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健康長寿社会の創出に向けて ∼次世代ヘルスケア産業協議会の取組∼
資料3 健康長寿社会の創出に向けて ∼次世代ヘルスケア産業協議会の取組∼ 平成27年9月9日 次世代ヘルスケア産業協議会 座長 永井 良三 目指すべき方向性 ∼予防・健康管理への費用のシフト∼ ○慢性期医療(生活習慣病関連)にかかる医療費を、公的保険外のサービスを活用した 予防・健康管理にシフトさせることにより、「国民の健康増進」、「医療費の適正化」、「新 産業の創出」を同時に実現。 ○そのために、 ①健康に投資をするという価値観の醸成や環境整備(需要面の対策) を行うとともに、 ②受け皿となる産業育成(供給面の対策) が必要。 医療費 【予防・健康管理サービスの活用】 公的保険による医療サービスの供給ライン 公的保険外サービスを併用した供給ライン 慢性期医療の医療費約9.9兆円を削減可 慢性期 医療 個人の年齢 1 (参考) 予防・健康管理サービスへの期待(糖尿病の例) 予防・健康管理に 対する投資拡大 通院フェーズ ブロック 対象者数:9千万人 ブロック 健常者・予備軍 対象者数: 200万人 年間医療費:30万円/人 透析フェーズ 対象者数: 10万人 年間医療費:500万円/人 運動・食事指導サービスの活用等 重症化予防サービスの充実 配食事業者による 食事指導サービス フィットネス事業 者によるサービス 公的保 険外 サービス 糖尿病以外の生活習慣病を合わせると、年間4兆円の市場創出、1兆円の医療費削減効果 が見込まれる。 (備考)株式会社日本総研(2013)『経済産業省「平成24 年度医療・介護等関連分野における規制改革・産業創出調査研究事業(医療・介護周辺サービス産業創出調査事業)調査研究報告書』図6−49。 (注)各疾患について健康から重症(慢性化)に至るいくつかのステージ別人員、費用、対応するサービス単価を基に、例えば10%のサービス利用率で生まれる市場規模と医療費削減額を算出している。 2 次世代ヘルスケア産業協議会について ○平成25年12月に「健康・医療戦略推進本部」の下に設置。 ○経済産業省が事務局を担い、内閣官房や厚生労働省、民間事業者、医療関係者等と 連携し、政策を推進。 ○需給両面からの検討を行い、本年6月には「アクションプラン2015」をとりまとめ。 次世代ヘルスケア産業協議会 座長:永井良三 (自治医科大学学長) 事務局:経済産業省 健康投資WG (需要面) 主査:森晃爾 (産業医科大学産業生態科学研究所教授) 事務局:経済産業省 <今までの成果や進行中の取組> 取組1 健康経営銘柄の設定 取組2 健康経営アドバイザー制度の創設 取組3 健康経営企業による情報発信の促進 取組4 健康情報の利活用促進とフォーマット整備 等 新事業創出WG (供給面) 主査:武久洋三 (日本慢性期医療協会会長) 事務局:経済産業省 <今までの成果や進行中の取組> 取組1 関連規制法令のグレーゾーン解消 取組2 ヘルスケアファンドの創設とリスクマネー供給 取組3 健康サービスの品質評価制度の構築 取組4 地域版協議会の設置促進 等 3 需要面の取組 4 需要面における取組の方向性 ○ 広く「健康投資」を推進するため、企業規模を踏まえた段階的な支援・環境整備を実施。 <普及準備期> <拡大期> (大企業) 投資対効果の測定 業健康経営実践企 業の業績等を経年 で見て、投資対効 果を測定。 全国普及 情報発信 企業の具体的な取 組を、情報開示媒 体で発信。 健康経営銘柄の継 続的実施と、選定 企業の取組を重点 的に発信。 人材の育成・活 用 インセンティブ (中小企業) ノウハウの共有 健康経営を実践 するための取組・ ノウハウを形式知 化。 ノウハウ等を指導 する人材の育成・ 活用。 健康経営の優良 企業を認定し、優 遇措置を検討。 <健康投資促進のための環境整備> (情報基盤や財政インセンティブ等) 日本全国の企業が健康経営を実践 健康経営の好事例収集、マネジメントの要諦の抽出 ( 健康経営の好事例をモデル化) <草創期> 5 これまでの取組−健康経営銘柄の設定・公表 ○健康経営に取り組む企業を株式市場で評価する仕組みを構築するため、本年3月25 日、東京証券取引所と共同で、「健康経営銘柄」として22業種22社を選定。 ○健康経営に優れる企業(評価上位20%)の平均株価はTOPIXを上回る水準で推移。 特に、今回銘柄に選定された22社の平均株価は、それを更に上回る結果となった。 <「健康経営銘柄」選定企業一覧> ・アサヒグループホール ディングス ・東レ ・花王 ・ロート製薬 ・東燃ゼネラル石油 ・ブリヂストン ・TOTO ・神戸製鋼所 ・コニカミノルタ ・川崎重工業 ・テルモ ・アシックス ・広島ガス ・東京急行電鉄 ・日本航空 ・SCSK ・丸紅 ・ローソン ・三菱UFJフィナンシャル・ グループ ・大和証券グループ本社 ・第一生命保険 ・リンクアンドモチベー ション <健康経営と株価連動の図> 2008年9月リーマン・ショック 2014年11月「従業員の健康に関する取り組みについての調査」結果を基にして経済産業省が作成 ※2005年1月末を基点100とし、2015年2月末までの各月末時点の各社の時価総額から指数を作成。 新規上場など、基点のデータがない企業は除いた 6 健康経営推進のイメージと具体策①(大企業編) 大企業&健康保険組合 「コラボヘルス」の推進 ・企業と市場との対話促進 ・事業者活用促進と、 サービス提供者の質 の見える化促進 ① ② 資本市場・労働市場等 健康経営実践企業 に対する評価慫慂 政 府 ③ ヘルスケア事業者 (予防・保健サービス提供者等) 提供サービスの品質の向上 <政策パッケージ> ①投資対効果の測定 → 優良企業の業績・生産性等を経年で評価・投資対効果を測定 ②情報発信の促進 → 市場と企業の対話促進のための「情報開示のための手引き書」策定 ③サービスの見える化 → 予防保健サービスの見える化(評価基準策定と第三者認証の検討) ※優良企業の取り組みをマスコミ等を通じて継続的に発信し、企業イメージの向上を図る。 7 健康経営推進のイメージと具体策②(中小企業編) ③ 中小企業&協会けんぽ ・優良企業を認定及び 積極的な公表等。 ① ・健康経営の先進的取組を 健康経営の推進 ・国民の健康増進、医療費 の適正化、経済発展 蓄積し、ノウハウを共有 ② ・健康経営のノウハウを実 践できる人材を育成・提供 中小企業団体 (商工会議所等) 政 府 優良企業優遇施策による インセンティブの付与 連携 優良事例・ノウハウの蓄積 と人材の育成・活用 <政策パッケージ> ①ノウハウの蓄積・共有 → 「健康経営ハンドブック」の策定・公表 ②ノウハウの導入 → 指導・助言を行う「健康経営アドバイザー制度」の認定制度創設 ③インセンティブの付与 → 「健康経営優良企業認定制度」の創設と制度的優遇措置の検討 (政策金利の優遇や企業のイメージ向上(採用条件の向上)) ※これら取り組みをマスコミ等を通じて積極的に公表すると共に、国の各種支援策と連動させる。 8 今後の検討の視点 l優良企業の業績・生産性等を経年で評価・投資対効 果を測定 ⇒ 健康投資の効果(生産性・社会保障コスト適正化等)を類型化し、他 の企業に横展開 など l健康投資を促進するための事業環境の整備 ⇒ 健康情報の利活用促進(個別化したサービス創出のためのIT基盤 整備)、グレーゾーン解消(個人情報保護法) など l健康投資を促進するための保険制度上のインセン ティブ ⇒ 生活習慣病予防や健康増進に係る取組への保険制度上のインセン ティブの創設・強化 など 9