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「組踊」に関する調査について

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「組踊」に関する調査について
平成28年3月17日
内閣府沖縄総合事務局
沖縄ミニ経済レポート vol.9
「組踊」に関する調査について
~「組踊」の認知度をさらに高めるために~
【本件に関するお問い合わせ先】
内閣府沖縄総合事務局 総務部調査企画課
担当:具志、沢田
Tel:098-866-0047(直通)
E-mail: [email protected]
Ⅰ.はじめに
○調査の目的等
近年の沖縄県の観光状況については好調に推移しており、平成27年の入域観光客数について
は、776 万 3,000 人と過去最高を記録しています。特に近年は、外国人観光客(インバウンド)
が急激な伸びを示しています。
ここ沖縄は全国でも有数なリゾート地であり、サンゴに囲まれた美しい海を始め、亜熱帯性の
気候、風土、文化、歴史など優れた資源を活用しながら観光振興に取り組んでいます。
特に沖縄は、古くは琉球王国が存在し、他県にない特有の文化、歴史があります。琉球文化の
象徴である首里城等の建築物を始め、織物や陶器などの伝統工芸品、琉球舞踊や三線等音楽、エ
イサー、組踊などのエンターテイメント等の「琉球の宝」は沖縄観光の主役を担っています。
沖縄県は観光客を対象に、観光客から見た沖縄のエンターテイメントに関する分析(平成 25
年度観光統計実態調査)を行いました。その結果、島唄(沖縄民謡)や琉球舞踊、エイサーなど
の認知度が高かったものの、ユネスコの無形文化遺産として登録されている沖縄の伝統芸能「組
踊」については認知度が低いということがわかりました。また、認知度の低さは観光客のみなら
ず、県内の方々にも見受けられます。
「組踊」の認知度を高めることができれば、
「組踊」の観劇を目当てに一人でも多くの観光客が
増え、観光にも寄与すると期待できますが、認知度を高めるためには、まずは沖縄県民が組踊に
対し認知・理解等を深め、県民自らが観光客等へ組踊の紹介や説明等できることが必要であると
考えます。
そこで沖縄総合事務局では、県民が「組踊」の認知度をさらに高めるために、①組踊の公演状
況等に関する調査、②組踊の「観劇者」に対するアンケート調査、③組踊の普及等に取り組んで
いる関係機関に対するヒアリング調査を実施しました。
(1)「組踊」について
組踊とは、せりふ、音楽、所作、舞踊によって構成される歌舞劇であり、首里王府が中国皇帝
の使者である冊封使を歓待するために、踊奉行であった玉城朝薫(1684~1734)に創作させまし
た。1719 年、尚敬王の冊封儀礼の際に初演されました。
朝薫は生涯において、薩摩や江戸に公務で7回出かけています。そこで能や狂言、歌舞伎など
の大和芸能を鑑賞し、琉球国内では中国戯曲を鑑賞するなどして造詣を深めました。そして、琉
球古来の芸能や故事を基礎に、大和芸能や中国戯曲にヒントを得て組踊を創作したのです。朝薫
は「執心鐘入」「二童敵討」「銘苅子」「女物狂」「孝行の巻」をつくりました。これらの作品
を〈朝薫の五番〉と称しています。組踊の担い手は、王府に勤務する士族とその子弟(すべて男
性)でした。
〈忠〉〈孝〉〈王府が強く関わること〉をテーマにした組踊は冊封使に好評を博しました。以
後、冊封使歓待の踊番組は組踊を中心にして構成されるようになりました。また、組踊は 1800
年代にはすでに地方の村踊りでも上演されていたと思われます。
〈朝薫の五番〉をはじめ、その後の踊奉行らによって創作された組踊は、現在約 70 の作品が確
認されています。その一方で、新作組踊も発表されています。
昭和 47 年 5 月 15 日、沖縄が日本へ復帰すると同時に、組踊は我が国の優れた芸能の一つであ
るとして、能、歌舞伎、文楽などと同じく国の重要無形文化財に指定されました。
2
また、平成 22 年 11 月 16 日、組踊は国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産保
護条約に基づく「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されました。
(出所:国立劇場おきなわホームページより)
(2)「組踊」の認知率(
「認知度」
)について
沖縄県文化観光スポーツ部が公表した「平成 25 年度観光統計実態調査(平成 26 年 3 月)※1」
の「エンターテイメントに関する分析」によると、
「『組踊』は、他のエンターテインメント(
「島
唄」、「琉球舞踊」
、
「エイサー」
、
「ライブ※2」、「スポーツ※3」)と比較して “認知率”が低く、
県外客に十分知られていない状況がある。“経験率”が低い「ライブ」、「組踊」、「スポーツ」で
も満足度は5割を超えていることから、今後に向けて、まずは“認知率”を高めていくことが必
要である。
」と指摘しています。
※1:
「平成 25 年度観光統計実態調査」とは、沖縄県が実施している国内線を利用して出域する観
光客を対象とした航空乗客アンケート調査。毎年実施、旅行者の属性、旅行内容、消費額等
を四半期ごとに整理し、観光消費単価と観光収入の推計を行っている。配布数:24,000 票。
回収数:9,739 票。回収率:40.6%。
※2:「ライブ」とは、オキナワンロック等。
※3:「スポーツ」とは、スポーツ観戦(バスケ・サッカー等)。
下記の図表(“認知率”の“知らない”を除いたもの)において最も高いのは、
「島唄」で 97.0%
となり、ついで「琉球舞踊」93.3%となった。一方で、“認知率”が低いのは、
「組踊」で 66.3%で
あった。
図表1:エンターテイメントの経験率・認知率・体験意向
0
20
40
島唄(N=4,240)
32.9
45.2
エイサー(N=4,202)
37.7
42.0
ライブ(N=3,961)
スポーツ(N=3,873)
80
56.7
琉球舞踊(N=3,543)
組踊(N=3,921)
60
37.9
8.0
5.9
36.4
経験あり
21.5
22.0
28.7
41.4
経験なく興味あり
経験なく興味なし
出典:沖縄県文化観光スポーツ部「平成 25 年度観光統計実態調査」
3
7.4
10.4 6.7
6.7
9.5 10.3
10.3
38.2
18.6
(%)
100
22.0
33.7
24.0
知らない
3.0
Ⅱ.「組踊」に関する調査について
本調査は、組踊の認知度をさらに高めるため、組踊等の公演を行っている「国立劇場おきなわ」
等への公演状況等の調査を始め、
「組踊」を観劇した者に対するアンケート調査及び「組踊」の普
及に取り組む旅行事業者等の関係機関に対するヒアリング調査を行いました。
Ⅱ-1
組踊の公演状況等に関する調査
組踊を定期的に公演している「国立劇場おきなわ」及び「那覇市ぶんかテンブス館」を対象に、
公演状況等について調査しました。
併せて、県内で熱心に組踊を普及啓蒙・推進、支援等を行っている地域「浦添市」の取組につ
いても調査を行いました。
1.組踊の公演状況等について
(1)組踊の公演状況
過去 3 年間(平成 24 年度~平成 26 年度)の「国立劇場おきなわ」及び「那覇市ぶんかテ
ンブス館」の①公演回数、②入場者数、③1公演当たりの平均入場者数の推移は、以下のと
おりです。
図表2:①公演回数の推移
(単位:回)
公演会場
公演内容
平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度
全公演
国立劇場おきなわ
42
40
43
うち「組踊」公演
22
17
22
うち組踊以外の公演
20
23
21
78
73
101
うち「組踊」公演
9
9
9
うち組踊以外の公演
69
64
92
31
26
31
全公演
那覇市ぶんかテンブス館
「組踊」公演回数の合計
※平成 25 年度の「国立劇場おきなわ」での公演のうち、3 公演(うち「組踊」公演 2 回)が台風の
接近のため、中止となった。
図表3:②入場者数の推移
(単位:人)
公演会場
公演内容
平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度
全公演
国立劇場おきなわ
16,618
15,224
18,112
うち「組踊」公演
9,078
6,611
9,491
うち組踊以外の公演
7,540
8,613
8,621
7,309
7,673
17,047
384
487
593
6,925
7,186
16,454
9,462
7,098
10,084
全公演
那覇市ぶんかテンブス館
うち「組踊」公演
うち組踊以外の公演
「組踊」入場者数の合計
4
図表4:③1公演当たりの平均入場者数(入場者数/公演回数)
公演会場
公演内容
平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度
全公演
国立劇場おきなわ
396
381
421
うち「組踊」公演
413
389
431
うち組踊以外の公演
377
374
411
94
105
169
うち「組踊」公演
43
54
66
うち組踊以外の公演
100
112
179
全公演
那覇市ぶんかテンブス館
(単位:人)
(2)組踊の観劇料金
「国立劇場おきなわ」及び「那覇市ぶんかテンブス館」の組踊観劇料は、以下のとおりです。
図表5:組踊の観劇料
会 場
国立劇場おきなわ
・大劇場(632 席)
【自主公演/組踊公演】
那覇市ぶんかテンブス館
・テンブスホール(250 席)
【木曜芸能公演/百花繚乱(組踊寄席)
】
観劇料
一般
大学生等
高校生以下
大人(18 歳以上)
高校生
小・中学生
3,100 円
2,000 円
1,000 円
1,500 円
1,130 円
750 円
出典:国立劇場おきなわ及び那覇市ぶんかテンブス館のパンフレット
(参考)
図表6:他の伝統芸能(歌舞伎、能・狂言、文楽)の主な公演会場での観劇料
区 分
会 場
観劇料
(等級別料金)
歌舞伎
能・狂言
文楽
国立劇場
・大劇場(1610 席)
【主催公演/歌舞伎】
国立能楽堂
・能舞台(627 席)
【主催公演/能・狂言】
特別席
1等A席
1等B席
2等A席
2等B席
3 等席
正 面=4,900 円
1 等席 6,000 円
脇正面=3,200 円
(学生 4,200 円)
(学生 2,200 円) 2 等席 2,400 円
中正面=2,700 円
(学生 2,400 円)
(学生 1,900 円)
12,300 円
9,500 円
6,300 円
4,600 円
2,600 円
1,500 円
国立文楽劇場
・文楽劇場(753 席)
【主催公演/文楽】
出典:国立劇場、国立能楽堂及び国立文楽劇場のホームページ
2.浦添市の取組について
浦添市は、組踊を公演する「国立劇場おきなわ」が立地しているほか、組踊の始祖「玉城朝薫」
の墓所があるなど組踊が大変身近な地域であり、また、同市では「組踊のまち」として組踊の普
及啓蒙、文化・伝統芸能を活用した観光振興にも取り組んでいます。
浦添市の組踊に関する取組は、以下のとおりです。
5
(1)「浦添市組踊まつり」の開催
浦添市では、
「組踊」を野外で楽しく鑑賞できるイベントとして「浦添市組踊まつり」を
毎年開催しています。
なお、平成 27 年度の開催については、組踊を現代風にアレンジした組踊版「シンデレラ」
やシネマ組踊「執心鐘入」「二童敵討」の上映、組踊に関するワークショップの開催など、
2 回に分けまつりを開催しています。
(2)組踊の映像コンテンツ「シネマ組踊」を制作
シネマ組踊とは、浦添市が事業主体となり、組踊を映像作品としてわかりやすくフィル
ム化したものです。組踊ならではの琉球古語による台詞回しや舞踊、琉球古典音楽、衣装
などを斬新なカメラワークで表現し、舞台とは違ったアングルから楽しむことができる映
像コンテンツです。作品としては、「シネマ組踊・二童敵討」や「シネマ組踊・執心鐘入」
が制作されています。
(3)シネマ「組踊」鑑賞会を実施
上記シネマを制作したことにより、組踊を紹介(鑑賞)しやすくなったため、同市では
地元のイベント「てだこまつり」や「てだこウォーク」等で鑑賞会を実施するとともに、
更なる組踊の普及、ファン獲得のため、県内外及び海外で「シネマ組踊」の鑑賞会を実施
しています。
(4)伝統芸能・観光振興の一環として 9 月 3 日を「組踊の日」に!
浦添市ではユネスコ無形文化遺産に登録されている「組踊」のさらなる普及啓蒙及び認
知度の向上等を図るため、9 月 3 日を「く(9)み(3)踊の日」とし、伝統芸能の振興等に
取り組んでいます。
6
Ⅱ-2
組踊の「観劇者」に対するアンケート調査
観劇者に対するアンケート調査については、「国立劇場おきなわ」が主催公演する組踊の観劇
者に対しアンケートを配布、回収する方法で実施しました。
第 1 回の実施は、平成 27 年 10 月 24 日(土)に演目『久志の若按司』の公演(観劇者:385 名)
でした。第 2 回の実施は、平成 27 年 12 月 19 日(土)に演目『忠臣義勇』の公演(観劇者:333 名)
でした。
この 2 回の公演に来場した延べ 718 名にアンケートを実施し、計 559 名から回答を得ましたが、
このうち、第 2 回の公演の回答者のうち、第 1 回の公演でもアンケートに回答した人(重複した
回答)は、対象外としました。
図表7:アンケート調査の実施概要
概要
項目
対象
調査
実施方針
主な
調査項目
・
「国立劇場おきなわ」の組踊公演への観劇者
第 1 回:
『久志の若按司』 平成 27 年 10 月 24 日(土) 観劇者 385 名
第 2 回:
『忠臣義勇』
平成 27 年 12 月 19 日(土) 観劇者 333 名
・国立劇場おきなわでは、各回の公演において、公演の感想等を問う独自のア
ンケート調査を実施。
・本調査は、国立劇場おきなわで通常実施しているアンケートの様式に、本調
査の実施目的を踏まえた設問を加える形式で実施。
・公演の感想、来場回数、来場の動機 等
・主に組踊を観劇する場所や機会
・初めて組踊を観劇した動機
・組踊観劇の魅力、不満点
・組踊のファンを増やすための取組、ターゲット
・組踊観劇に知人を誘った経験、誘いやすくなるために必要なこと 等
図表8:公演の実施状況
第 1 回『久志の若按司』
第 2 回『忠臣義勇』
平成 27 年 10 月 24 日(土)
平成 27 年 12 月 19 日(土)
合計
観客数
385
100.0%
333
100.0%
718
100.0%
アンケート回収数(A)
300
77.9%
259
77.8%
559
77.9%
1.有効回答(B)
269
69.9%
187
56.2%
456
63.5%
31
8.1%
32
9.6%
63
8.8%
3.第 1 回アンケートにも回答
-
-
40
12.0%
40
5.6%
全回答に占める有効回答率
(B)/(A)
-
89.7%
-
72.2%
-
81.6%
2.無効回答
7
【組踊の「観劇者」に対するアンケート調査結果】
1.回答者の属性
(1)性別・年齢
回答者の年齢について、2 回のアンケート調査において有効回答を得た 456 名のうち、
「60 代」
と回答した人が 157 名(回答者の 34.4%)と最多で、次に「70 代以上」が 112 名(同 24.6%)と
多く、全体の半数以上が 60 代以上で占められています。
性別については、266 名(同 58.3%)が女性と半数以上を占めています。
図表9:回答者の属性(年齢)
年齢
回答数
第1回
第2回
10 代
9
3.3%
3
1.6%
12
2.6%
20 代
12
4.5%
4
2.1%
16
3.5%
30 代
11
4.1%
16
8.6%
27
5.9%
40 代
30
11.2%
18
9.6%
48
10.5%
50 代
37
13.8%
27
14.4%
64
14.0%
60 代
93
34.6%
64
34.2%
157
34.4%
70 代以上
59
21.9%
53
28.3%
112
24.6%
無回答
18
6.7%
2
1.1%
20
4.4%
269
100%
187
100%
456
100%
回答母数
無回答, 20, 4.4%
合計
10代, 12, 2.6%
20代, 16, 3.5%
30代, 27,
5.9%
70代以上, 112,
24.6%
40代, 48, 10.5%
50代, 64, 14.0%
60代, 157, 34.4%
8
図表 10:回答者の属性(性別)
性別
回答数
第1回
第2回
合計
男性
73
27.1%
56
29.9%
129
28.3%
女性
162
60.2%
104
55.6%
266
58.3%
34
12.6%
27
14.4%
61
13.4%
269
100%
187
100%
456
100%
無回答
回答母数
無回答, 61,
13.4%
男性, 129, 28.3%
女性, 266, 58.3%
9
(2)居住地
回答者の居住地は、387 名(回答者の 84.8%)が「県内」の方でした。一方、「県外」「海外」
と回答した人も計 43 名(同 9.4%)おり、これらは主に沖縄を訪れた観光客等と考えられます。
地域別(図表6参照)には、那覇市が最多の 103 名(同 22.6%)で、沖縄市(41 名、同 9.0%)
浦添市(35 名、同 7.7%)
、宜野湾市(30 名、同 6.6%)と続いています。沖縄市は第 2 回調査で
の来場者が多く、回答内容から団体客での来場であったと考えられます。
図表 11:回答者の属性(居住地)
居住地
回答
第1回
第2回
合計
県内
229
85.1%
158
84.5%
387
84.9%
県外
16
5.9%
26
13.9%
42
9.2%
海外
1
0.4%
0
0.0%
1
0.2%
23
8.6%
3
1.6%
26
5.7%
269
100%
187
100%
456
100%
無回答
回答母数
海外, 1, 0.2%
無回答, 26, 5.7%
県外, 42, 9.2%
県内, 387, 84.9%
10
図表 12:回答者の属性(居住地・自治体)
分類
県内
地域名
那覇市
沖縄市
浦添市
宜野湾市
名護市
南風原町
中城村
うるま市
豊見城市
八重瀬町
糸満市
南城市
西原町
北谷町
恩納村
読谷村
嘉手納町
北中城村
宜野座村
国頭村
県内・無回答
県内計
県外
東京都
神奈川県
埼玉県
愛知県
岐阜県
長野県
福井県
京都府
兵庫県
熊本県
千葉県
静岡県
新潟県
三重県
大阪府
広島県
福岡県
佐賀県
県外・無回答
県外計
海外
回答母数
フランス
回答
第1回
第2回
合計
55
14
22
20
13
13
10
7
8
6
1
4
3
5
3
2
3
2
0
0
38
20.4%
5.2%
8.2%
7.4%
4.8%
4.8%
3.7%
2.6%
3.0%
2.2%
0.4%
1.5%
1.1%
1.9%
1.2%
0.7%
1.1%
0.7%
-
48
27
13
10
5
2
4
6
4
3
7
2
3
0
2
2
0
1
1
1
17
25.7%
14.4%
7.0%
5.3%
2.7%
1.1%
2.1%
3.2%
2.1%
1.6%
3.7%
1.1%
1.6%
1.1%
1.1%
0.5%
0.5%
0.5%
-
103
41
35
30
18
15
14
13
12
9
8
6
6
5
5
4
3
3
1
1
55
22.6%
9.0%
7.7%
6.6%
4.0%
3.3%
3.1%
2.9%
2.6%
2.0%
1.8%
1.3%
1.3%
1.1%
1.1%
0.9%
0.7%
0.7%
0.2%
0.2%
-
229
85.4%
158
84.5%
387
85.1%
2
1
1
2
2
0
2
0
1
0
1
0
0
0.7%
0.4%
0.4%
0.7%
0.7%
0.7%
0.4%
0.4%
-
0
1
1
1
1
0.4%
0.4%
0.4%
-
9
3
1
0
0
2
0
2
1
2
0
1
1
1
1
0
0
0
2
4.8%
1.6%
0.5%
1.1%
1.1%
0.5%
1.1%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
-
11
4
2
2
2
2
2
2
2
2
1
1
1
1
1
1
1
1
3
2.4%
0.9%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
-
16
5.9%
26
13.9%
42
9.2%
1
0.4%
0
-
1
0.2%
269
100%
187
100%
456
100%
11
(3)職業
回答者の職業は、
「無職」
(定年退職者も含む)が 114 名(回答者の 25.0%)で、次いで「専業
主婦・主夫」が 98 名(同 21.5%)の順となっています。
図表 13:回答者の属性(職業)
職業
回答
第2回
第1回
会社員・役員
合計
39
14.5%
36
19.3%
75
16.4%
9
3.3%
8
4.3%
17
3.7%
23
8.6%
10
5.3%
33
7.2%
学生
9
3.3%
6
3.2%
15
3.3%
教員
8
3.0%
7
3.7%
15
3.3%
専門職
10
3.7%
9
4.8%
19
4.2%
パート・アルバイト
18
6.7%
9
4.8%
27
5.9%
専業主婦・主夫
56
20.8%
42
22.5%
98
21.5%
無職
64
23.8%
50
26.7%
114
25.0%
その他
8
3.0%
9
4.8%
17
3.7%
無回答
25
9.3%
1
0.5%
26
5.7%
269
100%
187
100%
456
100%
自営業
公務員・団体職員
回答母数
その他, 17, 3.7%
会社員・役員, 75,
16.4%
自営業, 17, 3.7%
無職, 114, 25.0%
公務員・団体職
員, 33, 7.2%
学生, 15, 3.3%
専業主婦・主夫,
98, 21.5%
教員, 15, 3.3%
専門職, 19, 4.2%
パート・アルバイ
ト, 27, 5.9%
12
(4)世帯年収
回答者の世帯年収は、
「100 万円以上~300 万円未満」が 152 名(回答者の 33.3%)で、次いで
「300 万円以上~500 万円未満」が 88 名(同 19.3%)の順となっています。
図表 14:回答者の属性(世帯年収)
世帯年収
第1回
回答
第2回
合計
100 万円未満
21
7.8%
18
9.6%
39
8.6%
100 万円以上~300 万円未満
87
32.3%
65
34.8%
152
33.3%
300 万円以上~500 万円未満
58
21.6%
30
16.0%
88
19.3%
500 万円以上~700 万円未満
16
5.9%
19
10.2%
35
7.7%
700 万円以上~1,000 万円未満
12
4.5%
15
8.0%
27
5.9%
5
1.9%
6
3.2%
11
2.4%
70
26.0%
34
18.2%
104
22.8%
269
100%
187
100%
456
100%
1,000 万円以上
無回答
回答母数
無回答, 104,
22.8%
100万円
未満, 39,
8.6%
1,000万円以上,
11, 2.4%
700-1,000万円,
27, 5.9%
100-300万円,
152, 33.3%
500-700万円, 35,
7.7%
300-500万円, 88,
19.3%
13
2.組踊公演の感想等について
(1)公演の感想
調査実施日(平成 27 年 10 月 24 日(土)、12 月 19 日(土))の公演内容は、第 1 部:独唱と舞
踊、第 2 部:組踊「久志の若按司」又は「忠臣義勇」でした。
この 2 部構成の公演の感想については、いずれの公演も大半の人が「とても満足」
「やや満足」
と回答しています。
図表 15:公演の感想
公演の感想
回答
第2回
第1回
とても満足
合計
103
38.3%
58
31.0%
161
35.3%
97
36.1%
91
48.7%
188
41.2%
どちらともいえない
2
0.7%
2
1.1%
4
0.9%
やや不満
3
1.1%
2
1.1%
5
1.1%
不満
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
64
23.8%
34
18.2%
98
21.5%
269
100%
187
100%
456
100%
満足
無回答
回答母数
無回答, 98, 21.5%
不満, 0,
0.0%
やや不満,
5, 1.1%
とても満足, 161,
35.3%
どちらとも
いえない,
4, 0.9%
満足, 188, 41.2%
14
(2)公演への来場回数(国立劇場おきなわの主催公演)
国立劇場おきなわの主催公演への来場回数は、
「10 回以上」と回答した人が 172 名(回答者の
37.7%)と最多で、また「4~9 回目」と回答した人も 98 名(同 21.5%)と多く、国立劇場おき
なわでの組踊公演には、リピーターが根付いていることが伺えます。
図表 16:公演への来場回数
来場回数
回答
第2回
第1回
合計
初めて
47
17.5%
40
21.4%
87
19.1%
2~3 回目
50
18.6%
40
21.4%
90
19.7%
4~9 回目
56
20.8%
42
22.5%
98
21.5%
10 回以上
109
40.5%
63
33.7%
172
37.7%
7
2.6%
2
1.1%
9
2.0%
269
100%
187
100%
456
100%
無回答
回答母数
無回答, 8, 1.8%
初めて, 87,
19.1%
10回以上, 172,
37.7%
2~3回目, 90,
19.7%
4~9回目, 99,
21.7%
15
(3)公演への来場の動機
調査実施日(平成 27 年 10 月 24 日(土)、平成 27 年 12 月 19 日(土))の公演『久志の若按
司』又は『忠臣義勇』への来場の動機としては、
「組踊に興味あり」が 223 名(回答者の 48.9%)
と最多で、次いで「演目『久志の若按司・忠臣義勇』に興味あり」が 169 名(同 37.1%)とな
っています。
また、「出演者に興味あり」との回答については、具体的な出演者として、「久志の若按司」
役の東江裕吉さん、「天願の若按司」役の金城真次さん等が挙げられています。
図表 17:公演への来場の動機(複数回答可)
来場の動機
回答
第2回
第1回
合計
組踊に興味あり
135
50.2%
88
47.1%
223
48.9%
演目『久志の若按司』
『忠臣義勇』に興味あり
123
45.7%
46
24.6%
169
37.1%
家族や友人・知人の誘い
80
29.7%
73
39.0%
153
33.6%
国立劇場おきなわに興味あり
40
14.9%
25
13.4%
65
14.3%
出演者に興味あり
51
19.0%
23
12.3%
74
16.2%
その他
10
3.7%
18
9.6%
28
6.1%
269
-
187
-
456
-
回答母数
0
50
組踊に興味あり
演目「久志の若按司」「忠臣義勇」に興味あり
家族や友人・知人の誘い
国立劇場おきなわに興味あり
出演者に興味あり
その他
16
100
150
200
250
○興味のある出演者
図表 18:興味のある出演者
分類
出演者
回答数
備考
第1回
東江 裕吉
23 第二部 久志の若按司 「久志の若按司」役
『久志の若按司』
金城 真次
10 第二部 久志の若按司 「天願の若按司」役
石川 直也
5 第二部 久志の若按司 「立川の大主」役
眞境名 正憲
4 第二部 久志の若按司 「謝名の大主」役
川満 香多
3 第二部 久志の若按司 「平田の子」役
天願 雄一
2 第二部 久志の若按司 「砂田の子」役
又吉 恭平
2 第二部 久志の若按司 歌・三線
第2回
東江 裕吉
4 第二部 忠臣義勇 「思姉」役
『忠臣義勇』
真境名 英美
4 第一部 琉球舞踊 「諸屯」
新垣
2 第二部 忠臣義勇 「仲嶺之若按司」役
悟
宇座 仁一
2 第二部 忠臣義勇 「大里之按司」役
天願 雄一
2 第二部 忠臣義勇 「供二」役
上原 崇弘
1 第二部 忠臣義勇 「舞方一」
花岡 貴子
1 第一部 琉球舞踊 「高平良万歳」
○「その他」具体の内容
図表 19:
「その他」具体の内容
分類
内容
回答数
第1回
知人が出演している
2
『久志の若按司』
近畿日本ツーリストのツアー
1
第2回
郷友会の企画
5
『忠臣義勇』
国立劇場おきなわ友の会バスツアー
4
家族・関係者が出演している
2
17
(4)公演をどこで知ったか
調査実施日(平成 27 年 10 月 24 日(土)、平成 27 年 12 月 19 日(土))の公演『久志の若按司』
及び『忠臣義勇』をどこで知ったか(認知経路)については、
「友の会会報」が 170 名(回答者
の 37.3%)と最多で、次いで「家族、知人、友人」が 155 名(同 34.0%)となっており、この 2
つが主要な情報源となっていることがわかります。
図表 20:公演をどこで知ったか(複数回答可)
公演をどこで知ったか
回答
第2回
第1回
合計
劇場 HP
133
49.4%
32
17.1%
61
13.4%
友の会会報
113
42.0%
57
30.5%
170
37.3%
メルマガ
3
1.1%
2
1.1%
5
1.1%
ラジオ
2
0.7%
0
0.0%
2
0.4%
テレビ
0
0.0%
1
0.5%
1
0.2%
新聞
12
4.5%
9
4.8%
21
4.6%
雑誌
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
チラシ
47
17.5%
26
13.9%
73
16.0%
ポスター
13
4.8%
6
3.2%
19
4.2%
家族、知人、友人
91
33.8%
64
34.2%
155
34.0%
出演者、関係者
17
6.3%
14
7.5%
31
6.8%
7
2.6%
17
9.1%
24
5.3%
269
-
187
-
456
-
その他
回答母数
0
20
40
60
80
劇場HP
友の会会報
メルマガ
ラジオ
テレビ
新聞
雑誌
チラシ
ポスター
家族、知人、友人
出演者、関係者
その他
18
100
120
140
160
180
○チラシ、ポスター等の掲示・配布場所や認知機会等
図表 21:チラシ、ポスター等の掲示・配布場所や認知機会等
第1回
配布・掲示場所
認知機会等
国立劇場おきなわ
『久志の若按司』
公民館
3 屋部公民館など
出演者
2 東江裕吉さん、山入端實さん
情報サイト
2
分類
その他
回答
備考
20
・前回同劇場の案内を見て
・近畿日本ツーリストのツアー
・タイムスほーむぷらざ
・パレット久茂地サービスカウンター
各1
・読谷村文化センター
・年間計画
・パンフレット
・新聞社の配布するチラシ
第2回
国立劇場おきなわ
8
『忠臣義勇』
郷友会
3
出演者
3 真境名英美さん、花岡貴子さん
情報サイト
2
その他
・観光案内所
・コープ
各 1 ・リウボウ
・CM
・沖縄タイムス
19
3.組踊等の観劇の状況
(1)主に観劇する伝統芸能
「主に観劇する伝統芸能」としては、「組踊」が 333 名(回答者の 73.0%)と最多で、次いで
「琉球舞踊」が 282 名(同 61.8%)となっています。
この他、
「沖縄芝居」172 名(同 37.7%)、
「三線音楽」157 名(同 34.4%)と回答する人も多く、
組踊のファンは、沖縄の伝統芸能全般に関心が高いことがわかります。
図表 22:主に観劇する伝統芸能(複数回答可)
主に観劇する伝統芸能
回答
第2回
第1回
合計
組踊
205
76.2%
128
68.4%
333
73.0%
琉球舞踊
164
61.0%
118
63.1%
282
61.8%
三線音楽
94
34.9%
63
33.7%
157
34.4%
沖縄芝居
116
43.1%
56
29.9%
172
37.7%
民俗芸能
52
19.3%
48
25.7%
100
21.9%
7
2.6%
4
2.1%
11
2.4%
269
-
187
-
456
-
その他
回答母数
0
50
100
150
組踊
琉球舞踊
三線音楽
沖縄芝居
民俗芸能
その他
20
200
250
300
350
(2)主に組踊を観劇する場所・機会
「組踊を観劇する場所・機会」としては、
「国立劇場おきなわ」が 364 名(回答者の 79.8%)
と最多で、次いで「地域の公民館等」が 99 名(同 21.7%)
、
「那覇市ぶんかテンブス館」62 名(同
13.6%)と続いています。
「その他」と回答した人からも、具体的な市民劇場やイベントホール等が挙げられており、
国立劇場おきなわでの公演以外にも、県民が身近に組踊に触れることができる機会があること
がわかります。
図表 23:主に組踊を観劇する場所・機会(複数回答可)
主に観劇する場所・機会
国立劇場おきなわ
回答
第2回
第1回
合計
216
80.3%
148
79.1%
364
79.8%
那覇市ぶんかテンブス館
33
12.3%
29
15.5%
62
13.6%
地域の公民館等
65
24.2%
34
18.2%
99
21.7%
観光施設でのイベント等
17
6.3%
13
7.0%
30
6.6%
その他
24
8.9%
14
7.5%
38
8.3%
269
-
187
-
456
-
300
350
回答母数
0
50
100
150
国立劇場おきなわ
那覇市ぶんかテンブス館
地域の公民館等
観光施設でのイベント等
その他
21
200
250
400
○「その他」の内訳
図表 24:
「その他」の内訳
分類
場所・機会等
回答
4
備考
第1回
市民会館
『久志の若按司』
各地の市民劇場、
イベントホール
・てだこホール、シュガーホー
4
ル、沖縄市民小劇場あしびな
ー、がらまんホール
沖縄タイムスイベントホール
2
パレット市民劇場
2
琉球新報ホール
1
自宅でテレビ
1
国立劇場(東京)
1
第2回
国立劇場(東京)
2
『忠臣義勇』
パレット市民劇場
1
本土での公演
1
地域の祭
1
宜野湾コンベンションセンター
1
22
4.組踊観劇の満足度、感想等
(1)初めて組踊を観劇した際の動機
「初めて組踊を観劇した際の動機」としては、「沖縄の伝統芸能、文化に関心があった」が
274 名(回答者の 60.1%)と最多で、次いで「家族、友人、知人に誘われて観劇した」が 158
名(同 34.6%)の順となっています。この他には、
「演目に関心があった」105 名(同 23.0%)、
「演者に関心があった」77 名(同 16.9%)と続いています。
このように、観劇の動機としては、
①伝統芸能や文化等に関心を持ち、自分から(能動的に)観劇に行く
②知人に誘われるなどで、
(受動的に)観劇に行く
大きく分けて 2 通りの動機があると考えられます。
図表 25:初めて組踊を観劇した際の動機(複数回答可)
初めて組踊を観劇した際の動機
回答
第2回
第1回
合計
家族、友人、知人に誘われて観劇した
96
35.7%
62
33.2%
158
34.6%
沖縄の伝統芸能、文化に関心があった
169
62.8%
105
56.1%
274
60.1%
演目に関心があった
69
25.7%
36
19.3%
105
23.0%
演者に関心があった
48
17.8%
29
15.5%
77
16.9%
招待券やチケットをもらった
20
7.4%
30
16.0%
50
11.0%
報道や広告等で存在を知り、関心を持った
15
5.6%
10
5.3%
25
5.5%
その他
11
4.1%
9
4.8%
20
4.4%
269
-
187
-
456
-
回答母数
0
50
100
家族、友人、知人に誘われて観劇した
沖縄の伝統芸能、文化に関心があった
演目に関心があった
演者に関心があった
招待券やチケットをもらった
報道や広告等で存在を知り、関心を持った
その他
23
150
200
250
300
(2)組踊観劇の魅力
「組踊観劇の魅力」としては、
「沖縄の歴史や文化、芸能についての教養を深めることができ
る」が 352 名(回答者の 77.2%)と最多で、次いで「演者の動作や演技、技術が素晴らしい」が
200 名(同 43.9%)
、
「演目が面白い、興味深い」143 名(同 31.4%)、「好きな演者、応援してい
る演者がいる」115 名(同 25.2%)の順となっています。
図表 26:組踊観劇の魅力(複数回答可)
組踊観劇の魅力
沖縄の歴史や文化、芸能についての教養を
深めることができる
回答
第2回
第1回
合計
209
77.7%
143
76.5%
352
77.2%
87
32.3%
56
29.9%
143
31.4%
演者の動作や演技、技術が素晴らしい
129
48.0%
71
38.0%
200
43.9%
好きな演者、応援している演者がいる
75
27.9%
40
21.4%
115
25.2%
友人や家族と、共通の話題や楽しみを持つ
ことができる
50
18.6%
22
11.8%
72
15.8%
安価で手軽に伝統芸能を楽しむことがで
きる
43
16.0%
30
16.0%
73
16.0%
劇場の臨場感や雰囲気が良い
56
20.8%
37
19.8%
93
20.4%
演目の紹介や説明がありわかりやすい
47
17.5%
35
18.7%
82
18.0%
劇場の設備やサービスが充実している
25
9.3%
16
8.6%
41
9.0%
会場へのアクセスが良く、気軽に楽しむこ
とができる
27
10.0%
26
13.9%
53
11.6%
3
1.1%
4
2.1%
7
1.5%
269
-
187
-
456
-
演目が面白い、興味深い
その他
回答母数
24
0
50
100
150
200
250
300
350
400
沖縄の歴史や文化、芸能についての
教養を深めることができる
演目が面白い、興味深い
演者の動作や演技、技術が素晴らしい
好きな演者、応援している演者がいる
友人や家族と、共通の話題や
楽しみを持つことができる
安価で手軽に伝統芸能を楽しむことができる
劇場の臨場感や雰囲気が良い
演目の紹介や説明がありわかりやすい
劇場の設備やサービスが充実している
会場へのアクセスが良く、
気軽に楽しむことができる
その他
○来場回数との関係
来場回数を「4~9 回」
「10 回以上」と回答した人 270 名に限定すると、
「好きな演者、応援してい
る演者がいる」と回答した人が 99 名(270 名のうちの約 36.5%)と高い割合を示しています。
図表 27:組踊観劇の魅力・来場回数との関係(複数回答可)
回答
組踊観劇の魅力
沖縄の歴史や文化、芸能についての教養を深めることができる
352
77.2%
来場回数
4 回以上
219 80.8%
演目が面白い、興味深い
143
31.4%
107
39.5%
演者の動作や演技、技術が素晴らしい
200
43.9%
142
52.4%
好きな演者、応援している演者がいる
115
25.2%
99
36.5%
友人や家族と、共通の話題や楽しみを持つことができる
72
15.8%
44
16.2%
安価で手軽に伝統芸能を楽しむことができる
73
16.0%
54
19.9%
劇場の臨場感や雰囲気が良い
93
20.4%
73
26.9%
演目の紹介や説明がありわかりやすい
82
18.0%
62
22.9%
劇場の設備やサービスが充実している
41
9.0%
35
12.9%
会場へのアクセスが良く、気軽に楽しむことができる
53
11.6%
36
13.3%
7
1.5%
5
1.8%
456
-
270
-
回答者全体
その他
回答母数
25
○回答者の性別との関係
回答者の性別と比較すると、
「好きな演者、応援している演者がいる」と回答した方の割合は、女
性が男性を大きく上回っています。
一方、男性はほぼ全項目で女性よりも低い割合が示されていますが、
「沖縄の歴史や文化、芸能に
ついての教養を深めることができる」は女性を上回っています。
図表 28:組踊観劇の魅力・性別との関係(複数回答可)
組踊観劇の魅力
回答者全体
回答
男性
女性
沖縄の歴史や文化、芸能についての教養を深め
ることができる
352
77.2%
107
82.9%
203
76.3%
演目が面白い、興味深い
143
31.4%
39
30.2%
85
32.0%
演者の動作や演技、技術が素晴らしい
200
43.9%
56
43.4%
126
47.4%
好きな演者、応援している演者がいる
115
25.2%
16
12.4%
87
32.7%
友人や家族と、共通の話題や楽しみを持つこと
ができる
72
15.8%
21
16.3%
42
15.8%
安価で手軽に伝統芸能を楽しむことができる
73
16.0%
20
15.5%
47
17.7%
劇場の臨場感や雰囲気が良い
93
20.4%
26
20.2%
59
22.2%
演目の紹介や説明がありわかりやすい
82
18.0%
21
16.3%
49
18.4%
劇場の設備やサービスが充実している
41
9.0%
15
11.6%
23
8.6%
会場へのアクセスが良く、気軽に楽しむことが
できる
53
11.6%
15
11.6%
33
12.4%
7
1.5%
3
2.3%
4
1.5%
456
-
129
-
266
-
その他
回答母数
注:有効回答のうち性別無回答…61 名
26
○回答者の居住地との関係
県内居住者と県外居住者の回答傾向の違いとしては、県外居住者は、
「沖縄の歴史や文化、芸能に
ついての教養を深めることができる」を多く挙げています。
図表 29:組踊観劇の魅力・居住地との関係(複数回答可)
回答者全体
回答
県内居住者
沖縄の歴史や文化、芸能についての教養を深め
ることができる
352
77.2%
213
55.0%
37
88.1%
演目が面白い、興味深い
143
31.4%
91
23.5%
15
35.7%
演者の動作や演技、技術が素晴らしい
200
43.9%
135
34.9%
19
45.2%
好きな演者、応援している演者がいる
115
25.2%
85
22.0%
9
21.4%
友人や家族と、共通の話題や楽しみを持つこと
ができる
72
15.8%
49
12.7%
3
7.1%
安価で手軽に伝統芸能を楽しむことができる
73
16.0%
43
11.1%
9
21.4%
劇場の臨場感や雰囲気が良い
93
20.4%
59
15.2%
7
16.7%
演目の紹介や説明がありわかりやすい
82
18.0%
52
13.4%
6
14.3%
劇場の設備やサービスが充実している
41
9.0%
28
7.2%
2
4.8%
会場へのアクセスが良く、気軽に楽しむことが
できる
53
11.6%
32
8.3%
3
7.1%
7
1.5%
4
1.0%
1
2.4%
456
-
387
-
42
-
組踊観劇の魅力
その他
回答母数
注:有効回答のうち居住地海外…1 名、居住地無回答…26 名
27
県外居住者
(3)組踊観劇の不満、改善点
「組踊の観劇について、不満を感じる点や改善してほしい点」としては、
「入場料が高い」が
64 名(回答者の 14.0%)と最多で、次いで「敷居が高い感じがする」が 47 名(同 10.3%)、
「会
場へのアクセスが悪く移動が大変である」が 46 名(同 10.1%)となっています。
全体的には、先の設問(組踊観劇の魅力)と比較すると、不満や改善点の指摘は比較的少な
いように伺えます。
図表 30:組踊観劇の不満、改善点(複数回答可)
第1回
回答
第2回
4
1.5%
6
3.2%
10
2.2%
敷居が高い感じがする
24
8.9%
23
12.3%
47
10.3%
演目内容に、現代人の感覚では共感できない点
がある
11
4.1%
7
3.7%
18
3.9%
劇場の雰囲気が悪い
2
0.7%
0
0.0%
2
0.4%
劇場の設備やサービスに問題がある
4
1.5%
4
2.1%
8
1.8%
会場へのアクセスが悪く移動が大変である
24
8.9%
22
11.8%
46
10.1%
入場料が高い
38
14.1%
26
13.9%
64
14.0%
公演時間や日程に配慮がされていない
12
4.5%
1
0.5%
13
2.9%
その他
39
14.5%
18
9.6%
57
12.5%
269
-
187
-
456
-
50
60
組踊観劇の不満、改善点
演目がつまらない、よくわからない
回答母数
0
演目がつまらない、よくわからない
敷居が高い感じがする
演目内容に、現代人の感覚では共感できない点がある
劇場の雰囲気が悪い
劇場の設備やサービスに問題がある
会場へのアクセスが悪く移動が大変である
入場料が高い
公演時間や日程に配慮がされていない
その他
28
10
20
30
40
合計
70
○回答者の性別との関係
回答者の性別による回答傾向の違いとしては、「敷居が高い感じがする」と回答した方の割合は、
男性が女性をやや上回っています。
図表 31:組踊観劇の組踊観劇の不満、改善点・性別との関係(複数回答可)
組踊観劇の魅力
回答者全体
10
2.2%
演目がつまらない、よくわからない
回答
男性
1
0.8%
女性
8
3.0%
敷居が高い感じがする
47
10.3%
18
14.0%
24
9.0%
演目内容に、現代人の感覚では共感できない点
がある
18
3.9%
4
3.1%
13
4.9%
劇場の雰囲気が悪い
2
0.4%
0
0.0%
1
0.4%
劇場の設備やサービスに問題がある
8
1.8%
2
1.6%
6
2.3%
会場へのアクセスが悪く移動が大変である
46
10.1%
14
10.9%
28
10.5%
入場料が高い
64
14.0%
19
14.7%
37
13.9%
公演時間や日程に配慮がされていない
13
2.9%
4
3.1%
7
2.6%
その他
57
12.5%
12
9.3%
42
15.8%
456
-
387
-
42
-
回答母数
注:有効回答のうち性別無回答…61 名
○回答者の居住地との関係
県内居住者と県外居住者の回答傾向の違いとしては、県内居住者は「敷居が高い感じがする」、
「入
場料が高い」、県外居住者は、
「会場へのアクセスが悪く移動が大変である」を多く挙げています。
図表 32:組踊観劇の組踊観劇の不満、改善点・居住地との関係(複数回答可)
組踊観劇の魅力
回答者全体
10
2.2%
演目がつまらない、よくわからない
回答
県内居住者
7
1.8%
県外居住者
2
4.8%
敷居が高い感じがする
47
10.3%
43
11.1%
2
4.8%
演目内容に、現代人の感覚では共感できない点
がある
18
3.9%
15
3.9%
3
7.1%
劇場の雰囲気が悪い
2
0.4%
0
0.0%
0
0.0%
劇場の設備やサービスに問題がある
8
1.8%
6
1.6%
1
2.4%
会場へのアクセスが悪く移動が大変である
46
10.1%
38
9.8%
7
16.7%
入場料が高い
64
14.0%
57
14.7%
1
2.4%
公演時間や日程に配慮がされていない
13
2.9%
11
2.8%
1
2.4%
その他
57
12.5%
42
10.9%
12
28.6%
456
-
387
-
42
-
回答母数
注:有効回答のうち居住地海外…1 名、居住地無回答…26 名
29
(参考)
不満、改善点について(
「その他」の記述内容)
図表 33:不満、改善点について(自由回答)
分類
公演の内容等
回答者の居住地
県内
意見・要望
・敵討ものばかりだとうんざりする。新作を増やしましょ
う。
・出演者の偏りをなくしてほしい、多くの立方に機会を与
えてほしい。
・組踊の内容を詳しく示された冊子が、全ての組踊にある
とよい。
県外
・シナリオの冊子(セリフと現訳されたもの)がほしい。
その分少し入場料があがってもかまわない。
・言葉の意味がわかりにくい。それもひとつの魅力なので
すが。
・言葉が分かりにくいところがある。
劇場での
観劇環境等
無回答
・稽古不足の時。
県内
・冷房が効きすぎて、毎回寒さ対策をしなくてはならない
こと。
・観客の私語が気になる。
・席が観づらい。傾斜が足りず、前の人の頭ばかり視界に
入る。
・横から見ると舞台が観づらい。
・字幕がないとほとんど理解できない。字幕があっても読
むのが大変。間延びしたシーンが延々と続く。字幕の出
ない公演は誘いづらい。
・友達を誘うときに、研修生?の公演など、字幕の出ない
公演は誘いづらい。
・難聴用ヘッドホンがほしい。舞台と字幕の両方みるのが
忙しい。
・飲食禁止にしないでほしい。
・携帯を OFF にして観劇するので時間がわからない。
入場料
県外
・テロップは上にあった方が読みやすい。
無回答
・観客のマナーの悪さ、私語が多い。
県内
・安価だともっと足を運ぶ回数が増える。
・入場料:2,000 円程度望む。
・少し安くすればもっとシニアさん達が足を運ぶと信じて
いる、足を運ぶ回数が増える。
交通
アクセス等
県内
・車がなく、現状のバスの運行時間では不便。
・大、小劇場競演の時など、駐車場不足である。足が不自
由なため、遠い駐車場は困る。
・駐車場が込み合うこと。
30
分類
回答者の居住地
意見・要望
・バスのダイヤ(運行の時間)を改善して欲しい。
・会場周辺の道路、曲がる場所等に看板を出すべき。
・会場へのアクセスが不便。モノレールで来場できるよう
だと良い。
情報発信等
県外
・バスの本数が少ない。
県内
・宣伝が遅い。
・各々の演者の情報等もあると良いと思う。
・国立劇場おきなわの web サイト、会報等以外の一般向け
のアピールが必要。新聞や TV での告知を拡げること。
・はやめに HP やチラシで告知してほしい。
・もっと PR してほしい。公演の工夫を!!
・PR がたりない。TV で公演の CM してほしい。
県外
・演者発表(ホームページ記載)が遅い。飛行機チケット
を早く取りたいので演者発表を早くしてほしい。
・とにかく PR が大切。おもしろいのにあまりに知られてい
ない。
・県外での公演。情報がない。
その他
県外
・和式トイレが汚い。
無回答
・いい席のチケットが取りづらい。
・研修や講演等の DVD をもっと利用しやすくしてほしい。
31
5.組踊の認知度向上や、更なるファンの獲得に向けた取組について
(1)組踊のファンを増やすためにターゲットとすべき年代
「組踊のファンを増やすためにターゲットとすべき年代」としては、「年代は特に問わない」
が 164 名(回答者の 36.0%)と最多で、次いで「30-40 代」が 125 名(同 27.4%)
、
「10-20 代」
が 111 名(同 24.3%)となっています。
全体的には、回答者の年代と比較すると、より若い世代をターゲットとするのが良い、との
回答傾向がみられます。
図表 34:組踊のファンを増やすためにターゲットとすべき年代(複数回答可)
ターゲットとすべき年代
回答
第2回
第1回
合計
10~20 代
68
25.3%
43
23.0%
111
24.3%
30~40 代
76
28.3%
49
26.2%
125
27.4%
50~60 代
43
16.0%
43
23.0%
86
18.9%
70 代以上
12
4.5%
9
4.8%
21
4.6%
年代は特に問わない
98
36.4%
66
35.3%
164
36.0%
2
0.7%
2
1.1%
4
0.9%
269
-
187
-
456
-
その他
回答母数
0
20
40
60
10-20代
30-40代
50-60代
70代以上
年代は特に問わない
その他
32
80
100
120
140
160
180
(2)県内でファンを増やすために有効だと考えられる取組
「県内でファンを増やすために有効だと考えられる取組」としては、
「伝統的組踊の見せ方の
工夫(解説や説明等)
」が 228 名(回答者の 50.0%)と最多で、次いで「学校教育での題材化」
が 171 名(同 37.5%)
、
「観劇できる機会や場所の増加」が 157 名(同 34.4%)の順となっていま
す。
図表 35:県内でファンを増やすために有効だと考えられる取組(複数回答可)
県内でファンを増やすために
有効だと考えられる取組
新たな演目の創作
回答
第2回
第1回
合計
49
18.2%
35
18.7%
84
18.4%
134
49.8%
94
50.3%
228
50.0%
観劇できる機会や場所の増加
96
35.7%
61
32.6%
157
34.4%
現代音楽やダンスを採り入れた、「現代
版組踊」の普及、活発化
38
14.1%
24
12.8%
62
13.6%
演者等の人材の育成
68
25.3%
40
21.4%
108
23.7%
新聞テレビ等での PR 強化
81
30.1%
61
32.6%
142
31.1%
101
37.5%
70
37.4%
171
37.5%
(劇場以外でも)手軽に観劇できる映像
作品等の制作
46
17.1%
22
11.8%
68
14.9%
その他
19
7.1%
6
3.2%
25
5.5%
269
-
187
-
456
-
伝統的組踊の見せ方の工夫(解説や説明
等)
学校教育での題材化
回答母数
0
20
新たな演目の創作
伝統的組踊の見せ方の工夫
観劇できる機会や場所の増加
現代音楽やダンスを採り入れた、
「現代版組踊」の普及、活発化
演者等の人材の育成
新聞テレビ等でのPR強化
学校教育での題材化
(劇場以外でも)手軽に観劇できる映像作品等の制作
その他
33
40
60
80
100
120
140
160
○回答者の性別との関係
性別による回答傾向の違いとしては、女性が「演者等の人材の育成」
「学校教育での題材化」を男
性よりも高い割合で挙げています。
図表 36:県内でファンを増やすために有効だと考えられる取組・性別との関係(複数回答可)
新たな演目の創作
回答者全体
84
18.4%
回答
男性
20
15.5%
伝統的組踊の見せ方の工夫(解説や説明等)
228
50.0%
65
50.4%
130
48.9%
観劇できる機会や場所の増加
157
34.4%
48
37.2%
94
35.3%
62
13.6%
20
15.5%
33
12.4%
演者等の人材の育成
108
23.7%
27
20.9%
70
26.3%
新聞テレビ等での PR 強化
142
31.1%
38
29.5%
88
33.1%
学校教育での題材化
171
37.5%
40
31.0%
111
41.7%
(劇場以外でも)手軽に観劇できる映像作品等
の制作
68
14.9%
22
17.1%
38
14.3%
その他
25
5.5%
8
6.2%
14
5.3%
456
-
129
-
266
-
組踊観劇の魅力
現代音楽やダンスを採り入れた、
「現代版組踊」
の普及、活発化
回答母数
女性
52
19.5%
注:有効回答のうち性別無回答…61 名
○回答者の居住地との関係
県内居住者と県外居住者の回答傾向の違いとしては、県内居住者は、
「新聞テレビ等での PR 強化」
「現代音楽やダンスを採り入れた、
「現代版組踊」の普及、活発化」、県外居住者は「伝統的組踊の
見せ方の工夫(解説や説明等)
」を多く挙げています。
図表 37:県内でファンを増やすために有効だと考えられる取組・居住地との関係(複数回答可)
新たな演目の創作
回答者全体
84
18.4%
回答
県内居住者
73
18.9%
県外居住者
5
11.9%
伝統的組踊の見せ方の工夫(解説や説明等)
228
50.0%
195
50.4%
22
52.4%
観劇できる機会や場所の増加
157
34.4%
135
34.9%
15
35.7%
62
13.6%
55
14.2%
4
9.5%
演者等の人材の育成
108
23.7%
92
23.8%
10
23.8%
新聞テレビ等での PR 強化
142
31.1%
122
31.5%
11
26.2%
学校教育での題材化
171
37.5%
148
38.2%
15
35.7%
(劇場以外でも)手軽に観劇できる映像作品等
の制作
68
14.9%
58
15.0%
4
9.5%
その他
25
5.5%
18
4.7%
4
9.5%
456
-
387
-
42
-
組踊観劇の魅力
現代音楽やダンスを採り入れた、
「現代版組踊」
の普及、活発化
回答母数
注:有効回答のうち居住地海外…1 名、居住地無回答…26 名
34
(参考)
県内でファンを増やすための意見(自由回答)
図表 38:県内でファンを増やすために有効だと考えられる取組
分類
回答者の居住地
演目や見せ 県内
方等の工夫
意見・要望
・テンポアップ。遅すぎる。
・セリフや所作、約束事の解説をしてわかりやすく、親しみやすく
する。
・演目の多様化。
・最近のゆらてぃく遊ばはとっても良かったです。又楽しませてく
ださい。
・シネマ組踊の工夫。
県外
学校教育と 県内
の連携
・身近な人が出演すると興味がわくのでは。
・沖縄の高校では、何十年も組踊上演が続けられている。国語教師
たちの尽力は大きい。連携してみてはどうか。
・国語や音楽の授業でとりあげる
・学校や地域の言語(沖縄語)教育・普及。
県外
・伝統芸能を勉強している大学生に PR、体験など。
無回答
・教育現場で必修化するといい。子どもたちだけでなく、教師もも
っと伝統文化に関心を持たせるために。
PR、メディ 県内
アの活用
・自治体、団体等への宣伝周知活動。
・テレビで組踊を放送。役者をテレビやラジオで観ることができる。
・テレビ放送。
・役者がテレビやラジオで観られる環境づくり。
人材の育成
県内
・しっかり演じる人を育て、新作作品も作り上げ上演する。
・第 2 の大城、嘉数さんの誕生、一般から組踊の台本募集し公表、
舞台発までやる。
・スターを誕生させること。
観劇場所・ 県内
機会の増加
無回答
・地元の公民館などで、地元の人が出演する組踊をプロデュースし、
必要なら演者を送り込む。知り合いが出ているなら見に行く人も
いるはず。
・公演期間のロングラン化/上演が 1 回だけでは物足りない。
・地域における組踊を上演し、郷友会、知人を動員する。
その他
県内
・現代版:オペレッタにしてはいけない。
・現代のダンスと組踊との異色の組み合わせ。
県外
・障害者や高齢者を意識したアクセシビリティの改善。
・古典や民謡芸能(アート)に興味のない者にすすめても難しいと
思う。
無回答
・観劇だけでなく、劇場の総合的な利用方法も必要。
35
(3)県外でファンを増やすために有効だと考えられる取組
「県外でファンを増やすために有効だと考えられる取組」としては、「県外での公演やプロモ
ーション強化」が 239 名(回答者の 52.4%)と最多で、次いで「企画旅行とのタイアップ強化」
が 189 名(同 41.4%)が上位を占めています。
図表 39:県外でファンを増やすために有効だと考えられる取組(複数回答可)
県外でファンを増やすために
有効だと考えられる取組
県外の人を意識した、新たな演目の創作
回答
第2回
第1回
県外での公演やプロモーション強化
他の伝統芸能(能楽・狂言等)のファンへの PR
企画旅行とのタイアップ強化
(県外でも)手軽に観劇できる映像作品等の制作
その他
回答母数
0
50
県外の人を意識した、新たな演目の創作
県外での公演やプロモーション強化
他の伝統芸能(能楽・狂言等)のファンへのPR
企画旅行とのタイアップ強化
(県外でも)手軽に観劇できる映像作品等の制作
その他
36
合計
42
15.6%
29
15.5%
71
15.6%
130
48.3%
109
58.3%
239
52.4%
87
32.3%
63
33.7%
150
32.9%
113
42.0%
76
40.6%
189
41.4%
63
23.4%
43
23.0%
106
23.2%
7
2.6%
6
3.2%
13
2.9%
269
-
187
-
456
-
150
200
100
250
○回答者の性別との関係
性別による回答傾向の違いとしては、男性が「県外での公演やプロモーション強化」を女性より
も高い割合で挙げています。
図表 40:県外でファンを増やすために有効だと考えられる取組・性別との関係(複数回答可)
県外の人を意識した、新たな演目の創作
回答者全体
71
15.6%
回答
男性
22
17.1%
県外での公演やプロモーション強化
239
52.4%
79
61.2%
135
50.8%
他の伝統芸能(能楽・狂言等)のファンへの
PR
150
32.9%
44
34.1%
93
35.0%
企画旅行とのタイアップ強化
189
41.4%
48
37.2%
120
45.1%
(県外でも)手軽に観劇できる映像作品等の制
作
106
23.2%
35
27.1%
62
23.3%
13
2.9%
5
3.9%
6
2.3%
456
-
129
-
266
-
組踊観劇の魅力
その他
回答母数
女性
37
13.9%
注:有効回答のうち性別無回答…61 名
○回答者の居住地との関係
県内居住者と県外居住者の回答傾向の違いとしては、県内居住者は、
「県外の人を意識した、新た
な演目の創作」、
「企画旅行とのタイアップ強化」
「手軽に観劇できる映像作品等の制作」、県外居住
者は「県外での公演やプロモーション強化」を多く挙げています。
図表 41:県外でファンを増やすために有効だと考えられる取組・居住地との関係(複数回答可)
県外の人を意識した、新たな演目の創作
回答者全体
71
15.6%
回答
県内居住者
65
16.7%
県外居住者
4
9.5%
県外での公演やプロモーション強化
239
52.4%
196
50.6%
34
81.0%
他の伝統芸能(能楽・狂言等)のファンへの
PR
150
32.9%
130
33.6%
13
31.0%
企画旅行とのタイアップ強化
189
41.4%
165
42.6%
16
38.1%
(県外でも)手軽に観劇できる映像作品等の制
作
106
23.2%
93
24.0%
7
16.7%
13
2.9%
9
2.3%
3
7.1%
456
-
387
-
42
-
組踊観劇の魅力
その他
回答母数
注:有効回答のうち居住地海外…1 名、居住地無回答…26 名
37
(参考)
県外でファンを増やすための意見(自由回答)
図表 42:県外でファンを増やすために有効だと考えられる取組
分類
演目や
見せ方等の工夫
修学旅行
回答者の居住地
県内
意見・要望
・外国の方がいらしてたので、やはり同時字幕がよい。
・本日のプログラムのように、組踊のゆかりの土地等を地図
に示すとか、その演目のキーワードとなるセリフのウチナ
ーグチと現代の言葉を並べてプログラムに載せるとか、そ
ういう「ひとくちメモ」があるといいと思う。
県外
・国立能楽堂のようなやり方を参考にする。
無回答
・沖縄言葉を口語訳化/字幕だと劇自体に集中できない。
県内
・修学旅行で鑑賞できる、普及版の創作。
・県外での学校公演や修学旅行の生徒を対象にした公演の実
施、組踊単体では難しすぎるので魅力的な演者とふれあい
つつ、歌、踊り、言葉も教えるくらいの配慮が必要。修学
旅行で鑑賞できる、普及版の創作。
プロモーション
県内
・公演やワークショップ、役者がテレビに出る。
・ブランド化、魅力的な演者を作る。
・有名人(歌舞伎役者など)を組踊に出演させる。
・インターネットを利用する。
県外
・空港に衣装などをかざってみたらよいのでは
観劇の機会
県外
・県外公演を増すことにつきる
その他
県内
・るるぶ、まっぷる等の旅行誌に掲載。
・ユネスコ世界遺産に登録されていることを PR。
県外
・無理に増やす必要ない。
38
(4)沖縄を訪れる観光客等、外国人のファンを増やすために有効だと考えられる取組
「沖縄を訪れる観光客等、外国人のファンを増やすために有効だと考えられる取組」として
は、「公演の多言語対応」が 213 名(回答者の 46.7%)と最多で、次いで「海外での公演やプロ
モーション」が 176 名(同 38.6%)
、
「企画旅行とのタイアップ強化」が 170 名(同 37.3%)と上
位を占めています。
図表 43:外国人のファンを増やすために有効だと考えられる取組(複数回答可)
回答
第2回
外国人のファンを増やすために
有効だと考えられる取組
外国人を意識した、新たな演目の創作
45
16.7%
32
17.1%
77
16.9%
海外での公演やプロモーション
99
36.8%
77
41.2%
176
38.6%
企画旅行とのタイアップ強化
100
37.2%
70
37.4%
170
37.3%
公演の多言語対応
126
46.8%
87
46.5%
213
46.7%
53
19.7%
39
20.9%
92
20.2%
7
2.6%
7
3.7%
14
3.1%
269
-
187
-
456
-
第1回
(海外でも)手軽に観劇できる映像作品
等の制作
その他
回答母数
0
50
外国人を意識した、新たな演目の創作
海外での公演やプロモーション
企画旅行とのタイアップ強化
公演の多言語対応
(海外でも)手軽に観劇できる映像作品等の制作
その他
39
100
150
合計
200
250
(参考)
外国人のファンを増やすための意見(自由回答)
図表 44:県外でファンを増やすために有効だと考えられる取組
分類
回答者の居住地
組踊本来の良さ、 県内
伝統をそのままに
意見・要望
・伝統的なものをしっかり伝統的にやることが良いと思いま
す。加えて、演目のポイントを少し絞って面白く解説して挙
げると良いと思います。
・古典劇の組踊としての演じる人の技の熟度が、海外の人の心
を打つと思う
・組踊の根本にあるものは県外・海外に拘らず人としてのもの
なので(愛情や恩情など)、変に県外・海外の人を意識する
必要はないと思う。題材となっているものを深く解説してい
って欲しい
現状は難しい、時 県内
期尚早、まずは国
内から
・まずは県内に住んでいる全員の認知度を上げる。それから。
・現状、県内・国内への普及が優先と考える。言語交換イヤホ
ン等があれば可能か?
・国内、海外で人気が出れば、外国人も見てみようと思うはず。
・テンポが遅くて動きが少ないので難しいのでは。無理に増や
さなくて良いと思う。
多言語対応
県外
・外国人は特別なやり方で呼ぶ必要なし。好きならば来る。
県内
・公演内容のあらすじの多言語対応
・公演と、字幕パンフレットなど見方を助力
・字幕の充実。
・外国語版パンフレット、解説。
・今日のようにテロップがあった方が良い。
PR
県外
・通訳や音声ガイドが必要。
県内
・沖縄に対するベビーファンを増やすこと(ヘビーリピーター
に訴求すること)
。
・インターネットを利用する。
・観光ガイドへの掲載。
その他
県内
・首里城での公演
40
(5)組踊観劇に友人、知人等を誘った経験
「組踊観劇に友人、知人等を誘った経験」については、「誘ったことがある」が 276 名(回答
者の 60.5%)と、
「誘ったことはない」の 142 名(同 31.1%)を大きく引き離しています。
図表 45:組踊観劇に友人、知人等を誘った経験
組踊観劇に友人、
知人等を誘った経験
誘ったことがある
回答
第2回
第1回
合計
171
63.6%
105
56.1%
276
60.5%
誘ったことはない
77
28.6%
65
34.8%
142
31.1%
無回答
21
7.8%
17
9.1%
38
8.3%
269
100%
187
100%
456
100%
回答母数
無回答, 38,
8.3%
誘ったことはな
い, 142, 31.1%
誘ったことがあ
る, 276, 60.5%
○来場回数との関係
来場回数を「4~9 回」
「10 回以上」と回答した人 270 名に限定すると、
「誘ったことがある」と回
答した人が 215 名(270 名のうちの 79.6%)と高い割合を示しています。
図表 46:組踊観劇に友人、知人等を誘った経験・来場回数が多い人
回答
組踊観劇に友人、知人等を誘った経験
回答者全体
来場回数
4 回以上
215
79.6%
誘ったことがある
276
60.5%
誘ったことはない
142
31.1%
38
14.1%
38
8.3%
17
6.3%
456
100%
270
100%
無回答
回答母数
41
(6)組踊観劇に誘った人の年代、間柄
観劇に誘った人の年代は、前の設問で、
「誘ったことがある」と回答した 276 名のうち、45.3%
にあたる 125 名が「60 代」と回答しており、「50 代」が 85 名(同 30.8%)と続いています。
観劇に誘った相手の間柄については、
「友人・知人」が 197 名(同 71.4%)、「家族・身内」が
154 名(同 55.8%)と多い一方、
「取引先や仕事関係の知人」は 19 名(同 6.9%)にとどまって
います。
図表 47:組踊観劇に誘った人の年代(複数回答可)
組踊観劇に誘った人の年代
回答
第2回
第1回
合計
10 代
10
5.8%
6
5.7%
16
5.8%
20 代
17
9.9%
13
12.4%
30
10.9%
30 代
18
10.5%
24
22.9%
42
15.2%
40 代
29
17.0%
23
21.9%
52
18.8%
50 代
54
31.6%
31
29.5%
85
30.8%
60 代
78
45.6%
47
44.8%
125
45.3%
70 代以上
45
26.3%
29
27.6%
74
26.8%
回答母数
171
-
105
-
276
-
42
図表 48:組踊観劇に誘った人との間柄(複数回答可)
組踊観劇に誘った人との間柄
回答
第2回
第1回
合計
家族・身内
93
54.4%
61
58.1%
154
55.8%
友人・知人
114
66.7%
83
79.0%
197
71.4%
14
8.2%
5
4.8%
19
6.9%
3
1.8%
1
1.0%
4
1.4%
171
-
105
-
276
-
取引先や仕事関係の知人
その他
回答母数
0
50
100
家族・身内
友人・知人
取引先や仕事関係の知人
その他
43
150
200
250
(7)組踊を初めて観劇する知人等を誘う場合、誘いやすくなる取組
「組踊を初めて観劇する知人等を誘う場合、誘いやすくなる取組」については、
「無料招待券
や割引券の配布」が 220 名(回答者の 48.2%)と最多で、次いで、
「「普及公演」のような初心者
向けの公演」が 174 名(同 38.2%)
、
「組踊や演目、演者等の理解が深まる資料等の配布」が 164
名(同 36.0%)と続いています。
図表 49:組踊観劇に知人等を誘うために必要な取組(複数回答可)
組踊観劇に知人等を誘うために
必要な取組
無料招待券や割引券の配布
回答
第2回
第1回
合計
123
45.7%
97
51.9%
220
48.2%
組踊や演目、演者等の理解が深まる資料等
の配布
99
36.8%
65
34.8%
164
36.0%
「普及公演」のような初心者向けの公演
97
36.1%
77
41.2%
174
38.2%
観光地や、イベント会場での公演
44
16.4%
36
19.3%
80
17.5%
地元の公民館や自宅近くでの公演
67
24.9%
36
19.3%
103
22.6%
6
2.2%
7
3.7%
13
2.9%
269
-
187
-
456
-
その他
回答母数
0
50
無料招待券や割引券の配布
組踊や演目、演者等の理解が深まる資料等の配布
「普及公演」のような初心者向けの公演
観光地や、イベント会場での公演
地元の公民館や自宅近くでの公演
その他
44
100
150
200
250
(参考)
組踊公演や本調査全般に対する自由意見・要望など(自由回答)
図表 50:組踊公演や本調査全般に対する自由意見・要望等
分類
回答者
居住地域
公演の感想 県内
主催者や役
者へのメッ
セージ
自由意見・要望
・道行口説の踊り、長力の踊り、素晴らしいです
・自分は組踊が大好きです。とても満足しております。大勢の配役の素晴
らしい組踊で良かったです。
・これからもわかりやすく親しみやすい組踊を取り組んでほしい
・1 時間半ということで大変と思ったのですが、意外と見入ってしまいま
した。時間も感じることなく、楽しく見ることが出来ました。ありがと
うございます
・組踊の素晴らしさがもっと多くの方々に伝わって、もっと発展してくれ
ることを一ファンとして願っています
・一人でも多くの人に観劇してもらいたいと思いました。
・戦国時代の悲しみで涙が出ました。平和な今の時代に生きられて本当に
幸せです。ありがとうございました。
・嘉数道彦さんの解説がとても面白く、わかりやすい
・上演の冒頭、外部の研究者や教授でなく、嘉数芸術監督が解説をしたの
は良かった。
・久志の若按司側と、討名の大主側の知略の駆け引きは見応えがあった。
久志の若按司、立川の大主はりりしく勇壮なところがよかった。
・長編だったため、一部の立方にセリフ忘れ・つまりがあり残念だった!
・嘉数道彦さんが芸術監督に就任されてから、企画、解説等、一段とわか
りやすく、親しみやすいものになったと思います。若い情熱、感覚、力
量すべてを発揮されることを期待しています。
・過去 10 年の経験を踏まえ、古典の継承と新しい試みをなされるのを楽し
みにしている。
・嘉数道彦の解説が素晴らしかった
・素晴らしい芸の継承を見ることができ楽しかった。又の上演を望みます。
・この作品をもっとこなしてほしいです。まだまだよく光ります
・私は 50 代のころ(会社勤めをしていたころ)
、地元のことをもっと知ろ
うとの思いから、組踊を月に一度、観ることにしようと決め、今まで続
けています。地元にいながら、知らないでいることが損をしていること
なのだということを皆に知らせていって、拡げていって下さい
・敵討ものを初めて見ました。とても面白かったです。なかなか上演され
ないと聞いたので、次の機会があればまた見たいと思います。
・歌舞伎、観たことないけど、こんな風かも、と思った。何だか高まるも
のを観たような気がして満足です。ありががとう!
・昔の芝居が好きです
・最後の展開は痛快でした
45
分類
回答者
居住地域
自由意見・要望
・久志の若按司のタイトルは、子供のころから耳にしていた。内容につい
てはわからなかったのだが、それだけ人気があり、有名だったのだろう
と推察される。当劇場でいろんな組踊を観てきたが、久志の若按司は初
めての"待ってました”という感じで嬉しかった。若い人たちの活躍に期
待。立川大主の声が素晴らしい。ベテランともども頑張って!
・60 歳になるまで、一度も組踊を観劇しなかったことをとても残念に思っ
ています。退職して初めて、組踊に接することができて、本当に良かっ
たと思っています。若い人が育っていることに、とても感激
・遅れを取り戻すために、毎月のように国立劇場に通っているところです。
もっと早く出会いたかった!!
・琉球舞踊、きれいでした。特に「ぜい」は力強く良かったです。
・組踊、素晴らしかったです。まだまだ見ていてもわかりづらいですが、
キレイな舞台や役者さんを見ているだけで楽しめます。
・
(第一部)琉球舞踊の伊野波女童の踊り、実に楽しく初めて観ましたが、
体全体引き込まれ、今後も琉舞を回数を重ね観劇します。
・
(第二部)久志の若按司は、始まる前の解説が実にわかりやすく理解でき
ました。大変感動しました。今後も組踊を観劇し沖縄のことを知り勉強
せねばと思います。
県外
・千代松の長刀の手振りの場面、音楽等とても優雅・優美で楽しかったで
す。ありがとう。
・組踊、初めて観ました。最初の説明で話が良く解りました。どんどんの
めり込んで見ることができました。
・私は福岡なので、とても興味深く見ました。とても素晴らしいです。毎
日のように見たいです。言葉がわからないけど、字幕表示でわかりまし
た。歌もとてもよかったです。素晴らしいの一言です。これからも、年
に 5 回くらいしか来れませんが、来たら必ずみます。ぜひ頑張ってくだ
さい。
・初めて観劇したが、能と歌舞伎の融合したとても素晴らしい芸術だと思
います。衣装もいかにも沖縄らしく色彩かで、素晴らしかった。若手の
所作がキリリとして、とても見ごたえがありました。今度は是非、朝蕉
の 5 番を観たいです
・本土での組踊公演演目は定番ものが多く、今回のようななかなかお目に
係れない演目も組んでほしいと思います。
・兄妹の道行は泣けました
PR、認知度 県内
向上、プロ
モーション
・ゆいレールの駅にポスターを掲示する
・組踊を見始めて 7 年目、演者の背景などがわかり、琉球舞踊が見きれる
ようになって、やっと楽しめるようになりました。国立劇場が興味を引
く公演を提供し続けることが、観るものをひきつけることになるのでは
ないかと思います。
46
分類
回答者
居住地域
自由意見・要望
・事前の情報があると見に行ける。
・理解を助けるには、ワークショップがとても有効だと思います。芝居、
琉球舞踊にもあってよいのでは。
・県外のファンを増やす:まず沖縄県人会とのタイアップ、大阪、県人の
多い所での公演
・マスコミでもっと上演講評を大きく取り上げ、立方の紹介もどんどんや
れば見たくなるのでは?組踊が身近に感じられるほど努力して欲しい
・組踊のビデオ等をテレビ等でも流し、もっと PR してほしい
・役者さんを海老蔵とかみたいにテレビに出せばいい。前に NHK の「昼ブ
ラ」に組踊が出ていたのをみたが、あんな地元民みたいな扱いではなく、
一流の芸能人としてちゃんと出すべき。役者さんを簡単に扱いすぎる。
それをつくっている 30~40 代にちゃんと見てもらうべき。
・新作組踊を上演する機会を増やすと、初心者も入りやすくなるかと思い
ます。私も古典組踊をみるようになった最初のきっかけは、大城立裕さ
んの「ひんぎれにいびち」や、嘉数道彦さんの「宿名森の獅子」でした。
新作組踊で、コメディだと、友人知人も誘いやすく、ファンを増やす機
会にもなるかと思います。
・「映像作品等の制作」:映像作品としての質が問われるので、山城千佳子
さん以外は厳しいのが現状
・県内のファンは踊りや音楽をやっている人でないと増えないと思います。
職場の方々を観ていても、関心が全くないので驚かされます。
・研修生の公演の配布資料、大城さとしさんのマンガが大変すばらしいの
で、若い人は好むと思います。学校公演の資料にしてほしいです。
・認知度が上がり、ファンが増えれば公演の機会も増えるはずなので、従
来からのファンにとっても利益があります。頑張ってください。
・無料招待券や、割引券の配布等で組踊に触れるきっかけづくりが大切だ
と思う。一度、公演を観る機会があれば必ず足を運ぶと思います。また、
ラジオ番組でプレゼントしてみるのもどうですか。
・平日の公演、地域の村踊りツアーの企画、友の会の講演会・ツアーの実
施
県外
・組踊の上演を地道に続けていくのと同時に、組踊体験の場も設けていた
だければと思います。
・組踊の独特な唱え、沖縄口も大切ですが、時には現代語でも比較上演し
てみてはいかがでしょうか。
・演者の後継者などをどうしているのか等、TV 番組で観れたら良いのでは
ないか
公演内容、 県内
演出等につ
いて
・パンフの通り、長刀の振りに迫力があった。敵を討ち取った場面があっ
という間に縄に縛られていた。もっと長くした方が面白い
・地域の定着、文楽は各種行事で演者が登場し人々に親しまれている。例
えば、那覇大網史のしたくで宇座、嘉陽 2 次が出ていた。
47
分類
回答者
居住地域
自由意見・要望
・女踊はいつも同じ演目で退屈、楽しい演目に工夫して欲しい。
・組踊だけでもなじみがないのに、第一部の琉球舞踊がマンネリ化してい
ます。私は舞踊を習っていますが、いつも古典女舞踊を退屈になってし
まいます。
・組踊の始まる前の解説、わかりやすくてよかった。第一部の琉球舞踊の
解説もやってほしかったなぁ~。
・王府時代の組踊上演の際は、男性のみの踊りが良い
・演目の性格上、仕方ないと思うが、静かすぎる話の展開?演技はやる方
も大変だが、観る方も大変。私はうちなー芝居が好きだから、それほど
退屈とは感じなかったが、組踊に初めて接した方はどうだったか?
・言葉の壁を低くする工夫が必要。口語訳を適切に提供する。舞踊の地謡
の歌詞についても正確に。ニュアンスが違った訳もある。ことばがわか
って初めて、振りの意味が納得できる。
・組踊は 1 時間で良いと思います。セリフを覚えるのに大変だと思う
・とても素晴らしかったです。時間の長さも何ら気にならず、迫力もあり、
とても見ごたえがあった。演者も素晴らしかった。
・始めの嘉数さんの解説があって、とてもわかりやすかったです。
無回答
字幕、資料 県内
等の充実
・方言の表記が気になります。実際のことば遵守!
・プログラムが無くてびっくりしました。配役に変更があるなら、案内を
出すなり、アナウンスするなりしてほしいです。
・あらすじを説明する時、字幕を出した方が良いかも。節名も字幕で紹介
して欲しい
・両面にある解説文字板は、やや県人向けになって若者には理解しがたい
と思う。県外の観光客向けにも片方は標準語にしてはどうか
・組踊のあらすじ(中国との冊封関係、大和芸能との関連など、内容)が
わかりやすいパンフか冊子を作成し、図書館等文化施設で配布。
若年層への 県内
普及
学校教育等
・地域の村芝居の中で気軽に公演できるよう、青年層に指導し地域のレク
として普及を図り低辺を広げる取り組みも本格的なファン拡大に効果が
あると思う。今のファンも村芝居で組踊を観た人たちである。
・公演の日が少なすぎるのはなぜ?同じのを同月内に 2 回はやってもいい
のでは?
・県内小中高大学における組踊講演会や、無料ワークショップ実施による
認知度向上、演技者養成を図るべき。小学校低学年にはわかりやすい、
新作(創作)ものを。
・小中学校に、他の伝統芸能も含めた 1 時間程度の「さわり」、見どころを
盛り込んだプログラムを見せてはいかがでしょうか。演者による MC、解
説付きで
劇場施設、 県内
観劇環境等
・観劇の楽しみは舞台だけではなく、ショッピングや食事もセットになっ
ていると思います。組踊に限らず、沖縄の伝統芸能はその点での魅力に
乏しいです。
48
分類
回答者
居住地域
自由意見・要望
・お金がかかるでしょうが、字幕よりイヤホンガイドがいいですよ。
・温度設定がさむかった、クーラー強すぎ
・男子トイレをもう少し増やしてほしい。
・舞台上映中は客席への移動等はやめてほしい(上演前に着席する)
人材の育成
県内
・若手が育ってきて、層が厚くなっているのは喜ばしい限りですが、公演
機会を増やすこと、演目のバリエーションを増やすこと、実演家の生活
基盤を
・
「企画旅行とのタイアップ」
:バスツアー等(今までの規模が小さすぎる)、
回数が少ない
・舞踊の育成の為にも、舞手を増やしてほしい
・日に日にレベルアップしていると感じます。10 代、20 代の若手の育成も、
と願っています
入場料
県内
・高齢者向けに年間パスなどで気軽に参観できるようにしてほしい。
・もう少し入場料が安ければ…またもっと演劇回数を増やしてもらえたら
いいですけど。お友達いっぱい誘って観劇したいです。
無回答
県 外 で の 県内
PR、普及、
プロモーシ
ョン
・高すぎと思います。若い人が気軽に行ける値段がいいと思う(映画以下)
・私は元々内地出身で、仕事で沖縄に住み始めましたが、住まなければ、
また芸能好きの友達がいなければ組踊をみることはまずなかったと思い
ます。琉球の歴史的立場も踊りも音楽も言葉もわからない内地の人間に
とっては、超えるべきハードルがいくつもありすぎます。
・県外の学校で普及版の公演を行い、魅力的な演者が児童生徒と触れ合い
ながら、笑いも交え、ワークショップ形式で踊りや歌やことばを教える
ぐらいの徹底したものでなければ、内地でファンは増やせないと思いま
す。でも、ファンになれば必ず年数回は沖縄を訪れる固定ファンになる
はずなので、できるだけ若いうちに見てもらい、大きくなってから「思
い出してファンになってもらう」効果を狙うのが確実だと思います。
・まずは県内の自治体の姉妹都市とタイアップして、小学校での学校公演、
中高での修学旅行の誘致&組踊鑑賞などと、若い人たちが何度も組踊や関
連の芸能に触れられる機会を複数回作ることから始めてみてはいかがで
しょうか?
・芝居やミュージカル等の舞台を普段から見ない人は組踊も見なさそう。
私の周囲の人は、組踊を一度も見たことがない人がほとんどである。む
しろ県外出身者の方が興味を持っていそう。舞台を観る機会を増やすた
めに、敷居を下げてはどうか。
県外
・公演と航空機代をセットにしたツアーを企画すると、本土からも気やす
くなるのではないか。
出演者への 県内
関心
・出演者にすごく興味があります。所属団体等を書いてくださると助かり
ます。どこの道場かな?芸大の学生かな?と知りたいです。
・もっと出演者とふれ合いファンを増やす
その他
県内
・沖縄県は伝統芸能に対する予算化を施してほしい
49
Ⅱ-3
組踊の普及等に取り組んでいる関係機関に対するヒアリング調査
組踊の認知度向上に向けた県内事業者の取組の現状や課題等についてより詳細に把握するた
め、組踊公演を実施している団体(2 団体)及び旅行事業者(2 社)に対しヒアリング調査を実
施しました。
○実施概要
県内事業者
国立劇場おきなわ
概要
・組踊、琉球舞踊、琉球音楽等の公演事業を実施しているほか、
「組
踊」の立方、地方の伝承者の養成事業、調査研究、資料の収集、
公演記録の作成及びこれらの展示、公開の事業、沖縄の地理的・
歴史的特性を活かし、伝統芸能を通したアジア・太平洋地域と
の交流事業を実施。
那 覇 市 ぶ ん か テ ン ・那覇市の文化発信拠点として整備された施設で、中核施設であ
ブス館
る多目的ホールの他、会議室、ギャラリー、音楽スタジオ、レ
ッスンルーム等を備え、組踊等の公演事業を実施。
旅行事業者A社
・沖縄県の観光関連プログラム実証事業の一つとして組踊観劇を
組み入れたツアーを提案、事業採択され組踊観劇のモニターツ
アーを2度実施。
・平成 27 年度より「着地型ツアー商品」を商品化。
旅行事業者B社
・組踊観劇をとりいれた沖縄観光商品の開発や提案を行うほか、
国立劇場おきなわ運営財団などと協力し、映像作品「シネマ組
踊」を制作。
(ヒアリング項目)
①「組踊」の普及等についての取り組み内容(現状の取り組み)について
②現状の取組内容の成果と課題について
③「組踊」の認知度を更に高めるための新たな取組の提案等について
④アンケート調査結果への意見等について
⑤その他
50
【組踊の「観劇者」に対するアンケート調査結果】
1-① ヒアリング調査結果(国立劇場おきなわ)
(1)アンケート調査結果を踏まえた意見等
1)全体
・ 全体としては、概ね想定通りの結果で、客層や組踊の認知経路、関心の内容など、これまで漠然
としたイメージで捉えていたものが明確な数値として表れており興味深い。
・ 主に観劇する場所を「公民館」と答えている人は、村祭りのイメージだと思われる。国立劇場は
伝統的な王宮スタイル、公民館は民俗芸能、おらが村の役者さんが出ているといった、別のタイ
プのものであり、この二つを同一のものとして捉えるのは、少し無理があるかもしれない。
・ 組踊は「10年前のコアファンが10歳年を取り、客層がそのまま10年スライドした」状態にあると
考えている。コンテンツの性質上、ある程度の”適齢期”はあるが、今の若い世代が今後、”適
齢期”となったときにファンになってくれるかはわからない。娯楽の選択肢が多い時代であるの
で、危機感は持っている。
2)入場料について
・ 組踊の魅力に「安価で気軽に楽しむことができる」を挙げている人が約15%もいることは、これ
まで来場者の声を聞いてきた限りでは意外に思える。なお、国立劇場おきなわの主催公演の入場
料(3,100円)は、他地域等の伝統芸能の関係者からは「ありえない安さ」と言われている。
・ これまで一部の来場者から「入場料が高い」との意見が寄せられてきたことも踏まえ、平成28
年1月より、一部舞台が見えにくい最前列の席等を「エコノミー席」として安価で提供する。
・ 県内の他の場所での組踊公演は、2,000円~2,500円程度に設定されているが、これは恐らく国立
劇場おきなわを基準として、若干安めに設定しているのだと思われる。
3)演出等について
・ 「テンポアップしてほしい」との意見があるが、テンポのゆるやかさも組踊の構成要素の一つで
ある。ただし、普及目的の公演などでは1時間の演目を40分間に短縮、ダイジェスト版にするな
どの対応はしている。
・ 「7年間劇場に通い、ようやくわかってきた」との意見があるが非常に納得できる。本質的に、
組踊は大衆受けするものではない、観光商品としてはマスツーリズム向けではないことは事実で
あろう。
4)多言語対応について
・ イヤホンの手配にコストがかかることがネックである。歌舞伎等ではどのようにしているのか、
調べたうえで導入を検討したい。
(2)更なるファンの獲得に向けて
1)コンセプト、売り出し方
・ 見て楽しむ娯楽性を含めた認知度は、エイサーや空手にはかなわない。組踊は格式の高さ、沖縄
芸能の頂点にあることが持ち味である。「組踊自体の敷居は簡単に下げない方が良い」との意見
もよく言われている。
51
・ そうした状況を逆手に取り、じゃらんやるるぶにないような「奥深いコンテンツ」といったコン
セプトが適しているのかもしれない。一方、現代版組踊のような親しみやすい取組から、”本物”
への誘導も意識していく必要がある。
2)PRやプロモーションの実施
①短期的な取組
・ これまで広告掲載等も行ってきたが、興味がない人も含めた不特定多数をターゲットにするより、
少しでも興味がある人にターゲットを絞った方が効果的だと考える。
・ 例えば、近畿日本ツーリストとのタイアップや、本土での「お出かけ公演」など、ターゲットを
絞ることで規模は小さくなるが、地道に続けていきたい。
・ 県内でいえば、ずっと沖縄で生まれ育った人よりも移住者の方が適しているかもしれない。移住
者の方が沖縄の歴史や文化への知的好奇心は強い傾向にある。県外では、京都などでは比較的リ
アクションがあった。能や歌舞伎等の『道成寺』を参考にして組踊の『執心鐘入』が作られた経
緯もあり、日本の古典伝統芸能全般に興味・関心がある人は組踊にも共感できるかもしれない。
②長期的な取組(種蒔き)
・ 短期的な劇場への誘客とは別に、長いスパンで考えた時の”種蒔き”も重要である。子どもの頃
に一度観劇経験のある人は、そうでない人と比べると、組踊ファンになるためのファーストステ
ップが違うと思われる。
③メディアの活用
・ すぐに活用、展開していくことは難しいが、テレビ番組などは非常に影響力がある。NHKの朝の
連続ドラマの題材になることや、朝番組に出演させてもらうだけでも大きな効果が見込めると思
われる。
3)役者・演者の露出増加
・ たびたび話題になっているが、現状はローカルでの露出の域を出ていない。
・ 役者のポスターは人気があり、また写真撮影が可能なイベントは大変好評である等、チャンスは
大きいとみている。佐辺良和氏、金城真次氏のような”スター”もいる。一方、来場者からは「特
定の演者ばかり起用しないでほしい」との意見もある。
・ スターを作り上げるという点に関しては、歌舞伎役者は松竹芸能に所属しているので、興行ベー
スで役者を使った取組ができるが、組踊の演者は国立劇場に所属しているのではないので、難し
い所もある。
4)国立劇場おきなわの更なる活用・劇場施設からの誘引
・ これまでのファンに加え、県内外、外国人のファンを増やしていくことが課題である。
・ 現状、組踊や伝統芸能の公演以外には、バレエやコンサート、ベリーダンス、小規模の全国会議
などにも利用されているが、もっといろいろな人が劇場に足を運ぶようにしなくてはならない。
自動車の展示や講演会の開催も可能である。
・ この時、劇場自体は身近な存在としたうえで、組踊公演は”ハイクラスな娯楽”として位置付け
ると良いのではないか。
・ 文化と観光や教育等とのコラボレーションは有効との認識の下、営業に努めたい。
52
1-② ヒアリング調査結果(那覇市ぶんかテンブス館)
(1)組踊公演の開催
1)開催状況
・ 毎週木曜日に4階のテンブスホールにおいて、”常設芸能公演”として、琉球舞踊、うちなー芝
居、組踊等の芸能公演を開催している。組踊公演は、平成25・26年度は年6回、平成27年度は年4
回の開催を予定している。組踊の定期公演を行っているのは、県内では国立劇場おきなわと当施
設のみである。
・ 沖縄の伝統芸能の普及のため、週に1回、伝統芸能の公演を実施することが那覇市との契約で定
められている。
・ このこともあり、国立劇場おきなわの組踊公演等と比較すると、てんぶす那覇での芸能公演は、
初心者でも楽しめることや、沖縄芸能ファンの”裾野を拡げる”ことを意識している。具体的に
はイヤホンガイドの貸し出し(1回100円)や英語字幕、解説等の導入である。
・ 入場料は国立劇場おきなわの半額、大人一人1,500円だが、これは条例で定められている。
・ 外国語資料の作成においては、沖縄観光コンベンションビューローの「受入インフラ整備支援事
業」による翻訳費用の支援を受けている。
・ 芸能公演は1日2回(17時、19時)開催している。そのため組踊公演の場合は、比較的短めの演目
で行っており、この点でも初心者向けだと言える。
2)組踊公演の課題(集客面など)
・ 組踊公演の来場者数は、1日概ね80人前後、平成27年度の直近2回の公演は100名を超えている。
来場者の多くは県内の人で、那覇市周辺が多いだろう。国際通りのホテルにチラシを置くなど、
県外からの旅行者向けの告知も行っているが、効果的な集客に結び付いていない。
・ 入場料の設定と経費を考慮した、芸能公演の採算ラインとなる観客数は1日170名程度で、組踊公
演の来場者数は毎回、採算ラインに届いていない。
・ 当施設はうちなー芝居や琉球舞踊の公演も行っているので、これらの観客が組踊にも関心が広が
ることも期待している。特に、うちなー芝居は圧倒的に人気があり、チケットが完売することも
少なくない。
・ てんぶす那覇にも国立劇場おきなわの「友の会」のような制度があり、会員は入場料の割引等の
特典がある。現在の会員数は約300名。
・ 平成27年3月には、国際通りを挟んだ向かい側に「HAPiNAHA」がオープンしたが、現在のところ
はあまり相乗効果が表れていない。
(2)組踊の認知度向上、ファンの拡大等に向けて
1)関心を持つきっかけづくり
・ 組踊にせよ、うちなー芝居にせよ、沖縄の伝統芸能は本来、地元の人がターゲットで、県外の人
にはあまり受けないものだと考えている。特に組踊については、これまで県外でも普及に向けた
PRを長年、行ってこなかったツケが響いている。
・ 伝統芸能、工芸ともに言えることだが、伝統のまま継承しようとするとうまくいかず、すたれて
しまうのではないかと考える。組踊でいえば、ジャズダンスやバレエ等が好きな人は、(踊りと
いう共通項があるので、何も共通項がない人よりも)比較的ターゲットとしやすいだろう。県内
でバレエの指導を行っている長崎佐世氏は組踊を採りいれたバレエの演技を行っているが、こう
した取組は新規ファン開拓のきっかけとなりうる。
53
2)県外からの観光客等のファン獲得について
・ こうした状況を考えると、県外の人の支持を集めるには、凝った演出、やり方で既存の沖縄芸能
の概念を壊すような、創造的・革新的な取り組みでなくてはならないだろう。
・ 県外での公演やPRなど、まずは組踊に触れる機会を作らなくてはならない。東京の国立劇場は
客層が固定されていることから、もっと広範にPRを行わなくてはならない。エイサーが全国各
地で触れる機会を作ったことで、認知度が向上したように、組踊も同様な取組が必要。
・ ただ、観光客の場合は、飲み食いしながら観る、というスタイルが一般的であり、このニーズに
は組踊観劇よりも民謡居酒屋等の方が合致する。組踊に対し、民謡居酒屋は言葉がわからなくて
も楽しめるという優位性もある。
3)観光関係者を対象とした普及・観光業界との連携
・ まだアイディア段階だが、国際通り周辺のホテルや観光関連施設のスタッフをターゲットとし、
組踊や沖縄伝統芸能を普及する取り組みを考えている。これにより、スタッフが仲介者となり、
観光客への組踊の認知度を高めることができる。
・ 高級ホテル等でも、スタッフが沖縄の文化や伝統芸能を知らず、観光客から聞かれても答えられ
ない、とならないように、スタッフのトレーニングも兼ねてこうした取組を行うことは非常に意
義があると考える。
2-① ヒアリング調査結果(旅行事業社A社)
(1)組踊の認知度向上に係る取組の実施状況
1)概要
・ 平成26年度より、沖縄県文化観光スポーツ部の「沖縄感動体験プログラム実証事業」の一つとし
て組踊観劇を組み入れたツアーを提案し、事業採択され、プログラムの一環として、組踊観劇の
モニターツアーを2度実施した。
・ これを踏まえ、平成27年度からは着地型ツアー商品『地元人気ガイド賀数仁然氏と行く!沖縄の
伝統芸能「組踊」鑑賞と琉球史に触れる1日』として商品化、提供を行っている。
2)着地型ツアー商品の提供
①ツアーの概要
・ ツアーの流れは以下である。現地集合、現地解散形式の着地型バスツアーである。料金は一人
12,800円(6~8月は9,800円)
。
①首里城を賀数仁然氏のガイド付きで見学
②国立劇場おきなわで昼食
③組踊観劇前に、国立劇場おきなわの演者からレクチャーを受ける
(所作を習う、楽器の紹介を受ける等、ワークショップ形式)
④組踊を観劇
・ 国立劇場おきなわの組踊公演日程に合わせ、平成27年度は計9回のツアー商品を企画・実施して
いる。
②実施上の課題
・ ツアーに参加した人からは「素晴らしい、満足した」といった好意的な評価を得ているが、ツア
ー参加申込数は停滞している。
54
・ これは、一般認知度が低いことが大きい。特に、県外での認知度が低いため、県外参加者(=観
・
・
・
・
光客)の参加が伸びていない。現状の参加者の多くは県内居住者である。
「認知度が低い」という問題は、平成26年度の事業段階(モニターツアー)から把握されていた
(モニターツアー参加者25名のうち、もともと組踊を知っていた人は2名)
。県外からの観光客は、
沖縄旅行を計画し、当社のwebサイトや営業拠点に行き、初めて組踊を認知した、という人も少
なくない。
そのため、平成27年度は東京で「ファンミーティング」として、国立劇場おきなわの演者を招い
たワークショップを実施し、誘客に繋げようとしているが、ツアーへの参加申込という形ですぐ
結果がでる状況ではない。
なお国立劇場おきなわからは、①ワークショップの開催経費(謝金等) ②ファンミーティング
の開催経費(交通費、謝金等)等の協力を受けている。
ツアーの告知はwebサイトや、県内の公共施設にチラシを置く等の取組を行っている。
3)発地型ツアー商品の提供(グループ会社C社)
・ こうした実施状況も踏まえ、当社では、グループ会社C社の商品として、
『「組踊」の特別レクチ
ャーにご案内 琉球の伝統美が舞う「組踊」鑑賞 彩りを巡る沖縄の春3日間』を提供している。
・ これのツアーは中高年をターゲットとした発地型ツアーの高額商品で、首里城観光や組踊のレク
チャーの他、美ら海水族館等の観光もセットになっており、料金は一人145,000円~210,000円(宿
泊・飛行機代含む)である。
・ 平成27年2月に一度、実施したほか、平成28年2月、3月の組踊公演に合わせてスケジュールを設
定している。
・ グループ会社C社の会員には歌舞伎のファンも多く、うまく周知できれば組踊の新規顧客の獲得
に繋がる可能性もあるとみている。ただし、大々的に広告を打つ予算もなく、フェイスブック等
での告知に留まっていることも課題である。
(2)組踊の認知度向上に向けた意見等:気軽に観劇できるきっかけづくり
・ 個人的には、歌舞伎などの伝統芸能のファンをターゲットにすると良いと考える。そのうえで、
気軽に見に行くことができるきっかけづくりが、特に若年層の集客には必要だろう。
・ 例えば、歌舞伎では若い女性をターゲットに、歌舞伎鑑賞と高級なランチ、着物レンタルなどを
割安な値段で体験できる商品が、オズモール(web版の情報誌)で提供されている。こうした取
組(魅力があり、割安感がある)が、初めて体験する人のハードルを下げることに繋がる。
・ 逆の例として、昨年度のモニターツアーでは、琉球宮廷料理(東道盆懐石)も組み入れたが、そ
うすると価格が高くなり、ツアーをきっかけとして初めて組踊を見に行く人のハードルが上がっ
てしまう。
・ 修学旅行生をターゲットとした取組も行い、実際に修学旅行生での貸切公演を実施した。児童生
徒が関心を持てば、親や家族の関心喚起にも繋がる。
・ 国立劇場おきなわも同様の問題意識はあるようで、演者を推していくことには意欲的なようであ
る。
・ 外国人観光客をターゲットとすることは、字幕を英語等で出せるなら可能性はある。ただし、本
質的にはノンバーバル系の(言葉を発しない)取組の方が向いている。
55
(3)今後の取組(ツアー商品の継続)
・ 先述の通り、参加者が増えずに厳しい状況にある中、今後の継続実施については、社内で検討が
必要だが、次年度も継続することを基本線で考えている。
・ バスツアーの12,800円という料金については、人件費や会場費等を考慮した値段設定だが、仮に
この値段を多少下げたとして、参加者が明らかに増えるとは言い切れないだろう。現在の値段設
定でも、参加者の満足度は高い。
2-② ヒアリング調査結果(旅行事業社B社)
(1)事業者の概要
・ B社では、社員がさまざまなテーマ、沖縄県の観光振興への課題意識を持ったうえで観光事業の
創出や旅行商品の開発を行っている。組踊については、担当者が「沖縄文化」をテーマとした旅
行商品を手掛けていたなかで、平成22年に組踊がユネスコの世界文化遺産に登録されたことを契
機に、組踊観劇の観光客への紹介、提案を本格的に開始している。
(2)平成23年度:観劇会の実施
1)概要
・ 平成23年度に、沖縄県の「文化観光補助事業」の一環として、5回の組踊観劇を開催した。具体
的には、ⅰ)クルーズ船(にっぽん丸)乗客対象の観劇、ⅱ)県内での「夕涼み鑑賞会」、ⅲ)
修学旅行生(佐世保工業高校)対象の観劇、ⅳ)県内での「春分の日特別公演」、ⅴ)台湾での
観劇、である。ⅱ)
、ⅳ)は新作組踊の「ももたろう」を演目として実施した。
・ にっぽん丸での観劇は、クルーズ船という特性上、熟年層(60~70代以上)の乗客が多数を占め
る中で行われたが、観劇者43名のうち、「組踊を知っている」と答えた人は8名(14%)だった。
・ 乗客には沖縄県内居住者も含まれているため、この結果から「県外居住者で組踊を知っている人
は殆どいない」といえる。ただし、そのような人でも組踊を観た感想として「わかりやすかった」
「満足した」といった前向きな意見が寄せられた。にっぽん丸以外、修学旅行生等の意見も同様
であった。
・ このことから言えることは、組踊自体にはポテンシャルがあるが、観光客への認知度はほぼゼロ
で、県外に対し、旅行事業者としては現段階で観光商品とすることは困難であるということにな
る。
2)観劇会からのフィードバック
①事前解説等の重要性
・ 組踊を知らない人が大半を占める中、なぜ満足度が高かったのか、を検証したが、一番のポイン
トは観劇前に組踊の解説を行ったことだと考えられる。
・ 歌舞伎や能も事前にあらすじや配役等の情報を頭に入れた上で観劇する。加えて、組踊の場合は
方言(方言・琉球古語)が使われるので、歌舞伎や能以上に事前の興味喚起、説明が重要だと考
え、「組踊とは何か」を説明する資料や、演目の台本などの資料を用意した上で観劇会を実施、
その効果を検証した。
②課題:採算性の確保
・ ⅳ)県内での「春分の日特別公演」は、国立劇場おきなわの小劇場で、入場料を2,000円に設定
して開催したが、座席数には制限があり、仮に満員となったとしても演者の経費や会場借用費用
56
などを考慮すると採算面で非常に厳しい。
・ よって、経費がかからない、別のやり方を考える必要があった。
(3)「シネマ組踊」の制作
1)映像作品スタイル
・ 上記、観劇会の実施結果より、
「魅力をより多くの方々に知ってもらい、芸能を支えるファンを
構築していくこと」が不可欠であり、その為の「わかりやすく、お金がかからない組踊観劇機会
の提供」というコンセプトで、国立劇場おきなわ運営財団などの協力を得て作成されたのが「シ
ネマ組踊」である。第一弾として「二童敵討(平成25年度)
」、第二弾として「執心鐘入(平成26
年度)」の2作品を制作した。
・ シネマ(映像作品)スタイルとすることで、初めにイニシャルコストを支払い、
「組踊の普及の
為」として、権利面は演者等から融通してもらうことで、通常の組踊公演よりもコストを抑える
ことができる。
2)わかりやすさを重視した構成
・ 加えて、わかりやすさを高める工夫として、映像作品は以下の3部構成としている。
ⅰ)解説パート:作品が作られた歴史的背景
ⅱ)本編:カメラアングル等の工夫
ⅲ)後解説:他の組踊作品への誘い、関連する浦添市内の施設、
・ ⅰ)については、芸能そのものにだけでなく、歴史や文化といった側面から観光を楽しむ層に対
し、そのものの背景を紹介することにより観劇の動機を刺激することを意識している。
・ ⅱ)については、初めて観劇する人は組踊の“みどころ”がわからない。そこで、
“見どころ”
をカメラアングルによって紹介し、劇場の固定席では見ることができないアングル(角度)での
描写を取り入れるなど飽きさせない工夫を行っている。
・ 映像では組踊特有の琉球古語による“唱え”の字幕を、演者の所作とともに見やすい位置に出す
ようにしている。
・ 第二弾の「執心鐘入」では、監督の意見もあり、カメラ3台やクレーンを導入し、また稲光や空
調用ファンで風を吹かせる演出など、一作目以上に”飽きさせない”工夫をしている。
・ カメラを増やすことで、追い払うシーンでは演者の表情もアップで見ることができる。また、ま
た、組踊の魅力のひとつである地謡を見たいというニーズも多いため、地謡に注目した撮り方な
ども意識している。
・ ⅲ)については、現在約70演目あるというその他の作品の紹介、生の組踊を定期的に鑑賞するこ
とができる拠点施設である国立劇場おきなわの紹介、組踊の始祖である玉城朝薫縁の史跡の紹介
など、今後の鑑賞、興味の対象の紹介を図っている。
3)県内での「シネマ組踊」上映会の実施
・ 平成25年度より、作成したシネマ組踊の上映会を開催している。これまでに延べ3,000人以上が
シネマ組踊を観劇しているが、鑑賞経験が無かった方、初心者からはわかりやすく見やすい、と
好評である。
・ 上映会は国立劇場おきなわのある浦添市を中心に開催しているが、これはまず地元での認知度を
高める思惑がある。一般に観光客は、
“地元で人気のあるもの”に関心があり、県民の組踊に対
する意識や認識が高まることで観光資源化するという傾向がある。沖縄では、エイサーや島唄、
57
ロックミュージックなどもこのパターンに当てはまる。
・ 平成26年度からは那覇市や西原町、県外での上映会も行っており、組踊の普及を通じ、組踊のみ
ならず琉球文化、歴史の紹介によって“県民のアイデンティティ”の再認識に資することができ
ると良いと考えている。
・ 世代別には、30-40代が組踊に触れた経験が少ない傾向がある。若年層は国立劇場おきなわの落
成後、普及公演などで組踊に触れるチャンスが増えている。30-40代が関心を持てば、その子ど
も世代への波及にも繋がると考えている。
(4)組踊の更なる認知度向上・ファン拡大に向けて
1)観劇のきっかけづくり、心理的障壁の緩和
・ 組踊はそもそも宮廷芸能であり、古典芸能であることから、現代人がエンターテインメントとし
て鑑賞してしまえば「つまらない」と感じられてしまうということは関係者も理解している。し
かしながら、組踊が誕生した背景や継承のため現代までに様々な取り組みが行われてきたことな
どがわかれば「面白い」と感じてくれるものだと考えている。
・ 国立劇場おきなわの組踊公演は、観劇自体のハードルは高めだと感じている。
「観劇のハードル」
については一概には言えないが、一例としては、当社がかつて観劇会を開催した、新作組踊の「も
もたろう」
(2,000円)で、
「適切な値段だった」とのコメントであった。
・ これが国立劇場おきなわの組踊公演(3,000円)だと、新作組踊のももたろう(馴染みのある演
目で、2,000円)よりは確実に観劇のハードルが高いと思われる。端的に言うと、わざわざ劇場
に行く理由、動機づけが弱いと感じることがある。
・ 国立劇場おきなわの取組は、どちらかというと既存の、見えているファンの意見を意識した取組
であり、組踊を知らない人へのPRの視点がやや弱いと感じることがある。
2)他地域の取組事例
①京都「ギオンコーナー」
:伝統芸能の入口
・ 京都の「ギオンコーナー」で開催されている芸能公演は、45分間で京舞、華道、茶道、琴、雅楽、
狂言、文楽といった様々な伝統芸能を観ることができ、好評を博している。公演はほぼ毎日行わ
れており、外国人観光客の来場も多い。
・ 45分間でこれだけの芸能をやると、一演目あたりの時間は非常に短い。ただし、これは伝統芸能
に興味がない人への”入口”としては非常に有効だと考える。
・ 観光客など、それまで伝統芸能に関心がない人にも、ギオンコーナーを”入口”として、次は本
物を見に行く、という流れを作ることができる。沖縄の伝統芸能は現状こうした”入口”に乏し
い。
②熊本「湧々座」
:観光地、人が集まる場所での公演
・ 熊本城併設の観光施設「城彩苑」には、歴史文化体験施設「湧々座」があり、熊本の歴史や文化
をテーマとした舞踊等の公演を行っている。特筆すべきは、観光名所であり、人目に触れやすい
熊本城公園の一角で公演を実施していることである。
・ 以前、視察したところあまり観客は多くなかったが、聞くところによると、PRのために赤字覚悟
で常設公演をやっているという。なお本来法的規制等により、有料上演は不可のところを、舞台
展示として開催している(そのかわり、大々的なPRはできない)等の工夫をしていると聞く。
・ こうした、観光地など人が集まりやすい場所での公演と比較すると、国立劇場おきなわでの組踊
58
観劇は、まず劇場に行くまでのハードルが高いと感じる。
3)シネマ組踊を利用した更なるPR、認知度向上
①学校教育での活用等
・ 学校教育でのシネマ組踊の活用も、今後は可能性がある。現状、学校の先生や教育委員会の関係
者などに紹介し、好評を得ているが、まだ本格的な上映会の開催などのアクションに繋がってい
ない。唯一、平成28年2月に西原町のイベントで上映会の予定がある。
・ シネマ組踊の強みの一つに、劇場での観劇よりも時間を要さないこともある。沖縄観光に来る人
は、
「海」
「リゾート」等に価値を見出し、お金と時間をかけている。この点で組踊観劇は、現状
時間をかけるだけのアクティビティとしてまだ見られていない。
・ 修学旅行は、ひめゆりの塔や海が大きなニーズだが、文化も一定のニーズがある。ただ、修学旅
行向けに売り込むには、各地の学校関係者と接する発地側の営業担当者が組踊を知らないため、
うまくセールスできない、という問題もある。
②県外でのプロモーションへの活用
・ 現状、国立劇場おきなわの協力の下、演者の県外派遣や普及公演が行われているが、シネマ組踊
ならばより安価であり、継続的なPRができる。県外公演の場合、コスト削減のためにダイジェ
スト版での実施や、演者を減らすこともあるが、それでは演目本来の良さが伝わらないこともあ
るのではないか。
4)その他:組踊の日(9月3日)制定について
・ 組踊の認知拡大の一環として、浦添市が申請し、9月3日を組踊の日として(一社)日本記念日協
会に認定された。
・ 語呂合わせによるものであるが、覚えやすく、また記念日があることで、
“せっかくだから見て
みよう”という気になることも期待できる。まずは県民も県外の方も面白いものだと感じてもら
う入り口に立ってもらう事が大切であると思っている。
59
Ⅲ.まとめ
今回の調査では、
「組踊」の認知度をさらに高めるため、①組踊の公演状況等に関する調査、②
組踊の「観劇者」に対するアンケート調査、③組踊の普及等に取り組んでいる関係機関に対する
ヒアリング調査を行いました。
本調査では、以下の結果が得られました。
Ⅲ-1
(組踊の公演状況等に関する調査)
組踊の公演状況等に関する調査では、県内で最も多く組踊の公演を主催する「国立劇場おきな
わ」等から公演の状況等について調査したところ、以下の結果が得られました。
・組踊の公演回数については、平成 24 年度と 26 年度は 31 回、25 年度は 26 回の公演されてい
ます。
※なお、平成 25 年度については、台風接近の影響のため公演回数が少なくなっています。
・組踊の入場者数は、平成 26 年度の国立劇場おきなわ及び那覇市ぶんかテンブス館の入場者数
の合計が 1 万人を超えています。
・組踊の観劇料は、他の伝統芸能(歌舞伎、能等)より比較的安価である。
Ⅲ-2
(組踊の「観劇者」に対するアンケート調査)
「国立劇場おきなわ」の組踊公演(主催公演)への観劇者を対象に、来場回数や来場の動機、
組踊の魅力やファンを増やすための取り組みなどについてアンケート調査を行ったところ、以下
の結果が得られました。
・
「組踊」の主なファン層として、①性別では女性、②世代(年齢層)は 60 代および 70 代以上、
③組踊以外の伝統芸能にも関心を持っている、といった人が多い。
・組踊公演(演目「久志の若按司」
、
「忠臣義勇」
)を観劇した感想として、
「とても満足」と「や
や満足」と回答している人が合わせて 75%を超えている。
・国立劇場おきなわの組踊公演は、これまでに何回も国立劇場おきなわで組踊を観劇したこと
のある、熱心なファン(リピーター)が一定数おり、県内の広い地域に組踊の熱心なファン
がいる。
また、国立劇場おきなわへの来場の動機として、
「組踊に興味があり」と「演目に興味があ
り」そして「家族や友人・知人の誘い」によることが来場の高い動機である。
・国立劇場おきなわでの組踊公演をどこで知ったか(認知経路)については、
「友の会会報」と
「家族、知人、友人」の2つが主要な情報源となっている。
・「組踊」のファンになった人が、初めて組踊観劇に関心を持った動機は、「沖縄の伝統文化や
伝統芸能への興味・関心があった」ことのほか、
「知人等に誘われた」ことが、主な直接の観
劇の動機となっている。
・「組踊」のファンになった人が考えている、組踊観劇の魅力としては、
「沖縄の歴史や芸能に
ついて教養を深めることができる」こと、
「演者の動作や演技、技術が素晴らしい」
、
「演目が
面白い、興味深い」などに魅力を感じている。特に、来場回数が 4 回以上の人は「好きな演
者、応援している演者がいる」と回答している割合が高くなっている。
また、組踊観劇の魅力について、県外居住者(42 名)のうち 8 割以上の方が「沖縄の歴史
60
や、芸能について教養を深めることができる」と回答している。
・国立劇場おきなわでの組踊の観劇について、不満を感じる点や改善して欲しい点としては、
「入
場料が高い」
、
「敷居が高い感じがする」、
「会場へのアクセスが悪く移動が大変である」の順
となっている。特に、県外居住者は「会場へのアクセスが悪く移動が大変である」と回答し
ている人の割合が県内居住者より高くなっている。
また、自由回答では、
「組踊の内容を詳しく示した冊子やシナリオの冊子が欲しい」との公
演内容等に関する回答があり、特に県外居住者からは「演者発表が遅い」
「県外での公演、情
報がない」
「とにかく PR が大切」など、情報発信等に関する回答がある。
・組踊のファンを増やすためにターゲットとすべき年代については、
「年代は問わない」が最多
で、次いで「30~40 代」
「10~20 代」の順の回答となっている。全体的に、若い世代をター
ゲットとするのが良いとの回答が多い。
・「県内で「組踊」ファン」を増やすために有効だと考えられる取組としては、「伝統的組踊の
見せ方の工夫(解説や説明等)
」が多く、次いで「学校教育での題材化」
「観劇できる機会や
場所の増加」
「新聞テレビ等での PR 強化」の順になっている。
・「県外で「組踊」ファン」を増やすために有効だと考えられる取組としては、「県外での公演
やプロモーション」が多く、次いで「企画旅行とのタイアップ強化」「他の伝統芸能(能楽、
狂言等)のファンへの PR」の順になっている。
なお、県内及び県外の居住地別の回答の順番は同じですが、県外居住者は「県外での公演
やプロモーション強化」に 8 割以上の回答がある。
・「外国人の「組踊」ファン」を増やすために有効だと考えられる取組としては、「公演の多言
語対応」が最多で、次いで「海外での公演やプロモーション」、「企画旅行とのタイアップの
強化」の順になっている。
・「組踊」のファンとなっている方は、「家族、友人、知人に誘われて観劇した」ことが初めて
組踊を観劇した際の動機となっており、組踊観劇に友人・知人等を誘った経験の方が多い。
「組踊を初めて観劇する知人等を誘う場合誘いやすくなる取組」については、
「無料招待券や
割引券の配付」
、
「普及公演のような初心者向けの公演」、「組踊や演目、演者等の理解が深ま
る資料等の配付」の順になっている。
Ⅲ-3
(組踊の普及等に取り組んでいる関係機関に対するヒアリング調査)
組踊の普及等に取り組んでいる関係機関に対するヒアリング調査では、県内で組踊公演を定
期的に実施している「国立劇場おきなわ」
、
「那覇市ぶんかテンブス館」
、組踊を観光資源の一つ
としてツアー商品としての展開に向けた取組を行っている「旅行事業者 A 社]、「旅行事業者 B
社]を対象にヒアリング調査を実施したところ、以下の結果が得られました。
(1)組踊の現状認識(県内外の認知度)の低さ
・公演を実施している「国立劇場おきなわ」
、
「那覇市ぶんかテンブス館」ともに組踊について
は、
「一定の熱心なファンがいるものの、県内、県外ともに認知度が低く、更なるファンの獲
得が急務」
、と考えています。
・旅行事業者 2 社からは、
「県外ツアー商品を販売、募集しているが、売上げに苦戦している」、
「実際に観劇した人からは高評価を得られているが、現状では認知度の低さゆえに、観光資
源として活用していくことは難しい」、と指摘しています。
61
(2)組踊の認知度向上に向けた PR 実施の考え方や取組状況
1)国立劇場おきなわ
・組踊は「沖縄芸能の頂点」であり、格式の高さも持ち味であると考えている。そのため、一
部の観客等から「敷居が高い」といった指摘がされても、”組踊自体の敷居は簡単に下げるこ
となく、その上で、旅行会社とのタイアップや本土での「お出かけ公演」など、ターゲット
を絞った公演等のプロモーションを行っていることがわかりました。また、
「生徒などを対象
とした普及公演等の開催」
、
「劇場の多目的利用を促進し、組踊観劇以外でも劇場に足を運ぶ
人を増やす」等の取組を行っていることがわかりました。
2)那覇市ぶんかテンブス館
・組踊をはじめとする沖縄の伝統芸能は、本来は地元の人の娯楽であることから、まずは県内
での関心を高めていかなくてはならないと考えている。
・その上で、県外の人の支持を集めるには、凝った演出、やり方で既存の沖縄芸能の概念を壊
すような、創造的・革新的な取り組みが必要であり、まずは組踊に触れる機会を作らなけれ
ばならないと考えている。また、アイディアの段階ではあるが、近隣のホテルや観光関連施
設のスタッフ等に組踊等を普及・PR することで、ホテルスタッフ等が観光客への仲介者とな
り観光客への組踊の認知度を高めることができるのではないかと考えていることがわかりま
した。
3)旅行事業者 A 社
・国立劇場おきなわとの連携の下、平成 26 年度には沖縄県の事業として組踊観劇の「モニタ
ーツアー」を実施。平成 27 年度には、モニターツアーから発展した「着地型ツアー商品」
の開発。また、グループ会社が提供するハイクラス向けの「発地型ツアー商品」の開発や
国立劇場おきなわの演者を招いたワークショップを東京で開催するなど、主に県外からの
観光客を想定した取り組みを行っている。
・このような取り組みが、初めて組踊を観劇する人のハードルを下げるなど、”きっかけ作り”
となりうることが期待される一方、ツアーの効果的な PR が難しいことが課題となっている
ことがわかりました。
4)旅行事業者 B 社
・平成 23 年度に、沖縄県の補助事業として実施してきた組踊観劇会等を踏まえ、組踊の認知
度向上には「わかりやすく、組踊を知らない人でも楽しむことができ、コストがかからな
い」取組が必要だとの考えから、「シネマ組踊」を制作し、平成 25 年度から県内での上映
会を実施している。
・
「シネマ組踊」により、国立劇場おきなわでの公演以外にも、より身近に組踊を観劇するこ
とができるようになる。また「シネマ組踊」の上映会等を通じて、まずは県内での組踊の
認知度向上を図り、県民が組踊に関心を持つ状況を作ることが、観光客への組踊に対する
関心喚起に繋がると考えている。
・学校教育でのシネマ組踊の活用も今後は可能性がある。学校関係者には好評を得ているが、
まだ本格的な上映会の開催などに繋がっていないこともわかりました。
62
今回の調査結果より、以下の課題、問題点等を整理しました。
(課題・問題点等)
・組踊の PR 不足
・組踊の見せ方(解説や説明等)の工夫
・組踊公演の開催日時、演目などの事前情報が少ない・情報発信が弱い
・入場料金(観劇料)が高い
・常設の公演会場への交通網、アクセス等が悪い
これら課題、問題を改善、解決し、
「組踊」の認知度をさらに高めていくためには、以下のことが
考えられるのではないでしょうか。
(問題点等の改善、解決策)
・映像コンテンツの制作・上映、メディア等を活用した PR や組踊を紹介するプロモーションの
強化
・初心者や子供向け新作組踊などの充実、演目などの事前説明・解説等の徹底、組踊に関する
資料の作成・配付の徹底
・観劇する機会を増やす(公演回数や公演場所の増加)
、公演開催日等の事前情報発信の充実・
強化
・組踊を幅広い人たちに親しみ、身近に感じてもらい、初めて観劇する人を誘いやすくするた
めに入場料金(観劇料)のクーポン券の発行等の実施
・公演時間に合わせたバス運行ダイヤの変更のほか、駐車場の管理強化等の改善
・組踊公演を実施する施設や自治体及び旅行事業者等、関係団体間の連携強化、充実
沖縄の伝統芸能「組踊」については、琉球王朝時代に中国の使者を歓待するために創作されたも
のです。平成 22 年にユネスコの無形文化遺産として登録されている「組踊」を観光資源の一つとし
て、あらためてその価値を見いだすとともに、伝統ある文化を後生受け継いでいくためには、質の
高い舞の技術や演目の継承はもとより、時代に沿った演目の拡充・アレンジ、さらには、演者のみ
ならず公演を提供する施設や自治体及び旅行事業者等のきめ細やかな支援・サポート、関係機関の
連携等の体制づくりが必要と考えます。
組踊のさらなる認知度の向上を図るためには、以下の取り組みを行うことが望ましいのではない
でしょうか。
(「組踊」のさらなる認知度向上(組踊ファンの獲得)を図るための取り組み)
・地域のお祭りや観光施設などでの組踊の実演披露、映像コンテンツの利用やメディアによる組
踊公演の放送など、幅広く組踊を PR
・組踊演者と観劇者の触れ合う機会づくり(コミュニケーションの場の提供)など、ファン層獲
得のためのサービスの充実
・組踊を学校教育等の一環として授業(カリキュラム)等へ取り入れるなどの工夫
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