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有機薄膜太陽電池 (I)(II)
阪大ナノテク社会人教育プログラム (2010/12/21) 有機薄膜太陽電池 (I)(II) 分子科学研究所 平本昌宏 有機固体太陽電池(低分子蒸着薄膜系) N NH N N N HN N N フラーレン O C H3C N C O O C N CH3 C O 有機半導体 顔料、塗料 フタロシアニン顔料 ペリレン顔料 金属電極(例えば、銀Ag (30 nm)) 有機薄膜(500 nm, 1ミクロン以下) ITO(透明電極) ガラス基板 太陽光を照射(AM1.5, 100 mWcm-2) 蒸着膜を2枚の金属電極で挟んでいる:サンドイッチ型セル 有機薄膜太陽電池の変換効率(現在) 低分子蒸着薄膜系: 7%(シングルセル) 8.3%(タンデムセル) ポリマー系(塗布): 8%(タンデムセル) 参考 シリコン系太陽電池(単結晶、多結晶、アモルファス薄膜) :10−20%程度 色素増感系(DSC):12%程度 コストの問題:火力、原子力の数倍 シリコン系とは全く異なる使い方となる シート状で軽く、数ミリに厚さでフレキシブル、多くの色彩 で用途によってはステンドグラスのように透明な、有機太 陽電池シートが開発される。 架台等が不必要で、屋根、窓等に簡便に貼付けて使用 できるため、非常に低価格で、広範に普及できる。 原理 クーロンの法則 1 F= q1q2 40 r2 : 比誘電率 小さい + と 電荷は大きな引力を感じる 大きい + と 電荷は比較的小さな引力を感じる と励起子の大きさ 無機半導体:GaAs, = 12.9 励起子軌道半径160 Å - 有機半導体: ∼ 4 励起子軌道半径10 Å 50 Å - + +解離できない フリーキャリアへ解離できる 分子固体における光キャリア生成 室温の熱エネルギーでは 解離できない 自由な e- と h+ 分子 有機半導体の誘電率()が4程度と非常 に小さいため、光生成した電子とホール がクーロン力によって強く結合し、分子 内に局在化した励起子(フレンケル型) ができる。 LUMO 失活 光励起 HOMO キャリア生成効率が非常に低く、光電流がほとんど生じない 異種分子を接触させてキャリア生成を起こす ドナー性 分子 自由な e- と h+ 電荷移動型励起子 (CT exciton) 異種分子接触が、大きな光電流を発生さ せるのに不可欠であることを、有機薄膜 太陽電池の実験の過程で発見。 3 Electron Energy / eV アクセプ ター性分子 室温の熱エネルギーで 解離できる LUMO 4 5 LUMO h 電子移動 HOMO 6 HOMO ドナー性 分子 アクセプター性 7 分子 この事実から、2つの有機半導体を混合すれば有機太陽電池の 効率を飛躍的に向上できるのではないかと考えた。 p-i-nバルクへテロ接合の概念の提出(1991) n 型有機半導体 有機共蒸着膜( i 層) p 型有機半導体 電極 電極 n型有機半導体 (アクセプター性) p型有機半導体 (ドナー性) n型(アクセプター性) とp型(ドナー性)の有機半導体分子を共蒸 着によって混合して、複雑な形状を持つD-A界面を作り、光捕集 効率を上げ、バルクへテロ接合を形成することで、有機固体太陽 電池の効率を根本的に増大できることを示した。 M.Hiramoto et al., Appl. Phys. Lett., 58 1062 (1991). Now, we are close to Goal ! Goal : Si >20 mAcm-2 Now (2005) : > 10 mAcm-2 C60の導入 several mAcm-2 A order nA order Jsc under solar light irradiation (100 mWcm-2) polymer bulk Heterojunction (Heeger) p-i-n bulk heterojunction (平本) pn heterojunction (C. W. Tang) ナノ構造制御 C60:H2Pc共蒸着膜 N metal NH N N N HN N N H2Pc C60はアクセプターとしては 現在最も高い効率が出る材料。 C60 ITO 共蒸着膜の極微細構造が 光電流発生に決定的な影響 QuickTimeý Dz TIFFÅiLZWÅj êLí£ÉvÉçÉOÉâÉÄ Ç™Ç±ÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóvÇ-ÇÅB 基板温度コントロール 基板温度コントロールユニット 真空容器 膜厚計 p型有機半導体 基板 膜厚計 n型有機半導体 共蒸着膜の極微細構造を制御 短絡光電流(Jsc )の基板温度依存性 室温の6.5倍 Jsc / mAcm-2 4 3 2 1 0 -200 -150 -100 -50 0 50 100 150 Temperature / ℃ +80˚Cにおいて光電流が劇的に向上 光電流発生メカニズム ・結晶-アモルファス微細構造 - 微結晶 20 nm + h アモルファス ・異種分子接触が膜全体に存在する ・電子とホールを輸送するためのルートが形成される 光キャリヤの生成と輸送、両方を共に高効率で実現 これまでで最も良い特性(3年前) 10 8 O O C C C C O O O O IntrinsicC60:H2Pc +80℃ p-H2Pc(15 nm) ITO AM1.5 100 mWcm-2 J / mAcm-2 Ag (100 nm) n-NTCDA(600 nm) Photo 6 4 2 0 -2 -0.2 Dark 0 0.2 0.4 V/V Jsc : 10 mAcm-2 Voc : 0.42 V FF : 0.52 Efficiency : 2.5% K. Suemori, T. Miyata, M. Yokoyama, M. Hiramoto, Appl. Phys. Lett., 86, 063509 (2005). Percolation 200 nm hν - + Amorphous C60 Crystalline H2Pc Ideal nanostructure h N eC60 h+ eh + NH N N N N HN N H2Pc Ideal charge separation at heterointerface Ideal spatially-separated transport Vertical multilayered film control ・・・・ control 90°rotation ・・・・ Substrate Substrate nm control to the direction of layer thickness is possible Cross section of multilayer becomes surface in vertical multilayer nm order structure control via film thickness M. Hiramoto et at., Appl. Phys. Lett., 88, 213105 (2006). Fabrication 4) Microtome slicing 1) substrate Flat Epoxy resin substrate 2) deposition C60 2 H2Pc 3) embedding 5) Electrode deposition Electrode Conductive tape 基板と同じエポキシ樹脂で埋め込む Stage M. Hiramoto et at., Appl. Phys. Lett., 88, 213105 (2006). Electrode 特許「直立型超格子、デバイス及び直立型超格子の製造方法」平本(H16.4.2公開) Slice and SEM image 中央部に顔料が 埋め込まれている C60 H2Pc 12 layers: layer width 82 nm 3 mm 8 mm Epofix 500nm Devices Layer width(x) 82nm ・・・ Layer width(x) 10nm 41nm ・・・ 5nm ・・・ 2.5nm ( 4 million layers/cm )