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地方行政刷新と元気なまちづくり

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地方行政刷新と元気なまちづくり
地方行政刷新と元気なまちづくり
町線、東武東上線が交通機関で、 典型的な
ていました。それはそうでしょう。 流れ作
ベッドタウンになっております。 私は石垣
業になると元気がなくなります(笑)。そう
島の人達に「こんな素敵で恵まれた地域環
いうことで、川越市という (徳川) 家光の
境を持っていて、これからはもの凄く伸び
育ったところですが、そこでだいたい 40 億
るだろうな。私の年齢もそうですが、そろ
円ぐらいの仕事をしております。 言ってみ
そろ都市近郊は黄昏かかってきてしまい、
れば主な生計は病院と学校経営で、 市長は
新しい時代が沖縄をはじめ、 こういう地域
副業という形になっております。
から始まってくるのではないか」 といつも
私は議員から市長になり、 すごく反省し
言っています。とても素敵なところであり、
て い るこ と があ り ます 。 そ れ は県 議 会で
膨大な環境財産を持っています。 もちろん
「県民の立場」などといろいろ言いましたが、
基地という日本の縮図のような辛さもある
当時は今ほどは気が付きませんでした。距
でしょう。しかし、これだけの環境を持ち、
離が遠いとあまり気が付かないものです。
これだけの財産を持ち、 これだけ人情に厚
しかし市長になると、 毎日市民の皆さんに
く、 しかも高い失業率ではありますが決し
会うので、この人達から月給をもらってい
て顕在化をせず、親戚や友達みんなで助け
ると思うと、本当に肩の荷が重いという感
合う土壌を持っている沖縄は、私は今後、
じがします。
日本で人間が住むことができる地域の中心
市町村は自治法上では基礎的自治体と位
的な原動力になっていくのではないかと思っ
置付けられていますが、もうそろそろ変わっ
ています。
た方がいいと思っています。 私は建設業者
私ども (志木市) は、残念ながら海もな
や商売をやられている方、 また市民の方々
ければ山もなく、 緑も少なく、 帰って寝る
とよく話をします。国家予算が 83 兆円前後
だけという感じです。 私は先ほどご紹介あ
でしょう。自治体(各都道府県) を合わせ
りましたが、元々県庁の出身です。 ちょう
ると 110 兆円程度だと思います。 その内の
ど私の同期が、いま最後の同期生で副知事
55∼56 兆円を市町村が分担をしています。
をやったり教育長をやったりして優秀です。
110 兆円のお金は全部皆さんのお金なのです。
私は優秀ではなく 2 年半ぐらいで辞めまし
例えば基地交付金は国のお金だと言います
た。
が、 そんなことはありません。 皆さんが所
その後、 今の志木市役場職員になり、市
得税で取られたお金をただ配っているだけ
議会議長や県議会議長をやり、 県連の幹事
ですから、元はといえば私たちのお金です。
長も経験し、比較的役職には恵まれている
ですから、そのお金をどういうふうに住民
方でした。プライベートなことで大変恐縮
の皆さんが使うかということです。 もちろ
ですが、私の実家はお寺ですが、 私はその
ん国家という大事な役割の部分の仕事もあ
反対側の病院経営と学校経営をやっており
るでしょう。しかしそれは僅か 83 兆円で、
ます。母は 「志木市では病院経営はダメだ
地方の方が 110 兆円と多いのです。ですか
よ。なるべく離れたところがいい」 と言っ
ら住民の皆さんがどういうふうに自らが運
3
第134回琉球フォーラム講演会
営をして使っていくか、 本来そういうふう
にならなければいけないと思います。
しかし、オーナーである住民の皆さんが、
志木市は今、 ピンチをチャンスに変えよ
うと、 4月 1 日から職員総出で市民との対
話集会を開いています。 やはり改革は、お
なんとなく評論家になってしまって、文句
金がなくならないとダメです。 会社もそう
は言うけれども自らが運営しているという
でしょう。私も実は昨年 5 月にリハビリテー
自覚がありません。ここのところをお互い
ション病院を作りました。 一般病院と違っ
に行政も反省すべきだし、 多くの住民の皆
て特殊な病院ですので、 最初は、 なかなか
さんも、考え方を改めるべきではないかと
住民の皆さんは分りませんでした。 しかし
私は思っています。
世の中というのはおかしなもので、 長嶋茂
雄さんには怒られますが、彼が(脳梗塞で)
非 営 利の 独 占サ ー ビ ス業
倒れた途端に待機患者が 100 人∼150 人も出
てきました。一流の病院に行くよりも、や
市町村はまちがいなく、 限りなく民に近
はり専門病院に行かないとダメだという理
く、一部分として公を持っています。言い
由からです。長嶋さんを広告に使っては申
変えれば、非営利的独占的企業体でサービ
し訳ないのですが、こう考えると世の中と
ス企業です。ただ、(完全なる民間企業と)
いうのは本当に面白いものだと思います。
ちょっと違うのは、プラス特殊性があるこ
こういうふうに、 民間はどんどんひとつ
とです。しかも僅かに公権力の及ぼす場合
のアクションによって変わってきます。し
もあります。もうひとつは社会的に恵まれ
かし全然変わらないのは行政システムです。
ない方、お体の不自由な方もいるでしょう。
驚くなかれ、50 数年変わらないのです。50
あるいは水が出る水害の地域もあるでしょ
数年というと、会社だって変わったし、家
う。それは皆さんの少数意見ですから、民
庭だって社会環境だって変わってきました。
間企業とやや違うのは、例えば 100 とすれ
そして 2006 年からいよいよ人口減少国家に
ば 10∼15 の間にそういう特殊性があります。
なります。それだけ変わってきたにもかか
それだけの違いで、あとはほとんど一緒で
わらず、行政システムだけは全く変わらな
す。ですから、 逆に民間と考えた方がいい
いのです。なぜか。人のお金で運営してい
のです。二十一世紀の市町村の経営という
るものですから、変えようとしないという
のは、 そういう逆の発想から始まってくる
のが大きな理由です。
と思います。そして皆さんが出したお金、
もちろん市民税や国税と両方合わせた予算
収入 400 万円で 800 万の支出
で市町村は運営されていますから、 そのお
金を皆さんがどう使うのかという発想から
それともうひとつ、 国が大きな保護者で
取り組み、自己責任を持つ市町村を作り上
したから「いいよ、いいよせがれ。 そんな
げていく時代が、もう目の前に来ていると
にお金が要るなら何とかしてあげるよ」と、
思います。
湯水を使うごとく市町村にお金を配りまし
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地方行政刷新と元気なまちづくり
た。もちろん国と地方の役割は、 国が4割
う国は日本だけです。50 数年前に日本がやっ
の仕事で6割のお金 (税金) を取っていま
た地方行政システムは、 外国ではどんどん
す。 地方自治体は6割仕事を請け負ってい
変えられています。アメリカもイギリスも
るのに4割しか国はお金をくれないと言っ
オーストラリアもカナダもそうですが、依
ています。もちろんこれは是正しないとい
然として日本だけが変わっていません。も
けません。しかし、地方交付税の特別会計
う日本も普通の国に (行政システムを)変
は 50 兆円もの穴が空いてしまいました。足
えなければ、皆さんの貴重な税金が非効率
らないものですから、 一般会計からどんど
で無駄に使われてしまいます。 しかも住民
ん借金をして市町村に配りました。そして、
自治が成り立たない事態になってきていま
いよいよ国もお金がなくなってきました。
す。 皆さんの会社で自分が株主だという意
そこで開き直って 「もう、ない袖は振れな
識で、 例えば建設業者であれば仕事をもら
いよ」となりました。市民の皆さんといつ
うのではなくて、その予算をどういうふう
も話をしますが、400 万円の収入で 800 万円
にみんなで分けるかというふうに考えて経
の家計支出があって、 ローン残高が公称で
営に参加をし、株主として当然の権利行使
7,000 万円もあれば、普通の家庭ならば逃げ
をするというふうに考えていただいた方が
出したくなります。 今、国がだいたいこん
いいと思っています。
な状況です。40 兆円(の税収)で約 80 兆円
の支出があります。しかも公称で 700 兆円
シ テ ィー ・ マネ ー ジ ャー
の借金があります。これでは「このままいっ
たらどうなるんだろう」 と、 少しは考えま
次に私どもの理念を若干申し上げます。
す。そうなってくると、いよいよこれは仕
とてもシンプルです。 私は市長に就任して
組みを変えてきます。 これは小泉首相の骨
市民の皆さんにまずこう言いました。「市民
太の方針にもあるでしょう。しかし (私か
の皆さん、忘れないで下さい。私はメイヤー
ら見ると)どうもまだ危機感がないです。
実は志木市は収入役の廃止を提案しまし
た。市町村長の廃止も出しました。 だいた
(Mayer) だけれども、メイヤーという意識
はあ りませ ん。 シテ ィー・マ ネージ ャー
(City
Manager)としての意識はあります。
い、 こんな二元性をやっている基礎的自治
皆さんはオーナー(Owner)ですよ」と言い
体は日本だけです。市長がいて議会がある。
ました。ところが、そう言ったものですか
猛烈にお金がかかります。 議会は一年間に
ら、 最初文句ばかり言ってきたオーナーが
必ず 4 回開かれますから、(市役所は)約 60
いました。毎日同じことを言いに1週間も
日間は開店休業、窓口はいますが頭脳停止、
来たものですから、仕事がはかどらないの
職員はみんな議会の方だけを見てしまいま
でもう次からは来てはいけない、 と言いま
す。60 日間議会へ行って、土曜日曜日と祝
したら来なくなりました。 ちょっと特殊な
祭日を休みますから頭脳はほとんど動いて
社会の方だったのでしょう。
いません。議員さんがいて市長がいるとい
いつも言うのは、 オーナーとは自覚と責
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第134回琉球フォーラム講演会
任があり、しかも建設的な人であって、一
ようというところから、 まちの興りが出来
方的な人はオーナーではありません。今は
てきました。集落ができ、自ずから役割分
普通に戻りましたが、 間違いなく皆さんが
担が出来てきました。 そんなまちの興りな
オーナーであり私はシティー・マネージャー
のに、市長や町長、村長が偉いようなシス
であるということに変わりはありません。
テムに進化してきてしまいました。 これは
では、 どういうコンセプトを持っている
私は間違った進化だと思っております。
か と 申し ま すと 、 私 ども の コ ンセ プ トは
ですからそういう形を元に戻すというこ
『二十一世紀型村落共同体』と位置付けてい
とから、二十一世紀型の村落共同体で、私
ます。昔の村落共同体は 『まち』 の興りで
た ち の 志木 市 は 市民 が 作 る とい う 意 識で
す。ロンドンであっても東京であっても、
『市民がつくる市民の志木市』と、あっちこっ
まちの興りは村落共同体の進化からです。
ちに大きく貼ってあります。 目で見れば毎
昔はみんなでやりました。 川があって渡れ
日忘れないものですから、 そういうコンセ
ないと、力のある人は山へ行って木を切っ
プトで今、行政を進めています。 けして志
てきて、ご婦人など力のない人は縄を編ん
木市だけがおかしい動きではなく、
(むしろ)
で (橋を懸け) みんなで向こう岸とこっち
当たり前の動きであり、 普通の国の仕組み
の岸が往来できるようにしました。 ロンド
であり、地方行政体の仕組みです。 日本だ
ンで言えば、馬や牛が辺り構わず糞尿を撒
けが特殊であり、変な国であるとご理解い
き散らすので、 みんなで整理(掃除) をし
ただければと思います。
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地方行政刷新と元気なまちづくり
今、 志木市では 「地方自立計画」 という
に市民 と密着していこ う、 530 人の職員を
のを打ち出しています。530 人の職員がいま
50 人にして、あとは全部市民に仕事をやっ
すが、 もうお金がなくてどうしようもない
てもらおうとしています。 地方自立計画の
のです。志木市の一般会計総額は、 借換債
ひとつ行政パートナー制度というのを去年
を除くと157億円ぐらいですが、直接人件費
の8月から導入しました。 最初は就任後す
が 45 億円、人件費的経費を入れると 70 億
ぐにトップダウンで出したものですから、
円ぐらいになります。90 億円の税収ですか
あちらこちらから文句が出て 「どうも変な
らけっこういいのです。 特定財源を除くと
市長が来た」と言われました。25 人学級と
135 億円ですから、財政力指数は 0.8156 あ
か、 公共事業の市民選択権保有条例、 ある
ります。非常にいい。 しかし、 お金はあり
いは第二の市役所審議委員会などを作りま
ません。都市近郊は志木市だけではない。
した。 それぞれ作ったまでは良かったので
例えば川崎市なども最近地下鉄の建設を止
す。出だしは良かったのですが「530 人を 50
めました。国からもOKになって (建設許
人にするというのは何をするのだろう」と
可が下りて)、地下鉄をつくる寸前になって
市民の皆さんも随分懐疑的でした。 職員も
止めました。なぜ止めたかというと、住民
「俺たち必要ないのか」という話にもなりま
に聞いたら「地下鉄は要らない。 市民税な
した。就任して 2 年 10 カ月が経ち、ようや
んだかんだで苦しいので地下鉄は止めよう」
く市民も職員も議会も分ってきました。
ということになったそうです。 サンプラザ
私は全ての施策を全部条例化しています。
がある中野区もガタガタで、この間、来て
なぜかというと、 市長職というのは、 そん
くれと言われて行ってきました。 あそこは
なに長くやるものではないと思っています。
特殊ですが、あれだけ税収があっても苦し
最長でもアメリカ大統領の任期と同じ二期
いそうです。なぜかというと、 単年度収支
8年でしょう。体力のある人は別ですが、
で予算執行するものですから、 どんどんお
こちらはあまり体力がないものですから、
金を使って借金を増やして、 気が付いたら
早ければあと 1 年 2 カ月です。 そうなると
大赤字の財政になっていたという状況です。
今まで採ってきた施策が良いか悪いかを判
別にどこが良いとか悪いとかはないので
断するのは市民の皆さんです。 ですから自
すが、 やはり放漫経営のツケがいま来てい
分が分るように全部条例化してあります。
るといっても、ある意味では過言ではない
先ほどの 530 人を 50 人にして、あとは市民
と思っています。 これから新しい時代に、
に仕事をやってもらうという志木市市民と
新しい行政の有り方が問われてくると思っ
の協働による行政運営推進条例というのを
ています。
作って、議会にも発表し皆にも発表しまし
た。 すると、 いろいろなところから反対の
行政 パー トナ ー制 度
声が挙がりました。 しかし、 私は元々県庁
の職員だし、足立町(今の志木市)の職員、
私ども志木市は、 先ほど言いましたよう
市議会議員も経験していますので、 私が一
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第134回琉球フォーラム講演会
番よく知っていると言い切っても大丈夫で
主導と閉鎖性の二つが原因です。 例えば助
す。 それで職員に、 全部で 927 の事業を本
役という言葉がありますが、 皆さんはほと
当に公務員がやるべきものなのか、 外へ出
んどの方が知っていると思いますが、大学
してもいいもの (アウトソーシング)か、
生に聞いてもほとんど分からないと思いま
その検証をやりました。 全ての法令を全部
す。この間、大学教授が「何か良い案はな
調べ、ありとあらゆる面から調べました。
いですか」と聞くので「助役という言葉を、
問題は守秘義務です。 公務員の特殊性と
法学部の学生がどれくらいの知っているか、
いうのは、公務員は守秘義務が課せられて
今度の試験に出したらどうか」 と言いまし
いますから、一般の市民はありません。今
た。 ほとんど分らないと思います。 教授が
度は国の官界の人、例えば元検事正とかそ
「お前たち助役という言葉を知らないのか」
ういう人達に集まってもらって、 守秘義務
と聞いたら、「知っていますよ。あれは駅で
を担保する何かうまい方法はないか、また
すよ」と言ったというのです(笑)。市長の
ひとつは民間の弁護士にグループを作って
下に助役がいるなんて、 一般の人は分りま
もらい、何とか守秘義務を担保する方法は
せん。予算には款・項・目・節とあります。
ないか両方でやってもらいました。 両方の
50 数年前、 なぜこういうのを作ったかとい
意見が合っていたのは、 ひとつは条例で守
うと、確かに理由がありました。 透明性を
秘義務を補完することと、 もうひとつは業
高くするためにやったのです。 款から項に
務委託契約で補完をするという二つの方法
市長が勝手に変えたらいけませんとか、流
でした。
用してはいけませんとか、 悪いことをしな
ただし市民が嫌だなと思ったものは無理
いように作ったのです。 それはそれで良い
ですね。隣のおやじさんが「お宅ちょっと
ことです。しかし、そういうことをやって
(納税が)半期遅れています」と税金の督促
いるところなど、世界中どこにもないので
に来たなんていうことは嫌ですから、こう
す。ですから素人にしてみれば款・項・目・
いうことは避けなくてはいけません。です
節は何のことか分らない。 依然としてやっ
から絶対的な守秘義務、 市民が嫌だなと思
ているのは行政なのです。
う守秘義務、プライバシーに関することを
例を挙げると、 役所で言えば常勤職員の
全部除きました。それでだいたい 1 割です。
給与を人件費と呼びます。 しかし臨時職員
9 割は住民の皆さんで出来ることです。
の分はどこへいくかというと、 物件費にい
くのです。これでは臨時職員は「俺は物じゃ
閉鎖性を打ち破る
ない!」と怒りますよ。「人件費はどれぐら
い入っているか?」 と聞いたら、 常勤の職
なぜそういうふうにしたかというと、行
員分しか持って来ないので 「臨時職員もい
政と住民の皆さんとの距離が離れていった
るだろう」と言っても「いや、市長それは
からです。なぜ離れていったかというと、
物件費で・・・」となってしまうのです。その
住民の責任というより私たちの責任で、官
くらい閉鎖性があります。 ですからそうい
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地方行政刷新と元気なまちづくり
うものを取っ払わなくてはなりません。そ
ういうわけで、私ども志木市では徹底した
収入役はいらない
情報公開をしています。
今の基礎的自治体にどうしても二つだけ
そうするために今大きく変えようとして
問題点がありました。 ひとつは先ほど言い
います。そのことによって私は国が変わる
ましたように、お金がかかりすぎる非効率
と思っています。市町村は走り出しました
な運営がありました。 もうひとつは、住民
が、 国というのはなかなか変わらないです
と行政体が本来くっついていなければなら
ね。 国は憲法上の議員がいる。 最近は財政
ないものが離れてしまったことです。志木
諮問会議の方々も国へ 「もうそろそろメイ
市はいっぺんに二つを解決してしまおうと、
ヤー制度を止めて、シティー・マネージャー
昨年から行政パートナー、 要するに有償ボ
制度と両方採り入れて、 一国二制度でやっ
ランティアを入れました。 これからどんど
たらどうだ。その方がよっぽど効率的だ」
ん入れていって、 20 年間職員を採用しない
と言っています。行政改革会議も正式に政
ことになっております。それをやると 69 億
府に諮問を出しましたので、 ようやく風は
円も浮きます。
吹いてきました。そのうち国も変わってく
ただし、 志木市役所に行ったら、 残って
るでしょう。
いる人達は、 例えば今 40 代の人達は 60 代
しかし、 なかなか国も強者です。昨日、
になっていて、おじいちゃんとおばあちゃ
実はシンポジウムがあって、私、 国のお役
んだけになってしまうという心配がありま
人とお会いして「収入役は要らない」と言っ
す。「これでは市長、どうしようもないじゃ
てきました。こちらに県出納長さんいらっ
な い です か 」 と議 会 が言 う も ので す から
しゃいますが、県はお金がいっぱいあるか
「そうじゃないよ。50 人にして、今、公務員
らいいのです。基礎的自治体はいくらもな
は人気があるから募集すればすぐ応募があ
いのです。都道府県は別ですから分けて考
るから、50、40、30、20、10 と小型の逆ピ
えて下さい(笑)。あまり言うと、私の友達
ラミッド型の年齢構成の市役所ができる」
も副知事やっていますので怒られてしまい
と。 あとは全部市民が入ることになります
ますが、要するに基礎的自治体と都道府県
から「こんな無駄なサービスは要らないよ。
とは違うのです。基礎的自治体はそんなに
こんなことよりもっとやり方を変えた方が
お金がないので、別に三役なんて要らない
いいよ」とか、 市民の方がよっぽどいろい
のです。この間、どこかの町が株(投資)
ろな意味で経験者ですから、どんどん変わっ
で儲かったところがありました。株 (式投
ていく。だいたい役所の仕事というのは、
資) は儲かるときもありますが損する時も
基礎的なことは民間の仕事に近いですから、
ありますから、そんな危ない真似はできま
家計と同じですから変われます。 そういう
せん。今、銀行は落ち着きましたが、ちょっ
ふうに変わって、初めて皆さんの持つ村落
と前までは危なかった。 ほとんど普通預金
協働体ができてくると私は信じています。
か国債を買っているだけです。 恐くて資金
9
第134回琉球フォーラム講演会
運用に頭は使いません。 だったら特別職は
の欠陥でもあるわけです。
要らないということです。 最初は総務省も
例えば、 今の行政体の形は、 名前を変え
「そんなの無理だ」と言っていました。とこ
て言えば「護送船団方式」と呼んでいます。
ろが今度の国会に出ていました。「志木市で
全国 3,300 の自治体が同じ方法でやってい
そういう意見も出たし、2,000 人とか 3,000
ます。暑いところと寒いところ、 過密なと
人という町もあるわけだから、 収入役はい
ころと過疎のところ、やり方は違うのです。
なくてもいいだろう」となりました。
人口 350 万人の横浜市と 2,000 人の村はや
それでも、敵もさるもので 10 万人以下は
り方は違うのです。しかし数の違いはあっ
収入役を置かなくてもいいが、10 万人以上
てもだいたい同じで、 地方自治法ががっち
は収入役を置かなくてはいけない、 となり
り押さえています。ですから護送船団方式
ました。昨日「10 万人と 10 万 1 人はどっち
です。 護送船団方式で銀行が失敗したのは
だ」と聞いたら、「やはり 10 万人以上だか
皆さんご存知でしょう。 銀行のことはみん
ら・・・ 」と言うので、「なんでそういうこと
な興味があるのに、市町村のことは誰も興
を決めなくてはいけないの?」 と聞いたの
味がないというのは変な話です。
です。要するにこれからは、 先ほど民に近
護送船団方式の何が悪かったかと言いま
いと言いましたが、それは何かというと自
すと、 自己責任が取れない方式だったから
己責任なのです。自己責任を取れなくては
良くなかったのです。 グローバル・スタン
ダメなのです。よってたかって責任を取れ
ダードでいこうといったら、 途端におかし
ないようにしているのが今の行政システム
くなってしまいました。ですから市町村だっ
10
地方行政刷新と元気なまちづくり
ておかしくなるのは当たり前の話です。そ
たわけではないのですが、
ういう意味では、 誰の責任かと言うと、も
―「お前、何でダメなんだよ」と言うと、
ちろん行政ですが、市民の皆さんの監視機
― 「文科省がうるさくて−。 埼玉県だって
構が弱いということもひとつの原因かも知
縦型社会で、うちは文科省があって教育委
れません。
員会があって下まで縦できているので、う
今お話申し上げましたが、私はそうは言っ
ちが同意したら文科省だって良い顔しない
ても国と喧嘩するつもりは全くありません。
よ」
国とは仲良くしていこう、 県とも仲良くし
― 「でも志木市はやりたいんだよ。 何とし
ていこうと思っています。 ですから1回も
てもやりたいんだよ」
喧嘩はしたことはありません。 今でも志木
―「文科省に先に了解を取ってくれ」と。
市は東京が近いですから、 国から役人が来
文科省は嫌なので、 絶対に良いとは言い
ます。私は職員に「国は遠くて分らないか
ません。均衡ある教育行政としか言いませ
ら教えてあげよう。親切丁寧に分るように
ん。 でも、 結局県はしぶしぶ同意してくれ
教えよう」といつも言っています。 そうす
ました。そこまでは良かったのです。
れば国も分ってくれると信じています。
アメリカには、 学校に行きたくない生徒
が家庭で勉強すればいいという、 ホームス
「25人 学級」 でや り取り
クール制度というのがあります。 アメリカ
では普通です。日本は変な制度で、 学校へ
長野県の小海という小さな町が、今から
行きたくない人は行政が指定する場所へ行
8∼9 年前に小人数学級をやりたいと言った
けばいいとなっています。 学校が嫌いな生
ら文部省(当時)と喧嘩になって裁判沙汰
徒は、 行政が指定する場所だって行きたく
になってしまいました。 もちろん志木市で
ないはずです。家にいたいのです。 それで
も 25 人学級をやった時には、2001 年4月か
私は中学校の先生に、
ら、但し書き条項がついて『学級定員は 40
― 「先生、 学校へ行かなかったら留年させ
人にする。ただし都道府県の同意があれば、
るのですか」と聞くと、
それ以下でもいい』という法律改正があっ
―「させません」と先生が言います。
て実施しました。
県に行ったら、県議会は
それはそうでしょう。
(そういうケースは)
全国でも 1∼2 例ほど少ないです。2∼3 日だ
―「これは機会均等が壊れるよ」と。
けしか学校へ行かなくても、 同じ学年を二
私も県議会議長などをやっていましたから、
回やるなんてことはほとんどないです。み
―「うちがやるのだからやらせよ」
んななんだかんだで卒業させます。 それは
―「勘弁してくださいよ」と言うのです。
文科省がちゃんと通達を出しているからで
―「いや、やる」と。
す。出席は4割∼3 割しなくてはいけないと
どうもおかしいのは教育長は私と同期で
決められています。ただし子供の成長を考
入った仲間でしたので、 別に威張って言っ
えた時に、卒業させてもいいと判断した時
11
第134回琉球フォーラム講演会
には卒業させてもいい、 という通達を裏か
さんは株式会社を作って、 市の仕事をどん
らこっそり出しています。だから(学校に)
どん株式会社にアウトソーシング(外注)
来なくたって卒業させてしまいます。そこ
しました。けれども、普通のアウトソーシ
で学校の校長先生に、
ングではお金がかかりすぎるので、 形を変
― 「先生、 卒業させといて寂しくないです
えて雇用対策をして、安く仕上げています。
か」と聞きました。
志木市のように面倒くさくありません。
すると、
― 「穂坂さん、それは寂しいよ。 みんな卒
" 第 二市 役所 " の 立ち 上 げ
業させた次の日に、親と子を呼んでこっそ
り(卒業証書を)渡すんです。将来、 高校
志木市の場合は、 昔の村落共同体に戻そ
へ行っても頑張れよな。 ただ気持ちの中で
うという意図がありますから、 ひとつは安
は、 こいつ分数もローマ字も知らないのに
い経費でやり、もうひとつは市民の目線で
弱ったなと思っています。
」
運営をしようという大目的がありますから、
だったら、 家庭でやらせばいいじゃない
業務委託契約とパートナーシップ協定で、
ということになり、ホームスクール制度と
ひとつの団体で両方と契約をしています。
いうのを初めて導入しました。すると「学
それから「半年経ったら、このままでいい
校否定論者が出てきた」 と、 ここまで文科
か、見直すべきか、必ず提案をしてくれ」
省に言われました。
と、 フィフティの立場で市民が意見を言う
― 「否定論者じゃありませんよ。 アメリカ
システムになっています。 要するに行政と
では普通にホームスクールをやっているじゃ
市民の距離を縮め、市民が主体の行政を進
ないですか」 と。すると、若手の官僚に裏
めるという大きな目標と、 ローコストの施
側から
政運営をしたいという二つの目的がありま
―「文句言われても、穂坂さん絶対頑張れ、
す。
頑張れ」と言われました。
高浜市の森さんのところはそうではなく
ですから、 国も上と下では変わってきま
て、 徹底して安いものを作っていこうと、
した。 上の人でも話せば分る人が何人かい
これはもう直接的なワークシェアリングで
ます。
しょう。志木市の場合は、まずそういうこ
そういう点では、 個別政策で変わってき
とをやってみて、二段階目としてオランダ
ます。しかし、 全体的にはやはり自治体が
で成功している地方行政型ワークシェアリ
変わるということが大切なのです。
ングのように、将来は新しい形のワークシェ
先ほど言いましたように、 志木市も二つ
アリングをやっていこうとしています。
の目標で行政パートナー制度を進めていま
先ほど、 市役所というのは限りなく民に
す。これからはどんどん出てきます。もう
近いと申し上げました。 これはお分かりに
20∼30 ぐらいの市町村が導入し始めます。
なったと思います。 もうひとつ、 非営利ま
高浜市の森さんを私が真似をしました。森
ではいいのですが、独占的というのが良く
12
地方行政刷新と元気なまちづくり
ないことです。ライバル会社がいないわけ
の法律に見合うのが条例です。
です。 何とかライバル会社を作ろうと思い
規則はだいたい同じで、 省令は国会を通
ましたが、ライバル会社というのは法律も
しますが、条例があって規則があって要項
あって、難しいのです。 しかし、 ライバル
みたいなものがあります。 条例は議会にか
会社はいないが市民による第二の市役所を
けますが、規則と要項は勝手に作ればいい
作ればいいのではと思いました。 それで議
のです。職員が考えて、市長がハンコを押
会に市政運営基本条例(自治運営基本条例)
してサインするだけで決まります。 誰も知
を出しました。
りません。よく市役所などが 「規則があり
― 「何か変ちくりんなものが出てきたな」
ますから・・・」と言います。「そんな規則知
と議会。
らないよ」―「いや、掲示してあります」。
私は市民がオーナーだということを証明
役所の掲示板なんか誰もみたことないで
したかったので、
しょう。面白いことに、あれは自分たちで
―「議員さん納得してよ」と。
作ったくせに市民から聞かれると 「規則が
― 「そうか、それはそうだよな。 住民自治
あるからどうしよう・・・」と考えます。変で
だから、市長、しょうがないよな」と、正
しょう。家庭の約束事をお父さんとお母さ
式に議会にかけました。
んが作って「約束事があるから、 不合理だ
そして、 すぐ市民委員会というのを作り
からどうしよう・・・」などとは思いませんよ
ました。全部公募で、150 人ぐらいでいいだ
ね。 話し合いで作ったのだから変えればい
ろうと思っていましたら、 なかなか最初は
いのです。ですから規則の場合は変えれば
集まらないのです。30 人ぐらいしか集まら
いいのです。部長が深刻な顔をして、
ない。職員と話して、
― 「市長、 要項では 120 人程度と決めたの
― 「これではしょうがないから、 駅前まで
ですが、 審議委員会委員に 250 人も来まし
行ってビラを撒くか」 とビラを撒きに行き
た。どうしましょう・・・」
ました。
―「250 人にすればいいだろう」
通勤者に 「市民委員会に入りませんか」
―「困りました。規則、要項があるんです」
と声かけしても、 最初のうちは 「また選挙
―「変えりゃいいじゃないか」
始まったんですか」 と聞かれたそうです。
―「ああ、そうですか」と、簡単です。
だいたい東京でビラを配ると選挙しか頭に
全部公募です。不思議なもので、 私は 30
ないのです。
年も市会議員とか県会議員とかやっていま
―「そんなことはないよ。市民委員会を作っ
すから、私の後援会もかなりしっかりした
たからサラリーマンの人も入ってよ」とい
ものです。しかし、後援会の役員など誰も
うことをやりました。 そしたら今度は増え
入らない。聞いたら「迷惑かけるから」と
過ぎて、130 人ぐらいでいいと思っていたの
言っていました。ほとんど知らない人達で、
に 250 人にもなってしまいました。国は立
その人達が第二の市役所を作って、 市役所
法府ですから法律を作ります。 市町村は国
に企画部があれば企画部会、 生活環境部が
13
第134回琉球フォーラム講演会
あれば生活環境部会、 教育委員会は教育部
時には両方呼んで、
会、総務部は総務部会となっていますから、
― 「市民委員会の意見はどうですか。 職員
比較的分りやすいです。
の部内の意見はどうですか」と聞いて、私
が最終判断をします。
市民 委で も 予算 を点 検
ですが、 市民委員会の趣旨を間違えてい
る人がいます。
いま、新規事業については、
―「市民委員会が一番大事だ」と言います。
―「ちゃんと第二の市役所通した?」
もちろん大事です。しかし絶対ではないで
―「通しました」と、きちんと稟議書があっ
す。250 人の市民の方々ですから、市民の視
て、民間では決裁書と言うのですが、そこ
点は分るけれども、 それは絶対ではない。
に通ったか通らなかったか書いてあります
市役所も絶対ではありません。マネージャー
から簡単になってきました。そして、そこ
は公選で任されていますから、 両方の意見
の意見を聞いて職員は、
を聞いて、結果責任を市長が取るという仕
―「ダメだ」
組みでやっています。
―「いいよ」
―「あとは市長が考えてくれ」
と、 いう仕組みになっています。 ほとん
今年は予算も、
― 「市長、 口ばかりで言っていないで、み
んなで予算を作ったらどうだ」 と言う意見
ど一致しますが、新規事業 20 件に 1 件ぐら
が出たので、
いは違う意見の時もありました。 そういう
― 「よし、 そうしよう。だけど議会に怒ら
14
地方行政刷新と元気なまちづくり
れそうだから、議会でも作ったらどうだろ
『税金を安くします。 サービスは高くし
うか」と言いました。市長も仕事ですから
ます』と言ってだいたい当選するのです。
予算を作るのは当たり前のことですが、議
私 も 30 年ず っと それで 当選し てき ました
会も作る、市民も作って、三者で公開討論
(笑)。 変な話ですが、いっぱい人数がいて
会をやったらどうだという意見が出ました。
多様ですから、どうしようもないのです。
それで議会に行きました。
独りだけでやっていれば、 できないとかで
―「どうだい」
きると言えますが、何十人かでやるのでど
―「うちは党派とか会派があるから・・・」と
うしてもそうなってしまいます。
議長。
― 「今年は選挙があるから勘弁してくださ
共産党はこういう予算を、 公明党はこう
い。 終わってから今年はやりますから」と
いう予算を作りましたと、 別々に作ればい
言って今年やると、全国で初めてになりま
いのです。自民党はこういうのを作りまし
す。
たとなれば、格好いいでしょう。 みんなバ
ラバラで分ります。うちはお金が足りない
分 か りや す い予 算 書 作る
から市民税を上げるというところも出るで
しょう。あるいは下げようとする政党は、
でも例えば皆さんで那覇市の予算を作ろ
どこかでサービスを止めようとするでしょ
うといったって、簡単にはできないでしょ
う。分りやすくていいと思います。 あれも
う。しかし、きのう、きょう当選した市長
下げろ、これも下げろと言ったって無理で
が予算編成できるのですから。 私は無投票
す。お金がないのですから。 国はこうだか
で6月に当選してから、 8月∼1月のわず
ら国からお金をよこせというところもあり
か半年で予算編成しました。 私はそんなに
ます。私もそれは言っていますがね・・・。
頭も良くないのですが、 もっと頭の良い村
銀行に貸してくれ貸してくれと言っても、
長さんなど 2 月に当選したらすぐ予算を作
貸さないと言われればしょうがないですか
る人もいます。市民に作れないわけがあり
らね。そうなると、自分たちで作ればいい
ません。なぜできないか、スタッフがいな
のです。
いだけの話です。スタッフはどうかという
議会は今年は選挙で、 ちょっとタイミン
と、 それは手品でもってみんな款項目節か
グは悪かったのです。 全部の会派が歳入は
ら拾い上げてやるなんてことは今はありま
ほとんど動かせないのです。 動かすことは
せん。うまいやり方ですぐ出来ます。 この
可能だが、そのためには市民税を上げるし
事業とこの事業を組み合わせて 「これでど
かないわけです。(逆に市民税を)下げるこ
うだ」と最後はなります。ですから財政課
ともできはしますが、 どこか (事業やサー
長を呼んで、
ビスを)止めるところが出てきます。議員
― 「志木市民はなかなか優秀な人達が多い
は両方に良い顔しないと受からない (選挙
ので、どんな市民でも予算が作れるように、
に当選しない)ですから。
数字で動かせないものは箱の中にいれて、
15
第134回琉球フォーラム講演会
動かせるところだけ白地で空けて、 パズル
とか、 偏在するところと偏在しないところ
ではないがここに数字を入れれば予算がで
など、 増えるところもあれば社会的な原因
きてしまうという、そういうものを作りな
で減るところもあり、 こういうのを全て出
さい」と言いました。それに注釈をつけれ
さないといけません。 かなり専門的になっ
ばより分りやすくなります。
てきます。
例えば、 志木市の広報を見れば分ります
少なくとも基礎的自治体は、 そう難しく
が、一般会計とあります。今日来ている皆
はありません。予算も市民が作りました。
さんは一般会計という言葉は知っていると
私が『ホタルの里』 という (事業) をやり
思います。普通の方々は一般会計とか特定
ました。志木市は都市化されています。ホ
財源など分りません。 ですから、 志木市は
タルは内地では環境がいいというひとつの
やさしく書いて、それをイコールして専門
象徴です。椿山荘というホテルと都ホテル
用語に直してあります。 隣のおばあちゃん
で放していて綺麗です。
のことろへ行って、志木市の原稿を見せて、
ところが市民からは、
―「おばあちゃん、これで分りますか」と。
― 「何言ってんだ。ホタルの里事業なんて
― 「わかる」と言ったら、よしこれでいく
ものは、市民がやるもんだ。 そんなもの行
と。そしてもう一回二十歳の子に会って、
政がやるもんじゃない」 と真っ向から言わ
―「この言葉で分る?」
れて、 両方で討論会をやって完全に負けま
―「わかる」
した。大多数の市民が、
と言ったら、 この言葉で発刊しようと就
― 「そりゃ、市長の方がダメだよ。 こんな
任以来やっています。 専門用語をやさしく
の行政がやるべき仕事じゃないよ」 と言わ
するというのは難しいです。 それで自信が
れ、 今年は止めました。止めたのはいいの
ないものですから、必ずどこかに注釈を付
ですが、里親探すのに苦労しました。 ホタ
けています。やさしく書いて難しい言葉を
ルの幼虫をたくさん作ってしまったので、
並べるという、普通とは逆のことをやって
殺してしまうわけにはいかなくて、 18 カ所
います。
ほど説明会を開き、やっとホタルの里親を
でも行政は専門職なんだと感じます。市
町村は(やるべきことに)限られた範囲が
探しました。そういった点では、 いろいろ
市民の目の方が厳しいです。
ありますけれども、都道府県になると無理
でしょう。それが国になるともっと難しく
教育 委員 会 廃止 の主 張
なる。専門家でないと、とてもじゃないが
無理です。経済成長率はどうだとか、こん
そういうことで私たちも新しいことをし
なこと市の職員に聞いても誰もわかりませ
ながら、行政体を変えていきます。 要する
ん。アメリカの景気動向は、 ヨーロッパは
に行政体を変えることによって市民の皆さ
どうだとか全部知った上で予算を作らなけ
んが主役(オーナー)だということを分っ
ればいけません。さらに人口動態はどうだ
てもらう。分ってもらうことによって国が
16
地方行政刷新と元気なまちづくり
変えていく、変わらざるを得ないのです。
葉は「文部科学省は・・・」となります。そこ
こういう仕組みの方が早いのではないかと
で私は、
思っています。
― 「桐川、 お前1回くらい私はと言ってみ
私は市長村長の廃止や教育委員会の廃止
たら・・・」と言うと、
も提案しています。市長村長の廃止は先ほ
― 「いやいや、それは穂坂さん無理だよ。
ど申しましたように当たり前の事なのです。
私は事務局長に過ぎない」と、 こうなりま
メイヤー制度を一国でずっとやっている国
す。
は、世界中で(日本以外は)ないから当た
それはそうです。 教育委員会制度という
り前の事です。教育者の方もおられますが、
のは、教育委員会があって、 そこに教育委
教育委員会の廃止も出しています。かといっ
員がいる。その中の教育委員の一人として
て、 私が教育委員会まで手を突っ込まない
教育長がいます。教育長は簡単に言えば事
といけないという気持ちは全くありません。
務局長で、これが面白いのです。
しかし今の教育委員会の制度は面白いです。
― 「教育委員長、あんたは教育委員会の責
どういうふうに今の教育制度を作ったのか、
任者?」と聞くと、
理由は分っています。 教育の政治的な中立
―「穂坂さん、ちゃんと法律見てください。
性を担保するために教育委員会制度という
私は単なる座長です」となります。
のはあるのです。 しかし、教育委員は市長
会議をやります。
が指名して議会にかけるのです。 というこ
―「教育長、あんたが責任者?」
とは市長が嫌いな人を教育委員にはしませ
―「私は事務局長ですよ」
ん。それはそうです。(嫌いな人は)出さな
―「どういう意味の事務局長?」
ければいいのですから、 やはり好きな人を
― 「ええ、 教育委員会で決まったことを忠
選んでしまうのです。それで議会に出せば、
実にやることです」
だいたい議会は与党が多いですから、だん
それ以外のことをやったら怒られてしま
だんそうなってきます。 それはそれで政治
うのです。言ってみれば議会のようなもの
的な中立性を担保にするということは、絶
です。 議会は執行権を持っていないからい
対に大事なことではあります。
いのです。教育委員会というのは小中学校
しかし、 違う弊害が出てきました。それ
を執行するという権利を持っていますから、
は何かというと責任者がいないのです。私
分りやすく言えば、幕末の幕閣制度みたい
が県職員時代に仲間だった桐川さんという
なものです。責任者は老中。 あれは機関な
者が教育長でしたが、 いつも県議会での答
のです。
弁を聞いておりました。 沖縄県はもっと自
―「責任者はおまえか」
主性を持っているので違うと思いますが・・・。
―「いや私じゃありません」
普通は教育長答弁というと「私は・・・」と答
―「じゃあ、お前か」
えます。ところが「県教育委員会は・・・」と
―「いや、私でもありません」
まず枕言葉を言います。 もうひとつの枕言
ですから、 どうしても外国は責任者がい
17
第134 回琉球フォーラム講演会
る長州(藩)の方へ行ってしまったのです。
なってきています。そういう意味で教育委
日本の場合は、機関が責任者なので、将軍
員会の廃止論を今出しています。
様はいるけれども私は責任者ではないと祭
来週、 私は中教審 (中央教育審議会)に
り上げられているのです。 だから難しいの
呼ばれています。 行ってきますが、 そこで
です。
委員の方がいろいろ聞くのでしょう。そう
要するに教育委員会には責任者がいませ
いうこともやっています。
ん。これだけ教育が荒廃し、 教育が問題化
し、将来日本の教育をどうしていくか、地
職員 の能 力引 き出 す
方にとって教育は一番大事なことです。国
の基本です。それなのに教育について曖昧
いろいろ私ども志木市は施策をやってお
な部分が多い。ですから私は教育の中立性
りますが、大きく言えば『地方から国を変
を担保すると同時に責任者も作ることが必
える 』『二 十一世紀型 村落共同 体を作る 』
要だと思います。教育行政が失敗したら誰
『市民が主役の市政を作る』市民は行政に頼
か責任を取れと。いま責任を取れと言って
むのではなくて、自分たちが出した税金を、
も、誰もいないです。教育委員会という機
市長にどういうふうに分配をさせるかとい
関が責任者で、しかも合議制でしょう。合
う役割があるということを言いたいのです。
議制ですから反対者も賛成者も責任はあり
ぜひ理解をしていただければと思っており
ません。逆に言えば、合議制はそこが良い
ます。
ところでもあります。 しかし非常に曖昧に
18
私はこの間、 幻冬社から 『どの子も一番
地方行政刷新と元気なまちづくり
になれる』という本を出しました。 私のや
り方は、ものすごく企業経営に近いのです。
た。これは子ども用に書きました。
志 木市の職員 530 人を一人残らずうまく
役所は終身雇用制です。 職員の一人ひとり
使うということを、いま合言葉にしていま
をなだめようと、 すかそうと、 全員使わな
す。 どういうふうに使うかというと、 コア
くてはどうにもなりません。 高給取りを窓
的職員、専門的職員など、言葉を格好よく
際にやったら、それだけ皆さんの税金がもっ
してやりました。すると人事課長が来て、
たいないので、とにかく全員がやる気を起
― 「市長、 これみんな同じようですが、ど
こして働いてもらわないと困るわけです。
のように分けたら・・・」と言うので、
ですから、いま人事の担当や幹部を呼んで
― 「例えば専門家的職員というのは、 ルー
「うちは 530 人一人残らずみんなが実力を 10
チンで朝から晩まで時間通りにやって、午
0%発揮しなくてはならない」といつも言っ
後 5 時になるとパッと帰ってしまう職員。4
ています。実力は 5 の力もいれば 10 の力の
時 50 分からは帰り支度をして待っている人」
人も 20 の力の人もいる。それはそうでしょ
こ う い う 人は し ょ う がな い 。 毎 日 毎日
う 。 皆 さん の とこ ろ は優 秀 で しょ う から
「もうちょっとやってよ」なんて言っていれ
(私のところという)限定で話しますが、私
られないから、がっちり仕事を与えて働い
が役人になった頃は、
てもらう職員。別の職員には、 もっと創造
―「何、役場へ行くの?」
性のある仕事をやってもらおうなど、530 人
―「何で」と聞くと、
全員で仕事をやっていこうと市の人事体制
― 「民間に行った方がよっぽど給料いいの
を切り替えています。
に」と言われました。
面倒くさくて役場に入ったもので、当時
は能力なんて関係なかったようです。
私はキャノンの御手洗さんが大好きでお
会いいたしましたが、 ある意味ではトップ
ダウンが必要です。御手洗さんは家族的な
私は、 人間の能力は世界中誰もが同じだ
社長ですが、キャノンでは部長が目標設定
と思っています。相対性理論のアインシュ
できなくて部下が目標設定したら、 上と下
タインだってそうでしょう。 元々彼はのろ
と入れ替えるほど厳しいです。
まで、 ひとつのことだけずっと考えている
確かにトップダウンは必要です。それが
うちに世界的な理論を発見したのです。ベー
必要なかったら誰がやったっていいので、
トーベンだって、シューベルトだって、モー
社長や管理職は要りません。 最終判断とか
ツアルトもそうです。 あれもこれもできる
目標設定はトップがしないといけないと思っ
人間なんていません。みんな個性があって、
ています。志木市役所の場合は、 今までほ
それぞれ違います。誰しも世界中で一番大
とんどトップダウンです。でも最近は、何
事な力をそれぞれが持っています。 ボクシ
度も職員と話合って、 ボトムアップ委員会
ングの強い人もいます。 ですから私は大人
を作って、職員もこんなにトップダウンさ
も子どももみんな同じだと思っているので
れたら面白くないから俺たちもやると、ど
『誰でも一番になれる』という本を書きまし
んどん職員から上がってきます。 私もその
19
第134回琉球フォーラム講演会
度に使われて、いま大変です。
例えばこういうのがありました。市長は
企業と一緒で行政体もそんなに変わりはあ
りません。ゆっくり歩く人も早く歩く人も、
三階の市長室でボケッとしないでと、職員
おしゃべりの人もそうでない人も、 ルーチ
が一階や二階の市民が来るような場所にシ
ンワークの好きな人もクリエイティブな仕
ティー・マネージャー室を作り、 私は常に
事が好きな人も、みんな変わりはありませ
そこを回って行くことになっています。職
ん。 それをうまく組み合わせてどうするか
員も居眠りなんかしていられません。各出
が、 私に課せられたこれからの一年ちょっ
先機関も全部です。そういう意味では職員
との仕事でもあり、多くの皆さんの仕事で
の私を使う使いっぷりも荒くなってきまし
もあると思っています。
た。とてもよいことです。
変えましょう。これからの二十一世紀に、
これだけ皆さんの税金を預かっている私た
地方が変われば国も変わる
ち自治体が、全国で変わることによっても
のすごく変わってきます。 雇用も安定して
こうして職員もよく動き、 最近はテレビ
きます。20 兆円という額は、1 兆円の会社
などにも出演し、新聞などにも出ています。
が 20 社できる、1 億円の会社でしたら何千
― 「福祉?あんな大型の福祉施設など作る
社できるか分りません。 それだけ内包する
のはとんでもないですよ。 これからはもっ
お金を基礎的自治体は持っているのです。
と地域密着型の混在型で効率的な温かい福
こんな不景気の時に、 それを使わない手は
祉施設が必要だ」と NHK テレビで言ってい
ないと思います。
るので、どこかで見たような人だと思った
逆に言えば、 自治体のピンチは皆さんの
ら、うちの職員でした。職員がやる気になっ
チャンスでもあるし、 自治体のピンチは自
ています。職員と市長はライバルの方がい
治体のチャンスでもあるのです。 地域の活
いのかも知れません。 社長と社員も、ある
性化のチャンスでもあります。 これから皆
意味ではライバルの方がいいのかも知れま
さんと一緒に進んでいきたいと思っていま
せん。しかし、 それは大方針を出して目標
す。長時間ご静聴ありがとうございました。
設定したら絶対に守るということでなけれ
(拍手)
ばいけないと思います。
私は行政体も会社も同じだと思います。
<質疑応答>
皆さんはよく、
― 「行政体はのんきだけれども、 一般の会
社はどんどん首切りできるからいい」と言
■伊藝美智子氏(那覇市助役)
穂坂市長の行財政改革つまり 『まちを元
いますが、こんなことは無理です。実際は、
気にする』ということで、530 人から十分の
よほど倒産寸前までいかなければ、 組合な
一の 50 人に目標設定したのは大変な改革だ
どあってもなくても人員削減なんて簡単に
と思います。その中でいろいろな面でシティー
はできません。そういう意味では、 民間の
・マネージャーをおやりになっているとい
20
地方行政刷新と元気なまちづくり
だかん だ言って
も、 給料が下が
るわけがない」
と思っ ていまし
た。 そこで1年
目下がり、 2年
目下がり、(職員
は) 慌てました
ね。 私 は平 成 14
年の人 事院勧告
を半分 にしまし
た。 別に職員に
媚びを 売ったわ
けでは ありませ
ん。 志木市は人
事院勧 告の二分
うことですが、私ども那覇市も、 いま緊急
の一だけ受け入れて下げました。 なぜそう
行財政改革のプロジェクトを立ち上げまし
したか。これから改革をやろうという時に、
た。その中で、 どうすれば改革ができるの
職員が味方でなければ勝負にならないので、
かと、ひとり一人が頑張っています。
( 下げ幅を) 半 分にしまし た。 この時は 、
保坂市長が 2 年 10 カ月の間に公約し、そ
「志木市はすごいね」などと、国と県から嫌
れを実行され、ご講演の中で職員の皆さん
味を随分言われました。「うちは給料安いか
の意識が変わったということで、 すごい方
ら」 と突っぱねていたのですが、 随分圧力
針が掲げられたと思います。そんな中、一
がありました。2年目は普通の市と同じよ
番ご苦労なさったことをお聞かせ下さい。
うに右へ倣えで、人事院勧告を受け入れま
した。お金がないということを、 財政課の
■穂坂邦夫氏
職員の意識改革でしょうね。 ただタイミ
ングが良 かったのは、 平成 15 年、 平成 14
年と2年連続で給与引き下げの人事院勧告
職員は分っています。 全部の職員は分りま
せん。 ですから徹底的に説明会を開きまし
た。それでも分らない。
こんなことを言うと職員に怒られますが、
がありました。それから東京都が退職金を
給料が下がるというのは (意識改革には)
下げました。埼玉県は依然として調整手当
一番いいことですね。
というのをやっています。 それが国と県で
― 「あれ?今まで市や国は給料は下がらな
「止めろ」ということになり、止めはじめま
かったけれど、2年連続で給料は下がるわ、
した。今まで職員には神話があって 「なん
あげく調整手当も止める、 東京都の退職金
21
第134回琉球フォーラム講演会
も減った」と、いいチャンスだと思い、ま
いたい選挙前だったら三つ目で、 市民の痛
ず幹部を集めて、
みがない方がいいと言います。 そんなふう
― 「皆さんの職場、自分たちで守らないと
にやってきました。
知らないよ。行政なんて冷たいから、みん
なで渡れば恐くない方式で、 全国で給料下
げたらみんな下がってしまうよ。 人の意見
■司会より
市長はいま行政職員の勤務時間の弾力化、
で下がるなんてもったいないじゃない。う
例えば特に勤務時間を固定化しない、勤務
ちはうまくやって、 お金を作って、 市民の
日数を週 3 とか4日とか選べるようにする
皆さんに俺たちはこれだけ働いて、 これだ
などの特別区申請を行っているようですが、
け効率良いから給料は他の市町村は下がっ
その辺りの経過と、それに対する国側の反
ても志木市だけは下がらないよ、 というぐ
応などご説明願えますか。
らい自信の持てる市づくりをしよう」と言っ
たのが、どうやら効き目があったようです。
■穂坂邦夫氏
最近、 半分ぐらい終わりました。 最初は
公務員の終身雇用制というのはご存知だ
文句ばかりで、やはり職員の意識改革とい
と思います。私のところはいろいろなこと
うのが一番大変です。 そういう意味で、私
を職員と話合いを持ちました。 共稼ぎも結
の場合は何が大変だったかというと、職員
構多いです。それから都市化といっても、
の意識改革が一番大変でした。
まだ兼業農家をやっている人もいます。要
それが辛さ 100 のうちの 80 ぐらいだった
するに親父さんが農業で息子は役所に入り
とすれば、あとの 20 は議会でしょう。議会
ずっとやってきた。それで親父さんが亡く
の人達にどういうふうな意識を持ってもら
なって自分が跡とりになってしまった。し
うかです。特に歳入の状況、 歳出の状況で
かし市役所に勤めている。公には (公務員
す。 歳出がほとんど義務的な事業になって
は)兼業禁止だから (畑に) 出られない。
いるのです。切ろうとしたって切れないで
しかし近所付き合いも多くなった。 共稼ぎ
す。 私は市民に説明する前に議会にこう説
も二人だったらどんなに少なくても退職金
明しました。
は 5,000 万円か ら 6,000 万 円ぐらいにはな
―「赤字が出るよ。出ない方法は簡単だよ。
るでしょう。しかし私もサラリーマンをや
市民税とかそういうのを上げてしまうのが
りましたけれども、両方でサラリーマンを
ひとつ。もうひとつはサービスを片っ端か
30 年もやりますと大変です。 でも辞めてし
ら止めてしまうことだ。 例えば、 うちは市
まうのはなんとなく不安だと。 しかし週休
民病院がありますが赤字だからそれも止め
で、 例えば土曜日曜だけ休むのではなく水
る。25 人学級も止めてしまう。保育園も半
曜木曜金曜も休んで、 月曜と火曜だけ出勤
分にしてしまう。もうひとつは合理化する
して、給料は下がってもいいし、 退職金も
ことだ」と言いました。
今よりは増えなくてもいいと。 今のだけ保
三つのうちどれを選ぶかと言ったら、だ
22
障してくれればいいと。 辞めるのは寂しい
地方行政刷新と元気なまちづくり
し、 あるいはまたボランティア活動をした
が、 石垣島のある方が「パチンコでいいか
いという人もいます。 そういう人たちは週
らパチンコ特区を作ってくれないか」と言っ
3日だけ市役所に行って3日間はボランティ
ていました。石垣島にもパチンコ店があち
ア活動をしたいなど、多様です。
こちにあって、自然環境のあるところなの
IBM では半分しか出勤しない人は半分の給
に大きなパチンコ屋ができたりしています。
料です。私ども志木市の方が早かったので
やはり散発的な乱開発よりも、 まとまった
す。国も今国会にも出していますけれども、
パチンコ店だけ玉をうんと出していいとい
またいっぱい条件をつけているようです。
うようにして、それは地元の方はやらない
それはうちの職員は、 非公式で三分の一ぐ
ように制限して、遊びに来た人達だけへの
らいの職員だったら結構います。 例えば週
サービスという方法もあります。「カジノは
5日でもって 50 万円もらっていたとします。
だめでも、パチンコは合法的だから」 とい
すると週4日で 40 万円というふうになって
ろいろな意見がありました。
くれば、その方がいいという職員がいます。
例えば、24 時間営業の OK ゾーンを作ると
今国会にも出してありますが、50 歳以上と
か、 そういうことを東京に帰ったらよく相
いう制限付きのようです。 ただし弾力化に
談してくれと言われました。 石垣島は大浜
はなると思います。
市長ですが、なぜ私たちがそういう意見を
それから石垣島の仲間から、 国に税制特
国に届けようとしているかと言いますと、
区、 法人所得税の軽減の申請をやったらど
国はやはり自立をして欲しいと思っている
うかと言われました。 石垣島は暖かく島に
のです。自立できないから国はお金をつぎ
移り住む持ち株会社の社長もいる。 本社だ
込むわけですから。ですからいろいろと地
けを石垣島に移して、 本島で仕事をやって
方が工夫をして「うちはこういう自立をす
いく。 特区を設定し少しでも法人所得税を
るから、国としてはどうだ」 と言うと、国
軽減すれば地元の石垣市にお金が入ってく
は最近すごく変わってきて「そうか、 考え
るからいい、と。東京一極集中だけではだ
よう」というところまで来ています。
めだと言っていました。
そういう意味では、 特区の構想とか再生
教育特区もありました。 例えば群馬県の
法などもできていますから、 自治体もうん
大田市というところでやっていますが、英
と活用すべきだと私は思います。 国はオー
語教育でどうかということですが、 これは
ル・オア・ナッシングではないです。 できれ
お金をどうするかというのが問題だと思い
ばやりたいのです。しかしやり方が難しい
ます。
ので「地方よ、知恵を貸してください」と
また以前に、 後藤さんという経済産業省
の方がこちらへ来て、 ギャンブル構想が出
いうのが、今の国の態度ではないかと思っ
ています。■
ました。日本はどうもギャンブルという言
葉に対してアレルギーがありますね。今で
もいろいろ考えている方がいると思います
23
軍 法 会議 の透 明性
5月 21 日、在韓米軍・烏山(オサン)基
地で、第 51 航空整備中隊のアンソニー・ウィ
リアム元司令官に対する軍法会議の判決が
言い渡された。元司令官は、 別の部隊の女
性3等曹長(36) と不倫関係になり、わい
せつな内容の電子メールを送ったことなど
で訴追されていた。 昨年6月、 元司令官は
電子メールを離れた場所にあるプリンター
に印字したのだが、これが部下に見つかっ
て、告発されたのだという。
不倫で裁判とは姦通罪のようが、米統一
軍法典によると、「軍人や紳士としてふさわ
しくない行為」をとった者は軍法会議の訴
追対象になる。それにしても、 規律が求め
られる軍人、それもいい年をした将校の司
令官による情けない行動である。
軍法会議の出した結論は、禁固7カ月、
および戒告処分。司令官職を解かれたうえ
での「実刑」は重いように見えるが、 ポイ
ントは元司令官を懲戒除隊にしなかったこ
とにある。元司令官は軍歴 20 年。ここまで
勤め上げると、軍人年金などさまざまな福
利のうまみがある。仮に懲戒除隊ならすべ
ての福利が失われる。 軍法会議は、 そこま
で踏み込まず、今後の暮らしを保障してあ
げたのだ。
軍人が軍人を裁く軍法会議の最大の欠陥
があらわれている。どうしても身内をかば
う構造がある。
イラク・アブグレイブ刑務所での収容者
虐待事件で、米軍の軍法会議が開かれてい
る。判決第1号(5月 19 日)のジャラミー・
シビッツ技術兵(24)は禁固1年。 これに
ついては軽いとの感じ方が多いかもしれな
24
いが、 同技術兵が虐待に関与したのは1回
だけ。 実際の暴行には加わっていないうえ
に、 捜査への全面協力もあって、 事実上の
司法取引を受けた。事件を主導した中心人
物にはより重い判決が下されるとみられる。
軍法会議には 「軍律保持」 という目的が
あり、量刑自体は軽くない。 問題は、 その
恣意的運用である。
一般論で言うと、軍法会議は、 末端の兵
士に厳しい。しかし、将校レベルが訴追さ
れることは稀である。 そして、 アブグレイ
ブ事件のように、責任が上官レベルに及び
そうになると、捜査があやふやになること
が多い。検察役を務めるのも軍人だからだ。
事実上の不起訴となり、 軍法会議が開かれ
なかったハワイでの 「えひめ丸」 沈没事件
は記憶に新しい。
沖縄でも軍法会議はしばしば開かれるが、
問題なのは透明性ではないだろうか。 2000
年7月、沖縄市で女子中学生にわいせつな
行為をした米海兵隊員(19) の軍法会議は
禁固2年、不名誉除隊の実刑判決だったが、
『琉球新報』の記事によると、「公判傍聴取
材の申し込みをしていたが、 実質的に許可
は出ず、結果的に非公開で行われた」 とい
う。
米軍法会議は公開が原則である。上記事
件のように、日本側が重大な関心のある裁
判もある。在沖米軍で軍法会議がある場合、
どんな内容であっても、 県や記者クラブに
通報するシステムがあった方がいい。そし
て、当然、 すべてを公開するべきだ。 この
問題では、メディア側の取り組みも十分で
ないように感じるが、どうだろうか。
1993年
◇ 4・14
◇ 5・12
◇ 6・18
◇ 7・14
◇ 8・11
◇ 9・ 8
◇10・13
◇11・10
◇12・ 8
細川連立政権発足し上原康助長官誕生 コメ大量輸入
パレスチナ暫定自治宣言 全県でウリミバエ根絶達成
ユネスコ事務総長特別顧問 磯村尚徳 「新世界秩序の中の日本」
東京海上研究所理事長 下河辺淳 「21世紀は地方の時代」
野村総合研究所理事長 鈴木淑夫 「日本経済の景気はいつ回復するか」
前駐中国大使 橋本 恕 「中国の現状と今後の日中関係」
政治評論家 三宅久之 「今だから話せる政界再編のウラ話」
長崎オランダ村専務取締役 高田征知 「オランダ村そしてハウステンボス」
住宅金融公庫総裁 高橋 進 「住宅をめぐる現状と課題」
中東調査会理事長 三宅和助 「イスラエルとPLOの歴史的合意と今後の中東」
東京芸術大学長・日本画家 平山郁夫 「私と芸術とシルクロード」
自・社・さで村山政権が発足 北朝鮮の金日成首席が死去
知事選で大田氏が再選 大江健三郎氏にノーベル文学賞
毎日新聞編集局顧問・政治評論家 岩見隆夫 「激動の政局を読む」
矢野経済研究所代表取締役副社長 矢野 弾 「日本の経済の現状と課題」
沖縄開発庁長官 上原康助 「激動する国政に携わって∼沖縄からの視点」
外務省前北米局長 佐藤行雄 「今後の新しい日米関係」
毎日新聞論説委員長 清水幹夫 「最近の政治情勢」
三和総合研究所理事長・経済評論家 原田和明 「最近の経済動向」
国際流通グループヤオハン代表 和田一夫 「ヤオハングループの挑戦」
上海国際問題研究所日本研究室室長 呉 寄南 「最近の中国経済事情」
東京工業大学教授 渡辺利夫 「東アジアの発展動態をどう捉えるか」
KDD総合研究所取締役調査部長 伊藤英一 「マルチメディアの現状と将来」
新王子製紙㈱代表取締役名誉会長 河毛二郎 「経営者 今昔」
サイマル会長 村松増美 「異文化との付き合い方∼沖縄に始まる私の世界」
1994年
◇ 1・13
◇ 2・ 9
◇ 3・12
◇ 4・13
◇ 5・11
◇ 6・ 8
◇ 7・11
◇ 8・ 3
◇ 9・ 7
◇10・12
◇11・ 9
◇12・14
1995年
◇ 1・11
◇ 2・15
◇ 3・ 8
◇ 4・ 5
◇ 5・10
◇ 6・14
◇ 7・19
◇ 8・10
◇ 9・13
◇10・11
◇11・14
◇12・13
阪神大震災で死者5500人余 米兵が少女暴行事件
平和の礎が完成 ラビン首相暗殺 地下鉄サリン事件
臨済宗東福寺管長・東福寺専門道場師家 福島慶道 「心の開発」
中央大学学長 外間 寛 「21世紀に向けての人材教育∼大学の対応∼」
花王取締役 平坂敏夫 「企業経営と情報戦略∼リエンジニアリング成功への課題∼」
通商産業省顧問 岡松壯三郎 「わが国をめぐる国際経済情勢∼日米交渉を中心に∼」
政治評論家 森田 実 「参院選と今後の政局」
元駐米大使 松永信雄 「世界の中の日米関係」
日本将棋連盟棋士九段・永世棋聖 米長邦雄 「棋士から見た 21 世紀の日本」
『ワシントン・ポスト』極東総局長 トム・R・リード 「自信のない時代の日米関係」
住友生命保険相互会社名誉会長 新井正明 「古典に学ぶ経営の心」
国立予防衛生研究所室長 根路銘国昭 「縄文人を育てた琉球の人たち」
米国ハワイ州知事 ベンジャミン・J・カエタノ 「最近のハワイ経済事情」
米コロンビア大学名誉教授・日本文学者 ドナルド・キーン 「私と日本文学」
1996年
普天間基地の返還合意 ペルーの日本大使公邸占拠事件
基地問題で県民投票 又吉栄喜氏「豚の報い」に芥川賞
◇ 1・10 NHK解説主幹 西田善夫 「スポーツ人間像―名勝負、名場面に学ぶ」
◇ 2・14 上智大学文学部教授 アルフォンス・デーケン 「人間関係におけるユーモアの役割」
◇ 3・13 毎日新聞編集局政治部長 岸井成格 「橋本政権の行方」
◇ 4・10 満学協会総裁 愛新覚羅顕琦 「日中両国のはざまにて」
37
◇ 5・15
◇ 6・12
◇ 7・10
◇ 8・14
◇ 9・11
◇10・ 7
◇11・13
◇12・10
学習院大学法学部教授 砂田一郎 「大統領選挙と今日のアメリカ政治」
シンガポール紙コラムニスト 陸 培春(ル・ペイチュン)「アジア人が見た日本・沖縄」
駐ペルー大使 青木盛久 「フジモリ政権のペルーと日本・沖縄」
愛知学院大学大学院教授 島袋嘉昌 「今 沖縄企業に求められているのは何か」
香港大学亜洲研究中心客員研究員 丸屋豊二郎 「香港返還と沖縄」
のこ
株式会社ローヤル社長 鍵山秀三郎 「小さく生きて大きく遺す」
沖縄県副知事 吉元政矩 「沖縄基地の整理縮小と国際都市形成」
大和総研特別顧問・経済企画庁長官 宮崎 勇 「来年の日本経済展望と沖縄」
拓銀と山一が破綻 香港返還 世界同時株安 ダイアナ元妃が事故死
屋良朝苗氏が死去 名護市で住民投票 知念かおり女流本因坊に輝く
首相補佐官(沖縄問題担当) 岡本行夫 「あすの沖縄を考える」
1997年
◇ 1・14
ウミンチュ
◇ 2・ 7
日本セイルトレーニング協会理事長 大儀見薫 「世界の海人がやってくる」
◇ 3・12 地域振興整備公団総裁 工藤敦夫 「都市開発と地域振興」
◇ 4・ 9 静岡県立大学国際関係学部教授 伊豆見元 「朝鮮半島情勢と沖縄」
◇ 5・14 衆議院議員 山中貞則 「沖縄復帰25周年を語る」
◇ 6・11 世界FTZ協会代表理事 レイモンド・ヨシテル・オータニ 「日本の改革は沖縄から」
◇ 7・ 8 沖縄懇談会座長 島田晴雄 「沖縄の自立発展のために」
◇ 8・13 大和総研副理事長 賀来景英 「ビッグバン時代に備える」
◇ 9・10 元沖縄開発庁長官 植木光教 「首里城復元5周年 沖縄の風土と文化への愛着」
◇10・ 8 東海大学教授 唐津 一 「めざせ日本一 沖縄活性化への道」
◇11・ 7 東京外国語大学学長 中嶋嶺雄 「香港返還後のアジアと日本」
◇12・ 4 早稲田大学総長 奥島孝康 「グ ロ ー バ ル ・ス タ ン ダ ー ド の時代を担う若者の育成を考える」
現職の大田氏破り稲嶺知事誕生 ドイツで18年ぶりに政権交代
未曾有の不況で失業者増加 小渕政権が誕生 毒入りカレー事件
衆議院議員・前内閣官房長官 梶山静六 「アジア・太平洋時代とあすの沖縄」
NHK解説主幹 小林和男 「日ロの外交戦略と沖縄」
日本経済新聞大阪本社編集局長 久保庭啓一郎 「混迷の政局を読む」
日本総合研究所理事長 若月三喜雄 「アジア経済危機と日本経済」
駐日ロシア大使 アレクサンドル・N・パノフ 「ロシア側から見た日ロ関係」
毎日新聞東京本社経済部長 菊池哲郎 「政府の総合経済政策で景気は良くなるか」
駐日米国大使特別補佐官 ケント・E・カルダー 「アジア太平洋時代の日米関係」
白 大学法学部教授=政治学 福岡政行 「参院選の結果と政局」
毎日新聞社会長・日本新聞協会会長 小池唯夫 「日本の危機をどうするか」
日本公認会計士協会会長 中地 宏 「これからの企業経営」
南ドイツ新聞 ゲプハルト・ヒールシャー 「コール独首相の退陣と今後のヨーロッパ」
朝日新聞編集委員 船橋洋一 「いま同盟を考える」
1998年
◇ 1・14
◇ 2・10
◇ 3・11
◇ 4・ 8
◇ 5・13
◇ 6・10
◇ 7・ 8
◇ 8・12
◇ 9・ 9
◇10・14
◇11・11
◇12・ 9
沖尚がセンバツで全国制覇 2000年沖縄サミット決まる
コソボ紛争が解決 普天間飛行場の代替にシュワブ沿岸
国連難民高等弁務官 緒方貞子 「世界を回って考えること」
代議士・元科学技術庁長官 田中眞紀子 「21世紀の扉を前にして」
軍事評論家 江畑謙介 「朝鮮半島情勢とアジアの安全保障」
日本経済研究センター会長 香西 泰 「沖縄振興の課題」
沖縄県副知事 牧野浩隆 「基地問題と沖縄経済」
日本経済新聞論説副主幹兼編集委員 田勢康弘 「だれが日本を救うのか」
日本放送協会 会長 海老沢勝二 「デジタル時代の公共放送」
東京女子大学名誉教授 猿谷 要 「多元文化世界の中の沖縄」
駐日米国大使 トーマス・S・フォーリー 「アジアの中の日米関係と沖縄」
1999年
◇
◇
◇
◇
◇
◇
◇
◇
◇
38
1・13
2・10
3・10
4・12
5・12
6・ 9
7・14
8・11
9・14
◇10・15 宮城県知事 浅野史郎 「地方から政治を考える」
◇11・17 著述業 ジャック・ハルペン 「日本人とユダヤ人の発想の違い」
◇12・ 8 野村総研上席エコノミスト 植草一秀 「2000年の日本経済」
沖縄サミット開催
琉球王国のグスクが世界遺産に
朝鮮半島で南北和平会議
那覇市政32年ぶり保守が奪還
浴風会病院院長 大友英一 「ぼけになりやすい人、なりにくい人」
日本国際問題研究所理事長 外務省顧問 小和田恆 「沖縄サミットの意義」
アサヒビール 名誉会長 樋口廣太郎 「2000年!日本経済新生への提言」
公共広告機構理事長 寺尾睦男 「女性の時代。女房なんて怖くない−と言ってみたい」
経済評論家 佐高 信 「異議あり!日本」
プロ野球セ・リーグ会長 高原須美子 「21世紀は心の時代−フィンランドと日本」
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長 中村祐輔 「21世紀はヒトゲノム時代」
慶応大学教授 小此木政夫 「韓国情勢、北朝鮮情勢」
毎日新聞社編集委員 岸井成格 「森政権と今後の政局」
京都大学大学院教授 家森幸男 「長命から長寿への食生活−沖縄サミットでの報告から−」
駐日中国特命全権大使 陳 健 「沖縄から見る東アジア地域の協力」
戦略国際問題研究所上級副所長 カート・M・キャンベル 「アジア安全保障の将来と沖縄」
2000年
◇ 1・12
◇ 2・16
◇ 3・14
◇ 4・12
◇ 5・10
◇ 6・14
◇ 7・12
◇ 8・ 9
◇ 9・19
◇10・11
◇11・ 8
◇12・13
米中枢同時テロ
小泉内閣発足
国内初の狂牛病
米テロで沖縄観光に打撃
米兵事件頻発し地位協定改定世論高まる
ノンフィクション作家 秋尾沙戸子 「アジアの女たち」
駐横浜大韓民国総領事 徐 賢燮 「新しい韓日関係を目指して」
台北駐日経済文化代表處代表 羅 福全 「台湾の新政権と東アジア」
ブルッキングス研究所上級特別研究員 ラエル・ブレナード 「日米経済関係の新局面」
ドイツ‐日本研究所所長 イ ル メ ラ ・ 日 地 谷 ‐ キ ル シ ュ ネ ラ イ ト 「文 化 比較 か ら 何を 学 べる か 」
富士通総研理事長 福井俊彦 「日本経済の展望」
神戸大学大学院法学研究科教授 五百旗頭 真 「アジア太平洋に生きる」
自由民主党元幹事長 加藤紘一 「参院選後の政局」
京都大学東南アジア研究センター教授 濱下武志 「アジアネットワークの中の沖縄」
多摩大学名誉学長 グレゴリー・クラーク 「クラーク先生の日本人論」
元ソ連大統領 ミハイル・ゴルバチョフ「グロ ー バリ ゼ ーシ ョン の 時代 − ロシ ア と沖 縄 の経 済 交流 」
共同通信社論説副委員長 春名幹男 「米中枢同時テロで激変した世界」
2001年
◇ 1・17
◇ 2・14
◇ 3・14
◇ 4・11
◇ 5・ 9
◇ 6・14
◇ 7・11
◇ 8・ 8
◇ 9・17
◇10・10
◇11・15
◇12・12
初の日朝首脳会談―拉致被害者5人帰国 国連のイラク査察再開
サッカーW杯で日本躍進 ノーベル賞初の日本人W受賞 沖縄振興新法スタート
厚生労働大臣 坂口 力 「差別なき社会をめざして−雇用・失業、狂牛病、ハンセン病問題」
北海道大学法学部教授 山口二郎 「小泉改革・政治の行方」
毎日新聞社社長 斎藤 明 「新聞ジャーナリズムのこれまでとこれから」
駐日シンガポール大使 チュー・タイスー 「日本・シンガポール関係の発展−沖縄の可能性」
総務省総務審議官 月尾嘉男 「IT革命と社会変革」
元西鉄ライオンズ投手 稲尾和久 「鉄腕稲尾の人生論」
沖縄担当大臣 尾身幸次 「沖縄新大学院大学構想について」
三井物産戦略研究所所長 寺島実郎 「21世紀の日米関係と沖縄」
慶応大学経済学部教授 金子 勝 「アメリカのバブル破綻と日本経済の動向」
弁護士 堀田 力 「生きがい大国への道」
ジャーナリスト 歳川隆雄 「小泉訪朝の内幕と朝鮮半島情勢の行方」
日本共産党委員長 志位和夫 「日本外交、日本経済の未来と日本共産党」
2002年
◇ 1・12
◇ 2・13
◇ 3・13
◇ 4・10
◇ 5・ 8
◇ 6・12
◇ 7・13
◇ 8・14
◇ 9・18
◇10・ 9
◇11・13
◇12・11
39
2003年
◇ 1・15
◇ 2・12
◇ 3・ 5
◇ 4・ 9
◇ 5・14
◇ 6・11
◇ 7・ 9
◇ 8・13
◇ 9・10
◇10・15
◇11・19
◇12・10
米英がイラク戦争 邦人外交官2人がイラクで殺害される
新型肺炎(SARS)が世界的流行 沖縄都市モノレールが開業
台風14号が宮古島で猛威
岩手県知事 増田寛也 「地方の自立のために」
在日中国人ジャーナリスト 莫 邦富 「中国最新事情−日本企業がなぜ中国に敗れるのか」
法政大学総長 清成忠男 「新振計はベンチャーの気概で」
ヨット冒険家 堀江謙一 「未知への航海」
ジャーナリスト、アラブ研究者 平山健太郎 「イラク戦争後の中東」
東京大学医学部名誉教授 養老孟司 「脳と現代社会」
大阪大学産業科学ナノテクノロジーセンター長 川合知二 「ナノテクノロジーがひらく社会」
チャイコフスキー財団総裁 アンドレイ・シェルバック 「ロシア―沖縄を結ぶ音楽交流の提案」
エコノミスト 國定浩一 「阪神タイガース優勝の経済効果」
マサチューセッツ工科大学教授 ジェローム・フリードマン 「科学の力と沖縄大学院大学」
毎日新聞社編集委員 岸井成格 「総選挙の結果と今後の政局」
音楽評論家 青木 誠 「沖縄音楽の魅力」
2004年
◇
◇
◇
◇
◇
◇
40
1・14
2・10
3・10
4・10
5・10
6・ 9
元自由民主党幹事長 野中広務 「今、日本を憂う」
前駐レバノン大使 天木直人 「これでいいのか日本外交」
アジア経済研究所参事 酒井啓子 「イラク復興と自衛隊」
堀場製作所会長 堀場雅夫 「自今生涯―産学連携と経営」
埼玉県志木市長 穂坂邦夫 「地方行政刷新と元気なまちづくり−ピンチをチャンスに変える」
韓国・世宗研究所主席研究委員 白 鶴淳 「金正日体制と韓国・北朝鮮統一の展望」
[編集後記]
◎…「公」の地方自治体に「経営」という
した他で見られない情報公開は、公共事業
視点と感覚を持ち込んだところとして、北
を市民が身近に感じる機会となるでしょう。
海道の池田町という小さな町が思い出され
市町村を 「非営利の独占的企業体でサービ
ます。かれこれ30年ほど前でしょうか。
ス業 」 と位 置付 ける 穂坂 市 長は 、 自 ら は
片田舎の小さなその池田町に 「町営のワイ
「シティー・マネージャー」と名乗っていま
ン工場」を創設したのは。町の特産品とい
した 。 その マネ ージ ャー は 、 市 町村 に は
うほどではないにしても、以前から栽培さ
「収入役を独立させるほどの業務はない」と
れていたブドウを活かして、 もっと付加価
明快。さらに「議員がいて市長がいる、 と
値の高い商品ができないかと考えたのが始
いう国は日本だけ。 地方行政システムは外
まり。当時の町長は意欲のある町職員をフ
国ではどんどん変わってきている」と、 目
ランスはじめヨーロッパ各地に派遣して、
を世界に広げる。 初耳のこの話に、新鮮な
可能性を探った。ワイン工場創設の決断を
驚きを覚えました。 考え方を表明するだけ
した後は、長期派遣して工場での醸造研修
で終わらず、実際に市長制を廃止しようと、
に当たらせた。当時まだ、町当局が工場を
議員の中からシティー・マネージャーを選
設置して経営するという例がないだけに、
出する特別区も政府に申請中とのことです。
ユニークな池田町の取り組みは、冷やかな
◎…6月のテーマは「朝鮮半島」 です。 小
視線の一方で、 新しいまちづくりへの挑戦
泉首相の突然の北朝鮮再訪問が5月22日
として注目されました。その「十勝ワイン」
にあったばかりで、 ホットな時局テーマだ
が飲める町直営のレストランを東京・銀座
と思います。拉致問題は未解決のまま長引
に進出させたのも "地方発全国行き" のは
きそうな気配です。 情報を統制してベール
しりでした。 ワインの味は思い出せません
の向こうにいる独裁者・金正日総書記とは、
が、入店した記憶が蘇ってきました。
どんな考え方を持った人物なのか。 何故か
◎…志木市の穂坂市長が挑んでいる、地方
くも頑なに国を閉ざすのか。他方、同胞の
行政刷新策の数々は強烈な印象を残したの
韓国の盧武鉉政権は半島統一をどのように
ではないでしょうか。予算編成の過程で市
進めようとしているのか。ミサイルや核問
民を参画させることや、その予算書を市民
題、 さらに国交正常化という重い課題が横
が理解できるように、長い慣行を破って編
たわる朝鮮半島の分断国家は、我が国の最
成替えしたことは、地味ながら画期的なこ
も近い隣国です。 今回、 韓国から政府顧問
とです。1億円以上の公共工事は全て、予
もしている白鶴淳氏をお招きました。 先の
算化する前に計画を公表しています。こう
疑問など伺う好機だと思います。 (伊礼)
月刊・琉球フォーラム
第134号
2004年6月9日発行
発
編集人
伊
礼
発行人
宮
里
行
勉
昭
也
琉球新報社琉球フォーラム事務局
〒900-8525 那覇市泉崎1−10−3
TEL.098(865)
5177 FAX. 098
( 869)9171
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TEL.098(858)
7895 FAX.098
(858)7893
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