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【技術分類】23−3−1 自動二輪車ブレーキ/伝達装置/油圧式伝達装置
【技術分類】23−3−1 【 FI 自動二輪車ブレーキ/伝達装置/油圧式伝達装置 】B60T 17/04 【技術名称】23−3−1−1 ブレーキチューブ 【技術内容】 液圧(油圧とも言う)式ブレーキに使う配管のうち、非可動部に使われる金属性のチューブである。 要求される機能は加圧の際の膨張が少なく、ブレーキ液に対し耐腐食性を備えることである。自動二 輪車では一般には機械構造用鋼管が使われ、大排気量車では二重巻鋼管が使われる。マスタシリンダ やキャリパとの配管には管継手を使う。その際に端部の加工を行うが加工形状;フレアは JASO 規格 により定められている。 (下図参照) 【図】 ブレーキチューブ 二重巻鋼管構造説明図 フレア形状詳細 フレア用継手金具 出典: 「ブレーキ」、1987 年 11 月 30 日、青木和彦著、株式会社山海堂発行、66 頁 鋼管の作り方 ④ 67 頁 図 4-39 フレア 図 4-40 フレア用継手金具 【出典/参考資料】 「ブレーキ」 、1987 年 11 月 30 日、青木和彦著、株式会社山海堂発行 − 281 − 図 4-38 二重巻 【技術分類】23−3−1 【 FI 自動二輪車ブレーキ/伝達装置/油圧式伝達装置 】B60T 17/04、F16L 11/08 【技術名称】23−3−1−2 ブレーキホース 【技術内容】 液圧(油圧とも言う)式ブレーキに使う配管のうち、サスペンションの可動部に使われ、ホイール ハブのブレーキキャリパとをつなぐ可撓性の油圧ホースである。要求される機能は繰り返しの屈曲に 耐え、加圧の際の膨張が少なく、ブレーキ液に対し耐腐食性を備えることである。下図1のゴム被覆 のものが一般的であるが下図 2 のようなステンレス線編組で内部が PTFE 樹脂製のものもある。この ものは加圧時(ブレーキ使用時)の膨張が少ないので、レースなど過酷な条件下の運転の時のように 微妙なブレーキ操作を要求される用途に使われることがある。ステンレスの被覆を磨耗から保護する ため更に上に塩ビ等(PVC)樹脂膜をコーティングをする場合が多い。 【図】 ブレーキホース 図 1、一般タイプ構造説明 ポリエステル繊維 図 2、ステンレスタイプ構造説明図 比較用一般タイプ ステンレスタイプ 一般タイプよりも細い 出典:(図 1) 「ブレーキ」 、1987 年 11 月 30 日、青木和彦著、株式会社山海堂発行、65 頁 図 4-35 ブレーキ・ホースの構造例、図 4−36 組立て時 (図2)「株式会社スズキスポーツインターネット Home-page、http://www.suzukisport.com/」 「テフロンブレーキホース」、 http://www.suzukisport.com/ss_racing/bkhose/teflon_bkhose.html、 − 282 − 検索日 2005 年 2 月 24 日 【出典/参考資料】 「ブレーキ」 、1987 年 11 月 30 日、青木和彦著、株式会社山海堂発行 「株式会社スズキスポーツインターネット Home-page、http://www.suzukisport.com/」 「テフロンブレーキホース」、http://www.suzukisport.com/ss_racing/bkhose/teflon_bkhose.html、、 検索日 2005 年 2 月 24 日 − 283 − 【技術分類】23−3−1 【 FI 自動二輪車ブレーキ/伝達装置/油圧式伝達装置 】C10N40:08 【技術名称】23−3−1−3 ブレーキ液 【技術内容】 液圧(油圧とも言う)式ブレーキに使う液体で初期には鉱物油系や植物油系のものが使われたが、 現在はポリグリコールなどの高分子系が殆んどである。 ブレーキは過酷に使った時、放熱し切れなかった熱がブレーキ液を沸騰させ、そのとき出来た気泡 がクッションの役目をし、ブレーキ効かなくなるベーパーロック現象を起こす。 そのためブレーキ液(ブレーキオイルともいう)は ① それ自身の沸点が高く、高温になっても沸点が下がり難いこと。 ② 水分があるとその分沸点が下がり易いので、湿気による水分を吸収し難いこと。 ③ ブレーキ液が触れる部品類を潤滑はしても、腐食させないこと。 ④ 長期間にわたり化学的に安定で、耐熱性能などの劣化がないこと。 等が要求される。 シリコンオイル系のブレーキ液は低温で硬くならず、高温でも軟らかくならない、優れた粘度性能 を持っている。性能の劣化も少なく安定していて、上記要求条件も満たしているが、高価なため、一 部の用途向けにのみ使われている。 以下に、アメリカ連邦政府が FMVSS, No.116 で定めたブレーキ液の特性を掲載する。 DOT の番手は大きいほど性能がよく高価である。通常使われているのは DOT3 と DOT4 である。 なお、JIS では JIS K2233-3 種と JIS K2233-4種がこれに相当する。 【図】 ブレーキ液 出典:「ブレーキ」、1987 年 11 月 30 日、青木和彦著、株式会社山海堂発行、49 頁 FMVSS,No.116 の定めたブレーキ液特性 【出典/参考資料】 「ブレーキ」 、1987 年 11 月 30 日、青木和彦著、株式会社山海堂発行 − 284 − 表 4-1 【技術分類】23−3−1 【 自動二輪車ブレーキ/伝達装置/油圧式伝達装置 】B62L 3/08、B60T 8/26@K FI 【技術名称】23−3−1−4 前後輪連動制動制御機構(1) 小型車用 【技術内容】 扱いが容易な小型スクータには初心者や女性向を含む幅広い層に向くような工夫がなされ、製品化 されている。この様な背景から安全で容易なブレーキ操作を目的に開発された機構である。 自転車からスクータへ乗り換えたユーザーは自転車の感覚で左レバーを操作し、後輪のみブレーキ を掛けると、後輪が横すべりして転倒することが考えられる。そこで左レバー操作のみで、前・後輪 とも連動しブレーキが作動して安全、確実に止まることを可能とした機構が考案された。前・後輪操 作系はケーブルにより連結される機械式の前後輪連動制動装置である。 前・後輪の制動力の配分をイコライザにより、また前輪ブレーキ(右レバー)操作時はマスタシリ ンダと連動して前輪のみに優先して制動力が働くノッカー(Knocker)と称する機構を採用しこれを 実現している。 【図】 前後輪連動制動制御機構 小型車用 ディスクブレーキ 右レバー 左レバー ブレーキホース マスタシリンダ ノッカー イコライザ ブレーキケーブル ドラムブレーキ 図は、参考資料を基に本標準技術集のために作成 − 285 − 【参考資料】 「HONDA DATA DREAM(Motor Cycle) 」CD-ROM より、1999 年 7 月 10 日作成、 株式会社本田技術研究所著、凸版印刷株式会社・株式会社 TD スタジオ制作、コンビブレーキ − 286 − 【技術分類】23−3−1 【 FI 自動二輪車ブレーキ/伝達装置/油圧式伝達装置 】B62L 3/08、B60T 8/26@K 【技術名称】23−3−1−5 前後輪連動制動制御機構(2) 大型高性能車用 【技術内容】 この前後輪連動制動制御機構は油圧ブレーキを採用しているスポーツ系自動二輪車で使用されてい る。前輪に3ポッドのキャリパをダブルで装備(すなわち左右両面に3ポッドキャリパ式ディスクブ レーキを装備したダブルディスク形式)し、後輪にも3ポッドのキャリパをシングルで装備する。こ のうち、これらキャリパの3つのポッドのうち前輪については左右1つのポッドを、後輪については 2つを前後連動制動制御機構に使っている。 ブレーキペダル(図のペダルブレーキ)は後輪のポッド1つ、前輪の左右のキャリパ内のポッド各 1 つずつを直接操作する。ブレーキレバー(図のレバーブレーキ)を操作すると前輪の左右2つずつ のキャリパは直接加圧され、と同時にブレーキ負荷の大きさに応じて生じたブレーキ反力がメカニカ ルサーボ機構に働き、メカニカルサーボ機構で発生した液圧が PCV(圧力制御弁)に働き、反力に応じ て液圧が適正に制御されて後輪キャリパの残りの2つのポッドに加わる。これにより前輪の制動と共 に、後輪の制動力も高める。 【図】 前後輪連動制動制御機構 大型高性能車用 図は、参考資料を基に本標準技術集のために作成 【参考資料】 「HONDA CBR1000F カタログ」95CBR100F-K-409、1994 年9月現在、本田技研工業株式会社発 行 − 287 − 【技術分類】23−3−1 【 FI 自動二輪車ブレーキ/伝達装置/油圧式伝達装置 】B60T 8/171@A、B60T 8/176-8/1769 【技術名称】23−3−1−6 ABS(Anti-Lock Brake System)装置 【技術内容】 ハードブレーキ時の路面と車輪とのすべり状態を監視することでブレーキがロックするのを直前に 検知し、コントロール不能状態になるのを防いでブレーキ能力を最大限使えるように制御する制御シ ステムである。以下に作動について説明する。 前輪および後輪に付けられた回転速度を検知する車輪速センサー(下図 ABS センサー)のうちの どちらかが急に回転が低下したのを検知すると制御回路(コントロールユニットに内蔵)はロック状態 に入る兆しと判断し、同じくコントロールユニットに内蔵された制御弁を開き、制動液圧回路をバイ パスさせ圧力を下げる。これにより、路面と車輪との摩擦力が回復し、ロック状態に入りかけた車輪 の回転は上昇し始める。これを車輪速センサーが検知し、制御回路はコントロールユニット内臓の電 動ポンプを始動させてバイパスしていたブレーキ液を制動液圧回路へ圧送する。すると制動液圧回路 は再び加圧状態になる。この動作を短時間のうちに繰り返し、ロック状態になるのを回避しながら、 効果的にブレーキを掛けることが出来るようにしたものである。 【図】 ABS(Anti-Lock Brake System)装置 出典:「バイクのメカ入門」、1999 年 5 月 12 日、つじ・つかさ著、株式会社グランプリ出版発行、 193 頁 BMW の ABSⅡシステム 【出典/参考資料】 「バイクのメカ入門」、1999 年 5 月 12 日、つじ・つかさ著、株式会社グランプリ出版発行 − 288 −