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2008 年 10 月7日
株式会社ケアネット
News Release
報道関係各位
「高血圧治療」に関する 5 年間の医師調査より~
薬物治療開始血圧値、降圧目標値ともに 年々低下傾向
後期高齢者の薬物治療には、45.3%の医師がまだ消極的
株式会社ケアネット(本社:東京都文京区、代表取締役社長:詫摩直也)では、自社のインターネットによる調
査システム「e リサーチ
TM
」を用い、高血圧症に関する医師の治療意識についての調査を、2004 年より毎年
実施してまいりました(『ケアネット高血圧白書』)。このたび、本調査項目の中から、「薬物治療開始血圧値」
と「降圧目標値」に関する 5 年間におよぶ調査の結果がまとまりましたのでお知らせします。
薬物治療開始血圧値
(mmHg)
160
(mmHg)
降圧目標値
142.7
●
160.4
●
157.3
●
155.1
■
155.5
●
153.5
■
152.2
■
▲
150
151.8
▲
150.4
▲
149.5
155.6
●
137.4
■
● 153.9
152.3
■
▲
149.7
●140.5
140
139.0
●
138.3
● 138.4
●
137.0
■
135.7
■
■ 150.6
133.3
▲148.5
▲
135.1
■
■ 135.0
133.5
▲
132.3 132.0
▲
●
▲
▲132.1
2007
2008(年)
130
2004
2005
2006
2007
2008 (年)
75歳以上
■
65~74歳
▲
2004
2005
2006
【調査概要(2008 年)】
調査対象 : 医療専門サイト「ケアネット・ドットコム」の会員医師 8 万人から抽出した 6,000 人
回答者 : 高血圧症患者を毎月 10 例以上診察している医師 507 人 (500 人を目標に回収)
(診療形態:勤務医 67.3%、開業医 32.7%/診療科:一般内科 43.8%、循環器科 22.1%、その他 34.1%)
調査期間 : 2008 年 6 月 23 日~27 日
調査項目 : 薬物治療開始血圧値、降圧目標値、降圧薬処方割合、第一薬選択における重要視項目、
主な降圧薬の使用率・処方理由・満足度 など
65歳未満
■【ケアネット高血圧白書 2008】概要(一部抜粋)
2004 年に「高血圧治療ガイドライン 2004(JSH2004)」が発行され、それ以降も大規模介入試験の結果が発表
されるなど、ここ数年で日本の高血圧症治療の現状は大きく変わっています。こうした中、医師の治療に対す
る意識の変化を捉えるために、ケアネットでは 2004 年から高血圧症治療に関する医師の意識調査を毎年実
施し、『ケアネット高血圧白書』としてまとめてまいりました。このたび、本調査項目の中から、「薬物治療開始
血圧値」と「降圧目標値」に関する 5 年間におよぶ調査の結果が得られました。概要は下記の通りです。
1. 「薬物治療開始血圧値」は、5 年間で 6.5~3.3mmHg 低下
患者年齢が高いほど薬物治療の開始血圧値(平均)は高めだが、その値は年々低下しており、薬物
治療に対し、積極的になっている傾向がうかがえる。
・
75 歳以上患者: 160.4mmHg(2004 年)→153.9mmHg(2008 年)
・
65~74 歳患者: 155.1mmHg(2004 年)→150.6mmHg(2008 年)
・
65 歳未満患者: 151.8mmHg(2004 年)→148.5mmH(2008 年)
2. 「降圧目標値」も、5 年間で 4.3~1.2mmHg 低下
患者年齢が高いほど治療の目標血圧値(平均)は高めだが、その値は年々低下しており、血圧コント
ロールの重要性への認識が高まっていることがうかがえる。
・
75 歳以上患者: 142.7mmHg(2004 年)→138.4mmHg(2008 年)
・
65~74 歳患者: 137.4mmHg(2004 年)→135.4mmHg(2008 年)
・
65 歳未満患者: 133.3mmHg(2004 年)→132.1mmH(2008 年)
3. 後期高齢者の薬物治療には、まだ消極的
75 歳以上の後期高齢者に対しては、160mmHg 以上になってから薬物治療を考慮する医師が全体の
45.3%にのぼった(2008 年調査)。つまり、患者の血圧が 140、150mmHg 付近の段階では薬物治療を
開始せず、食事や運動など生活習慣の改善指導を数ヶ月試み、やがて血圧が 160mmHg 付近に達し
た時点で、ようやく薬剤処方を検討する医師が半数近く存在するものとみられる。後期高齢者の薬物
治療においては、まだ消極的な医師が多いことがうかがえる。 (*添付の「参考資料」に関連情報)
株式会社ケアネット
1996 年創業の医療情報サービス企業。1998 年 7 月より日本初の医療専門 CS デジタル衛星放送『ケアネッ
ト TV・メディカル Ch®』を開局(スカイパーフェクTV!772ch.)。2000 年にインターネット事業に進出。以降、イ
ンターネットによる市場調査システム『e リサーチ
TM
』、インターネットによる医薬情報提供システム『eディテー
®
リング 』、会員制医療専門サイト『ケアネット・ドットコム』等を開発してまいりました。ケアネットは、変革期にあ
る医療界において、価値ある情報・サービスを提供することにより、日本の医療に貢献します。
本件に関するお問合せ先
株式会社ケアネット 広報担当: 武井 ・ 斎藤
〒113-0033 東京都文京区本郷 4-37-17 大間ビル
電話:03-6801-0136 (直) FAX:03-6801-0131
E-mail:[email protected]
会社情報 http://www.carenet.co.jp/
『ケアネット・ドットコム』 http://www.carenet.com/
【参考資料】
■ 「高血圧治療ガイドライン(JSH)」の変遷
□ 薬物治療開始血圧 (収縮期血圧/拡張期血圧)
JSH2000 (2000 年)
60-69 歳: 140~160mmHg 以上/90mmHg 以上
70-79 歳: 160~170mmHg 以上/90mmHg 以上
80-89 歳: 160~180mmHg 以上/90mmHg 以上
JSH2004 (2004 年)
患者年齢に関わらず、生活習慣の修正を指導し、1~3ヵ月後に 140/90mmHg 以上なら降圧薬治療を開始
すべき。(65 歳以上は合併症などの危険因子が何もなくとも中等リスクとなるため、1ヵ月後に開始)
糖尿病を合併しているなどリスクの高い患者ではただちに降圧薬治療を推奨。
※ 後期高齢者における薬物治療について
「JSH2004」では、生活習慣の改善を 1~3 ヵ月指導しても上の血圧が 140mmHg かつ下の血圧が 90mmHg
に達成しない場合は、薬物治療を開始すべきとしている糖尿病などを合併している場合は生活習慣の修正
指導とともに薬物治療を開始することを推奨)。また、今年、「80 歳以上の高血圧患者に対しても薬物治療に
よって、脳卒中、心不全の発症率を抑えることができ、死亡率も低下する」というデータ(*)が発表されており、
これらの背景を踏まえると、後期高齢者の薬物治療に関しては、まだまだ消極的な医師が多いといえる。
(*「The New England Journal of Medicine」 2008 年 5 月 1 日号)
□ 降圧目標 (収縮期血圧/拡張期血圧)
JSH2000 (2000 年)
60-69 歳: 140mmHg 以下/90mmHg 未満
70-79 歳: 150~160mmHg 以下/90mmHg 未満
80-89 歳: 160~180mmHg 以下/90mmHg 未満
JSH2004 (2004 年)
65 歳未満: 130mmHg 未満/85mmHg 未満
65 歳以上: 140mmHg 未満/90mmHg 未満
(150mmHg 未満/90mmHg 未満を暫定降圧目標とする)
■ 「高血圧治療ガイドライン 2009(JSH2009)」について
2009 年 1 月、日本高血圧学会により「高血圧治療ガイドライン 2004(JSH2004)」が 5 年ぶりに改訂され、「高
血圧治療ガイドライン 2009(JSH2009)」が発行される。この改訂では、2004 年以降に発表された海外の大規
模介入試験だけでなく、日本人を対象とした大規模介入試験もエビデンスとして取り入れられることになって
おり、注目が高まっている。
なお、この新しいガイドラインの草案は、2008 年 10 月 9 日より札幌で開催される「第 31 回日本高血圧学会学
術総会」にて議論される予定である。
【お問合せ先】 株式会社ケアネット IR・広報室 武井・斎藤
TEL:03-6801-0136
[email protected]
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