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ウィークリーレポート 2016/11/21

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ウィークリーレポート 2016/11/21
ウィークリーレポート 2016/11/21-2016/11/25
どこまで続くのか?トランプ相場
トランプ政権人事の行方に注目。中長期での米金利上昇・ドル買いの地合いは継続しそうだが、目先は過熱感や新
興国アセットの下落もあり、調整の可能性も。調整局面では、買いが入りやすのではないか。
(先週の振り返り)
前週に引き続き、米大統領選後のユーフォリア(陶酔感の広がった)相場となりました。市場はトランプ次期大統領の
打ち出す大型減税やインフラ整備など大胆な財政刺激策を織り込む形で進み、米国債利回りが急上昇。それに伴い
為替市場ではドル全面高の動きとなりました。世界的に株高が進行したことも円売り材料となり、ドル円相場は上伸し
ました。
ドル円相場上昇時の特徴としては、東京時間は上値が重たくなりますが、海外時間を中心に上昇していることから本
邦の輸出企業を中心とした実需フローが出ていたことが伺えます。この週に発表された米小売売上高等が好調だっ
たこともドル買いを下支える材料となりました。米金利上昇につられる形で円金利上昇を嫌った日銀がイールドカーブ
コントロールの一環として、指し値オペをはじめて実施しました。一旦は日米金利差拡大思惑からドル円上昇で反応し
ましたが、一時的な動きとなりました。
その後、注目の安倍首相・トランプ次期大統領の会談が行われましたが、特段市場が反応する材料はありませんでし
た。もう一方の注目されていたイエレン FRB 議長の議会証言では「利上げは比較的早期に適切になる公算」と述べ、
12 月 FOMC での利上げの可能性を示唆しました。トランプ相場に一巡感も見られ、米国株は上げが一服したものの、
米 10 年金利が 2.3%を超えるとドル買いの流れは続き、ドル円相場も 111 円を目前に週を終えました。
(今週の見通し)
トランプ次期大統領の経済政策「トランポノミクス」の方向性を探る上で今後出てくるであろうトランプ政権の人事動向
が直近の市場テーマになっています。
ただその動向にかかわらず、依然不透明感はあるものの、中長期での米金利上昇・ドル買いの地合いは継続しそう
です。米金利上昇を受けて欧州各国及び日本の利回りも上昇しております。金融政策から財政政策及び政治動向に
テーマが移りつつあるものの、足元の市場動向を踏まえ 21 日のドラギ ECB 総裁の議会証言及び、日銀のイールドカ
ーブコントロールには注目が集まりそうです。今後、どこまで円安が進むか?ですが、ここまで米金利上昇・米株上昇
とトランプ相場の良いとこ取りをしドル円相場は高値圏で推移してきましたがそろそろ過熱感が出始めており、目先は
調整スタンスで見ていたほうが良さそうです。ただ円側の売買要因を見ると、公表されている IMM 投機ポジションで
は、投機筋はドル円ショートを買い戻しているようですが、一方で個人投資家は逆張りでドル円ショートを増やしている
ようです。そのためドル円下押し局面では買い戻しを入ることも期待できそうで、下値を支える可能性があるでしょう。
価格的には、目安は先週のボリュームゾーンであった 108 円-109 円付近となりそうです。
一方、ドル円の上値の目途に関しては短期的には 112 円、中長期的には 115 円と見ております。市場全体でトランプ
相場の織り込みとは別に中央銀行や機関投資家のリバランスやヘッジ外しのドル買いが広範にみられます。こうした
状況が、ドル相場の押し目買い待ちに押し目なしを作っていますが、トランプ相場の不透明感やそれに伴う新興国ア
セットの急落もありますので調整を待つのが良さそうです。
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