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ドイツ視察(PDF:4252KB)
1.ドイツ視察 ドイツにおけるエネルギーシフトの現状を視察① ドイツ視察の目的 ◆平成25年3月に策定した「滋賀県再生可能エネルギー振興戦略プラン」の基本理念に定める『地 域主導による「地産地消型」「自立分散型」エネルギー社会の創造』に向けて、県民総ぐるみで取組 を進めていくことが重要。 ◆そこで、地域主導による取組がより促進されるような効果的な仕組みづくり等の検討にあたっての 参考とするため、市民出資・参画による協同組合や株式会社など地域・市民レベルでの多様な主体 の活動により、再生可能エネルギーへのエネルギーシフトに向けた取組が実践されているドイツ連邦 共和国/バーデン・ヴュルテンベルク州内の先進地域を実地調査。 ●日程:平成25年8月12日(月)~8月17日(土) ●行程: 8月12日(月) 日本出発 13日(火) フライブルク 14日(水) シェーナウ 15日(木) シュヴァルツヴァルト~ボーデン湖北 16日(金)~17日(土) 日本帰国 15 1.ドイツ視察 ドイツにおけるエネルギーシフトの現状を視察② 現場施工技術者の養成学校 (リヒャルト・フェーレンバッハ職業学校) 市民出資ソーラースタジアム (MAGE SOLAR スタジアム) 省エネ改修と地域暖房 (ワインガルテン地区) 自然エネルギー電力会社 (シェーナウ) 民間投資の小水力発電 (ドライザム川) トラム、水が活きる街 (フライブルク中心部) ソーシャルエコロジー 住宅地(ヴォーバン) エコホテル・ヴィクトリア (フライブルク) 市民風力発電 (シャウインスランド山) エネルギー協同組合 (エアツァッハ) 市民エネルギー企業 (ソーラー・コンプレックス社) バイオエネルギー村 (マウエンハイム村) 16 1.ドイツ視察 ドイツにおけるエネルギーシフトの現状を視察③ 今回のドイツ視察で学んだこと ~滋賀県で取り組むべき施策や将来ビジョンに活かしていくべき3つの視点~ ●エネルギー政策は「総合的な社会政策」 ドイツでは、エネルギー問題が住宅や交通政策、地域振興など総合的な社会政策と繋がっており、 街全体としてエネルギー需要を減らすことに成功している地域が数多い。 ●「動かすのは人」であり、「人材育成」が重要 ドイツでは、協同組合や市民企業、エネルギーコンサルタントなど地域・市民レベルでの様々な主体 が存在し、互いに連携・協力しながらエネルギーシフトに向けた取組が各地で展開されており、地域を 支える人材の育成も効果的に図られている。 ●「地域の中でお金を循環させる視点」が重要 エネルギーの消費によって外へ流出する燃料費などのお金を省エネで減らすとともに、地域でエネル ギーを創り出すことで、地域内でお金を循環させるビジネスモデルが成り立っている。「キロワットアワー・ イズ・マネー」という考え方に基づき、地域経済が活性化し、雇用も創出されるという好循環が生まれ ている。 「エネルギーづくりは地域づくり」 17 1.ドイツ視察 【参考】 「地域の中でお金を循環させる視点」が重要 ■現状では、多額のエネルギー費用(化石燃料費)が滋賀県から流出。 ■エネルギー消費によって外へ流出する燃料費を、「省エネ」により減らすとともに、地域でエネルギー を創り出す(創エネ)ことにより、地域内でお金を循環させていく視点が重要。 現状 エネルギー 今後 エネルギー 創エネ 滋賀県 滋賀県 kWh=¥ (キロワットアワー・イズ・マネー) 「創エネ」「省エネ」 (地域内投資)によ る地域内資金循環 省エネ 約3,000億円 流出 資金流出の最小化 ・地域経済の活性化 ・雇用の創出 【参考】エネルギー費用(化石燃料費)の流出額:試算 都道府県総生産合計(2010年度) A 滋賀県の県内総生産(2010年度) B 化石燃料輸入総額(2012年度) C 滋賀県の化石燃料輸入支出額(2012年度) C×B/A 滋賀県卸売業・小売業総生産(2010年度) 滋賀県製造業(電気機械)総生産(2010年度) 滋賀県建設業総生産(2010年度) 滋賀県農林水産業総生産(2010年度) 479兆2,046億円 6兆139億円 (※全国比 1.25%) 24兆6,641億円 3,083億円 (※県内GDP比 5.13%) 4,317億円 4,085億円 2,596億円 353億円 滋賀県から海外等 への資金流出 滋賀県の主要産業 の生産額に匹敵 18 1.ドイツ視察 【参考】 再生可能エネルギーによる利益の地域への還元 ■再生可能エネルギー発電による売電収入のうち、自ずと地域へ支払われるものは土地の賃借料や固 定資産税等一部にとどまる。 ■地域の資源を活用した再生可能エネルギーによる利益をどのように地域の活性化に結び付けるかが 重要な課題。 (出典)農林水産省資料 19