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P.6 - RALLIART
RALLYE OPTI C 2000 TUNI SI E / 04-12 Apr il 2004 勝利を呼んだ チームの結束。 総走行距離2414km (うち、競技区間2036km) 昨年10月に実施され た三菱自動車ディーラーメカニック選考会。 日本全 国 8300名の中から選ばれ た精鋭5名が、 今年のチュニジアラリーにメカニックとして参 戦し、増岡浩選手と ステファン・ペテランセル選手のパジェロエボリューションの整備を行った。 パリダカに近い過酷なコンディションの中、ペテランセル選手の 総合優勝を支えたのは、日ごろ鍛えた整備の 心と 技 だった。 三菱自動車は、1993年よりディーラーメカ ニックの海外ラリー派遣活動を開始。10年 間に総 勢およそ50名がラリーカーのサー ビスにあたってきた。海 外 のラリーを体 験 することでメカニック達はさらなる成 長を 果たしてきた。 今年の舞台は、アフリカ北部のチュニジア ラリー。砂 丘 や 岩 場などの 変 化に飛 んだ コースは 「ミニパリダカ」とも言われ、来年の パリダカを見据えたテストには絶好の環境 といえる。チュニジアラリーに挑戦する5人 のメカニック達は、2月にラリーアートピット HOKUSOにて国内事前研修を受けラリー カーの整備を習得し本番に望んだ。 フランス国 内でのプロローグランを終え、 アフリカにフェリーで渡ると本格的なラリー が始まる。レグ1、快 調にトップタイムで 走 行していた増 岡はいきなりのアクシデント に見 舞 われる。コース半ばでクラッチトラ ブルによりストップ。交換に時間がかかり、 夜の9時すぎにキャンプへ 戻ってきた。メカ ニック達のマシン修復作業は、夜中の3時 半までかかった。 その後もディーラーメカニック達は、慣れない ラリーカーの整 備やフランス人メカニック との言葉の壁に悩まされながらも、懸 命に 作 業を続けた。40℃を越える砂漠の暑さや 連日の 寝 不 足 で 疲 労 は 限 界まで 達して いたが、持ち前の明るさとたくましさで新しい 環境に素早く順応していった。 し、それを増岡が的確にサポート する展 開。5人の ディーラーメカ ニック達は、日を追うごとに作 業 の領域をどんどんと広げていく。 フランス人メカニックとのコミュニ ケーションも上手に取れるように なり、チームの結束力は日増しに 強 いも のとなる。チームスタッフ 全員が、ペテランセルの総合優勝 という目標を目指し一丸となって きた。ラリー終 盤 は作 業 の 効率 も上がり、夜7時過ぎにはすべて の作 業が終了。メカニック達の成長の跡が うかがえる。 ペ テランセル は 最 終日までリードを守り きり、パリダカに続く総合優 勝。ディーラー メカ ニック 達 は ひたむきな 作 業 で、この 優 勝 に大きく貢 献した。充 実した 5人 の 表情に、7日間で得られた自信と誇りを見る ことが出来た。 これから5名はそれぞれのディーラーに戻 り、 お客様のクルマを整備する。もし、 あなた の街 のメカニックがラリーに参 戦していた ら、その土産話を聞いてみてはどうだろう。 きっととてもうれしそうに、 ラリーの楽しさを 語ってくれるはずだ。 RALLIART JOURNAL 1 自分のい いところと、悪いところを発見できま した。大きく変わったのはバタバタしなくなった ことです。絶えず、自分の居場所を一歩下げ、全体 を見るようになりました。そして、相手の行動を 読んで先に動くということを学びました。日本に 帰ったら、行動する前に、 何をすれば効率的なの かを考えてから作業にかかるようしたいです。 鈴 木 健 之 2 東京三菱自動車販売株式会社 世 界 最 高 のラリー チ ー ム の 一 員としてラリー 車のサービス作業に加わることが出来、外から 見ているよりも遥かに大変だということが分か りました。今回を通じてメカニックとしての技術 やラリー車に関する知識だけでなく、自分自身 がこれから生きていく上でも多くのことを学べ たのではないかと思 います。 枝 村 豊 広 3 5 森 永 智 之 1 2 4 京都三菱自動車販売株式会社 自分の 欠点 が すごくわかりまし た。自 分が正し いと考えていたことでも、間違っている場合も あるということがわかりました。もっと広い考 え 方と他 人の 考えを受 け止めるゆとりが必要だと 気付いたので、 今日から実践していこうと思いま す。とにかく貴重な体験ができましたし、今日こ こでゴールを迎えることが出来て嬉しいです。 鳥 羽 剛 史 5 近畿三菱自動車販売株式会社 昼間はも の すごく暑く、夜は凍えるほどに寒い 砂漠 の 気候に驚かされました。そんな砂漠に終 日いた後でオアシスを見ると、生命そのものが 素敵やな、と思えました。こんな乾いた大地にオ アシスがあるということ、そしてラリーカーで 砂 漠 の 上で 走り回って い る選 手 達 の 姿 を見ると 人間のものすごい 生命 力を感じました。 3 いろん な事を体験しました。本当に楽しかった です。世界最速のオフロードラリーマシン、パジェ ロエボリューションの整備を出来たことに何より も感激しました。また最後にビバークの大テント でフランス人メカニックと盛り上がって踊ったこ とも忘れられない思 い出となりそうです。 挑戦を終えて ディーラーメカニック奮闘記 三菱自動車ディーラーチーム ドミニク・セリエス監督の話 5 清 原 俊 晃 北海道三菱自動車販売株式会社 4 静岡三菱自動車販売株式会社 ラリーはペテランセルが連日首位をキープ 最初にとても驚 いたの は、ディーラーメカニック 達 が 今 まで に 砂 漠 や ヨーロッパにさえ来たこ とがないのにすぐに必 要 なことを学 び、環 境 に順 応し、一 生 懸 命 働いていることです。 彼らはとても素直で何かをする前には必ず 聞き始める前に確認し、指示を待っている。 昼 間 は猛 暑の中で一 緒 に仕 事をし、サー ラリー 後 の、ディーラー メカニック5名の 声 ビスを行い、夜一緒に仕事を終える。素晴 らしい 事だと思 います ね。三 菱 自動 車 の 情熱・スピリット、そしてチーム・スピリットが ここにあります。彼らが日本に帰ったとき、 他のディーラーの方々や家族、そして友人 達に彼らが経験したことを説明する機会も たくさんあることでしょう。 もちろん我々は、 また日本のすばらしいディー ラーメカニック達に来ていただきたいと思っ ています。 北海道三菱自動車 江別店 清原 俊晃 静岡三菱自動車 藤枝店 枝村 豊広 チームのメカニックは「こん なもんでいいや 」 という感 覚 が な い、とにかく徹 底 的に作 業 す る姿勢は見習わなきゃと思いました。向こうで はたくさん のファンから手を振られたり、すご い 歓 迎をうけた ん で すけど、フランス 語 の 会 話ができなかったことがくやしかったです。 チームからは、日本人メカニックはいつもニコ ニコ・生き生きと作業をしているね、と言われ てほんとうに良かったです。あこがれのラリー カーを整備できて嬉しくてしょうがなかったん です けど (笑) 。優 勝で き た のは、5人全員がひ とつになったからだと思います。みんながいな かったら、きっとだ めだった 。ほんとうに最 高 のチームでした。 海外ラリーに挑戦して、得られるものはとても 大きかったです。これからもこの活動が続くよ うに、後輩たちに経験を伝えていくのが僕たち の役目だと思っています。 実際にラリーカーを整備してみて、チームのメ カニック達はとにかく基本に忠実であることを 実 感しました 。 「 ボ ルトを 締 める」という作 業 でも、1本1本しっかりとトルクチェックをして いたり。細かいところまでしっかりと見ている ん で す。僕たちの 作 業 はラリー カー の 下 回り 点 検 や エンジン ル ー ム の チェックなどを 任さ れて、あとはフランス人メカのサポートですね。 ペテランセ ル 選 手が 優 勝した 時に、世 界 一 の ラリーチームに帯同できたこと、その中で自分 の実力を出せたことに自信と誇りを感じました。 日本に戻って、初心に帰った気持ちで作業をし ています。後輩に「 次は俺が行く」といってる やつがいるんですよ。やっぱり嬉しいですね。 これからもたくさんのメカニック達にどんどん 挑戦してほしいし、実は僕がもう一度ラリーに 行きた い( 笑 )。OBチ ー ムでラリーに参 加で きないかなあ。