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地域の問題を結び付ける - 佐賀市社会福祉協議会

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地域の問題を結び付ける - 佐賀市社会福祉協議会
2011さが塾
ワークショップ
9月11日(日)4講目
13:00~16:00
ワークショップ「地域の問題を結びつける」
その1
「地域の生活課題を考える」
鳥居 一頼
1 はじめに~チャレンジャーの意気込み
これから始めるワークショップは、地域の課題について明らかにします。“ひとものが
たり”で語られた微助っ人なひとたちがたくさんいましたが、その人たちが一生懸命がん
ばっても、なかなか解決できないこともたくさんあります。だからといって、あきらめる
のではなく、まずは自分の身の丈から始めていくしかありません。
問題が何かを知らない限り、その解決のための行動は生まれません。そこでまず、私た
ちの地域では、どんな具体的な課題があるのだろうか?ということを、これからみなさん
と一緒に解き明かしていきたい。
十数年前に、東京で「世界ボランティア会議」がありました。その会議の分科会の 1 つ
を運営者の一人として、私も参加したことがありましたが、その時に盛んに「チャレンジ」
という英語が交わされました。そこで通訳が、「チャレンジ」という言葉を「課題」とい
う言葉に訳したんですね。
私たちは、問題や課題を見つけようと時間と労力を費やして、それが見つかったらおし
まいといった、冷めたところがありませんか?そうじゃなくて、課題というのは挑戦して
いくもの、挑んでいくものであるという認識と行動提起が重要である。そのことを、「世
界ボランティア会議」の中で、私が学んだことでした。今一度思い起こして、課題検索で
終始するような易しい文脈で語るのではなくて、「この課題が見つかったぞ、これは解決
しないといけない。じゃチャレンジしようよ、挑戦していこうよ」という思いの強さが行
動化されて、はじめて地域を元気に変えていく力になっていくのではないか。
皆さんには、“チャレンジャー”の意気込みをもって、これからワークショップに挑ん
でいただきます。
2 ワークショップのプロローグ
(1)
はじめに「精神的風土としての郷土」
先ほど紹介した新潟県聖籠町の仲間が教えてくれたお話です。新潟と福島は、すぐ隣り
あっています。会津から新潟空港まで、車で人(萱野茂二風谷アイヌ民族資料館館長)を
送ったことがありますが、三時間ぐらいの距離です。
だから、いつでも帰れるはずなんですが、新潟県にいるよりは福島県内にいたい。皆さ
んが、福岡県にいるよりは佐賀県にいたいといった感覚に似ているのではないかと思いま
す。それは、言葉の違いや文化・習慣の違いというのが、生活していく上での安心感、安
- 79 -
堵感につながっていかない。よそ様に来ている感覚で、落ち着かない。でも自分の県内に
戻れば、どんなに自分が住んでるところから離れていたとしても、同じ言葉が通じる。そ
こにある県民性とか風土、文化は共通するものがあり、避難生活の大変さがあっても、ほ
っとできる拠り所がある。
北海道や沖縄から本土を呼ぶときに、いまだ「内地」と表現しています。北海道の場合、
明治期に全国各地から開拓に入った祖先たちの望郷の念の表れでしょうか。さらに、内地
の人は言葉やしきたり、伝統文化への思い、さらに郷土への思いが強い。私自身はという
と、久留米が祖母の出身です。私は、開拓に入って四代目になる。妻は、福岡県柳川なん
です。北海道で出会って結婚したんですが、偶然隣町同士です。妻の姉は柳川で生まれま
したが、2つ違いの妻は北海道釧路管内標茶町の僻地で生まれています。戦後若い夫婦は
喰うために故郷を後に、幼子を連れて北海道に渡ってきたのですね。夫婦共に九州の地に
縁が深く、その意味でも、九州での仕事にはつい熱が入ります。これも、地縁の成せる衝
動なのでしょうか。
では、早速ワークショップに入ります。
(2)
テーマ「地域の生活課題を考える」
身近な地域の支え合い、助け合いづくり、そして始まる協働のまちづくり
~いま地域でなにが問題で、何が必要(ニーズ)なのか~
●地域における生活課題の抽出とその協働の解決策を見つけよう
(3)
テーマの分類
① 助け合い・支え合いの福祉のまちづくり
~高齢者・障がい者等に関する活動や子育て・教育に関する活動
② 安心で安全、快適なまちづくり
~防犯・防災・交通安全・美化環境づくり等に関する活動
③ 明るく住み良いまちづくり
~いま、自治会が抱える課題と活動(行政に対する要望も含めて)
(4)
グループ編成
・同校区ないし近隣校区という「地域割り」で6人編成とする
・各グループに社協のスタッフが原則1名入る
(5)
準備するもの
・ポストイット(7.5cm×7.5cm四方)各グループ100枚程度
・模造紙各テーブル1枚×グループ数
・マジックセット(グループ数)
・「問題点抽出シート」(各グループ10枚)※印刷は多めに用意しておくこと
・「問題解決提案シート」(各グループ10枚)
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3 ワークショップの展開
(1)
進め方についてのガイダンス
(参加者に資料「予想される身近な地域課題」を配布する)
(2)グループワーク1
「問題の抽出」
①グループリーダーを決め、その人を中心に3つのテーマに関わる問題点やニーズを抽
出する
②机の上にはポストイットと、模造紙とマジックセットを用意する。
③地域にある様々な福祉や生活の問題について、具体的にその内容をポストイットに書
く。特になにが問題なのかをはっきりと書く。
・問題はポストイットに「一枚一項目」として書き込む
例えば、一人暮らしのお年寄りさんで地域との交流がない、という問題があった場
合、これ1枚だけです。ですから一人で何十枚書いても構いません。
・出てきた問題を共通する問題同士でのグルーピングを行う。
(家族の問題、地域・隣近所の問題、行政や制度の問題、ボランティアなど)
それをさっき話した3つのテーマの分類でまとめて、小分類、これは家族の問題、
これは教育の問題だ、として分けてください
・グルーピングされた問題のポストイットを模造紙に貼り、見出しを付ける。(写真
を撮る)
・ここまでを 30 分間で行ってください。
④特に地域的に解決しなければならない喫緊性の高い問題を選択する。
・どのような問題が多いのかを協議し、地域の問題の傾向を考える。それらの問題か
ら、特に重要など思われるものを問題の中から5~6件程度選択する。その中から
特に問題性・関心度(ニーズ性)の高いものについて順位をつけ、具体的な問題点
を明らかにする。それを問題別に「問題点抽出シート」に書き出し(1枚1問題)、
さらにそれらの問題について、その原因や理由を明らかにする。
(社協スタッフは「記録係」を担当する)。
・どのような視点で重要性を判断するかは、集まったメンバーの判断に委ねられる。
そこに「わたしたち」の目線として、共通問題に束ねる主体的な作業となる。
・問題が他人事である段階では、親身な解決策は見出せないばかりか、話し合いに真
剣みが薄れる。
・そこでは解決策は協議しない。問題を正しく認識することが重要である。
⑤各グループでの問題の傾向について発表する。
※社協スタッフは、研修後、全市的には、どのような問題の傾向があるのかを、課題
別にまとめる。生活課題だけではなくさまざまな課題が内包されている状況を知る。
気づき、調べ、共有化して、分類化するというところの手立てを一緒に学習してい
きたい。
- 81 -
◇問題を調べる(知る)→問題を共通の課題にする(共有化)→課題の分類を行う(分類化)
→課題の解決方策について考える(解決方策
の検討)→解決の具体的方法を計画化し
実施する(計画化と協働化~誰がどのように
つながってどのように動くのか)→結果につい
て評価・反省を行う(評価・反省)→発展的課
題に取り組むといった一連のプロセスを理解
する。《Plan(計画)→ Do(実行)→ Check
(評価)→ Act(改善)》
【PDCA サイクルの概念図】
⑥ワークショップのまとめを行う。
・参加者が高齢化していく中で、いずれ自分自身の問題として深く関わってくるものば
かりであり、その解決のためには、今何をしなければならないのかを動機づけ意識化
させて、住民主体の地域福祉の進め方についての理解とボランタリーな活動の意義を
確かめる。
・まちづくりそしてひとづくりに一人ひとりが参加していくことが、地域社会の人の結
びつきを強めていくことになることを確認する。
⑦次は、具体的な個別の問題についてどのように解決する道筋をつけるかについて検討
する。
留意点
■
・模造紙にまとめられた成果は、写真に残すこと。
・社協スタッフは、ポストイットに書かれた福祉のニーズについて課題別にふりわけなが
ら、今後の資料として活用するため、まとめておくこと。
・各グループから出された「問題点抽出シート」は研修後回収すること。
・課題抽出で、全ての問題を抽出するのは無理であり、不足分は社協スタッフが補足して、
今後の資料としておかなければならない。
・この問題の視点を分析し、緊急性や広範性が認められそうな問題は、本研修会でのアン
ケート調査結果とすりあわせることになる。
以上、これらの流れで、グループワークが進められた。
- 82 -
各グループの、進捗状況を確認しながら、休憩後次のテーマ「市民協働と問題解決力」
のグループワークに入った。
4
「問題点抽出シート実際
- 83 -
ワークショップ「地域の問題を結びつける」
その2
「市民協働と問題解決力」
1 はじめに
・それぞれのグループで、問題のグルーピングをされたでしょうか?
その中から、抽出した問題を協議し、解決策を検討してください。
・進め方を確認します。
2 ワークショップの展開
①グループが抽出した問題を、協議し、「問題解決提案シート」に記入する。
②時間はおおむね1問題、15分程度とする
③結論のでないものは、問題点をできるだけ明らかにし保留とする
④記録の担当者は、その都度「問題解決提案シート」に記録する
⑤協働解決の方法として、どこが中心となってすべきかを考える。
行政、社協、ボランティア、当事者団体、自治会、民生児童委員、市民、家族などが
想定されるが、次の3つの視点から考える。
・地域に住む「わたし・わたしたち」が主体的に解決努力しなければならない問題で
あるという視点を優先する。
・行政との協働方策について、この問題は行政が主導するか、または住民との公民協
働で解決しなければならない問題であるか否かという視点
・警察、社協、福祉施設・団体、医療機関、商工関係、学校、各種団体、生活関連産
等と住民が協働して解決しなければならない問題であるか否かという視点
⑥問題をこの三つの視点で切り分けて論じることで、焦点がはずれない。
多分に関連性はあるのは当然であるが、万全な解決方策を示すことができなくとも、
焦点化しておくことで、論点がぶれない。
⑦どのようなまちでどのように暮らし生きたいのかという、個々のイメージを共有する
論議ともなる。その思いを市民個々の「協働」のエネルギーに変えることが、ここで
のメイン作業に他ならない。
共通理解し合うことが、住民自治の主体的基盤としての市民力を培うこととなる。
⑧地域での住民の活動は常に万能とは限らない。自ずと限度や限界がある。住民だから
できること、専門職や行政だからできることを、ここで精査しながら、共につくるま
ちづくりのイメージを共通のものとして確立することが重要である。
⑨完璧な解決方法を求めてはいない。できるできないという判断を優先させず、自由に
アイデアを出してもらいたい。そこから、新たな発想や展開が生まれることもある。
話し合いを楽しみたい。
- 84 -
⑩「協働」には、住民種々の立場から参画を促進する協働と、住民の自治能力を高め、
問題解決の自立を促す協働、そして行政施策に関わっていく協働のレベルがある。
ここでは、基本的に自分たちで何ができるのかを中心に話し合うこととする。
⑪最後に、グループの協議の中から最重要課題を1つ選択し、次のプレゼン(発表)に
備えること。
⑫記入された各グループのシートは、回収して、地域福祉を推進する貴重な資料として
市民の参画協働を示す社協の財産となる。
3 プレゼンテーション
それでは、各グループから、問題点とその解決方策について発表してもらいます。
また、各グループの発表後、数人の方に午後からのワークショップについての感想をお
聞きしたいと思います。
(1)
Bグループ
「私でよければ私がやります」
大きく分けますと、7つの問題が出ました。その中で私たちが一番困っているものを取
り上げて話し合いをいたしました
①「役員のなり手がない」ということです。どこでも同じかと思います。特に民生委員、
各種団体、自治会役員等
その原因を考えて見ますと、若い人は勤めに出ているため、集
まるのが高齢者ばかりになる。65歳までほとんど男女問わず勤めています
②行事に人が集まらない、これも同じ理由だと思います。
③人数不足により行事が行えないことがある
④後継者が育たない
⑤価値観の多様化
参考に、解決策と言えるかどうか分かりませんけれど、阿蘇に役員研修で行きました。
図書館がありますが、その図書館を設立した人が農作業で40歳代の時に肘関節から切断
され、その後義肢を使いいろんな絵・書を書いておられます。その人のお話を聞きまして
その方がおっしゃるには、「私でよければ私がやります、という気持ちを持ちなさい」と
言われました。その後校区に帰りまして、会議のたびに議長選出時に「私でよければ私が
やります」という方が、増えた気がいたします。
(2)
Cグループ
「自転車の危険運転への警鐘」
問題点は、6個の中から全市に問題点のあることとして、中高生、高齢者の自転車のマ
ナーの問題が取り上げられました。
具体的理由として、①状況確認なく道路を横断する、②並列で車線を走る、③無灯火が
多い、④携帯電話、ウォークマンを聴きながらの危険運転をする。
その人たちの多くは、車の運転をしたことがない人だから、車を運転する人の視線にな
らないから分からないのではないかということがあがりました
- 85 -
解決方法としては、①地域の大人が積極的にそれを注意していこうと言うことです。た
だ、中高生から倍返しの暴行を受けたりしますので、注意の仕方にも問題があります。お
宅の学校の子どもには、こんなふうに無灯火が多いですよとか、危ない運転で交通ルール
を無視して運転していきますよと、学校に通報することもいいんではないかと出ました。
協働の取り組みとして、学校や警察と協力して、授業の中で危険な運転をしていること
を教える。体験すればわかるだろうといいたいが、交通事故は体験すると危ないのでスタ
ントマンを使って危なさを教えていくのもいいのではないか、という意見が出ました。
《参考1:自転車通行のルール》
1. 車道通行の原則
道路交通法上、自転車は「車両」の一種ですので、歩道と車道の区別があるところで
は
車道を通行するのが原則です。また、車道では原則として左側端を通行しなければな り
ません。
著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除いて、路側帯を通行することができ
ますが、その場合は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で通行しなければなり
ま
せん。
【罰則】3 ヶ月以下の懲役又は 5 万円以下の罰金/2 万円以下の罰金又は科料
2. 歩道における通行方法
普通自転車は、道路標識等で通行できることが示された歩道を通行することができま
す。
自転車が歩道を通行する場合は、
車道寄りの部分を徐行しなければなりません。ま
た、
歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければなりません。
なお、普通自転車とは、車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準(長さ 190 セ
ン
チメートル及び幅 60 センチメートルを超えないこと、側車を付していないこと、歩
行者
に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと等)に適合する二輪又は三輪
の自
転車で、他の車両を牽引していないものとされています。
【罰則】2 万円以下の罰金又は科料
《参考2:自転車の乗り方について》
1. 安全運転の義務
道路及び交通等の状況に応じて、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転し
なければなりません。【罰則】3 ヶ月以下の懲役又は 5 万円以下の罰金
2. 夜間、前照灯及び尾灯の点灯
夜間、自転車で道路を走るときは、前照灯及び尾灯(又は反射器材)をつけなければ
な
りません。【罰則】5 万円以下の罰金
3. 酒気帯び運転の禁止
酒気を帯びて自転車を運転してはなりません。【罰則】5 年以下の懲役又は 100 万円 以
下の罰金(酒に酔った状態で運転した場合)
4. 二人乗りの禁止
自転車の二人乗りは、各都道府県公安委員会規則に基づき、6 歳未満の子供を幼児用
- 86 -
座
席に乗せるなどの場合を除いて、原則として禁止されています。
【罰則】2 万円以下
の罰金又は科料
5. 並進の禁止
「並進可」の標識があるところ以外では、並んで走ってはなりません。
【罰則】2 万
円以下の罰金又は科料
■ 鳥 居■
本当に、自転車が歩道を我がもの顔に走るところは、まるで凶器が走っているようにも
感じます。自転車で歩道の高齢者をはねたという事故がありましたが、これは、自転車の
運転者に賠償責任を問われます。高校で自転車通学をしている生徒には、強制的に賠償責
任保険をかけるよう指導をしている学校もあるかと思います。
子どもが公園で遊んでいて、サッカーボールを蹴ったら、そのサッカーボールが外へ飛
び出して、そこに自転車で通りかかったおじいちゃんにぶつかって、引っくり返って骨折、
その後亡くなってしまった。遺族は、賠償責任を問うて、先日裁判の判決が出て勝ったん
です。子どもは支払い能力がありませんから、当然保護者が支払わなければならない。そ
ういうシビアな状況が、実は起こっているです。そういう事実を、きちんと伝えるべきな
んですね。
乗り方云々じゃなくて、運転している君の父さん母さんは、事故った場合に賠償金を払
えるか?って。子どもの二人乗りの時に、「あんた後ろに友だち乗っけて走ったときに、
あんたの父さん母さん一千万円のお金出せる?」って。「な~に、先生?」って言うから、
「あんた、後ろの友だちケガさせたら、あんたの責任だから父さん母さんがごめんなさい
と言ってお金を払わなくてはいけないんだよ」と話したのは、30年も昔のことです。い
まなら、一億円はかかるでしょうか。
お金の話なら、事故ったら大変だということが、少しは具体的に意識されるのではと思
いながら、それが抜本的な対策になるかどうかは別としても、現金な親や子には効果があ
るかもしれません。それだけ世知がない時代であることは確かなことです。
(3)
Fループ
「孤独死を防止する」
いま無縁社会と言われ、孤独死が増えています。民生委員から切実な声が出ていました。
60代男性の一人暮らしの方です。引きこもっています。声をかけても出てこない。姿も
見えない。こういう方が、一番孤独死に近い存在なんですね。
こういう方をどうしようか?ということで、解決策として、近所の力を借りようという
ことになりました。ご近所の方に「こういう方がいますので、姿を見たら声をかけて下さ
い」と、見守りをお願いする。我々が良く使う手ですが、新聞受けに新聞や郵便物などが
溜まっていないか、洗濯物が干してあるか、電機のメーターが動いているか、というよう
なカタチで側面から見守る。
親戚の方が当然いらっしゃるので、いらっしゃるはずなので、その方の電話番号を事前
- 87 -
に確認しておく。1週間とか2週間、その人の姿が見えなかったら、そちらの方に、「ち
ょっと姿が見えないんですけれども、大丈夫ですかね?」と確認をお願いする。
あとは、民生委員さんが回って「訪問してきましたよ」と書いた紙をポストに入れてく
るというカタチで見守りをしたいと思います。
(4)
Gグループ
「みんながちょっとだけ我慢する」
問題提起は、高齢者、子どもに関すること、防災、環境、交通に関すること、コミュニ
ティの問題です。
一番の問題は、「コミュニティの崩壊」ということで、地域行事や活動に関係する人が
減ってきたということを、問題提起しました。
高齢化が進んで、自治会への加入も少なくなっており、役員のなり手が少ない。そうい
った問題が生まれる理由が出されました。また、未婚率が高いことで、家庭の数や家族の
構成員が少なくなってきている影響は大きいと思います。
個人情報保護法があり、防災における災害時要援護者の把握でも問題が提起され、これ
が壁だなということでした。
解決法としてあげたのが、①周囲の人の働きかけ、声かけが必要。お知らせの紙を配っ
て終わるのではなく、何にでも直接声をかけられたら出て行くよね。だから、声かけとい
うのは必要ではないか。自分が参加するという気持ちにならない限りは、その行事に参加
しても楽しくないよね。ということが、みなさんの中から出ました。
②行政は、窓口がコロコロと異動によって代わるということで、やっぱり専門職員を育成
するということは、地域や人と繋がっていくためには必要ではないか。情報提供をして欲
しい。個人情報の見直しや団体関連の情報提供、資金の支援、人材の育成、みんながちょ
っとだけ我慢をすれば、うまくいくのではないか。
③地域の中に、子どもを真ん中において活動をしていきたいと思います。
(5)
Aグループ
「頼まれなくても支えをつくろう」
災害時要援護者についての解決策ですが、要援護をして欲しい人はなかなか自分からは
頼まない。その場合でも、いつもは寄り付かれない人でも、そばの人が目をかけていて、
いざというときは命が惜しいから助けてもらいたいのが、本当です。だからいつも目をか
けているということ。地域の皆さんが集まるとき「ここにこういう人がいるから、目をか
けて欲しい」と話しておくことが、常々大事じゃないかと思っております。
(6)
Hグループ
「交通アクセスの不便さが暮らしを圧迫」
私たちの地区は、山の方にありまして、交通手段が大変で、食生活に問題があります。
どうしたらいいか?ということで、①困っている方に声をかける。②老人クラブ、地区婦
人会、高齢者サロンの方々が連携し、見守り活動を実施し、その中から三者のリーダーを
調整し、小地域ネットワークの工夫をする。
- 88 -
そのあと、行政との協力方策としては、担当民生委員が実態を行政に報告する。
なかなか交通手段がなくて、食の方がとれない。店が少なく遠い。交通手段がない。足
腰が弱く台所に立てない。火の始末に対する不安がある。多くの問題を抱えていまして、
行政と民生委員が、それぞれ協力していきたい。
(7)
Dグループ
「災害に備える防災意識を」
東日本大震災の元に災害について話が進みまして、巨勢・兵庫・循誘という順で話し合
いをしました
①自分の足を使ってハザードマップ、避難場所を歩いてさぐる。②もろもろの集まりで
お互い避難場所を確認する。③年1回訓練を行い、皆さんと一緒に学校なり公民館に泊ま
って、実際にやってみようではないか。
行政の方につきましては、ハザードマップを順に作る場を設けたり、住民と話し合い避
難所を指定する。民間会社でアパートの協定を結ぶなど、もしもの時の対策を住民と一緒
に考えることが大切ではないか。
(8)
Eグループ
「子育ての孤立化は、親の意識の問題か」
配布された資料に、地域課題を3つ挙げてありましたので、あえて子育ての孤立化を選
びました。
子どもたちが、地域行事に参加していないという問題点の理由は、子どもは参加したい
のですが、その親が「面倒くさいから参加しないように」と言っているとのことです。
海水浴やプールということになると、「何かあったときに誰が責任を取るのか?」とい
う話をすぐ出されるので、役員が重圧を感じる。その場に親が一緒に付いて行っても、役
員さんだけが子どもの世話をして、親はそこで楽しんでいる。そういった親としての自覚
がないという問題が挙げられました。
クラブだ、部活だ、社会体育だということを優先して、地域行事の大切さというのを親
が把握していないという問題点が出ました
解決策としては、①地域での市民自らの協働という中で、親が子どもに教える。「私が
私の親に教わったことを、地域に教える」という流れが、今は途絶えてしまっている。そ
こをうまく活かすためには、地域で人と交わって地域の高齢者だとか大人の人から教えて
いただく。そういう機会を、作らなければいけないのではないか。②親の意識を変える。
地域、身内など、人が集まる場所に出かけていく。③若い人だけでの行事、若い世代を中
心とした行事をさせることも、必要ではないか。
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4 ふりかえり
◇女 性◇
年齢的に、ちょっとハードは研修だったと思いました。皆さんプレゼンが上手なので勉
強になりました。結局、どこでも同じような地域の悩みを持ってらっしゃるなということ
で、まだまだ自分の中で消化できないものがありましたけれども、明日もいろいろ学んで
自分の力になればなと思っています
◇男 性◇
課題の見つけ方、解決の仕方を学ばせて頂きました。ありがとうございました。
解決できない課題はないと感じております。
◇女 性◇
今日初めて参加させていただきました。これまで色々と青少年問題や地域の問題に関わ
ってきたことで、経験は豊富なつもりでおりました。いま一生懸命働いていらっしゃる皆
様の熱意といいますか、その熱さに圧倒されました。
私ども高齢者は、これからはここまでの経験を静かに何か活用してもらえるように手助
けが出来ればいいかなと思いました。
◇女 性◇
“課題は解決するためのもの”ということを、今日実際にグループワークの中で体験さ
せていただきました。そのことが、地域に帰ってボランティアに関わらせていただく中で
大変意義があったものだと感じました。
4 問題解決提案シートの実際
〔1〕ゴミ収集の問題
- 90 -
〔2〕高齢者の買い物支援
5 まとめ
目先の問題を解決するだけではなく、その人を取り巻く様々な人や組織、制度の問題と
しっかり向き合うよう考えなければ、これからの地域づくりやボランティア活動を進める
上で、そのねらいや中味がブレてくることを心したいですね。
明日は、地域で生きる「問題を抱える人」や「私のこれからの暮らしの保険づくり」に
焦点をあて、「いかに支えるか」や「いかに支えてもらうか」について考えていきたいと
思います。
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