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アフリカ文庫とは

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アフリカ文庫とは
アフリカ文庫
アフリカ文庫とは
文庫とは
1979年、詩人としても名高い、セネガル共和国大統領 レオ
ポール・セダル・サンゴール氏による著書一式の寄贈を契機
に、アフリカ関係資料を収集した記念文庫を設立したことが、
アフリカ文庫の始まりです。サンゴール氏を中心とする旧フラ
ンス語圏のアフリカ文学、文化、社会、思想、歴史書を核とし
て、地図、美術、自然科学等、広範囲にわたるアフリカ関連の
図書をそろえ、現在でもアフリカ文庫選定委員会が収集にあ
たり、蔵書の充実を図っています。
所蔵場所
中央図書館 B3 自動書庫 D
アフリカ文庫選定委員のおすすめ図書
おすすめする人:菅啓次郎(すが・けいじろう)
理工学部教授(総合文化)、理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系教授(コンテンツ
批評、映像文化論)。著書に『斜線の旅』『本は読めないものだから心配するな』『ホノルル、ブラジル』な
ど。仏・英語カリブ海文学の翻訳もいろいろ。
この本をおすすめします!
『アフリカのことば : アフリカ/言語ノート集成』
著者:西江雅之
出版:河出書房新社, 2009年
請求記号:802.4/3//H, 802.4/3//W, 802/17//S
現代日本の代表的な言語学者・文化人類学者・アフリカ研究者のひとりである著者の、40年にわ
たるアフリカ研究の総決算。
20歳そこそこで初めてアフリカに足を踏み入れて以来の著者の歩みが、ここに収められた文章群か
ら、はっきりと浮かび上がる。驚くべき多言語空間としてのアフリカと持続的につきあい、中でも東アフリカ
のスワヒリ語世界をじっくりと考察し、世界中に拡散したアフリカが行く先々で編み出してきた混成言語
ピジン・クレオル諸語の成り立ちを解き明かす。かつては遊牧民マサイ族とも生活をともにした、この歩く
人類学者の爽快なスタイルが、あますところなく現れている。
アフリカに行きたい。その気持ちをかきたてられる本だ。
そのほかにこれもおすすめ
『アフリカのことがマンガで3時間でわかる本』(大迫秀樹、2006) JK/48//H
『ストリートの歌』(鈴木裕之、2000) 361.5/647//H, 361.5/32//W
『レゲエ・トレイン』(鈴木慎一郎、2000) 764.7/60//H, 764.7/11//W, 764/16//S
『慟哭のハイチ』(佐藤文則、2007) 302.5/82//H, 302/447//S
『アフリカの声: 「歴史」への問い直し』(川田順造、2004) 382.4/6//H, 382/197//S
『ブッシュマン、永遠に。 : 変容を迫られるアフリカの狩猟採集民』(田中二郎、2008)
389.4/28//H, 389/241//S
『アフリカを食べる/アフリカで寝る』(松本仁一、2008) 302/487//S
アフリカ文庫選定委員のおすすめ図書
おすすめする人:溝辺 泰雄 (みぞべ・やすお)
国際日本学部専任講師。専門は、アフリカ近現代史、アフリカ地域研究。2004 年 3 月,大阪外国語
大学大学院言語社会研究科修了(学術博士)。ガーナ国立ガーナ大学大学院アフリカ研究科留学、
日本学術振興会特別研究員 PD(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)などを経て,
2009 年 4 月から現職。
この本をおすすめします!
『ルワンダ中央銀行総裁日記』
著者:服部正也
出版:中央公論新社,2009年(増補版)
配置場所:新書・文庫コーナー 中公新書 290
本書は、日本銀行の外国局渉外課長だった著者が、中央銀行の総裁として中部アフリカのルワンダに赴任
した 6 年間(1965 年~71 年)の記録である。インフラ、教育、さらに金融制度がほぼ未整備といった絶望的な
状況を目の当たりにして、著者は逆に燃える。日本の戦後復興を日銀マンとして支えた自らの経験を活か
し、IMF、欧米の諸銀行、さらに各国政府とのさまざまな交渉を通して、通貨改革からルワンダ人商人の育成
事業まで様々な政策を実行させていく姿が活き活きと描かれている。「ルワンダ人の福祉とは、ルワンダ人が望
ましいと思うことを実現すること」(p.124)を信条とする著者にとって、ルワンダの発展は、先進国の一方的な技
術援助によるものではなく、あくまで「ルワンダ人農民、ルワンダ人商人の、地道で自発的な努力によるもの」
(p.iii)であった。ルワンダの人々を「怠け者」と取り合わない欧米のステレオタイプを受け入れず、あくまで現地の
目線で現状を把握し、現地の文脈で必要な政策を模索した著者の姿は、我々にアフリカと向き合う際の大
切な心構えを教えてくれる。
そのほかにこれもおすすめ(日本語で読める入門書として)
『世界資本主義とアフリカ:ヨーロッパはいかにアフリカを低開発化したか』(W・ロドネー、1978)
332.4/17//H, 332/760//W
『アフリカは本当に貧しいのか―西アフリカで考えたこと』(勝俣誠、1993)
302.4/63//H, 302/969//W
『アフリカ入門』(川田順造(編)、1999)302.2/85//H
『援助する国される国―アフリカが成長するために』(服部正也、2001) 333.8/376//H
『アフリカと政治 紛争と貧困とジェンダー―わたしたちがアフリカを学ぶ理由』(戸田真紀子、2008
年)312.4/40//H, 312.4/21//W, 312/233//S
アフリカ文庫選定委員のおすすめ図書
おすすめする人:福田 邦夫(ふくだ・くにお)
商学部教授、貿易論担当(専攻:第三世界論、途上国経済開発論)
この本をおすすめします!
『グローバル化と奈落の夢』
著者:東京外語大学 西谷修編
出版年:せりか書房,2006年
請求記号:302.4/53//H, 302/488//S
この本は、東京外語大学大学院の国際協力講座の一環として、2005 年度に企画された写真
展+シンポジウム『<人間>の洗浄から』と映画上映+討論+ワークショップ『グローバル化と奈
落の夢』の記録をまとめたもの。
テーマは、グローバリゼーションの波に飲み込まれたアフリカ。『グローバル化と奈落の夢』では、
2005 年に日本でも上映された『ダーウインの悪夢』の監督フーベルト・ザウパー氏も参加して、アフ
リカが直面している死にいたる恐怖について、またスーダンの『ダルフールの危険』について、栗田貞
子氏、岡真理氏、ケニア在住の女性報道写真家イヴリン・ホックスタイン氏らが西谷修氏の氏の
司会のもと、それぞれ戦争による荒廃や貧困、難民等に関して告発し、21世紀に生きるわれわ
れに対して問題を投げかけている。
金融危機が危機ではない。危機は、われわれを包んでいるこの世界システムにあるのではないだ
ろうか?考えさせる一冊である。
そのほかにこれもおすすめ
『民族紛争を生きる人びと― 原題アフリカの国家とマイノリティ』(栗本英世, 1996)
316.8/78//H, 316/392//W
『近代スーダンにおける体制変動と民族形成』(栗田貞子, 2001)242.9/2//H,
『ルポ資源大陸アフリカ : 暴力が結ぶ貧困と繁栄』東洋経済新報社 (白戸圭一,
2009) 302.4/61//H, 302/478//S
アフリカ文庫選定委員のおすすめ図書
おすすめする人:伊藤 氏貴(いとう・うじたか)
文学部専任講師、文芸評論家。
ルワンダ、ウガンダの子供たちのための教育支援を行っている。
この本をおすすめします!
『生かされて。』
著者:イマキュレー・イリバギザ, スティーヴ・アーヴィン
出版:PHP 研究所, 2006
請求記号:936/46//H, 936/17//S
ルワンダのことは、数年前に日本でも公開された「ホテル・ルワンダ」などで知っている人もいるかも
しれません。しかし、あの映画も、はじめはなかなか配給先が決まらず、公開のための運動をしなけ
ればならないほど、日本では関心が低かったのです。ひとたび公開されると観客の満足度 No.1に
選ばれたりして、多少話題になったのですが、でもただ「満足」で終わりにしてほしくはない。泣いて、
感動して……それで終わりでは、なぜああした悲劇が起ったのか、その後ひとびとはどうなっているの
か、というもっと大事なことが置き去りにされてしまいます。
「ホテル・ルワンダ」を観た人は、つづけて「ルワンダの涙」や「Sometime in April」を観てほしいです
し、さらにこの「生かされて」をぜひ読んでほしいと思います。特にこの本は、悲劇を外側からでなく実
際に体験した人間の内側から描き、当人たちがどうやってその現実を受け入れるのかについて教え
てくれています。アフリカの現在進行形の悲劇に関心が持てなくとも、困難な現実の中で生きづら
さを感じている人にはおすすめです。
そのほかにこれもおすすめ
「アフリカ・レポート」(松本仁一, 2008)岩波新書新赤版 1146(新書・文庫コーナー)
「ホテルルワンダの男」(ポール・ルセサバギナ,2009)
「ジェノサイドの丘」上下 (フィリップ・ゴーレイビッチ, 2003)316.8/197//H, 316.8/108//W
「Rwanda means universe」(Louise Mushikiwabo Jack Kramer, 2006)
アフリカ文庫選定委員のおすすめ図書
おすすめする人:吉田 敦(よしだ・あつし)
商学部兼任講師。2006~09 年の間、アフリカへの海外調査では、海外投融資情報財団研究員とし
て、アルジェリア、チュニジア、モロッコ、ウガンダ、ガーナ、リビア等の調査を実施。
この本をおすすめします!
『アルジェリアを知るための 62 章』
著者:私市正年(編著)
出版:明石書店, 2009 年
請求記号:302.4/60//H, 302/468//S
日本から遠い国であるアルジェリアの歴史、文化から政治、経済について学生の方や一般の読
者向けに、テーマ別に 62 章にわたって、わかりやすく解説しています。日本との関わりでも、1960 年
代からアルジェリアの独立を目指す日本北アフリカ協会が設立され、独立以降も多くの日系企業
がアルジェリアの資源(石油・天然ガス)開発事業に携わってきました。そのほかにアルジェリアに関
する映画や音楽、食文化など、本書を読めば、北アフリカの異国の地がぐっと身近に感じることに
なる良書です。
教科書ではほとんど語られることのないアフリカの国々を巡る読書の旅に、出かけましょう!
そのほかにこれもおすすめ
『モロッコを知るための 65 章』(私市正年・佐藤健太郎(編著),2007 )
302.4/56//H, 302.4/18//W
『独立後第三世界の政治・経済過程の変容―アルジェリアの事例研究―』(福田邦夫,
2006) 302.4/48//H, 302.4/13//W, 302/413//S,
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