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電気めっき法により作製した Co/Cu 多層膜の 耐摩耗性

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電気めっき法により作製した Co/Cu 多層膜の 耐摩耗性
日本金属学会誌 第 73 巻 第 4 号(2009)306311
電気めっき法により作製した Co/Cu 多層膜の
耐摩耗性の層厚さ依存性
服 部 智 哉1,2,
兼 子 佳 久1
橋 本 敏1
1大阪市立大学工学研究科機械物理系専攻
2株式会社ジェイテクト研究開発センター
J. Japan Inst. Metals, Vol. 73, No. 4 (2009), pp. 306
311
 2009 The Japan Institute of Metals
Dependence of Wear Resistance on Layer Thickness in Co/Cu Multilayers Fabricated
by Electrodeposition Method
Tomoya Hattori1,2,
, Yoshihisa Kaneko1 and Satoshi Hashimoto1
1Department
2R
of Intelligent Materials Engineering, Faculty of Engineering, Osaka City University, Osaka 5588585
& D Center, JTEKT Corporation, Nara 6348555
Wear processes of Co/Cu multilayers whose component layer thickness h ranged from 10 nm to 250 nm have been investigated. The Co/Cu multilayers were fabricated on polycrystalline copper substrates using electrodeposition method. Sliding wear
tests on the Co/Cu multilayers were carried out in a ballondisk type machine in air at room temperature. Wear resistance of the
multilayers depended strongly on component layer thickness h: a lost thickness of the multilayer of h=10 nm was shorter than
that of h=250 nm by a factor of 5. From surface observation of the worn multilayer of h=100 nm, surface cracks were detected
along lines corresponding to grain boundaries of the copper substrate. The wear process of the multilayers having thicker layers
was certainly promoted by these surface cracks. On the other hand, in the worn multilayer of h=20 nm, the crack formation was
almost suppressed. Accordingly, the layer thickness dependence of the wear resistance could be related to the resistance to surface cracking.
(Received November 19, 2008; Accepted January 19, 2009)
Keywords: cobalt/copper multilayer, nanostructured material, electrodeposition, wear, focused ion beam system, scanning ion microscope
Cu 系について多く報告されている.層厚さをナノスケール
1.
緒
言
に ま で 薄 く す る こ と で , 硬 さ5) や 引 張 強 度6,7) , 疲 労 特
性8,9) ,耐摩耗性1015) が大幅に向上する.しかし, Ni Cu 合
多結晶材料の結晶粒微細化と同様の強化機構は 2 種の薄
金系は全率固溶型であるため,高温環境下ではニッケルと銅
層が交互に高密度に積層された多層膜構造においても期待で
の界面付近で相互に拡散し16,17),積層構造が消失してしまう
きる.優れた強度を示す多層膜を表面にコーティングした材
可能性がある.容易に合金化しない組み合わせを用いれば,
料の摩擦・摩耗特性に関する研究は物理蒸着法によって成膜
摩擦時の発熱にも耐性がある多層膜コーティングの実現が期
された窒化物系について多く報告されており13),層厚さを
待される.我々は,合金化しにくい組み合わせの多層膜とし
ナノスケールにまで薄くすることで優れた摩擦・摩耗特性が
て Co / Cu 系 に 着 目 し た . Co / Cu 多 層 膜 は , そ の 成 膜 方
得られている.しかし,物理蒸着法による成膜は真空中加熱
法1820) や 磁 気 特 性2022) に 関 す る 研 究 が 多 く 報 告 さ れ て い
雰囲気下で行われるので,比較的高コストであり,基板材質
る.しかし,その機械的特性に注目した研究は少ない23) .
や形状に対する制限も多いという課題がある.
本論文では,電気めっき法によって作製した Co/Cu 多層膜
金属の多層膜構造は電気めっき法によっても作製すること
の耐摩耗性向上に対する有効性を確認するために,室温での
ができる.一般に電気めっきは室温大気中での処理なので,
摩耗特性をまず調査した.特に,耐摩耗性および摩耗の進行
基板材料の大型化が容易でかつ低コストである4).したがっ
過程の層厚さ依存性に着目した.
て,電気めっき法による多層膜においても優れた強度特性を
得ることができれば,一般的な機械部品の摩擦・摩耗特性向
上への応用が期待できる.
電気めっき法により作製された多層膜の機械的特性は Ni/
大阪市立大学大学院生(Graduate Student, Osaka City University)
実
2.
2.1
験
方
法
試験片の準備
Co/Cu 多層膜の基板には 1073 K で 2 時間真空焼鈍した純
度 99.99 mass の多結晶純銅を用いた.銅基板の平均結晶
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号
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電気めっき法により作製した Co/Cu 多層膜の耐摩耗性の層厚さ依存性
粒径は約 120 mm である.焼鈍後,基板の表面にエメリー紙
した.すなわち,ファラデーの法則を用いて電気量と析出物
による研磨と電解研磨を施した.Fig. 1 に示すように,成膜
の厚さとの関係をあらかじめ決定しておき,測定している電
する領域は直径 10 mm の円の内側とし,それ以外の領域は
流を時間に対して積分することによって得られる電気量が目
ラッカー塗装により絶縁した. Co / Cu 多層膜は単一浴槽か
標の値になれば他方の金属の析出に適した電位に切り替える
らの電気めっき法により成膜した.めっき液の組成を Table
という作業をコンピュータで自動的に繰り返すことによっ
1 に示す.成膜中のめっき液の温度は 303 K に保持した.コ
て,任意のコバルト層および銅層の層厚さを有する多層膜を
バルトイオンと銅イオンを含む溶液を用いためっきでは,析
作製した.本研究では,コバルトと銅の層厚さの比は 1 1
出物の成分は析出電位に依存する. Fig. 2 に Co/ Cu 多層膜
とし,コバルト層および銅層の層厚さが h=10, 20, 50, 100,
の成膜時の電位波形を示す.高い電位を与えた場合にはイオ
250 nm を目標とした 5 種類の多層膜を準備した.多層膜全
ン化傾向が低い銅のみが析出する.一方,電位が低い場合に
体の厚さは約 3 mm を目標とした.また,同一のめっき液を
は銅とコバルトの両方が析出するが,溶液内の銅イオン濃度
用いてコバルトのみをめっきした試料も準備した. Co / Cu
が低いため,コバルト成分が多い CoCu 合金となる. EDS
多層膜およびコバルトめっき材の結晶構造は X 線回折
分析23) ではこの合金の成分は
Co 4at.Cu であったが,本論
( XRD )装置により解析した. X 線発生部のターゲットはコ
文では単に Co と表記する.多層膜内のコバルト層および銅
バルトである.試験片表面は共焦点走査型レーザー顕微鏡
層の層厚さ h は電気めっき中に電流を測定することで制御
( LSM )および光学顕微鏡により観察した.集束イオンビー
ム( FIB )装置により多層膜を切断し,その断面を FIB に付
属の走査型イオン顕微鏡(SIM)を用いて観察した.層厚さが
薄い h = 10 および 20 nm の多層膜の観察には透過型電子顕
微鏡(TEM)を用いた.
2.2
摩擦試験
摩擦試験はボールオンディスク試験機を用いて行った.
Table 2 に試験条件を示す.試験は室温大気中,無添加鉱油
潤滑下で行った.試料表面に 5 N の負荷を与えた直径 4.8
mm の SUJ2 製ボールを押し付け,回転半径 r = 3 mm ,す
べり速度 v = 1.6 × 10-2 m / s で n = 3000 サイクル回転させ
た.層厚さ h =20 nm および 100 nm の試験片については,
摩耗の初期における変形や損傷を観察するために n=300 サ
イクルの試験も行った.
Fig. 1
A schematic illustration of a copper substrate.
実験結果と考察
3.
3.1
Table 1 Chemical composition of a solution for the electrodeposition of Co/Cu multilayers.
Chemicals
Concentration
CoSO4・7H2O
CuSO4・5H2O
H3BO3
543 g/L
3 g/L
30 g/L
Co/Cu ナノ多層膜の構造
Fig. 3 に XRD 測定の結果を示す.コバルトめっきでは室
温での安定相である最密六方(hcp)構造と高温での安定相で
ある面心立方格子( fcc)構造の両方の回折ピークが確認でき
た.一方, Co / Cu 多層膜におけるコバルトのピークは fcc
構造のもののみであった.電気めっき法により作製された
Co / Cu 多 層 膜 中 の コ バ ル ト 層 は fcc 構 造 で あ る と の 報
告20,21,24)と一致する.
Fig. 4 に,h=20 nm および 100 nm の Co/Cu 多層膜表面
の LSM 観察結果および表面形状を示す.多層膜の表面は銅
基板の結晶方位の影響を受け,結晶粒ごとに粗さが異なるこ
とがわかる.また,平均高さ z が異なることから, Co / Cu
Table 2
Load, P/N
Rotating radius, r/mm
Sliding velocity, n/m/s
Temperature, T/K
Fig. 2 A potential waveform for the electrodeposition of Co/
Cu multilayers.
Counter specimen
Lubricant
Wear test condition.
5
3
1.6×10-2
293±2
AISI 52100 steel ball
(q 4.8 mm, HRC 62
65)
Mineral oil (ISO VG8)
308
日 本 金 属 学 会 誌(2009)
第
73
巻
多層膜の成長速度が銅基板の結晶方位に依存することが示唆
を示す.層厚さと摩擦係数の間には特徴的な関係は認められ
される. Fig. 5 に成膜した Co /Cu 多層膜およびコバルトめ
なかった.摩擦試験後, SIM を用いて摩耗痕直下の多層膜
っきの断面を示す.全ての層厚さの多層膜で積層構造が明瞭
断面を観察し,摩耗によって減少した多層膜の厚さ Dt を調
に確認できる.
べた.摩耗厚さ Dt は試料ごとに 4 箇所測定し,その平均を
3.2
摩擦試験
Table 3 に n=3000 サイクルの試験中の摩擦係数の平均値
求めた. Fig. 6 に n = 3000 サイクルの試験での層厚さ h と
摩耗厚さ Dt との関係を示す.層厚さ h が 100 nm 以上の多
層膜およびコバルトめっきでは,めっき膜が消失し,銅基板
が表面に露出している部分があった.したがって,それらの
試料については摩擦試験前のめっき膜の厚さを摩耗厚さとし
た.層厚さ h が 50 nm では摩耗厚さ Dt は約 1 mm に減少し
た.また,層厚さ h が 10 nm および 20 nm の試料では Dt<
0.5 mm と摩耗が少なく,摩耗厚さ Dt は h = 100 nm や 250
nm のそれの 1/5 以下であった.以上の結果より,Co/Cu 多
層膜の摩耗厚さ Dt は層厚さ h に強く依存しており,層厚さ
が薄いほど耐摩耗性が向上することが確認された.
3.3
摩擦表面および断面の観察
Fig. 7 に n = 3000 サイクルの摩擦後の h = 20 nm および
100 nm の試験片の摩耗痕中央付近における断面の SIM 写真
を示す.層厚さ h=20 nm の試験片は基板近くでは試験前の
構造を維持していた.一方, h = 100 nm の試験片では,部
分的に基板が表面に露出し,さらに多層膜の断片が基板内部
に侵入しており,非常に大きな変形を受けていることがわか
る.
Fig. 7 のような摩耗損傷に至る過程を明らかにしていくた
めに, h = 20 nm と 100 nm の多層膜について n = 300 サイ
クルの摩擦試験を行い,摩耗の初期段階での多層膜の損傷を
Fig. 3 XRD profiles of the Co/Cu multilayers and electrodeposited cobalt.
Fig. 4
調べた. Fig. 8 に摩耗痕表面の光学顕微鏡写真を示す. h =
100 nm の多層膜では,銅基板の粒界に沿った多数のき裂が
(a) LSM images showing the surfaces of the Co/Cu multilayers with h=20 nm and 100 nm, and (b) surface profiles.
第
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号
電気めっき法により作製した Co/Cu 多層膜の耐摩耗性の層厚さ依存性
Fig. 5
Table 3
Specimens
h= 10 nm
h= 20 nm
h= 50 nm
h=100 nm
h=250 nm
Cobalt plating
309
Cross sections of the asdeposited Co/Cu multilayers and the electrodeposited Co.
Average friction coefficients.
Friction Coefficients
0.17
0.20
0.15
0.21
0.21
0.18
観察された.一方,h =20 nm の多層膜の表面にはき裂は観
察されなかった.
Fig. 8 の h = 100 nm の摺動部表面で観察されたき裂の進
展の様子を調査するために,FIBSIM を用いてき裂部を含
む領域を切断し,その断面の観察を行った結果を Fig. 9 に
示す.多層膜だけではなく基板も大きく塑性変形しているこ
とがわかる.また,表面で観察されたき裂は内部に向かって
Fig. 6 Layer thickness dependence of wear depth. For the
multilayers of h=100 nm, 250 nm and Co plating, the copper
substrates were exposed to the worn surface, which are indicated by arrow. Thus, original thicknesses of the electrodeposited
films are adopted as the wear depth in these specimens.
進展している.
電気めっき法によって成膜された Co / Cu 多層膜の硬さ
は,層厚さ h = 20~ 500 nm の範囲では層厚さが薄いほど高
に,今回試験した層厚さの範囲では層厚さが薄いほど強度が
い25) .また,その他の金属の交互の積層からなるナノ構造
高いと考えられる.
材料においても,層厚さの減少にともなって硬度5,26)や引張
層厚さ h = 20 nm の多層膜ではサイクル数 n = 3000 にお
強さ6,7,27) が増加することが実験やシミュレーションによっ
いても基板近くでは初期の積層構造を維持していた.このこ
て示されている.本研究の Co / Cu 多層膜もこれらと同様
とは,h=20 nm の多層膜の強度が高く,き裂発生に必要な
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日 本 金 属 学 会 誌(2009)
第
73
巻
Fig. 7 SIM images showing cross sections below the worn surfaces of the multilayers of (a) (c) h=20 nm and (b) (d) h=100 nm,
after the sliding wear of 3000 cycles. In the case of h=100 nm, the multilayer was fragmented by severe deformation of the copper
substrate, and therefore the substrate was partially exposed to the worn surface.
Fig. 8 Optical microscope images of the worn surface of the Co/Cu multilayers of h=20 and 100 nm, after the sliding wear of 300
cycles. An arrow indicates a surface crack.
変形量に至らなかったためと考えられる.一方,強度が比較
と同様なき裂の発生および多層膜のはく離が生じると考えら
的低い h = 100 nm の多層膜では,摩擦によって多層膜が大
れる.本研究の垂直荷重では h=20 nm の多層膜の摩耗厚さ
きく塑性変形するために,Fig. 4 に見られるような粒界上の
Dt は h=100 nm のそれの 1/5 以下であったが,異なる条件
段差がき裂核となったと考えられる.この大きな変形を受け
ではこの摩耗厚さの比も変化すると考えられる.しかし,層
ている領域に沿ってき裂が基板内部にまで進展することで,
厚さの薄い多層膜は強度が高いので,垂直荷重が変化して
表面き裂が基板にまで進展,多層膜が基板からはく離し,最
も,その耐摩耗性は少なくとも層厚さの厚い多層膜よりは優
終的に Fig. 7 で見られたような複雑な構造になったものと
れていると期待される.また,粒界での段差が多層膜はく離
考えられる.
の核となることから, Co / Cu 多層膜の耐摩耗性を向上させ
粒界に沿った段差がき裂発生の原因であれば,h=100 nm
の多層膜と同程度の段差が粒界に存在する h=20 nm の多層
膜においても垂直荷重を大きくすれば h = 100 nm の多層膜
るためには,溶液や電位波形などの成膜条件を改善すること
によって段差を低くすることが重要と言える.
4
第
号
電気めっき法により作製した Co/Cu 多層膜の耐摩耗性の層厚さ依存性
Fig. 9
結
4.
SIM image showing the cross section which contained the surface crack.
言
電気めっき法によって層厚さ 10 nm  h  250 nm の Co /
Cu 多層膜を成膜した.これらの試験片に対し油潤滑下で摩
擦試験を行い,耐摩耗性の層厚さ依存性および摩擦試験後の
多層膜の微視的構造の層厚さ依存性を調査した結果,以下の
結論を得た.


層厚さが 10 nm と 20 nm の Co/Cu 多層膜は優れた耐
摩耗性を示し,摩耗にともなう多層膜の膜厚の減少は 1 mm
以下であった.層厚さが 20 nm 以上では耐摩耗性は層厚さ
に依存し,層厚さが厚いほど膜厚の減少は大きくなった.層
厚さ 10 nm の多層膜の摩擦による膜厚の減少は層厚さ 250
nm のそれの 1/5 以下であった.


本研究の試験条件では, Co / Cu 多層膜の摩耗過程は
層厚さによって異なった.層厚さが厚く強度の低い多層膜で
は,摩耗痕表面にき裂が発生し,このき裂が進展してはく離
することで大きな摩耗が生じていた.一方,層厚さが薄く強
度の高い多層膜では摩耗痕表面にき裂は観察されなかった.
このように,多層膜の強度によって摩耗過程が異なること
が,耐摩耗性が層厚さに強く依存する原因となっていた.
本研 究は日 本学 術振興 会科 学研究 費補助 金, 基盤 研究
(C),課題番号 20560674 の助成を受けた.
文
311
献
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