...

農作業受委託契約と農地法第3条との関係について

by user

on
Category: Documents
198

views

Report

Comments

Transcript

農作業受委託契約と農地法第3条との関係について
農作業受委託契約と農地法第3条との関係について
平成 18 年 9 月 5 日事務連絡
北陸農政局生産経営流通部構造改善課長から
新潟県農地部農地管理課長あて
標記のことについて、別添のとおり平成 18 年8月 25 日付け事務連絡をもって農林水産省経営局
構造改善課長補佐(農地調整班担当)より通知があったので、お知らせします。
また、貴県管内市町村農業委員会に対して貴職より周知をお願いします。
なお、全国農業会議所より各県の農業会議あてに同様の内容が通知されていることを申し添えま
す。
農作業受委託契約と農地法第3条との関係について
平成 18 年 8 月 25 日事務連絡
農林水産省経営局構造改善課課長補佐
(農地調整班担当)から
北陸農政局生産経営流通部構造改善課長あて
農地法関係事務の適正かつ円滑な執行につきましては、日頃よりご尽力を賜り誠に有り難うござ
います。
ご承知のとおり、先般、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律(平
成18年法律第88号)が公布されたところです。
この法律に基づく品目横断的経営安定対策への加入については、一定規模以上の田又は畑の経営
面積を有していることが要件の一つとされており、具体的には、所有権又は使用収益権を有してい
る田又は畑の面積のほか、一定の農作業受委託契約に基づき農作業の委託を受けた田又は畑の面積
も経営面積に含めることができることとされております。
これに関連し、標記について各所から照会があるため、今後の農地法の適切な運用を図る観点か
ら、その考え方を整理し周知することといたしました。
つきましては、下記事項にご留意いただき、引き続き農地法の適切な運用がなされますよう、特
段のご配慮をお願いいたします。
記
1 農地法第3条が規制の対象としている「使用収益権の設定又は移転」に該当する行為の考え方
(1) 農地法第3条においては、農地に係る権利の設定又は移転をする契約により、
① 権利の設定等を受けた者(以下「被設定者」という。)が当該農地を用いて行う農業経営
の方針決定を行い(=経営主宰権は被設定者に帰属)、
② 当該農地において生産された農産物の所有権を被設定者が有し、
③ 被設定者から設定者に対し、設定された権利に基づく対価が支払われること
となるものについては、使用収益権の設定又は移転があるものと判断し、許可の対象としてい
るところである。
(2) 一方、上記(1)に照らせば、
① 委託者が当該農地を用いて行う農業経営の方針決定を行い(=経営主宰権は委託者に帰
属)、
② 当該農地において生産された農産物の所有権を委託者が有し、
317-1
③ 委託者から受託者に対し、委託した農作業に対する対価が支払われること
となる農作業受委託契約については、使用収益権を設定又は移転したものではないと判断され
ることから、農地法第3条の許可を必要としていないものである。
2 品目横断的経営安定対策における農作業受委託契約と農地法第3条との関係
(1) 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律施行規則(平成 18 年農林
水産省令第 59 号)第1条において、経営面積に算入することのできる農作業に係る受委託契約
については、
① 受託者が農産物を生産するために必要となる基幹的な作業を行うこと
② その生産した農産物を当該受託者の名義をもって販売すること
③ その販売による収入の程度に応じ当該収入を農作業及び販売の受託の対価として充当する
こと
を約したものに限ることとされているところである。
(2) これらの要件に合致する農作業受委託契約に基づき農作業受託を行うことについては、
① 受託者が基幹的な農作業を行うこととしても、委託者自らが営農計画を決定すること又は
受託者が営農計画の内容を定めるもののその最終的な決定に当たって委託者がその受否を示
すことができるものであれば、委託者に経営主宰権があると判断できること
② 生産した農産物を当該受託者の名義をもって販売することとしても、委託者から委託を受
けて販売するものであればその農産物の所有権を委託者が有していると判断できること
③ 販売による収入の程度に応じ当該収入を農作業及び販売の受託の対価として充当すること
としても、受託者が得る収入は農作業及び販売の受託の対価であること
から、農地法第3条の適用関係において、同条の許可の対象となるものではない。
317-2
Fly UP