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子供の発達と話し言葉の変化

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子供の発達と話し言葉の変化
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子供の発達と話し言葉の変化
仲, 真紀子
日本語学, 17(11): 178-187
1998-09
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/44822
Right
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article
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NG17-11_178-187.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
。子供、酢味噌ののった
少し大きい声で、早口で
(
大きな声で、早口で
(
母一さかなっ!
一
﹁分か ったか﹂と 言わんばか りに)
子 一 さ ば って な に ?
母 一さばっ
子一なに?
母一さば
子一なに?
子供の発達と話し言葉の蛮化
︿二歳 三 か 月 児 と 母 親 の 対 話
ふろふき大根を指して﹀
子 一これ な あ に ! ?
。
母 一こ れ ね え 、 お み そ そいでねえ、
子一これねえ、おみそう?
こ れねえ 、 大 根 な の 、 お 大 根 、 お 大 根 の 上 に ね
母 一
ぇ 、 か け る の う。
等 に 対 話 で き る よう に な っ て ゆ く 織 は 見事 で ある
ん 坊 が 、 み る み る う ち に 語業 や 文 法 を 獲 得 し
。人 の
表情や泣くことでしかコミュニケ ーションできない赤
、大 人 と 対
子供の発達とコミュニケーションの蛮化
一⋮⋮
一
︿ 六 歳 九 か 月 児 と 母 親 の 対 話 。 子供、 食 卓 に 用 意 さ れ
たものを見て﹀
子 一こ れ な に ?
母 ハさ ぱ 戸 小 さ い 戸 で 、早口で︺
1
7
8
ることが知られているが、一方で、素材となる文や単語
言 語 獲 得 に は 内 的 、 生 物 学 的 メ カ ニズ ム が か か わ っ て い
場面を分析し、子供の年齢が高くなるほど、母親はより
六)や村瀬他(一九九八)は日本人母子における絵本読み
に応 じ て 変 化 す る こ と を 示 し た 。 同 様 に 、 石 崎 (一九九
ン を リ ー ド す る こ と 、しか も こ の パ タ ン は 子 供 の レ ベ ル
能動的な役割を子供に求めるようになるという結果を見
は外から供給される 。 その供給源は、主に養育者(多く
私は幼児が対話の中で、どのように語棄を獲得するか
の場合母親)である 。
を研究している。冒頭の例は、食事場面で縦断的に収録
語使用が子供の育児語使用に先行して減少してゆく様子
﹁ポイする﹂などの育児語について検討し、母親の 育 児
している母親と六歳児の相手をしている母親は、同一人
を示している 。 母親の話し方の変化は、語棄や文法、会
出 し て い る 。 ま た 小 椋 他 (一九九 七 ) は ﹁ わ ん わ ん ﹂ や
物とは思われない 。声 の ト l ン 、 話 す 速 度 、 省 略 の 度 合
話のパタンを子供のレベルに調整し、発達に応じて足場
した対話である 。 テ ー プ だ け を 聞 く と 、 二 歳 児 の 相 手 を
いなどが異なり、前者は優しく丁寧な母、後者は疲れて
をはずしてゆく過程を反映しているようだ 。
さて、本稿では、このような研究のラインの上で、特
忙しい母というようにも見える 。だが実は両方とも私で
ある 。 自 分 と し て は 何 も 変 わ っ た つ も り は な い の に 、 ず
幼児の言語能力は日々、変化してゆくが、相手をする
ともに用いる接辞ーーである 。 な ぜ 助 数 詞 か 。 助 数 詞 は
点を当てる語葉は ﹁
助数詞﹂││枚、本、匹など、数と
定の語棄をめぐる母子対話の特徴を検討する。ここで焦
大人の対話的特徴も変化する 。上で見たように、幼児に
事物や運動、行為に対して直接与えられるラベルとは異
いぶんと異なる話し方をしている 。
話しかける場合、発話は高く強く、母音が長いなどの音
でも小さければ﹁匹﹂、大きければ﹁頭﹂、同じクッキー
なり、いわば目に見えない助数詞カテゴリーに対して用
い ら れ る 語 素 で あ る 。 しかもそのカテゴリーは、 同 じ 犬
韻的特徴を持つ(岩立︿ 一九八八﹀のレビューによる)。 ま
た単純で、文法にかない、反復やパラフレーズが多く、
でも、細長ければ﹁本﹂、平たければ﹁枚﹂というよう
に 、 分 類 学 的 な カ テ ゴ リ ー と は 必 ず し も 一 致 し な い 。文
∞)は 母親が子供に
一九八 二)
o ZEohrF522ヨ
(岡本
読み聞かせる場面を分析し、母親は子供の注意を
脈に頼ったり、視界にあるものを指して﹁これは﹃匹﹂
限定された文型が使われるなどの形式的特徴も見られる
、質問し、命名し、確認を与えるなど二疋のパタ
子供の発達と話し言葉の変化
1
7
9
E22
Y
同
区
による言語的な入力の役割を調べるのにうってつけの材
よ﹂などと教えることができないので、助数詞は、母親
料だと言うことができる 。
助 数 詞 の 獲 得 に は 六 i 一O年 も の 年 月 が か か る と 言 わ
一歳から四歳まで収録したが 、
らだ 。 た だ し 資 料 を 収 集 し て い る と き に は 、 こ れ を 助 数
詞の分析のために用いようとは考えていなかった 。
、
会 話 は お よ そ 週 一回
分析を行ったのは二歳。か月から二歳一一か月の一年
間、一月あたり二回ずつの、計一二週分の資料である 。
各 国 の 録 音 時 間 は お よ そ 四 五 分 。資 料 を 書 き 起 こ し た と
ころ一九四四一発話(合実 互 が 得 ら れ た 。 なお、この
g
-唱缶、内
宙空、玄曲門日ロヨo
E
C
E克己伺工事一、。m
一二 回 の 会 話 は 主 に 母 親 と 女 児 双 子 に よ る も の で あ り 、
((U R
父親が食事に加わったのは一一回だけであった。
れている
べ、五歳でもダチョウを﹁頭﹂と数えるなどの誤りが見
)
生物や事物の助数詞の獲得過程を調
1六 歳 児 を 対 象 に。
類、助数詞を含む発話は一九四四一発話中一九六発話だ
に添えられた()内の二つの数字は、前者が母親によ
二 一 種 類 の 助 数 調 の 使 用 状 況 を 表1に示す 。 各 助 数 詞
川 助 数 調 の種類と頻度
書き起こした会話で用いられた助数詞は全部で一一一種
ε
られること、自覚的にル 1 ルを作ってゆけるようになる
の は 六 歳 に な っ て か ら で あ る こ と を 示 し て い る 。 このよ
った 。 以 下 の 分 析 は 、 こ の 一 九 六 発 話 に 基 づ い て い る 。
例 え ば 内 田 ・ 今 井 (一九九六 )は四
うに長くかかる助数詞獲得の最初の段階で、幼児はどの
簡略化のため、二人の幼児の資料はまとめて提示する 。
田・今井│一九九六
1四歳児の母親の発話を見てゆくことにしたい(詳し
一一
ような言語的入力を受けるのか、ここでは年齢を下げ、
くは仲一九九六、 Z尖PE言。訟を参照のこと)。
母子対話の縦断的事例研究
ここで紹介する資料は、国冒頭の資料と同じ、私と女児
助 数 詞 の 大 半 は 母 親 │ 父 親 問 で 用 い ら れ て い た 。 母親が
食卓を共にしたのはわずか二回であったが、二一種類の
る 使 用 頻 度 、 後 者 が 子 供 に よ る 使 用 頻 度 で あ る 。 父親が
双 子 の 食 卓 場 面 の 会 話 で あ る 。 食卓場面を選んだのは、
問で 頻 繁 に 用 い ら れ た 助 数 詞 は、﹁回﹂、﹁個﹂、﹁つ﹂の
幼児に対して用いた助数詞は七種類であり、しかも母子
閉
開
協
物理的環境や心理的状態の変動が少なく、会話の発達を
i 二歳児と母親の対話における助数詞の使用
2
比較 的 独 立 し た 形 で 記録 で き る の で は な い か と 考 え たか
酬帥網棚醐鍋嶋
1
8
0
母←→子(少)
人(17,
3
)、口(10,
1
)、歳 (
4,
5
)、キロ(1, 1
)
母←→子(多)
回(
2
1,
2
7
)、個 (
2
4,
1
4
)、つ(17,
1
6
)
1
1
10
09
08
07
三種類だけであった 。
間助数詞使用の推移と母子の対応
表2は母親と子供が各々﹁回﹂、﹁個﹂、﹁つ﹂
している。母が用いたセッションは濃い網が
をどのセッション(食事場面)で用いたかを示
け、子供が用いたセッションは薄い網がけに
詞の使用には母子間で有意な同期性があり、
なっている 。 セ ッ シ ョ ン 単 位 で 見 る と 、 助 数
母子ともに﹁回﹂から﹁個﹂、﹁つ﹂へと、
よく用いられる助数詞が移行している。
以上、母親は子供に限られた種類の助数詞
で対応が見られることが示唆された。会話を
を用いていること、またその使用には母子聞
詳細に調べても、﹁かぼちゃは一個と数えま
しょう﹂などの能動的な働きかけは見られな
い。 母 親 は 恐 ら く 意 識 的 す る こ と な く 、 子 供
の用いる語棄に合わせて自らの助数詞使用を
変化させているのだろう。このような現象が
一般化できるかどうか、次の調査では、より
た
。
多くの母子対話を縦断的に検討することにし
181
番(
0,
2
)
子供問
07
05
03
02
0
1
00
杯、本、週間、目、時間、分、秒、円、万、千、百、ミリ、ケース
母←→父
助数詞
誰が用いるか
注 ( )内の 2つの数字はそれぞれ母親と幼児が使用した頻度を示している 。
表 2 助数詞使用の同期性
子供の発達と話し言葉の変化
助数調の種類と鎮度
注個々のセヅションにおける濃い網がけは母親の使用、薄い網がけは子供の使用
一一
二母
三対
、話
回の
歳横
お児断
、
子
けと研
る母究
助親
数の
詞対
の話
使に
用
こ の 段 階 で 、 母 親 が 子 供 に 対 し ど の よ う な 助 数 詞を用い
。
るかを調べる 。 二 歳児 と 母 親 の 例 を 示 そ う
の事物が描かれており、全部で七枚の図版が用意された
にとってもらってください﹂と教示する
示し、﹁図版に描かれている物をその数だけ、お子さん
。 一枚に一種類
。
階から成っている 。
まず母親に事物が描かれた図版(例えば、アメ 三 つ)を
う一方の側に実験者と補助者が座った
﹁杯﹂が期待される)の 七種類の 事 物 が 各 々 四 個 ず つ 並 ん
(
でいる 。 机 の 一 方 の 側 に 母 親 と 子 供 に 座 っ て も ら い 、 も
。調査は三つの段
れる)、山型クッキーとアメ(﹁個﹂が期待される)、カッフ
に大学の研究室に来てもらい、数の理解の調査というカ
。 部屋
パl ・ ス ト ー リ ー の も と で 調 査 に 参 加 し て も ら う
には大きな机があり、ポツキ!とスプーン(﹁本﹂で数え
ることが期待される)、平たいクッキーと 皿 (﹁枚﹂が期待さ
ぞれ一七組、二ハ組、一人組に参加してもらった
, こ の 調 査 で は 、 二、三 、 四 歳 の 幼 児 と そ の 母 親 、 そ れ
。 母子
3
。 クッキ
母一ま l る い ク ッ キ ー を ふ た つ も っ て き て
。 もうひとつ 。
ー。 まlるいの、ふた l っ
子一もうひとつ 。
母一うん 。
幼児が七種類の事物を全部取り終えたら、 次 の 段 階 に
進む 。 母 親 に ﹁ 今 度 は お 子 さ ん に 、 今 取 っ て も ら っ た も
のを数えてもらってください﹂ と教示し、 子 供 が 事 物 を
。
数えるときにどのような助数調を用いるか調べる
。
母一じゃあね、 クッキー いくつあるかな。
ふたつ 。
。
母 一 ふ た つ ね 。 これはピンポ l ン
子一クッキ ー
最後に、母親に、第一段階で子供に対して行った課題
を大人(補助者)に対して行ってもらった。これは母親
が大人に対してはどのような助数調を用いるか、調べる
。 その後、
ためであったが、ここでは触れないことにする
調査の意図を明かし、家庭での助数詞使用状況などをア
。
ンケ ート で答えてもらった
、
会 話 は す べ て テ ープレ コー ダ ーで 録 音 し 後 で 書 き 包
しカウントしたところ 、
こした 。 生 起 し た 助 数 詞 を 分 類
1
8
2
「
本
」
周
主40
図 2 子の助数詞使用
図 1 子に対する、母親の助数詞使用
4歳児
3歳 児
2歳 児
O
「
枚
』
親 2
0
。
の
%
20
た
幼
児
母
『
杯J
%
の
の
七種類の事物すべてに﹁個﹂、﹁つ﹂の使用が見られ、加
えて平たいクッキーと血では﹁枚﹂、ポツキ!とスプ ー
ンでは﹁本﹂、コップの水では﹁杯﹂が用いられた。ま
た頻度は少ないが、﹁い lち、に l い﹂など数だけの表
現や﹁Oちゃんの分とムちゃんの分﹂というような表現
も見られた 。
川用いられた助数詞の種類
七種類の事物を込みにしたときの、﹁個、っ、枚、本、
杯﹂の使用者率(助数詞を使用した者の割合)を図 1、 2
に示す 。 図 lは母親、図2は幼児である 。幼児の年齢が
低いほど、母親が﹁個﹂や﹁つ﹂を使用する率は高い 。
また、幼児の年齢が上がるにつれ、母親は﹁枚﹂や﹁本﹂
など、特殊な(特定の形態に固有な)助数調を用いるよう
になる 。母親は幼児に対し限られた種類の助数詞を用い、
幼児の年齢に応じて制限の度合を変化させると言えるだ
ろう 。 幼 児 も 母 親 同 様 、 年 齢 が 上 が る に つ れ ﹁ 枚 ﹂ と
﹁本﹂の使用が上昇する 。 だが﹁個﹂と﹁つ﹂は母親の
場合とは異なり、減少することはなかった 。 ﹁個﹂、﹁つ﹂
の減少は四歳よりも後になるのかもしれない 。
助数詞の使用頻度
1
8
3
調
教 80
詞
「
本
」
を 60
使
用
し 40
『つ」
を
使 60
「
つJ
各
助
数 B口
助
「枚』
『
個J
子供の発達と話し言葉の変化
[
2
]
100
100
図3は、母親がひとつの 事 物 当 た り 使 用 し た 助 数 詞 の
一般 的 な 助 数 詞 を 用 い
ω子 供 が ﹁ 一三な ど 、 数 だ け を 述 べ た と き 、 母 親 が
てフィードバックを与える。
﹁二一個ね﹂ 、 ﹁=一つね﹂など、
制子供が﹁ 一
三 など、数だけを述べたとき、母親が
種 類 と 頻 度 を 示 し て い る 。 助 数 詞 の 種 類 は 二、二一、 四歳
で さ ほ ど 変 わ ら な い が 、 頻 度 は 二 歳 児 で 特 に 高 い 。 これ
は、二歳児の母親が三、四歳児の母親よりも、同じ助数
フィードバックを与える。
﹁二一本ね﹂ 、﹁ =一枚ね﹂など、特殊な助数詞を用いて
ω子供が﹁三個﹂、﹁ 三 つ﹂など、
よ う に ﹁ 数﹂ を ﹁
数 十 一般 的 助 数 詞 ﹂ に 置 き 替 え る フ ィ
wや仰の
各 フ ィ ー ド バ ッ ク の 生 起 頻 度 を 図 4に示す。 ω
が適切な助数詞を用いてフィードバックを与える。
平たいクッキ ーに対 する﹁本﹂など) を 用 い た 時 、 母 親
伸子供が不適切な特殊な助数詞 (
スプーンに対する﹁枚﹂、
助数詞を用いてフィードバックを与える 。
いた時、母親が﹁三本ね﹂、﹁三枚ね﹂など、特殊な
一般 的 な 助 数 詞 を 用
詞 を 何 度 も 繰 り 返 し 用 いていることを反映している 。 例
会ニ不そ、 っ。
二歳 児 の 母 一 今 度 は ビ ス ケ ッ ト ど こ に あ る か な 。 ビ
スケットふたつください 。ビスケットふた l っ。
ふた l っちょうだい、ビスケ ット。 ビ ス ケ ッ ト
をふたっちょうだい 。 大 き い の が い い な 、ま l
るいの 。 ふたっちょうだい 。はい、ありがとう 。
)
(﹁つ﹂を五回使用。
四歳児の母一じ ゃあね 、たいらなビスケットを 一枚 。
(﹁枚﹂を 一回使用 。
)
ωや 仰
ー ド バ ッ ク は 相 対 的 に 二、 三歳児の母親で多く、
子供が事物を数えた際、子供が用いた助数詞とは異な
詞の使用を精綴化する方向でフィードバックを変化させ
じて、一般的な助数詞からより特殊な助数調へと、助数
児の母親で多い 。 母 親 は 子 供 の 助 数 詞 使 用 の レ ベ ル に 応
のように特殊な助数詞を含むフィードバックは三、四歳
る助数調を用いて、母親がフィードバックを返すことが
同母親によるフィードバック
あった 。ま た 、 子 供 が 助 数 調 を 用 い ず に 、 数 だ け 述 べ た
ていると言えよ、っ。
数 詞 の種類を制限し 、 子 供 の 年 齢に 応 じ て 制 限 の 度 合 を
以上、縦断研究と同様、母親は幼児に対して用いる助
場 合 、 母 親 が 助 数 詞 を 付 け て フ ィー ド バ ッ ク を 返 す こ と
があった 。 こ の よ う な フ ィ ー ド バ ッ ク は 、 以 下 の よ う に
分類された 。
1
8
4
1
.0
ているらしいこと、母親は助数詞の使用を精綴化する方
変化させること、助数詞使用の変化は母親の方が先行し
人間関係の発達とことばの蛮化
一
向でフィードバックを行っていることなどが示された 。
4
の が 目 的 だ っ た 。 被 験 者 は 日 本 人 学 生 が 二 人 (A、B)、
留学生が三一人 (X、Y、Z) であるoA、B各 々 が X 、Y 、
Z各々とペアになり、﹁日本で安く暮らすには﹂、立をS
留学生)がどの よ う な フ ィ ー ド バ ッ ク を 行 う の か 調 べ る
に優位に立つ者(日本語の場合は日本人学生、英語の場合は
らう。得意な言語、不得意な言語で話した場合、言語的
本語および英語(留学生の母国語)で簡単な会話をしても
がある (ZE
EJPEE--330 留 学 生 と 日 本 人 学 生 に 日
白B
私はかつて安田とともに次のような調査を行ったこと
のレベルに応じた情報を引き出すのだろうか。
プログラムが、完成した言語使用者である母親から自分
しているのだろうか 。 それとも子供の中にある語棄獲得
グラムを持っていて、子供の様子を見ながらそれを実行
た フ ィ ー ド バ ッ ク を 行 う。 母 親 は 精 密 な 助 数 調 教 示 プ ロ
類、頻度を変化させる 。また幼児の助数詞使用に合わせ
母親は幼児の月齢や年齢に応じて、用いる助数詞の種
一
⋮⋮
図 4 母親によるフィードパック
図 3 用いられた助数詞の種類と頻度
個→本・牧
本枚→他
数→本枚
散→個・つ
0
.
0
4歳児の母
3歳児の母
2籍児の母
起
頻 0
.
6
度
4輯児のBl
1事物当たりの助数詞
繰り返し頻度の平均
フ度
種 額 と 頻﹄
q
d
1
8
5
1事物で用いられた
助数詞の種績の平均
。
•
2蝿児の母
3臓児の母
口
口
生 0
.
8
0.
4
子供の発達と話し言葉の変化
4
表 3 発話のカテコリー
カテゴリー
開始
内容
朽l
新しいトピ 7クの
日 え、じゃあまずーっめ 、とういうときに物価が高いって感じますか?
開始
拡張
相手の発話の拡張
(
留 。あの 、
食事をするとか、
それをすごく高いと思います。
)
日 うーん、じゃ 、
時々そういう食事とかもしたりするんですか、
高い。
説明
語句 、
状況の説明
(日.お金の管理というか、そいうのはとういうふうにしてますり
(
留 .ん ワ もう一度。
)
日 あの 、お金、
物価が高いですよね。だか ら使う工夫っていうか、
使い
方っていうか。
相手の百った こと
の言い換え
(
i
z-あの 、だいたい budget英語で budgetていうけど、日本語ではわか
吾い換え
繰 り返し
んない。
)
日 .予算、
予算かな。
i
zそいういう庖には行かない。
)
相手の百った こと (
の繰り返し
日 :行かないんだ。
質問+
新しい情報を問う
日 :貯金とかしてます?
質問
明確化の要求
(日:お金の管理というか、そいうのはとういうふうにしてます?)
留 :ん ワ もう 一度。
答え+
拡張された答え
(
日 :え、じゃあまずーっめ、とういうときに物価が l
白いって感じますか ?)
留 .うーん、
お金 、
お金がだんだん少なくなると 、
やっぱり物価が高いと
思います。
答え ー
「はい 、
いいえ」
の応答
(日 うーん、じゃ時 々
、そういう 、
食事とかもしたりするんですか、
高い。
)
留 .うん、はい。
反応
内容を伴わない
応答
(日 ・あの 、お金、
物価が角いですよね。だから使う工夫っていうか、
使
い方っていうか)
留あ一。
注:
日 は日本人学生、留は留学生の発話を示している 。
白﹁目白
円同町凶℃陸コ刊凹由加。。︻︼陪再開
w
rFDm
u刊 酔
ーなどのトピックで五分ほど
凹
コ
加
一
∞z
参 加 者 の 発 話 を 表 3を も と に 分 類
の会話をした 。
したところ、日本語でも英語でも、
﹁説明 ﹂ した り ﹁言い換え﹂を行った
言語的に優位に立つ者は高い頻度で
り し、話者間のギャップを補ってい
た。 優位に 立 つ日本人学生は新しい
情 報 を 求 め る ﹁質 問 + (
プ ラス )
﹂を
一方 、 優 位 に 立 つ 留 学 生
は明確化を求める﹁質問一 (マイナスこ
多く行い、
を行うなど、日本人と留学生では方
略に違いも見られた 。 だが、いずれ
に せ よ 、 自 分 が 優 位 に 立 つ場合とそ
うでない場合とで、話し方は異なっ
ていたのである 。
会話には、 言 語 的 ギ ャ ッ プ か ら 必
が持 って い る 方 略 と の 両 方 が 関 与 す
然的に 生じ る 話 し 方 の 変 化 と 、 個 人
に与 え 会 う 言 語 情 報が 、 話 し 手 の ど
る の か も し れ な い 。 話 者 同士が互い
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