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NEDO 省エネルギー技術フォーラム 2013 <省エネルギー・フィルム型

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NEDO 省エネルギー技術フォーラム 2013 <省エネルギー・フィルム型
NEDO 省エネルギー技術フォーラム 2013
省エネルギー革新技術開発事業
フェーズ名:先導研究
<省エネルギー・フィルム型超大画面プラズマチューブ
アレイの超高精細化技術の研究開発>
事業実施法人名:篠田プラズマ(株)、大電(株)、広島大学、徳島文理大学
研究開発期間:平成22年6月~平成24年2月
1.研究開発の背景、目的、目標
1.1.背景
2
国内外のFPD(Flat Panel Display) 市場動向
市場
現在~2015年頃 デジタルサイネージ市場の急速な立ち上がり
⇒ 産業用超大画面市場の立ち上がり
2015頃~
2020 ~
SHD-TV試験放送開始
100型超SHD大画面が家庭にも普及し始める
⇒ コンシュマー超大画面市場の立ち上がり
今後も画面サイズ拡大による消費電力増大への対応が必要
製品
2007~09
各社より100型超の製品発表
PDP:松下103型,LCD:シャープ108型,当社:145型PTA
2010~
各方式で超大画面の
市場形成が始まった
2014頃~
更なる大型化、方式バリエーション
当社:曲面150~200型PTA、松下:152型PDP
シャープ:60型LCD×n マルチ、三菱:150型 OLEDマルチ
SHD(4k2k)対応FPD製品化が本格化すると予想
超高精細化と様々な場面に応用できるフレキシビリティが求められる
1.2.従来の課題、目的、目標
本テーマの位置付け
チューブ状発光素子:
ルミナスチューブ
<従来技術の課題>
(プラズマチューブ)
独自開発デバイス
Luminous Array Film
を用いてフィルム型
超大画面製品を実現
視野を覆う超大画
面・曲面表示可能
チューブ径
現状 1mm
電極フィルム
現行技術
チューブ径 1.0 mm
=> 720p 150型~ Full-HD(1080p) 265型
表示装置の消費電力:画面 1㎡当り 200 W
表示フィルム部は、厚さ 1.0 mmと超薄型
重量は1㎡あたり約 1.4 kg/㎡と超軽量
兵庫県立美術館 145型(3×2m)
3
現行製品は150~300型
の超大画面公衆表示に
適しているが、応用範囲
を拡大する必要がある
2倍の高精細化と、更なる
低消費電力化により、優位
性を高める
150W/㎡ のFull-HD
表示装置を実現するため
デバイス発光効率 5 lm/W 必要
175型(4×2m) 横自由拡張型
<事業の目的、目標>
4
事業目的
公衆表示向けに実用化したフィルム型表示デバイスを、超高精細化して更
に省エネ性能を高めることで広く普及させ、エネルギー消費削減を図る。
事業全体目標
1mm径チューブ発光素子を0.5mmに高精細化し、更に高発光効率化する。
他方式比1/2の消費電力で100型クラスの次世代フィルムテレビを実現する。
高効率・超高精細デバイス技術の開発
1mm径チューブ発光素子をそのまま0.5mmに比例縮小すると発光効率は半減してし
まうため、新たなチューブ発光素子構造、電極フィルム技術を開発する。
高効率・超高精細化プロセス技術の開発
チューブ素子形成精度を2倍に高め、高精細化により使えなくなる現行のチューブ
内成膜プロセスに代わる、新規の保護膜/蛍光体成膜プロセスを開発する。
達成目標
消費電力150W/㎡の100型クラス・フィルムTVを実現
する基礎技術:
0.5mm径1m長チューブを用いたデバイス試作と発
光効率 5 lm/W達成、および0.5mmプラズマチュー
ブ・プロセス基礎技術完成
H21年、開発当初の技術レベル
1.0mm径プラズマチューブで、発光
効率 4 lm/W、消費電力 200W/㎡
1.0mm径1m長のプラズマチューブ
製造プロセス
2.研究開発体制、研究開発内容
5
2.1.研究開発体制
プロセス技術部
(新規プロセス技術、材料技術の開発)
プロジェクトリーダー
商品設計部・
(駆動制御回路、電極フィルム技術の開発)
篠田プラズマ株式会社
代表取締役会長兼社長 篠田 傳
商品設計部・モジュール技術グループ
技
術
開
発
部
門
(デバイス、ディスプレイモジュールの開発)
委託研究管理グループ
財務・経理、知財、総務
共同実施先
広島大学 先端物質科学研究科 (H22-23)
徳島文理大学 理工学部 (H24)
梶山 教授、張 准教授
大電株式会社 技術開発本部
機能材料開発室 尾畠GL
日本放送協会(NHK) NHK放送技術研究所
表示・機能素子研究部 村上主任研究員
2.2.研究開発内容
6
(1) 0.5mmプラズマチューブ高発光効率化
開発当初の発光効率と、超高精細化における目標
10
チューブ幅: 0.5mm
0.8mm
1.0mm
1mm
発光効率 (lm/W)
8
最終目標
トップデータ
Xe(10%)
0.8mm
6
中間目標
Xe(4%)
4
PDP(製品参考)
2
半減
0.5mm
チューブ幅
現行PTA製品
現行技術
0
0
0.1
0.33
0.5
0.67
0.8
サブピクセル ピッチ (mm)
1.0
1.33
(サブピクセル = チューブ幅)
1mmチューブの4 lm/W技術のまま0.5mmチューブを作ると、発光効率は半減
本研究で 5 lm/Wに改善し、表示装置消費電力 150W/㎡ 実用化を目指す
7
0.5mmプラズマチューブ高発光効率化:デバイス改良・評価
1 mm
電極
電極フィルム
ガラス管
(肉厚 80μ m)
放電保護膜
蛍光体層
放電
0.5 mm
電極接触面
電極接触面形状
の最適化
管形状最適化
放電空間最適化
ガラス管高さ
0.6mm
励起紫外線
薄肉厚化
発光効率
改善のため
の改良
6
接着層透過率改善
5
電極・放電ガス最適化
新蛍光層拡大
縦型放電空間チューブ+新蛍光体形成
改善効果を積み重ねて
発光効率 5 lm/W を達成
発光効率 (lm/W)
0.5mm小型デバイス発光効率実測と比較
放電の最適化
放
電
放電・蛍光体
距離の最適化
蛍光体層
ガラス管
高さ最適化
形状最適化
面積最適化
0.5mm
1mm
0.8mm
4
比較サンプル
1次試作
電極ラミネート改善
新蛍光体形成法
蛍光体層拡大
電極・ガス最適化
接着層透過率改善
3
2
1
0
0.4
0.6
0.8
チューブ径 (mm)
1
1.2
(2) 0.5mm径プラズマチューブのプロセス基本技術開発
8
プラズマチューブアレイの製作工程と0.5mm高精細向け開発要素
*形成精度の改善
① ガラス管形成
⑤点灯試験・選別
②放電保護膜形成
ガラス母材
(10~30φ )
ガラスチューブ
* 管エッジ封止精度向上
④排気,放電ガス封入
MgO
ヒーター
リドロー
歪緩和
* 新規保護膜プロセスの開発
⑥ 電極シート貼付
* ドロー精度の改善
ローラー
③蛍光体層形成
排気
Ne+Xe(4%~)
カッター
蛍光体
* 新規蛍光体プロセスの開発
ガラスチューブ
0.5 mm
* アレイ化
精度改善
樹脂フィルム電極
* 高精細デバイス評価技術
* 形状検査の高精度化
1mm管 => 0.5mm管 においてチューブ内断面積は 大幅縮小し、従来の成膜プロセ
スが使えなくなるため、新規プロセス技術を開発する必要がある
プロセス基本技術: 0.5mmガラス管形成プロセス開発
ガラス管形成プロセスの改良
試作0.5mmガラス管幅の分布と精度
350
扁平部の幅
(電極接触)
肉厚
母材管加工精度の改善
計1863本試作
高さ
150
管幅
管単体破壊強度の評価
100
50
0.515
0.510
0.505
0.50
0.495
0.490
0
0.485
管幅
(μ m)
・フィルムを貼り付けると大きく改善
・単体強度は製造時のハンドリング
(歩留まり)に影響
破壊強度の分布
破壊試験
35
0.5mm管:10.6kg/mm2
30
頻度(%)
度数 (本)
250
200
リドローの高精度制御、安定化
±3μmの範囲
管幅精度
±5μ mの範囲
300
9
0.5mm管
0.8mm管
1.0mm管
25
0.8mm管:17.7kg/mm2
20
15
1mm管:25.7kg/mm2
10
5
従来形状を基にした管幅の比例縮小では
断面積(管内空間)が大幅に縮小する
0
6
12
18
24
Broke Strength
30
36
(kg/mm2)
42
プロセス基本技術:新規保護膜プロセス基礎開発
現行プロセスの改良
10
新技術:常厚CVDプロセス検討
より細い管内に膜形成できる新材料、
0.5mm管に対応できる成膜プロセスお
よび原理実験機を開発
ガラス管の熱歪み抑制、細管内MgO膜形成
安定化、不要残留物排除など改善を進めた
(大学との共同実施)
原理実験機を試作し成膜実験
・将来的により細い管に対応可能
・MgO以外の保護膜材料に対応可能
=> 原理確立まで時間を要す
=> 試作プロセスとして確立
ガラス層
MgO層
300 nm
MgO放電保護膜の表面状態(結晶の状態)
MgO保護膜厚の目標(150nm)を達成、膜厚ばらつき目標(<±50nm)を達成
プロセス基本技術: 新蛍光プロセス/材料基礎開発
0.5mm管向けに、
蛍光体材料を改良
新規プロセス原理を開発
原理実験機により成膜確認
0.5mm縦型チューブに適用
11
管幅
500μ m
層形成高さ
250μ m
層形成高
さの偏り
ガラス厚
70μ m
高さ不足
今後、成膜制御性を改良する
蛍光体層厚 60μ m
蛍光体層の膜厚
チューブ長手方向
蛍光体層厚
1m長全体での膜厚均一性を改善
60
Red Rec 23%
Red Rec 21%
1050 mm
1000 mm
1050 mm
750 mm
500 mm
250 mm
測定位置
100 mm
形成条件最適化により、1m長範囲で
中心膜厚 30μ m±5μ m を達成
添加剤最適化で膜厚安定度を向上
膜厚 (μ m)
50
Red Rec 19%
40
30
±5μ m
20
10
0
0
200
400
600
800
1m長チューブ内の位置 (mm)
1000
1200
(3) 0.5mm高精細デバイスとフレキシブル画面の試作
1mm/0.5mmチューブ
画素ピッチおよび精細度の比較
12
巻取型ディスプレイの基礎技術
制御部 駆動部
ネットワークI/F部
回路ユニット
電極層
表示エリア
前面フィルム
発光層(チューブアレイ)
1mm チューブ
Pixel size: 3 mm
0.5mm チューブ
Pixel size: 1.5 mm
上側駆動・表示モジュール
1mmチューブを用いて試作
チューブ幅1/2縮小に合わせて、電極シート形成
精度を改善し、電極ピッチを1/2に高精細化
・前面フィルム電極層を単辺集約する伝送技術を開発
・上部片側駆動方式の回路モジュールを開発
3.成果、実績、展望等
3.1.成果
13
<成果・開発技術の概要>
(1)0.5mm径の高効率プラズマチューブデバイス基本技術の開発
①-ア) 0.5mmプラズマチューブ高発光効率化 (篠田プラズマ・広島大学-徳島文理大学):
放電空間拡大チューブ構造、薄肉厚0.5mmチューブ形成 、蛍光体形成層拡大、電極
シート接着層の透過率向上など => 発光効率 5 lm/W
①-イ) フレキシブル画面化基礎技術の開発(篠田プラズマ):
0.5mmプロセスにおける伸縮抑制法開発、高精度電極フィルムカット法、単辺駆動電極
フィルム/回路構造 => 電極精度 ±0.1%、フィルム伸縮1/2、プロセス耐熱性1.5倍
(2)0.5mm径プラズマチューブのプロセス基本技術の開発
②-ア) 0.5mmガラス管形成プロセスの開発(篠田プラズマ):
母材ガラス/リドロー細管形成の高精度・安定化 => 1m長0.5mm管形成精度±3mm
②-イ) 新規保護膜プロセス基礎技術の開発(篠田プラズマ、広島大学-徳島文理大学):
新規成膜形成材の開発、0.5mm細管内への安定成膜技術を開発
=> 1m長0.5mm管のMgO保護膜厚 150nm±50nm
いずれも最終
②-ウ) 新規蛍光体,形成プロセス基礎技術(篠田プラズマ、大電):
目標値を達成
従来法に変わる新蛍光体層形成法とそれに用いる新材料を開発
=> 1m長0.5mm管の蛍光体層厚さ 30μ m、バラツキ±5μ m以下
3.2.実績等
14
学会発表 5件
国際会議論文投稿と口頭発表 3件 国内学会 研究会発表 2件
Best Prototype at Display Week 2013 受賞
本委託研究成果の一部を利用した当社新技術試作機が、国際学会SID
(Society for Information Display)主催のDisplay Week 2013国際会議
“Innovation zone” I-Zoneに招待出展され、No.1革新技術として認定された。
特許出願 4件 (内・外国出願3件)
(http://www.sid.org/About/Awards/IZone.aspx)
3.3.今後の展望
事業終了後は実用化開発を進め、高精細・高発光効率化の基
礎技術を、量産可能な製品技術に高めて行く。また、フィル
ム型の特長を活かせる巻取り型表示装置の製品を開発する。
開発技術を組み込んだフィルム型表示装置を、2016頃にまず
公衆表示分野で実用化し、さらに2020年頃には家庭向け100型
クラスのフィルムテレビの実用化を目指す。
15
今後の展望: 実用化課題、量産計画
・本基礎研究により実用化開発に向けた基礎技術が揃った
・今後の課題は、表示品質の改善
新規プロセス/デバイス構造採用により、ピーク輝度低下・輝度ばらつき発生
改善目標:ピーク輝度向上 (1.5~2倍に改善)、輝度ムラ低減 (1/2に抑制)
<量産計画>
(生産数は画面面積、 業務用途は平均で6平米/セット)
2016Fy
プロトタイプ機
2020Fy
2025Fy
2030Fy
10,000
業務用途向け量産
(デジタルサイネージ)
110,000
220,000
420,000
(㎡)
業務用途(テレプレゼンス,
教育,エンタテイメント)量産
100,000
400,000
1,000,000
(㎡)
100,000
6,000,000
30,000,000
(㎡)
100型クラス・フィルム型
SHD巻取型ディスプレイ
(SHD規格
普及度合
いによる)
・過去、2001年からBSデジタル放送開始に合わせて薄型TV市場が急成長
40型超の大画面ディスプレイ国内生産は、数十万台@2001年 => 数千万台@2008年
・2020年をSHD元年と見て、30万台/年 => 2030年に1000万台/年を超えると予想
3.4.原油換算省エネ効果
16
導入量と省エネ効果量の推移
公衆表示・産業用途向け 2030年時点:74,000 kL/年 (累計: 298,000 kL/年)
市場導入量・予測値 (公衆表示向け大画面市場)
省エネ効果量 (公衆表示向け大画面市場)
1,200,000
50000
テレプレゼンス,教育,エンタテイメント
800,000
省エネ効果 (kL/年)
導入量 (画面 ㎡)
デジタルサイネージ向け
デジタルサイネージ向け
1,000,000
年間販売数
600,000
400,000
200,000
0
2015
2020
2025
2030
40000
テレプレゼンス,教育,エンタテイメント
30000
20000
10000
0
2015
年
2020
累計市場導入量・予測値(公衆表示向け大画面市場)
200000
累計 デジタルサイネージ向け
累計 テレプレゼンス,教育,エンタテイメント
累計省エネ効果 (kL/年)
累計導入量 (画面 ㎡)
累計 デジタルサイネージ向け
3000000
年間市場稼動数
2000000
1000000
0
2015
2030
累計省エネ効果 (公衆表示向け大画面市場)
5000000
4000000
2025
年
2020
2025
150000
合計
298,000
累計 テレプレゼンス,教育,エンタテイメント
100000
50000
2030
年
装置の平均稼動期間を7年として累積
0
2015
2020
2025
年
2030
Fly UP