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資料 - 東京大学工学部 電子情報工学科・電気電子工学科

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資料 - 東京大学工学部 電子情報工学科・電気電子工学科
指導教員
柴田直教授・三田吉郎准教授
研究場所
工学部 12 号館
右脳的コンピュータを最先端シリコンテクノロジーで目指す
人間のように“しなやかな”情報処理の出来るコンピュータ、これを最先端のシリコンテクノロジ(超高
密度集積回路技術)で創りあげることを目標としています。既存のコンピュータ上で走るソフトではなく、
“ものを見て判断し、そして理解する”そんな集積回路を設計、シリコンチップとして創り出します。必
要なら、デバイスの物理まで遡ってシステム構成を考えます。ソフトが得意なひと、あるいはハードウェ
アを作ってみたい人、また、半導体デバイスの好きな人、いずれも大募集中!!
連想がキーワード
我々は、ものを観てすぐに理解しますが、これは脳が複雑な方程式を解いた結果でしょうか?違うと思い
ます。脳の基本素子ニューロンは、その応答速度がトランジスタに比べて百億分の一という恐ろしく遅い
化学反応デバイス。間に合うはずがありません。
“理解・認識とは、過去の経験、記憶の中から最も近しい
ものを自動想起しているだけではないか!?”連想する脳、連想の連鎖が生み出す思考、これが我々のナ
イーブな脳モデル。この“心理学的脳モデル”を新しいアーキテクチャの VLSI で実現します。
集積回路を自分で設計し VDEC でチップを試作、自分のチップでシステムを構成
ニューロンMOSトランジスタ(νMOS)を用いた独自の集積回路技術で実現しま
す。νMOSは本研究室の柴田教授が発明した新しい機能デバイスで、単体トランジ
スタで脳細胞ニューロンと類似の機能を持っています。
(米国、ヨーロッパ、台湾、日
本で特許成立済み。)これまでのトランジスタが、オン・オフの単純なスイッチの機能し
か持っていなかったのに対し、トランジスタ自身がある種の判断をしてからオン・オフ
動作をするので、知的な機能を簡単な電子回路で実現できます。もちろん、最新のデジ
タル回路技術も駆使します。アナログ・デジタル競存・共栄。各自の創意工夫で回路 ニューロンMOSトランジスタ
を設計しVDECを通してチップを試作、システムを構成します。
(νMOS)。単体で脳細胞類
似の機能を持つ
◆二次元フォーカルプレーン画像処理プロセッサ ◆連想プロセッサ
研究テーマ
(Maximum Likelihood Search エンジン) ◆連想プロセッサを用いた
右脳的情報処理システム ◆画像認識・理解システム
◆音声処理シス
テム ◆共鳴エージェント連想システム ◆CDMA 用マッチトフィルタ ◆アナログ・デジタル融合動作集積
回路技術 ◆超高集積デバイス物理の研究 ◆その他、各自自由に考え出したアイデアのチップ化
Saliency detector
動く物体をキャッチ
過去の記憶
Stereo-vision chip
距離を瞬時計測
よく似たものを
連想
Visual pre-processor 二次元画像をベクトル変換
アナログ連想プロセッサ
デジタル連想プロセッサ
強誘電体を用いた連想プロセッサ
心理学的脳モデル VLSI システム。各自が設計・試作した VLSI チップを合体して創ります。初期視覚処理は、実時間処理のボト
ルネック、MEMS 技術も融合して生体のように高度な機能実現を目指します。諸君の斬新・奇抜なアイデアを結集して右脳コン
ピュータを実現しよう!
指導教員
柴田直教授・三田吉郎准教授
研究場所
工学部 12 号館
最先端ものづくり技術を結集して知能情報処理システムを!!
柴田研、三田研と明確に区別はせず、一体で研究室を運営しています。
研究のスタイルは、
「VLSI チーム」
「アルゴリズムチーム」「MEMS チーム」と3種類くらいにわかれます。
VLSI チームはワークステーションを使って回路を設計し、VDEC (大規模集積システム設計教育研究セン
ター)を通してチップ試作、研究室で評価する。アルゴリズムチームは、VLSI に実装したときに最適なア
ルゴリズムという視点から、新たなアルゴリズムを提案実証し、最適のアルゴリズムは自ら設計するか、
あるいは VLSI チームと組んで LSI チップ化します。MEMS チームは武田先端知スーパークリーンルーム
(山手線の中で、最も清潔な部屋です)や10号館クリーンルームの装置を使いこなして独自のデバイス
を作り評価します。成果は国際学会論文、学会誌論文になります。卒論時代の研究で国際会議発表という
夢をかなえる学生も毎年何人も出ています。柴田・三田研究室や VDEC には、企業でも持つのが難しい
ような高性能機器、ワークステーションが揃っていて、自由に使うことができます。
先輩後輩の区別なく、どの先輩もよく面倒をみてくれます。研究室の方針は、「よく遊び、よく学べ」で、
もちろん研究はしっかりやりますが、研究以外の活動も盛んです。研究室旅行のほかに、学生主体の自主
旅行なども盛んです。
MEMS チーム
柴田・三田研究室は、ロードマップ通りに進める VLSI テクノロジについては企業など他所に任せ、ロー
ドマップに載っていない、21 世紀ならではの新機軸を智恵と技術によって創成したいと考えています。そ
のためには、MEMS、ナノテクノロジ、量子効果デバイスなどの新しいテクノロジも取り込み自分のもの
にします。
MEMS は、日本語ではマイクロマシンといって、髪の毛よりも小さな機械とそれを作る技術の総称です。
この技術を応用すると、マイクロミラーや走査型トンネル顕微鏡などを作ることができます。MEMS チー
ムのポリシーは、「MEMS can provide new ability to VLSI」です。VLSI 単体では実現不可能な新しい
機能を MEMS 技術と組みあわせることによって創成したいという夢を持ち、関連テーマを貪欲に取り入
れながら研究を進めています。原理を良く勉強し、柔軟な発想を付け加えることで、従来の考えかたでは
決してできなかったシステムを提案し、実現します。アプリケーション指向の研究と並行して、自前で世
界と渡り合えるための「ものづくりの体力向上」にも注力しています。例えば、シリコン(Si)を深く掘
り進む、Deep-RIE というテクノロジの高度化に取り組み、幅370nm(髪の毛の300分の1)
、深さ
40.1ミクロンの溝を掘る技術を習得しました。ためしに MEMS の国際会議で「世界記録です」と主
張してみているのですが、今のところ異議は出ていません(笑)。このように、自前で世界と渡り合える体
力をつけながら、広く利用可能な説得力のある原理・メソッドを研究開発しています。
MEMS チーム研究テーマ
柴田・三田研 MEMS チームでは、教員も含めて
一人一テーマ以上を持ち、相互にサポートしあい
つつ、柔軟な発想で MEMS と VLSI の新たな地平
を切り開くべく、研究を楽しんでいます。MEMS
融合型初期視覚プロセッシング、自律分散コンセ
プトによる集積回路の配線数爆発問題の解消法、
LSI 情報処理回路と集積化した MEMS ナノプロー
ブによる放電電荷分布の高精細測定、ナノ
Deep-RIE 技術の高度化とバイオならびに光シス
テムへの応用、Deep-RIE による光センサの高性
能化、電気的測長テスト構造(Test Structure)に
よるデバイス性能のコントロール、等のプロジェ
クトが進行中です。
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