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資料2 [PDFファイル/373KB]

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資料2 [PDFファイル/373KB]
医
療
機
器
管
理
の
実
際
と
問
題
点
りんくう総合医療センター市立泉佐野病院
CE室主幹
渕
脇
栄
治
ただいまご紹介いただきま
した市立泉佐野病院の臨床工
学技士の渕脇です。よろしく
お願いします。
CEということで、あまり
話す機会もございませんので、
多々不手際があると思います
けれども、よろしくお願いい
たします。
医療機器の管理の実際と問
題点ということで、実際にり
んくう総合医療センター市立
泉佐野病院の臨床工学技士がどんな形で取り組んでいるかということをお話させていただ
いて、各病院の参考になればと考えております。
話の順番としては、医療機器
の管理の理想的な姿として、
私が考えていることをお話し
させていただいて、りんくう
医療総合センターでは、機器
の管理及び貸出しをどのよう
にやっているのか。次に、今
考えている問題点というのは
どういうところにあるのか。
最後に、こういうふうにでき
ればいいなと私が思っている
ことをお話させていただきた
いと思います。
●1−1.医療機器の中央管理
医療機器の管理に関しては、
一般的には、ライフサイクル
をすべて計画的に管理できれ
ばいいと考えられています。
しかし、実際は、購入して、
潰れたら廃棄するということ
が多いのではないか。理想で
言うと、医療機器の購入とい
う形で、各部署ごとにドクタ
ーなりナースからこういう器
械を買ってほしいという要望
が出て、それを審査にかけて
買う。次に機種を選定して、
安全性・性能、経済性等を考
慮して決める。そして納品し
て、検品する。部署では、使
用者の教育を行って、使える状態にして、マニュアルは、メーカーから供給されています
が、えてして使いにくいとか、難し過ぎてわかりにくい場合が多いので、その病院に合っ
た形のものをつくって、使用している部署が多いと思います。そして、使用に当たっては、
定期点検があって、故障したら修理して点検するという形で使われていると思います。
耐用年数が過ぎてくる、もしくは故障が頻回になってきたら廃棄する。または、例えば
呼吸器が潰れて、呼吸器が必要であるというならば、更新する形で買うという形になると
思います。
●1−2.医療機器の中央貸出し
先ほどは購入と管理という
ことでしたが、医療機器の貸
出しに関しては、理想的には、
すべての医療機器を中央のも
のという形にして、各部署に
定数配置する。管理も部門で
やってもらう。そして使用に
当たっては、使用中・使用後
に点検して、安全と性能を確
保して、中央貸出しの機器で
あるということで、医療機器
の台数を最適化する。
次に、当院でもよくあるの
ですが、故障したり、使用し
なくなった部門が出てきた場
合、中央部門の器械であると
いうことをうまく適応させて、中央から各病棟に入れ替えるという形で運用を行う形が理
想的ではないかと考えています。
また、医療機器の購入に関しては、臨床工学技士の立場で、病院全体を考えて、バラン
スよく購入することができるようになるのが理想であると考えています。
●2−1.機器の購入と納入
では、実際に市立泉佐野病
院でどういった形で医療機器
が購入されているか。おそら
くどこの病院でも同じだと思
いますが、各部署で年に2度
3度、医療機器の購入委員会
が開かれて、ヒアリングが行
われて、予算を鑑み、もしく
は、こう言ってはなんですが、
力関係によって購入機器が決
まって、次にどういう形の機
種を選ぶかという機種選定委
員会が開かれて、性能、安全、
経済性を考えて、機種を決め
る。購入時には、仕様を確認
して、入札して、入ってくる
という形になっています。
ここで言いたいことは、3年前くらいまでは、機種を決めて、仕様書を決めると、購入
する段階では、その仕様書で買うという形が一般的だったのですが、最近は融通を利かせ
ていただいて、例えば決まってから購入までに半年も空くと、機種が変わっていたり、仕
様が変わっていたり、現場の要望が変わっていたりすることがよくあります。そういった
ものに関しては、購入段階で、仕様をもう一度練り直して、了解を得た形で、委員会で決
まったものに少し変更を加えた形で購入できるような形になっています。
次に、医療機器の納入ですが、入ってきて、検品して、備品登録する。ここに書いてあ
る備品登録は、あくまでも事務方で、会計上、減価償却をするための登録を行ってくれて
いるようです。ただし、この中には、臨床工学室で管理している方の登録は入っていませ
ん。
●2−2.医療機器の管理
これは2つあります。
一つは、事務による備品管
理です。これは購入したとき
に、お金を払ったという記録
が残っています。それと会計
上の減価償却機器の記録です。
もう一つは、臨床工学室で
は医療機器のデータベースを
つくっています。これも不完
全なもので、あくまで臨床工
学技士がかかわっているもの
に関するデータベースしかで
きていません。それと修理や
点検があるので、それに関し
ては、さらに細かいデータベ
ースがあって、基本データを登録した形になっています。
●2−3.管理システムの変遷
当院は 1997 年に新築移転し
たのですが、それから約 10 年
間、どういう形で医療機器の
データが管理できるようにな
っていったかということを表
したものがこれです。
1996 年当時、まだ透析記録
と心カテデータしか私たちは
かかわってなかったので、そ
のときのデータを管理するよ
うになり、翌年(97 年)新病
院ができたときに、オーダリ
ング、SPDなどが導入されて、院内にインターネットが引かれるようになりました。
翌年(98 年)に、臨床工学室では、医療機器データベース及び人工心肺の記録をコンピ
ューターにスタンド・アロンでデータを管理するようになりました。その翌年に「2000 年
問題」があって、臨床工学技士もしくは病院の先生方はかなり困ったと思うのですが、こ
のときに、病院内の医療機器のデータをすべて洗い直すことができて、このときのデータ
がかなり助かっています。それまでは、事務方で「買った」という記録はあるのですが、
現場になかったり、病院では買ってないのですが、先生方が借りて、そのまま病院のもの
になっているもの等が結構あって、帳簿上のものと実際のものが全然合ってないという状
態でした。
それから1年後に、医局にはLANが引かれていたのですが、これは内輪の話ですけれ
ども、病院が立ち上がるときに、病院側に「自由に使えるインターネット(LAN)を引
いてほしい」という要望を出したのですが、お金にならないこと、もしくは医療に直接か
かわりのないことに関してお金を出すわけにいかないということで、引いてもらえなかっ
たという経緯があります。
ただ、医局のドクターたちは、学会発表等でどうしてもネットワークが必要であるとい
うことで引いたわけです。私たちもそれが使いたくて、屋根裏をはい回って、ネットワー
クを医局からCEの部屋、もしくは作業している所まで引っ張り回して、ネットワークを
組んだという経緯があります。
翌年の 2001 年には、ファイルサーバーを立ち上げて、データベースをなるべく一元化す
るようにしました。
ここでは、複数のPCなので、CEが机に1台、1台コンピューターを持っていて、そ
れにデータを管理するという形になっているために、個々ばらばらにデータがあって、非
常にやりにくかったのですが、LANができたということで、サーバーを1台立ち上げて、
そのサーバーのデータを自分たちのコンピューターで開いて、データ入力するという形に
替えました。
2002 年になって、ドクターの理解が深まったということで、お金を少し出していただい
て、速いPCを自分たちでつくって、管理するような形にしました。
翌年(2003 年) には、LANを引いていたのが、また認められたというか、いろいろ働
きかけることによって、
病院全体でLANを引くという形になって、少しお金が出たので、
病院全体で、インターネットにつながるオーダー医事に関係のないインターネット、LA
Nを引いてもらえることになりました。
翌年の 2004 年には、貸出しをノートでやっていたのですが、書き忘れとか、書くのが面
倒くさいということもあって、2000 年ごろにUSBという規格ができたおかげで、バーコ
ードリーダーが簡単にコンピューターにつくようになって、CEの方でバーコードを買っ
て、バーコードでME機器を管理するようにしました。
2005 年には、後でまた話をしますけれども、医療機器を貸出しする場合に、どうしても
マウス操作が入ってきます。借りに来るのは、ナースというよりも、補助婦さんとか、コ
ンピューターに非常に不慣れな方が多かったので、マウスを使って、こうしてこうやって
くださいという指導をするのに、多分1年くらいはかかったと思いますが、その後、US
Bのパッチパネルが安く手に入るということがわかったので、タッチパネル用のCRTを
買って、バーコードを付けて、マウス操作なしで器械の貸出しをしていただけるような形
のものをつくりました。
そして、2006 年、現在やろうとしているのは、Webベースで、ネットワーク上のどこ
でも、ME機器はどんなものがあって、借りに行けるかということがわかるような形にで
きればいいなと考えています。
●修理点検依頼伝票1
これは立ち上げ当初の修理
伝票ですが、私が病院に来た
ころは、臨床工学技士という
認識が全くなかったので、最
初にさせていただいたのは、
看護婦及び病院のスタッフを
集めて、臨床工学技士とはど
ういう仕事をする職種である
かということをプレゼンさせ
ていただきました。そして、
呼吸器の管理を始めたり、輸
液ポンプの管理を始めるとい
うことを進めていきました。
これは、最初に修理点検伝
票をつくって、病棟に配った
ものですが、当初は、輸液ポ
ンプ、シリンジポンプ、パルオキシメータ、ネブライザー、人工呼吸器、加温加湿器など
を私たちは修理しますという形で、アナウンスして、修理伝票も、コンピューターでつく
って、プリントアウトして、ノートをつくって、それを各病棟に配って、事務には「こう
いう形で修理を扱うので、流れを変えてほしい」という交渉をして、運用を始めました。
下に「2枚複写」と書いてありますが、当時はどういう動きになるかもわからないし、
自分ができるかどうかもわからなかったのと、2枚複写は印刷してもらえなかったので、
カーボン紙を挟んでもらって、上に書けば、下も写るという形で看護婦に運用してもらい
ました。
●修理点検依頼伝票2
これは次に作ったもので、
3枚綴りの印刷を事務にお願
いしたのですが、これだけの
機種です。大分増えています
が、これはCEの方で修理し
ます。
「その他」というのが入って
いるのは、これに該当しない
ものも見てほしいという意見
が多かったからです。例えば
血圧計がおかしいので見てほ
しいとか、個人的にノートパ
ソコンがおかしいのだけど見
てくれないかというのはよく
ある話だと思います。
●2−4.医療機器保守管理記録
これは、ファイルメーカー
というデータベースソフトを
使って、CEが自分たちでつ
くった機器管理のデータベー
スです。
●2−5.医療機器基本台帳
●2−6.ME機器画像
先ほどの最初につくった分
で、これは「2000 年問題」の
ときに、器械を全部入力しれ
なければなかったので、器械
を全部入れるためのデータベ
ースをまた1作って、次に、
「写真がないとわからない」
という意見が出たので、写真
だけを入れるような形のデー
タベースを追加しました。
●2−7.医療機器の中央貸出し
これは実際の医療機器の中
央貸出しのところですが、見
てわかるように、非常に汚い
です。私の病院は市民病院で、
360 床くらいありますが、非常
に臨床が忙しい。透析があっ
て、カテがあって、人工心肺
があって、病棟での透析とか
呼吸器とか全部見ていますの
で、6人スタッフがいるとは
いえ、とてもMEをやってい
る時間はないので、こんな形
になっています。
阪大などでは、貸し出した
ものが返ってきたら、すべて
点検して、出すという形をと
られているようですが、当院では、どちらかというと、各病棟にシリンジポンプを固定で
定数配置して、余っている分は中央に集めて、それを各部署が使ったら返してもらってい
ます。台数を少なくするという形で使っています。
こちらにあるのは貸出しのコンピューターで、これはマウスがあるので、一つ前のバー
ジョンで管理してもらっています。このコンピューターが入る前は、ここにあるノートに
書いてもらうという形で運用していました。
このときの問題点は、借りていくときは書くのですが、返したときに、その借りた記録
を探すことができないので、新たに返した記録を書きます。そうすると、貸し借りのマッ
チングが私らは時間がないので取れないので、結局病棟の看護師さん、補助助手さんには
申しわけなかったのですが、記録する練習を何年間かしていただきました。
●2−8.医療機器の中央貸出し
これは次の新しいバージ
ョンですが、マウスとバーコ
ードリーダーを使用してい
ます。CRTのタッチパネル
の画面ですが、押すことと、
バーコードがME機器に付
いていますので、それで貸出
しをしてもらうという形に
しています。
本当に困ったのは、このマ
ウスで看護助手さんに操作
してもらうのに、こういうふ
うに置いているのですが、反対に向けてやろうとして、結局使えなくて、CE室まで来ら
れて、
「すみませんが、マウスが使えないので教えてください」ということが2∼3カ月続
きました。しかし、終わりのころには、普段コンピューターを使っておられないと思うの
ですが、上手にマウスを操作して、貸し出して、持って帰って、また返すという形になり
ました。今はタッチパネルになっていますので、ピッピッピッと押して、借りていくとい
う形です。
言い忘れましたが、これは当院の臨床工学技士がつくったというか、プログラムを書い
たのですが、実際にはファイルメーカーでつくっています。このディスプレーは、どこか
のオーダーの端末の中古です。これが本体ですが、これも新病院が立ち上がるところに入
っていた画像端末なのですが、要らなくなったので、もらってきたものです。バーコード
リーダーは今2万円くらいだと思います。タッチパネルはたしか5万円もしないと思いま
す。これらワンセットで、多分 10 万円はかからないと思います。それだけあれば、あとは
労力さえ使えば、何とか無人で、輸液ポンプ、シリンジポンプ程度なら貸し出しができる
と思います。
●3−1.データの一元化
今考えている問題点ですが、
医療機器は、事務の備品管理
のデータと、施設課で扱って
いる修理・点検データ、そし
て臨床工学室にある医療機器
の管理データと、あっちこっ
ちに分かれていて、別々に管
理されているというところに
非常に問題点があると思いま
す。
次に、うちは、公務員だか
らなのかもしれませんが、す
べてのデータがデジタルになっているわけではなくて、ノート管理されているのがたくさ
んあって、どうなっているのか、いざ検索しようと思っても、検索できないというのが現
実です。
あと、データが、コンピューターには入っているのですが、ネットワークが組まれてい
ないので、
「だれだれさんのコンピューターの中に入っているデータで」と言われて、そこ
から前に進まないということがよくあります。
●3−2.定期点検
定期点検は割合できている
病院だと自分たちでは思って
いますが、きっちり定期点検
ができているのは、人工呼吸
器、人工透析装置、人工心肺
装置くらいです。
また、定期点検のメンテナ
ンス契約を結んでいるわけで
はなくて、スポット的に年に
1回やってもらうのは、麻酔
器、IABP、VAD、患者
監視装置、保育器などです。
これも予算組みしているわけではなくて、修理の中で対応してもらっています。
次にあるのは、故障点検で、潰れたときに、修理と点検を一緒にしてもらうという形で
運用しています。
●3−2.その他問題点
どこの病院もそうだと思い
ますが、医療機器を管理して
ほしいと言われても、場所が
ありません。ひどい場合は、
廊下で管理されているところ
もたくさんあると思います。
臨床をやっているCEさんに
「やってほしい」と言われて
も、なかなか時間が取れませ
ん。当院でも、実際にME機
器の管理ができるのは月曜日
と水曜日だけで、あとの時間
に関しては、人工心肺が終わって、少し時間ができた夕方の6時くらいから修理品がたま
ってきたのでやるという形で対応しているのが現実です。
あと、事務や医療スタッフは、臨床工学技士の免許を持っているのだからできると考え
るかもしれないのですが、なかなか難しくて、実際には指導してくれる上司がいたり、メ
ーカーなり業者からしっかりしたことを学ばないと、修理とか点検はできません。
今問題になっているのは、若い臨床工学技士さんたちが現場に出て、そこで修理や点検
をされるのですが、メーカー、業者の方から言われることは、実際にその方たちに能力が
あるかどうかを検定するところがない。修理されたものが大丈夫かどうかをいったいだれ
が見るのか。20 年、30 年経験を積んでいる人から見ると、たかが出てきて1年か2年しか
たってない人間が修理したものが本当に現場で安全に使えるのかと言われると、ちょっ
と?です。
どこかで「あなたはこれに関しては修理しても大丈夫だよ」という形の講習をしていた
だいて、お墨付きをもらった人間がやるという形にしていかないと、ちょっと安全面では
難しいかなと考えます。
●ME機器管理システム
これはお手元の資料にない
のですが、医療機器を管理す
る方法です。臨床工学技士さ
んにしろ、ほかの病院でよく
聞かれることは、コンピュー
ターがないからとか、ソフト
がないから管理できないのだ
と言われるのですが、ベース
はここだと思います。
ノートで管理して、ノート
で管理できたら、コンピュー
ターに入れる。コンピュータ
ーに入れることができたら、
ソフトを何とかしてもらうと
いうのが基本だと思います。
ですから、コンピューターが
ないから管理ができないというのは、ちょっと論外だと思っています。ノート管理をしっ
かりやって、自分のスキルを上げて、表計算ソフトなり、データベースソフトでプログラ
ムを組んで、それでうまく回ったら、病院にお金を出してもらって、それなりのところで
つくっているものを利用させてもらうという形をとるべきではないかと考えています。
なお、これだけしかME機器管理ソフトを挙げてないのは、この3社しか思いつかなか
ったのと、資料を持ってなかったからですが、現在、恐らく上の2社(KOISO 、ムトウテ
クノス)はきっちりし、ME機器の管理ソフトを販売されていると思います。
「やよいさん」
に関しては、開発中で、一部の病院で運用されていると聞いています。
●4.臨床工学室の目標
型的には何とかできている
のですが、やはり院内LAN
をきっちりつくって、どこで
もデータを一元管理できるよ
うな形にしていかないと、将
来的には回っていかないだろ
うと考えています。すべての
医療機器の修理・点検、定期
点検をするのが理想的なので
すが、なかなかできないと思
うので、先ほど言われていた
ように、定期点検する器械を
選択する。この器械とこの器
械は絶対に定期点検をする。
それ以外に関しては、優先順
位を決めて、低い方は故障点
検だけで終わらせるのだということを、病院全体の合意で決めるような形にしない限り、
適切に管理していくのはちょっと難しいのではないかと考えています。
●個室で使用する人工呼吸器の安全
当院でやっている安全面の
話ですが、これはパルスオキ
シメータです。当院では、個
室では人工呼吸器を使わない
ということで設計されている
のですが、実際に立ち上げて、
運用してみると、個室で人工
呼吸器の使用は多々あるわけ
です。そうすると、各病棟、
50 床あって、準夜帯、深夜帯
は3人のナースで管理されて
いますが、個室で呼吸器がピ
ーピー鳴っていたとしても、恐らく反対側で業務をしていたら何も聞こえないと思います。
だから、何か事故があったら、とんでもないことになるので、何とかしてほしいという要
望があって、アラームが鳴ったら信号を出せるというパルスオキシメータがあったので、
それをナースコールに直結して、パルスオキシメータの警報が鳴ったら、ナースコールが
鳴るという形にさせてもらって運用しています。
そのナースコールに関しても、今まではハンディカムという特別なトランシーバーだっ
たのですが、PHSを導入して、どこにいても、どの部屋のアラームが鳴っているかがわ
かって、そこは人工呼吸器を使っている人がいる部屋だとわかるようにしていただきまし
た。
●個室で使用する人工呼吸器の安全
これは人工呼吸器です。先
ほどの医療センターさんの場
合は、二十何機種でしたか、
たくさんの機種の呼吸器が入
っているようでしたが、当院
は、すべての人工呼吸器が中
央管理という形になっていま
して、病棟には、エビタとい
う機種と、サーボという機種
の2機種しか入っていません。
前はたくさん入っていたので
すが、買い換えのときに、先
生の意見は全く聞かずに、エビタに統一させていただきました。そのエビタが出たときに、
ナースコールの出力が出るボードが販売されたので、それを全部入れさせてもらって、そ
れをナースコールにつないで、呼吸器がつながっている場合は、直接ナースコールが鳴る
という形で運営しています。
これができたので、パルスオキシメータが要らなくなると思ったのですが、呼吸器で運
用していると、ファイティングがあって、頻繁に警報がなる方がいます。あまりにも警報
が頻繁に鳴るので、これではナースが対応できない。その場合は、新しい人工呼吸器を使
用した上で、ナースコールにはこの機器にはつながずに、パルスオキシメータを間に置か
せてもらって、そのパルスオキシメータをナースコールにつないでいます。患者さんのガ
スが悪くなったときだけナースコールが鳴るという形の運用をしています。
●ナースコールと連動する警報システム
これはCEさんがつくった
簡単な回路ですが、オペアン
プがあって、リレーがあって、
ナースコールが鳴ります。何
を使っているかというと、こ
れはCEとしては絶対やりた
くないのですが、病棟でCH
DF(透析)をやることがあ
ります。ただ、当院の人員で
は、24 時間、ずっとつきっき
りで透析することができない
ので、無人運転になります。
警報は鳴るのですが、それに対応するのが非常に遅れます。ただ止まっているだけなら、
回路を捨てて、組み直せばいいのですが、静脈ライン、もしくは脱血ラインとか、返血ラ
インが抜けると、しゃ血する形になって、即お亡くなりになるという場面が出てくる。そ
れは困るということで、
実際には、これは普通のパルスオキメータのプローブなのですが、
それとオペアンプとリレーで、警報が鳴ると、赤いランプ又は緑でもいいですし黄色でも
いいですがランプが点滅します。それをパルスオキシメータの受光部で拾って、リレーを
作動させて、ナースコールが鳴るという形で運用しています。
これは自家製でつくったものですが、セーフティーが何も入っていません。したがって、
これが潰れたとしてもわからないので、小さい会社に頼んでつくってもらったのがこっち
の器械で、現在、3台あります。機能としては、現在、呼吸器がサーボとエビタとありま
すが、それ全部につながるようなコネクターをつくってもらって、光に対応するものと、
光が出ないのもあるので、マイクを付けてもらって、ピーピーピーと鳴った音を感知して、
警報を聞いて、ナースコールが鳴って、ナースにわかるという形のことをやっています。
●学会の検定試験や認定士
臨床工学技士は病院に1名
とか2名とか、しかも 23 歳と
か 25 歳という若い方しかいな
いというところもたくさんあ
ると思います。そういったと
ころで、CEさんがどれだけ
の力を持っているのかを見る
のに、私たちには尺度があり
ません。これはMEの2種で、
MEの認定士なのですが、学
会がやっているものがあるの
で、上に立たれる方がおられ
たら、そういったものを取って、実力を上げてもらうという形をとっていただくとありが
たいと思います。
●製造メーカーの講習会
これはメーカーのもので、
医療ガスの講習です。
●その他の講習会・検定試験
これは医療情報について運
用・保守を行う技術者の検定
試験です。
ちょっと雑多な話になって
申しわけありませんが、臨床
工学技士は生まれてまだ 18 年
しかたってなくて、まだ成人
もしてない段階なので、でき
ること、できないことたくさ
んあると思いますが、温かい
目で見ていただけるとありが
たいと思っております。
ご清聴ありがとうございま
した。
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