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発行: 発行:神奈川県立川崎図書館 No.5 No.58(2010 2010 年 9 月) 鳴く虫の世界へようこそ き じゅんび か い し 秋に向けて歌声を聴かせてくれる虫が準備開始です。でも、鳴き声って言うけれど鳴く虫のなき 声は、二つの羽から出ています。そして、鳴く虫の耳は、左右の前足にあり、両足に届いた音の じょうほう とうぶ のう ぶんせき 情 報 が、頭部の脳に伝えられて分析されているのです。人間の耳とはずいぶん違っていますね。 美しい歌声の目的は・・・。鳴く虫の耳ってどんな耳?きれいな写真とともにこの本が教えてく れます。 (『鳴く虫 観察事典』小田英智/著 偕成社 2007 年請求記号 486) チンチロリン♪ 秋の夜に鳴いている虫はどんな虫?? 秋の夜には鳴いている虫が多くなります。コオロギは「コロコロコロリー。」 スズムシは「リーリリィーリリィ。」とても良い音色です。 「チンチンチンチロリン。」と鳴いている虫はマツムシ。 「ガチャガチャガチャ。」と鳴いている虫はクツワムシ。 しかし、なかなかその姿を見ることはできません。 すがた かくにん いろいろな場所で鳴いている虫たちの声と、その 姿 を、確認できる絵本があります。聞こえて ねいろ くる音色で、鳴いている虫の姿を調べてみませんか。 (『なく虫ずかん みるずかん・かんじるずかん』 松岡達英/著 福音館書店 1991 年 請求記号 486) ここに虫めがね コオロギやウマオイの鳴き声が近くで聞こえていても、なかなかみつかりません。それは草の葉 に ほ ご しょく に似た色や、土の色に似せた保護 色 という色が体の色だからです。鳴く虫たちは、保護色でま てき わりの世界にとけこみ、姿をかくして、敵から身を守っています。 鳴く虫の祖先は2億5千万年以上大昔に存在していた!! もく 「鳴く虫」とよばれる虫たちは昆虫の世界ではバッタ目というグループに入ります。バッタ目を なかま 大きく分けると、キリギリスの仲間、コオロギの仲間、バッタの仲間になります。「鳴く虫」と のぞ いうときにはコオロギとキリギリスの仲間だけでバッタの仲間は除かれます。キリギリスなどに こんちゅう か せ き よく似たからだの 昆 虫 化石は、今から2億5千万年以上の大昔から見つかっていて、鳴く虫の そせん ころ 祖先はその頃から生きていました。世界中にはコオロギの仲間 しゅ が1万1000種、日本には326種。キリギリスの仲間は6 39種、日本には130種がわかっています。しかし、わたし ちいき たちの身近な場所にいるものは、そんなに多くなく地域によっ かぎ おも て限られています。日本国内で主なものは、コオロギの仲間が しゅるい 『こころにひびけ 約87種類、キリギリスの仲間は約58種類が知られています。 (『こころにひびけカンタンの声』 矢島稔/著 カンタンの声』より 偕成社 2007年 請求記号 486) 草むらを虫(ちゅう)目☝ 私たちの国では、昔から鳴く虫を絵に描いたり、歌に歌ったり、声を聴く会を した 開いたりして、鳴く虫に親しんできました。江戸時代には、虫屋さんが屋台を しいく かついで、鳴く虫を売り歩きました。スズムシを飼育してふやせるようになっ たのも江戸時代のことです。 ほうふ しんたい け ん さ 草むらの中にいる鳴く虫の種類は豊富です。鳴く虫の身体検査をすると、それ からだ ぞれのすみかや、暮らしにあわせて鳴き声や身体のつくりを変えていることがわかります。鳴く 虫の活動は、まわりの温度に左右され、暑い日には夜だけ鳴いているエンマコオロギも、九月に すず めいあん えいきょう なって、涼しくなってくると昼間にも鳴くようになります。一方クツワムシは、光の明暗の 影 響 で鳴き、昼でも暗くすると鳴きます。 (『鳴く虫の世界』 小田英智/文 佐藤有恒/写真 あかね書房 2006 年 請求記号 486) 鳴く虫が隠れている植物 れている植物~ 植物~観察途中でちょっと 観察途中でちょっと休憩 でちょっと休憩~ 休憩~ かく はぎ 鳴く虫が隠れている植物にも目を向けてみてください。ススキや萩、コスモスは 秋を代表する植物です。学校でも育てることができます。 らくようじゅ それからケヤキやイチョウなど葉の落ちる落葉樹には枝に色々な顔があります。 よう 葉こんといって落葉樹が葉を落としたあとにできるコルク質のまくです。水や ようぶん 養分を運んだあとが、まるで何かの顔のように見えるのです。また、秋の植物に くさきぞめ かご は、草木染ができたり、つるで籠をつくったり、葉っぱでお面を作ったり、楽しめるものがたく さんあります。 (『学校で育てる植物の図鑑』 (『植物あそび』 おくやまひさし/文・写真 ながたはるみ/著 福音館書店 1998 年 ポプラ社 2009 年 請求記号 470) 請求記号 470) 秋の植物に虫めがね ハギ ススキ キキョウ ナデシコ ななくさ オミナエシ まんよう フジバカマ クズ かじん よ この七つの植物は『秋の七草』です。万葉の歌人山上憶良(やまのうえのおくら)が歌の中で詠 ほうき んで以来、日本の秋を代表する草花として親しまれています。その昔、ハギは 箒 に利用された やくそう さまざま り、フジバカマはシャンプーに、ナデシコは薬草に、と様々な活用法がありました。この七草が ちが 生えている場所に鳴く虫たちがいます。でも、『春の七草』と違って『秋の七草』は姿を楽しむ ざんねん ためのものなので食べられないのがちょっと残念…。 昆虫学者ジャン=アンリ・ファーブル こんちゅうがくしゃ ジャン=アンリ・ファーブルは、フランスの 昆 虫 学者です。身の回 かんさつ こんちゅうき りにいる昆虫を観察した『ファーブル昆虫記』では世界中の人々に昆 虫のことや、観察の楽しさを教えてくれました。 まず 彼は南フランスに生まれ、貧しい中で育ちますが、生まれつき生き物 が好きで、本を読み、ものを考えることも大好きでした。大人になっ くろう て、苦労 しながら小学校の先生になり、勉強をひとりで続け数学や はくぶつがく がくい 博物学の学位を取りました。その後、昆虫を研究し、観察して発見し たことを『昆虫記』に記したのでした。 『ふんころがしのめいじん (『完訳ファーブル昆虫記 1~8』 集英社 (『ファーブル』少年少女伝記文学館 ここに虫めがね 2005~2010 年 三木卓/著 講談社 スカラベ』より 請求記号 486) 1990 年 請求記号 289 フ) ファーブルの大好きな虫 ふんころがし スカラベ もっと 『ファーブル昆虫記』の一番初めに出てくるのがこの虫。ファーブルが 最 も好きだった虫です。 こうちゅうるい そうしょくじゅう おも この虫は、甲 虫 類 ・コガネムシ科です。牛などの 草 食 獣 と呼ばれる動物のフンを主に食べる ふんちゅう 「糞虫」にはたくさんの種類がいますが、スカラベはその中で ので「糞 虫 」と呼ばれています。 せつだん ささ さかだ じょうたい も、糞を切断し、前あしで地面を支え、後ろあしで糞を押し、逆立ちの 状 態 で、ころころと別 えいようぶん の場所へ運びます。そして、糞の中にある栄養分を食べたり、卵をうみつけたりする虫です。こ くわ わか やす のスカラベを詳しく解り易く写真と文で説明したえほんがあります。 (『ファーブルえほん昆虫記 ふんころがしのめいじん スカラベ』 奥本大三郎/著 海野和男/写真 理論社 2010 請求記号486) 自然観察へ出かけてみる 夏から秋にかわり、よく見かけた昆虫や夏に咲いていた花は どのように変化したかな。実際に出かけて観察してみよう。 じゅんび 自然観察に行くときは、準備が必要です。昆虫だけでなく水 『飼育と観察』より の生物や、植物の観察の仕方などいろいろな生き物の、観察 ずかん の方法や飼育方法を教えてくれる図鑑があります。 (『飼育と観察』小学館の図鑑 NEO 小学館 2005 年 請求記号 460) 『飼育と観察』より ここに虫めがね 横浜自然観察の森 http://park15.wakwak.com/~yokohama/index.html えんかいざん 横浜自然観察の森は、円海山周辺の森最南端に位置し、日本で初めて、自然観察の森として 1986 ヘクタール 年に開園しました。横浜最大の森で、面積は 700 h a あり、カワセミやヤマアオガエルなどの 様々な生き物が暮らしています。 虫の音楽会と中秋の名月(お月見) ちゅうしゅう じゅうごや 虫たちが夜に音楽会を開く9月、満月を迎えると 中 秋 の名月、十五夜です。 しんげつ まんげつ 今年の十五夜は、9 月 22 日です。月は 15 日かけて新月~満月へと形をかえ だんご そな ます。日本では昔からススキやお団子のお供えをして、月を見るお月見の文 化がありました。満月をみているとうさぎがもちをついているようにみえま もよう すが、これは古くから中国で、月の模様をうさぎに見立てていた ことが日本へ伝わり、日本ではもちをつく文化があったため これが合わさって、そう言われるようになったそうです。 しかし、外国ではハサミをふり上げるカニに見られたり、ロバの形と言わ ちが れたりしています。地域と文化の違いで見え方も変わるのですね。 (『月の大研究』懸秀彦/監修 PHP 研究所 2009 年 請求記号 446) ヘチマに虫めがね ヘチマがどうした…。と思いますが意外にも十五夜に関連することがあるのです。 くき けしょうすい へチマの茎を切った切り口からあふれる水をヘチマ水といいますが、化粧水とし ちょうほう てや、たんや、せきをしずめる薬として、むかしから 重 宝 されています。お月 見の晩にヘチマ水をとると、一晩で 2 リットル近くもたまり、最高のヘチマ水が とれるといわれています。 (『そだててあそぼう ヘチマの絵本』 堀保男/編 野村俊夫/絵 農文協 2000 年 請求記号 618) 虫の形を折り紙で折ってみよう きんにく 虫を折り紙でも折ってみよう。筋肉トレーニングをするとき、どの部分の筋肉 いしき こうかてき をきたえているか意識することで、効果的なトレーニングになるといわれます。 ぶぶん りかい 折り紙もどの部分を折っているのか理解して折るときれいに折れます。 さぁチャレンジしてみよう! (『おりがみむしむし昆虫館』 山田勝久/著 誠文堂新光社 2007 年 請求記号 754) これらの本は1F やさしい科学コーナーにあります。ぜひ県立川崎図書館へご来館ください 〒210210-0011 川崎市川崎区富士見2 川崎市川崎区富士見2-1-4 TEL 044044-233233-4537 FAX 044044-210210-1146 図書館の 図書館の HP: HP:http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/