望者
賃貸人
住宅情報の登録
入居要請・入居
状況確認
ニーズの把握・
住宅情報の提供
入居希望者の不安
・家賃が高い
・家賃滞納による明渡
・属性による入居制限
(高齢者、障害者、子育
て世帯等)
・保証人等の確保
他
住宅確保要配慮者
向け住宅の整備
入居の適確な推進
住宅に困窮している
住宅確保要配慮者
賃貸人の不安
・賃借人がいない
(空き家リスク)
・入居後のトラブル
(家賃滞納、病気、死
亡、近隣関係)
他
■空き家活用のイメージ
空き家
いマージ
・適正に管理されていない
・バリアフリー化されていない
有効活用
・地域のサロンや市民活動団体の活動拠点として
・借主負担のDIY型賃貸借契約物件として
・子育て世帯向けなどの賃貸住宅として
※21
特定空家
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となる
おそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他
周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等
48
重点的
な
取組6
分譲マンションの適正管理支援
~マンションの適切な管理体制と建替え、耐震化~
【関連する主な個別施策の番号】(個別施策は 55 ページ以降に掲載)
28.55.65.66.67.68.69.70
本市には、約 1,000 棟の分譲マンションが
ありますが、建物の大規模修繕や耐震化への
対応、また、居住者の高齢化や賃貸化などに
より管理への無関心化が進むなど、維持管理
上の問題を抱えているところが多く見受け
られます。
このようななか、国では、平成 26 年に「マ
ンションの建替え等の円滑化に関する法律」
を改正し、首都直下型地震等の大規模災害を
想定した建替え等の促進のためにマンショ
マンション管理セミナー
ン敷地売却制度の創設や容積率の緩和特例
などを設けました。
マンション管理は、管理組合等が自らの責
任と自助努力で行っていくことが基本です
が、市民の安全で良好な住環境を維持してい
くためには、市として、管理組合等の自主的
な取組を促進するための普及啓発や支援、ま
た、管理状況の実態把握による管理不全の予
防や改善などに取り組んでいく必要があり
ます。マンション台帳の整備を進めながら、
市内マンション群
マンション管理セミナーやマンションなん
■東京都マンション管理ガイドライン
でも相談会の開催、マンション管理のための
いマージ
ガイドラインの活用などにより管理組合等
による適正な管理を促進するとともに、旧耐
震基準のマンションに耐震アドバイザーを
派遣するなど、その耐震化を促進していきま
す。
また、老朽化したマンションの建替えには、
専門的な知識が必要なことから、専門家や関
係団体等と連携した相談体制の充実を図り
ます。
49
2
本市の特徴を踏まえた取組
本市には、昭和 30~50 年代に計画的に開発された戸建て住宅団地、共同住宅の建設が進む中
心市街地、市街化調整区域に位置する沿道集落地区、21 の大学等、様々な特徴があります。
このような特徴を踏まえ、本市らしい住環境を形成するため、それぞれの特徴に応じた取り組
みを進めます。
特徴を
踏まえた
取組1
戸建て住宅団地の良好な住環境の維持・向上
【関連する主な個別施策の番号】(個別施策は 55 ページ以降に掲載)
09.11.20.23.26.27.34(37.51)
.52.55.57.58.59.60.61.62
 現況
昭和 30~50 年代に分譲された戸建て住宅を中心とした住宅団地の中には、用途地
域や地区計画等により、ゆとりある緑豊かな良好な住環境を形成してきたところも多
くあります。しかし、年数を経て住民の高齢化とともに家族構成やライフスタイル等
も変化しています。

課題
高経年の住宅においては、バリアフリー化など高齢化対応が必要になっているほか、
長期入院や施設への入所等による空き家化が懸念されています。また、市内住宅団地
の中には敷地面積が大きく、中古市場における住宅の価格帯が比較的高いところもあ
り、若年層等の購入・転居が少ないことも空き家が増える要因の一つと考えられます。
このような状況において、これまで良好な住環境を保全してきた用途地域や地区計
画等が、一方では福祉施設や地域サロンなどの建築や空き家等の既存建築物の転用を
困難にしている状況も見られます。
さらに、
高齢化や空き家の増加により、自治活動や地域福祉活動の担い手不足など、
良好な住環境を維持するうえで様々な課題が発生しています。

特徴を踏まえた取組
高齢者世帯が安心して現在の住宅や居住する地域内に住み続けられる環境を整える
ことが重要であることから、住宅においては、バリアフリー化と併せた耐震改修や世
帯の状況に応じたリフォームなどを促進します。
また、日常生活の利便性や居住環境の質の向上に向け、住宅団地ごとの実態や特性、
地域ニーズの分析・検証を行いつつ、生活支援サービス等の提供、住民による活動拠
点や地域の交流拠点等としての空き家の活用など、地域における包括的な支援・サー
ビスの提供体制の整備を推進するとともに、必要に応じた現行の用途地域や地区計画
等の見直しを行います。
50
■昭和 30 年代から 50 年代に開発された大規模戸建て住宅地の位置図
特徴を
踏まえた
取組2
中心市街地の適正な住宅・住環境の整備
【関連する主な個別施策の番号】(個別施策は 55 ページ以降に掲載)
28.29.34(37.51)
.49.55.60.61.62.65.66.68.69.70
 現況
本市の中心市街地(面積 115ha)は、商業や業務、公共公益施設等の各種都市機能
が集積しているほか、公共交通機関によって市内あるいは周辺地域へアクセスするた
めの交通ターミナルとしても機能しており、多摩地域の中核的地域としての役割を担
っています。
しかし、近年の社会情勢の変化等により、中心市街地の求心力となっていた商業・
業務機能が低迷し、駅から離れた場所では空き家・空き店舗・低未利用地等の発生が
見られます。
 課題
近年、甲州街道沿道などを中心に分譲マンションを
はじめとする共同住宅の建設が進んだ結果、中心市街
地の人口は増加傾向にあります。こうした流入人口は、
20 歳代~30 歳代の比較的若い世代が多く、子育て世
代も多いことから、これからの中心市街地の活性化に
つながることが期待されています。
甲州街道沿道
51
一方で、高齢化の進行も想定されていることから、人口の構造の変化に対し、義務
教育施設や医療・福祉施設等の計画的な配置を検討するなど、将来を見越して総合的
に住環境を向上させていくことが必要です。
まちなかでの居住者が増加しているなか、誰もが安心してまちで過ごせるように、
魅力的で災害に強いまちづくりの展開が必要ですが、建物や設備の老朽化が進む一方
で、旧耐震建築物の更新が進まないなどの問題も抱えています。

特徴を踏まえた取組
今後の人口構成の変化に対応した生活サービス施設の充実や、空き家・空き店舗対
策等に取り組むとともに、市民が中心となって行っている中心市街地における新たなま
ちづくりの取組を支援し、将来にわたり主体的で持続的なまちづくりが可能となるように、
「中心市街地活性化基本計画」や「中心市街地まちづくり方針(市街地総合再生基本
計画)」に基づいた環境整備を行っていきます。
また、災害に強いまちづくりについての取組としては、中心市街地を通過する緊急
輸送道路沿道の建築物の耐震化や分譲マンションの適正管理に向けた管理組合への支
援を行っていくほか、建替えや共同化といった手法による分譲マンションの再生を支
援します。
■中心市街地の範囲(中心市街地活性化基本計画)
国道 20 号(甲州街道)
京王八王子駅
(
東
京
環
状
)
:対象範囲
(中心市街地の範囲)
国
道
16
号
JR八王子駅
か
え
で
通
り
子安公園
:町丁目界
子安公園通り
52
特徴を
特徴を
踏まえた
踏まえた
取組1
取組1
取組3
※22
※22
沿道集落地区
の活力向上による良好な住環境の維持・向上
沿道集落地区
の活力向上による良好な住環境の維持・向上
【関連する主な個別施策の番号】(個別施策は 55 ページ以降に掲載)
34(37.51).52.53.55.60.61.62
 現況
本市の市街化調整区域には、優良な自然環境や営農環境など、市の財産ともいうべ
き良好な環境が保全されています。
一方で、北部、西部及び西南部の沿道集落地区では、人口減少及び少子高齢化が急
速に進行し、地域コミュニティの衰退や、将来の過疎化・限界集落※23化が懸念されて
おり、人口の減少に伴い空き家も増加しているなど、地区にお住いの方々からは、地
区の維持と活力向上に向けた、早急な取組が求められています。

課題
北部、西部及び西南部の沿道集落地区では、都市計画法に基
づき、区域区分以前からの居住者の方以外は、住宅などの建築が
厳しく制限されており、自然豊かな沿道集落地区に魅力を感じ、
新たに住みたいという方の住宅の立地は、原則的に認められて
いない状況にあります。
耕作放棄地の増加
将来、人口減少及び少子高齢化が一層進行し、地域の活力の衰
退などが懸念されることから、優れた自然環境や営農環境など、
地区の魅力を活かしたまちづくりを行い、交流人口※24の拡大と
定住人口の維持を図ることなどによる地区の活力向上が求めら
れています。
空き家・空き地の増加
 特徴を踏まえた取組
沿道集落地区の優れた自然環境や営農環境を活かし、市民や都市に暮らす住民等の
田舎暮らしのニーズを取り込み、地区の活力向上を図るため、
「市街化調整区域の沿道
集落における活力向上に向けた新たな土地利用制度」を活用し、周辺の集落環境に配
慮した、自己の居住用住宅や民宿等の立地とともに、空き家の活用の幅を広げるなど、
地区の活性化に資するまちづくりの推進を図ります。
また、制度の活用には、地域住民による「沿道集落地区まちづくり計画」の策定が
必要なことから、計画策定の取組を通じ、制度のメリットについて周知を行う等、制
度の活用に向けてまちづくりの機運を高めます。
※22
沿道集落地区
本市の市街化調整区域の北部、西部及び西南部に位置する高月、戸吹、上川、美山、小津、上恩方・
下恩方、裏高尾の 7 集落のうち、おおむね 50 以上の建築物が連担している既存集落の土地の区域
※23
限界集落
過疎などによって、65 歳以上の高齢者の割合が 50 パーセントを超えるようになった集落。家を継ぐ
若者が流出して、冠婚葬祭や農作業における互助など、社会的な共同作業が困難になっている集落
※24
交流人口
その地域に住んでいる「定住人口」に対し、通勤、通学、買物、観光、その他の様々な目的でその
地域を訪れる来街者のこと。交流人口を増やすことによる活性化を期待する場合に使われる。
53
特徴を
特徴を
踏まえた
踏まえた
取組1
取組1
取組4
大学・学生との連携による居住環境整備
【関連する主な個別施策の番号】(個別施策は 55 ページ以降に掲載)
7.8.22(74)
.23.55
 現況
本市は、市内に 21 の大学等が立地する全国でも有数の学園都市で、この恵まれた
環境のもと、大学、企業、市民との連携・協働によるまちづくりを進めており、一部
のキャンパス周辺地区では、大学・学生と地域住民の協働による地域コミュニティの
活性化に向けた取組も行われています。
また、市内には、これらの市内大学等に通う約 2.3 万人の学生が居住していますが、
学生の多くが卒業後、市外に転出している現状があり、市内の大学等に通う学生の卒
業後の居住意向を把握する「八王子市 学生意識・希望調査(平成 27 年 6 月~7 月)」
によると、卒業後の本市への居住意向は、
「住みたい、または住む予定」
、
「将来的には
八王子に住みたい」が 12.4%となっています。
 課題
住民の価値観の多様化や近隣関係の希薄化などにより、地域コミュニティに参加し
ない住民も増えている現状のなか、コミュニティが持つ地域での支えあいや助けあい
といった機能を高めながら、地域コミュニティの面からも安心して暮らせる住環境を
整備していくことが必要です。そのためには、学園都市である本市の特徴を活かした、
大学・学生と連携した地域コミュニティ活性化に向けた取組が求められています。
また、本市の活力を将来にわたり維持していくためには、学生が地域活動をとおし
て、本市の住みやすさなどに魅力を感じるなど、卒業後も本市に居住することを選択
できるような取組が必要となっています。

特徴を踏まえた取組
現在、大学・学生と地域住民による、公的住
宅団地の空き店舗を活用したイベントの開催
など、地域コミュニティの活性化に向けた取組
が一部の地域で行われています。このような取
組をさらに広げられるよう情報発信や事業協
力などの支援を行い、より魅力ある、暮らしや
すい住環境づくりにつなげていきます。
また、学生や若年層が、本市での居住を選択
できるよう、ライフスタイルに応じた様々な住
まい方の情報提供を行っていきます。
54
法政大学と地域の交流
@団地×カフェ部で開催した
『おいでよ!アッとほーむ~
持ち寄り晩ごはん、再び』の様子
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