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資料1 - 福井市

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資料1 - 福井市
資料
第2章
1
高齢者が住み慣れた地域で安心して
生活ができる環境整備
第1節 地域ネットワークづくり
1 ほやねっと(地域包括支援センター)について(仮)・・・・・ P39
2 ほやねっと(地域包括支援センター)機能の強化・・・・・・ P41
3 地域ケア会議の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P43
第2節 認知症施策の総合的推進
1
2
3
4
5
認知症施策の検討・推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
認知症の知識の普及・啓発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
認知症の早期発見・早期対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
認知症ケアの充実・地域づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
認知症の人とその家族への支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P45
P46
P48
P49
P51
第3節 在宅医療・介護の連携強化
1 在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進・・・・・・ P53
2 多職種連携体制の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P54
3 在宅医療についての知識の普及・啓発・・・・・・・・・・・・・ P55
第4節 地域生活支援体制の充実
1 高齢者の見守り体制の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P57
2 高齢者の在宅生活のための支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P61
3 高齢者の住まい環境と生活環境の整備・・・・・・・・・・・・・ P67
第5節 権利擁護の推進
1 成年後見体制の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P71
2 高齢者虐待への対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P72
- 34 -
第2章
高齢者が住み慣れた地域で安心して生活ができる環境整備
第2章 高齢者が住み慣れた地域で安心して生活ができる環境整備
高齢期になっても健康に配慮しながら、社会参加し、生きがいを持って生活を続
けることで、自分らしく生活することができます。しかし、加齢により疾病等のリ
スクが他の年代と比べて高まる高齢者の「生活の質(QOL)」を維持するためには、
本人の意志や努力はもとより、介護や医療サービスを含め地域で支える仕組みをつ
くることが重要です。
まず、地域の高齢者の総合的な相談・支援機関である「ほやねっと(地域包括支
援センター)」と行政が中心となって、医療や介護などの専門職、民生児童委員や福
祉委員など地域住民を含めた「顔の見える」ネットワークを作り、地域の高齢者の
生活を支えていく基盤とします。
また、認知症高齢者の一層の増加が見込まれることから、認知症に対しては、重
点的に取り組みます。高齢者本人や地域の人々に、認知症に対する正しい知識を持
ってもらい、早期発見・早期対応につなげるとともに、症状に応じた適切なケアの
提供体制を構築します。その一方で、認知症の人やその家族は社会から孤立しがち
になるため、心理的なケアを含んだ支援も併せて行っていきます。
介護に加え、医療的な処置が必要になると、自宅での生活を希望していても、家
族への負担など様々な不安から、病院や施設での生活を選ぶ高齢者もいると思われ
ます。こうした状態になっても、本人や家族が希望すれば、医療と介護のサービス
を組み合わせて利用することで、自宅での生活を継続できるような体制を整備しま
す。
地域とのつながりが希薄化している中で、地域の様々な主体がそれぞれの役割分
担の下、相互に連携しながら、自宅で生活する上で配慮が必要な高齢者を見守り、
住み慣れた地域で安心して生活が送れる体制をつくります。また、福祉サービスに
加えて、日常の買い物支援など自宅での生活を安全・安心に継続できるよう支援し
ます。さらに、高齢者の生活の最も基本的な基盤である住まいについては、個々の
状態やニーズに合わせた選択ができるよう整備を進めます。
判断能力が十分ではなくなった高齢者に対し、できる限り本人の意思や希望を尊
重しつつ法的に保護する成年後見制度の支援を行うとともに、専門職による後見人
だけでない市民後見人の養成に努めます。また、家庭や施設における高齢者虐待を
防止するため、地域での見守り体制を充実するとともに、虐待の発生が疑われる場
合の相談・通報体制の強化に努めます。
- 35 -
第2章
高齢者が住み慣れた地域で安心して生活ができる環境整備
第1節 地域ネットワークづくり
1 ほやねっと(地域包括支援センター)について(仮)
2
ほやねっと(地域包括支援センター)機能の強化
(1)ほやねっとの組織体制の強化
①認知症対応力の充実
②職員の資質向上
(2)ほやねっとの効果的な運営
①運営方針の提示と評価の実施
②情報共有の推進
③活動への支援
④ほやねっとの周知
3
地域ケア会議の充実
(1)地域ケア会議の充実
①地域ケア会議開催の支援
②施策への反映
第2節 認知症施策の総合的推進
1 認知症施策の検討・推進
(1)認知症施策の検討・推進
①認知症施策の検討・推進
2
認知症予防と知識の普及・啓発
(1)認知症の知識の普及と啓発
①認知症の知識の普及・啓発
(2)認知症予防に向けた取組みの実施
①認知症予防に向けた取組みの実施
3
認知症の早期発見・早期対応
(1)認知症の早期発見・早期対応
①認知機能低下のチェックと連携
②早期対応・支援の実施
4
認知症ケアの充実・地域づくり
(1)認知症ケアの充実・地域づくり
①認知症に関する取組みの向上
②認知症に関する社会資源の整理と普及
③認知症徘徊SOSネットワークの構築【新】
5
認知症の人とその家族への支援
(1)認知症の人とその家族への支援
①認知症の人と家族の集いの場の充実
- 36 -
第2章
高齢者が住み慣れた地域で安心して生活ができる環境整備
第3節 在宅医療・介護の連携強化
1 在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
(1)在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
①在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
2
多職種連携体制の整備
(1)多職種連携体制の整備
①多職種の顔の見える関係の構築
②情報共有の様式の検討
③ケアマネジャーの医療知識の向上
3
在宅医療・介護についての知識の普及・啓発
(1)在宅医療・介護についての知識の普及・啓発
①在宅医療・介護についての普及・啓発
第4節 地域生活支援体制の充実
1 高齢者の見守り体制の充実
(1)緩やかな見守り体制の構築(個人を特定しない見守り)
①見守りネットワークの構築【新】
②地域支え合いマップの活用
(2)日常的な見守り体制の構築(個人を特定した見守り)
①ひとり暮らし等高齢者の実態把握
②ひとり暮らし等高齢者の見守り活動の推進
③各福祉団体による見守り体制の強化
④乳酸菌飲料配付・会食会の開催
2
高齢者の在宅生活のための支援
(1)日常生活に不安のある高齢者へのサービス
①緊急時の体制の整備、火災防止
②日常軽作業サービスの提供
③介護用品の支給
④屋根雪下ろし費用の補助
(2)買い物支援
①「おたすけ便」による買い物支援
②軽度生活援助事業(えがおでサポート事業)による買い物代行
③介護保険及び障がい者サービスによる買い物支援
④すまいるバス・地域コミュニティバス・地域バス運行支援
(3)防犯・防災体制の確立
①ひとり暮らし高齢者宅への防火訪問
②避難行動要支援者名簿の作成・活用
③自主防災組織への支援
④消費者教育・相談
⑤各種相談の開催
- 37 -
第2章
3
高齢者が住み慣れた地域で安心して生活ができる環境整備
高齢者の住まい環境と生活環境の整備
(1)居宅住環境の整備
①住まい環境の整備支援
②高齢者世話付き住宅に対する生活援助員派遣
③まちなかでの優良賃貸住宅の整備
④既存市営住宅の改善
⑤サービス付き高齢者向け住宅の整備
(2)在宅での生活が困難な高齢者に対する住まいの提供
①養護老人ホームへの措置入所
②高齢者生活福祉センターへの入所措置
(3)高齢者に配慮したまちづくりの推進
①高齢者の外出移動支援の充実
②高齢者福祉施設の充実
③高齢者を対象とした交通安全教室の開催
④歩行空間の整備
⑤民間施設バリアフリー整備支援事業の推進
⑥公共施設等バリアフリーの推進【新】
⑦市ホームページバリアフリーの推進
⑧出かけたくなる場の提供
第 5 節 権利擁護の推進
1 成年後見体制の整備
(1)成年後見制度と本人への保護・支援
①成年後見制度等の利用推進
②市民後見の推進【新】
2
高齢者虐待への対策
(1)高齢者虐待防止に向けた普及啓発と早期発見
①高齢者虐待に関する理解の普及啓発
②虐待発生の未然防止
(2)高齢者虐待への対策
①高齢者虐待ネットワークによる対応
- 38 -
第2章
第1節
1
第1節
地域ネットワークづくり
地域ネットワークづくり
ほやねっと(地域包括支援センター)について(仮)
【現状・課題】
・ほやねっと(地域包括支援センター)は 9 つの日常生活圏域ごとに1箇所置かれていま
す。また、清水地区・川西地区・美山地区にはそれぞれブランチ(相談所)が置かれて
います。
・ほやねっとでは、包括的支援業務として次の4つの業務を実施しています。
① 総合相談支援業務
介護の問題だけでなく、保健・医療・福祉サービスの利用も含めた様々な相談に対応
し、各種サービスや関係機関、制度の利用につなげる等の支援を行っています。
② 権利擁護業務
成年後見制度の活用促進、高齢者虐待への対応、困難事例への対応、消費者被害の防
止などの取組みを行い、高齢者の権利を擁護しています。
③ 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
高齢者が状況や変化に応じて、必要なケアを受けて住み慣れた地域で暮らし続けるこ
とができるよう、サービス調整を行うケアマネジャーをサポートをしています。
④ 介護予防ケアマネジメント業務
要介護状態等となるおそれの高い高齢者が、要介護状態等になることを予防するため、
介護予防事業等につながるよう必要な援助を行っています。
・ほやねっとの業務は、高齢者人口の増加に伴い、総合相談件数や介護予防給付管理数(要
支援者のケアマネジメント業務)が増大しています。
《ほやねっと活動状況報告より》
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
総合相談数(人)
4,830
5,376
5,449
6,029
6,553
介護予防給付管理数(件)
1,552
1,497
1,634
1,768
1,970
現在、このセクションについては福祉保健部内部で素案の検討中につき、第4回策定
委員会にて協議する予定です。
平成26年4月 1 日現在の各日常生活圏域の状況について提示します。
- 39 -
第2章
・ほやねっと(地域包括支援センター)一覧
センター名
ほやねっと川西
ほやねっと川西
あゆかわ相談所
ほやねっと西
地区
人口
南楢原町 20
字大畑 2 番地
(福井リハビ
リテーション
病院内)
鮎川町
107-2-2
日光 1 丁目
1-22
鶉・棗・鷹巣・
本郷・宮ノ下・
国見・大安寺・
越廼
13,077
日新・湊・東安
居・安居・一光・
殿下・清水東・
清水西・清水
南・清水北
35,871
9,482
4,703
26.4
13.1
社南・社北・社
西・清明・麻生
津
足羽・豊・木田
43,469
10,006
4,284
23.0
9.9
30,886
7,980
4,163
25.8
13.5
酒生・一乗・上
文殊・文殊・六
条・東郷・美山
19,228
6,120
3,413
31.8
17.8
中藤島・啓蒙・
岡保・東藤島・
円山
森田・河合・西
藤島・明新
34,693
7,983
3,813
23.0
11.0
37,345
8,681
4,165
23.2
11.2
春山・松本・宝
永
順化・日之出・
旭・和田
24,079
7,245
3,910
30.1
16.2
28,188
7,514
4,029
26.7
14.3
ほやねっと橋南
木田 1 丁目
3308
(うららの家
内)
下六条町
201
(福井厚生病
院内)
椙谷町
12-9-2
高木中央 3 丁
目 1701(藤
島園内)
新田塚 1 丁目
42-1(福井
総合クリニッ
ク内)
文京 2 丁目
6-10
手寄 1 丁目
7-23
(駅東さくら
ビル 3 階)
ほやねっと北
ほやねっと中央北
ほやねっと中央
(平成26年4月1日現在)
所在地
竹生町
32-48
福 1 丁目
1710
ほやねっと東足羽
すいだに相談所
ほやねっと東
地域ネットワークづくり
65 歳
以上
(人)
4,322
ほやねっと西
たこお相談所
ほやねっと南
ほやねっと東足羽
第1節
- 40 -
75 歳
高齢
以上
化率
(人) (%)
2,430 33.1
後期高
齢化率
(%)
18.6
第2章
2
第1節
地域ネットワークづくり
ほやねっと(地域包括支援センター)機能の強化
【現状・課題】
・ほやねっとは、認知症対策の強化として、平成23年度から認知症コーディネーターの
設置、平成26年度から認知症初期集中支援チームとの連携を行っています。また、在
宅医療・介護連携の推進のために、在宅医療についての市民への普及・啓発活動も行っ
ています。
・介護保険法改正に伴い、本計画期間中から本市でも新たに介護予防・生活支援事業を開
始するため、要支援者に加え、介護予防・生活支援サービスが必要な人に対してもケア
マネジメントを行う必要があります。
・地域包括ケアシステムを推進するため、その中核機関として、関係各機関との連携を強
化し、その質の向上を図る必要があります。
・地域包括支援センターの認知度は、3年前の日常生活圏域ニーズ調査時に比べて向上し
ましたが、愛称である「ほやねっと」を利用して引き続き、認知度の向上に努める必要
があります。また、高齢者虐待の相談窓口など、認知度の低い担当業務もあるため、全
般について周知が必要です。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「地域包括支援センターを知っていますか。」という設問に対し、地域包括支援センターを
「知っている」もしくは「聞いたことがある」と答えた高齢者は合計で 67.6%(3年前
55.7%)となっています。特に「知っている」と答えた高齢者は今回 37.7%(3年前
27.8%)で前回と比較して約 10 ポイント上昇しています。
地域包括支援センターについて「知っている」と答えた人の内、
「地域包括支援センターの
どのようなことを知っていますか」という設問に対し、
「健康教室等の活動」と答えた人が
79.5%、
「介護保険等のサービスを利用するときの窓口」が 59.1%となっていますが、
「高
齢者虐待の相談窓口」は 12.5%「高齢者消費者被害の相談窓口」は 10.0%にとどまって
います。
【取組みの方向性】
(1)ほやねっとの組織体制の強化
・現在の業務に加え、認知症施策の推進や在宅医療・介護の連携の推進を図る中で、業務
内容の拡大や業務量の増大に応じた組織体制の強化を図ります。
施策の方向
具体的な取組み
①認知症対応力の ・各ほやねっとに専門的な研修を受講した認知症コーディネータ
充実
ーを正・副2人配置し、認知症対応力を強化します。
②職員の資質向上
・認知症ケアや在宅医療に関する知識を深めるため研修を実施
し、地域の事業所への支援機能を高めます。
- 41 -
第2章
第1節
地域ネットワークづくり
(2)ほやねっとの効果的な運営
・運営方針を提示するとともに、先進的な取組みを促進し、ほやねっと全体の質の向上に
つなげていきます。
施策の方向
具体的な取組み
①運営方針の提示 ・市は具体的な運営方針を提示し、ほやねっとは、その方針・水
と評価の実施
準に基づき、事業計画を作成し実践します。
・市が提示する評価票に基づいて、ほやねっとは自己評価を行い
ます。
・自己評価や事業実績、現地調査でのヒアリングを通じて、市は
総合的な評価・指導を行い、ほやねっとの業務の改善につなげ
ます。
・先進的な取組みを促す仕組みを検討します。
②情報共有の推進
・センター長会議や定例会、各専門職連絡会を定期的に開催し、
各ほやねっと職員間で顔の見える情報交換や研修の場を設け
ます。
・各ほやねっとの取組みを発表する活動報告会を設けることで、
先進的な取組みを共有し、全体のレベルアップにつなげます。
③活動への支援
・市は、関係機関との連携強化、困難事例への対応、地域ケア会
議の開催など多方面において支援を行います。
・市は、センター長会議を通して、ほやねっと運営業務の課題を
共有し、解決につなげます。
・介護予防教室や自治会型デイホーム、福祉まつりなど様々な機
会をとらえて、ほやねっとの存在や役割を周知します。
④ほやねっとの周
知
- 42 -
第2章
3
第1節
地域ネットワークづくり
地域ケア会議の充実
【現状・課題】
・地域ケア会議には、個別のケースを解決するものと、個別ケースを積み上げて地域全体
の課題を発見し、解決するものがあります。しかし、地域課題の発見につなげる個別ケ
ースの検討数が確保できていない現状です。
<地域ケア会議の実施回数>
平成 21 年度
平成 22 年度 平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
地域課題(回)
4
12
24
23
15
個別課題(回)
なし
なし
3
1
11
【取組みの方向性】
・個別ケースの地域ケア会議を増やしながら、同時に相談業務など日々の活動を通じて、
地域共通の課題を発見し、地域に必要な社会資源の開発や地域づくりに向けた協議を通
して、地域課題の解決につなげます。
・地域で解決できない課題については、市全域での解決に向けて、施策に反映させる仕組
みをつくります。
施策の方向
①地域ケア会議
開催の支援
具体的な取組み
・個別ケースでの会議開催を円滑にするため、市が関係団体への参
加呼びかけなどの支援を行います。
・多職種連携会議※の開催を通して、
「顔の見える」関係づくりを支
援し、地域ケア会議の円滑な開催につなげます。
・市は、ほやねっとと情報を共有し、連携をとって、地域課題を抽
出し、解決につなげます。
※多職種連携会議:在宅医療や介護に関わる多様な職種が集まり、事例検討など
を通して他職種の役割への理解を深め、協働に向けて「顔の見える」関係をつ
くる会議。
②施策への反映
・介護保険事業計画の進捗管理を行っている介護サービス運営協議
会の機能を拡充し、
(仮)オアシスプラン推進協議会(地域包括ケ
アシステム推進協議会)を設置します。協議会では、個別の地域
ケア会議を通して、見えてきた地域共通の課題について、福井市
認知症施策検討委員会や在宅医療・介護検討協議会等(次頁イメ
ージ図参照)の意見を聴きながら検討し、その結果を施策に反映
します。
- 43 -
第2章
第1節
地域ネットワークづくり
<地域ケア会議イメージ図>
市全域での課題解決
地域での課題解決
●市町村レベル:地域ケア会議
市全体の施策と
(仮)オアシスプラン推進協議会
しての協議・検討
(地域包括ケアシステム推進協議会)
在宅医療・介護検討
認知症施策
協議会
検討委員会
在宅医療・介護に
関する課題
認知症に関
する課題
市全域での課題を整理
(各圏域に共通する課題など)
ほやねっと(地域包括支援センター)
センター長会議・定例会等
地域レベルでは解決できない課題
地域レベルで解決できる課題
●日常生活圏域レベル:地域ケア会議(地域型)
地域課題
の検討
地域ケア会議
地域ケア会議
地域ケア会議
(地域型)
(地域型)
(地域型)
地域課題の発見
●個別レベル:地域ケア会議(個別ケース)
個別ケース
地域ケア会議
の積み重ね
(個別ケース)
●ほやねっと
(地域包括支援センター)業務
・介護予防支援業務
地域ケア会議
地域ケア会議
(個別ケース)
(個別ケース)
・実態把握業務
・相談業務
- 44 -
等
第2章
第2節
1
第2節
認知症施策の総合的推進
認知症施策の総合的推進
認知症施策の検討・推進
【現状と課題】
・認知症に係る課題の整理と対応策を協議するため、平成26年度に認知症施策検討委員
会を設置しました。
・認知症施策の有効な実施には、関係団体の理解と協力を得ながら、一体的に取り組む必
要があります。
【取組みの方向性】
(1)認知症施策の検討・推進
・認知症に関わる医療や介護、福祉等の関係者の代表が、施策の進行管理や問題点の検
討を行うほか、新たな課題についても対応策を協議します。
・委員会を構成する機関など、関係団体との協力体制を構築します。
施策の方向
具体的な取組み
①認知症施策の検討
・認知症施策検討委員会を設置し、医療や介護、福祉等の関
係団体の代表をメンバーとし、認知症に関する課題の整理
と対応策を検討し、施策に反映させます。
・委員会の構成機関をはじめ、関係団体と協力・連携しなが
ら施策を実行します。
・施策の効果を定期的に検証し、問題点の改善を進めるほか、
新たな課題についても対応策を協議します。
- 45 -
第2章
2
第2節
認知症施策の総合的推進
認知症の知識の普及・啓発
【現状・課題】
・高齢者の認知症に対する認知度は、3年前の日常生活圏域ニーズ調査時と比較して高ま
っています。今後も、認知症の症状や対応方法、相談窓口等、認知症に関する正しい知
識を普及していく必要があります。また、相談先としては「家族」をあげる人が多くを
占めているため、広い世代に向けての普及・啓発活動が必要です。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「認知症についてどの程度知っていますか」という設問に対し、
「よく知っている(22.1%)」
(3年前(13.0%))、
「ある程度知っている(59.5%)」(3年前(57.6%))と回答した人は全体で
8 割を超えています。3年前(70.6%)に比べ、認知症に関する知識は高齢者の間でかなり浸
透してきています。
「認知症に対する不安を持ったとき、誰(どこ)に相談しますか」という設問に対し、認知
症に関する相談先として、「家族(78.3%)」(3年前(80.8%))、「かかりつけの医療機関
(51.3%)」(3年前:
「病院、診療所」(63.1%))をあげる人が多くなっています。
・認知症サポーターの養成は順調に進んでいますが、講座の受講後、認知症に関わる具体
的な活動を行う仕組みづくりが必要です。
<認知症サポーター養成者数>
サポーター養成数(人)
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
2,038
2,734
4,813
9,685
・認知症の大部分を占めるアルツハイマー型や脳血管性認知症は、高血圧、糖尿病、高脂
血症などの生活習慣病と関係があるといわれています。バランスのとれた食事を心がけ
ることや、有酸素運動を生活の中に取り入れるなど、日頃の生活習慣の重要性を周知す
る必要があります。
- 46 -
第2章
第2節
認知症施策の総合的推進
【取組みの方向性】
(1)認知症の知識の普及・啓発
・認知症の人が、住み慣れた地域で暮らし続けることができるように、地域の住民の認知
症に対する正しい理解を深め、温かく認知症の人や家族を見守り、支援が行われる地域
づくりにつなげます。
・ほやねっとが認知症の相談窓口であることを広く周知します。
施策の方向
具体的な取組み
①認知症の知識の ・子どもから大人まで幅広い年齢層に対して認知症サポーター養
成講座を開催します。また、高齢者と接する機会の多い企業等
普及・啓発
(宅配業や薬局など)に対しても、受講を働きかけます。
・サポーターの受講者の中で、認知症の人のための具体的な活動
を希望する人に、活動内容や活動場所についての情報を提供し
ます。
・認知症サポーターとキャラバン・メイト※で構成される団体が
行う、認知症に関するボランティア活動を支援します。
・従業員の半数以上が認知症サポーター養成講座を受講したお店
や事業所を「認知症の人にやさしいお店等」として認定し、市
ホームページで周知します。
・9 月 21 日が「世界アルツハイマーデー」であることから、9
月を本市独自の「認知症理解普及月間」と位置付け、街頭キャ
ンペーンやパネル展示により、認知症に関する理解と関心を高
めます。
・よろず茶屋や自治会型デイホーム等の高齢者が集まる場所でほ
やねっとが認知症の相談窓口であることを周知します。
・認知症サポーター養成講座の受講者に対して、ほやねっとが認
知症の相談窓口であることの周知を徹底します。
※キャラバン・メイト:キャラバン・メイト養成研修を受講し、認知症サポ
ーターの育成など認知症になっても安心して暮らせる町づくりのためにボ
ランティアで活動します。
(2)認知症予防に向けた取組みの実施
・高齢期を迎える前からの生活習慣病予防が、認知症の予防に効果があるため、適切な生
活習慣の普及・指導に努めます。
・認知症予防の視点から、効果的な介護予防教室等の実施に努めます。
施策の方向
具体的な取組み
① 認知症予防に向 ・高齢期前に、健康診断結果からの訪問対象者に対して、生活習
慣病の予防が認知症予防につながるという観点から助言を行
けた取組みの実
います。
施
・介護予防教室やいきいき教室では、効果的な認知症予防プログ
ラムを実施します。
- 47 -
第2章
3
第2節
認知症施策の総合的推進
認知症の早期発見・早期対応
【現状・課題】
・認知症の専門医療機関への受診状況を見ると、徘徊・妄想・暴言などの問題行動が出現
し、認知症が進行した段階で受診することが多い現状があります。
<第1回認知症施策検討委員会より>
・嶺北認知症疾患医療センター
「限界まで介護してからの相談が多く、急を要しての入院依頼が多い」
・早期に、適切な治療を受けることで、認知機能の低下を抑えることができる場合もある
ため、早期に気づいて受診につなげることが重要です。
・認知症の身近な相談先であるかかりつけの医療機関では、認知症の適切な相談対応を行
い、必要があれば、専門の医療機関へとつなげていくことが求められます。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
・「認知症に対する不安を持ったとき、誰(どこ)に相談しますか」という設問に対し、認
知症に関する相談先として、「かかりつけの医療機関(51.3%)」(前回:「病院、診療所」
(63.1%))をあげる人が2番目に多くなっています。
・「認知症に対策として、どのようなことを望みますか」という設問に対し、認知症対策と
して求めるものは、
「早期発見のための診断の充実(54.4%)が最も多くなっています。
【取組みの方向性】
(1)認知症の早期発見・早期対応
・高齢者が、認知機能をチェックする機会をもち、その結果認知機能低下の疑いがあれば、
二次検診を受診するという流れを浸透させていきます。
・身近なかかりつけの医療機関が、認知症に対する理解を深め、適切な医療と介護サービ
スにつなげられるよう、認知症に関する専門医療機関との連携を図っていきます。
・認知症が疑われる症状が出現した時点で、本人や家族が適切な支援を受けられる体制を
つくります。
施策の方向
具体的な取組み
①認知機能低下の ・高齢者の生活機能低下を判断する基本チェックリストに、認知
症に関する県下統一の5項目を追加して認知症検診を行いま
チェックと連携
す。
・「認知機能の低下の疑いあり」と判断された二次検診対象者に
対して、通知にて受診を勧奨します。また、未受診者へのフォ
ローも行います。
・二次検診受診者に対して、必要に応じて専門医療機関への受診
勧奨を行い、経過観察が必要な場合には、ほやねっと等の関係
機関と連携して支援します。
- 48 -
第2章
施策の方向
第2節
認知症施策の総合的推進
具体的な取組み
・医師会と連携して、医師に対する二次検診実施にかかる研修受
講を勧奨します。
・医師会と連携して、かかりつけの医療機関と、専門医療機関と
の連携を強化します。
②早期対応・支援の ・医師、看護師、精神保健福祉士の3名の認知症初期集中支援チ
ームが、ほやねっとと連携しながら、訪問による実態把握やア
実施
セスメント等を通して、早期診断・早期対応に向けた支援を行
います。
4
認知症ケアの充実・地域づくり
【現状と課題】
・認知症は病気の進行によって、症状が変化し、その症状によって必要な医療・介護サー
ビスが異なってきます。症状の変化に応じて、適切なサービスにつながるように、イン
フォーマルサービスも含めた、医療・介護・福祉などのサービスについて整理し、わか
りやすく提示する必要があります。
・認知症が原因の徘徊行動は、行方不明や大きな事故につながる危険性が高くなるため、
地域が協力し、早期に発見、保護することが重要です。
・認知症は高齢者に多い病気ですが、65歳未満で発症する場合、若年性認知症といわれ
ます。若年性認知症は本人や配偶者が現役世代であることから、経済的な問題や、子ど
もの進学や結婚等、高齢者と異なる課題も多く、相談体制を整える必要があります。
【取組みの方向性】
(1)認知症ケアの充実・地域づくり
・認知症に関わる介護職の対応力の向上を目指し、研修や相談指導を行います。
・認知症の症状に対応してサービス等を整理し、広く地域で共有します。
・徘徊により行方不明になった場合に、徘徊高齢者の情報を地域の様々な団体や民間事
業者で共有し、対象者の早期発見と早期保護ができる体制を整備します。
・若年性認知症の方への社会資源について整理し、相談窓口を設置します。
施策の方向
具体的な取組み
①認知症に関する ・認知症地域支援推進員を配置し、各ほやねっとに設置した認知
取組みの向上
症コーディネーターと連携しながら、市全体の認知症に関する
取組みについて推進していきます。
・推進員は認知症に関わる介護職の対応力向上のため、研修会の
実施や、個別事例について相談・アドバイスを行います。
・推進員は若年性認知症に関する相談を行い、関係機関との連携
を図ります。
- 49 -
第2章
施策の方向
第2節
認知症施策の総合的推進
具体的な取組み
②認知症に関する ・認知症の症状に応じて必要な介護や医療サービス、見守りや配
サービスの整理
食等のインフォーマルサービスを含めて、地域のサービスの情
報を整理した一覧表を作成します。
③認知症徘徊SO ・警察や消防、高齢者とかかわりの深い福祉関係団体、民間事業
Sネットワーク
者との見守りネットワーク(60 ページ)を構築し、行方不明
の構築【新】
となった徘徊高齢者の早期発見を行う仕組みづくりを進めま
す。
・警察が運営するメール配信システム「ふくい安全情報ネットワ
ークシステム」(通称:リュウピーネット)への登録をネット
ワーク協力事業者に広め、認知症高齢者が徘徊し行方不明にな
った場合の早期発見と早期保護につなげます。
・市内の介護サービス事業者の協力を得ながら、徘徊高齢者を早
期に捜索できる体制をつくります。
- 50 -
第2章
5
第2節
認知症施策の総合的推進
認知症の人とその家族への支援
【現状と課題】
・認知症になると、本人や家族が好きなこと楽しめなくなったり、閉じこもりがちになる
ため、精神的な負担の軽減が大切です。
・認知症対策として、
「本人や家族が気軽に集える場所を作る」ことが求められています。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「認知症に対策として、どのようなことを望みますか」という設問に対し、認知症対策と
して求めるものは、
「本人や家族が気軽に集える場所をつくる(35.5%)」が 2 番目に多く
なっています。前回調査時の選択肢「支えるための家族会(15.4%)」と比較して、「本人
や家族が気軽に集える場所」を望む人が約 20 ポイント伸びています。
・男性介護者は、悩みを一人で抱え込んだり、家事が不得手など女性介護者とは異なる支
援が必要です。
【取組みの方向性】
(1)認知症の人とその家族への支援
・認知症の人が、気軽に集って話しをしたり、相談したりできる場を充実させます。
・同じ立場の介護者同士の交流を支援します。
・男性介護者が悩みを一人で抱え込まないように集える場所をつくり、仲間づくりを進め
ていきます。
施策の方向
具体的な取組み
① 認知症の人と家 ・認知症の人やその家族、地域住民などが気軽に集まり、認知症
について語り合ったり、専門スタッフに相談できる交流の場を
族の集いの場の
広めるため、認知症カフェの取組みを支援します。
充実
・介護者同士が同じ立場で話し合って悩みを共有したり、介護に
関する情報や技術などを習得するため、介護者のつどいや男性
介護者のつどいを開催します。
- 51 -
<福井市の認知症施策>
第2章
- 52 -
第2節
認知症施策の総合的推進
第2章
第3節
1
第3節
在宅医療・介護の連携強化
在宅医療・介護の連携強化
在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
【現状・課題】
・後期高齢者の増加に伴い、在宅で医療と介護を必要とする高齢者の増加が見込まれてお
り、在宅医療や介護サービスの供給体制を整備していく必要があります。
・平成26年度に関係職種等の代表を集めて在宅医療・介護検討協議会を設置し、在宅医
療と介護の連携に関する課題の整理と対応策を協議しました。
・在宅医療・介護連携を市全体で推進するためには、医師会を中心とした関係団体の理解
と協力を得ながら、一体的に取り組む必要があります。
【取組みの方向性】
(1)在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
・在宅医療・介護検討協議会を開催し、施策の進行管理や問題点の検討を行うほか、新た
な課題についても対応策を協議します。
・医師会をはじめとした関係団体との協力体制を構築します。
施策の方向
具体的な取組み
①在宅医療・介護 ・医師や歯科医師、薬剤師、ケアマネジャーなど、在宅医療・介
の連携に係る
護分野の各職種の代表が、在宅医療・介護の連携に関する課題
施策の検討・推
や具体的な対策等について協議・検討します。
進
・医師会との連携により、在宅医療の推進体制を構築します。
・協議会を構成する団体を中心に、関係団体と協力・連携しなが
ら施策を実行します。
・施策の効果について定期的に検証し、問題点の改善を進めるほ
か、新たな課題について対応策を協議します。
- 53 -
第2章
2
第3節
在宅医療・介護の連携強化
多職種連携体制の整備
【現状・課題】
・在宅医療・介護サービスは、家族構成や生活形態などを考慮した上で、一人ひとりに合
った医療や生活援助や介護を、長期にわたって提供していく必要があります。
・介護サービスについては、ケアマネジャーを中心に主に介護職同士が連携してサービス
の提供を行ってきましたが、医療との連携は十分ではありませんでした。しかし、今後
は医療関係職と介護職が十分に連携をとって、在宅医療・介護サービスを組み合わせて
に提供することが重要です。
・多職種の協働には時間的制約もあり、効率的な情報共有に向けた工夫が必要です。
・ケアマネジャーには医療職との連携を通して、適切な医療サービスをケアプランに組み
込めるよう、医療面の知識の強化が必要です。
【取組みの方向性】
(1)多職種連携体制の整備
・医療職や介護職などの多職種が協働意識を高め、連携を強化できる機会を作ります。
・日常生活圏域ごとに、地域特性に応じた在宅医療・介護の連携体制の構築を作ります。
・多職種で、必要な情報が効率よく共有できる仕組みの検討を進め、協働に伴う負担を軽
減します。
・ケアマネジャーを対象に、医療の知識を習得する研修会を開催します。
施策の方向
具体的な取組み
① 多職種連携関係 ・在宅医療と介護に関する事例検討等を行う多職種連携会議を開
の構築
催し、お互いの役割を理解した顔の見える関係づくりを進めま
す。また、市全体だけでなく、日常生活圏域ごとでも開催しま
す。
②情報共有の様式
の検討
・利用者の状態など多職種の連携に役立つ情報を共有できるよ
う、共通の連絡様式について検討します。
③ケアマネジャー
の医療知識の向
上
・医療サービスを含めた適切なケアプランの作成や、入退院時を
含めた医療職との連携に欠かせない基本的な医療的知識の修
得のための研修を定期的に開催します。
- 54 -
第2章
3
第3節
在宅医療・介護の連携強化
在宅医療・介護についての知識の普及・啓発
【現状・課題】
・高齢者の多くが、介護・介助に加えて、医療上の処置が必要になったとき、在宅での暮
らしを望む一方で、在宅での生活に不安を感じている人も多い現状です。
・介護・介助と医療上の処置が必要になったとき、希望する在宅での生活をイメージでき
るよう支援体制等を周知する必要があります。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「介護・介助が必要になったときにどこで過ごしたいですか。」という設問に対し、
過ごしたい場所としては、「自宅(53.1%)」が最も多く、「病院などの医療施設(13.5%)」
は前回(「長期療養が可能な病院施設」に比べて約 10 ポイント減少していました。
自宅での暮らしを望む人のなかで、在宅での療養には 49.2%の人が不安を感じ、40.4%の
方が「わからない」と答えています。
不安な内容については、「家族への負担(81.9%)」を選択した人が圧倒的に多く、次いで「金
銭面の負担(50.4%)」、また、「病状急変時の対応(41.7%)」、「自分の望む医療を受けら
れるか(32.7%)」について約 3 割~4 割の人が不安に思っています。
【取組みの方向性】
(1)在宅医療・介護についての知識の普及・啓発
・在宅で医療や介護を受けながら生活することについて、高齢者が容易にイメージし理解
できるような情報を提供します。
施策の方向
具体的な取組み
① 在宅医療・介護 ・在宅での医療と介護について理解を深めるため、概ね日常生活
についての普
圏域毎に、定期的な在宅ケア講習会を開催します。
及・啓発
・高齢者が求める情報を収集・整理し、広報紙やパンフレットを
はじめ、ホームページでの掲載等も含め、様々な形で周知しま
す。
- 55 -
第2章
<在宅医療・介護連携体制イメージ図>
- 56 -
第3節
在宅医療・介護の連携強化
第2章
第4節
1
第4節
地域生活支援体制の充実
地域生活支援体制の充実
高齢者の見守り体制の充実
【現状・課題】
・ひとり暮らし等高齢者世帯(高齢者ひとり及び高齢者複数世帯)の増加といった世帯構
成の変化や、自治会加入率の低下などにより、家族や地域のつながりが希薄になってお
り、誰からも目をかけられない、社会的に孤立する高齢者が増えることが予想されます。
そのため、支援を要する高齢者等を地域で見守り、適切な支援にいち早くつなげていく
ための体制づくりが急務となっています。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「問:この1箇月間、何人の友人・知人と会いましたか」との設問に対し、
「0 人」と回答
した方は 18.7%と、75 歳以上の高齢者の約2割が交流が乏しい状況にあります。また、
「問:今後もひとり暮らしや高齢者のみ世帯の増加が見込まれますが、住み慣れた地域で
暮らしていくために、地域ではどのような支援が必要だと思いますか」との設問では、
「地
域での助け合い」が 54.9%と一番高く、次いで「民生委員、自治会等の声かけ」が 52.8%
となっており、地域から交流が乏しく孤立に陥りやすい中で、地域での支え合いが求めら
れています。
・個人情報保護制度の下で、民生児童委員や福祉委員の福祉に携わるものであっても支援
を必要とする高齢者の情報が得にくくなっており、高齢者の実態把握がますます難しく
なっています。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「問:昨年と比べて外出の回数が減っていますか」の問いに対し、75 歳以上ひとり暮らし
高齢者の 42.1%が「はい」と回答しています。また、「問:家で生活を送る上で、援助や
支援をしてほしいことがありますが」との問いに対しては、ひとり暮らし高齢者世帯のう
ち 37.4%が「はい」と回答しており、ひとり暮らし等の高齢者は、社会から孤立に陥りや
すく、支援を必要としている状況にあります。
・現在、民生児童委員の見守り活動を中心として、福祉委員の見守りや老人クラブ家庭相
談員による友愛訪問を行ってきましたが、より効果的・重層的に見守りを行うためには、
各福祉団体間の連携が重要です。
- 57 -
第2章
第4節
地域生活支援体制の充実
【取組みの方向性】
(1)緩やかな見守り体制の構築(個人を特定しない見守り)
・民生児童委員や地域包括支援センター、社会福祉協議会等の地域の様々な福祉団体や民
間事業者と連携し、高齢者等気にかける必要がある方を重層的に見守るネットワークの
構築を行います。
施策の方向
具体的な取組み
①見守りネット
ワークの構築
【新】
・電気、水道、ガスなどのライフライン事業者や新聞販売、宅配事業
者など定期的に各戸訪問を行う事業者をはじめ、様々な民間事業者
や関係団体と見守りに関する協定を締結し、日頃の活動や業務の中
でのさりげない見守りと、異変を察知した場合の連絡体制を整備し
ます。
・対応が困難なケースについては、地域包括支援センターや民生児童
委員等、関係のある地域団体が参加し支援のあり方を検討する会議
を開催し、適切な支援につなげます。
・構築したネットワークと、徘徊高齢者SOSネットワークを一体的
に整備し、地域で安心して生活できる環境づくりを進めます。
②地域支え合い
マップの活用
・民生児童委員や福祉委員、自治会長等、見守りを行う各関係者が集
まり、見守りが必要な高齢者等の情報をひと目で見てわかるよう、
自治会単位で地域支え合いマップを作成し、関係者間での連携を支
援します。
- 58 -
第2章
第4節
地域生活支援体制の充実
(2)日常的な見守り体制の構築(個人を特定した見守り)
・民生児童委員に、地域で孤立する恐れのあるひとり暮らし等高齢者の個人情報を提供し、
地域の中で援助を必要としている高齢者の実態把握を進め、福祉委員と連携して定期的
に見守ります。
・閉じこもり等で特に見守りが必要なひとり暮らし等高齢者に対して、乳酸菌飲料を配付
し、異変の早期発見に繋げます。また、高齢者と地域の人が交流する機会として会食会
を実施し、ひとり暮らし高齢者の孤立感や閉じこもりの解消を図ります。
施策の方向
具体的な取組み
①ひとり暮らし等 ・住民基本台帳に基づきひとり暮らし等高齢者世帯の住所、氏名、
高齢者の実態把
年齢等の情報を民生児童委員に提供し、戸別訪問等によるひとり
握
暮らし等高齢者の全数把握を進めます。
・住民基本台帳では家族同居となっている場合でも、実際にはひと
り暮らし等であるケースがあるため、民生児童委員が把握した情
報をもとに、実態に即した情報提供を図ります。
・見守り活動において適切な個人情報の保護と活用を図るため、個
人情報保護に関する研修会を開催し、本人の同意取得や個人情報
の管理方法の徹底を行います。
②ひとり暮らし等 ・実態把握するなかで、在宅の日常生活に不安を持つひとり暮らし
高齢者の見守り
等高齢者の健康状態や緊急連絡先などの情報を市に登録し、緊急
活動の推進
時に備えるとともに地区の民生児童委員や福祉委員、包括支援セ
ンターによる定期的な見守り活動を行います。
・身体状況の変化に応じ、日常生活用具の給付等の必要な福祉サー
ビスの提供を行います。
③各福祉団体によ ・自治会ごとに配置されている福祉委員と、民生児童委員が連携し、
る見守り体制の
ひとり暮らし等高齢者の見守り活動を強化します。
強化
・民生児童委員と福祉委員の合同会議や研修会を開催し、情報交換
や意見交換を図り、相互の連携を深めます。
④ 乳 酸 菌 飲 料 配 ・閉じこもりがち等で特に見守りが必要なひとり暮らし等高齢者に
付・会食会の開催
乳酸菌飲料を週1回3本配付し、手渡し時の声かけによる対象者
の安否確認を行います
・70 歳以上のひとり暮らし高齢者に対し、会食会を実施し地域の見
守り活動の充実を図ります。
- 59 -
第2章
《見守りネットワークのイメージ図》
- 60 -
第4節
地域生活支援体制の充実
第2章
2
第4節
地域生活支援体制の充実
高齢者の在宅生活のための支援
【現状と課題】
・ひとり暮らし高齢者は、家族による日常的な安否確認が行えないため、在宅で安心して生
活するためには、急病や事故が起こった場合に、速やかに通報され、また迅速かつ適切な
救命活動が行われるよう、支援する必要があります。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「今後もひとり暮らしや高齢者のみ世帯の増加が見込まれますが、住み慣れた地域で暮ら
していくために、地域ではどのような支援が必要だと思いますか」との問いに、高齢者の
39.0%が「緊急通報装置等、自らが安否表示できる体制の整備」と回答しています。
・高齢に伴う心身機能の低下は、屋内の掃除や洗濯、ごみの搬出、自力での除雪作業など、
日常的な軽作業を難しくする場合があります。
家族による援助がない場合は、有料のサービスを利用してこれらの軽作業等を行うことに
なりますが、収入状況によっては利用料金を軽減するなどの支援が必要です。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「家で生活を送る上で、援助や支援をしてほしいことがありますか」との問いに対し、高
齢者の 19.2%が「ある」と回答しており、そのなかで「援助や支援をしてほしいことは何
ですか」の問いに対しては、
「雪下ろし・雪かき」が 62.8%と最も高くなっています。そ
のほか 37.2%が「掃除」、32.6%が「簡単な修繕」、31.7%が「買い物」、27.8%が「ご
み出し」と回答しています。
・家族に頼むことができないひとり暮らしの高齢者は、健康状態が良好でないときには、食
料品など必要な買い物が困難になります。
また、近隣に店舗がなく、自家用車などの移動手段を持たない場合にも、買い物に対する
支援が必要になります。買い物は、外出を促す機会となるため、地域交通の整備などが必
要です。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「自ら外出して日用品の買い物をしていますか」との問いには、高齢者の 18.5%、75歳
以上の高齢者の 29.1%が「できるけどしていない」または「できない」と回答しています。
また「昨年と比べて外出の回数が減っていますか」との問いに対しては 30.0%が「昨年と
比べて外出の回数が減った」と回答しており、
「外出を控える理由は何ですか」に対しては
81.3%が「足腰などの痛み」と回答しています。
「週に1回以上は外出していますか」との問いに対し 92.0%が「はい」と回答しており、
さらに「買い物で外出する頻度はどのくらいですか」との問いには 73.9%が「週に 2,3
回以上」と回答していることから、高齢者にとって買い物が日々の外出の機会となってい
ることがわかります。
- 61 -
第2章
第4節
地域生活支援体制の充実
・災害時に自力での避難が困難な方については、平常時に地域内で情報共有し、支援方法
を決めておく必要があります。
・強引な訪問販売や送り付け商法等の悪質商法が増加しています。高齢者を悪質な犯罪か
ら守るために、消費者教育や防犯意識の啓発等が必要です。
<全体に占める 60 歳以上消費相談の割合(消費者センター)>
年度
60 歳以上の割合
全体の件数
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
33.9%
36.7%
42.1%
1,725 件
1,655 件
1,674 件
【取組みの方向性】
(1)日常生活に不安のある高齢者へのサービス
・ひとり暮らし等高齢者に、心身の状況や生活状況に応じた福祉サービスを提供し、緊急
時の通報・救護体制を整えるとともに、火災等の事故を未然に防ぎます。
・軽作業に支援を必要とするひとり暮らし等高齢者に、生活状況に応じた福祉サービスを
提供し、在宅での生活を支援します。
・収入状況によっては必要な福祉サービスを利用する場合に、利用負担の軽減を行います。
施策の方向
具体的な取組み
①緊急時の体制
・親族との交流がなく、在宅の日常生活に不安を持つひとり暮らし等
高齢者として市に登録された方に、下記の福祉サービスを提供しま
の整備、火災防
す。
止
(1) 緊急通報装置のレンタル
健康上不安がある方に、急病や事故などの事態が発生したときに
緊急通報ができる装置を貸与します。通報時には、センター職員
が相互に会話をしながら迅速な救護措置を行います。
自ら緊急通報ボタンを押すことができない高齢者には、赤外線セ
ンサーを設置し、居室内において長時間の移動がない場合に安否
確認を行います。
(2) 福祉電話のレンタル
健康上不安があり、電話加入権を持つことが困難な市民税非課税
世帯の方に、福祉電話(電話加入権)を貸与します。
- 62 -
第2章
施策の方向
第4節
地域生活支援体制の充実
具体的な取組み
(3) オアシスキット(救急医療情報キット)の配付
かかりつけ医等の医療情報や緊急連絡先、保険証の写しなどの情
報を筒状の容器に入れ、日ごろから自宅の冷蔵庫に保管し、万が
一の緊急事態には、救急隊が迅速かつ適切に救命活動できるよう
にする「オアシスキット」を配付します。
オアシスキットを備えている高齢者が、定期的に容器に入れた情
報を見直し、更新するよう、市政広報や高齢者向けイベントを通
じて周知します。
(4) 日常生活用具(防火器具)の給付
市民税非課税世帯の方に、電磁調理器、自動消火器、火災警報器
を給付し、日常的に火災を予防し、万が一の失火時に初期消火活
動が行えるよう備えます。
② 日 常 軽 作 業 サ ・親族との交流がなく、在宅の日常生活に不安を持つひとり暮らし
等高齢者として市に登録された方に、下記の軽作業サービスを提供
ービスの提供
します。
(1) 軽度生活援助事業(えがおでサポート事業)でのサービス
日常の生活に援助が必要な市民税非課税世帯及び均等割課税世
帯の方に、軽作業サービスを提供し、その利用に係る料金を軽減
します。
※軽作業の内容:
近隣スーパー等での買い物代行/通院の際の外出援助/屋内の掃除/
衣類などの洗濯/ごみの搬出/生活空間の草取り/玄関から道路まで
の生活路の除雪/簡易な修繕/朗読・代筆/その他(簡単な調理補助な
ど)
(2) 寝具洗濯サービス
日常使用している寝具の衛生管理が困難な方に、掛け布団や敷き
布団、毛布を洗濯(丸洗い)乾燥するサービスを提供し、その利
用に係る料金を軽減します。
③ 紙 お む つ 等 の ・要支援1以上の認定者に対し、紙おむつなどを支給します。
支給
④ 屋 根 雪 下 ろ し ・自力で屋根の除雪が困難で、家族の支援のない非課税世帯の方に、
費用の補助
除雪にかかる費用の補助を行います。
・民生委員児童委員と協力して補助対象者の把握に努めます。
- 63 -
第2章
第4節
地域生活支援体制の充実
(2)買い物支援
・自ら買い物をすることが困難な高齢者を支援します。
・要介護認定者には、介護保険においてヘルパー等による買い物支援を行います。
・障がい者の方には、障害福祉サービスにおいて買い物支援を行います。
・地域コミュニティバス、地域バス、コミュニティバスすまいるの運行を支援し、高齢者
を含めた地域住民の外出を支援します。
施策の方向
具体的な取組み
①「おたすけ便」 ・福井市商店街連合会による買い物宅配サービス「おたすけ便」への
による買い物
補助を行い、自ら買い物に出かけられない高齢者を含む買い物弱者
支援
の支援につなげます。
・特に家族による支援がなく、日常的な買い物が困難になりやすいと
考えられるひとり暮らし等高齢者に、事業を積極的に周知します。
※おたすけ便
市内に住んでいる方であれば誰でも配達料無料で利用でき、市内全域を配達
地域とした買い物宅配サービス。
利用登録を行うと、毎月商品リストとチラシが自宅に届けられ、希望する商
品を電話注文することによって、注文日の翌日に利用者宅に届けられる仕組
み。
② 軽 度 生 活 援 助 ・買い物支援が必要な市民税非課税世帯及び均等割課税世帯のひとり
事業による買
暮らし等高齢者に、利用者宅近隣のスーパー等で食料品や日常生活
い物代行サー
用品の買い物を代行するサービスを実施し、その利用に係る料金を
ビスの提供
軽減します。
③ 介 護 保 険 及 び ・介護保険において、訪問介護又は介護予防・日常生活支援事業訪問
障がい者サー
型サービスにより、ヘルパー等による買い物支援を行います。
ビ ス に よ る 買 ・障害支援区分1以上の者のうち、単身世帯又は家族等の障害・疾病
い物支援
等の理由により、本人又は家族等が家事を行うことが困難である者
を対象に、買い物、調理などの家事援助を行います。
④ 地 域 バ ス の 整 ・地域バスの整備
福井市都市交通戦略に掲げる全域交通ネットワークの構築を目指
備、地域コミュ
し、主に旧合併地区(美山、越廼、清水)において、スクールバス
ニティバス・コ
車両等の既存ストックを活用しながら、地域内の移動手段の確保・
ミュニティバ
維持とサービス向上を図ります。
スすまいる運
・地域コミュニティバス運行支援
行支援
公共交通空白地域・不便地域を解消するため、地域の運行協議会が
主体となって運行計画を考えた地域コミュニティバスの運行を支援
します。地域住民の移動ニーズにきめ細かく応えることで、地域住
民の移動利便性の向上を図ります。
・コミュニティバスすまいる運行支援
中心市街地へのお買い物バスとして、まちづくり福井㈱が運行する
コミュニティバスすまいるの運営を支援し、来街者の利便性の向上
を図ります。
- 64 -
第2章
施策の方向
第4節
地域生活支援体制の充実
具体的な取組み
※バス路線と料金
路線
地域バス(美山) 美山・羽生地区等
美山・芦見方面
美山・味見方面
地域バス(清水) 清水畑平尾線
笹谷志津ヶ丘線
地域バス(越廼) 越廼~鷹巣地区
越廼地区
地域コミュニテ 日新地区等
ィバス
鷹巣、棗地区等(デマンド型)
鶉、宮ノ下、大安寺地区等
(デマンド型)
殿下地区等(デマンド型)
コミュニティバ
スすまいる
酒生地区等
岡保地区等(2ルート)
北ルー ト(田原・文京方面)
西ルート(照手・足羽方面)
南ルート(木田・板垣方面)
東ルート(城東・日之出方面)
料金
100 円
100 円
100 円
100 円
100 円
100 円
100 円
100 円
200 円
200 円
100 円
~200 円
100 円
100 円
100 円
100 円
100 円
100 円
(3)防犯・防災体制の確立
・高齢者が住宅火災を起こさないよう、家庭内の防火対策や高齢者自身の防火意識の高揚
に努めます。
・高齢者が安全に暮らすことができるよう、災害時に地域内で迅速な避難支援ができる体
制を構築するとともに、地域の防災力を強化します。
・高齢者が消費生活関連の犯罪等から身を守ることができるよう消費者教育を行います。
また、高齢者が抱えている生活上の悩みを、気軽に相談できる場を提供していきます。
施策の方向
具体的な取組み
①ひとり暮らし
高齢者宅への
防火訪問
・高齢者住宅の火災を防ぐために、春と秋の火災予防運動期間に合
わせ、ひとり暮らし高齢者宅を訪問し、火気使用器具等や火気取
扱状況等の実態把握を行うとともに、防火指導を実施し防火意識
を高めます。
②避難行動要支
援者名簿の作
成・活用
・災害時に高齢者や障がい者等の避難行動要支援者※が迅速に避難
できるよう、避難行動要支援者名簿を作成します。
・平常時に避難行動要支援者名簿を提供することに本人の同意を得
て、事前に避難支援等関係者※に名簿を提供するとともに、名簿
情報に基づいた具体的な避難方法等についての個別計画を策定
し、災害時の避難行動の支援を実施します。
- 65 -
第2章
施策の方向
第4節
地域生活支援体制の充実
具体的な取組み
・発災または発災のおそれがある緊急時には、本人の同意の有無に
関わらず名簿を避難支援者に提供し、避難行動の支援を実施しま
す。
※避難行動要支援者…高齢者や障がい者等の要配慮者のうち、発災または発
災のおそれがある場合に自ら避難することが困難な方であって、円滑かつ
迅速な避難の確保のために特に支援を要する方のことです。
※避難支援等関係者…避難支援等に携わる消防機関、警察、自治会、自主防
災組織、民生・児童委員、福祉委員のことです。
③自主防災組織
への支援
・高齢者等が安心して生活できる地域づくりを進めるため、自主防
災組織※の設置や防災資機器材の購入に関する補助を行います。
・地域の高齢者の防災意識を高めるため、自主防災組織が行う防災
訓練や啓発事業などの活動を補助します。
※自主防災組織…災害から地域社会を守るため、
「自助」
・
「共助」の考え方か
ら自治会又はその集合体等を母体として住民が自発的に結成し、運営する
組織のことです。
④消費者教育・相 ・高齢者が振り込め詐欺や送り付け商法などの悪質商法等の被害に
談
あわないよう、市内の公民館・集会場等で消費生活に関する最新
の情報を提供し、被害を未然に防ぎます。
・市民に対し、わかりやすく消費者教育や防犯意識の啓発を行いま
す。
・消費生活に関するトラブルを解消するため、消費者生活相談員に
よるアドバイスや情報提供を行います。
⑤各種相談の開
催
・市民ポスト、窓口、電話及びメール等での市政相談や生活相談(フ
ェニックス通信)、相続・契約等法律問題を扱う無料法律相談、
高齢者虐待等人権問題を扱う人権悩みごと相談、生活上の不安な
どを扱う心配ごと相談などの各種相談を開催します。
- 66 -
第2章
3
第4節
地域生活支援体制の充実
高齢者の住まい環境と生活環境の整備
【現状と課題】
・高齢になれば身体機能に衰えを抱えますが、必ずしも居住する住宅が高齢者の生活に合
っていないのが現状です。高齢になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けるため
には、高齢者の特性に合わせた住環境の整備が欠かせません。また、高齢者の特性に合
わせた住宅は、介護者の負担を和らげる効果もあります。
・身体上若しくは精神上の理由で在宅での生活が困難で、家族や住宅事情などの環境上の
理由、または経済的な理由により施設入所の契約ができない高齢者に対し、食事や見守
りなど、一人一人の状況に合せた生活支援を行う必要があります。
・今後の高齢者人口の増加に伴い、ひとり暮らし世帯や高齢者のみの世帯も増えていくこ
とが見込まれます。このような家族の介護力があまり期待できない世帯が増えるため、
バリアフリー構造であり、少なくとも安否確認や生活相談のサービスが提供されるサー
ビス付き高齢者向け住宅の必要性が増していきます。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「サービス付き高齢者向け住宅を知っていますか。
」という設問に対し、
「知っている」
「聞いた
ことがある」高齢者の割合は、49.2%となっており、高齢者の間でその存在自体が浸透しつつ
あることが伺えます。
また、
「介護・介助が必要になったときにどこで過ごしたいですか。」という設問に対して、過
ごしたい場所として、
「サービス付き高齢者向け住宅」を選ぶ人が前回調査では 7.1%であった
のに対し、今回は 10.4%と上がっております。また、
「サービス付き高齢者向け住宅」を知っ
ている人に限ると、その割合が 19.7%になっています。
・サービス付き高齢者向け住宅は、共用空間や併設の介護サービス等を入居者だけでなく
広く地域に開放するなど、地域の高齢者の拠点施設としての役割も求められます。
【取組みの方向性】
(1)居宅住環境の整備
・高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるように住環境の整備を
支援します。
・市営住宅福団地において高齢者が安全かつ快適に自立した生活を継続できるよう配慮
した「シルバーハウジング」を運営します。
・サービス付き高齢者向け住宅については、居住者だけでなく、その地域の福祉向上に
つながるような取組みを実施します。
- 67 -
第2章
第4節
地域生活支援体制の充実
施策の方向
具体的な取組み
①住まい環境の整
備支援
・自宅で暮らす要介護3以上、または要介護1以上でかつ車椅子を
利用している高齢者が、在宅生活を長期間継続できるようトイレ
の拡幅や洗面台の取替えを行う場合に、その改修にかかる費用の
一部を補助し、居住環境の整備を支援します。
※助成対象となる範囲
①廊下・トイレ・浴室・居室・玄関・ポーチおよび玄関から一般道路ま
での住宅周辺部分等の拡幅
②車椅子使用等による洗面台・流し台・ガス台・調理台の取替え
③レバー式蛇口等への取替え ④階段昇降機、段差解消機の設置
⑤移動改善のための扉の新設 ⑥居室周辺へのトイレの移設
⑦テーブル生活等のための床材、電気スイッチ等の高さの変更
⑧訪問介護員等の出入りのための勝手口の設置
※ただし、介護保険給付対象外の工事が対象
②高齢者世話付き
住宅に対する生
活援助員派遣
③まちなかでの優
良賃貸住宅の整
備
④既存市営住宅の
改善
⑤サービス付き高
齢者向け住宅の
整備
・市営住宅福団地に、高齢者等の生活特性に配慮したバリアフリー
の居室を設け、安否確認や生活相談を担う生活援助員を派遣しま
す。また、居室には緊急時の通報装置やライフリズムセンサーを
備え、万が一の事態にも対応できるよう警備を行います。
・まちなか(福井市都市計画マスタープランで位置づけられた
625.2ha 内)で高齢者世帯、障害者世帯、子育て世帯等、地域
における居住の安定に特に配慮が必要な世帯に対する良好な賃
貸住宅の供給を促進するため、民間事業者が建設した地域優良賃
貸住宅の整備に要する費用、家賃の減額に要する費用に対して補
助を行います。
・福井市住宅基本計画に基づき、3階以上の市営住宅の住棟につい
て、エレベーターを設置する改修工事を行います。
・介護サービスを併設するサービス付き高齢者向け住宅が、居住者
だけでなく、地域住民にも活動の場として提供され、積極的な交
流を通して、地域の高齢者等の拠点施設となることを推進しま
す。
・サービス付き高齢者向け住宅に併設される介護サービスが、居住
者だけでなく、地域の高齢者にも提供されるように指導します。
・市内におけるサービス付き高齢者向け住宅整備については、県と
連携します。
(単位 戸)
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
県により提示
県により提示
県により提示
- 68 -
第2章
第4節
地域生活支援体制の充実
(2)在宅での生活が困難な高齢者に対する住まいの提供
・家族等の支援が受けられない高齢者や低所得高齢者に対し、市が職権をもって養護老人
ホーム等へ措置し、必要なサービスを提供します。
施策の方向
①養護老人ホー
ムへの措置入
所
②高齢者生活福
祉センターへ
の入所措置
具体的な取組み
・おおむね 65 歳以上の身の回りのことができる高齢者で、環境上の
理由及び経済的な理由により、居宅での生活が困難な方に対し、入
所判定委員会において、養護老人ホームへの措置入所が妥当かどう
か判断し、入所が妥当となれば養護老人ホームへ措置入所させ、生
活の場を提供します。
・60 歳以上のひとり暮らしの方で、かつ高齢のため自立して生活す
ることに不安のある方に対して、一定期間の利用を条件として、住
居を提供し、高齢者の健全な生活の確保を図ります。
(3)高齢者に配慮したまちづくりの推進
・高齢者の移動手段の支援として、交通機関の優遇制度や交通ネットワークについて周知
し利用を促進します。
・安全で快適に生活できるように計画的な歩道のバリアフリー化や公共施設のバリアフリ
ー化、生活環境におけるバリアフリー化を進めます。
・高齢者が参加しやすく、出かけたくなるまちづくりを目指して関係者と連携します。
施策の方向
具体的な取組み
①高齢者の外出
移動支援の充
実
・民間バス会社が実施している「いきいき定期」の適用範囲を、市内
各地で運行している地域バスや地域コミュニティバスに拡大する
ことについて検討し、人に優しく便利な市内全域の交通ネットワー
クの利用促進につなげます。
・自動車の運転ができない在宅の重度身体障がい者、知的障がい者、
精神障がい者がタクシーを利用する場合、タクシー助成券を交付
し、運転のできない重度障がい者の日常生活を容易にし、社会活動
の範囲を広げます。
② 高 齢 者 福 祉 施 ・指定管理者制度を導入したすかっとランド九頭竜や美山楽く楽く亭
などについて、民間のノウハウを活かしたサービスを充実させ、生
設の充実
きがいづくり、健康づくりの場としての魅力を高めます。
・直営施設であるこしの高齢者ふれあいセンター、清水高齢者福祉セ
ンターなどについて、使いやすくふれあいのある施設を心がけ、高
齢者の憩いの場としての機能を充実します。
③ 高 齢 者 を 対 象 ・高齢者向けの交通安全教室のPRを行い、多くの高齢者が受講する
よう努めるとともに、わかりやすい内容を心がけ、交通ルールの再
とした交通安
確認及び交通マナーの向上を進めていきます。
全教室の開催
④ 歩 行 空 間 の 整 ・市民が安全で快適に道路を利用できるよう、段差の解消や視覚障害
者用ブロックの設置等、計画的な歩道のバリアフリー化に取り組み
備
ます。
- 69 -
第2章
施策の方向
第4節
地域生活支援体制の充実
具体的な取組み
⑤ 民 間 施 設 バ リ ・不特定多数の人々が利用する一定規模の新築建物について、「高齢
アフリーの推
者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー
進
新法)」や「福井県福祉のまちづくり条例」の整備基準に適合した
施設になっているかどうかの審査を行い、バリアフリー化を進めま
す。
⑥ 公 共 施 設 等 バ ・平成30年の「第73回国民体育大会・第18回全国障害者スポー
リアフリーの
ツ大会」に向け、国体関連施設等を対象に、バリアフリー化を進め
推進【新】
ます。
⑦ 市 ホ ー ム ペ ー ・障がいのある方や高齢者の方が利用しやすいよう、色の変更や文字
ジバリアフリ
の大きさに配慮して、ホームページのバリアフリー化を進めます。
ーの推進
⑧ 出 か け た く な ・空き家等を利用した「いきいき長寿よろず茶屋」の利用促進や、中
る場の提供
心市街地の活性化に向けた事業実施により、高齢者が出かけたくな
るまちづくりを進めます。
- 70 -
第2章
第5節
1
第5節
権利擁護の推進
権利擁護の推進
成年後見体制の整備
【現状・課題】
・認知症高齢者等の増加に伴い、日常生活の判断をすることが難しくなる高齢者等が増え
てくると予想される中、成年後見人※の市長申立※は増加傾向にあります。
※成年後見人
権利や財産について判断することが難しくなった人を、できる限り本人の意思や希望を尊重しつ
つ、法律面や生活面から保護や支援をする人のことです。家庭裁判所が選任した後見人等が高齢
者に代わって金銭や財産の管理をしたり、契約をしたり、あるいは契約を取り消したり、介護サ
ービスや医療が受けられるようにしたりという支援をします。
※市長申立
権利や財産を判断することが難しくなった人を支援していくために、成年後見制度利用の申立て
をする親族がいない場合、市長が家庭裁判所に申立てを行うことです。その後、家庭裁判所にて
後見人等の審判を行います。
<成年後見制度利用の市長申立件数>
平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度
申立件数(件)
7
7
7
9
17
障害者を除く認知症等高齢者のみ
<後見人報酬等の助成件数>
平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度
助成件数(件)
2
6
5
1
7
障害者を除く認知症等高齢者のみ
・親族や弁護士等の専門職が後見人になり活動されていますが、家庭の事情、あるいは財
産がない人などで後見人をつけられない人のために、養成研修を受けて裁判所から成年
後見人等として選任された一般市民である「市民後見人」を育成し、高齢者が必要な時
に利用しやすく、また地域ぐるみで支え合える支援体制の検討が求められています。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「成年後見制度を知っていますか」との問いに対し、
「知っている」が 31.3%、
「聞いた事
がある」が 33.6%、
「知らない」が 35.1%の割合であり、3 人に 1 人が制度について知
らない状況です。
【取組みの方向性】
(1)成年後見制度と本人への保護・支援
・本人の意思を尊重し、高齢者が地域で安心して生活できるように、市民後見人の育成と
活用について検討します。
・高齢者の人権を守り成年後見等の利用支援を推進するために、市長申立や後見報酬助成
や日常生活自立支援事業を行っていきます。
- 71 -
第2章
施策の方向
第5節
権利擁護の推進
具体的な取組み
①成年後見制度等の ・成年後見制度についての広報紙の掲載やチラシの配布などを行
利用推進
い、市民への成年後見制度の理解と利用促進に取り組みます。
・引き続き、ほやねっと等の関係機関と連携し、申立てをする親
族がいない場合に、「市長申立て」を行います。
・市長申立ての後、後見人への報酬支払いが困難な場合には、市
民の後見人報酬等の助成を継続して行います。
・福井市社会福祉協議会において、日常生活自立支援事業として
判断能力が不十分な高齢者に対して、福祉サービスの利用援助、
日常の金銭管理、書類等の預かりを行い、判断能力に応じて、
日常生活自立支援事業から成年後見制度への移行を支援してい
きます。
② 市 民 後 見 の 推 進 ・成年後見制度利用者の増加に対応するため、市民後見人の育成
【新】
や活動支援の体制整備について検討します。
2
高齢者虐待への対策
【現状と課題】
・本市における養護者による高齢者虐待の件数は増加傾向ではないものの、ここ数年は一
定の件数で発生しています。また、養介護施設従事者による高齢者虐待についても発生
しています。
虐待を受けている高齢者の多くに認知症の症状が見られており、今後認知症高齢者がま
すます増加することが予想されていることから、高齢者虐待の増加が懸念されます。
<養護者による高齢者虐待件数>
平成23年度
平成24年度
平成25年度
虐待相談件数(新規)
58
57
74
虐待と判断した件数
36
32
36
<養介護施設従事者による虐待件数>
平成23年度
平成24年度
平成25年度
虐待相談件数(新規)
0
2
1
虐待と判断した件数
0
1
0
・虐待の早期発見・早期対応を行うため、ほやねっとを虐待の相談・通報窓口として設置
していますが、あまり周知が進んでいないのが現状です。
<日常生活圏域ニーズ調査より>
「地域包括支援センターのどのようなことを知っていますか」の問いに対し、
「高齢者の虐
待についての相談窓口」であると認識している高齢者は、全体の 12.5%に留まっています。
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第2章
第5節
権利擁護の推進
・高齢者虐待が発生する背景には、高齢者本人と養護者の人間関係、介護負担、認知症への
理解不足、地域社会での孤立など複雑な要因が絡み合っていることが多いため、関係機関
との連携を密にし、事例に応じた柔軟な支援体制が求められています。
【取組みの方向性】
(1)高齢者虐待防止に向けた普及啓発と早期発見
・市民一人ひとりが高齢者虐待について正しい知識や理解を持ち、虐待の発生が疑われる
場合には相談・通報につながるよう周知します。
・高齢者虐待の発生を防ぐために認知症の理解普及、介護者の負担軽減を図ります。
施策の方向
具体的な取組み
①高齢者虐待に関 ・市民に対し、高齢者虐待についての正しい知識や理解を促し、虐
する理解の普及
待に関する意識向上を図ります。
啓発
・ほやねっとや市の担当課に通報窓口があることや、市民には高齢
者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合には速やかに相
談窓口に相談するよう、市政広報やチラシにて周知します。
②虐待発生の未然 ・介護者を抱える家族に対し、介護者のつどいやかたらいの会など
防止
において介護方法や介護者同士の交流・情報交換を行い、介護負
担の軽減を図ります。
(2)高齢者虐待への対応
・住みなれた地域における高齢者の安心した生活の確保を目的として高齢者虐待防止のた
めにネットワークを形成し、その充実を図ります。また、虐待事例に対し、関係者と相
互連携を図りながら早期に高齢者と養護者に対する支援を行います。
施策の方向
具体的な取組み
① 高齢者虐待ネッ ・高齢者虐待防止ネットワーク運営委員会を開催し、本市における
トワークによる
高齢者虐待の実態や虐待防止の取組みなどについて共通認識をも
対応
ち、高齢者虐待防止体制がより充実するよう検討し、連携を強化
します。
・虐待対応は、ほやねっとと市が中心となり、緊急性の判断、事実
確認、虐待の有無の判断を行い、支援計画に沿った援助を実施し、
虐待終結に向けて取り組みます。
・保健医療福祉分野の範囲を超え、専門的な対応が必要とされる場
合には、警察や弁護士などと連携し、問題の解決を図ることで高
齢者虐待の重篤化を防ぎます。
- 73 -
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