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当初コミッショニング過程

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当初コミッショニング過程
E − 10
空 気調 和 設備 の 当初 性 能 検 証( コ ミ ッ シ ョニ ング )の 実 践研 究
(第一報 )性能検証実施の 目的・ 実施体制
正会 員 ○虞 岡 正 (山 武 ビル シス テ ム㈱ )・ 玉 置 進 ・ 正 会 員 束 岡 直 彦 (㈱ 山武 )
特 別 会 員 中原 信 生 (環 境 シ ス テ ック 中原研 究処 )
は じめ に
建 築・設 備 、とくに 空 調 設 備 の コミッシ ョニ ン グ(性
能検証 ,
以下,
C x と略 す )は省 エ ネル ギー・地 球 環
境保 全 の観 点 か ら欧 米 で は 極 め て重 要 視 され 、
制度 化 と実 務 的 技 術 資 料 の整 備 が着 々 と行 わ れ
てお り1)
2)
、既 設 建 物 の C x は 民 生 用 エネ ル ギ ー
消 費 量低 減 に顕 著 な効 果 を上 げ るとされ て いる3)
。
一 方 、空 調 設 備 の 生 産 過 程 と維 持 管 理 過 程 を通
して技 術 の高 度 化 はめ ざましい が 、最 終 品質 につ
い て は未 だ 改 善 が 明確 に現 れ て い ない 。さらに ,
従来 の 生産・管 理 体 制 だ けで は、い ろい ろな側 面
で十 分 な透 明 性 が 得 られ に くくな っ て きて い る。こ
図−1 環 境技 術 セ ンター外観
れらの課 題 を解決 す るの に C x の導 入 が必須 であ
り、この ことは 国 際 的 な 共 通 認 識 で あ る。
中原 は、本 学 会 の委 員 会 内 に C x の指 針 作 りを
提案 、1 9 9 8 年 に基 本 指 針 案 3)
を作 成 し、さらに本
格的 指 針 を 策 定 す る た め に コ ミッシ ョニ ン グ 委 員
会を設 立 して検 討 を開 始 す ると共 に ,
実 効 ある指
針を作 るた め には 実 際 の ビル で の 実 証 が必 要 で
所在 地
構造
階数
建築 面積
延床 面積
:東京 都 大 田区
:鉄 骨造 鉄 骨ブ レース構造
:地 上 4 階
用途
竣工
:事務 室 お よび 研究 施設
:7 0 2 .
67 Ⅰ
ポ
:1 6 9 5 .
75 Ⅰ
滋
:2 0 00 年 9 月 14 日
あることを 痛 感 し、折 か ら施 工 段 階 に入 ろ うとして
いた巌 岡 の所 属 す る㈱ 山 武 ビル システムの 環 境
2 コ ミ ッ シ ョニ ン グ 実 施 の 目 的
技術 セ ンター 新 築 工 事 にて試 行 す ることを玉 置 と
2 .1 建 築 計 画 時 の建 築 主 と して の要 望
共に提 案 した 。同 社 及 び ㈱ 山 武(オ ー ナ ー )の 同
環 境 技術 セ ンタ ー の計 画 に お いて 、建築 主 と
意を得 て実 現 し、わ が 国 で最 初 の ケー ススタデ ィ
して 期 待 した機 能・ 性 能 の 一 部 を 以 下 に 示 す 。
ーとな っ た 。
①省エ ネル ギ ー、省 資源 の徹 底
本 C x プ ロジェクトにお い ては C x 生 産 段 階(企 画
∼受 渡 し)
の プ ロセ ス に 必 要 とされ る過 程 と文 書 化 、
②オ フ ィ ス 各 階 で 異 な る 空 調 方 式 を と る 。
③実験 室 で は周 囲温 湿 度 を −
50C ∼600C の範 囲 で 自
由に変更 が可 能 で、かつ 動 的な環 境 が再現 可能 で
技術 的 検 証 ツー ル の 立 案・試 行・実 証 を兼 ね る事
あ る こ と。
として参 加 各 位 に絶 大 な ワー クを要 請 した。本 連
④設備 の維持 保 全条件 を考慮 した設 計・施 工 で ある
報の連 名者 に 限 らず ,
直 接・間接 に本 C x プ ロジェ
クトに 携 わ って くだ さっ た 方 に先 ず もって 謝 意 を 表
明して お きた い 。
こ と。
これ らの 要 求 を 満 た す た め に は 必 然 的 に複
雑な 設備 構 成 (第 二 報 参 照 ) とな り、 ま た、 そ
れに対 して短 工 期 の 計 画 で あ っ た た め、 システ
1 環 境 技 術 セ ン タ ーの概 要
対 象 とな った環 境 技 術 セ ンター の 概 要 を以
下に示 す。
ムと して の 性 能 評 価 が 必 要 で あ る と判 断 され
た。 ま た 、 建 築 主 と し て の 経 験 に 不 安 が あ り、
第三 者 の コ ン サ ル テ ィ ン グ も 必 要 と し て い た 。
S tudy on I血ialC om issionm g Process 如 A d ualH V ÅC S ystem ofa N ewB u 山d 血 g
P a ル 1 :0 切 e cts a n d a n O 唱 a 山z 加ゎn o f th e C o m
空気 調和・ 衛 生工 学会 学術講 演会 講演論 文集 (2 0 0 1 .
9.
2 6 ∼2 8(京都 ))
is sio n m g P r叫 ∝ t.
H IR O O K A 「m dasbi et al.
−309−
1 ケ 月 後 に 正 式 に性 能 検 証 作 業 の 依 頼 が な さ
2 .
2
コ ミ ッ シ ョニ ン グ 採 用 の 目 的
れた 。 その 後 、次 項 に示 す体 制 づ く りが 開 始 さ
性 能 検 証基 本 指 針 3)
で は 性 能 検 証 の 目的 を以
下の よ う に 定 義 して い る 。
れた。 その ため、 設 計性 能 検 証 は 事後 に行 わ れ
る こ と と な り、施 工 に 対 して 影 響 を 与 え な い 範
「性 能 検証 の 目的 :建築 設備 システ ムが建 物 の生涯
囲で の 検 証 作 業 に と ど ま っ た 。 ま た 、 入 居 と 引
に亙 って、環境・エ ネル ギー並 び に使 い易 さの観 点 か
き渡 し検 収 の 日時 が前 後 して い るの は、入 居段
ら、 使 用 者 に と って 最 適 な 状 態 に 保 た れ る よ うに 、
階で の 残 工 事 が 終 了 す る の を待 っ て検 収 作 業
求 め に応 じで 性能 を診 断・検 証 し、必要 に応 じて発注
を 実 施 した た め で あ る 。
者・所 有者 或 い は使 用 者 に性 能 改善 法 を提 示 す る こ
と を 目的 とす る 。 こ こ に 環 境 と は 、 第 一 に 室 内 環 境
4 性 能検 証 の体 制 と役 割 分 担
の健 康・快 適性 の保 持 を言 い、第二 にエネル ギ ーお よ
性 能検 証 を行 うに 当 た って 、 まず組 織 構 築 が
び排 出物 質 を最 小限 に して 地 域・地 球 環境 保 全 に責
行わ れ た 。性 能 検 証 者 には、 技 術 的 な 資質・ 第
献 す る こ と を意 味 す る。 検 証 の 目的 を 全 うす る た め
三者 性 が 必 須 で あ る 。本 プ ロ ジ ェ ク トで は 性 能
に は こ れ を 建 物 の 生 涯 に 亙 っ て 行 う こ と が 望 ま しい 。
検証 者 の 大 半 を 本 学 会 コ ミ ッ シ ヨニ ン グ委 員
こ の 場 合 そ れ を 生 涯 性 能 検 証(ラ イ フ サ イ ク ル コ ミ
会の メ ン バ ー で 構 成 す る こ と で 条 件 を 満 た し
ッ シ ヨニ ン グ )と呼 ぶ 。」
てい る。 ま た、各 々 の責任 分 担 を明確 に定 義 す
る こ とで 、確 実 な検 証 作 業 が 実施 され る よ う計
上 記 に あ る性 能検 証 の 目的 は、 建 築 主 要 望 の
画され た 。
実現 性 を確 実 に す るも ので あ り、 また不 安 材 料
を軽 減 で き る も の で あ る と判 断 さ れ た 。
発注者
CA
(C om m lS61
0 nl咽
ま た 、 ビル デ ィ ン グ オ ー トメ ー シ ョ ン に 携 わ
A 止 k パtY )
性能検証一任 者
見られ る性 能 検 証 業 務 につ い て の 一 般 的 な 知
A d ヽ (s
o
r
ACA
(A d 一
喝
0&M
Cbm
設計束
見を 深 め る と と も に 、 B E M S に援 用 ツ ー ル と
事務局
S o ロ軸 ∩8 t
る もの の 立場 か らは、欧 米 にお い て採 用 事 例 が
m
168
10 1Ⅵ n g
A u th o ri∼)
reS1ヽ
dA/
〕
R)
こ
B
CA 代 人
総務
して どの よ う な 機 能 が 必 要 と さ れ る の か 、逆 に
ACM
被検 証 対 象 と して どの よ う な 試 験 が 適 用 され
6 1g
仏 66■
由 爪 Cく
,
m m lS 10r唱 M an8申 椅)
施工技 術者
設計
[b
l
申伽 技 術者
(〕0 n S t n」tjo n
C o 巾m l
En8 ∩8er
En8 neOr
P r o 鳥6 副O n 8 1
制御施 工
るの か 、 と い う技 術 的 な 課 患 を解 決 す る こ と も
性能 検 証 を実施 す る 目的 とな っ た。
C R F(C o m m l砧 jo n lr唱 R e la t l叩 P a 托1鮨 )
工事担 当粗描
3 性能検証作業 の概 略工程
性 能 検 証 の概 略 工程 を 図・2 に示 す 。
発 注書
O w 18「
設計
D0 6kn
空調施工
制卸施工
&0 伊 椅t O rち
P ro 鳥 66 10 r 旧 l
C o n t ra c t o r
G 〇ntrad or
HVAC
C o n t ro 】
図−3 :
性能 検 証体制
建 築 工 事 の着 工 は 2 0 0 0 年 2 月 で あ り、 そ の
4 .
1 性能検証体制 (図−
3 参照)
性 能 検 証 の 体 制 と して 、 2 つ の チー ムが 結成
され、 各 々チ ー ムの メ ンバ ー が選 出 され た。
(1 ) 性能検証管理チ ーム(C M ¶
・性能検証責任者(C ん 総括)
・性能検証責任者代人 (A C 丸 現場総括)
・ ア ドバ イザ ー (情 報 収 集 、 F D D 解 析 )
・ 管理補 助者(A C M ,
設計・施工・制御)
・ 事務局
( 2 ) 性 能検 証 関連 担 当組 織(C R 巧
・ 発注者組織(発注者・0 &M・総務)
図−2 :
性 能検 証 概 要工程
−3 10 叫
虎姫 計画仕産着との整合燈槻 靡謬と顔
膠
功㈱
に厨する耳暴君者との各文書の作成
・設計家
・ 工事担 当組織
(発注者・ 設計監理者・ 空調倒 御施工者)
注)C M T
:
C om m issi仇m g M 肌 a卯 Ig Tbam
CA
:
C o m m issio n 血g A u 血αi吋
A CA
:
A ct血g C om m issionm g A u 血0血 y
A CM
C RP
:
A ssistan t C om m ission m g M an ager
:
C om m issionm g R ela血 g P a此y
題示鯛 樫榔
1分 受 渡 しに 関 す る助 言
C
4 .
2 各 チ ーム の 責務
よ うに定 義 され た。但 し,
発注者及び設計家
の責 務 の う ち C x に係 る と さ れ る文 書 化 に
提案書,
等)
3)試運 転調艶 m B 結 果デ ー タ・報告書 の 文書化
心 C A の指 示 に従 い立会 い試験
つい て は )
c M T が代 行 した(斜 体 の もの ).
( 1 ) C M T の責務
劫 必 要 に 応 じ性 能 事 前 検 証 の シ ミュ レー シ ョ ン
1) 当初 性能 検 証計 画書 の作成
¢ 竣工 図蕎 シス テ ム運 転操 作 マ ニュア ル作成
竹 竣工後 1 年 間 の性 能 検 証計 画(各 季節 ご と)
性 能 検 証(コ ミ ッ シ ヨ ニ ン グ)
全 体 計 画・ 日
程 の立案
3) 委 員会 の運 営
心 文書 化 の計 画 文書 化 の フォー マ ッ ト、デー
4.
3 会 議 体 の構 成・お よ び情報 の伝 達 方 法
各 担 当者 間・ お よ び チ ー ム 間 で の情 報 連
劫 dW巾り山W
タ ベ ー ス フ ォ ー マ ッ トの作 成
絡 を 円 滑 に 行 う た め に、 定 例 全 体 会 議
、
即
性能 検証 方 法の 決定・周 知
性能 検証 項 目の作 成 と指 示
各段 階 の性 能検 証 の実施 と文 書化
性能検証確認計画
(C om m ission ab山切 確 認 を含 む)
各チー ム の性 能検 証 作業 の実 行 と文書 化 の
指示
(C M T ・ C R P 合 同 ) を 開 催 す る こ と と し、
原 則 的 に施 工 期 間 中 は 月 2 回 開催 さ れ た。
ま た 、 引 き渡 しの 直 前 直 後 に つ い て は 3 回
lll
実 施 さ れ て い る 。 さ ら に分 科 会 と して 、
C M T 内 で の会 議 が 4 回実 施 され た。
1(カ 検 証指 示項 目に対 す る性 能検 証 の立会 い
﹂
リ カ 小叫
試験・校 閲・承認
総合機能 性 能試験 の計画 と実 施
また 設 計 変 更 が決 定 さ れ る前段 階 で あ る
質 疑 レベ ル で の情 報 交換 を文 書化 す るた め
受渡 し
に 、 情 報 連 絡 シ ー トと 呼 ば れ る フ ォ ー マ ッ
保守管理 員 の訓 練計 画 と監督
( 2 ) C R P の 責務
a
ト と、 情 報 伝 達 の ル ー トも 事 前 に 定 義 さ れ
発注者
た。 質 疑 が対 策 を 要 す る事 項 とな った場 合
力戯 蔚超 昏 のj記述
ガ賭結線荘要望書の作成
釦設 計 変更 の認 可
に は、 別 途 工事 連 絡 書 が発 行 され 、施 工者
に正 式 に伝 達 され る形 式 を と った 。
心 早期 にお け る運 転 保 守 要 員 の選 定 と参 加 の促
こ れ らの 情 報 連 絡 シ ー トに つ い て は 、 利
進
∂應 工文書のj許す
6)映像 記録 の作 成
b
用 開 始 直後 に、 回 答 者・ 回 答 先 に一 部 の混
乱 が見 られ た 。 しか し、 定例 会 議・ お よび
設計 家田 ⅤÅC )
情 報 連 絡 シ } トは 、 最 終 的 に は、 変 更 理 由
1)設 計趣 旨文書 の 展 軌 特 に性 能 表 記 につ い て
に つ い て の コ ン セ ン サ ス づ く り・ お よ び 責
留意 をす る.
カ初期性感頻密計画 穿を鹿野 して樫飴晩酌 毛辞
書の作成
め運 転操 作 説 明書 の作成
心 設 計 図 書(設 計 図 ,
仕様 書,
設計概要書,
当初 運
転操作 説 明書 )
∂ シス テ ム マニ ュアル の廃 薯
6)
施 工 業者 か らの設 計 変更 へ の初期 対処 案 を作
成
竹男産着傑 庶政定 着任者を含むノ
か らの題辞変
脚
こ対する回答の明示 と経過の確認(情
報連 絡 シー ト及 び工 事連 絡書 によ る)
励ユ暴君者の武断粛整計画の鹿 正他の堀
工事担 当組織
1)対象設 備 の性 能検 証 可能性 の チ ェ ック と確 立
力性 能検 証計 画 に基 づ き校 閲用 図書 の作成
(品 質管 理 計 画 蕎 T A B 項 目泉 同 日程 表 卜
立
会 い検 査 工 目標 ,
同 日程表 ,
性 能検 証 手法 の
当初 設 定 され た各 チ ー ム の責 務 は以 下 の
力
責任者への引慶し
1(カ性 能検 証 仕様 書 に基 づ き,
最 終設 計趣 旨文蕎
農 辟 シス テム マニ ュアル(運 転 操作 説 明書)の
作 成 ない し校 閲
11)
竣 工 図書 の確 認 ,
校閲
燈
任 の所 在 の 明 確 化 に有 効 に機 能 した 。
5 . 検証作業 内容
詳 細 な作 業 内容 につ い て は第 2 報 以下 にて 記
述さ れ る が、 実施 さ れ た、 あ るい は 予定 され て
いる作 業 概 要 の 一 覧 を図 −4 に示 す 。
試 行 は竣 工 後 1 年 間 を予 定 して お り、本 年 度
1 0 月 に終 了 の予 定 で あ る。現 在 も継続 作 業 中で
あるた め、 本 報 告 で は 2 0 0 1 年 度 春 期 まで の実
叫311 仙
山武 晰
てい く建 築 物 の 生 産 過 程 に お い て
センタ ー
・新発 工事 コミ ッシヨニ ンダ過程 表
M aJd l
M a ∫C 血
も 適 用 す る と い う の が Cx の 基 本 概
F中原信
d〉
.
19生卿 1
蝕f血e
念で あ る と考 え ら れ る 。
鴎
研 究 施 設 と い う複 雑 な機 能 を有
す る 建 物 で あ り な が ら与 え ら れ た
現租 及び設 計 国書 の現 有
工期 は 7 ケ 月 と い う 短 い 期 間 で あ
A p山
初期性 能検証 仕 様書 の作 成
九血 y
着船
り、 さ ら に 、 当初 は 計 画 に は な か っ
発 注企 画書 、
設 計 主旨 、設計 点 旨書 b 、設計 囲 暮、
性 能養 思 等の コミッシヨニング
書蕃 仕様 書・利和 方 式・コミッシヨニング娘
九 l皿8
た我 が 国初 の第 三 者 に よ る Cx の 試
の 文書 化・エ手 工秒 間点 点に 関する詳細 附託
m 8 とコミッシヨニ ングの 役部 分建 と方 法 に辞 する、
韻 書工 蛾紬
変な も の と な っ た 。そ の 結 果 と して 、
自動 制 紳 設 計 図 暮・甘 号 文 書 に つ い て の 附 託 と 立 幕 、受 止 しコ ミッ シヨニ ン ゲ の 方 法 と チェ ック リス ト計 菌
山1y
しコミッ シ ヨニ ン
T AB
A ug岱 t
目と 日
コミ ッシ ヨニ ン
内容
の釆
日程
兼
日
メンテ ナ
リテ ィ ー チ ェ ツ ケ
、書 性
書
行で あ った た め、関係 者 の努 力 は 大
立会し、の検 討
広く課 題 を 捉 え て 明 確 化 す る こ と、
出
ま た 多 くの 知 見 を 得 る こ と が で き
たと確 信 して い る 。 今 回 の 成 果 を 、
の立
枚
空気調和・衛生工学会の Cx 委員会
など で 活 用 い た だ け た ら と 思 う 。
S ep t.1 4 :
良pte血 l
αb b ¢r
エ
t .1 5−
1 8 入 居開 始
C x は建築物 の、特 に設備 の性能確
車重睾系統稚能性能執酸蚕豆両
保の 切 り札 と して 、米 国 に お い て 注
所
目 さ れ て 着 実 に定 着 化 して きて お
シス テム マ ニ ュア ル の 仮
D 組曲 r
り、 我 が 国 の 遅 れ が 懸 念 さ れ る。 し
A Bの
沌Ⅴ¢血 er
かし、生 産 の 品質 は我 が 国 が世 界 に
し
誇り得 る も の の
コミッシヨニ ン グ 文 書 の 仮 諌 し
教書・紺 の実施
間違 い な い 。今 回 の 活 動 が 、 Cx の
J a m 打y
200 1
1 つ で あ る こ とは
冬ピ ー ク 時 顆 の リコ ミッシ ョニ ング
和魂 洋 才 形 の定 着化 と、結 果 と して
S p丘喝
我が 国 にお け る高 品 質 な 建 築 物 の
血gud
確保 に 、若 干 で も お 役 に 立 て る こ と
があれ ば 幸 い で あ る。
O d o加rl
図−4 検 証 作業 の全体 概 要
【参 考文 献 】
1 )
A SH R A E G U ID E L IN E l−
1996 :m e H VA C
証報 告 を 扱 う も の と す る。
C omm issio血gPr∝eSS,
(1996)
2 )P o rtla n d E 丑打野 C on 駈 Ⅳ 如io n ,血虻
・(P E C I)
,M o 血 1
おわ り に
複 雑 な システムは 、そ の 完 成 時 に お け る テストだ け で
は性 能 を保証 す るこ とは極 めて 困 難 で あ る。そ
れは 、 1 9 7 0 年 代 の
“ソフト
ウエアの 危 機 乃 に 直 面 し 、
“テストに よ っ て 、 ハ寸ク十の 存 在 は 発 見 で き て も 、
ハやク十の な い こ と を 証 明 す る こ と は 出 来 な い 乃 と
オランダ の D ijk st ra 教 授 が 語 っ た 課 題 で も あ る 。
生産 過 程 と維 持 管 理 過 程 の 適 切 な 実 施 を 確 認
する こ と に よ り品 質 を 保 証 す る と い う、 主 に 製
造現 場 で確 認 さ れ た手 法 (今 で は ISO 90 00 と し
て定 着 し て い る ) が あ る 。 こ れ を 一 品 生 産 的 な
C o m 血 ssio血 Ⅰ
唱 P la n an d G 山 d e S p ed 五c如io n s,V er
・ 2・05 ,
1 998
3 )D・C lo u 如 d al
・:D ra丑N ation al S trate打 払r B u 止血唱
C om 血 ssio皿喝 触 N ationalC oI血 enα On B u止血喝
C o m m issio 皿n島 1 99 8 ,刑o d 血
4 )
委 員会 報告 :
建 築 設備 の性 能検 証(コミッショニング)
基
本指針(案)(1997) 空気 調 和・衛 生工 学 会 ビル 管 理
システ ム 委 員 会
コミッシ ョニ ン グ ワ ー キ ン グ グ ル ー プ
5 )
鹿岡 他 :
20
0 1 建築設備技術会議配付資料 :
コミッシ ヨニ ング の 実 施 例 (株 )
山 武 環 境 技 術 セ ンター
特徴 が あ り、 その 生 産 過程 にお け る関 与者 の数
と種 類 が 多 く、 かつ そ の 間 に情 報 が 引 き継 がれ
ー312−
E −11
空気調和 設備 の 当初性能 検証(コミッショニング)
の実 践研 究
( 第二 報 )空調設 備 の概要 と企画・設計 段 階の事 後性 能検 証
正会員
○湯 澤
正会員
正会員
秀 樹 (㈱ 日建設 計)
正会 員
笠置
徹
村山
俊 尚 (山武 ビル システム㈱ ) 正会 員
近本
智行 (㈱ 日建 設 計)
虞岡
正
中原
信 生 (環 境 シス テ ック 中原 研 究処)
(山武 ビル システム㈱ ) 特別 会 員
は じめ に
′ ̄ − ̄ −
 ̄ 一 ̄ 一
 ̄ ■、・ 自然換気
/● ダブ山車ン
本 報 で は、 コ ミ ッシ ョニ ン グ を実 施 した 空
躯体蓄熱方式 竿
調設 備 の概 要 と建 築 主・ 設 計 者・ 施 工者 と い
l
つた 工 事 関 係 者 に対 す る第 3 者 性 を有 した コ
l
垂 甲
ミッ シ ョニ ン グ組 織 が 企 画 ・ 設 計 の 内容 を確
認
・ 検 証 した 内容 につ い て 報告 す る 。本 来 、
、着噴流
l
+床吹出方式
i 空=
⊆
・手=
天井高可
企画・ 設 計 に関 す る性 能 検 証 は 工事 条 件 とな
l
畳鰯
耳
w
方式
吹抜け
星外様器置場=
㌣
空冷〝カーブ方工
る発 注 仕 様 の変 更 を伴 う可 能 性 が 高 い た め 、
施工 前 に実 施 され る こ とが 望 ま しい が 、今 回
図−1
は設 計 完 了・ 施 工 開始 途 中 か らの 実行 とな っ
l
水糊
コ ミ ッシ ョニ ン グ 対 象 建 物 断 面 図
[需 軒  ̄
1
たた め 、既 成 事 実 を再 確 認 し、 適宜 建築 主 に
車抜 け
閂
リ
フレ
ッシュコ
 ̄ナ
1
助言 を行 い 、 建 築 主 か ら設 計者 ・ 施 工者 に対
・温熱実験室
帖
ダ 15∼40℃D B ±0 .
5℃
電
○ ・隣室什 小・−
室チ㌦
1 .環境技術センターの空調榊 社章
コ ミ ッ シ ョニ ン グ対 象 建 物 は 、 建 築 の室 内
【
実験室 温度制御条件】
ふ
l壬
中 量
して 設 計変 更 指 示 を行 う形 態 と した。
箪敷根 室
ダフ
◆似キン
15∼40℃D B 士1.
0℃
T
環境研 究 分 野 の研 究 開発 施 設 で あ り、 実験 室
箭チャン
八’
一
系統 と研 究 オ フ ィス 系統 で 構 成 し、 各種 省 エ
・外 気チ†
沖●−
貞
一 蔓
9.
600 L妻 萱
⊥ 毒12.
800
L蔓
−
5∼60℃D B 士1.
0℃
圭
二
r
■
1
25,
600
r喜
1
図 −2 コ ミ ッ シ ョニ ン グ対 褒 物 平 面 図
ネル ギ ー 手 法 を採 用 して い る (図 −
1 、2 参 照)。
( 1)
空調設備
CO
実 験 室 系 統 は、 天 井 高 と空 調 吹 出 方 式 が 可
l
妻 ̄
主
l_
クー
ルチュ
tT
オフイ
ス肘ド
臭牧童†ド
同
一三 l
岳
(
(旬 日本 空調 システ ム)
変の 温 熱 実 験 室 と 1 日の外 界 条 件 の 変 動 を再
T
ノ〆■/
■十
.
♂デ/
ダ イ
0 00○
l
ノメタ■/
ナ
付 暮 ■ 洗 (丹 ヒ●ェント用 )
へ,夕刊
卜差 圧
(
丑 (
詠
搬
出 (タ朋
床 下差圧㌔
F
で構 成 され 、各 室 毎 に空 調 機 を設 置 して い る。
l…◆r
ート 】
図 一3
オフ ィス 系 統 は、 多 様 な 空 調 方 式 とそ の 制 御
2 階
十
十
■:
=
:
==
==
:
:
:
:
:
コ Ii
㊦ ‖} ㊦
十
十
㊦
㊦
ノづ
クr /
.
メ戸
′/
一声r /
空 調 設 備 フ ロ ー と 計 測 ポ イ ン
ト
C O2
性を実 験 可 能 とす る た め に各 階 で 異 な る空 調
一三 l
宍
l 寸−
方式 を採 用 して い る (図−
1 参 照 )。 2 階 及 び
V W
3 階 で 採 用 して い る空 調 シス テ ム の フ ロー と
計測 ポ イ ン トを 図 −
3 、4
)
F
現で き る外 気 チ ャ ンバ ー 及 び 隣 室 チ ャ ンバ ー
に 示 す (図 中 の センサー
▼
日
十l
の記 号 は、T :
温 度 、H :
湿 度 、F :
流 量 を示 す)。
S tu dy on I血 id C om m issionm g P r∝eSS 丘)
rA d u al Im
図−4
3階
空 調 設 備 フ ロ ー と計 測 ポ イ ン ト
C System of a N ew B l山血 Ig
P A RT ・
2 O u t血 e ofH V A C Sy stem and P ost−C om 血 ssion m g ofP ro酢am an d D esi卯 Sta酢
H ideb Y U 払 ⅥA et.
d
空気調 和・ 衛 生 工学会 学術 講演会 講 演論文 集(2 0 0 1且 2 6 ∼2 8(京 都))
叫3 13 叫
( 2)
熱源設備
熱源 設 備 はオ フ ィス系統 と実験 室 系統 に
に 示 す 。 オ フ ィ ス 系 統 は 空 冷 ヒ ー トポ ン プ チ
ラー と水 蓄 熱 槽 (配 管 誘 導式
指
l
蓋流
l鰍 次
附l
冷 凍棲 出 口温 度
u
。_,
(図一
5 参 照 )。 実験 室 系統 は 空 冷 プ ライ ンチ
冷凍 捜入 口温度
冠
空冷 ヒー トポ ンプチラー P C H −1 0
P C H −1 1
ラー 、氷 蓄 熱 槽 、水 冷 プ ライ ンチ ラー 、ガ ス
焚 蒸 気 ボ イ ラー で構 成 し、実 験 室 系 統 空 調 機
蓄 熱 槽 内温 度
に プ ライ ン、冷 水 、温 水 及 び 蒸 気 を供 給 す る 。
∩
l
↓
[
n
n
「1 n
n
「
1
l
J
[
【
F
(図 −
8 参 照 )。
図−5
表−1 熱源機器構 成
系統
オ フ ィス
系統
オ フ ィス 系 統 熱 源 系統 図
苗 糟 「州 n A )
声 批 牛
主要熱源機器 構成
…書
・
>㌧ 6 槽 ≡7 槽 イ・
…・
…
…・
>て
妻十 \
斗.
.
州▲. す /
≡8 槽
5槽 ≧
・
.>ノ
4 槽 妻
…十
イ:
ヨ 芸●
●
●
\
∫
ま・
・
・
〆 3 槽
1槽
9
十
日
・
空冷ト げ ンプチラー
×1 台
(
冷却能 力 58.6kW 加 熱 能 力 67川 )
・
熱交換器 (
水 一水 )
×1 台
(
交換熱 量 107.48kW )
・
水音熟槽 (
容量 :
60m 3)
【冷水熱 源 】
・
空冷アライ沖 ラー (
冷 却 能 力 50kW )
×1 台
・
氷蓄熱槽
×1 台
(
外融式 、 容 量 :
7.36m 3 、 冷 水 取 出温 度 :
2℃ )
【フ●ライン熱 源 】
・
水冷アライ沖 ラー (
冷 却 能 力 250kW ) × 1 台
・
開放式 冷 却 塔 (
冷 却 能 力 407 .1k郎
×1 台
【蒸気ン熱 源 】
・
ガス焚 き 蒸 気 ボ イ ラ ー (
加 熱 能 力 157k郎 × 1 台
【蒸気熱 源 】
・
熱交換器 (
蒸 気 一水 )
×1 台
(
交換熱 量 69.8kW )
十
2 槽
l 2,
…
ノ
400
、
R −2
トJ
⊂7 1
夏期 :5 ∼ 12 ℃
帖
A
印 冬期
⊂〉
温度 セガ 一
:4 0 ∼4 7℃
【 二 次側送水 温度】
夏期 :7 ℃ 冬期 :4 5 ℃
水蓄熱槽 断面図
放射 パ ネ ル へ
[凡例]
CR
氷蓄熱 槽
忌
ロ
空調 横
H R
【 温水熱 源】
HR
P H −1
H E−
12
㌻
二
志 ●
 ̄
■
●
■
 ̄
忘 二
下琶 ∃ 講 習 塾
l
SR
/
且
BR
槽
ノ
−CR
_H
_HR
−
:冷水遅配 管
−
:温水往配 管
−
−
:温水遅 配管
:蒸気往 配管(0.
1M P a)
−SS
−
:蒸気往 配管(0.
5M P a)
−SR
−
−
:蒸気通 水配管
:フ
●ラル往配管
−BR
−
:ア ライン還 配 管
−B
BR =
BR
PC−
33
:流 量計
:冷水往配管
−S
ブースターコル
ヽ ヽ
PC−
32
−
−C
膨張 タンク
′
を
、
?頂
【 蓄熱槽 利用温 度差】
]
ヽ●_ ■
_ ●_ −_ _● ●.
_
熱交換器
l
、
′
0 0
P CH ll
膨張 タンク
空 冷 チラー
㍉ 弓
…
、ノ 2,
400
、ノ,2 .
40
、≡
ノ 2、
40
ノ
r 、6 水 蓄熱槽平面
一
′
■\
r、
図−
図 ノ
図−7
P C−2 1
m00
実験室
系統
PCH範 妄頭
を 切 替 え て 実 験 可 能 な 配 管 系 統 と して い る
速水ヘッダー親
膨張タンク
給 す る。 ま た 、ク ロー ズ 系統 とオ ー プ ン系 統
訂 二塩
旭
玉
】
点恵
帖 ひ00
目
図 −6 ,
7 参照)
で 構 成 し、冷温 水 をオ フィ ス 系統 空 調 機 に供
負荷側送水ヘッダー温度
招
ヘッダ_間差圧
。。
H_
1ご
区分 して い る。 各 系統 の 主 要構 成機 器 を表 −
1
ロ
埴
B田 ロ
ー314−
空調 樵
外榊
図一
8
実験室系統 の熱源 系統図
2 .企 画・ 設 計段階の事後性能検証
( 2)
設 計組織 の監査
企 画・ 設 計 段 階 の 性 能検 証 の 目的 は 、建 築
米 国暖 房 冷 凍 空 調 工 学会 A S H R A E の ガイ
主の企 画 意 図 が 設 計 に反 映 され て い る こ とは
ドライ ンで は性 能 検 証 者 の 業 務 に設 計 組 織 の
もち ろ ん 、 設 計 内 容 が ライ フサ イ クル 的視 点
選定 に係 る発 注 者 へ の 助 言 が 定 義 され て い る。
からみ て 費用 対 効 果 上 バ ラ ンス の とれ た も の
今回 の コ ミ ッシ ョニ ン グ対 象 建 物 は温 熱 実 験
であ るか を 設 計者 以外 の第 3 者 が 確 認 す る こ
室を有 す る研 究 施 設 で あ り、研 究 施 設 の設 計
とに あ る。米 国 暖 房 冷 凍 空 調 工 学 会 A S H R A E
に 関す る実 績 と設 計 品 質 を保 つ 組織 体 制 が 明
のガイ ドラ イ ン 1)
お よ び 空 気 調 和・ 衛 生 工 学
確に な っ て い る こ と を 監 査 対 象 と し た 。 設 計
会に よ る建 築 設備 の性 能検 証 (コ ミ ッ シ ョニ
組織 体 制 表 と品質 保 証 に関 す る考 え方 の提 示
ング)基 本 方 針 (案 )2)
に示 され た 設 計 性 能 検
を受 け、 今 回 の設 計組 織 は研 究 施 設 設 計 経 験
証
(デ ザ イ ン コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ ) の 指 針 に 倣
者を 中心 に構 成 され 、 か つ 、 IS O _
9 0 0 1 を取
い表 −
2 に示 す 性 能検 証 を実 施 した 。
得した 品 質 保 証 シ ス テ ム を 有 し て い る こ と か
表 −2
企画・ 設計段階の性能検 証内容
N o.
ら、設 計 組 織 選 定 上 問題 な い こ と を確 認 した 。
性 能 検 証 項 目
1.
要 求 性 能 の 確 認 と 文 書 化
2.
設 計 組 織 の 監 査
3.
設 計 手 法 の 妥 当性 の 検 証
4.
設 計 の 各 段 階 に お け る 性 能 保 証 プ ロセ ス の 監 査
5.
メ ン テ ナ ビ リテ ィ ー の 確 認
6.
設 計 図 書 の 内容 確 認 と 発 注 者 へ の 助 言
( 3)
設計手法 の妥 当性 の検証
設 計 者 が 行 った 設 計 手 法 が 設 計 趣 意 書 に記
載され た 事 項 を実 現 す る 上 で適 切 で あ るか を
設計 図 書 な どで 検 証 した 。 設 計 手 法 を検 証 す
る上 で の ポ イ ン トは、設 計 条 件 の 明確 な定 義 、
( 1)
要求性能 の確認 と文書化
適切 な 設 備 容 量 の 設 定 、適 切 な容 量 分 割 や 系
企 画・ 設 計段 階 にお け る性 能検 証 者 の 役 割
の 第 一 歩 は、発 注 者 の 要求 性 能 を確 認 し、設
計 与 件 と して 文 書 化 し、設 計者 に対 して 提 示
す る こ とで あ る 。 この 文 書 は 「設 計 趣 意 書
(desi印 加 en t)」 と呼 ば れ 、 設 計段 階 の 性 能
検証 の ベ ー ス とな る。設 計趣 意 書 に 記 載 され
る 項 目 を表 −
3 に 示 す 。今 回 は事 後 確 認 で あ る
た め 、企 画・ 設 計段 階 で発 注 者 と設 計者 の 間
で交 わ され た 議 事 録 、基 本 設 計書 な ど を確 認
し、発 注 者 の要 求 性 能 を性 能 検 証 者 側 で文 書
化して発 注 者 と設 計 者 に再 確 認 した 。
表−3
項目
1.基本理 念
2.基本方 針
3.環境性能
4 .エネ腑◆−性能
5.
性 能検証
事項
統区分 な ど年 間 を通 じた運 用 へ の 配 慮 を確 認
する こ とで あ る。 指 摘 内容 の 中 で 設 計 者 と し
て再 考 す べ き こと は設 計条 件 の記 述 方 法 とそ
の実 現 手 段 の 現 実 性 の検 証 及 び設 備 運 用 方 法
に関す る情 報 の 充 実 で あ る 。設 計 条 件 の 記 述
方法 の例 と して 温 湿 度 条 件 に 目を む け る と、
設備 容 量選 定 用 条 件 と空 間 を制 御 す る条件 を
区別 す る必 要 が あ るが 一 般 的 に は 前者 の み 記
述され て お り温 度 分 布 の考 え方 等 は不 明確 に
なっ て い る 傾 向 が 強 い 。 今 回 もタスクアンド アンビ エ
ント
空 調 方 式 の温 度 分 布 の性 能 検 証 を行 う際 に
設計趣意書 の記載項 目
問題 点 と して指 摘 され た 。 また 、 許 容 騒 音 値
概要
発 注 者 が 抱 いて い る 理 念 を 文 書 化 す る 。
設 計 の 基本 方 針 を 文 書 化 す る。
室 内外 温 湿 度 条 件 、 内部 発 熱 条 件 、許 容 蛋 音
値 等 の 設備 容 量 決 定 用 条 件 、温 度 制 御 幅 な ど
の制 御条 件 及 び熟負 荷計 算 手法 な どの 設計
手法 について文書化 する。
年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 な ど 設 計 目標 と
す る エ ネル ギ ー 性 能 を 文 書 化 す る 。
設 計 趣 意 書 に 記 載 した 環 境 性 能 、工ネ腑 ●−性 能
を検 証す る ため の計 測計 量計 画 を設 計者 が
立 案 し発 注 仕 様 に 明記 す る 旨を 文 書 化 す る
の様 に空 調 設 備 の み で な く躯 体 や 仕 上 げ等 の
建築 的 要 素 との整 合 に よ り実 現 す る もの は空
調設 計 者 と建 築 設 計者 の 十 分 な 相 互 確 認 が 必
要で あ る。 今 回 は仕 様 の不 調 和 が あ り、 設 計
条件 の 一 部 見 直 しが必 要 とな った 。 設 備 運 用
の考 え 方 につ いて は設 計 図 書 か ら十 分 な 情 報
が得 られ な いた め 、性 能 検 証 過 程 で 整 理 を行
つた 。 設 備 運 用 に つ い て 工 事 関 係 者 に共 通 認
識が な い と竣 工 後 に大 き な 問 題 に発 展 す る場
仰3 15 −
合が 多 い 。 自動 制 御 図 面 の記 載 方 法 を含 め て
おわ り に
運用 に関 す る情報 充 実 の 必 要 性 を実 感 した 。
今回 の試 行 で は 、 性 能検 証 者 の 関与 に よ り、
( 4)
設 計 の 各 段 階 に お け る 性 能 保 証 プ ロセ ス
発注 者 と設 計 者 の 意 図 が よ り明 確 とな り、 建
妥 当性 の 監 査
物竣 工 まで に必 要 に応 じた 軌 道 修 正 が 行 え た。
設 計 内 容 に不 具 合 が な い か確 認す る 上 で 、
発注 者 を含 め た 工 事 関 係 者 に と って 運 用 段 階
設計 担 当者 以 外 の第 3 者 に よ る査 図 を設 計 の
で顕 在 化 す る不 具 合 を未 然 に防 げた こ との メ
各段 階 で 受 け る こ とが 有 効 で あ る 。 今 回 の 設
リ ッ トは 非 常 に大 き い。 今 回試 行 で 効 果 が 得
計組織 は、企画・ 基本設計・ 実施設計の各段
られ た 要 因 を以 下 に整 理す る。
階で 社 内設 計 審 査 を実 施 す る こ と を品 質 管 理
1 )
発注者 が性能検 証の重要性 を認識
マニ ュ アル で 規 定 して お り、性 能 保 証 プ ロセ
2 )
性 能 検 証 者 が経 験 豊 富 な エ キ ス パ ー ト
スは 妥 当 で あ る こ と を 確 認 し た 。
3 )
設 計者 ・ 施 工者 等 工事 関 係 者 の 多 大 な 協 力
( 5)メ ン テ ナ ビ リテ ィ ー の 確 認
特に、発 注 者 が 性 能検 証 者 に対 して コミッショ
ニげ
ライ フ サ イ ク ル 的 視 点 か ら空 調 設 備 の 性
フィーとい う新 た な 費 用 を支 払 う必 要 性 を感 じ
能 が 保 証 さ れ る よ う メ ンテ ナ ンス の 実 務 と
るか が ポ イ ン トで あ る 。 これ は 2 )と深 く 絡 ん
そ れ をサ ポ ー トす る シ ス テ ム が 確 保 さ れ て
でい る。 性 能検 証 者 の 関与 に よ り発 注 者 が 安
い る こ と を 確 認 す る 。 メ ン テ ナ ビ リテ ィ ー の
心して 設 計 図書 の受 領 す る た め に は 、第 3 者
検 証項 目は文 献 2)
を参 考 と した 。 対 象 建 物 で
性を有 した 経 験 豊 富 な 性 能 検 証 者 が 必 要 で あ
は B M S の 導 入 等 メ ン テ ナ ン ス サ ポ ー トシ ス
る。 また 、 性 能 検 証 の実 施 に は検 証 期 間 と工
テ ム は確 立 して い る が 、屋 上 機 械 設 置 スペ ー
事関 係 者 の協 力 が 必 要 で あ る 。最 近 は 工事 期
ス の 制約 か ら、最 小 限 の メ ンテ ナ ンス スぺ }
間が 短 縮 され る傾 向が 強 く、今 回 もそ の 間 題
ス の確 保 とな っ た (第 三 報 参 照 )。
点が 強 く指 摘 され た 。 性 能 検 証 の重 要 性 が 認
( 6)
設 計 図書 の 内 容確 認 と発 注 者 へ の 助 言
識され 、 適 正 な 工 期 設 定 が 行 え る環 境 が 整 備
設 計 図書 の 内容 確 認 は 、図面 確 認 と設 計 内
され る こ とを期 待 す る。 今 後 、性 能 検 証 が 一
容 説 明会 開催 の他 、施 工 段 階 の施 工 図・ 承 諾
般化 す るた め に は 、性 能 検 証 に よ る効 果 及 び
図確 認 と並 行 して実 施 した 。確 認 事 項 は情 報
性能検 証 者 の役 割・ 責 任 範 囲 の設 定 な どの フ
連 絡 シー トに記 録 し、関 係 者 で 内容 確 認 と不
レー ム ワー クが 整 理 され 、性 能 検 証 の 重 要 性
具 合 箇 所 に 関す る是 正 措 置 の 助 言 を行 った 。
が広 く認 識 され る必 要 が あ る と考 え る。
義一
4 に設 計 に 関連 す る 情 報 連 絡 シー トー 覧
【参考 文 献 】
表 の一 部 を示 す 。 確 認・ 助 言 項 目は約 8 0 、
りA SH R佗 仙 柑E L IN E 卜 1996 :Th e HV AC C om is s io山 ng P roc ess ,(19 96)
そ の約 2 割 が工 事 変 更 処 理 され 、今 回 の性 能
2 ) 空 気調 和・ 衛 生 工学 会 :シン ポ ジ ウム テ キス ト ラ イ フサ イ クル 性 能
検 証 に よ る効 果 は 非常 に大 き い とい え る。
検 証 の た め の コ ミ ッシ ョニ ン グの 必 要 性 − −一日本 版 コ ミ ッ シ ョニ ン
ダ ガ イ ドラ イ ン作 成 に 向 けて −
20 00 .9 ,P P.2−1∼ 20
表−
4 情 報 連 絡 シー ト一 覧 表 の 例
N O 日付
記号
1 4/19 ST −01
1 1 4/19 ST −02
1 2 4/19 ST −02
14 4/19 Sト 02
15 4/19 ST −0 3
16 4/19 ST −0 3
17 4/19 ST −0 3
発
キーワード
CA 蓄熱 槽
CA 氷 蓄熱槽
CA 氷 蓄熱槽
CA 氷 蓄熱槽
CA 蓄熱 槽
CA 蓄熱 槽
CA 蓄熱 槽
懸 案事項
種別
決 定事項
内容
検 寸 蓄 熱槽 を 2 槽 とする
検 寸 満 蓄判断 法
検
実 験 による槽 内温 度分布
検 寸 タンクの 水密性
検
底 盤 に流 路 に沿 った勾配
検
排 水 ピッ トを設 ける
検 討 排 水 ポ ン プ と汲 上 ポ ン プ
期限
日付
記号
普通 4/26 HE M O
普通 5/19 ST −04
普通 5/19 ST −04
普通 5/19 ST −04
普通 5/20 ST −06
普通 5/20 ST −06
普通 5/20 ST −06
の 兼用
−316−
発
設計
設計
設計
設計
設計
設計
決定事項
現場 指示
備考
日付 記号 指 示
蓄熱槽 は原設計通 リ 1 槽。
水位 による。
別 紙実験 結果提示
別 紙仕様 書に記載
勾配は設 けな い
ん/
2 J ざJイ
30 cm 角 ×10 c m深 さの豊壌 を設置 長々J 即 イ
兼 用 とす る。
丘/2 J J Jイ
脚
E −12
空気 調 和 設 備 の 当初 性 能 検 証 (コ ミ ッシ ヨニ ング )の 実 践研 究
(第三報 )施 工段階性能 検証 と保守性能検証
正会 員
○笠 置 徹 (㈲ 日本 空 調 シス テ ム) 正 会 員
小野 島 一(㈱ 大林 組)
正会 員
溝 田 和 康(山武 ビル シス テ ム的
正会員
正会 員
虞 岡 正 (山 武 ビル シス テ ム卿
特別 会 員
は じめ に
佐 々木 繁 (山武 ビル シス テ ム卿
中原 倍 生(環 境 シス テ ック 中原研 究処)
で作 図 さ れ て い る 。
本 報 で は、 施 工 段 階 で の コ ミ ッ シ ヨニ ン グ が
施 工 図 に よる性 能 検 証は、 毎 回の分 科 会 にお
建築 主・ 設 計監理 者・ 施 工者 とい った工事 関係
いて、 設計 監理 者 の施 工図他 の確 認・ 調整 に よ
者と どの よ う な 関 係 で 活 動 した か に つ い て 報 告
つて設 計意 図 が施工 図 に反 映 されて い る こと、
する。 施 工 段 階 で の コ ミ ッ シ ヨニ ン グ (以 下 、
および 打合 せ記 録 を確 認 す るこ とで検 証 と した。
性能 検 証 とい う)は、具体的 には施 工 図の確 認、
分科 会 出席 毎 に性 能 検証 者 と しての報 告 書 にま
および 確認・ 調整 に係 る情 報 の文 書化、 メ ンテ
とめ、性 能 検証全 体 会議 に報 告、 情報 連絡 シー
ナビ リテ イ、 保守 性能 検 証、運 転保 守 要員 の訓
トに 記 入 、 文 書 化 を は か りフ ォ ロー ア ップ に努
練計 画書 等 の作成 が あ る。本報 で は施 工段 階で
めた。 なお、 分科 会 に は設 計 者の 出席 もあ り設
の施 工 図 の 確 認 、 メ ンテ ナ ビ リテ ィお よ び 訓 練
計変 更 も含 めて設 計 意 図の説 明 が施 工者 に行 わ
計画 につ いて報 告 す る。
れた 。
終 わ りに、施 工 段 階での 工事 関係 者 と して の
性 能 検証側 か らの分 科 会へ の 出席 は単 に施 工
建築 主の代 行 を勤 め る設計 監理 者 と性 能検 証 組
図等 の 確 認 の み で は な く、 メ ンテ ナ ビ リテ ィ に
織との役割 につ いて、性 能検 証作 業 を通 して 考
つい て の チ ェ ック 項 目 と施 工 図 チ ェ ッ ク項 目 を
えた こ と に つ い て 述 べ る 。
現場 か ら得 る た め に も必 要 な こ と との 性 能 検 証
責任 者の判 断 も加 わ って い た。一 方、性 能 険証
1.
施工段階性能検証
全体 会議 と して別 途確 認 す る図面 を選 定 した。
今 回の性 能検 証 は設計 完 了・ 施 工 開始途 中か
設計意 図 が反 映 され てい る こ とは勿 論 であ るが、
らの 実 施 とな った こ と と、 更 に設 計 変 更 もあ っ
検証対象機器製作図、機 器設置位置(特 に3 階
て、 変 更設 計 と性 能 検 証 に対応 して の設計 ス ケ
屋上 機 械 室 を 考 慮 して )、メ ン テ ナ ビ リテ ィの 3
ジュール は大 変厳 しい もの であ った。建築 工期
つの 観 点 か ら 図 面 を 確 認 す る こ と に あ っ た 。
は2 月 7 日着 工 の 9 月 1 4 日引 渡 し とい う工 期
性 能 検証 全 体会 議 にお いて性 能検 証対 象の 図
と もあ って、 施 工段 階性 能検 証 での施 工 図の確
面と して 以 下 の 図面 が指 定 さ れ た 。
認は『 性能 検証計 画 書』 に定 め られ た関連 文書
( 1 )検証対象機器
の発 行手 順 では処 理 が不 可能 との判 断か ら、建
・ ヒ ー トポ ン プ チ ラ ー
築工程 を考慮 して設 計監 理者 の監理 体制 下 にあ
・ プ ライ ンチ ラー
伸一
2 、R −
3)
る設 備分 科 会 (定 例会 議 ) に陪席 す るこ との許
・ ボイラ
伸一
1)
可を関係 者 に得 て、機 器製 作 図、 空調 ( 自動制
・ 空 調機
御)設 麻生産 設 計 図の性能 検 証 を実施 した。提
・ 空調機 3 階東・西系統 空調機
出施 工 図枚 数は空 調 ( 自動制御 )設 備生 産設 計
・ 実験室空調機
図と して は 、 空 調 4 5 枚 、 主 に 1β0、 1β0 縮 尺
(R −
1)
2 階 東・西 系 統 タス抑 ンビ ュント空 調 機
A C−
Jl インテリア系 統 空 調 機
S tⅦd y
0 皿 I n i t ia l C o m m i s s io n in g P r o c e s s 弘 一A c t Ⅶa l H V A C
R A R T
3・ C o m m i s 由 o n in g o f C o n s t r ⅦC ti o n P 血a s e a n d M
S y s也 m
of a
N ew B u .
ildin g
a i n t e n a b il it y
空気 調和・ 衛生 工学 会学術 講演 会 講演論 文集 i2 0 0 1 .
9 .2 6 ∼2 8(京 都))
−317−
恥 rⅦ ⅩA S A G I e t .
a l.
施 工 図性 能検 証で残 念 な が ら見逃 した こ とが
A じ J8 インテリア系 統 外 調 機
A C−
J 2 へ○リメータ系 統 空 調 機
あった の で報 告 す る。
A C−
J3 隣 室知 ンげ 一
系統 空調 機
A C −
J31 ∼ 3 3
4 階 空調機 械室 は シス テ ム構 成 か ら機 械室 を
隣 室 用 フや−スターコイル × 3 台
還気 チ ャ ンバ ー に使 用 す る よ う に設 計 さ れ て い
A C−
J37 外 気 知 ンハや一
空 調機
た。建 物 は、鉄 骨構 造 のた め天井 コー ナ ー部の
A C−
J34 外 気 知ンが 一
空 調機
間仕 切 部分 にシール性 能 の 不足 を生 じて気 密室
A C−
J35 外 気 舛 ンハ◆一
空調機
とは な らず 、 天 井 を経 由 して の 還 気 とな って し
( 2 )検 証対象施工図
まった。 関連設 備 との整 合が不 十分 であ った こ
・
水苔熱槽 関連施 工図
・
配 管 系統 図
・
ダ ク ト系 統 図
と して適確 に指 摘 し得 なか った ことは反省 の材
・
熱 源廻 り配 管 系統 図
料で あ る 。 仕 事 は 最 後 まで 気 を ゆ る め て は な ら
・
中央 監視 シス テ ム図
ない との 戒 め で あ る 。
・
中央管 理 点 入 出力 一 覧
・
計 装 フ ロー 図
と に原 因 が あ っ た 。
責任 は全 開係 者 にあ る とは言 え、性 能検 証者
2 .保守性能検証
施 工 図の確 認 にお い て得 られ た情 報 か ら性能
保 守 性能 検 証 は施 工 図確認 作業 で得 られ た設
検証 者 用 の施 工 図 チ ェ ッ ク リス トを作 成 し、 工
計監理 者 の確 認業務 の 中か ら該 当項 目を抽 出 し
図に つ い て 試 用 した 。 施 工 図 チ ェ ッ ク リス トの
て、 メ ン テ ナ ビ リ テ ィ チ ェ ッ ク 項 目 と し整 理 し
項目の 一 部 を図−
1 に示 す 。
文書 化 を図 った。 文 書化 の 過程 で は、『空 気調
5 . 機 器の配 置 とス ペ ース
和
・ 衛 生 工学 会 :建築設 備 の性能 検 証 (コ ミッ
5 −1 共通事 項
(1 ). 機器の搬 入・搬 出スペ ースは確 保されて いるか
(2 ). 諸法規上(ガス保安法 他 )問題 のな い配置 か確
認 した か
(3 ). 屋上機械室設 置機 器 、その他の重 量が構 造上問
題 の な い こ と を確 言
思 した か
(4 ). 通路 、保 守・点検 スペ ース は確 保されて いるか
(5 ). 施 工 ス ペ ー ス は 十 分 あ る か
(6 ), 他 設 備 との 取 合 いl胡 宙 忍して あ る か(扉 の 開 閉
方 向 、床 マ ンホー ル、盤等 )
(7 ). 機械 室防 音工 事の施 工順 序 は確 認 した か
︶
︶
︶
︶
︶
︶
︵
2
︵
3
︵
4
︵
5
︵
6
7
︵
5 −2 屋 上機械 室
(1 ). 冷 凍 機 の チ ュ ー ブ 引 抜 き ス ペ ー ス lお 睾保 さ れ
て いるか
シヨニ ン グ)基 本 方針 (案 )付録 A .メ ンテ ナ
ビ リテ イ 』 か らの 検 証 項 目 を参 照 して 、 大 枠 を
定め細 部 につ いて は性能 検 証責任 者 の意 向 を踏
ま え て 内容 は 全 般 的 な項 目 を盛 り込 ん だ 。 ま た
検証 時期 につ いて は計 画設 計時 と施 工・ 試運 転
時に分 け て 検 証 項 目 を盛 り込 ん だ メ ンテ ナ ビ リ
ティ チ ェ ッ ク リス トを作 成 した 。 表 1 に チ ェ ッ
クリス トの 一 例 を 示 す (次 ペ ー ジ )。
チ ェ ック リス トは 工 事 項 目(例 え ば 共 通 項 目)
空調機 の 点検 扉 は開 閉で き るか
空調 機 の エ ア フ ィル タ の 交 換 は 可 能 か
空調 機 の コイル の交換 は可能 か
一枚 と して 、全 部 で 1 8 項 目 に つ い て 作 成 した 。
送風 機 の ベ ル ト交 換 、 フ リー抜 は で き る か
防振 対 策 は と ら れ て い る か
冷却 塔 や空冷 コンデ ンサ ーが煙突 か らのば い
煙で影 響 され な いか
( 8 ). 冷 却 塔 闇 の 距 離 lお 垂保 され て いる か( シ ョー ト
11
︵︵
サー キ ッ ト防 止 )
爪りハり か
( 9 ). 冷 却 塔 の 近 くに給 排 気 口 が あ り影 響 さ れ な い
か
冷却 塔 の キ ャ リー オ ー バ の 恐 れ は な い か
高所 設 置機器 点検 作業 用器 具が用 意 きれて い
る
1 項 目あ た り点数 は計 画・ 設 計時 で 2 ∼ 2 3 点
(総点数 1 4 4 点)
、施 工・試運転時で 5 ∼ 2 4
点
(総 点 数 2 2 5 点 ) とな っ て い る。 メ ンテ ナ
ビ リテ ィの チ ェ ッ ク項 目を 整 理 す る と計 画 ・ 設
計時 で か な り考 慮 しな け れ ば な らな い こ とが 存
在す る こ とが わ か っ た 。 よ く言 わ れ る こ とで あ
るが、計 画・ 設 計時 で重 要 な部分 を作 り込 まな
け れ ば な らな い と い わ れ る こ と が 改 め て 文 書 化
( 12). 機 器類 他 は屋外 仕様 と表 示 され て いるか 。
図−1 施 工 図 チ ェ ッ ク リス ト例
する こ と で 明 ら か に な っ た 。 メ ン テ ナ ビ リテ ィ
検証結 果 を総 括 す る と、
−318−
・ 3 階 屋上機 械室 は設置機 器 数 も多 く、平 面的
こ こ で 経 験 した こ とは 、 例 え ば 弁 の ハ ン ドル の
に は通路 巾は 最 小限の 巾 しか確 保で きず、メ
向きを変 え ただけ で通 路が楽 にな った。僅 か な
ン テ ナ ンス ス ペ ー ス は厳 しい も の と な っ て
ことで あ るが 作 図 に 際 して 、 こ の よ うな 点 に注
しま っ た 。
意を払 う こ とで意 外 な効 果 がひ そ んで い た。
・ 事 務 室 空 調機 械 室 につ い て は 最 小 限 の メ ン
テ ナ ンスス ペ ー ス の確 保 が で きた。
表 1 メ ン テ ナ ビ リ テ ィ ー チ ェ ツ ク リ ス ト例
メンテ ナ ビ リテ ィ チ ェ ッ ク
[
備 考]
保 全業 務 検 証 項 目
危険災害
耐震性
の防止
画 ・設
計
[
共通項 目]
満足
時
△
結果
や や 不 満足
×
不満 足
一
対象外
エ 事 ・試 運 転
・支 持 材 の 寸 法 、 支 持 材 、 振 れ 止 め 取
付 け位 置 は 適切 か 。
・支 持 材 が 弁 類 、 点 検 口 の 操 作 を 邪 魔
して い な い か 。
結果
○
・脚 立 、 梯 子 、 足 場 を 設 け る ス ペ ー ス
は あ るか 。
○
×
・危 険 箇 所 の 立 入 り禁 止 、 危 険 表 示 等
は適 切 か 。
○
作 業 の 容 動 作 の し ・機 器 類 の 分 解 点 検 ス ペ ー ス は 考 慮 さ れ て い
易さ
やすき
るか。
×
・点 検 口 、 検 査 口 、 掃 除 口 は 対 象 物 に
対 して 適 切 な 位 置 に 設 け ら れ て い る
か。
○
・目 的 物 に 容 易 に 近 付 け る ス ペ ー ス が 確 保 さ
れているか。
○
・機 器 の 近 辺 に 操 作 用 手 元 ス イ ッ チ が 設 け ら
れているか。
○
・手 元 ス イ ッチ に は ロ ッ ク 機 構 が 付 い
て いるか。
○
・ポ ン プ 、 ヘ ッ ダ ー 類 は 集 中 配 置 き れ て い る
か。
○
安 全 な作
業通路
計
結果
○
・建 築 設 備 耐 震 設 計 ・施 工 指 針 (199 7 )に 準 拠
○
・建 築 電 気 設 備 耐 震 設 計 ・施 エ マ ニ ュ ア ル 参
照
○
・機 器 の 搬 出 入 通 路 と して 十 分 な 幅 と 動 線 が
確 保 され て い る か。
×
・機 器 の 搬 出 入 口 扉 寸 法 は 十 分 あ る か 。
・機 械 間 ま た は こ れ と 他 の 設 備 と の 間 に 設 け
る 通 路 は 8 0cm 以 上 あ る か 。 (労 働 安 全 衛 生 親
則 第 54 3条 )
○
防護力パ ー ・回 転 部 分 等 危 険 な 部 分 に は カ バ ー が 取 付 け
て あ る か 。 (労 働 安 全 衛 生 規 則 第 10 1条 )
○
防護柵
○
・防 護 柵 の 高 さ は 床 か ら 1 .1m 以 上 あ る こ と 。
・平 坦 で す べ り等 の な い こ と 。 溝 蓋 の 取 手 は
作 業床
蓋 の 表 面 よ り 出 な い こ と 。 (労 働 安 全 衛 生 規
キ ャッ トウ 則 第 54 4条 )
オ ーク
暮歩 道 の 幅 は 6 0cm 以 上 あ る か 。
高所作業用 ・脚 立 、 梯 子 、 足 場 を 設 け る ス ペ ー ス は あ る
機 械器具
か。
安 全標
・通 路 面 か ら高 さ 1 .
8m 以 内 に 障 害 物 が 置 か れ
識 、危 険 て い な い か 。 (労 働 安 全 衛 生 規 則 第 54 2
等の表示 条 )
○
○
△
○
○
・深 さ が 1 .5m を こ え る 所 で の 作 業 を 行 う 場 合
の 昇 降 設 備 が あ る か 。 (労 働 安 全 衛 生 規 則
第 5 26 条 )
取付 け、
取 外 し、
交換の し
やす さ
室 内環 境 静 か さ
振動
保 全 業務 装 置 の 機
用図書
能 、性 能
保全資料
・点 検 口 、 盤 類 の キ ー の 共 通 性 は あ る か 。
・N C 値 の 設 定 。
×
∩
一目標 値 (許 容 値 ) の 設 定 。
○
・竣 工 図 面
○
・ヘ ッ ダ ー 、 機 器 まわ り弁 等 の 取 付 位
置 は人 間 工 学 を考 慮 して 、床 上 1 .
3 m
程 度 に あ る か 。 (公 共 建 築 協 会 機 械 設
備工事標準 図)
・規 定 値 以 下 で あ る こ と の 確 認 。
○
○
・目標 値 (許 容 値 ) 以 下 で あ る こ と の
確 認。
・機 器 類 、 ス イ ッ チ 類 、 監 視 計 器 等 に
名 称 TÅG No .が 表 示 さ れ て い る か
○
・指 示 計 器 類 に は 管 理 指 針 ま た は 表 示
があるか。
・保 護 装 置 等 で は 設 定 値 が 確 認 で き る
こ と。
○
○
・機 器 仕 様 書
・機 器 取 扱 説 明 書
○
・維 持 保 全 マ ニ ュ ア ル
−319−
○
3 .運転保守員の訓練計画
にくい の で は な い だ ろ うか 。 発 注 者 が 得 よ うす
設計 者、施 工者 か ら保 守管理 者 (マネー ジ ャ
る情 熱 こは、 公 的 な もの と私 的 な もの が あ る と
ー)、管理 技術 者へ の引継 ぎにあた り、設 計 意 図
考え る と、今 回 の よ うな性 能 検証 を行 う意義 が
を含 め設 備 につ いて理 解 を含 め るた めの もので、
充分 に 見 出 さ れ よ う 。
設備 機能 が継 続 的 に能 力 を発揮 で きる よ うな 内
容を盛 り込 んだ計 画書 を作 成 した。 内容 として
お わ りに
は、(か ノキ ュ ラ ム につ い て は第 八報 を参 照 )
施 工途 中の段 階で割 り込 ん だ形 にな って しま
( 1 ) 建物 システ ム の包 括 的 な内容 を適 確 に
つた今 回の性 能 検証 に対 して、施 工者側 の、特
(2 )
伝 達 す る 図書 。
に空調設 備担 当の方 々 は、 当初 は とま どわれ た
教 育 訓 練 個 別 プ ログ ラ ム
点も 多 か っ た と 思 う 。
こ の よ う な 訓 練 計 画 書 が あ る こ とで 保 守 管 理
しか し、発 注者・ 監 理者・ 施 工者・ 性能 検 証
者の交替 、設 備 の改修 な どが あ って も設 備 と し
者が週 例会議 の場 にあ って、頻 度・ 密度 の高 い
ての機 能 の 維 持 が は かれ る と考 え る。
技術 的議 論 を行 い、 出席者 の共 通認 識 を深 めつ
つ、 さ ら に、 結 果 と して 引 渡 し品 質 の 向 上 に寄
与で きた こ とは、 関係 者 の高 い技 術力、 お よび
4 .設計監理者の業務 と性能検証業務
今 回 の性 能 検証 実施 にあた って は、綿 密 な性
能検 証計 画 に基 づ いて作 業 を開 始 したが、 開始
時期 と建 築工期 の 関係 か ら施 工段 階 性能 検証 を
工事 関係 者の体 制 に入 って 進 め るこ と とな っ た。
一般 的 には設 計監 理者 は工事発 注者 の代 行 と
技術 的探 求心 に依 存 す る ところが非 常 に大 きか
っ た と思 わ れ る 。
工事 関係 者 の協力 に対 して は性 能 検証 内容の
公開 を も って 多 少 で も 報 い る こ とが 出 来 れ ば と
考え る 。
して法 的 な責任 を負 ってい る。高 度 の専 門知識
ま た こ の 場 を借 りて 、 分 科 会 に ご一 緒 して い
と経験 を持 ち、 そ の資格 は業 務独 占・ 名称 独 占
ただ いた 山武 ビル シス テ ム㈱ 伊藤 嘉奈 子氏 、多
資格 と して、 その責任 は建築 士法 に よって定 め
大な ご協 力 をい た だ い た㈱ 日建 設 計 川 上陸 士
られ てい る。一 方、性 能 検 証業務 は 工事発 注者
氏及び㈱ 大林組、㈱三晃空調の工事関係者各位
の代 理 人 として高 度 の知 識 と豊富 な 実績 と洞察
に感 謝 の意 を表 します 。
力を有 す る責任 者 が工事 発注者 の信 頼 の もとに
委嘱 を受 け、 責任 者 の推薦 に よ って組 織化 され
た チ ー ム で 活 動 し 自己 責 任 を全 うす る。 設 計 監
理者 は発 注者 の意 図を契 約 図書類 に もとづ き、
参 考文 献
受注 者 へ監理 業 務 を通 じて適 確 に伝 え るこ とで
1 )A SH RA E
あ って、 契約 図書 類 の範 囲 にお いて の責任 を負
C o m m is s io n in g P Ⅸ忙 e S S ,( 1 9 9 6 )
つて い る。現 行建 築士法 の成 立以 降、 技 術分野
2 ) 空 気調和・ 衛 生 工学会 :シ ンポ ジ ウムテキ
の進 歩発 展 は めざ ま し く、 必 ず しも現 在 の社 会
ストラ イ フ サ イ クル 性 能 検 証 の た め の コ ミ ッ シ
の要 請 に適切 に対 応 し うる法 体系 とな ってい な
ヨニ ン グ の 必 要 性・‥・ 日本 版 コ ミ ッシ ヨニ ン グ
いこ とは 否 め な い と も い わ れ て お り、 制 度 の あ
ガイ ドラ イ ン作 成 に 向 け て … ・2〔X氾.
9 , 押 2・1
り方 に 関 す る検 討 が 加 え られ て い る 。 こ の よ う
∼2 0
な状 況 の 中で建 築主 が よ りよい資産 形 成お よび
設計 監 哩業務 を通 して建 築 にか かわ る ノウハ ウ
を得 よ う とした場 合 、今 回の性 能 検証 で計 画 ・
作成 され たよ うな各種 文 書 につ いて の資料 は得
−320−
G U I D E u N E l − 1 9 9 6
E −13
正会員
空 気調 和設 備 の 当初性能 検 証(コミッショニング)
の 実践研 究
( 第4 報 )
試 験調整 作 業汀A B )
の確 認 と受渡 し前 性能 検証 プロセス
○小野島
− (㈱大林組東京本社)
堀 内 史章 (㈱大林組東京本社)
正会 員
笠置
徹 (㈲ 日本空 調 シス テ ム)
正会員
漬田
和 康 (山武 ビル システ ム㈱ )
正会 員
虞岡
正 (山武 ビル システ ム㈱ )
特別会 員
中原
信 生 (環 境 シス テ ック中原研 究 処)
は じめ に
工程 に鑑 み 工 事 消化 側 を支 援す る立 場 も兼 ね た。
前 報 に引 き続 き 、本 報 で は、近 年 、設備 シス テム
受 渡 し 前 性 能 検 証 ( P re−
A ∝ep tan Ce
にお いて そ の設 備 の持 つ 性 能 を竣 工 時 に確 認・ 検 証
C om m 由sio血n g) は、T A B 終 了後 、竣 工 引渡 し前
する コ ミ ッ シ ョニ ン グ (以 降 C x と 略 す ) プ ロ セ ス
に シス テ ム 全 体 を稼 動 して 動 作 を確 認 す る プ ロセ
に 関 して米 国暖 房冷 凍 空 調工 学 会 A S H M
の ガイ
スと考 え られ る 。この時 点 で建 物 は使 用 されて お ら
ドライ ン 1)
お よび 空気 調 和・ 衛 生 工 学会 に よる建 築
ず実 際 の負 荷 は かか って いな い状況 で あ るが 、全体
設備 の性 能 検 証 (コ ミ ッ シ ョニ ング)基 本 方 針 (案 )
と して の 自動 制 御 シス テ ム の 動 作 確 認 や 各 安 全 装
りに示 され た手 順 に基 づ いて 実 施 され た 内容 につ い
置との連動 確 認 な ど、引 渡 しに向 けて確 認 してお く
て報 告す る。
べき項 目が存 在 す る。本 プ ロ ジェ ク トにお いて は、
建 物 が竣 工す る前 の 受渡 し段 階 にお い て は、設備
空調 稼 動 時 の室 内温 湿 度 状 況 や 騒 音 な どを 実 際 に
が設 計 図 の 仕 様 通 りに動 作 して い る こ と を確 認 す
測定 し、そ の 結果 を文 書化 して C A に報 告 す る もの
る ℃AB (取 s也n g,
A dju s血 g an d B d 弧 Cin g) とい
とし た 。
うプ ロセ ス が存 在 す る。 これ は 、 日本 にお け る工事
1 . T A B の 内容 と実施 計 画
内容 で は試 運転 調 整 に 当た り、機 器 単 品 の動 作確 認
「 股 の工事 に お け る試 運転 調整 作業 は 、機 器 単 品
とそ の基 本 的性 能 を確 認 す る も の と考 え られ る。特
の運転 を行 っ て 、通 常 設 計 図書 に表 記 され た能 力 を
に米 国 にお いて ℃久B 業 掛 ま設 備 シス テ ム の請負 者
出せ るか ど うか、 回転 方 向 の異常 、異 常音 や 振 動な
(C on t柑 CtOr)とは別 の業 種 として確 立 して い る。
どの 問題 が無 いか ど うか を確認 して い る。 しか しな
この場 合 、設 計 図上 の調 整 バル ブの配 置 や 作 業性 な
がら、 今 回 の プ ロセ ス にお ける m
どまで 確 認 した上 で 、 施 主 と直 接 契 約 し、1A B 作
般的な 試運 転 調 整 を初 期 調 整 と位 置付 け、追 加で 必
業実 施 して い る。 しか しな が ら、 日本 に お い て は
要とな る調 整 項 目をサ ブ システ ム毎 に整 理 し、図 −
m B
1 に示す よ うな フ ロー を作 成 して整 理 した。
を専 業 とす る 業 者 は な く、 設備 工 事 を請 け負
つた もの が 工 事 範 囲 内 で機 器 類 の 試 運 転 調 整 を行
つて い る こ と が 普 通 で あ る 。 そ こで 、 本 プ ロ ジ ェ ク
トにお いて も m
B 調 整 で は 、一
配 管 関係 は 耐 圧試 験 、 フ ラ ッシ ング、ゲ ー ジ類 の
動作確 認 を行 フた。機 器 関 係 の初 期調 整 は対
B プ ロセ ス の実 施 は設 備 一括 で請
口
を行 い、定格運転時の電流値、風量 ・
け負 った総 合 請負 者 が 中心 とな って C x 管理 チ ーム
流量 に つ い て 目読 計 器 を 中 心 にデ ー タ を取 って 記
の助 言 の下 に m B 計 画 を立 て て作 業 を実施 し、そ
録し、設 計 能 力 と比較 して評 価 した。計装 関係 は初
の結 果 を C x 責 任 者 ( C A Com血ssio血g
期調整 、ル ー プ チ ェ ック 、単 体 チ ェ ック 、P Ⅱ)設 定
A u tb o 血抄) に報告 す るプ ロセ ス と した 。なお 、変則
チェ ック を行 っ た。各 空調 機 系統 にお け る、 フ アン
的な が ら筆 者 は C x 側 に所 属 しつつ 超 短 工期 の工事
定格 時 の風 量 につ いて 単 体 測 定 を行 い 設 計 値 と比
S tu中 on I血 d Com 血ssio血1g P r∝eSS鮎 A 此ud m
C System ofa N ew B 止血n g
m 月T 4・ m B Ⅵ 止鮎a血 n an d P 托−
A ∝eptan Ce C om 血 ssion m g P r∝eSS
H 如i皿 e O N O J IM A et.d
空気調 和・ 衛 生 工学会 学術 講演 会講 演論 文集(2 0 0 1.9 .2 6 ∼ 2 8(京都 ))
−321−
較して 評価 した 。
2 階 事 務 室空 調 シス テム
l
これ らの初 期 試 験調 整後 、サ ブ シス テ ム毎 に設 計
最大 能 力 で運 転 させ 1A B を行 った 。
冷 温 水 配 管 系統 にお い て は設 置 され た 流 量 計 の
出力 を基 に配 管 系 統 単位 の流 量バ ラ ンス を確 認 し、
配 管 ・ダクト系 I
心
配管 ・
ダクト完 了 I
J
水 圧試 鼓
】
↓
フラツシ ング
l
J
機 番 接続
I
l
l
機暮
↓
櫨蕃据付
↓
レベ ル、芯 出
1
1
I
l
t
l
.
t気
J
動 力盤 据 付
J
配線
↓
接続
I
l
計装
心
l
計装盤据付
↓
l
機巻取付
↓
】
配線
J
】
接続
J
l
絶後試鼓
J
l ル ー プチェック
J
l
単 体チ ェック
J
I
設定値入力
I
I
l
t
絶縁 抵 抗 試鹸
l
J
回転 方 向 試験
I
J
l 保護 装 置 試 鼓 l 】 保 護 回路 試 験
J
)l風土・
流i 圧力溺定評整 l
J
t 電 流 値チ ェック I
J
l
堤昔測定
t
l
J
l
総合
】
l
設計最 大 流 量・ 最少 流 量 を確 保 す る よ うイ ンバ ー タ
の最 少最 大 周波 数 を設定 した 。
l
空調 系 統 で は 吹 出風 量 、吸 込 風 量 を測 定 してエ ア
バラ ンス の調整 を行 った。外 気 を取 り込 む 空調 系 統
では外 気 ダ ク ト内 の空 気 流 速 を測 定 口か ら実 測 し
I
て風 量 を求 め 、設 計最 小 風 量時 に外 気用 ダ ンパ の 開
配管 系 統
ダク ト系 統
冷水・給 水送 水
フアン 運 転
冷水 温 度、圧 力 確認
給気 温湿 度 確 認
度を調 整 し最 小 外 気 量 が 確 保 で き る ダ ンパ 開 度 を
求めた 。最終 的 にエ アバ ラ ンス・ 設 計最 大 風 量 を基
に イ ン バ ー タ へ の パ ラ メ ー タ を 設 定 した 。特 に イ ン
火報連 動 停 止 確認
バー タ に よ り可 変 速 に 制 御 さ れ る フ ア ン や ポ ン プ
イン ター ロッ ク制
類につ いて は、納 入 仕様 書 に回転 数 が 変化 した 場 合
フリー ア ク セ ス 差 圧 制
確
吹出 し 口 見
の性能 曲線 を提 出す る よ うに製 造 者 に対 し要 求 し、
室内 温度 分 布 測 定
回転数 制 御 され た場 合 の性能 も確 認 して い る。
確 ( B E M S に よる )
以 上 の 1A B 調 整 は基 本 的 にシ ステ ム のバ ラ ンス
制
を取 る事 が 目的で ある ため 、各 空調 機 や ポ ン プ に装
( B E M S に よる )
流系
付
MD制
室内 湿度 制 御 確認
備され た 自動制 御 シス テム を用 いず 、す べて 手 動 運
外気 冷 房制 御 確 認
転と して行 っ た 。
自然
2 . T A B 確認
気連 動
・ 室 内 鉛直 温 度・気流 分 布 測
構 成 され た 1A B 計 画 に基 づ き、 実 際
の作 業 を行 った 。℃A B 作 業 の初 期 には 中
にお いて は現 場 に設置
され た 目読計 器 を 中心 に計測 を行 った 。
ポンプ等 にお いて は圧 力計 、電 流 計 の読
みか らポ ンプ 性能 曲 線 を基 に流 量 を推 定
※ PC H −10は 絞 込 み 運 転 中 に測 定
3 50
■設 計 値
3 00
■圧 力 計 か ら
算 出 した 値
□電 流 計 か ら
算 出 した 値
国現 地 の 流 量
計 に よる値
0
5
する と共 に、設 置 され た電 磁 流 量計 の 出
n lB フ ロー チ ャー トの例
︵u
盲0
\一
︶
哨 煤
2
l
↓
−
I
0
0
520
0
5
0
央監 視 装置 が 完 成 して いな いた め、 各機
図− 1
止確
デー タ ロガ に よ る
力値 と比較 した 。 図 − 2 にそ の 一例 を示
す。 こ こで は 、 一部 の測 定 値 間 に差 は あ
P C H−10
るもの の 、 ほぼ 設計 通 りの仕 様 を満 た し
P C H −11
P C H −12
PC H−13
図− 2
てい る と判 断 し た 。
空調 機 他 の 送 風 機 器 に つ い て は ポ ン プ類 と同 様
事で 隙 間風 等 の 問題 を防止 して い る。
な機静 性能 の確 認 を行 った上 、給 気 吹 出風 量 と還 気
冷 凍 機 、熱交 換 器 な どの熱源 機 器 につ い て もそ れ
吸込風 量 を実 測 し、系統 毎 の エ アバ ラ ンス を検 証 し
ぞれ 機 器 の設 計性 能 の確 認 を行 った上 、文 書化 して
た。表 − 1 に 2 階事 務 室 にお け るエ ア バ ラ ンス検 証
C A へ 報 告 を行 った。
の例 を示 す 。 これ によ れ ば、 この階 で は ほ ぼ設 計通
この よ うに T A B プ ロセ ス にお け る性 能 検証 にお
りの風 量 を確保 した 上 、わず か に正 圧 側 に調 整 す る
いて は基 本 的 な機 器 仕 様 とシ ス テ ム性 能 を 検 証 す
−322−
2 階事務 室エ アバ ランスの検証 (単 位 :m 8瓜)
設 計 値
給気
還気
6.
0 00
6,
0 00
6,
0 00
6,
0 00
2 90
2 90
2 10
2 10
100
100
1,
0 00
1,
0 00
ある事 を文 書で 確 認す る事 が重 要 で ある。
事務室東側
事務室西側
この後 、自動 制御 シス テ ム を稼 動 して 通 常運 転 男 子 トイ レ
女 子 トイ レ
時の状 態 と して 室 内温 湿 度 や 吹 出温 度 、水 温 な ど 身 障 者 トイ レ
リフ レッシ ュ コー ナ
3 . 受渡 し前性能検証
3
を目読 計器 、実 測計器 お よび B E M S か らの デー
夕を基 に確 認 した。 ただ し、 この時 点
︵ ∈ ∈ ︶ 仙 傾 e 心 ′勺 恒 也
かか って い な い状 態 で あ る。
定し、設 計 値 との 比較 を行 った 。特 に
本プ ロ ジ ェ ク トに お いて は⊥ 部 に特 殊
吹出 空 気温 度 :
2 3.
2℃
2 6 .0
0
2000
3000
図− 3
調と して利 用 され る天 井 面 の 付 着
4
1
」
l…‥ /
いノ■’
●t●■
へ
︵00︶嘲 鯛
ヽ
\ \
\ \1
l
た
′
′
ノつ
しノ′
ヽ
丁ノ †
† :し「
l・・
ノノ
㌔
〆
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ノ
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■
■
 ̄
■
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′
l
\∴
l’
●
◆
■ \
㌧ \ ●
こ
\ \
ヽ
l
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ヽ
1
ヽ
1
1
:
:
.
■
1
も
−
卜r
ノ′
ミ
7000
8000
ノ
=
一事熟格1 ⊆
l
‡≡萱≡≡岳
†・
こ
−ら
㍉
:壬こ
.
ヽ
●
●
.
l .ヽ/
ヽ
●
ヽ
■
二
絹
諾
†
l・
−レ…t レ
\モ
‥
.
ミ=
‥
ノ 舶
∫
ノ
〆
J
甜
l て
−
ん:
小・
二
・
・
の確認結果を示す 。概ね期待 した
●
■
■
■ヽ
■■
童
,
訝
l
■
4
転され て い る事 を確 認 した 。
しか しな が ら、 この時 点 で 確 認
600 0
2 階 事務室 垂直温 度分布 の検 証 (単位 :℃)
1 6
況
通りの 温 度 プ ロ フィー ル で 蓄 熱 運
5000
蓄熱 槽 温 度 プ ロ フィー ル(10 月 11 日 ∼ 13 日 )
の問題 が 起 き て いな い事 がわ か る 。
図− 4
4000
壁 面 か らの水 平 距 触 (m m )
度分布 を測 定 して ア ン ビエ ン ト空
て吹 出 空 気が 流 れ 、 ドラ フ トな ど
…=2 # 8 ‥…
10 0 0
は、発注条件に規定 された、垂直温
着噴流効 果によって天井面 に沿 っ
2 5 .6
26.
階の タ ス ク ア ン ビ エ ン ト空 調 に 関 して
実測 結果 の例 を示 す 。 これ で は 付
2 5.
2 #2
な空 調 シス テ ム が採 用 され て い る 。 2
噴流 の状 況 を確 認 した 。 図 − 3 に
2 5.6 − −− −−*
2 5 .8
0
0
1
一 般 各 室 につ いて は室 内温 湿度 を測
実 測 値
給気
運気
バ ランス
6.
0 14
5.
9 83
31
5,
73 9
5.
7 26
13
27 6
2 85
−9
22 1
194
27
97
123
−26
1,
09 4
727
3 67
階 合計
4 03
蹄
⊂⊃
⊃
,−
では 、竣 工 前 で あ る ため 、 空調 負 荷 は
2 0 8
義一 1
計図 書 に記 述 され た 要 求 性 能 に合 致 した もの で
0 0 0 0
0
0 0
0
ることが主 目的 で あ り、機 器類 の納 入仕 様 書や 設
0:
00 4:
00 8:
0 0 12 :
0 0 16 :
00 20 :
00 0 :
00
1 0 /1 1
4:
00 8:
00 12 :
0 0 16:
00 2 0 :
00
1 0 /1 2
図−4
水蓄 熱槽蓄熱 運転 の検 証
した結 果 は 空 調 負 荷 が無 い状 態 の
もので あ り、 実 際 の 室 内環 境 と して は竣 工
後、 各 季 節 に 行 わ れ る 受 渡 し後 性 能 検 証
(P o st−a CCe p ta n C e C o m m 由sio n 血 g ) に お
いて実 際 の環 境 測 定 が行 わ れ る。
この ほか 、蓄 熱 槽の水 質 変 化 の確 認 や 室
内及 び敷 地 境 界で の騒 音値 の測定 な どが行
われ 、受 渡 し前性 能 検証 として行 われ た。
これ ら の 結 果 、 い く つ か の 問 題 点 が 明 ら
かにな り修 正 が行 われ た 。表 − 2 に性 能 検
証プ ロセ ス にお いて発 見 され、 対 処 され た
修正 事 項 を示 す 。 い くつ か は 明 らか に設 計
義一 2
℃AB 及び 受渡 し前性 能検証 によ る修正事 項
項目
吹出方 向の不具合
4 階 会 議 室 エ アバ ラ ン ス 不
良
4 階会議 室 フアン騒音大
Ⅵも
Ⅴ 測定風 量誤差
蓄 熱槽清 掃
冷 却水 ポ ンプのエア抜 き
空 冷 H P C フ ロ ー ス イ ッチ
不具合
空 冷 H P C 出 口温 度 リ ミ ッ
ト制 御 不 具 合
プ ラ イ ンス ク リ ュー チ ラー
起動不 具合
時の性能記述 不備や施工不備(管理・監理 ミ
仙32 3 仙
原因
V H S 羽根 角度調 整不良
機 械 室 チ ャ ン バ ー か ら リー ク 。 M D 制御追
加
防振 追 加
設 置位置等 による問題
清掃 不 良
鳥 居 配 管 に よ る 不 具 合 が 予 想 され る が 、納
ま り上 や む を 得 ず 。
流 量 保 護 装 置 の仕 様 が フ ロー ス イ ッチ /圧
カスイ ッチで食 い違い。
蓄 熱 運 転 時 の 装 置 保 護 用 ボ デ ィサ ー モ リレ
ーの動作 不整合
保護協調 不良
ス )も あ る が 、 ほ と ん どの も の は 今 回 の ℃久B や 受 渡
必 要 が あ る。
し前 性 能 検 証 プ ロセ ス を 行 っ た か ら こそ 発 見 され
本 建 物 で の特 徴 は 、一 般 の建 物 に 比べ て 数多 く配
た 問題 点 で あ り、当初 施 工時 か らの性 能 検証 プ ロセ
管 系 に電 磁 流 量 計 が 設 置 され て い た た め に、 m B
ス と同時 に、竣 工前 の確 実な 問題解 決 に大 きな 役割
作 業 を著 し く容 易 に した。Ⅵ Ⅳ の普 及 によ りダ ク ト
を果 す 事 が で き る と考 え られ る。 これ らの過 程 で 明
系で は比 較 的風 量 を把 握 しやす くな っ た と はい え、
らか にな っ た事 は 性 能 検 証 の た め の 設 計 図 書 に お
配 管 系 に電磁 流 量 計 を多 数 設置 す る事 は少 な い。将
ける性能記述 の明確化 施工図段階で の再検 討内容
来 の 性 能 検 証 の た め に少 な くと も主 要 な 各 機 器 へ
へ の監 理 責 任 体 制 あ る いは設 計 体 制 そ の もの、そ し
の配 管 に は簡 単 な流 量 計 測 器 と流 量 調 整 弁 を設 置
て適 切 な 工 期 設 定 が いか に重 要 で あ る か が 痛 感 さ
す る事 が必 要 にな る と考 え られ 、最低 限仮 設 で電 磁
れた 。
流 量 計 を設 置 で き る よ う に配 管 を準 備 して お くな
4 . 性能 検 証 プロセ スの 評価
どの 対 応が 望 ま しい。工 事 費削 減 のた め には 欧米 で
本 来 の性能 検 証 プ ロセ ス を考 え た場 合 、1A B 作
活 用 されて いる C x バ ル ブ
(定 流 量弁 、或 い は可 搬式
業にお い て まず 問題 とな った点 は 、基本 的 な設 計 仕
流 量 系 を取 り付 けて 流 量 確 認す る もの)を取 り付 け
様及 び 要 求仕 様 に対 して 、計測 され た機 静 性能 が ど
る事 を義 務 づ け る こ とも必 要 と思 わ れ る。
の程 度 合致 して い た ら 「良」 とす る のか 、 を明確 に
5.
お わ りに
する必 要が あっ た事 で あ る。一 般 の設 計 図書 や 契 約
今 回、 正式 な C x プ ロセ ス に従 った試 行 を行 い、
文書 で は 「室 温 が 2 6℃ ±1℃ 」 とい っ た表記 が 良 く
各種 の 問題点 を確認 し得 た ことは 、よ り良 い性 能 の
行わ れ る が 、 これ で は室 内 の水 平 温 度 分 布 が 「 ±
設備 シス テ ム を供 給 す る上 で は重 要 な 事 で あ っ た
1℃ 」 な のか 、代 表 点 の時 間変 化が 「± 1℃」な の か
と考 え る。 しば しば 、手 間 と労力 の かか る試 験調 整
が明確 で はな い。性 能 を評価 す る場 合 、そ の受 渡 し
作業 は簡 単 に済 ま され て しま い、と りあえ ず ク レー
評価 の た め の 条 件 を明 確 に して お く事 が 重 要 で あ
ムが 無 けれ ば良 しとす る傾 向が散 見 され るが 、確 実
り、そ の条 件 には単 な る理想 論 で はな く測 定 機器 の
な性 能評 価 をす るた め の境 界 条件 の 明確 化 、責 任 区
精度 も含 め た評 価 が な され るべ きで あ る。
分の 明確 化 と共 に、し っか りした T畑 作 業 が 重要 で
m B プ ロセ ス にお いて は基 本 的 な 機器 性 能 を把
ある 。
握す る こと を 目的 とす れ ば(これ に対 して C x で は
今 回 の工事 で は非常 に短 工期 で あ った た め に、
シス テ ム の機 能 的性 能 の検 証 を 目的 とす る もの と
般的 な 施 工 手 順 で も非 常 に厳 しい状 況 に あ り、 C x
され る)
、季 節 に関係 な く実 施す る事 が不 可 能で はな
プロセ ス の適 用 に も各 種 の抵 抗 が あ った うえ、実 際
く、大 型 建物 で は仮 設 電 源 を用 いて 受電 前 に行 う事
のTAB 作 業 も竣 工後 に行 って いる。施 工 中 には現 場
も考 え られ る。 しか し、受 渡 し前性 能 検 証 プ ロセ ス
サイ ドの 要望 と C x チ ー ム と して の義 務が食 い違 う
にお いて は、 シス テ ム全 体 を稼 動 させ るた め に、冷
場面 も あ り、 当初 か ら明確 な C x 作 業 に関す る 目標
房時 期 に暖 房 用 の シ ス テ ム を完 全 に稼 動 させ る 事
と実 行 へ の コ ンセ ンサ ス を設 計 、設 計 監理 、施 工チ
は難 し い 。 し か も メ ー カ ー か ら、中 間 期 の デ ー タ か
ーム に確実 に浸透 させ る事 が 必要 と感 じ られ た。
ら ピー ク負 荷 時 の能 力 を推 定 得 る技 術 資 料 が 提 出
され る事 は稀 で あ る。す な わち 、契 約 上 の竣 工 時 ま
でに行 わ れ る受 渡 し前性 能 検 証 完 了 を も って す べ
ての性 能検 証 プ ロセ ス の 完 了 とす る と、受渡 し前 に
参 考文献
1 )A S H M
G U I D E u N E l − 1 9 9 6 : m e
H V 生 C
C om m issio 血n g P r∝ e SS ,(19 9 6 )
2 )空 気 調 和・ 衛 生 工 学 会 :シ ンポ ジ ウ ム テ キ ス ト ラ
はす べ て の シス テム の検 証 はで きな い こ とにな る。
イ フサ イ ク ル 性 能 検 証 の た め の コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ
最終 的 にす べ て 実 負 荷 に合 わ せ で 性能 を検 証 し調
の必 要 性 −
−
−
一日本 版 コ ミ ッ シ ョニ ン グ ガ イ ドライ ン
整しよ う とす れ ば、最 低 限 1 年 間 の各 季 節 にお け る
作成 に向 けて…−2 0 0 0 .
9 ,p p .
2・1 ∼2 0
試験 調 整 を必 要 とす る こ とか ら、性 能 検証 プ ロセ ス
は契 約 上 の竣 工 か らほ ぼ 1 年 間 は確 実 に実 施 す る
ー324−
E −14
空気 調 和 設 備 の 当初 性 能 検 証 ( コ ミ ッ シ ヨニ ン グ ) の 実 践 研 究
第五報
○正 会 員
受渡 し段 階性 能検証 プ ロセ ス と検証 結果 の概 要
村 山俊 尚( 山武 ビル シ ス テ ム 触 )) 正 会 員
開口
特別 会 員
伊 藤 嘉 奈 子( 山 武 ビル シ ス テ ム触 ))
史( 山武 ビル シ ス テ ム(株 )) 正 会 員
虞岡
正
( 山武 ビル シ ス テ ム(株 )
)
中原 信 生 (環 境 シス テ ッ ク 中原 研 究 処 )
1 . は じめ に
順で確 認 し、 検 証 実施 以 降 に 中 央 監視 デ ー タ で解 析
第 四報 で報 告 さ れ た試 運 転 調 整 ( T A B )終 了後
する機 能 分 担 とす る こ とで現 場 作業 の最 短 化 を計 る
に、 空 調 シ ステ ム性 能 検 証 (※ 以下 検 証 とは受 け渡
為で あ る 。
し段 階 の も の とす る ) を 実 施 す る 上 で の 検 証 手 順 と
3 . 検証 システム
その 結 果 に つ い て の 報 告 を 行 う 。 ま た 、 受 け 渡 し後
段階の 解 析 事 例 、 使 用 した B E M S 援 用 ツー ル につ
検 証 に使 用 した、 中央 監 視 シ ス テ ム と概 略 機 能 分
担を以 下 に 示 す(図 −
1)
。
いて の 評価 結 果 は第 六 報 で 報 告 を行 う。
2 . 受渡 し段 階検 証 の 考 え方 と方 法
ポイ ン ト表 示 機 能
デー タ収 集機 能
トレンド ク寸ラフ表 示 機 能
グラ フ表 示 機 能
︶
1︶
2︶
3
空 調 シス テ ム が そ の運 転 性 能 を発 揮 す る為 の 必 要
条件 は、
機器 能 力
M CU
システ ムの機 能 ・ 性 能
・● 8 E M S
運転性能 (制御 性能)
こ の 性 能 が 実 現 で き る こ と で あ り、 受 け 渡 し段 階 で
の性 能 検 証 実施 は 必要 条 件 の確 認 行 為 で あ る。
⋮ ⋮=盤 L
力
動
S
R
を 充 足 す る こ とで あ る 。 十 分 条 件 は 、 年 間 に 渡 っ て
煮
‡
DDC
基準 が 必 要 とな る。 そ の 為 、 計 画 機 器 能 力 ・ シ ステ
ム性 能 (空 調 シス テ ムが 作 り出 す環 境 条 件 、 想 定 条
件等 )
・ 自動制 御 の 基 準 値・ 精 度 ・ 一
一日の 運 転 方法 ・
年間 の運 転 方 法 な ど を記 述 した管 理 文 書 の 作 成 を行
MC U
分筆 盤
:メ イ ン コ ン ト ロ ー ル ユ ニ ッ ト
BE M S
U I C
受琴畢 設 備
..≡ .
⋮⋮L
W TY
上 記 項 目 を確 認 す る為 に は、 性 能 を評 価 す る判 断
照明 T U 盤
:ビル エ ネ ル ギ ー 管 理 シ シ テ ム
:統 合 コ ン ト ロ ー ラ
RS
:リモ ー トス テ ー シ ョ ン
D D
C
つた 。
:ダ イ レ ク ト デ ジ タ ル コ ン ト ロ ー ラ
この 際 、 年 間 を通 じた運 転 条 件 (季節 別 の 想 定 蓄
熱目標 等 ) な どは、 設 計 時 点 で 十 分 に 考 慮 さ れ て い
ない 状 況 で あ っ た こ と が 判 明 した 。
図 一1
中央監視 シス テム
具 体 的 に は 、 中 央 監 視 シ ス テ ム の ポ イ ン ト表 示 、
今 回 の設 計 で は、 中央 監 視 シ ス テ ム (B E M S )
ト レ ン ドグ ラ フ ( 最 小 1 分 間 隔 ) で 状 況 を確 認 し、
を性 能 検 証 に最 大 限 活 用 す る よ う、 検 証 に 必要 な計
B E M S で 収 集 したデ ー タ を (最 小 1 0 分 間 隔)、
測
・ 計 量 計 画 が 行 わ れ た。 結 果 、 中央 監 視 実 装 監 視
BE M
ポイ ン トは 通 常 実 装 さ れ る ポ イ ン トよ り、 あ る 系 統
グラ フ 化 し状 況 分 析 を 行 っ た 。
S の 表 示 グ ラ フ 及 び 一 般 市 販 グ ラ フ ソ フ トで
を比 較 す る と 4 0 % 程 度 多 く な っ た 。
検 証 方 法 は 、検証 手 順 ( 義 一1 参 照 ) に従 って機 器
の運 転 を行 い 、 その 状 況 を 目視 確 認 、 記 録 をす る。
4 .検 証 項 目
検 証 項 目は装 置能 力 、機 器 の保 護 回路 動作 ( リ ミ
検証 実施 中は 、 中 央 監 視 シ ス テ ム で は 自 動 的 に デ ー
ッ ト試験 )
、 運 転 状 況 (制御 性 ) と した (検 証 対 象設
夕収集 を 行 い 、 検査 終 了後 詳 細 な 解 析 を行 う方 式 と
備は 第 二 報参 照 )。装 置 の 能 力検 査 、 リ ミッ ト試験 は
し た 。 こ れ は 、 中央 監視 で の 表 示・ 収 集 デ ー タ で は
制御 を働 かせ な い状 態 (オ ー プ ン試 験 )、運 転状 況 は
確認 で き ない 音・ 臭 い ・ 現 場 計器 の値 な どを検 証 手
制御 を働 か せ た状 態 (ク ロー ズ試 験 )で 行 っ た。
S tⅦ d y o n
I n i ti a l C o m
m
is s io n i n g P r o c e s s F o r A c t u a l H
P art−5 P lann in g ,P rocessa
V A C
S y ste m
ofA
N ew
B u ildin g .
nd ResultofB EM ・
S aSSisted Com m issioning 如 A 0 eptanCe Stage
空気調 和・ 衛生 工学 全学術 講演 会講 演論 文集(2 0 0 1 且 2 6 ∼2 8(京都 ))
T o s b ib i s a
−325−
M U R A ¥ A M A
e t
a l .
手順 5 .ポ ンプ能 力確認 。
5 . 検証手順
検 証手 順 概 要 を述 べ る。 装 置 能 力 確 認 時 の ス テ ッ
プ応 答 か ら制 御 パ ラ メ … 夕 ( P
手順 6 .空 調 制 御 弁 全 開 の ま ま 、 空 調 機 を 起 動 し (空
調機 能 力確 認 ※)
、 温度 応答 確認
I ) を 想 定 し、 そ の
※ コ イ ル 能 力 、 V A V 空 調 は フ ア ン能 力含 む
結果 の パ ラ メ ー タ を 設 定 し た 状 態 で 、 制 御 モ ー ドに
変更 して 、 運 転 状 況 (制 御 状 況 )の 確 認 を行 っ た。
手順 7 .全 て 制 御 状 況 と し、 設 定 変 更 を して 追 従 性 、
制御 状 況 は 、 精 度 、 追 従 性 、 安 定 性 につ いて の 確 認
安定性 確認
.検 証 の 現 場 作 業 に は 2 日 間 を 費 や した 。 実 際 の
を行 っ た 。
を表・ 1 に示 す 。
空調 機 給 気温 度 P I の事 例
訪 班 別出 2引 出
5 .1
空調 機 停 止 状 況 、 送 水 温 度 が 確 立 され て い る状 況
を確 認 し、 制 御 弁 を全 開 に す る 。 こ の状 態 で 空 調 機
を運 転 しス テ ッ プ応 答 デ ー タ を 収 集 す る ( 図・ 2 )。
p
この デ ー タ か ら等 価 無 駄 時 間、 時定 数 を 算 出 し P I
想定 パ ラ メ ー タ
無駄時 間
0.
1 2 0C
時定数
240 秒
P=10
Ⅰ =1 .
5
19
世18
同定 の 経 験 式 を 参 考 に P I パ ラ メ ー タ 算 出 を 行 っ た 。
20 秒
ゲイ ン
丁
(次掛
__
蛸17
八
.
喜
16
15
5 .2 検証手順事例
210
111
14
一般 系設 備 で 行 った概 要 を 以下 に示 す 。
13
手順 1 .蓄 熱 シ ス テ ム を 自動 に し、 蓄 熱 運 転 を行 う 。
0巾‖
¢の︰
の ︻
0の︰
ト的‖
巾 ︻
00‖
心的︰
巾 ︻
00︰
ト的‖
巾 ︻
00︰
¢の︰
巾 ︻
○巾‖
¢の‖
C ︻
00‖
のの‖
M ︻
0巾‖
のの‖
の ︻
00︰
寸め‖
巾 ︻
OM‖
寸巾‖
巾 ︻
00‖
Mの‖
巾 ︻
○ 巾︰巾 の ︰
巾 ︻
00︰
Nの︰
の ︻
○ 巾︰N の ︰
巾 ︻
OC‖
︻の‖
巾 ︻
表・ 1
00︰
︻巾‖
巾 ︻
図−2
手順 4 .熱交換 器能 力確 認 。
○の‖
○巾‖
巾 ︻
0巾︰
ふ† 巾 ︻
00︰
○巾︰
巾 ︻
OM‖
¢† 巾 ︻
00‖
血寸︰
巾 ︻
○ 巾︰ト † の ︻
御状 況 、熱源機 器 能 力の確 認 を行 う。
手順 3 .熱源機 器保 護 回路動作 試 験 を行 う。
0 0︰也 寸 ‖
巾 ︻
手順 2 .翌 日 B E M S デ ー タ で 、 蓄 熱 状 況 、 三 方 弁 制
給 気温度 ス テ ップ応答
検証 計画 事例
■空 調 シ ス テ ム
捷作 、 値 確 認 は 全 て 中 央 監 視 盤 よ り行 い 、 目視 確 認 項 目 ( 電 流 値 、 圧 力 、 青 等 ) は 現 場 で 確 認 し 、 インター恥 で 中 央 監 視 室 に 連 絡 し、 記 録 を 行 う 。
検 査項 目
機 器能 力検 査
対象 系統
ー舶・
系抽 払渡
ク∼ 4 階中喜
ヨ撫
韻書 姓甫 は三
岳善 於触
※熱 源運 転手動 モ十一
誠空 調制 御手動 モー
ド
※蓄 熱槽 に貯 え られ
た冷水 熱量 を全て
放 熱 する。
ー舶・
系抽 払渡
制御 状況検査
検査 羊膜
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
確 認 項 目 (目 視 )
P C H −1 3 運 転 (
P C H −1 2 ,1 1 連 動 )
送水 温度確 認状 況
2 ∼ 4 階空調機 自動 弁全 開
2 階空 親機起動
3 階 空調機 起動 (最大 風 量 運 転 )
4 階 空調機 起動 (放熱 運 転 )
蓄熟 容量 が0 にな るまで 運 転 継 続
蓄熱 コ汁ローラ自動 モード確認
R −1 送水温 度設 定確認
蓄熱 運転 時間 帯設定状 況 確 認 (2 2 :
00 ∼
8:
∞ )
① 蓄 熱状況確 認
② R −1 を強 制的 に運転 する 。
ク∼ 4 階中ヨi 様
③ 2 ∼ 4 階空調 機長 大外気 取 り 入 れ モー
ドに
※ 熟源運 転手 動モード ④ 2 ∼ 4 階空講 機 自動弁全 開
(天候 が晴れ であ る ⑤ 2 ∼ 4 階空調 機運 転
⑥ P C H −1 3 運転 (P C H −1 2 .
1 1 連動 )
こ と)
※ ボンフ1 ンハー
一夕周波 数最 大運 転
※ H E −1 1 送水温 度の 変化 が な く な る ま で
滅 事 熊容 量が0 に なる まで 運 転 績 続
⑦ 書 熊コ沐ロー
ラ自動モー
ド確 認
⑧ 空 調機O S S 登録
⑨ 空調機スケゾユール設 定
ー舶・
集】
鉦鼓渥
(
D 運転 状況確認
・ アンヒー
ェンM D 強 制閉
ク∼ 4 1替卑 語撫
試運転 自動モー
ド
② 制御 状況確 認
(
2 階 空訴システム)
・温度 設定変 更
・ C o 2 漢座 設定 変更
・ 自然 換気窓 操作 (
外乱 )
(
3 階 空講 システム)
・温度 設定 変更
・ C o 2 濃 度設 定変更
・ 自然換 気窓操作 (
外乱 )
制御状 況検査
氷舌 鼓 自動 運 転 で、 実検 重 来 枕 検 査 日 ま
に 美事 とする 。
通 常運 転継続 ・残 事項検 査
滅 デー
タ収 集継続
2 階室 内温温 度分布 瀾 定実 施
各 村 ンプ 運 転 状 況 (圧 力 、 書 流 値 )
各 村 ンブ運 転 状 況 (圧 力 、 書 流 億 )
弁状 態
各 フアン運 転 書 流 、 周 波 数
評価項 目
H E −1 1 の 放 浪 特 性
送水 温度 立 ち上が り状況
空調 系統 室内 ,給気 ゲイ ン
空調 系統 最大 冷房能 力
※ 詳 細 チェックシート幸 照
2 2 時 に 熱 源 の 起 動 を確 認 し、 主 方 弁 動 作
状 況 自 損 確 認 を行 う
昨 日 蓄 熱 運 事云状 況 (
機 器 運 転 状 況 (容 量
制 御 発 生 無 し、 蓄 粒 状 況 ) を デ ー
タで 確 認
保護 回路動作 状況
各 ポ ンプ運 転 状 況 (圧 力 、 書 流 僅 )
各 ホ○
ンプ運 転 状 況 (圧 力 、 l 流 値 )
弁状 態
各 フアン運 転 書 流 、 周 波 数
送 水 温 度 立 ち 上 が り状 況
空 調系統 室 内.給気 ゲイ ン
空 調系統 最大 冷房能 力
※ 詳 細 チェックシー
ト参 照
(
2 階 空 調 システム)
空 調機 運転、 室内状 況 目視確覿
吹 き 出 し 口風 量
差圧
青
M D 状況
(
3 階 空 調 システム)
空調機 運転 、室 内状況 目視確認
音
M D 状況
(4 階 空 調 システム)
空調 機運転 、室 内状況 目視確 認
よ
l
lヨ
M D 状況
−326−
(
一般 泉源 系統 )
事魚 特性/ 放熟 特性
事熟 効奉
手強 檜内温 度変 化 (
プロフィル )
三方 弁制 卸状況
送水 温度応 答
速水 温度 制御状 況
差 圧制御 状況
H E −1 1 効 車
エネルキ◆
− (一 気 、 熟 量 )
冷凍機 C O P
(一 般 空 調 系 統 )
O SS 状況
畢 虔制 御状況 (
外 乱制定状 況含
制御機 蕃動作
エネルキー
ー(
t 気、 耗量)
16.
0
検 証 結 果 の一 部 を手 順 に従 って 報 告 す る。
14.
0
ク■
熱 源 運 転 状 況 (蓄 熱 )
︵U
6.1
O
∧V
UO■臥 地 類
蓄 熱 運 転 の検 証 に お い て三 方 弁 制御 が 、正 し く動
爪V O
0
1 ) 三 方 弁 制御 の 動作 検 証
作す る こ と は 大 前 提 と な る 。 下 記 の グ ラ フ で 、 起 動
丘肌
時か ら約 10 分 以 内 で送 水 設 定 値(5 .
2 0C )に達 して、
4
設計 温 度 差 7 0C が確 保 さ れ て い る状 況 が確 認 で きる
(図・3 )
。 また、蓄 熱 時 間 を通 じて も熱 源機 器 起 動 ・
2 .
0
…
・…・・=●
…・−−
−… ‥
・…・… ・
−−−−
ト… ‥・=・小 一−−−
…・・・ヽ
・ …・…・
・・小
‥−
−‥−
−ト ー
停止 に際 して制 御 が追 従 して い る状 況 が確 認 で きる
0 .
0
(図・4 )。
0000000000000000n
V
O
書撫稚1 触
事搬
書柵
書触甘7 軸
書馳
図 5
︵岩 月 召 爺 択 川
細
力… 一
−
−
−
…一
…−
−
…… −
−
心
 ̄ ̄
 ̄
 ̄
糖
±1℃ 以内 ‖ ̄
 ̄
… ̄
 ̄
 ̄
 ̄
 ̄
 ̄
 ̄
 ̄
 ̄
蓄 熱 槽 プ ロ フ ィー ル
1 0
 ̄…制定 時冊・約†○分−
−
−
一
一
−
一
一
−
−
−
−
−
−
−
3 )
冷凍機 能 力検証
蓄 熱 時 の 生 産 熱 量 と、 冷 凍 機 出入 り 口温 度 状 況
を図 −
(=こ示 す 。 冷 凍 機 能 力 2 2 0 M J 他 に 対 して 約
1 5 %程 度 能 力 が 余 分 にで て い る状 況 が確 認 で き る。
外気 温 度 低 下 に よ る も の で あ る こ と は 明 ら か で あ る
2 0
○ 巾 ︰︻ 叫
○ 刊 ︰ l糾
○〓 刊 図
0 0 ‖︻ 叫
3○
が冷 凍機 の性 能 変 化 線 図 が 提 出 さ れ て お らず 、検 証
0
⊂〉
>
寸 0 ∽ 0 ○ 0 ▼
=0 叫 0 巾 0 寸 ⊂
乃
l 0 ○ 0 ▼
= ⊂〉
糾 ⊂〉
の ⊂〉
寸 ○の
▼■
N
▼■
N
N
くヾ
叫
亡ヾ
亡}
O J
亡
り
一っ
【り
ーり
く
り
(▼〉
に支 障 を き た し た 。 ま た 、 蓄 熱 目標 と 蓄 熱 量 の デ ー
○
く⊃
e 、 l 叫 亡 ヾ 印 刷 く } 小 J 印 刷 く } く ヾ 糾
タを 確 認 した 結 果 、蓄 熱 目標 ( 1 0 0 % ) に 達 す る ま え
三 方 弁 制 御 (ス ラ イ ド制 御 ) 立 ち上 り
に機 器 が停 止 して い る状 況 が 判 明 した 。 これ は蓄 熱
1 月14 日∼15 日三方 弁柵
弧0
1 宜)
収0
他0
仙0
コン トロ ー ラ の 送 水 温 度 停 止 機 能 が 動 作 した 為 で あ
1 10
る
( 4 0C で 強 制停 止 )。この 機 能 は 冷 凍機 の 凍 結 防止
1 0
−…−
冷凍機也 一
日港
∝)
機能 (3 0C )が働 く前 に機 器 を強 制停 止 し、保 護 動作
80
が動 作 し な い よ う に す る 機 能 で あ る 。 三 方 弁 は 高 温
部
丸 絶
脚
3 aO
3 aO
境内川
倒鯛
00
乃
仙0
p
事馳
1 20
−−
−
−
I=
4 2.
0
暮他
三方弁制 御 式収ト10−13 2 1:
08 ∼
∽
︵UO︶
咄頭
T ‖︵札 ︻乱 ▲ ‖
︵ 且 ∧乙 lh 仇 乱 ︵ 札﹁ 八 ︵札 已 ▲H aえ一L︵u
弧0
が満 蓄 温 度 1 10C 以 下 に も関 わ らず運 転 した為 に発生
一拍
28.
0
認
組0
2 AO
槽か ら 10 0 %汲 み 上 げの 状 況 で あ り、 汲 み上 げ温 度
した状 況 で あ る。終 端 槽 1 1 0C で 満 蓄状 況 にな らな い
のは設 計 想 定 上 お か しい こ とで 、 これ は 蓄熱 量 演 算
諾)
2 2.
O
1 0
値が低 め に演 算 さ れて い た為 で あ る。 結 果、 演 算 パ
m O,一 山つの
0
ラメ ー タ の 見 直 し を 行 っ た 。
寸 O D N q>▼−l・nのnのNくO uつl乃のくり卜・−−q>の寸OD
の の功 0 0 「 ▼
 ̄ N N N 巾 印 可 耳 d 甲 ∽ ¢ や「 「 d 甲 の
⊂〉⊂〉
(⊃ く
⊃ ○ ⊂〉⊂〉○ ⊂〉○ ⊂〉○ く
⊃0
0 0 0 ⊂〉⊂〉○
⊂〉⊂>
1
2 60
1
1
棚制
定40C
AV 5
−−−−
… …−
qY ▲
一.
︼
U 7
… −−R − ・†出 聴
J / h
3 0C
舶
▲ 7 ∧JY 2
船
知
・1
0
O N ︰岬
N
O N ‖寸
岬327 仙
ON︰N
図
・6
ON︰m
OZ ︰L
0N‖
MN
ON︰
0
ON‖
NN
中間 点 を 代 表 温 度 と し て い る 。
ON‖
﹁N
ィール の推 移 は妥 当で あ る.な お 、温 度 計 測 は各 槽 の
0
熱源 機 器 が 停 止 して い る こ とが 推 定 で き る 。 プ ロ フ
⊂⊃
(= 〉
N
く‘
⊃
卜
N
⊂〉
ぐ
く○
冷凍機 運 転状 況
⊂)
ヾ
O
N
<D
⊂〉
Q
⊂
N
▼
−
〉
N
N
︵08
︶咄頭
1
力 2 2 0 M
/
釦
時の プ ロ フ ィ ー ル に 変 化 が な い こ とか ら 6 時 近 辺 に
1
R − 1潮
0
力運 転 して い る こ とが 推 定 で き る 。 ま た 、 6 時 と 8
■
ノ
定 5 . 2 ロC
R − 1 出潮
抑
じで あ る こ とか ら、 冷 凍 機 は 容 量 制 御 が 働 か ず 全 能
1
1
伯
蓄熱 状 況 の 確 認 が で き る。 各 時 間毎 の 面 積 が ほ ぼ 同
R − 1 入 【
コ 島度
餌
始し た 時 の 蓄 熱 槽 の 温 度 プ ロ フ ィ ー ル ( 図 −5 ) で 、
︵ミつH︶
哨 戒普 甚
任 意 に定 め られ た初 期 温 度 分 布 か ら蓄 熱 運 転 を 開
2
10
2(刀
▲7 8
一■一
2 ) 蓄熱 運 転 状 況 の検 証
−
■
■
■
■
■−
■
■
5
2 20
1
2 40
丘U
三 方 弁 制 御 (ス ラ イ ド制 御 ) 暖 房 運 転
7
1
図 一4
即
6 .検証結果
心保 護 回路 動作 状 況 検 証
結 果 、 設 計 風 量 を 満 た して い る と い う T A B の 報
冷凍 機 入 口温 度 を三 方 弁 の 手 動 操 作 に よ り低 下 さ
告に風 量換 算 時 の ミス が 見 出 さ れ た。 な お 、ⅥⅣ の
せ、 保 護 回路 動作 の確 認 を行 っ た (図・ 7 )。
風量 検 証 は 同時 生 起 率 が 設 計 書 に明 記 され て い な け
この 結 果 、 凍 結 防 止 設 定 に な って も冷 凍 機 は停 止
れば厳 密 な検 証 は 不 可 能 で あ る とい う問 題 点 も浮 か
せず に 、 1 段 目 コ ン プ レ ッサ ー の み 停 止 し た 。 そ の
び上 が った 。
結果 送 水 温 度 が上 昇 して い る。ここ に、この 保護 回路
3 ) ⅥⅣ 制御性 (精度・ 安定性・ 追従性 )検証
動作 は、 要求 仕 様 条 件 に合 致 して い な い こ とが 明確
空 調 シ ス テ ム を 自動 運 転 と し、 V A V 空 調 シ ス テ
に な っ た 。 当 面 は 蓄 熱 コ ン トロ ー ラ の 強 制 停 止 機 能
ムの 給 気 温 度制 御 状 況 の確 認 をお こ な っ た。 設 定 値
で運 転 す る こ と と し た が 、あ き ら か に 設 計・施 工 試 運
1
1
ll
を変 更 す る こ とで 負 荷 状 態 の 変 更 と追 従 性 の 確 認
転の課 題 で あ る。
0︵
O
O
U
を、 あ わ せ て 、 給 気 温 度 リセ ッ ト機 能 の 確 認 も行
1 邑0
4
︷d
つた 。 運 転 は 、 以 前 の 能 力 確 認 で 想 定 さ れ た P I
ク ︼ 一L
乃
パラ メ ー タ で 運 転 さ れ て い る 。
1nO
6 0
00 世 相
弧 仙 川 帥
結 果、 弁 が低 開度 (低 負荷 )状 態 にお いて振 動
王氾
する状 況 が 確 認 さ れ た (図・9 )。 こ の 状 況 下 で 最
モ ̄
i
終制御 対 象 の 室 温 の 変 化 は ほ と ん ど無 くそ の 視 点
5.
0
4 月
a O
之0
邪
からは 合 格 で あ る が 、弁 振 動 に よ る耐 久 性 へ の 影
知
響を 考 察 せ ね ば な らな い 。 製 品 耐 久 寸 動 回 数 は
1 0 0 万 回 で あ り、中 間 期 の 全 空 調 運 転 時 間 で 発 生
10
1.
0
0.
0
する と仮 定 して も約 10 年 の 耐 久 実 力 は あ る の で 、
0
■
可■
「、 ▼
− † 「、(⊃(つ く
○ ⊂〉く
っ q> く
乃く
} l口 功 N
的 lけ ⊂}(⊃ ⊂〉†
− ナー▼
− N
▼
−▼
−N
州 内 N
シス テ ム 上 こ の 開 度 付 近 で の サ イ ク リ ン グ は 止 む
l巾 ∝I †
・ 寸 q ⊃†
・ ■
■ I、
糾 N N巾くつ○つ,r寸寸のl巾巾○(⊃く⊃
く
ヾ N N N N糾N Nぐり川村くりNくリNぐりくりくっ
図 一7
無しの 判 断 と した 。 判 断 基 準 に よ り見 解 が分 か れ
冷 凍 機 リ ミ ッ ト試 験
ると こ ろ で あ り、設 計 仕 様 に 判 断 基 準 を 明 記 す る
6 .2
空 調機 運 転 状 況 の検 証
こと が 望 ま れ る 所 以 で あ る 。
1 ) コイ ル 能 力
劫
知
和
0
的 肋︰寸 L
00‖
∽L
O 的︰寸 L
肋 寸︰寸 L
肋 巾︰寸 r
O 寸︰寸 l
O 印︰寸 r
∽ N︰寸 ︻
O N‖寸 ︻
0 1‖寸 ︻
∽ L︰寸 l
的○ ︰寸 ︻
S 的 ︰の L
図一9
加
1 伽
0 0 ︰寸 ︻
O m ︰巾 l
肋寸 ‖巾 ︻
肌 巾 ‖C L
○ 寸 ‖C 一
的 N ‖巾 L
O の ︰n ︻
のT Ml
O︻ ︰n ︻
ON︰
nL
V コ ン トロ ー ラ か らの 計 測 風 量 デ ー タ で 、 風 量 デ ー
タの 確 認 を 行 っ た ( 図 −8 )。
只召
仙
V A V 空調 シス テ ム を最 大 風 量 運 転 と して 、 V A
知
2 ) V A V 風量
㈲
いる こ と を確 認 した 。
乃
力推 定 を行 っ た。 結 果 は ば設 計 要 求仕 様 を満 た して
hP 世 蠣
K a A N の 推 定 を行 い、最 大 負荷 時 の値 を逆 算 して能
抑
対数 平 均 温 度 差 と濡 れ 面 係 数 を算 出 し、 伝 熱 に係 る
鮒
たデ ー タの 、熱 量 と空 気側・水 側 の 出入 口温 度 とか ら
虔制御
Ⅷ
上で の コ イル 能 力 の推 定 を行 っ た。 方 法 は ,収 集 し
Ⅵ嘲
醐 銚 鮎 朋伽
憫瀾 棚儲 ⋮1M組 詔 ∽城 詰
空 調 機 の コ イル 熱 量 計 測 デ ー タ に よ り、 設 計 条 件
給気 温度 制御
0 エ\抑叩∈ 恥
一画仰
7 .お わ りに
本報 で は環 境 技 術 セ ンタ ー の 受 け渡 し段 階 の検 証
プロ セ ス と ツ ー ル に よ る 検 証 事 例 の 紹 介 を 行 っ た 。
性能検 証 を計 画 して い る 実 際 の J O B で の参 考 とな
抑
れば 幸 い で あ る 。
0
0 寸 ︰¢ ︻
○ 巾︰や L
O L ‖申 ︻
O N ︰¢ L
O m ‖的 l
0 0 ︰申 ︻
O 巾 ︰肌 ︻
O 寸 ‖的 L
0︻ ︰
∽︻
O N︰
m︻
0? SL
O 寸 ︰寸 ︻
O S ︰寸 l
0 巾 ︰寸 ︻
O N =寸 サ
0 0 ︰寸 ト
0 丁 寸↑
0寸︰
的 ︻
○ ∽ ︰の ︻
0巾=
巾 ︻
O T巾 l
ON︰
巾 ︻
図−
8
V A V 風量 状 況
−328−
E − 15
空 気 調 和 設 備 の 当初 性 能 検 証 ( コ ミ ッシ ヨニ ン グ) の 実 践 研 究
第 六報
○正 会 員
受 け 渡 し後 段 階 性 能 検 証 にお け る解 析 事 例 と B E M S 援 用 ツー ル の 評 価
伊 藤 嘉 奈 子 ( 山 武 ビル シ ス テ ム(株 ))
関口
特 別会 員
史 ( 山 武 ビル シ ス テ ム(株 )
)
正会 員
村 山俊 尚
( 山 武 ビ ル シ ス テ ム(株 ))
正会 員
虞岡
( 山 武 ビル シ ス テ ム(株 )
)
正
中 原 信 生 (環 境 シ ス テ ッ ク 中原 研 究 処 )
はじ め に
今後 の 予 定 も含 め 、検 証 工程 を表・1 に示 す 。 ま た、
第 5 報 で は 受 け渡 し段 階 の性 能検 証 につ い て 詳細
それ ぞ れ の 検 証 項 目は 義 一
2,
3 参 照 。−
を述 べ た。 本 報 で は、 受 け渡 し後 段 階 に行 っ た性 能
表 −1
受 け渡 し後 段 階性 能 検 証 工 程
検証 の概 要 、 性 能 検 証 を行 うた め に採 用 した解 析 手
期 間
法、 お よび 診 断・ 改 善 に至 っ た事 例 を紹 介 す る 。 ま
項 目
た 、 事 例 を 通 して コ ミ ッ シ ヨ ニ ン グ 援 用 ツ ー ル と し
ての B E M S の 有用 性・ 課 題 につ い て考 察 す る。対象
2000 年
2 00 1 年
11
月
1 月 2 月 3 月 4 月 5月 6 月 7 月 8 月 9 月
暖房 運転 切替
暖房 運転 調整
シス テ ム・ 設 備 に つ い て の詳 細 は第 二 報 を参 照 。
1 . 受 け 渡 し後 検 証 の 目的
第 五 報 にあ る とお り、受 け 渡 し段 階 の 検 証 は 冷房
デー タ を 継 続 して 収 集 し、 受 け 渡 し時 と 異 な る 季 節
■
一
暖房 運転 調整 内容確 認
■■■
暖房 ピ 運 用状 況 の確認
−
ー ク 時 オ ー プ ン ・ク ロ ー
検証
ズテ ス ト
t■
運 用 状 況 の 確
認 ・改 善 項 目 実 施
時の 軽 負 荷 時 に行 っ た。 そ の た め、 本施 設 にお いて
は、 年 間 の 性 能 検 証 の ため に受 け渡 し後 も運 用 時 の
12
月
■
■
実施 内容確 認
■
■
−■
l
中間期 運 用状 況 の確認
検 証
改 善 項 目実 施
− ■
での機 器 能 力 、 制御 状 況 、 お よび 運 転 状 況 につ い て
冷房 ピ 運 用状 況の確 認
検証 して い る。 受 け渡 し後 検 証 は以 下 の 事 項 を 目的
ー ク 時 オ ー ブ ン ・ク ロ ー
検 証
ズ テス ト
と して 実 施 さ れ て い る 。
丘dd 00 0
9t
運 用 状 況 の 確
認 ・改 善 項 目 実 施
1) 暖房 運 転 切 替 時 の 調 整 内容 の 確 認
8れaス
実施 内容確 認
2) 暖房 ピー ク負 荷 で の性 能 確 認
−
3) 中 間期 で の性 能 確 認
表−2
4) 冷房 ピー ク負 荷 で の 性 能 確 認
行う 。 但 し 3 )に つ い て は 冷 房 モ ー ドは 未 完 で あ る 。
制 御状 況検 査
2 . 受 け 渡 し後 段 階 の検 証 の 手 廟 とス ケ ジ ュ ー ル
対象 系統
2 階空調 機
2 、3 階 空調機
義一3
現 在 ま で の検 証 は 、 以 下 の 手 順 で 行 っ た 。
。
い
検 証項 目
空 調機 コイ ル能 力
加 湿器 能力
絵 気温 度制御
運用 状況 確認 時の検 証項 目一覧
検 査項 目
制 御状 況確 認
対 象 系統
熱源
運 用状 況確 認
2 階 ・3 階 空前
機
2 階空調 機
1) 事 前 に暖 房 運 転 切 替 時 の 調 整 内 容 を確 認 す る
2) 暖房 ピー ク負荷 と想 定 され る時 期 にオ ー プ ンテ
ス ト・ ク ロ ー ズ テ ス トを 実 施 し、 改 善 項 目の 実
・
・
・実施 予定
オ ー プ ン・ ク ロ ー ズ テ ス ト時 の 検 証 項 目
検 査項 目
機 器能 力検 査
本 報 で は、検 証 の終 了 した 1)∼3 )につ いて の報 告 を
中一○止
…実施 済 み
検 証項 目
蓄 熱槽 プ ロフ ィー ル
送水 圧 力制御
三 方弁制 御
給気 温度 制御
室温 制御
室 内環境 (
P OE ,
空気線 図)
施 と改 善 効 果 の確 認 を行 う。 そ の 際 、 運 用 状 況
3 . 受 け 渡 し後 の デ ー タ解 析 と性 能 検 証 事 例
の 検 証 も 平 行 して 行 う 。
受 け 渡 し後 の 性 能 検 証 で デ ー タ解 析 した事 例 と し
3 ) 中 間期 につ い て 、 運 用 状 況 の 検 証 を行 う。
て、 蓄 熱 性 能 、 送 水 温 度 制 御 、 暖 房 時 の給 気 温 度性
な お、 運 用状 況 の検 証 は 、機 器 能 力 が 診 断 され
能、外 気 冷房 の 4 つ につ い て解 析 の過 程 と指 摘 事項
た サ ブ シ ス テ ム毎 に 制御 状 況 を一 定 期 間 毎 に確 認
を述 べ る。 熱 源 配 管 系 統 お よび 蓄 熱 槽 構 造 は 第 二 報
し、 異 常・ 改善 要 素 を確 認 したあ と、 各 設 備 の 調
を参 照 さ れ た い 。
整 を 実 施 して そ の 後 の デ ー タ を 再 確 認 す る 、 と い
3.
1
うサ イ ク ル で 行 っ て い る 。
蓄熱性能関連
図 −1 に蓄 熱 槽 の時 系 列 型 温 度 プ ロ フ ィー ル の一
S tu dy on InitialC om m ission i叩 P rocess For血 tu alH V A C System ofA N ew B uil血ng・
P a r t・6
C o m m i s s io n in g 丘)
r P o s t・A c c e p t a n c e S t a g e a n d E v a lu a t io n o f B E M
空気 調和・ 衛 生工 学全 学術講 演会 講演 論文集 (2 0 0 1 .
9.
2 6 ∼2 8(京 都)) ≠
3 29
−
S ・a S S is t e 、
d Tb ol
K an ak o Ito et al.
が誤 っ て い る事 が わ か り、この 設 定 を正 常状 態 に戻
換器 の 1 次 側 入 口温 度 が 第 8 槽・ 第 9 槽 (高 温槽 )
し た 結 果 、図 −
3 の よ う に 流 量 が I N V 出 力 に応 じて 変
一
只V 6
0
8
ポンプIN V 出 力
2
.1
流量
4
亡U
AT20
ヽ
咄絹
●
◆
.
l
8槽 温 度
.1
.3
l
.5
l
23 1
5 7
6 0
l
1 1:
0 0 1 1:
30
9 1 1 13 15 17 19 時
図− 2
槽 内 温度 と熱 交換 器 入 口温 度
てい るの で は な い か ?② 蓄 熱 槽 か らの 水 の 吸 い 込 み
位置 が底 部 に な って い る ので は な い か?、と推 定 され
たの で 施 工 図 面 上 で 確 認 した と こ ろ 、 ま さ に そ の と
おりに な っ て い た 。 さ ら に 、 連 結 排 水 管 の 口 径 が 太
く、 下 か ら吸 う こ との 問 題 点 が よ り顕 著 に な っ て し
1 2:
30
Ⅰ
耶 出力 と流 量
13 :
00
対策 前 (2 月 6 日)
1 20
流量
ポンプIN V 出 力 に 応 じ
て流 量 が 変 化 す る
ポンプIN V 出 力
︵ざ ︶尺 玉 >N−
度分 布 の 存 在 が 計 測 温 度 と汲 み 上 げ温 度 とで 異 な っ
︵u盲 \一
︶
叫喋
こ の現 象 の 理 由は 、① 温 度 成 層 式 蓄 熱 槽 の 上 下 温
12 :
00
0
1
0
10
10
90
80
70
6
0
5
05
05
05
5
2
70
55
20
2
20
27
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12
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図 −1
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3
1 20
︵やe 只 召 >書
2
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送 水 温 度
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00
1
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も ニーーー
・
【 N V 指 令 値 が 変 化 して
ーも、流 量 が 変 化 しな い
2
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、
●
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7
熟 交 1次 側
4
ヽ
‡ ▲
・
…
・
二
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…
‥
…
も… l ・
二表
︵ 00
︶
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戸り…… −
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▲
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︼U 丘 U 4
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.3
化す る よ う に な り、 負 荷 側 送 水 温 度 も 改 善 さ れ た 。
6
0
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000000000
111
︵1
u盲 \一
︶
叫煤
より も か な り低 くな る 場 合 が あ る こ と を 確 認 した 。
5A
T
A
T
A
T
A
T
A
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3
3
3
3
3
外部 信 号 の イ ンバ ー タ 出力 ヘ の変 換 テ ー ブル の 設 定
入口温 度 を比 較 す る と、 第 9 槽 か ら汲 み 上 げ た熱 交
召0
巴 0
叫
感0
仲0
−0
− −
1110ご0
0
例を 示 す 。 こ れ よ り、 槽 内 温 度 と 熱 交 換 器 の 1 次 側
まっ た 。 こ れ は 連 結 温 度 成 層 型 蓄 熱 槽 で あ る こ と を
8:
30
念頭 に置 か ず に成 され て しまっ た、設 計・施 工 上 のケ
アレ ス ?ミス で あ る が 、
実 は この 影 響 は 蓄 熱槽 効 率 の
確保 と二 次 側 送水 温 度 制御 へ の 影 響 が極 め て 大 きい
重大 な ポ イ ン トな の で あ る 。
図 −3
9:
00
9:
30 10 :
0 0 10 :
30
Ⅰ
耶 出力 と流 量
対策 後 (2 月 20 日)
こ の よ う に、設 備 制 御 系 の 動 作 の不 具 合 が実 は納
入機 器 の初 期 設 定 の 問 題 で あ る、と言 う現 象 は 前 報
冷 房 運 転 へ の切 替 時 に 蓄 熱槽 の 水 を抜 き、 蓄 熱槽
への 給 水 ・ 蓄 熱 槽 か ら の 取 り出 し位 置 を 確 認 し、 図
面ど お り と な っ て い た た め 、 各 配 管 の 取 り出 し位 置
等を 変 更 した 。 こ の 結 果 は リコ ミ ッ シ ョ ニ ン グ と し
に お け る チ ラ ーの リ ミ ッ ト制 御 に も 現 れ て お り、性 能
検証 の果 た すべ き役 割 を示 唆 す る。
( 2)
熱 交換 器 二 次 側 還 り温 度 確保
第 二 報 に お け る 配 管 系 統 図 か ら判 る よ う に 、二 次
て次期 暖房 運 転 で 効 果 の 検 証 を す る必 要 が あ る。
側ポ ンプ は 熱 交換 器 循環 ポ ン プ と送 水 ポ ン プの 直 列
3 .
2 熱 交換 器 まわ り制御
運転 と な っ て お り、 そ の 間 に 流 量 バ ラ ン ス の た め の
(1 ) 負荷 側 送水 温 度 とポ ンプ イ ンバ ー ター 制御
バイ パ ス 管 が あ る . こ れ は ク ロ ー ズ ド回 路 に お け る
熱 交換 器 二 次側 送水 温 度 が ほ ぼ 設 計 温 度 で あ る に
常套 手 段 で あ るが 一 次側 が 蓄 熱 系 で あ る場 合 は バ イ
も関 わ らず 負 荷 側 送水 温 度 が極 端 に低 い 状 況 と、熱
パス に よ る熱 交換 器 で 出 入 口温 度 の 変 化 が 蓄 熱槽 へ
交換器 一 次側 ・ 二 次 側 流 量 と負 荷 側 流 量 を比 較 す る
の大 温 度 差 還 水 を阻 害 す る事 とな る。 これ が 確 認 さ
と後 者 が 2 倍 程 度 と な っ て い る こ と と が 併 せ て 確 認
れた の で 連 通 管 を 全 閉 と し、直 列 の 2 台 の ポ ン プ 回
され た 。 熱 交換 器 の ポ ン プイ ンバ ー タ制 御 の 不 備 で
転数 を連 動 と して 改 善 で き たが 未 だ改 善 の余 地 を残
は無 い か と危 倶 さ れ た の で 、熱 交 換 器 二 次 ポ ン プの
して い る 。
インバ ー タ を調 整 して い る送水 温 度 制御 回路 の 動 作
3.
1
を次 の よ う に して 検 証 を 行 っ た 。図 −
2 に よ る と 、イ ン
暖 房 時 の給 気 温 度 性 能
設 計 上 の 必要 送 風 温 度 は300C ,
冬 季 の 負 荷処 理 は
バー タ ー へ の 制 御 指 令 値 は 最 大 に 達 して お り、 ま た 、
床吹 き出 し系 の み で 空調 機 使 用 風 量 の 約 半 分 ,さ ら
イン バ ー タ と の 取 り合 い 信 号 も 正 常 動 作 で あ る こ と
に(設 計 変 更 に よ り)
将 来 の仙 機 器 増 設 対 応 と して 低
を確 認 した が 、 そ れ に も関 わ らず 実 際 の 流 量 は 一 定
温送 風 を考 慮 し加 湿 の飽 和 効 率 を 高 め る ,
等 の条件
であ っ た 。
で選 ば れ た気 化 式 加 湿 に よ る設 計 外 気 量 取 入 れ 運 転
そ こで、 イ ンバ ー タ 本 体 の 設 定 を確 認 した とこ ろ
制御 状 態 を図 −4 に示 す 。 加 湿 能 力 が300C の送 風 条 件
−330−
内相 対 湿 度 の変 動 と加 湿 時 の潜 熱 を賄 い切 れ な い た
かにな った 。即 ち 、
① 同加 湿 器 は加 湿 能 力 は 小 さ い と
めの給 気 温 度 の低 下 が観 察 され る。 そ の た め、 暫 定
言わ れ るが そ れ は 選定 の 問題 で あ る 、
② 然 し十 分 な
的に調 整 不 足 で あ っ た加 湿 用 給 水 弁 を絞 り込 み 加 湿
加湿 能 力 を持 た せ れ ば加 湿 オ ンオ フ時 の室 内相 対湿
量を調 整 した結 果 、 図 −
5 に示 す よ う に一 応 は送 風 温
度変 化 は ±1哨 前後 の 変 動 を きた す 、
③ 給 水 方 式 に特
度維 持 が可 能 とな っ た。 こ の と きの温 水 弁 の制 御 特
別の配 慮 を(複 数 弁 を 設 置 して 多位 置制 御 )しな け れ
性を図 6 に示 す 。これ に よれ ば加 湿 弁 動 作 時 の温 水 弁
ば±硝 レベ ル の 比 例 制御 は不 可能 で あ る、な どで あ
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温水熱量
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図−4
加湿量対策前
空調機 制御
ド実 績 を示 す。 室 内温 度 制 御 ・ 給 気 温 度 制 御 は 適 正
範囲 内 と な っ て お り、 外 気 冷 房 ダ ンパ 制 御 は 妥 当 と
判断 した 。ま た、外 気 冷 房 時期 は外 気 湿 度 が 高 くな っ
てい る の で 、 全 外 気 と して も 加 湿 能 力 が 不 足 す る こ
とも 室 内 湿 度 が 急 激 に 下 が る こ と が な い こ と も 、図
中の 外 気 冷 房 ∼ 加 湿 +暖 房 の切 替 時 の現 象 か ら確 認
でき る 。但 し、前 項 と 同 じ く加 湿 時 に は 給 気 温 度 が 僅
かな が ら 変 化 し 、そ れ を 検 知 し て ダ ン パ 制 御 に 大 き
な外 乱 を 与 え て い る こ と が 判 る 。 従 っ て 加 湿 オ ン オ
0
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空 調 機 コ イ ル前 後 温 度 差
全開時 に コ イル で 入 口温 度 差 が 十 分 に確保 で きず 、
金 木 水 火 月金 木水 火 月 金 木
く>
13:
30
の効 果 の検 証 結 果 の 総括 を 図・8 に示 す 。
︻日 日︻口 日 日
6日5日4日3日2日9日8日7
652
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一−
2
時刻
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1 3 カ0
通過 させ 地 中蓄 熱 冷熱 の 有 効利 用 が 図 られ て い る .
そ
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12 :
30
図・7 外 気 冷 房状 況
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2
1.
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12:
00
な お 、 本 施 設 で は 外 気 導 入 時 に ク ー ル ト レ ンチ を
2
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0
11:
30
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図 −6
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外気 黒 点 温 度.
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温度 差
30
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空調 機 制御
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加湿量調整後
外気冷 房 中
室内 温度 計 測 値
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図−
5
1 20
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時刻
が一般 に は実 質 的 な障 害 には な らな い 。
︵〓∝ぎ ︶
世 碑 夜 牢 ′︵ぎ ︶
長 召暴 事
0
口
0.1 0
1ヨ
気露 点 温 度
フが 頻 繁 な と きや 給 気 温 度 制御 の 感 度 が 敏感 な と き
はダ ンパ の 大 周 期 の ハ ン チ ン グ が 生 じ る こ と に な る
5
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図−
7 に温 水 モー ド時 期 に お け る外 気 冷 房運 転 モ ー
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3 .
4 外 気 冷 房 と クー ル トレ ンチ
0
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クー ル ト レ ン チ
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エ\つ昌 叫 盛
度
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気
稔
ヰ0
蔓 ⋮い
かっ た 自然 気 化 式 加 湿器 の実 際 的 な加 湿 特 性 が 明 ら
仰
にお い て 明 らか に加 湿 量 過 大 ,そ の ため に 大 き な室
団熟 回 収 効
果 運転
■熟 回 収 逆
効 果運 転
これ は送 水 温 度 の最 適 化 の 問 題 との 関係 が有 り、蓄
熱槽 の効 率 運 転 問題 と絡 め て な お 検 討 の 余地 を残 し
0
20 0
てい る 。
ま た 、今 回 の 検 証 に よ り、こ れ ま で 評 価 の 定 ま ら な
叫331 w
図−8
400
60 0
運 転 時間(分 )
熱 回 収効 果 時 間
8 00
図 は 空調 運 転 時 間 中 で 、 熱 回 収 効 果 が 発揮 され た
境 へ 影 響 を与 え る操 作 を行 うこ ともで きた が、
時間 の割 合 を示 す 。即 ち、① ピー ク負荷 時 は熱 回収 効
通 常 はや は り居住 者 の環 境 が優 先 とな る。今後 、
果が 発揮 され て い る② 温 水 モ ー ド中間期 で外 気 温 度
年 間 を通 した性 能検 証 を行 う場合 、設 定値 また
が高 い と き に は で は 逆 効 果 に な る 、③ 同 じ く冷 水 モ
は 制 御 パ ラ メ ー タ に よ る 挙 動 の 違 い や 、制 御 項
ード中 間 期 で 外 気 温 度 が 低 い と き は 逆 効 果 に な る で
目の違 い に応 じた エ ネル ギー・環 境 へ の 影 響 な
あろ う 、と い う こ と が 検 証 で き る 。中 間 期 の バ イ パ ス
ど を シ ミ ュ レー シ ョ ン で き る ツ ー ル が 必 要 に
回路 が 考 慮 さ れ て い れ ば よ り効 果 的 で あ っ た 。
な ろ う。
4) ロー カル 機 器 状 態 監 視機 能
4 JB E M S 援 用 性 能 検 証 の 評 価 と必要 とす る機 能
監 視 シス テ ム で は全 て の機 器 の操 作 値・パ ラ
本 事例 よ り、現状 の B E M S を性 能検 証 に利 用 す る
メ ー タ ま で 監 視 で き て い な い た め 、 IN V 設 定
際の メ リ ッ ト と 、 さ ら に 拡 張 が 必 要 な 機 能 を 下 記 の
の フ ォ ル ト事 例 の よ う に 、デ ー タ で は な く、最
様に確 認 す る事 が 出 来 た 。
( 1 ) メ
リ ッ
終 的 に 現 場 確 認 を しな け れ ば な らな い 場 合 が
ト
あ る。機 器 類 全 て の操 作・ パ ラ メ ー タ監 視 が 可
1 ) 分 散 す る 、関 連 デ ー タ を 目的 に よ り組 み 合 わ せ
能 と な る こ と が 望 ま し い 。監 視 が 不 可 能 と して
て オ ン ラ イ ン表 示 で き る。
も 、少 な く と も機 器 の 設 定 値 等 の 現 状 を 管 理 し
2 ) 制 御 状 態 が リア ル タ イ ム で 確 認 で き る た め 、あ
て 、 必 要 時 に B E M S 監 視 デ ー タ と と も に確 認
ら か じめ 想 定 さ れ た 異 常 原 因 を 確 認 す る こ と
が容 易 で あ る。
で き る し くみ が 必 要 。
5) 機 器 性 能 デ ー タの 電 子 的 な管 理
3) デー タ収 集機 能 を もつ 場 合 は、過 去 のデ ー タ を
性 能 検 証 を 行 うた め に 最初 に確 認 しな け れ
蓄 積 して い る た め 、動 作 の 異 常 が 見 られ た と き 、
ば な らな い 各機 器 の性 能 は 、 図 面 (紙 お よび
発 生 時 点 お よび 類 似 デ ー タ を確 認 す る こ とが
C A D 情 報 )で の 受 け 渡 し の た め 、チ ェ ッ ク も
で きる
れ ・ 古 い 図 面 の 情 報 の利 用 に よ り、数 値 の 間
4 ) デ ー タ を 汎 用 グ ラ フ ソ フ トで 処 理 で き る た め 、
扱 い が 容 易 で あ る 。グ ラ フ は 表 示 フ ォ ー マ ッ ト
を一 度 決 め れ ば 繰 り返 し作 業 で作 成 で き る。
( 2 )拡 張 が 必 要 な機 能
違 い な どが 発 生 す るお そ れ が あ る。
5 )に 関 して は 、今 回 も 一 部 の 空 調 機 の コ イ ル 流 量
と全 体 の搬 送 流量 の 整合 性 が とれ ず、 設 計仕 様 を満
足す る性 能 か 、再 確 認 が 必要 とな る場 面 が あ っ た 。
1) 履 歴 の 記録 と 自動 表 示
機器 性 能 等 を数 値 デ ー タ で設 計 の 場 面 か ら施 主へ の
設備 変更や機器操作 の履歴 は通常建物管理
者 に よ る 記 録 で あ り、電 子 化 さ れ て い て も 監 視
シ ス テ ム と は 別 の シ ス テ ム に な っ て い る 。しか
し、デ } 夕解 析 を行 う上 で は 、管 理 者 の 操 作 が
制 御 結 果 に 影 響 し て い る こ とが 多 々 あ る 。ま た 、
引渡 しま で管 理 で きれ ば 、 最新 の性 能 確 認 や各 サ ブ
シス テ ム 毎 の機 器 性 能 の 整合 性 チ ェ ック が 容易 とな
るし、 性 能検 証 時 の機 器 性 能検 証基 準 を 正 し く取 得
でき る よ う に な り、 そ の 結 果 、 性 能 検 証 工 程 の 作 業
時間低 減 や確 実 な基 準 の設 定 を実 現 す る こ と とな る。
性 能 の 改 善 実施 時 内容 も 同様 で あ る。その よ う
な履 歴 を一 元管 理 し、デ ー タ解 析 時 に解 析 対 象
目の 前後 の 履 歴 が 自動 的 に表 示 さ れ る仕 組 み
が望 ま しい。
おわ り に
本 報 で は 暖 房 ピー ク 時・ 暖 房 モ ー ド中 間期 の 事務
室系 統 の デ ー タ 解 析 に つ い て 述 べ た 。 暖 房 ピー ク
2 ) フォル ト検 知 ・ 診 断機 能
時
・ 中 間期 の性 能 検 証 で は 、 第 五 報 の 受 渡 し時性 能
現 状 で は 警 報 に い た ら な い フ ォ ル トの 検 知
検証 で検 知 で きな か った 異 常 が 確 認 で きて お り、 受
機 能 が な い た め 、す で に フ ォ ル トが 発 生 して い
け渡 時 だ け で な く、 年 間 を 通 し た 性 能 検 証 で あ る こ
て も、デ ー タ の 確 認 を 行 う ま で は 異 常 と認 識 さ
とが 改 め て確 認 で きた 。 本 試 行 性 能 検 証 で は 今 まで
れ な い 。タ イ ム リー な デ ー タ検 証 の た め に は 自
の実 施 内 容 を生 か して 、 引 き続 き冷 房 ピー ク時 の 制
動 的 に異 常 を検 知 す る仕 組 みが 必 要 で あ り、さ
御性 の解 析 、 エ ネ ル ギ ー デ ー タ 解 析 、 蓄 熱 シス テ ム
ら に は 診 断 す る 機 能 が 必 要 で あ る 。(制 御 フ ォ
などの 最 適 化 制御 ア ル ゴ リズ ムの 開 発・適 用 、実 験 室
ル ト検 知 の試 み が第 七 報 に示 され る)
系統 の性 能 検 証 、な どを実 施 す る予定 で あ る。B E M S
3 ) シ ミ ュ レー シ ョ ン ツ ー ル の 適 用
援用 の コ ミ ッ シ ヨ ニ ン グ お よ び B E M S 自体 の コ ミ ッ
今 回 は 自社 で の 試行 の た め、デ ー タ検 証 の た
め に設 定 値 や 制御 パ ラ メ ー タ を変 更 し、居 住 環
シ ョ ニ ン グ に お け る 課 題 を 抽 出 し、 性 能 検 証 に 必 要
な知 見 の 蓄 積 を 目指 す こ と と して い る 。
−332−
E  ̄ 16
空 気 調 和 設 備 の 当初 性 能 検 証 (コ ミ ッ シ ョニ ング ) の 実 践 研 究
(第 七 報 ) 検 証 デ ー タ と シ ミ ュ レー シ ョ ン に 基 づ く F D D の 試 み
学生会 員 ○松 岡
正 会員
1 .
一平 (京 都大 学)
虞 岡 正 (山 武 ピル シ ス テ ム (株 ))
正会 員
吉田
治典 (京都 大学 )
特別 会 員
中原
信 生 (環 境 シ ス テ ッ ク 中 原 研 究 所 )
は じめ に
本 報 で は 、空 調 制 御 シ ス テ ム の コ ミ ッ シ ョニ ン グ
C 〃犬
にお い て 、
特 に検 証 の 困 難 な 制 御 シ ス テ ム に焦 点 を
5 」
あて 、制 御 状 態 を シ ミ ュ レ ー トす る こ と で 、コ ミ ッ
り
り
巧
P I C(〉n「O
t l
托
ショ ニ ン グ を ア シ ス トす る 手 法 を 検 討 し た 。
C 打
 ̄1  ̄  ̄  ̄  ̄ ■ 一 − J
花ど
′
ち1
2 . 検証 実験
る。本 研 究 は 東 側 系 統 を研 究 対 象 と した 。この 系 統
♪
■
こで 採 用 さ れ て い る †A V シ ス テ ム は 東 西 2 系 統 あ
ち花 F
実 験 は Y BS 社 の オ フ ィ ス ( 3 F ) で 実 施 した 。 こ
V AV4 V AV2
V A V l V AV 3
室内 温度
室内設 定 温 度
V A†要 求風 量
凡々
には(イ ン テ リア に最 大 風 量 13 30m 3/h の VAV が 2 台 、
図−2
ペリ メー タ に最 大 風 量 670m 3/b の V AV が 2 台 ) 合 計
VA V 要 求風 量 制 御 ブ ロ ック ダ イ ア グ ラ ム
4 台 の VAV が あ る 。 実 験 は 3 種 類 実 施 した 。 以 下 に
朋
各実 験 の概 要 を 示 す 。
T
2.1. 冷 房 時 の バ ル ブ 制 御
供 給 風 量 を イ ンバ ー タ に よ りス テ ッ プ状 に変 化 さ
せて ,冷 水 コ イ ル の二 方 弁 の 給 気 温 度 制 御 が 適 正 に
て:給 気 温 度
こど
′ :給 気 設 定 温 度
㍍:外気 温度
屯:外気 ダ ンパ 開度
℃g′ て
作動 す る か ど うか を検 証 す る (図 −1 参 照 、 た だ し
円C o ntro l
具体 的 な 制 御 法 は 3 章 で 説 明 す る 。 以 下 同 様 )。
凡4
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 ̄ ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ −「
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給気 温度
給気 設定 温度
A ir
H a n d l i n3・
g
図 −1
外 気 ダ ンパ 開 度 制 御 ブ ロ ック ダ イ ア グ ラム
シ
U nミiュt レ ー シ ョ ン 支 援 に よ る 検 証
以 下 に 示 す 制 御 式 のパ ラ メ ー タ に 設 定 値(設 定 値
フア ンイ ンバ ー タ 出 力 値
バル ブ要 求 開度
図 −3
は 引渡 し時 に実 際 に 性 能 が 発 揮 され る よ う に 設 計 値
O A
を調 節 ・ 変 更 し た値 ) を 用 い て 、 バ ル ブ 開 度 、 VAV
′
〈ル ブ 開 度 制 御 ブ ロ ッ ク ダ イ ア グ ラ ム
要求 風 量 、ダ ンパ 開 度 の 制 御 状 態 を シ ミ ュ レー トし
2.2 . 冷 房 時 の VAV 制 御
た結 果 、実 測 値 と相 当 異 な っ た 。そ こで 、本 研 究 で
VAVが 受 け持 つ 室 内 の 設 定 温 度 を強 制 的 に ス テ ッ
は、制 御 式 の パ ラ メー タ 値 に不 具 合 の 原 因 が あ る と
プ状 に 変 化 さ せ 、風 量 制 御 が 適 正 に行 わ れ る か ど う
推測 し、制 御 対 象 の シ ミ ュ レー ト結 果 と実 測 値 の誤
かを検 証 す る (図 −2 参 照 )。
差の 二 乗 和 を 目的 関 数 且 と し 、 こ れ を 最 小 にす る
2.3 . 外 気 冷 房 時 の ダ ン パ 制 御
非線 形 最 適 化 に よ っ て 、 パ ラ メ ー タ 値 を 推 定 した 。
外 気 温 が 十 分 低 い 時 期 に外 気 冷 房 モ ー ドで 運 転
入r
し、
外 気 ダ ンパ の 給 気 温 度 制 御 が 適 正 に作 動 す る か
どうか を検 証 す る (図 −3 参 照 )。
且=∑(ズ叫 一斗 )2
(1)
J=0
ズー
′
m.
′
ノア
:シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 値
:実測 値
S tu d y o n In itia l C o m m issio n ln g P ro c e ss fb r A c tu a l =V A C S y s te m
o f a N e w B u ild in g
P A R T 7・S tu dy on F D D w ith C o m m ission ln g d ata an d S im u latio n
I p p e i M 釦 Su O k a et a l.
空気 調和・ 衛 生工 学全 学術講 演会 講演 論文集 (2 0 0 1 .
9.
2 6 ∼2 8(京 都))
−333−
3 .1. 冷 房 時 の 冷 水 バ ル ブ 制 御 の 検 証
冷 水 バ ル ブ 開 度 の 制 御 は ,制 御 周 期 J が 10 sec で 、
積分 した 積 分 動 作 の 変 化 分 〟【%】が 制 御 に 用 い られ
る 。(†A V 要 求 風 量 、 外 気 ダ ン パ 開度 の 制 御 も 同 じ
であ る。)
比例 帯 が 給 気 フ ア ン の イ ン バ ー タ 出 力 値 ダ
【%]に
幻
(ち +G 勿作)
よっ て 変 化 す る 速 度 形 P I 制 御 で あ る 。 以 下 にバ ル
A J
ブ開 度 の 制 御 式 と合 計 8個 の推 定 す べ きパ ラ メ ー タ
△J :積 分 動 作 の 増 加 分 [
%]
を示 し 、各 パ ラ メ ー タ に い か な る不 具 合 を仮 定 した
( 7)
2 石
て:積 分 時 間 [
se c]
G み′
g :J 秒 前 の 偏 差 ギ ャ ッ プ [
℃]
かを説 明 す る 。
/てラ メ 一 夕 の 不 具 合 と して 、
(7 )式 で 、
積 分 時間 て
Z
= ℃ − ℃e′ た だ し
Z :
偏差 [
℃]
−上 ≦Z
≦上
(2)
モ :給 気 温 度 [
℃]
こe′:給 気 設 定 温 度 [
℃]
の設 定 値 1 8 0 s e c に 誤 差 r ,
e【sec]が あ る と 仮 定 し 、
て =1 80 +て.
e と な る 。 ま た 、制 御 運 転 ス タ ー ト時 (実
/てラ メ一 夕 の不 具合 と して 、
(2)式 の給 気 温 度 ヂ,に
誤差 ㌔,
e [℃ ]が あ る と 仮 定 す る 0 つ ま り ち =℃ +こ,
e
ノ
ヽ
とな る 。Z に 比例 して 出 力 す る 操 作 信 号 を 比 例 動 作
タ = ∬Z [
% ]と い う 。 こ こ で は 、 比 例 動 作 の 変 化 分
験ス タ ー ト時 ) は 積 分 動 作 は 0 %とな る が 、実 際 は
スタ ー ト時 に 誤 差 七 [
% ]の 値 を と る と 仮 定 す る 。
P I 制 御 出 力値 とバ ル ブ 開 度 と P I 制 御 出 力 の ス ケ
ジュ ー リ ン グ を 以 下 に 示 す 。
△P [
%]が 制御 に用 い られ る 。(†A†要 求 風 量 、外 気 ダ
U
ン パ 開度 の 制 御 も 同 じで あ る )
= P
+ J
= U 叩 + △P + 〟
( 3)
△タ = 且(Z − Z 叩 )
た だ し 0 ≦U
U :P I 制 御 出 力 値 [
別
( 8)
≦10 0
Uク
′
g :J 秒 前 の P I 制 御 出 力 [
%]
Z 〝ど:f 秒 前 の 偏 差 [
℃]
Ⅴ= ‡
方=土壁
( 4)
7 .
5U
た だ し 0 ≦U ≦ 2
0.
3 2 こ/+ 1 4 .
36
た だ し
2 ≦U
( 9)
≦ 30
上
方:比 例 動 作 係 数 [
1/℃ ]
l .
0 9 U −8 .
57
上 :比 例 帯 [
℃]
た だ し 3 0 ≦ U ≦ 100
Ⅴ:バ ル ブ 開 度 出 力 値 [
%]
上=虹
立 ダ+エ。
(5)
100
上
(,:F = 0 % 時 の 比 例 帯 [
℃ ] ん}
(,:F =1 0 0 % 時 の 比 例 帯 [
℃]
パ ラ メ ー タ の 不 具 合 と して 、
( 5 )式 の フ ア ン イ ン
バー タ 出 力値 f に誤 差 汽[
%]が あ る と仮 定 す る 、つ
まり ダ =阜+耳 と な る 。 以 下 同 様 に 上1。
。の 設 定 値 1 5
℃に 誤 差 上l。
。
,
g[
℃ ]が あ る と 仮 定 し 、エ1。
。=15 +ち。
。
,
e と
なる 。エ。の 設 定 値 8 ℃ に 誤 差 エ。
.
e【℃ ]が あ る と 仮 定 し 、
パ ラ メ ー タ の 不 具 合 と して 、
(9)式 の P I 制 御 出 力
値打 に 誤 差 吼 [
%】が あ る と 仮 定 、U =♂ +吼 と な る 。
バ ル ブ 開 度 の制 御 状 態 を シ ミ ュ レー トした 結 果 を
図−4 、変 動 的 な 値 を と る /てラ メ一 夕 J ,ち ‥
均値 とそ の 誤 差 七 ,㌔,
ビ‥
るパ ラ メ ー タ ー , g
の平
を 表 −1、 一 定 の 値 を と
‥
の 設 定 値 とそ の 誤 差
r,
e ,g e ‥ を表 −2 に 示 す 。た だ し表 −1 の 平 均 値 は 、
O
全実 験 時 間 帯 で の デ ー タ 値 の総 和 を デ ー タ の総 数 で
O
エ。= $+ エ。,
g と な る 。
=
g
≦ Z
≦ エ + g
0 た だ し
O
≦ Z
Z た だ し
g
− エ ≦ Z
Z
≦ g
−エ
た だ し
( 6)
≦ g
≦ O
1 00
】
ll
[
芭
Gz
ただ し
≧ 上 + g
▲
U
Z −g
Z
8 6
4≠ ミ
2て
髄匪
割っ た 平 均 値 で あ る 。
上た だ し
O
∼ :制 御 周 期 お き の 時 間 を表 す 添 え字
ただ し 、制 御 周 期 と は 制 御 演 算 を行 う時 間 間 隔 の こ とで あ る 。
L
一 上
、
1=
表−1
防ぐた め 、G z を導 入 す る 。
け
1 5 :2 0
図 −4
Z が 0℃付 近で の PI 制御 出 力値 のハ ンチ ングを
U
ダ
3 5.1
16 .4
2 6 .6
55 .9
誤差 (
%) −0 .14 (−0 .4 )
0
0 .7 (
4 .3)
4 .8 5 (1.8 )− −0 .3 (
T O.6 )
一 定 の 値 を と る パ ラ メ ー タ の 設 定 値 と誤 差
r
%]と い う0 今 回 の実 験 で
設定値
誤差 (
%)
ー334−
1=
㌔
g = 0・2 十g e と な る 。
用い た 積 分 動 作 は 、Z を積 分 す る の で は な く G z を
1 5 ‥4 0
J
平均値
表−2
刻
バ ル ブ制 御 シ ミ ュ レー ト結 果
の設 定 値 0・ 2 ℃に 誤 差 g e[
℃]が あ る と仮 定 し 、
Z を積 分 し た 値 に 比 例 し て 出 力 す る 操 作 信 号 値
時
変 動 的 な値 を とる パ ラ メー タ の 平 均 値 と誤 差
パ ラ メー タ の 不 具 合 と して 、
(6)式 の偏 差 不 感 量 g
を積 分 動 作 ′=若 †叫
D
l
g :偏 差不 感 量 [
℃]
G z :偏 差 ギ ャ ッ プ [
℃]
.
__ノ
180
2 0 (1 1)
g
上100
ん
0 .2 0
15.0
8 .0 0
0 .7 (35 0)
1.7 4 (1 1.6 ) −3 .0 (
−37 .5 )
】
OO ハ
V
て
0
1 2 00
∧
U
∧
V
5 0 以 降 、開 度 が 3 0 %か ら 5 0 %へ と 増 加 す るが 、
(R )は
L.
.
ヽ軋
4 00
O U︵O ∧
V
.
A
﹁ 2
3 0 %台 の 値 に と ど ま っ て い る。不 具 合 の 原 因 と仮 定
2 00
O
いて 推 定 し 、推 定 し た 値 を 基 に シ ミ ュ レー ト し た 結
時刻
V ÅV l シ ミ ュ レ ー ト結 果
図−5
ハリ
した 8 個 の パ ラ メ ー タ に 対 す る最 適 値 を(1)式 を 用
O
0
0
4
こ とが 推 定 で き る 。
∧U
れよ り、制 御 運 転 時 に、設 定 値 に 誤 差 が 生 じて い た
8的
[
モ
丘
嘲 唾解 離
果
(以 後(0 )と呼 ぶ )は 、
(R )とよ く合 致 し て い る 。こ
0
は15%程 度 の 開 度 を 示 して い る 。ま た(D)は 時 刻 15 :
山叩頭 常 噺
で開 度 0%と な っ て い る が 、実 測 値(以 後(R)と呼 ぶ )
1 40 0
︻モ め
月
た結 果 (以 後(D )と呼 ぶ ) は 、 時 刻 15 :
0 8 ∼ 15 :
22
O 8 6
図 −4 を み る と 、 設 定 値 を 用 い て シ ミ ュ レ ー ト し
表 −1、表 −2 を み る と、誤 差 が 際 立 っ て 大 き い も
の が g で あ り、誤 差 の 大 き さ は 設 定 値 の 3 .5倍 に相
1 3 :4 0
当す る。
1 4 :0 0
図−6
3.2 . 冷 房 時 の VAV 制 御 の 検 証
V A V 要 求 風 量 の 制 御 は 比 例 帯 エが 一 定 値 1.5℃ 、
軸“
14
4 0
7 00
l・
rt
鼻
胎
鰍] 400
≧
れ
タ を示 し 、
各 パ ラ メ ー タ に いか な る不 具 合 を仮 定 し
3 00
たか を説 明す る。
13 40
14 00
1 3 :4 0
14
図−7
上 = 1 .
5
15 :
2 0
15 :
4 0
一
一
【
l
1ヰ:4 0
14 :20
1
≧
−・さ
(R ト ー 掘
退
制 御 周 期 J が 2sec の速 度 形 P I 制 御 で あ る 。 以 下 に
V AV 風 量 の 制 御 式 と合 計 5 個 の 推 定 す べ きパ ラ メ ー
0 0
1
…・
−・
−ノー・
叫
6 00
買竃 500
1
V A V 2 シ ミ’
ユ レー ト結 果
i!
壬
叶
l−
ーH 十 仙 一
叩  ̄−
 ̄
一
1
F
ヒ
−
−
・
−
.
1−−
−−
…
W−
ll
l
重
毒
】
1
1
15 0 0
15 :
20
15 4 0
V A V 3 ミ発 り
ユ レ_ ト結 果
( 10 )
700
パ ラ メ ー タ の 不 具 合 と して 、
(1 0 )式 の 比 例 帯 エの
嘲[
要言
爪W
設 定 値 1・5℃ に 誤 差 ち【℃]が あ る と仮 定 す る 。 つ ま
5 00
り 、上 = 1 .
5 + エビと な る 。
琳]
4 00
( 11)
Z =㌔ 一ち∫
e′
ち:
室 内 温度 [
℃]
3 00
ち∫
g′:室 内 設 定 温 度 [
℃]
図 −8
パ ラ メ ー タ の不 具 合 と して 、
(11)式 の 室 内温 度 毛
に誤 差 ㌔、
e【℃ 】が あ る と 仮 定 し 、㌔ =㌔ +㌔,
eとな る0
表−3
V A V 4こ4
シ盲 輿
ユ レー ト結 果
】4 :4 0
1 5 .0 0
1 5 :2 0
1 5 :4 0
変 動 的 な 値 を と るパ ラ メー タの 平 均 値 と誤 差
ノ
ヽ
J
㌔
−4 14
22 .8
誤 差 _V AV l (
%)
0 .1 (
0 .0 2)
0 .2 (
0.9)
不,偏 差 不 感 量 g ,そ して 積 分 動 作 ′の ス タ ー ト値
誤 差 _V AV 2 (
%)
−50 (
−1 2.1)
−0 .0 8 (−3 .5 )
に、誤 差 r ,
e ,ge ,Je が あ る と仮 定 す る。 要 求 風 量 と
誤 差 _V AV 3 (
%)
0 .3 (
0 .0 7)
−0 .4 (
−1.8 )
P I 制 御 出 力 の ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を(1 2 )式 に 示 す 。
誤 差 _V AV 4 (
%) −0 .0 4 (
−0.0 1)
比例 動 作 の変化 分 は(3)
・(4)式 、積 分動 作 の変化 分
平均値
は
(6)
・(7)、 P I 制 御 出 力 値 は(8)式 と 同 じ で あ る 。
他 は 、 3 .1.で 仮 定 した 不 具 合 と 同 様 に積 分 時 間
表−4
‡㌦誠
F=
㌦誠 U
ただ し U
一 定 の 値 を と るパ ラ メー タの 平 均 値 と誤 差
≧1 0 0
た だ し 30 ≦U
≦ 100
た だ し 0 ≦U
F :VAV 要 求 風 量 [
m3/h]
r
エ
g
0 .2
( 12)
設定値
0・3 ㌦ ax
0(
0)
60 0
1.5
誤 差 _V AV l (
%)
9 (1.5)
−0 .1 (
−6.7)
0 .5 (
25 0)
誤 差 _1rAV 2 (
%)
−10 0 (
−16 .7)
−1.1 (
−73 )
0(
0)
誤 差 _V AV 3 (
%)
49 (
8 .2 )
1.5 (100 )
0(
0)
誤 差 _V AV 4 (
%)
0(
0)
2 .1 (140 )
0 .15 (75)
≦3 0
㌦ 肌 :最 大 風 量 [
m 3/h]
各 V A V 風 量 の 制 御 状 態 を シ ミ ュ レー トし た 結 果 を
図−5 ∼ 図 −8 、変 動 的 な 値 を と る パ ラ メ ー タ J ,㌔ の
平均 値 とそ の 誤 差 ナ
ビ,㍍,
e を表 −3 、 一 定 の 値 を とる
/てラ メ 一 夕 r ,エ,g の 設 定 値 と そ の 誤 差 r ,
g ,エビ,g g
を表 一4 に 示 す に示 す 。た だ し表 −3 の 平 均 値 は 、全
実験 時 間 帯 で の デ ー タ 値 の 総 和 を デ ー タ の 総 数 で
割っ た 平 均 値 で あ る 。
(R)と(D)を 比 較 す る と 、V AV l(図 −5)は時 刻 14 :
40
∼15 :
00 と時 刻 15 :15 ∼ 15 :50 の ニ ケ所 の 時 間 帯 で
(D )が 1 3 3 0 m 3/h か ら 6 0 0m 3/h に 減 少 し て い く の に 対
し、
(R )は 減 少 して い か な い 。 他 の V A V も 同様 に 、
数ケ所 の 時 間 帯 で 、
(R )が(D )と相 当異 な る 結 果 と
仙335 叫
O
∧
V
∧V
なっ た 。不 具 合 の 原 因 と仮 定 し た 5個 のパ ラ メ ー タ
L
l
l
l
二
亨ゝ
;
 ̄■
暮
ヽ_ 彗 ヒ = = 主ょp l
ノ■
■ヽ
=㌧∠
/
l
】
!
こ坪
ー】−⊥
−…
 ̄ ̄仙
 ̄−一
丁
….
Ih ■
】
††
 ̄  ̄ ̄■
!
…T ……
事
デル は 室 内 モ デ ル か ら出 力 され る室 内温 度 を制 御 入
l
1 5 :4 0
1 6 :0 0
力にす る ク ロ ー ズ ドモ デ ル で あ り、室 内 モ デ ル の 室
表−5
1 6 :2 0
川
:4 0
1 了:0 0
1 了:2 0
1 7 :4 0
1 8 :0 0
時刻
ダ ン パ 開 度 シ ミ ュ レー ト結 果
図 −9
内温 度 と実 測 の 室 内 温 度 に 誤 差 が 生 じる た め 、実 測
値と合 致 しな か っ た 。
→去 .
−….
1二
/
●
−
−
 ̄ ̄−
…‘
「 山
l
†肌 要 求 風 量 制 御 の シ ミ ュ レー シ ョン に用 い た モ
王
′ノ
●●
ざ上_.
▲
−.
●′
2
とな る 。
蓋4
一
n
V[
値を 基 に シ ミ ュ レ ー ト し た 結 果 、図 −5 ∼ 図 −8 の(0 )
世 監 γ\∴ 恥
に対 す る 最 適 値 を(1)式 を 用 い て 推 定 し、推 定 し た
8
00O
変動 的 な値 を と るパ ラ メー タ の 平 均値 と誤 差
表 −3、表 −4 をみ る と 、各 †A†ご と に 誤 差 が 際 立 っ
J
㌔
49 .5
22 .2
て大 き い も の は 、†A†l は g で あ り、設 定 値 の 2.5 倍
平均値
に相 当 す る 。 †A †2 は J の ス タ ー ト時 の 出 力 値 で あ
誤差 (
%) −0 .6 (
−1.2)
2 .9 (13)
り、本 来 0%の 値 を と る べ き だ が −5 0 %の値 を と っ て
表 −6
一 定 の 値 を と る パ ラ メ ー タ の 設 定 値 と誤 差
いる 。†A †3 は ェで あ り 、設 定 値 と 同 じ 値 に 相 当 す る
て
g
設定値
18 0
0.
■
2
24
15
誤差 (
%)
87 (
4 8)
1.1 (
5 50 )
1.2 (
5)
−4 (
一26 .7 )
が、最 適 値 を用 い た 結 果(0)が 実 測 値(R)に フ ィ ッ ト
して お らず 、推 定 した 誤 差 は 、実 際 に 起 こ り得 た 可
能性 が 低 い と思 わ れ る 。†A †4 も †A V 3 と同 様 に 上で
あり、 設 定 値 の 1 .4 倍 に相 当 す る 。
㌫ ,
㍍ 2
図 −9 を み る と、時 刻 15 :
4 0 ∼ 16 :20 に か け て 、
(R)
3.3 . 冷 房 時 の 外 気 ダ ン パ 制 御 の 検 証
は(D )よ り も 30%程 上 回 る 。 不 具 合 の原 因 と仮 定 し
外 気 ダ ンパ 開 度 の 制 御 は ,制 御 周 期 Jが 10se cで 、
た 6 個 の パ ラ メ ー タ に対 す る 最 適 値 を(1)式 を用 い
比例 帯 上が 外 気 温 度 で 変 化 す る速 度 形 P I 制 御 で あ
て 推 定 し 、推 定 し た 値 を 基 に シ ミ ュ レ ー ト し た 結 果
る。以 下 に外 気 ダ ンパ 開 度 の 制 御 式 と 合 計 8個 の 推
( 図 −9 中 の(0 )) は 、
(R )と よ く 合 致 し て い る 。 こ れ
定す べ き パ ラ メ ー タ を 示 し 、各 パ ラ メ ー タ に い か な
よ り、制御 運 転 時 に 設 定 値 に誤 差 が 生 じて い た こ と
る不 具 合 を仮 定 した か を説 明 す る 。
が推 定で きる。
上= ‡…こ
・7 8 ㌫
表 −5、表 −6 をみ る と 、誤 差 が 際 立 っ て 大 き い も
た だ し 7㌫ ≧7㌫ .
+4 6・7
た だ し ㍍ ヱ≦㍍
≦㌫ 1 (1 3 )
の が g で あ り、 設 定 値 の 5.5 倍 に相 当す る 。
た だ し ㍍ ≦㍍ 2
4 .結論
㍍ :外 気温 度 [
℃]
空 調 シ ス テ ム の 制 御 性 能 は 、制御 に用 い られ るパ
パ ラ メ ー タ の不 具 合 と して 、
(13)式 の ㍍ 1【℃]の 設
定値 2 4 ℃ に 誤 差 ㍍ 1、
e【℃]が あ る と仮 定 す る 。 つ ま
り 、㍍ 1 =2 4 +㍍ 1,
e と な る 。 同 様 に 、㍍ 2【℃ ]の 設 定 値
1 5 ℃ に 誤 差 ㍍ z.
g[
℃ ]が あ る 、 つ ま り ㍍ 2 =15 +㍍ 2.
g
ラメー タが いか に適 正 かが 大 き く関係 す る。 そ こ
で 、本 報 で は パ ラ メー タ が 適 正 に 設 定 さ れ て い る か
ど うか の コ ミ ッ シ ョニ ン グ に シ ミ ュ レー シ ョ ン を利
用す る方 法 を 示 した 。つ ま り、制 御 パ ラ メ ー タ に不
とな る 。ま た 、偏 差 は(2)式 、偏 差 ギ ャ ップ は(6)式 、
具合 が あ る と仮 定 して そ の 真 値 を実 測 デ ー タ か ら推
比例 動作 の変化 分 は(3)
・(4)式 、積 分動 作 の変化 分
定し、不 適 正 と思 わ れ る パ ラ メー タ を特 定 す る 試 み
は(7)式 、 P I 制 御 出 力 値 は(8)式 と 同 じで あ る 。 ま
を示 した。
た、 ダ ン パ 開 度 [
別 は P I 制 御 出 力 値 と 同 じ値 を と
る。
しか しな が ら、実 際 に 本 報 で 推 定 し た よ うな パ ラ
メー タ値 の 設 定 ミス が あ る か ど うか は検 証 して いな
他 は 、 3.1.で 仮 定 し た 不 具 合 と 同 様 に 給 気 温 度
い の で 、今 後 、 これ を 実 験 的 に 調 べ る 予 定 で あ る 。
て,
積 分 時 間 r ,偏 差 不 感 量 g そ して 積 分 動 作 J の ス
ター ト時 の値 に誤 差 こ,
e 、r ,
e 、g g 、Je が あ る と仮 定 す
る。
参考 文献
1 )Y o s h i d a , H ., K u m a r , S ., M o r i t a , Y ., :O n l i n e
外 気 ダ ンパ 開度 の 制 御 状 態 を シ ミ ュ レー トした結
d et e c t io n
a n d
d i a g n o s i s i n
果を 図 一9 、変 動 的 な 値 を と る パ ラ メ ー タ J 、℃ の 平
b y RARX modeling,Energy and Building33pp391∼
均値 とそ の誤 差 七 、㌔,
g を 表 −5、一 定 の 値 を と るパ
4 0 1, 20 0 1
f a u l t
V A V
a i r
ラ メー タ r 、g ‥ の 設 定 値 とそ の誤 差 r ,
ビ、g ビ‥ を
義一6 に 示 す 。た だ し表 −5 の 平 均 値 は 、全 実 験 時 間
帯で の デ ー タ 値 の総 和 をデ ー タ の総 数 で割 った 平 均
値で あ る 。
2 )H a v e s , P ., D e x t e r , A リ
T ., :
D e v e lo pm en t
f or
V o l lO 2
仙336 −
H V A C
a n d
J o r g e n s e n , D ., S a l s b u r y ,
T e s t i n g
C o n t r o I S y s t e m
P ar t l , 19 96
o f
a
P r o t
C o m m i s s i o n
E −17
空気調和 設備 の 当初 性能 検証( コ ミッシ ョニ ン の の実 践 研究
(第八 報 )性 能検 証(コ ミッシ ョニ ンの の縫 括 と提 言
特別会 員
I まじ め に
1 .2
本 報 は 本 連 報 の 締 め く く り と して 性 能 検 証(コ ミ
ッシ ョニ ン グ ,以 下 の 文 中 で は C又 と略 記 )過 程 実 施
に関 して何 かに付 け議 論 の対 象 とな りや す い課題 の
要諦 と な る と こ ろ を 述 べ て 締 め く く る も の と す る .
紙数 の関係 で定性 的な表 現 に終 始せ ざ るを得 ない こ
と を ご 了 承 い た だ き た い .定 量 的 な 詰 め は 筆 者 の 主
宰す る 当 学 会 の コ ミ ッ シ ョニ ン グ委 員 会 や 今 年 度 か
ら」発 足 した IE A d m ex 4 0 国 内 委 員 会 な どで 検 討 を
進め て い くつ も りで あ る .な お ,3 .1 の 教 育・訓 練 に
関し て は 玉 置 進 氏 の カ リキ ュ ラ ム 企 画 担 当 に よ る が 、
本報 全 般 に亘 って筆 者 の主 張 を色濃 くに じませ て お
り、
記 述 内容 に 関 して は 筆 者 が 全 責 任 を負 う.
1 .
○ 中原
信 生 (環境 システ ック中原研 究 処)
企 画・設 計 段 階 の コ ミ ッシ ョニ ン グ の 役 割
さて歴 史 的 に考 察す る と本 来西 欧 文化 の 下 に発 達
し て き た 建 築 家 とい う職 能 は(領 主・貴 族 の お 抱 え 建
築 師 とい う側 面 も有 っ た で あ ろ うが )発 注 者 の 要 望
に 完 全 に 沿 っ た も の を 設 計 し監 理 し検 証 し て 引 き 渡
す 事 を 約 束 さ れ た も の で あ ろ う と思 う.と こ ろ が 建
築 家 が そ の 芸 術 的 セ ン ス を 押 し付 け た り,こ れ を 甘
ん じて 受 け る(或 い は 任 せ っ き りに す る)こ と が建 築
主 の 資 格 で あ る よ うな 誤 解 を 強 制 し た り,日本 の 現
状 の よ うに 有 りも しな い 建 築 技 術 の 総 合 的 能 力 を持
つ と して作 られ た建築(設備 を含 む)設計 の 資格権 限
を駆 使す るが故 に設備 技術 的に は人任 せ に な った り
非 合 理 を 押 し付 け た りす る .或 い は 欧 米 の よ うに 技
術者 資 格 が別 体 系 に存 在 す る一 方 ,
建築総合教育が
企 画 ・ 設 計 図 書 と コ ミ ッ シ ョニ ン グ 文 書
1 .1 性 能 表示 の課 題
性 能 検 証 の基礎 は発注 者 の要 望 に合 敦す る設 計 図
書
(設 計 趣 旨書・仕 様 書・運 転操 作 説 明書 を含 む)に記
不 十 分 な た め に 調 和 の あ る 建 物 が 出 来 な い .そ し て
述され た性 能 表 示 で あ る.
従 来 快 適 空調 用 の空 調設
の 各種 の要 因が重 なっ て建 築 家 に期 待 され た役 割 が
備は人 体 生理 心理 の 許 容す る範 囲で有 れ ば良 い 、と
果 た され な く な っ た ,建 築 家(設 計 家 )に 任 せ き りに
居住 環境 の複合 多 様化 と設 備 技術 の高度化 に建 築家
が 対応 し切 れ ない ,
設 計 料 の圧迫 ,
人 材 の払 底 ,な ど
言う曖 昧 な 暗 黙 の 性 能 要 求 が 支 配 し て い る が これ で
出 来 な く な っ た とい う世 界 的 現 象 を 素 直 に認 め な け
は性 能検 証 が 出来 ない .か とい って 一 部 の産 業 環境
れ ば,重 要 な社会 資 本 で あ る建 築物 の低 質 化 エ ネル
のよ うに リジ ッ ドな 性 能 規 定 を して は 徒 ら に紛 争 と
ギーや 環境 排 出物 を極 小化 す べ し とい う社 会 的要望 ,
コス トを 増 大 せ し め る だ け で あ ろ う.こ の 点 に 十 分
そ して そ れ が ま さ に 建 築 主 の た め に(意 識 的 に も コ
に配慮 した性 能表 示 を確 立せ ねば な らない .
ス トー ラ イ フ サ イ ク ル ー 的 に も )な る 、と 言 う 国 際 的
従 って 一般 的 な健 康人(重症 病 人 な どを除 く)対 象
共 通語識 が C x の必 要性 を正 当化す るの で ある.
の快適 空調 の,例 え ば温熱 環境 に関 して言 えば,筆者
とす れ ば C x に求 め られ る役 割 は,発注 者 の要 望 を
がつ と に 主 張 す る よ う に 1 )
,制 約 条 件 付 の 体 感 温 度
指標 に よ るべ き で あ る .同 時 に そ の 分 布 を 規 定 しな
専 門 的言 葉 や 数値 に 置 き換 えて 設 計家 に伝 える,一
けれ ば 検 証 が 出 来 な い .例 え ば タ ス ク・ア ン ビ エ ン ト
方 で は専 門知識 か ら来 る制約 を公 平 に判 断 して発 注
者 に 伝 え る 、と言 う仲 介 者 の 立 場 で あ り,両 者 に 対 し
空調 で は少 な く と も居 住 域 が 性 能 表 示 の 対 象 で あ ろ
て利 益 を粛 す 物 で 無 けれ ば な らな い .そ して そ の線
う し,そ れ も ア ン ビェ ン ト条 件 と タ ス ク条 件 とが あ
に従 っ て設 計 組 織 が妥 当 に構 築 され ,
妥 当 なツ ール
る.平 面 的 分 布 に お い て も然 り,厳 密 に は 制 御 用 セ ン
を用い て妥 当な設 計期 間で必 要 かつ 十分 な内容 の あ
サー 位 置 に お け る 指 標 値 ,と い う こ とに な りそ うで
る設 計 図書 を作 成 す る事 を監 督 な い し助 言(この二
ある が そ れ で は 分 布 は ど うで も良 い の か とい うこ と
つ の 用 語 の 意 味 の 差 は 大 き い が )す る こ とで あ る .
にな り,営 々 と積 み 上 げ て き た 空 調 設 計 の 本 質 を 見
今 回の例 で 言 えば ,
企 画・設 計期 間 と施 工期 間の配
誤る事 に な る.これ は例 えば空 気 分 布設 計 を過 度 に
分 の ア ンバ ラ ン ス は 明 らか で あ り な が ら,Cx の視 点
C FD に 頼 ろ う とす る あ り.
方 と、そ れ の 裏 返 し と して
か ら見 た 時 の設 計 図 書 の 完 成 度 に 疑 問 が 生 じ る と こ
のラ フ な 気 流 設 計(室 内機 を適 当 に ば ら撒 い た り,意
ろが 無 い訳 で は なか っ た.これ を施 工段 階 か ら参入
匠設 計 の 言 うが ま ま の 吹 出 し 口 の 位 置・形 状 に 甘 ん
した Cx で事 後 的 に検 証 す る には如 何 に情 報連 絡網
じ た り)と い っ た 傾 向 の あ る最 近 の 空 調 設 計 へ の 警
を 徹 底 して も 実 態 と し て タ イ ム フ レー ム 的 に 追 随 し
鐘と も な す べ き で ,性 能 記 述 の あ り方 が 向 後 の 設 計
得 な い と ころ も多 か っ た .
例 え ば設 計発 注 上 の 疑 問
を 提 示 して メ ー カ ー に 質 問 し 回答 が 未 着 の うち に 実
技術 の 展 開 を 支 配 しそ うな 予 感 が す る .
物 が 出 来 て しま っ た ,と言 う事 も ー 再 な らず 生 じた .
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P A R T 8 .D iscu .
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N obuo
空気 調和・ 衛生 工学 全学術 講 演会講 演論 文集 (2 0 0 1 .
9.
2 6 ∼2 8(京 都))
−337−
N
1 .3 運 転・制 御 管 理 の た め の ドキ ュ メ ン ト
テナ ビ リテ ィー の チ ェ ッ ク ,
③ 施 工状 況 の監 査 ,
④試
性 能 表示 と共 に,本 来設 計 者 に求 め られ るべ きは
験調 整(TAB)作 業 の監 査 と確認 が有 る.② につ い ては
設計 対 象 を如 何 に使 用す べ き,空 調 の場 合 は如何 に
本質 的 に は設計 段 階で 事前 にな され るべ きで あるが ,
運転制 御 すべ きか を保 守 管理 者 に 引 き継 がな けれ ば
施工進行 に応 じて発 注者 側 との共 同確 認 が必 要 で あ
設計 意 図 と異 な る 使 わ れ 方 が して も仕 方 が 無 い .ま
た,そ の 事 に 対 し て 一 向 に 意 に も 介 し て 居 な い こ と
る .本 節 で は(丑③ に 焦 点 を 当 て る .
① ③ は本 質 的 には(設 計)監 理者 の役 割 で あ り業 務
が殆 どで あ る .実 は そ の 以 前 に も っ と 重 要 な 事 は 年
と指 示 系 統 の 重 複 を 避 け ね ば な ら な い .現 実 的 に は
間性能(環境・エ ネル ギ ーの )を保 持 し,
運 転 管理 に直
監理者 の手 不 足 ,ま た人 間の す る事 で あ るか ら看 視
結す べ き 自動 制 御・B EM S の 設 計 を 自 らや っ て い な い
者の 目が 多 け れ ば 多 い ほ ど欠 陥 を 予 防 す る事 が で き
と い う公 課 の 事 実 が あ る .そ し て そ れ を復 権 す る 事
る し,
今 回 は設 計 の事 後 検 証 を行 っ た 関係 で施 工 図
が如 何 に に し て も不 可 能 で あ るか ど うか を じっ く り
も 同 時 に チ ェ ッ ク せ ね ば な らな い とい う事 態 も数 多
見極 めね ば な らない が,事 の 実態 は,C x が設 計 職 能
く生 じた し,非 常 駐 の 監 理 者 に代 わ っ て C x チ ー ム に
と は 別 に 必 要 と され る が ご と く,自動 制 御・B E M S の
設計 を(詳 細 で はな く概念 設 計す ら)空 調設 計者 に依
も 組 み 入 れ られ て い る オ ー ナ ー 側 代 人 と C A 代 人 と
の 間 で 検 討 す る とい う事 態 も ま ま 生 じた も の の ,本
存す る事 を過 度 に期 待 す べ き で な い とい う認 識 に 筆
来的 な役割 分 担 は認識 す る必 要 が あ る.
そ れ は 第 一 に企 画・設 計 段 階 の C x と 同 じ く,発 注
者も な りつ つ あ る .筆 者 が 編 集 に 携 わ っ た 当 学 会 出
版され た B E M S の 書 物 2)
に おい て は この事 情 を踏 ま え
者の要 望 変更 を如 何 に設 計・施 工 チ ー ム の言 葉 で伝
て設 計 者 の 果 た す べ き 範 囲 を 規 定 し よ う と試 み た .
え ,コ ス トと技 術 問 題 を ス ム ー ズ に 解 決 して い くか ,
す なわ ち,
① 設 計趣 旨書(発 注者 の設 計意 図文書 を
が 最 も大 き な 役 割 で あ ろ う.
第 二 に 受 渡 し段 階 で C x
設計 内容 に併せ て 展 開 した もの),②各 サ ブ シス テ ム
を 行 うた め の 準 備 が 設 計 仕 様 に従 っ て 間 違 い な く行
自動 制 御 の 概 念 設 計(そ れ で 見 積 も り は 出 来 な い が
わ れ て い る か ど うか(そ の 準 備 設 備 一 計 測 装 置 な ど
制御 コ ンセ プ トは把握 で き制 御設 計 専 門家 が詳 細設
計に展 開可 能 で あ る)及 び ③ 運 転操 作 説 明 書 が設 計
− が 十 分 で あ る か ど うか に つ い て は 設 計 段 階 で C x
し な け れ ば な らな い )を 確 認 す る 事 で あ ろ う.第 三 に
家の 役 割 と して 作 成 す る も の ,② に 関 して は さ ら に
は設 計・施 工 内容 や 機 材 の仕 様 に発 注 者 の意 図 と異
受託 業 者 の詳 細展 開が必 要で これ を② ,
とす れ ば ,
①
な る と こ ろ が 発 見 され た 場 合 の 助 言 と解 決 へ の 助 力
②,
③ が保 守 管理 者 のバ イ ブル 的 存在 とな る(べ きで
で あ る .設 計 図 どお り工 事 が 行 わ れ て い る か ど うか
あ る ).
今 回 は 発 注 者 自体 が 制 御・BE M S の メ ー カ ー ・
の確 認・指 示 につ い て は飽 くまで(設 計)監 理 者 の 役
工事 業 者 で あ り,
設 計 図 書 に② ,
が記 載 され てい るが
割で あ る .も ち ろ ん 、 Cx に お け る 巡 回 監 督 に お け る
これ で は制 御 機 能 と設 定条 件 ,季節 変 動 等 へ の 対応
発見 事項 は適切 に処 置す べ き事 は言 うま で も無い .
記述 が 不 十 分 で あ り,さ ら に こ れ を 展 開 し た ② ”自
動制 御 管 理 ドキ ュ メ ン トを C x 作 業 の 一 部 と して 作
2.
2 TAB と機 能性 能試 験
この 両者 の役 割 の相違 につ いて は第 四∼第 七報 を
成した .こ こ に 至 っ て 初 め て こ の ドキ ュ メ ン トが 施
熟 読 す れ ば お の ず か ら判 明 す る も の と 思 わ れ る が ,
工段 階,
TAB,受渡 し段 階・受 渡 し後 段 階 の Cx な らび
具 体 的 に定 義 す るの が なか な か 困難 で あ る.機 能 性
に 運 転 管 理 者 に 十 分 に 活 用 され る に 至 る で あ ろ う.
能試 験(Fun ctional Performance Test,FTP)3)がCx
1.4 情 報連 絡 シー トの役 割
の 役 割 と され る が m P と は 何 か ?そ れ は居 住 空 間 の
本Cx の 最初 の技 術 的作 業 は設 計 図 の事後 検 証で あ
空気 調 和 とい う最 終機 能 を発揮 す るた めに各 要素 機
器・サ ブ シ ス テ ム そ して トー タル シ ス テ ム が 「調 和 」
つた .
検 証 に 当 た っ て は 発 生 した 疑 問 点 を 公 知 し,そ
して動 作 し,そ の結 果 予 定 され た エネ ル ギ ー 消費 の
れに対す る討 議 を関連者 注 視 の下 に行 い変 更 の有 無
を含 めて 結論 を 出 し,早 急 に施 工チ ー ムに伝 達 す る
下 に 設 計 意 図 の 目的 環 境 を 実 現 し得 る こ と を 確 認 す
必要 が あ る .これ を 齢 齢 無 く行 う た め に は 先 ず 情 報
安 定性 ,
機 器 の耐久性 の確 保 も入 る.「目的環 境 」 は
伝達 の指 令 のル ー トの確 立,設計 家・Cx チ ー ム・発 注
年 間 を通 して設 計 性能 を満 足 す る必 要 が ある.
「エネ
ル ギ ー 」 は 運 転 の 時 点 時 点 の も の で は あ る が トー タ
第一 ,第 二報 に述 べ た よ うに,
施 工段 階か ら入 った
者の討 論 の 場 を提 供(情 報 連絡 シー ト),結論 を施 工
る 事 で あ る とい え よ う.「調 和 して 」の 意 味 に 動 作 の
整理(案 件 処理 記録 表 ,
議 事 録や 現 場 打合せ 内容 を含
ル に は年 間値 ,年 間原 単位 で勝負 され る.
然 し年 間値
は瞬 時値 の集 積 で あ るか ら動 的・静 的 な部 分 負 荷 特
む )す る と言 う、四 段 階 の 体 制 を 整 備 し有 効 に 作 用 し
性 が 大 き な 役 割 を 演 じ る 事 は 言 うま で も無 い .
「要 素
た.これ に基 づ く発 行 シー ト枚 数 は竣 工前 2 4 枚 ,竣
機 器 」 が 入 る が 故 に これ は TA B と重 複 す る 所 が あ る
工後 3 件 ,検討 案件 数 は重複 を含 めて 400 を越 え た.
が,
C x にお いて は シス テ ム動 作 の 中で如 何 に調 和 し
チ ー ム に伝 達(工事 連 絡 書 ),
検 討 案 件 の 結末 を追 及
2 .
て要 素機器 カミ
性 能 を発揮 す るかに 重点 がお か れ る.
施 工・ m B と コ ミ ッ シ ョニ ン グ
以 上 に よっ て TA B と FT P の役 割 分担 の大 方 の姿 が
2 .1 設 計 監 理 と コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ
見 え る,その 上で今 一 度 四,五報 を読み 返 して い ただ
施 工段 階の Cx につ い て は第 三報 に記述 され て お
き た い .初 め て の 試 み で あ る事 と人 格 は 別 で も 同 一
り,内容 的 に は①施 工 図・承 認 図 の承 認 過 程 ,
② メン
人 物 が 両 方 に 関 わ っ て い る と い う点 で 必 ず し もす っ
−338−
5 . 結語
きり し な い か も しれ な い け れ ど も .
3 .
付録
竣 工・受 け 渡 し と コ ミ ッ シ ョニ ン グ
関 す る記 述
3 .1 教 育・訓練
第 三 報 で簡 単 に触 れ た保 守監 理 者 の た めの 教 育 ・
訓練 は 2
AS取 AE Gu ide lin e に よ る シ ス テ ムマ ニ ュ ア ル の 内容 に
日を 費 や して 行 っ た .こ こ で は 参 考 の た め
12345678
にカ リキ ュ ラ ム を以 下 に 紹 介 す る .
シス テ ム マ ニ ュ アル の 構 成 と保 全 管 理
別冊
A
B
C
D
.当初 設 計 図・仕 様 書(設 計 図 中 に 記 載 され た も の を含 む )
.竣 工 図・ 竣 工 仕 様 書(竣 工 図 中 に 記 載 され た も の を含 む )
,計算書(負荷計算 書、エネル ギー予測計算 書
.自動 制御・B別S 納 品文書(機器 使 用・取扱 説 明書・保守 管
要 綱 な ど)
E .事務 系統 TAB 実行 記録文書
F .実験 系統 TAB 実行 記録文書
設計意 図 と設計 内容 (設計趣意 書)
運転換作 概要 (運 転換作説 明書 )
3 .3 受 渡 し後 コ ミ ッ シ ョニ ン グ の 必 要 性・位 置 付 け
自動 制 御 シ ス テ ム に つ い て
試験 調 整 (TAB) 総 括 と竣 工 図 書 リス ト
一言 に言 えば 当学会 の学会 賞 に応 募す る場合 に 1
コミ ッシ ョニ ン グ経 過 と結 果
保守管理 上の各種指針・最適運 転指針
年間 の 実 績 追 求 が 必 要 と され る ,ま さ に そ の 作 業 を
質疑 と ま と め
行わ ね ば空 調 設 備 の 正 当 な機 能 を発 揮 で きな い し,
これ まで保 守 管 理 に設計 内容及 び TAB 内容 の説 明
は殆 ど為 され てい ない 。今 回 の設 計意 図・内容・施 工
以後 の保 守期 間を通 しての 定規 とな るべ き初期 性 能
が 定 ま ら な い とい う事 で あ る .こ れ は 空 調 技 術 者 の
内容・機 能試 験 内容・性 能検 証 評価 の一 連 の流 れ で説
明した事 は保 守 管理 者 に とつ て は大変 有意 義 で あつ
常識 で 無 け れ ば な らな い に も 関 わ らず ,上 記 の よ う
たとの 報 告 も受 け て い る。
なイ ンセ ンテ ィ ブの 存在 ,
或 い は一 部 の不 動 産 系 オ
ーナ ー の よ うに 厳 し く 要 求 す る 場 合 を 除 き ,殆 ど全
3 .
2 シ ステ ムマ ニ ュ アル の集成
シ ス テ ム マ ニ ュ ア ル とは A S I呪A E3)に よ る定 義 で あ
り,シ ステ ム運 転保 守 の た めのす べ て の 情報 を集 め
く行 わ れ ず ,冷 暖 房 に 何 ら か の ク レー ム が あ っ た と
き にのみ 対症 療 法 が行 われ るに過 ぎ ない.第 六,七 報
に 垣 間 見 られ る よ うに ,
受 渡 しに十 分 な検 証 作 業 を
た文 書 と され る.とす れ ば 当然 ,
竣 工 図書や 機 器 の運
転換 作説 明書・性 能検 査 書 な ども入 っ て くる が,これ
行っ た と き で さへ ,受 渡 し彼 の 検 証 に お い て も 幾 つ
ら は リ ス トの み 掲 げ て 別 冊 保 管 され る こ と に な る .
行わ な け れ ば ど うな っ た も の か と さへ 思 う.C x と言
残念 な が ら本報 執 筆段 階 です べ ての 文書 が ま とま っ
わ ず と も ,発 注 者 は 須 ら く竣 工 後 1 年 間 の ,少 な く と
ては い な い が 予 定 目次 は 以 下 の 通 りで あ る
も 継 続 TA B を 業 者 に 要 求 し,代 りに そ れ に 対 す る正
1 . は じめ に
当 な コ ス トを 支 払 うべ く契 約 す る 必 要 が あ る .し か
2 . 設 計 趣 旨に 関 す る もの 関 連 文 書
2 .1
2 .2
2 .3
2 .4
2 .5
2.
2 .1
発 注企画要 望書
設 計趣意書
設 計趣 旨文 書(最終版 )
空調・熱源設 備操作説 明書
空 調 機 器 納 品 文 書 リス ト
(本 体 は別 冊 )
自動 制 御・BEM S 納 品 文 書 リ ス ト(本 体 は 別 冊 )
2.
不具合対策 指針
2 .1
2 .2
蓄熱 システム
空調機周 り
2 .3
V A
2 .4
2 .5
空気分布・温度分布
外気取入れ・換気
2 .6
主 要 連 絡 先 リス ト
来 的 に設 計 の質 が規 定 す る枠 を越 え得 ない か らで あ
るが ,
設 計 の改 良 を含 めれ ばそれ もまた 最適 化 の範
囲 で あ る と も 言 え よ う.
C x を ラ イ フ サ イ ク ル 視 点 で 把 握 す る と き これ を
ラ イ フ サ イ ク ル コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ と 呼 ぶ .そ し て こ
情 報 連 絡 シー ト
1234 1
4123 4
34
( 2)
実施・決定・確認事 項総括表
丁姐(試験調 整)確認 文書
3 .3
T 媚 実 行 記 録 文 書 リス ト
(本 体 は 別 冊 )
T AB 結 果の考察 と総括書
]
メ ン テ ナ ビ リテ ィ ー チ ェ ッ ク 結果 報 告 書
受渡 し性 能 検 証 結 果 の ま とめ
事務 系統
竣 工時点冷房 運転(中間期 ,冷房モ ー ド)
(4 )
暖 房 ピー ク 時 点
中 間期(暖 房 モ ー ド)
冷 房 ピー ク 時 点
2 実験 系統
( 1 ) 暖 房 ピー ク 時点
( 2 ) 冷 房 ピー ク 時点
4.
3
FDD 解析例
の健 康 な運転 状 況 を前提 に して始 め て実現 の資格 が
あ るも の,指標 はエ ネ ル ギ ー原 単 位 の 極小 化 と環 境
V 周 り
T AB 確認 結果報告 書
半 F D D の機器 レベル とサ ブシ ステ ム最 適制 御 レベ ル
満 足 度 の極 大化 で あ る.
「資格 が あ る」との謂 い は本
性能 検証 関連 文書
性 能検証 計画書(最 終版)
設 計・施 工情報連絡 書
( 1)
コ ミ ッ シ ョニ ン グ の 周 辺
B O F DD と コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ
BOFD(ビル 最適 化 と故 障検 知・診 断)の前 半 BO は後
2 .4
3 .2
4 .
自動 制 御 管 理 ドキ ュ メ ン ト
BEM S 操作 説明書
3 .1
あ り,然 る が ゆ え に 受 渡 し後 Cx が 必 要 な の で あ る .
4 .1
2 .3
3.
し な が らそ れ が 其 の 目的 を全 うす る か 否 か は ま さ に
機能性 能 試験 を継 続 す る事 に よっ て確認 され るの で
設 計図書 ,
概 要 と リス ト(本 体 は別 冊 )
竣 工図書 ,
概 要 と リス ト(本 体 は別 冊 )
シ ス テ ム の 運 転 制 御・保 守 管 理 に 関す る もの
2 .2
2 .5
か の 重 要 な 課 題 が 発 見 され て い る .も し こ の 作 業 を
れ と B O F DD
と は 同 一 の 体 系 の 中 に 記 述 さ れ る 4)
が ,B O FD D ,特 に そ の 後 半 部 の F D D は ツ ー ル で あ り,C 又
は プ ロセ ス・制度 で あ る.ツー ル は故 障検 知診 断 のみ
で な く,負 荷 や エ ネ ル ギ ー 予 測 或 い は 制 御 と し て 応
用 可 能 で あ る が ,そ れ が C x の な か で 体 系 化 され る と
き ,ビ ル 最 適 化 の ツ ー ル と も 性 能 検 証 の ツ ー ル と も
な る .第 七 報 で の シ ミ ュ レー シ ョ ン を ツ ー ル と し た
F DD を組 み 込 ん だ こ と に Cx と の 関 連 を 確 か め得 る .
4 .2
E SC O と レ ト ロ コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ
これ は何 れ も既 設 建物 の性 能 向 上 に係 る もので あ
る が 、田 CO の行 う業 務 内 容 は 結 局 レ トロ C x(以 下 RC x
とす る )と 同 じベ ク トル を 指 向 して い る事 は 確 か で
叫339 巾
ある.
根 本 的 な違 い は RC 又 は報 酬 を支 払 われ る職 能
であ り,事 業 と して 定 義 され る E SC O は 利 益 追 求 の 事
と,B E M S 無 しで も C x が 可 能 で あ る よ う考 慮 せ ね ば な
業で あ る .
い ま一 つ ,
防 CO で は環 境 性 能 は 現状 維 持
れども,無駄 を排 し実行 のあ る B E M S 計画 を施 し,
環
が制 約 条 件 な る が ,
BOFD/
R C x で は 環 境 フ ォ ル トの 改
良も 大 き な 役 割 で あ る .こ れ らの 相 違 が 結 果 に 大 き
境
・エネ ル ギ ー性 能 検 証 に必 要 な計 測 点 を設 置 す る
ら な い 事 も確 か で あ る .然 し こ こ で は 立 証 しな い け
こと は 十 分 に ペ イ す る し ,ま た そ うい う建 物 が 評 価
な影 響 を及 ぼす 事 にな る.
ESCO 事 業 で はオ ーナ ー に
され て 何 ら か の イ ン セ ン テ ィ ブ(米 国 の エ ネ ル ギ ー
は何 らの 金 銭 的 負 担 も無 く完 了 後 の あ る時 点 か ら は
スタ ー な ど)が 与 え られ る 時 代 に ,そ の よ うな 方 向 の
まる ま る の 利 益 が 積 み 重 な る が ,R C 又 は オ ー ナ ー が
社会 制度 が 早急 に整 備 され るべ きで あ る.C x のた め
第一 段 階 と して は 無 償 の 費 用 を 支 払 う.
のBEMS 計 測・計 量点 の推 奨 は文 献 2)
に記 され て い る.
誰 が 見 て も E S C O の 方 が 実 行 に 伴 う省 エ ネ・省 コ ス
然し少 な く と も 年 代 の 古 い 建 築 設 備 の Cx に は 搬 入
トの 実 が 挙 が る 故 オ ー ナ ー に 有 利 で あ ろ う.R C x の
式の計 量器 によ って行 う方 法論 を確 立 せ ね ばな らな
結果 ,効 果 無 し と な れ ば 出 費 分 だ け 損 に な る か らで
ある .しか し こ れ に は 落 と し穴 が あ る .防 C O は 評 価
の時点 で の最小 コス ト最大 利益 を上 げ る対 象 が優 先
され 易 い か ら ,今 す ぐ に ドラ ス テ ィ ッ ク な 省 コ ス ト
は実 現 しな くて も長 期 的 に重 要性 の 高い対 象 を見逃
しが ち で あ る ,ま た ,根 本 的 に 何 が 原 因 で ど の よ う な
オプ シ ョ ン が あ る か ,とい っ た 点 を ラ イ フ サ イ ク ル
視点 で 解 明 し判 断 を 下 す ,とい うプ ロ セ ス が 欠 け 兼
ねな い .ま た 検 証 に 莫 大 な 費 用 は 掛 け られ な い か ら
効果 検 証 の 精 粗 に も大 き な 違 い が 出 て く る.そ の 故
に E S C O 事 業 者 に とっ て もオ ー ナ ー に とっ て も リ ス
クが伴 う.
前 者 に は検 証不 足 か ら来 る実 効 不足 ,後者
に は 公 平 な 効 果 の 監 査 が 困 難 で あ る事 で あ る .そ こ
で ESCO で は効 果 を明示 し易 い,照 明器 具 の取 替 えや
低効 率 機 器 の 取 り替 え な ど に 焦 点 が行 く事 に な る.
但 し,
仮 に コ ス トを気 に せ ず に本 質 的 視 点 か ら性
能検 証 して提 案 をす るもの とす れ ば検証 技術 その も
の は 両 者 で か な り似 通 っ た も の に な る は ず で あ る .
4 .3
い.
次 章 の A m ex 4 0 の 研 究 に は こ れ も含 ま れ て い る .
5 .
5 .1
国 際的動 向
米 国の動 向
米 国 に お い て は周 知 の A S r択AE 基 準 3)
があ るが 実態
は さ ら に 進 ん で い て ,各 種 機 関 か ら実 務 的 な コ ミ ッ
シ ョニ ン グ 実 行 指 針(例 え ば P EC I5)
)が あ る .19 9 4 年
以来 ,
N CB C と称 す る国 内会 議 が 毎年 開催 され てお
り,20 0 1 年 度 は 約 3 5 0 人 が 参 加 ,日本 か ら も筆 者 を 団
長とす る 2 5 人 の 参 加 団 が 出 席 し交 流 を 深 め た .ま た
G SA の 提 唱 す る R eb u i l d A m er ic a に よ る 省 エ ネ ル ギ
ー計 画が進 行 し既 設建 物 の RCx が増加 して い る.
5 .2
ヨー ロ ッパ 及 び IE A の 動 向
ヨー ロ ッパ で は 実 務 ベ ー ス で は 日本 と共 に 遅 れ を
と っ て い る が ,英 国 は BS R I A /C IB S E に よ る C x コ ー ド
が あ り,TA B 寄 りの ガ イ ドライ ン が 整 備 され て い る .
オ ラ ン ダで は 品質 保 証 の観 点 か らの モ デル(M肛)が
作ら れ て ビル に 適 用 し よ う と し て い る .IE A −E CIiC S
の Am ex 研 究活 動 で は,
A皿 eズ
ー16 ,1 7,2 5 ,
3 4 と続 い て
省 エ ネ ル ギ ー 診 断 と コ ミ ッ シ ョニ ン グ
省 エネル ギー診 断 は ESCO とRCx の 中間的存 在 とい
え よ う.実 態 と して 省 エ ネ ル ギ ー 診 断 は ,省 エ ネ ル ギ
}セ ンタ ー等 の 無 料 の診 断 に依 存 す るか ,然 ら ざれ
ば改修 工事 に費用 を含 め る事 を前提 で業 者 に無 料 で
診断 依頼 をす る.こ こで は本 格 的診 断 で はな い 前者
は 検 討 の 噂 外 に 置 こ う(そ の 意 義 は 十 分 に 認 め る も
の の 職 能 と して の R C 又 とは ,検 証 レベ ル か ら も コ ス
ト負 担 とい う点 か ら も比 較 し得 な い ).従 っ て 後 者 の
場合 は 性 能 の 劣 イヒが か な り明 白で 回 収 必 須 の 状 況 下
き た省エ ネ ル ギー のた めの B EM S /
B O F D の研 究活 動 の
最先 端 に C x を位 置 付 け ,20 0 1 年 4 月 よ り,
EU 以外 で
は 米 国・カ ナ ダ・ 日本・韓 国 も参 加 して 活 動 を 開 始 し
た.研 究 内容 は Cx プ ロセ ス の記述 ,
BEMS 援 用及 び 非
援用 の C x 技 術 開発(非住 宅・住 宅対 象 ),シ ミュ レー
シ ョ ン モ デ ル の 評 価 ,デ モ ン ス ト レー シ ョ ン とな っ
て お り,成 果 が 期 待 さ れ て い る .こ こ で は 性 能 発 注 /
請負 形態 の 将来 的普 及 が一 つ の視 点で もあ る.
お わ りに
に業 者 に省 エネ ル ギー診 断 を依 頼 す る,のが 実 態 で
終 わ りに 当 た っ て 本 プ ロ ジ ェ ク トに 誠 意 を 持 っ て
あ ろ う.診 断・検 証 技 術 の 適 用 とい う意 味 で も 中 間 的
参加・協力 を賜 った各 位・各社(特 に Cx を施 工 者 の立
存在 で あ り,オー ナ ー の理 念 ,普 及 効 果 ,
発注形態な
ど種 々 の レベ ル と形 が あ り得 る .そ の 最 た る も の で
は研 究 と並行 して行 わ れ ,む しろ報 酬ベ ー ス の R C x
よ り も高 度 な 技 術 が 適 用 さ れ る 事 も有 り得 よ う.
4 .4
場で最終 的 に受 け止 め る立 場 に あっ た㈱ 三晃 空調 の
現場 担 当 の方 々)に絶 大 な謝意 を表す る次第 で あ る.
文献
1) 中 原 信 生 :空 気 調 和 設 備 ,
新 建築学体 系 27 設備 計
画 、 彰 国社 ,198 2
B E MS の 役 割 − コ ミ ッ シ ョニ ン グ ッ ー ル
第 五 ,六 報 に 見 られ る よ うに ,本 プ ロ ジ ェ ク トで は
2) 中原 信 生 ほ か 編 集 :
B EM S ビル 管 理 シ ス テ ム ー ビル の
環 境・エ ネ ル ギ ー 性 能 の最 適 化 の た め に −、 空 気 調 和 ・
受 渡 し C x ,受 渡 し後 C x に BE M S の 活 用 が 前 提 と な っ
衛生 工学会 ,
2 00 1
て い る.それ は発 注者 の性 格 上,性能 評 価 のた めの ツ
P r o ce ss
ー ル と し て 通 常 よ りか な り多 く(第 一 報 参 照 )セ ン サ
4) 中 原 信 生 :コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ に よ る ラ イ フ サ イ ク ル
ー と計 量 器 を 取 り付 け て い る か らで あ る .一 般 に は
新 築 の建 物 とい え ど も C x に 十 分 な 計 測 が 行 わ れ て
い な い し,そ の 精 度 情 報 も 不 明 で あ る 事 を 考 え る
3) A S HRA E Guidelineト1996,HVAC Commissioning
性 能 検 証 −そ の 概 念 ,必 要 性 とプ ロセ ス に つ い て ,BE 建
築設備 ,
No .59 4,20 00 .
9
5) M o d e l C om m issio 血n g P lan a n d G 山 血 S p e ci丘c a 一
也o n ,P C E I(P or tla n d E n e rgy C o n se rv 如io n ,h c.
)
ー340−
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