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沖縄の 〝平和の礎〟 を映画化

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沖縄の 〝平和の礎〟 を映画化
1995年 の 6月 23日 。慰霊 の日。沖縄本島南
『GAMA』 とは
ものがたり
かいせつ
`
沖 縄 の 平 和 の 礎 、 を映 画 化
語 れ な い 恐 ろ しい 秘 密
宮里房 (72)は 海辺の村で琉舞 を教えなが ら
『GAMAご
(ガ マ)と
は、沖縄で
「鐘乳洞」を
意味する言葉です。
`
部、摩文仁の平和祈念公国で 平和 の礎、の
幼稚園 を経営 している現役の園長である。同
沖縄は、隆起IP囲 礁で形成 された石灰岩質
建立除幕式が行われました。
世代の沖縄ア ンマーの1列 にもれず地獄の戦場
の島々であるために、鐘乳洞 は島の至る所に
沖縄戦 で亡 くなった23万 余 の人々の 名前
を体験 した一人である。十数名の家族や親兄
点在 していま した。戦前は風葬の場所 として
が、国籍 を問わず、黒い石板に刻銘 されて、
弟 を次 々と砲爆撃に奪われ、最後に追 い詰め
知 られる程度で、普段 は人の出入 りする所で
波のように海に向って立 ち並んでいます。
られた摩文仁岬の洞窟から母 と娘だけが奇跡
はありませんでしたが、
沖縄戦のさなかには、
的に生還 してきた。敵は米軍だけではなかっ
県民の抵抗の最後の砦 として機能 しました。
葉 を拒絶 して、吹 き上げて くる岬の潮騒に、
た。兵隊 と避難民が雑居 した洞窟の中では、
多 くの避難民を抱 えたガマは、軍人による強
無念の思いを突 き付 けているようです。
いまわ しい惨劇が繰 り広げられていた。だが、 奪や虐殺 といった惨劇の舞台 となり、米軍の
沖縄戦終結50年 記念事業 として、大田昌秀
`
知事が中心 となり完成 した 平和 の礎 ミは平
彼女 はこれまであの洞窟の中で目撃 した真相
をだれにも語 ったことがない。語 るに語れな
を守る役害」
も果た しました。戦火 が止んだ時、
和 を願 う沖縄人の心 として、広 く世界の人々
い恐ろ しい秘密が房の胸の中には畳み込まれ
喜屋武半島のガマか らはおよそ 8万 人の避難
に感銘 を与 え、刻まれた戦死者一人びとりの
ている…。
民が這 い出てきたのです。
物言わぬ「礎」が、総 ての戦争 を美化する言
各々の ドラマが語 られ、
名前 から、
訪れる人々
馬乗 り攻撃の標的 となる一方、人々の尊い命
現在の沖縄県民、
特 に戦争体験者 にとって、
ガマ という言葉は、瞬時に沖縄戦の悲劇 を想
の涙 を誘っております。
この `
平和の礎、の建設が進められた中、
起 させると共に、ガマによって守 り抜いた命
沖縄 の文化人、演劇人、映画人、そ して一部
の尊 さをも思い起 こさせてくれるのです。
の政財界人など、戦争 を体験 した人々の間か
月lJヒ
(げ
っとう)と は、沖縄の島々の山野に
ら、沖縄の心を映像化 しようとい う話がもり
自生する、 ショウガ科の多年草です。薬用植
あがりま した。あの大平洋戦争 を無に しない
物 で沖縄方言 ではサ ンニン と呼 ばれていま
ために、沖縄県民だからこそ伝 えていかな く
す。モチを包んで蒸すための葉に利用 され、
てはならない沖縄戦の実相 …。
各家庭で重宝 された月桃が、花 を咲かす季節
一人の平凡な母親の日で捉 えた、日本唯―
の地上戦。 その姿 を通 し世界 へ平和の メッ
セージとして発信する作品 となるよう、願 い
をこめて製作 されたのが、この映画です。
が、丁度、沖縄戦のあった 4月 から盛夏にか
けて重なります。
生 き残 った多 くの人が戦火の中で見かけた
月桃は ¨それは祈 りの花でもあるのです。
(1996年
日本映画/カ ラー/ビ スタサイズ/110分 )
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