Comments
Description
Transcript
本文ファイル - 長崎大学 学術研究成果リポジトリ
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE Title 動的重合による熱可塑性ポリウレタンエラストマーのミクロ凝集構 造と物性に関する研究 Author(s) 山﨑, 聡 Citation (2006-03-20) Issue Date 2006-03-20 URL http://hdl.handle.net/10069/7337 Right This document is downloaded at: 2017-03-30T10:06:10Z http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp 動的重合による熱可塑性ポリウレタンエラストマーの ミクロ凝集構造と物性に関する研究 2006年2月 長崎大学大学院生産科学研究科 無暗聡 目次 第1章 序論 p.1 1.1本研究の目的 p.1 1.2既往の研究および研究の課題 P。4 1.2。1熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)の重合技術 p。4 1.2。2TPUのレオロジー的性質 p。10 1.3本研究の概要 p。15 参考文献 p。18 第2章 ワンショット法により重合したTPUの構造と物性への重合温度の影響 P。22 2.1緒言 P.22 2.2実験 P.22 2.2.1原料 P.22 2.2。2TPUの重合 P.23 2。2.3シートの調製 p.24 2・2・4TPUペレットのキャラクタリゼーション P・24 2.2.4.1 分子量 P。24 2.2。4.2 アロファネート基濃度 p。25 2。2.4。3 TPUのハードセグメントの分子量分布 p。26 2。2.4、4 固体NMR p.26 2.2。4.5 みかけのせん断粘度 P。27 2.2.5TPUシートのキャラクタリゼーション p.27 2.2.5.1 熱的性質 . P。27 2。2.5.2 固体粘弾性 p.28 2.2。5。3 引張試験 P.28 2。3結果および考察 P。28 2。3.1一次構造およびミクロ凝集構造に及ぼす重合温度の影響 p.28 2.3.2力学物性への重合温度の影響 p。41 2。3。3溶融粘度への重合温度の影響 p。45 2。4まとめ p。48 参考文献 一p.49 第3章 プレポリマー法により重合したTPUの構造と物性への重合温度の影響 P。50 3.1緒言 P.50 3。2実験: p.51 3.2.1原料 P.51 3.2.2TPUの重合およびシートの調製 p。51 3.2.3TPUペレットのキャラクタリゼーション p。52 3。2。3.1 分子量 P.52 3.2。3.2 アロファネート基濃度 p.52 3.2。3.3 TPUのハードセグメントの分子量分布 p。52 3。2。3.4 固体NMR p。53 3.2,3。5 みかけのせん断粘度 p。53 3.2.4TPUシートのキャラクタリゼーション p。53 3.2.4.1 熱的性質 P.53 3.2。4。2 固体粘弾性 p。53 3。2.4.3 引張試験: p.54 3。3結果および考察 P.54 3。3.1一次構造およびミクロ凝集構造に及ぼす重合温度の影響 p。55 3.3。2力学物性への重合温度の影響 p.64 3.3。3溶融粘度への重合温度の影響 p。66 3。4まとめ p。69 参考文献 p。69 第4章 ワンショット法およびプレポリマー法により重合したTPUの構造と物性の 比較 P。70 4.1緒言 P。70 4.2実験 P。70 4.3結果および考察 P。70 4。3.1TPUの重合過程におけるトルクの推移 P。70 4.3、2ハードセグメントの分子量分布 P.74 4。3。3熱的性質 P.74 4.3.4固体NMR P.77 4.3.5 動白勺*占弓単’性三 P。85 4。3。6引張物性 P.88 4。3.7みかけのせん断粘度 P。88 4.4まとめ P。90 参考文献 P.91 第5章 TPUの構造と力学物性に及ぼすアニール温度の影響 5。1緒言 P。92 P。92 5.2実験 P.92 5。2。1試料および調製法 P.92 5.2.2TPUシートのキャラクタリゼーション P。93 5。2.2.1 分子量 P.93 5。2。2。2 熱的性質 P.94 5.2。2.3 固体NMR P。94 5.2。2。4 力学物性 P。94 5.3結果および考察 P。95 5。3。1TPUのミクロ凝集構造に及ぼすアニール温度の影響 P。95 5.3.2TPUの力学物性に及ぼすミクロ凝集構造の影響 Pユ00 5.4まとめ p.105 参考文献 p。106 第6章 TPUのレオロジー的性質に及ぼすミクロ凝集構造の影響 p.107 6。1緒言 p.107 6.2実験 p.107 6。2ユ試料 p。107 6.2。2レオロジー測定 p.108 6.2.2.1 せん断流動変形 p.108 6.2.2.2 一軸伸長流動変形 Pユ09 6。2。3 熱白勺性質 Pユ09 6.3結果および考察 pユ10 6.3.1TPUの溶融物性に及ぼすミクロ凝集構造の影響 p。110 6。3.2TPUの一軸伸長流動変形に及ぼすミクロ凝集構造の影響 p.117 6。4まとめ p。125 参考文献 p。126 第7章 総括 p。128 参考文献 p.130 論文リスト p.131 謝辞 p。134 第1章 序論 1ユ本研究の目的 IG Farbenの研究室にて、0. Bayer博士により、ジイソシアナートとジオールとの 付加重合反応によって世界で最初にrPerlon」と呼ばれたポリウレタンが合成され たのは、1937年℃ある。そして、約20年経た1957年置「Virtually cross linked elastomer」という題目の研究を発表したアメリカのB. F. Goodlich社にようて、ポリ ウレタンの工業化が開始された。彼らが1958年に上市した「Estane」(商品名)を皮 切りに、Bayer社を始めとするポリウレタンメーカーは様々な熱可塑性ポリウレタン エラストマー(TPU)を開発、上市してきた1・2)。 TPUは、ジイソシアナートと短鎖グリコール(鎖延長剤)からなるハードセグメント と、数平均分子量が1,000∼4,000程度のポリマーグリコールからなるソフトセグメ ントから構成されるマルチブロックポリマーである3・4)。ジイソシアナートとして、4,4’一 ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)に代表される芳香族イソシアナートが最も 広く使用されているが、早年性を要求される用途では、ヘキサメチレンジイソシア ナートなどの脂肪族イソシアナートや4,4㌧ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート などの脂環族イソシアナートが使用されている。短鎖ジオールについても脂肪族 から芳香族、あるいは脂環族など様々な化合物が使用されている。さらに、TPU の原料の大部分を占めるポリマーグリコールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコ ールに代表されるポリエーテルポリ母指ル、あるいはアジピン酸と脂肪族あるいは 芳香族グリコールとの縮重合系、およびε一カプロラクトンを開環重合したポリカプ ロラクトンポリオールなどのポリエステルポリオールが最も広く使用されている。通 常、耐加水分解性を要求される用途では、ポリエーテルポリオールが、耐熱性を 一丑一 要求される用途では、ポリエステルポリオールが使用される。さらに、耐熱性およ び耐加水分解が要求される用途では、ポリカーボナートポリオールが用いられて いる1・3)。このように、多種多用な化合物を出発物質とするTPUは、他の熱可塑性 エラストマー(TPE)と比較して、複雑な高次構造を形成している。 1950年代に開発されたTPUは第1世代のTPEと位置付けられており、現在 では、ポリスチレン系、ポリ:塩化ビニル系、ポリジエン系、およびポリオレフィン系 TPEにつぐ市場を形成している。他のTPEと比較して、機械的強度が高く、低温 柔軟性、耐磨耗性および耐油性に優れた特長を有するTPUは、自動車の部品、 ホースおよびチューブなどの工業用部品、靴製品、カテーテルなどの医療用部材、 フィルム、シート、ならびに弾性繊維などの多岐に渡る分野で使用されている1)。 一方、日本では、「Estane」の上市に遅れること約5年後の1963∼64年にかけ て、数社のメーカーが国産化に着手した2)。その後、日本国内で順調に市場を拡 大し、現在では32,000コ口y程度の市場を形成している5)と言われているが、ポリオ レフィン系、スチレン系TPEと比較して、生産性が低く、成形加工温度幅が狭い、 あるいはポリエステル系、ポリアミド系TPEと比較して、耐熱性が低いといった課題 を有しているため、国内での市場成長率は他のTPEと比較して必ずしも高くなか った。しかし、近年、TPUの天然皮革に似た触感を活かし、数μm程度の粒子径 に制御したパウダー状のTPUの開発によって、自動車のインスツルメンタルパネ ルの表皮に代表される内装材としての新たな用途が開拓され6)、市場は伸長して いる。 従来、ポリマーグリコール、ジイソシアナートを中心とした新規な原料開発により TPUの高性能化および用途展開が図られてきたが、ここ数年、耐熱性、機械強 度などの向上を日的とした無機材料とのナノコンポジット化7−10)、成形加工技術の 一2一 改良による他材料との積層化11−13)、およびパウダー状に製造するための形態制 御の技術開発14−17)が盛んに行われている。さらに、TPUの生産性、品質を改良 するために、新規な製造技術が考案されている。特に、TPUの新規な製造技術 に関する特許では、従来よりも高い重合温度にてTPUを連続重合し、ペレットを 製造する方法が開示されている18−22)。 TPUの優れた物性は、ハードおよびソフトセグメントが熱力学的に非相容である ために形成されるミクロ相分離構造に起因する。原料の化学構造、その分子量や 分子量分布、およびハード、ソフトセグメントの比率などを変えることにより、TPUの ミクロ相分離構1造や力学物性を幅広い範囲で制御することが可能である23−27)。こ れらの因子の他に、TPUの重合方法によっても、構造や物性は変化することが知 られている28−33)。しかしながら、近年、特許で開示されているような高い温度で重 合したTPUの構造と物性に関する系統だった研究は無く、これらに及ぼす重合 温度の影響については不明な点が多い。 一方、TPUは、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ポリマ ーと同様、その成形加工の過程でうける熱履歴やせん断、伸長変形、および成 形加工後の熱処理によって構造や物性は大きく変化する。しかし、最も広く使用 されているMDIをベースとしたTPUは、ポリプロピレンのように、その結晶構造が 完全に融解する高い温度で成形することはできない。MDIをベースとした芳香族 ポリウレタンのウレタンにおいては、水素結合に帰属されるウレタン結合のN−H伸 縮ピークが220℃近傍でも存在している34・35)。このように非常に凝集力が高い結 合にもかかわらず、その結合の熱安定性は低く、その結合の安定温度の上限は 約200℃程度であることが報告されている36)。従って、TPUは他の熱可塑性ポリマ ーのように、完全な非晶状態で成形加工されていないと考えられる。しかし、この 一3一 ような複雑な構造を形成しているTPUのレオロジー的性質に関する研究は非常 に少なく、最近になって精力的に研究されているのが現状である37−43)。 TPUが上市されてから約50年弱が経過しているが、その高次構造と物性につ いては不明な点が数多く残されている。他の熱可塑性ポリマーに見られない特長 を活かし、さらなる用途展開を図っていくためには、TPUの重合および成形加工 技術に関する基礎的知見の深耕が重要である。そこで、本研究はTPUの構造と 物性の関係をより明確にすることを目的とし、TPUのミクロ凝集構造と力学および 溶融物性に及ぼす重合方法の影響、およびTPUのレオロジー的性質に及ぼすミ クロ凝集構造の影響を調べたので、ここにその研究成果を述べる。 L2既往の研究および研究の課題 1.2.1熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)の重合技術 通常、射出および押出成形に使用されているTPUは、塊状重合法により製造 されている。その重合方法として、ポリマーグリコール、踏面グリコールおよびジイ ソシアナートを同時に重合させるワンショット法と、ポリマーグリコールとジイソシア ナートとを反応させ、イソシアナート基末端プレポリマーを合成後、昏惑グリコール を添加し、重合させるプレポリマー法に大別される1・3・4)。これらの重合方法を用い て、バッチ法、バンドキャスティング法および反応押出法によって、TPUは工業的 に製造されている1)。これらの製造方法のうち、バンドキャスティング法と反応押出 法は連続プロセスであり、現在、最も広く採用されている。バッチ法とは、所定温 度に調整したポリマーグリコールと短鎖グリコールに、ジイソシアナートを添加し、 通常、1分間程度撹搾後、該反応混合液を100∼120℃に調整されたトレイに移 。4一 秘する。その後、120∼130℃にて24時間程度、後硬化し、樹脂塊を得る。その樹 脂塊を切断し、粉砕後、押出機を用いてペレットを製造する1)。切断、粉砕工程 時に吸湿した水分を除去するため、十分に乾燥した後、押出機を用いてペレット を製造する方法が一般的である。バッチ法だと、幅広い硬度あるいは溶融粘度を 有するTPUの製造が可能であるが、ペレットを得るまでの工程が非常に長いこと が欠点である。2つ目の方法であるバンドキャスティング法は、ポリマーグリコール、 短鎖グリコールおよびジイソシアナートをミキシングヘッドに送諒し、素早く撹拝後、 その反応混合液を連続的に、所定温度に調整されたスチール製もしくは樹脂製 のコンベア上に供給し、TPUを重合する。得られる形態は、板状であるため、それ を細かく切断後、押出機を用いてペレットを製造する方法である。コンベアの速度 によって、TPUの重合時間が調整される1)。この方法だと、連続的にTPUを重合 することが可能であるが、通常、重合工程とペレット化工程が分離しているため、 連続的にペレットを製造することが困難である上、溶融粘度が大きく異なる銘柄を 製造する場合、ベルトのクリーニングが必要になる。また、原料を混合後、オープ ンな状態に解放するため、蒸気圧が高いイソシアナート、例えば、ヘキサメチレン ジイソシアナートや4,4’一ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートなどを使用するこ とは、労働衛生上、困難である。これらの課題を克服するために開発された製造 方法が反応押出法である。通常、反応押出法には、二軸押出機に代表される高 粘度のポリマーを混練できる装置が使用されている1)。重合温度を上昇させること により、反応時間の短縮化を図るとともに、押出機の先端にストランドダイを装着 することによって、重合反応からペレットまで連続的に製造できる利点を有する。 近年、この反応押出法を基に、様々なTPUの製造技術が開発されている。平成 5年1月から平成17年7月までの期間において、日本国に出願された塊状重合 一5一 法によるTPUの製造技術に関する特許を調べた結果、16件検索された。90年の 前半は主に、二軸押出機を用いた特許が多かった44−46)が、90年の後半および 2000年代になると、熱型反応器もしくはスタテッィクミキサーを用いた重合装置が 考案されている18,20・2L22)。通常、二軸押出機を用いる場合、事前にポリマーグリコ ール、短鎖グリコールおよびジイソシアナートを高速画素機によって十分に撹絆し た後、その反応混合液を二軸押出機に送油する。低粘度の液体を押出機に送 翻し、混生しながら重合させ、高粘度のポリマーを得る。しかし、二軸押出機を用 いて連続的にTPUを製造すると、押出機内のスクリューとバレルの間隙、もしくは スクリューに樹脂が堆積し、最終的にはTPUに微細なゲルを副生することが指摘 されている。この欠点を解決するために、管型反応器やスタテッィクミキサーを用 いた重合装置が考案されており、この方法によると、高い生産性を有し、微細なゲ ルが少ない、あるいは溶融挙動が制御されたTPUの製造が可能であると報告さ れている18’20’21’22)。 このように、新規な製造方法と共に、TPUのミクロ凝集構造と物性に及ぼす重 合条件および重合方法に関しても、多数報告されている。Sanchez−adsuarらは、 MDI、ポリ(ε一カプロラクトン)グリコールおよび1,4一ブタンジオール(BD)を鎖延長 剤として、プレポリマー法によって得られたTPUの最終物性に及ぼす反応条件の 影響を調べた28)。プレポリマー化反応におけるイソシアナート基と水酸基の当量 比(NCO/OH)が1。2であることから、ハードセグメントが少ない処方である。その結 果、プレポリマーの反応時間の増加と共に、TPUの重量平均分子量、および2一 ブタノンにTPUを溶解した溶液の粘度も増加することを報告している。また、プレ ポリマーの反応時間の増加に従い、TPUの破断伸び、引張強度やPVCとの接着 試験におけるTピール強度は増加するが、機械的強度や接着強度に対する鎖 一6一 延長反応の時間は影響しないことを明らかにしている。彼らは、同様の原料を用 いて、分子量、機械的強度および接着性に及ぼすプレポリマー化反応での NCO/OHの影響を報告している。プレポリマー化反応におけるNCO/OHが1に 近づく程、PVCに対するその接着強度が上昇することを明らかにした29)。さらに、 NCO/OH比が異なるプレポリマーを用いて重合したTPUのミクロ凝集;構造と物性 を調べた結果、NCO/OH:が1あるいは3近傍の場合、同等の機械的強度ならび にTピール強度を示した。また、NCO/OH比が2より大きくなると、ミクロ相分離構 造が発達することを報告している30)。 Abouzahrらは、ポリエーテルおよびポリエステルポリオールを用いたMDIと 1,4−BDからなるTPUの構造と物性に及ぼす重合方法の影響を調べている31)。ワ ンショット法およびプレポリマー法(twrstage polymerization condition)によって、 バッチ法により140℃でTPUを重合した。その結果、馬差走査熱量計(DSC)と小 角X線散乱(SAXS)の解析から、ポリエーテルポリオールを用いるよりもポリエステ ルポリオールを用いたTPUは、その構造と物性に及ぼす重合方法の影響が大き いことを報告している。ポリエステルポリオールを用いてワンショット法で重合した TPUは、プレポリマー法で重合したTPUと比較して、ハードセグメントの分子量分 布が広いため、低分子量のハードセグメントがソフトセグメント相に溶解し、ミクロ相 分離性が低下したと結論付けている。一方、ポリエーテルポリオールを用いた TPUでは、ソフトセグメントとハードセグメントとの相亡君が低いため、その構造と物 性への重合方法の影響は少ないと考察している。しかし、彼らの研究では、ハー ドセグメントの分子量分布を直接分析しておらず、SAXSの測定結果を基に Ruland 52)およびVonk 53)らの方法によって解析したハード、ソフトセグメント間の冷 間厚み(transition thickness)とPeeblesらの理論結果47)から、その分子量分布を 。7一 考察しているのみである。彼らの研究に引用されているPeeblesの理論47)によると、 低分子量ジイソシアナートモノマーの一方のイソシアナート基が他方のイソシアナ ート基より速い反応性を示す場合、プレポリマー法はワンショット法と比較して、分 布の狭いハードセグメントを形成すると言われている。しかし、Abouzahrらは、2っ のイソシアナート基の反応性が等価なMDIを使用しているため、ハードセグメント の分子量分布を直接測定することによって、ミクロ凝集構造に及ぼす重合方法の 影響を考察する必要があると考えられる。 Ahnらも、TPUの熱的性質および機i械的強度に及ぼす重合方法の影響を調 べている32)。ソフトセグメントとして、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG) とジアミン末端のナイロンオリゴマー、ハードセグメントとしてMDIと1,4−BDを用い て、ワンショットおよびプレポリマー法によって、TPUの溶液重合を行い、フィルム の試料を得た。フィルムのDSC測定に基づき、そのミクロ凝集構造を考察している。 DSCのサンプルパン中で230℃、2分間の条件でTPUを溶融し、その後、冷却す る過程で観察される結晶化温度と発熱量を基に、ハードセグメントの分布を考察 していている。その結果、ワンショット法で重合したTPUのハードセグメントの分子 量分布はプレポリマー法よりも広いと結論付けているが、Abouzahrらの研究と同 様、直接、ハードセグメントの分子量分布の測定を行っていない。また、罵ALジメ チルホルムアミド(DMF)を用い、65℃の重合温度でTPUを溶液重合しているため、 高温での塊状重合における重合方法の影響については明らかにされていない。 Schollenbergerらは、塊状重合法によって、 TPUの重合過程におけるトルク、樹 脂温度の挙動とその物性を報告している48)。現在、盛んに検討されている反応押 出法にて採用されている高い温度領域でTPUを重合した初めての研究である。 容積が120cm3のミキシングチャンバーを装着した温度調整が可能なBrabender 一8一 社のPlastiCorderと呼ばれる装置を用いて、チャンバーの温度を180∼230℃に 設定し、TPUを重合した。用いた原料は、数平均分子量が約1,000のポリテトラメ チレンアジペートグリコールとMDIおよび1,4−BDである。 TPUの重合過程におけ るトルクおよび樹脂温度へのポリエステルポリオールの酸価、酸化防止剤、組成 およびウレタン化反応触媒の影響、および重合したTPUをプレス成形したシート の機械的強度を報告しているが、ミクロ凝集構造と物性に及ぼす重合方法の影 響については明らかにされていない。 以上、TPUの工業的な製造方法および既往の研究を述べてきた。 TPUの製造 工程を簡素化し、生産性を向上しつつ、品質の優れたTPUを製造するために開 発された反応押出法による重合技術は、既往の研究における反応条件や従来の バッチ法およびベルトキャスティング法と比較して、非常に高い温度でTPUを重 合することが特徴である。Braeuerらが開示したTPUの製造方法によると、第1の 反応工程であるスタティックミキサーの設定温度が240∼350℃の範囲でTPUの 重合を行っている49)。 しかし、TPUのミクロ凝集構造と物性に及ぼす重合方法の影響については多 数の研究が報告されているにもかかわらず、我々が知る限り、反応押出法を用い て高い温度で動的重合したTPUの構造と物性、およびその条件下における重合 方法の影響に関する研究は皆無である。 これらの背景のもと、動的重合したTPUのミクロ凝集構造と物性に及ぼす重合 方法、特に重合温度の影響を調べることは学術的にも工業的にも非常に有益で あると考えた。 一9一 1。2。2TPUのレオロジー的性質 古くから製品化されているにもかかわらず、成形加工技術の基礎的知見となる 溶融状態でのTPUのレオロジー的性質に関する報告は非常に少なく、ここ数年、 Cooperら、 MacoskoらおよびMUnstedtらの著名なウレタンの研究者あるいはレオ ロジストによって精力的に研究されているのが現状である。Cooperらは、ポリウレタ ン溶融体のレオロジー的性質に及ぼすミクロ相分離の影響に関する計3報の研 究を報告している。彼らは、最も広く使用されているMDIベースのTPUでは、溶 融状態における熱安定性に劣ることから、長時間にわたるレオロジー測定には適 していないことを指摘している4D。そのため、当初の研究対象は、イソフォロンジイ ソシアナート(IPDI)をベースとした脂肪族TPUに限定されていた。第1報では、 IPDIと1,4−BDをハードセグメントに、ポリカプロラクト≧ジオールをソフトセグメント に用いて溶液重合法により調製したTPUを研究対象としている41)。ポリカプロラク トンジオールの分子量を変化させたTPUを重合し、そのDSC、SAXS測定の解析 に基づき、ミクロ相分離構造を考察している。彼らが合成したTPUは、そのハード セグメントのガラス転移温度(る)が36℃である。そのため、固体粘弾性の温度分 散では、0∼50℃の領域にかけて、貯蔵弾性率(E’)と損失弾性率(β”)が一致する 領域が観察されており、工業的に広く使用されているTPUとは大きく異なっている。 彼らの研究によると、重量平均分子量が31,000および32,000と低く、単一相を 形成しているTPUでは、その溶融状態における動的粘弾性の周波数分散は、 Williams−Landel−Ferry(WLF)式50)によるシフトファクターを適用することによって、 時間一温度の換算則が成立すること、およびそのマスターカーブにRouse理論50) が適合することを明らかにしている。しかし、ミクロ相分離構造が確認されている比 較的低い溶融温度領域では、時間一温度換算則が成立しない上、その測定の再 一10一 現性に欠けることが報告されている。つぎに、彼らの研究では、ジイソシアナートと してIPDI、ポリマーグリコールとして非晶質のポリ(プロピレンオキシド)を用い、ジメ チルアミノーL2一プロパンジオールを鎖延長剤として溶液重合した後、沃化メタン (CH3Dで4級化したアイオノマー型のTPUを試料としている。まず、ハードセグメン ト中の4級化率を変えることにより、ブロック(セグメント)間の相容性を制御した試 料を調製し、DSC、SAXSの解析に基づき、ブロック(セグメント)問の相容性がミク ロ凝集構造に及ぼす影響を調べている42)。また、ブロック間の相容性がレオロジ ー的性質に及ぼす影響を調べている43)。ブロック長およびブロック間の非相五心 の増加、つまり、ミクロ相分離性が強くなるに従い、レオロジー測定における時間一 温度換算則は成立しなくなる。しかし、ミクロ相分離構造が発達している試料でも、 十分に高温の領域では、線形粘弾性の領域に近づくことを報告している。つまり、 彼らの結果から、ハードセグメントの凝集に基づくミクロなドメインの存在が、そのレ オロジー的性質に大きく影響していることが示唆されている。 一方、MDIと1,4−BDをハードセグメントしたTPUの詳細なレオロジー的性質は、 2000年にHanらによって報告された37)。彼らは、市販のポリエステルおよびポリエ ーテル系TPUを用いて、試料の調製時における熱履歴、および溶融したTPUの アニール過程におけるレオロジー的性質を調べている。さらに、溶融状態での加 熱、冷却過程における動的粘弾性関数の挙動についても報告している。様々な 温度にて射出成形した、ダンベル状のシート片を試料として、一定温度下におけ る貯蔵弾性率(0’)の時間分散を調べた結果、試料の射出成形温度および溶融 時のアニール温度によって、(7’の時間分散の挙動は大きく変化すること、ならび に溶融状態での加熱、冷却過程において、0’はヒステリシスを示すことが明らか にしている。また、フーリエ変換赤外吸収(FT−IR)測定によって、30∼250℃にかけ 一u一 たN−H基およびC=0基の伸縮領域の水素結合を評価している。温度の上昇と 共に、水素結合に預からないフリーのN−H伸縮ピーク強度が増加し、水素結合し ているC=0基の伸縮ピーク強度が低減していることから、相混合状態に移行して いると考えられるが、170∼230℃の溶融状態においても、秩序性のある水素結合 したC=0基の伸縮ピークの存在が確認されている。これらの結果から、170∼ 230℃の温度領域でも完全にハードセグメントドメインは消失していないことが示唆 されている。また、相状態の熱転移の評価には、DSCよりもFT−IRとレオロジー測 定の組み合わせが敏感であると報告している。Hanらは、 TPUのレオロジー的性 質に及ぼす試料の熱履歴の影響を詳細に調べているが、最後に、TPUのレオロ ジー挙動は、非常に複雑であるとも結論付けている。 MUnstedtらは、 MDI、1,4−BDおよびPTMEGからなる市販のTPUを用いて、 溶融状態におけるゼロせん断粘度の温度依存性を実験で求め、その依存性を記 述するモデル式を提案している38)。測定温度の上昇に伴い、低下するゼロせん 断粘度は、分子の運動性の増加だけでは無く、分子量の低下に大きく依存して いることを明らかにしている。分子量の低下の影響を分離した後に算出した、流 動における真の活性化エネルギーは約131kJ/mol、ウレタン結合の解離における エンタルピ日変化は58kJ/molと見積もられている。これらの実験結果を通じて、 TPUの成形において、溶融状態での成形温度が高く、滞留時間が長い場合は、 TPUの分子量が大きく低下することを示している。 Macoskoらは、 TPUの流動における活性化エネルギーを見積もるため、温度と 重量平均分子量をパラメーターとしたArrheniusタイプの粘度のモデル式を考案 し、市販のTPUを用いて、溶融粘度を測定している39)。ソフトセグメントの熱分解 の影響を除外するために、MDIと1,6一ヘキサンジ幕間ルからなる分子量が約 一12一 20,000のTPUを用いている。微小から大変形領域を網羅するため、3つの異なる レオメータを用いて、溶融粘度に及ぼす温度、時間、せん断応力および流動様 式の影響を調べた結果、溶融粘度に対するニュートン粘度の比とニュートン粘度 とせん断速度をかけたせん断応力が温度に依存せず、1本のマスターカーブで整 理できることがわかった。また、ウレタン結合の熱分解に伴い、分子量は急速に低 下するが、5分以内に平衡に到達する。さらに、定常流でのせん断粘度と動的測 定における複素粘度が一致したことから、TPUの熱分解は、せん断応力によって 影響されないことが示唆された。溶融状態におけるTPUの流動は、流動と分解反 応に基づく活性化エネルギーの総和として記述され、見掛けの活性化エネルギ ー(瓦)は、真の流動の活性化エネルギー(瑞)とウレタン結合の分解によるエンタル ピー変化(△んも,g.)を用いて、瓦=易+1。7△ん告。g.の関係にあることが示された。一方、 現は約328kJ/mol、瑞は約144 kJ/molであると見積もられており、旦が予想以上 に高い値であった。伸長流動が支配的なバッチミキサーで評価した溶融粘度は せん断粘度より低かったことから、この関係式はせん断流動の場合にはよく一致 するが伸長流動では一致せず、むしろ伸長応力はTPUの分解を促進し、より一 層、分子量の低下を引き起こす可能性が示唆されている。 もっとも最近の研究として、Nichettiらが報告したレオロジー測定によるTPUの 相転移挙動に関する研究が挙げられる40)。ポリエステルポリオールをソフトセグメ ントとした市販のTPUを用いて、,175℃まで昇温し、完全にTPUを溶解させた後、 アニール温度まで急速に冷却する。そのアニール温度にて動的粘弾性の時間分 散および応力緩和測定を行い、ゾルからゲルに相転移する挙動を追跡している。 Winterらのゲル化理論に基づき、実験結果を解析した結果、アニール温度の低 下により臨界ゲル化時間が短くなること、ゲル化強度はアニール温度の上昇につ 一13一 れて低下すること、および緩和指数はアニール温度に依存しないことが確認され た。つまり、温度が低いとハードセグメントは比較的早い時間で凝集し、強固なゲ ルを形成することが示唆されている。次いで、溶融状態から85℃まで冷却し、その 温度でアニールした後、昇沖する過程で時間分散および応力緩和測定を行った。 先の実験と異なり、ゲルからゾルに転移する挙動を解析している。その結果、ゲル 化強度と緩和指数は、ゾルからゲルに転移する時の値とそのオーダーが大きく異 なっている上、アニール温度の上昇に伴い、緩和指数が増加することが確認され た。彼らは、ゾルからゲルの相転移はハードセグメントの凝集に基づく結晶化過程 の後期に生じ、一方、ゲルからゾルの相転移はハードセグメントの融解がほぼ完 全に終了した時点で生じるといったミクロ凝集構造のヒステリシスが観察されてい ることを明らかにした。 以上、TPUの溶融状態におけるレオロジー的性質に関する既往の研究を述べ てきた。特に、MDIをベースとしたTPUの動的粘弾性および溶融粘度は、温度、 時間および試料に印加された熱履歴に大きく影響されること、および加熱、冷却 の過程で動的粘弾性およびミクロ凝集構造の形成にヒステリシスが生じることが明 らかにされている。また、FT−IRの測定結果から、溶融状態においてもハードセグ メントの凝集構造の存在が示唆されている。これらの背景から、そのレオロジー的 性質に及ぼすミクロ凝集構造の影響を調べることは、TPUの成形加工性の改良 に有益な知見となると考えた。 また、既往の研究では、せん断流動による測定が主体であり、フィルム、紡糸お よびブロー成形などで支配的な変形様式である伸長流動に関する研究は皆無で ある。そこで、TPUをアニールすることによって、ミクロ凝集構造が異なるTPUを調 製し、せん断および伸長流動変形下におけるミクロ凝集構造の影響を調べること 一1尋一 によって、TPUのレオロジー的性質に及ぼすミクロ凝集構造の影響を明らかにす ることを目的とした。さらに、TPUの力学的性質に及ぼすアニール温度の影響に ついても考察を加えた。 L3本研究の概要 第1章では、本研究の目的、既往の研究および本研究の課題を述べた。 Figure 1−1に、 TPUの製品が出来上がるまでの流れに対応した本研究の目的を 記す。 P⑪麟y朧㊧r騨躍yc⑪国 Dl鵬⑪◎y趨陥瞼 C一巡諭鋤《二三二三匿 紬◎瞠曲論蜘◎⑪匿》 P◎lym総rぼ繍ti◎n method iOne Sh◎V Pr㊧P◎lym餅) 一 繍nne副ir19 PO〃meηlza歪ノ◎η 聯㈱ @ T閃… アe燃μ囎 Micr◎一興ggreg飢i◎n Micr◎一㊨ggreg銭tion Structur㊧ Structu糟 墨蟹一 Rhe◎1◎gb綾l Rhe◎1◎gic董義l pr◎pertie$ pr◎perti㊧s Phy欝ical T閃脚伽脇i Phy欝ic訓 propertie$ 一 一一 一一 … ・一一一 一聖 properties C1っaρfer 2&3&4 Cわaρfer 5&6 Fl鮮隙噸一奄Alm◎賛わi蕊s奄蟹婿y r㊧1翻芒㊧d t◎萱h㊧producti◎n fl◎w◎習inal TPU pr◎伽。総・ 第2章では、「ワンショット法により重合したTPUの構造と物性への重合温度の 影響」について述べた。ハードセグメントにMDIと1,4−BD、ソフトセグメントにポリ 一15一 (エチレンアジペート)グリニールを選定し、140∼230℃の重合温度にて、動的重 合によるワンショット法によりTPUを合成し、そのミクロ凝集構造および力学、溶融 物性に与える重合温度の影響を調べた。TPUの一次構造の解析には、ゲルパー ミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量および分子量分布、ならびにア ロファナート基濃度の他、TPU中のソフトセグメントを加水分解し、ハードセグメント を選択的に分取する方法を用いて、その分子量分布をGPCにより評価した。ミク ロ凝集構1造の解析には・、示差走査熱量計(DSC)の他、固体核磁気共鳴(NMR)装 置に用いて、緩和時間の長短により分離した各成分のスピンースピン緩和時間 (乃)、およびその成分中のプロトン含有量を評価した。力学物性は、動的粘弾性 測定の温度分散と引張試験により評価した。溶融物性は、キャピラリ一型粘度計 を用いたみかけのせん断粘度のせん断速度依存性により評価した。 第3章では、「プレポリマー法により重合したTPUの構造と物性への重合温度 一・ の影響」について述べた。第2章で述べた同じ原料および装置を用いて、プレポ リマー法により、TPUの動的重合を行い、第2章と同様の測定により、その構造と 物性の関係を調べた。 第4章では、「ワンショット法およびプレポリマー法により重合したTPUの構造と 物性の比較」を行った。各重合温度にワンショット法、プレポリマー法で得られた TPUの構造と物性を比較し、それらに及ぼす重合方法の影響を調べた。 第5章では、「TPUの構造と力学物性に及ぼすアニール温度の影響」について 述べた。MDIおよびL4−BDをハードセグメントとするポリエステル系TPUをシート に射出成形した後、直ちに23∼120℃の範囲でアニールした試料について、DSC および固体NMRにより、そのミクロ凝集構造を調べた。力学物性は動的粘弾性 および引張試験により評価した。 。16一 第6章では、「TPUのレオロジー的性質に及ぼすミクロ凝集構造の影響」につ いて述べた。第5章で述べた試料を用いて、溶融状態における動的粘弾性の温 度分散、周波数分散および時間分散測定を行った。さらに、伸長流動挙動につ いては、Meissner型の伸長粘度計51)に用いて、一軸伸長粘度を測定し、そのひ ずみ硬化性について解析した。 第7章では、本研究の総括を行うとともに、今後の展望について述べた。 一17一 参考文献 (1) Randall, D。;Lee, S。7乃θPbケ〃rθオ加刀θ5わoo左,2000, Ed。, John Wiley& Sons Press:New York,0乃∂/・ごθr 21。 (2) 高性能熱可塑性エラストマーの新段階と新用途開拓,2000,大阪ケミカル マーケティングセンター,2章. (3) Hepbum, C。 Po∠卿!・θごカ∂刀θ肋3オαηθ/汐,1992, Ed., Blsevier Applied Science Press:New York,(訪∂ρごθr 9、 (4) Oertel, G。∫コb、ヶ醐θご加ηθ砺ηoめoo左,1994, Ed。, Hanser Press:Munich, α∼∂.ρごθr8 (5) IAL CONSULTANTS, 0∠,0β/4∠, 0レ1願レ78〃7 0F :Z班 :7γZ邸∼ルグOP乙ノ457γO PO∠,γび朋7H%ノV∠ヲ ル匹4ノ∼ノ(87「 (〆7P乙0, Ed。, IAL CONSULTANTS,2005,99。 (6) 高分子,2005,54,341。 (7) Yao, K。 J.;Song, M.;Hourston, D。 J.;Luo, D. Z。1ρo加ηθろ2002,43, 1017。 (8) Pattanayak, A。;Jana, S。 C。ノ4/V7万(鶉2003,1424。 (9) Tien, Y。1。;Wei, K。 H。ノ:Po加?。πθ乱,2000,7ω,245。 (10)Chen, T。 K。;Tien, Y。1。;Wei, K。 H。 Po加?θ!,2000,41,1345。 (11)特開2004−345308. (12)特開2004−034571。 (13)特開2003−231197。 (14)特開2005−171110。 (15)特開2004−091542。 一18一 (16) 特開2004−091541. (17) 特例2002−348462. (18) 特開平10−81725. (19) 特開平11−254432。 (20) 特開2000−344855。 (21) 特開2000−351826. (22)層 特開2004−182980。 (23) Petrovic, Z. S。;Ferguson,ノ}08・. Po∠7:η7。50ノ。,1991,16,695。 (24) Leung, L。 M。;Koberstein, J。 T。ノ:Po∠四η。50ノ。 Po∠7zη。勘」個,1985,23, 1883。 (25) Koberstein, J. T。;Russell, T。 P。擁α・ozηoノθoθ1θ31986,19,714。 (26) Bruette, C。 M。;Hsu, S。 L.;Macknight, W。 J。漉oro1η0/θo漉51982,151 71. (27) Ng, H。 N。;Allegrezza,んE.;Seymour, R。 W。;Cooper, S。 L. Pb加ηθr 1973,14,255, (28) Sanchez−Adsuar, M. S.;Papon, E。;Villenave, J−J。ノ:月ρ1ρ!。勘∠μ加.5甲。∫。 2000, 76,1590。 (29) Sanchez−Adsuar, M。 S.;Papon, E.;Villenave, J−J。∫.4勘。ノ,1Db∠7zη。50Z. 2000, 76,1596. (『30) Sanchez−Adsuar, M。 S。;Papon, E。;Villenave, J−J。ノ:バnoノ, Pb・ケzη。50!。 2000, 76,1602, (31) Abouzahr, S.;Wilkes, G。 L。ノ:月ρP五Po加η。5砿、1984,29,2695・ (32) Ahn, T。 O.;Choi, S。 H;Jeong, H。 M.;Cho, K。 Po∠四η。 Z々ごθ!力∂乙1993, 一19一 31,329。 (33) Frontini, M。 P。;Rink, M.;Pavan, A。ノ∴4ρ1ρ五1Po.加η。50孟1993,48,2003。 (34) Seymour, R。W.;Cooper, S.L.協orozηoノθo〃ノθ5,1973,6ω,48。 (35) Koberstein, J。T。;Gancarz,1。ノ:Po∠7:η7.50二∠ヲ’Po∠7zη。1%γ∫,,1986,24, 2487。 (36) Bayer,0。0∂5∠:万Z500ア∂η∂オーPo加ゴoγが。刀5一レb!勉1うrθ刀,1963, Ed・, Carl Hanser:M伽chen。 (37) Yoon, P。 J.;Han, C。D。〃乙。/・o∬zoノθoθZθ52000,33,2171・ (38) Hentschel, T。;M菰nstedt, H。1Po∠7zηθr,2001,42,3195. (39) Lu, Q、W。;Hernandez−Hemandez, M。E.;Macosko, C.W。 Po加ηθろ2003, 44,3309. (40) Cossar, S.;Nichetti, D,;Grizzuti, N。ノ;ノ訪θ〇五2004,48βノ,691。 (41) Velankar, S.;Cooper, S。 L。漉orαηoノθoμZθ51998,3.1,918L (42) Velarlkar, S.;Cooper, S。 L。漁。!・αηoノθoαZθ52000,33,382・ (43) Velankar, S.;Cooper, S. L。伽orαη01θoμ!θ32000,33,395. (44) 特開平5−214062. (45) 特開平5−271370。 (46) 特開平6−192368。 (47) Peebles, L。 H。肋oro、η20Zθα1ノθ31976,9,58. (48) Schollenberger, C。 S.;Dirlbergs, K.;Stewart, F。 D.1∼〃かわθr Oゐθzη。 7boカoz∼oノ。1982,55θノ,137。 (49) EP−11055691。 (50) Ferry, J。 D。伽ooθ伽が。乃oρθπメθ50!Po加ηθ∬;1980, Ed・, John Wiley 一20一 and Sons:New York。 (51) Yao, M。八々箆ρo刀6「ozηz1ノ(γo左∂Z5みろ1997,70,550。 (52) Ruland, W。ノ:湾ρρノ。 Orア3ご∂Z/o8ア。1971,4,70。 (53) Vorlk, C。 G。ノ1凶nρノ。 Orア3飽Zlo8ア、1973,6,81. 一21一 第2章 ワンショット法により重合したTPUの構造と物性への重合温度の影響 2.1緒言 ポリマーグリコール、短鎖グリコールおよびジイソシアナートを同時に重合させる ワンショット法は、操作が容易であることから、TPUの工業的な製造において、もっ とも広く採用されている方法である。TPUのミクロ凝集構造と力学物性に及ぼす 重合方法の影響を詳細に調べたAbouzahrらの研究では、 TPUの重合温度が 140℃である1)ため、この温度以上における重合温度の影響については不明な点 が多い。また、彼らの研究では、バッチ法によりTPUを重合しているため、反応押 出法のような動的な重合条件ではない。そこで、本研究では、ワンショット法により、 140から230℃の範囲にて、TPUのミクロ凝集構造と力学および溶融物1生に及ぼ す重合温度の影響を調べた。また、反応押出法での重合条件に照らし、混嘉し ながらTPUを重合するために、小型混晶機であるラボブラストミル(東洋精機㈱製) を重合装置として用いた。TPUのハードセグメントとして、 MDIと1,4−BDを選定し た。さらに、TPUのハードセグメントの分子量分布に及ぼす重合温度の影響を調 べるため、加水分解しやすく、かっ鎖延長剤の化学構造と重複しないポリ(エチレ ンアジペート)グリラールをポリマーグリコールとして用いた。TPUの一次・ミクロ凝 集構造の形成に及ぼす重合温度の影響を調べるため、ポリ(エチレンアジペート) グリコールの合成およびTPUの重合には触媒を使用しなかった。 2。2実験 2.2.1原料 ポリマーグリコールとして、触媒を使用せずに合成した数平均分子量畝=2074 一22一 のポリ(エチレンアジペート)グリコール(PEA)を用いた。 PEAの原料であるエチレン グリコール(和光純薬㈱特級)、アジピン酸(和光純薬㈱特級)は市販の試薬をその まま使用した。撹絆機、温度計、窒素導入管およびガラス製ラシヒリングを充填し た分留管を装備した5L容積のガラス製セパラブルフラスコに、エチレングリコール およびアジピン酸の順に仕込み、窒素置換を行った後、撹忘しながら200℃まで 昇温後、流出する水を実義に除去した。その後、液相に微量:の窒素を導入しな がら、230℃に昇心後、酸価が0.5mgKOH/g以下になるまで脱水を行い、重縮合 反応を行った。PEAの数平均分子量感は、JISK 6901−1999記載の方法により求め た活性水素価および酸価から、PEAの官能基数を2.0として算出した。ジイソシア ナートとして、4,4’一ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI、三井武田ケミカル㈱製 商品名コスモネートPH)を用いた。鎖延長剤として、1,4一ブタンジオール(1,4−BD、 和光純薬㈱特級)を用いた。1,4−BDは100℃、4時間、減圧下で乾燥窒素を吹き 込むことにより脱水した後に使用した。 2。2。2TPUの重合 セパラブルフラスコにPEA、1,4−BDを秤量し、窒素雰囲気下、気泡が混入しな いように、80℃、1分間撹搾混合した。次いで、その混合液に予め47℃に加熱し 融解させたMDIを加え、窒素雰囲気下、80℃の油浴中で1分間撹搾混合した。 PEAと1,4−BDとの活性水素基濃度に対するMDIのイソシアナート基濃度の比 (NCO/OH)はしO1、ハードセグメント含有量は25wt%とした。混合液をラボブラスト ミル(㈱東洋精機製作所製、型式4C−150、ミキサー容量100ml)に素早く移液後、 MDIと活性水素化合物との撹絆を開始してから2分30秒後にラボブラストミルの 混練を開始した。ブレードローターの回転数を100rpmとし、ミキシングチャンバー一 一23一 の設定温度を変えることによりTPUの重合温度を制御した。設定温度は140、170、 190および230℃とした。重合温度140、170および190℃では反応時間を30分 間とした。重合温度230℃では架橋や分岐の副反応の影響を少なくするために、 反応時間を10分間とした。所定時間重合した後、ラボブラストミルから素早く取り 出し、窒素雰:囲気病、100℃のオーブン中で24時間アニールした。その後、 23℃、相対湿度55%の恒温恒湿下、1週間熟成を行い、ペレット状に切断した。 以下、試料名は、OS−25−140のように、ワンショット(OS)法、ハードセグメント含有 量(25)、重合温度(140、170、190、230)の順に付けた。 2.2。3シートの調製 2.2.2で得られたペレットを窒素雰囲気下、80℃のオーブン中で12時間乾燥さ せた。次いで、厚さ5mmのステンレス製板、厚さ1mmのステンレス製板、厚さ 0.3mmのアルミ製スペーサーおよびテフロンシートを順に敷いたモールドに乾燥し たペレットをのせ、その上からテフロンシート、厚さ1mmのステンレス製板、厚さ 5mmのステンレス製板の順に置き、予め220℃に調整したプレス機に装入した。 220℃、6分間’ Aプレス機内でペレットをはさんだモールドを予備加熱した後、 220℃、7MPaにて4分間プレスした。その後、素早くモールドを取り出し、25℃、 3MPaにて5分間モールドを冷却した。モールドから厚み0。3mmのシートを取り出 した後、100℃のオーブン中で24時間アニールを行った。その後、23℃、相対湿 度55%の恒温恒湿下、1週間静置した後に測定に供した。 2。2.4TPUペレットのキャラクタリゼーション 2。2。4.1分子量 一24一 各試料の分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し た。罵ノV一ジメチルホルムアミド(DMF,和光純薬㈱液体クロマトグラフィー用)に 0。01mol/しの濃度でLiBr(Aldrich Chemical Company lnc.)を溶解したものを溶離 液として用いた。昭和電工㈱製GPCカラムKD−804、 KD−8025、 KD−802を直列 に装着し、東ソー㈱製HLG8220GPCを用いて、カラム温度40℃、溶離液の流 速0.6mL/min、 UV検出器(波長264nm)の条件で測定した。予め作成した標準ポ リスチレンの検量線から、数平均分子量(嘱)、重量平均分子量(属)を算出した。 2.2.4。2アロファナート基濃度2) アロファナート基濃度は、ジ切一ブチルアミン(BA)を用いるガスクロマトグラフィー (GC)による方法を基に定量した。150mしの0。2wt%のBA(和光純薬㈱)、および内 部標準物質として、0.2wt%のナフタリン(和光純薬㈱)を溶解したDMF溶液に、秤 量した約5gのTPUを溶解し、90℃、2時間反応させた。その後、30mしのDMF 溶液に300μしの無水酢酸(和光純薬㈱)を室温で加え、5分間、試験管を振り、 未反応のBAをアセチル化した。次いで、反応液中に残存している無水酢酸をア セチル化するために1。5mしのジプロピルアミン(和光純薬㈱)を添加し、5分間、試 験管を振った。室温で1時間静置後、GC分析の試料とした。同様な方法でTPU を用いないブランクを調製した。Chromosorb WAWDMCS 60/80 meshを担体とし た10%PEG20Mの充填剤(GLサイエンス㈱製)を詰めたバックドカラム(内径3mm、 長さ2m)を装着し、島津製作所㈱製、 GG14Aを用いて、ブランクおよび試料液 中のBAをアセチル化した化合物を定量し、その差異からアロファナート基濃度を 計算した。GC測定において、ヘリウムをキャリアーガス(流量40mL/min)とし、イン ジェクション温度200℃、カラム温度160℃の条件にて、水素炎イオン化検出器 一25一 (FID)を用いた。 2.2。4.3TPUのハードセグメントの分子量分布3) 蓋の付いた試験管に細かく切断した2gのTPUを入れ、0。01N−KORメタノー ル溶液を20ml加え、密封状態にした後、50℃の恒温槽中に約5日浸漬し、 TPU のソフトセグメントを構成しているPEAのエステル基を選択的に加水分解した。該 反応液を多量の蒸留水に装入した後、吸引ろ過を行うことによって、不溶分を採 取した。その不溶分を再度、蒸留水で洗浄、吸引ろ過を行う操作を数回繰り返し た後、白色の固体を得た。さらに、白色固体を60℃、1昼夜、減圧乾燥させ、ハー ドセグメントを得た。得られたハードセグメントについて、前記したGPCにより分子 量分布を評価した。さらに、赤外吸収(IR)および核磁気共鳴(NMR>スペクトル測 定により、ハードセグメントの構造を同定した。粉末の試料をKBr法により、 BIORAD製FT−IR(Excalibur FTS3000series)を用いて、分解能2cm−1、スキャン回 数を32の条件でIRスペクトルを得た。10mgの試料を0。7mlの重水素化ジメチル スルポキシド(d6−DMSO)に溶解し、その溶液をNMR測定用のチューブに入れた。 次いで、標準物質であるテトラメチルシラン(TMS)を数滴加え、測定試料とした。 日本電子㈱製1日一NMR(JNM−GX400)を用いて、 NMRスペクトルを得た。 2。2。4。4固体NMR ミクロ相分離構造を推定するために、日本電子㈱製固体NMR(JNM−MU25)を 用い、ソリッドエコー法によって、測定温度40∼200℃における1H核のFree Induction Decay(FID)シグナルを測定した。得られたFIDシグナルを、緩和時間 が短い成分にガウス型,緩和時間が中間の成分および最も長い成分にローレン 。26一 ツ型からなる磁化強度の式を適用し、最小二乗法による近似によって各成分に 分離した。その後、ハード、ソフトセグメント相およびその界面相中のスピンースピン 緩和時間と相対プロトン含有量を算出した4)。測定は、1H核25MHz、90。パルス 幅2.0μs、繰返時間は4sの条件である。また、ハードセグメントドメインの平均サ イズを評価するため、スピン拡散法にてそのスピン拡散時間を測定した。 Chemagnetics社製CMX−300を用いて、 GoldmarShen法5)に基づいたパルスシ ークエンス4)により、23℃にて、1H核300。5MHz、90。パルス幅4.0μs、帯域幅 10kHz、スキャン回数は16とした。 2。2。4,5 みかけのせん断粘度 TPUのみかけのせん断粘度のせん断速度依存性を、㈱東洋精機製作所製キ ャピログラフ(1D)を用いて評価した。長さ30 mm、直径1mmのシリンダーを用い、 195℃におけるみかけのせん断粘度を12∼2432s−1のせん断速度で測定した。 水分による影響を除去するため、溶融粘度の測定前に、TPUを80℃、7時間、減 圧下で乾燥した。 2.2。5 TPUシートのキャラクタリゼーション 2。2。5.1 熱白勺’性質 示差走査熱量計(DSC)により、TPUシートの熱的性質を評価した。測定にはセ イコー電子工業㈱製DSC(SSC5200/SSC5200H)を用い、40ml/minの窒素雰囲 気下、昇降温速度100C/minの条件にて25℃から一100℃まで降温させ、10分 間保持した後、270℃まで昇温した。 一27一 2。2。5。2固体粘弾性 動的粘弾性の温度依存性を、レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー 製動的粘弾性測定装置RSA皿を用いて、周波数1Hz、昇平速度5℃/minの条 件下、一100℃から250℃の範囲で測定した。 2。2。5.3引張試験: 引張物性の評価は、JIS 4号ダンベル試験片により、23℃、相対湿度55%の恒 温恒湿度下、標線画追跡装置を装着した㈱オリエンテック製テンシロン(MODEL U4410/U4400)を用いて行った。直線間距離20mm、引張速度300mm/minの条 件にて測定した。 23 結果および考察 2。3。1一次構造およびミクロ凝集構造に及ぼす重合温度の影響 Table 2−1に、ラボブラストミルでの塊状重合直後の分子量、および重合後 100℃、24時間アニール処理を行ったTPUの分子量、ならびにアロファナート基 濃度を示す。重合温度を140、170および190℃に上昇させることにより、重合直 後のTPUの砿は60,000、117,900および142,500まで増加した。さらに、重合 温度を2300Cまで上昇させると、反応時間が他の重合温度の場合と比較して短か ったにもかかわらず、嘱は101,100であった。重合直後に直ちに窒素雰囲気下、 100℃、24時間アニール処理を行った試料では、重合直後のそれと比較して、そ れぞれ20、6、13、33%砥が増加した。一方、TPUのアロファナート基濃度は重合 温度に大きく依存せずほぼ一定であり、仕込み量から計算したウレタン基濃度に 対するアロファネート基濃度は、約0.4∼0。9mol%の範囲であった。 一28一 T鍵鼠闘鱒慧凋A》⑬騨認鰯鱒騰《》睡。購囲繍慶w農酋鰯露櫨ヨ醗⑪阻⑭㊧麗囲綾rW謄1鰯㎞電繍1竃§量輔む騒髄⑪翻綾醜翻鵡關⑪瞳㎞翻醜鍵電総㊨⑪匿寵馨醜量⑪曹「『PU pdy醗e並z就io聡 餓mp皿oa mo且ecu豊厳we亘9猛㌔f TPUs 憩、o亘ec謡躍weig號C ofTPUs 鼠負er蔓》01yme㎡z三三簸 農:醜era∼灘e&H簸9 鼠盟oP懸綾簸就e δ c《)亘並⑫麗 t継e 細論 豆盆×10−3」死》×且0−3MWD e 玩×且0−3風×且0−3MWD e (膿瞳。旦/9) OS−25一旦40 30 且6.7 60.o 3.6 19.9 72.0 3。6 ⑪.⑪27 0S−25一量70 30 23.2 且丑7.9 5.1 24.5 123.撃 5.且 ⑪。⑪且5 0S−25−19⑪ 30 豆9。書 142.5 7.2 20.6 丑60.5 7。窓 ⑪.036 ()S−25−230 畳。 20.9 且Ol.1 4.書 29.7 旦34.0 4.5 ⑪.劔9 自 Pゆ 雪 認Sa懸耳)且e藍麗韮e d[e豊。重es出e聾。且y欝[e虚zま寵i◎醜欝[e瞳隻◎《丑(◎餓e−s蝕◎◎,蝕蹴d[seg懲e麗O《》醜e蝕琶1灘〔豊]P◎亘y懲[e壷z説io墾愈e鹸蔓}e鞭醜聡e. b’cMo且ec腿旦鑓wei幽of T燈Us認f破po亘y職eri認纏㎞認L縄b幽s蓬。癒盟鐡d認膿ea藍1簸g鍾且⑪0℃蝕24恥were藤e懸趣e曲y Gκ血0.0丑髄◎ML む し亘Br−DMF瀧麗cd磁簸愈e鵬夢eral無e《)f 4《) C題s血g耳》◎亘ys鯉re簸e s琶ε駐艦iε§鵡s最)r c誌盈ibr蹴量g簸. 通A盟。雄藩鍾ec◎醜e醜was d.e慮e難鹸ed, by GC a重q翠躁蹴就亘ve縫認畳ysis◎f面一む麗y亘繍睡沁e麟e賦e我。愈霧w亘重h T蟄U謡er認惣銀賄瓶g就旦0⑪℃fb蜜 2磯. eMWD亘s mo豊伽且鑓we亘幽曲緩iわ鵬融◎f TPU. 特に、重合温度230℃での砥の上昇は、残余のイソシアネート基の後反応に 基づくと考えられる。さらに、本重合条件で得られたTPUは、 DMFに溶解したこと からも、アロファネート結合による架橋がほとんど無い線状ポリウレタンであることが 確認された。 Figure 2−1に、種々の重合温度で合成したTPUより選択的に分取したバーード セグメントのGPC曲線を示す。 Figure 2−2に、 OS−25−230から分取したハードセ グメント化合物の1H−NMRスペクトルを示す。分取した化合物は、 FT−IRおよび 1H−NMRのスペクトルから、先に報告されている3)ようにMDIと1,4−BDとの繰り返 し構造からなり、両分子鎖末端には、ポリエステルポリオールのエステル結合のグ リコール残基であるエチレングリコールユニットを有する構造であると同定した。 OS−25−140のハードセグメントのピークは、ピークの裾が出現する保持時間が 短く、約29.1分にメインピークが約30.6分にサブピークが現れた。OS−25−170の それは、約30。3分にメインピークが、約31。4分と約32。4分にサブピークが現れた。 また、ピークの裾が出現する保持時間はOS−25−140に次いで早かった。一方、 OS−25−190、 OS−25−230のそれらは、約30。1分に一つのピークを有するのみであ った。これらの結果は、重合温度が低い140℃ではより長いハードセグメントを生 成するのに対し、重合温度190℃以上では分子量および分子量分布がほぼ同じ 傾向のハードセグメントを生成することを示している。重合温度の上昇に伴い、 MDIのイソシアネート基に対するPEAと1,4−BDとの水酸基に対する反応性の差 異が少なくなるため、重合温度190℃以上になるとハードセグメント鎖長はほぼ同 じ分布になったと考えられる。 一30一 冒 蕊 羅 ◎s困窺蕊胆露豊⑪ ◎s田量5囲咽軸。 盤 ◎s國露鰯姻噸7⑪ ◎s圓25珊響羅⑪ 手占 慧7 2駐 3噛 3簿 3鰯 Re驚e貯寵1◎踊髄騰e置朧1臨週 Fl騨鶴騰量一喰G釧眸rm鱒tめn ohr◎m翻◎g陰m$f◎由農rd鵠gm§n豊。◎mp◎n翻t obt副㈹d by s副㊧c電i蜘謝◎n◎ずP闘D脚Db dTPU窪・P脚 i 諱 Pdym翻羅驚ion t㊧mp㊧r綾芒ur薦. 一31一 最⑪盈£。一環饗門柳躍⑪一8課建_ 胃 曾) を 斧 万 (H) l 11 l l 軽 ノ L 〆 「 隙, ll (G) 壷 l 撫 (別此MS。 l l :i i 施 ⊥l/規_エ量_ 1 /i 》s i 1 よ __ニフ1_二八____ 謄’ @「一”P 、 醇曽 ■一『” ’τ 膚 , 1「一 一 一 一「「一一 蜘一騨’ず’一’ τ一 一 , 豊⑭ 壷 毬 6 尋 2 0 δ紳醐 晦鵬露一がH−NMR sp@c豊r綾◎禰rd s魯g鵬n置。◎mp◎n㊧nt◎b蜘㊤d fr◎m OS−25−230・ 一32一 Figure 2−3に、 TPUシートのDSCサーモグラムを示す。重合温度が140℃の場 合、ハードセグメントの融点は125.7,199。1および210。4℃に観測された。また、 すべての試料において、116∼127℃付近にハードセグメントの融点が観測された。 しかし、重合温度の上昇に伴い、高温側のハードセグメントの融点は低温側ヘシ フトし、重合温度230℃の場合、158.2℃まで低下した。一方、ソフトセグメントのガ ラス転移温度は、重合温度が140℃から230℃に上昇すると、一37。g℃から 一32.1℃へと5。8℃上昇した。さらに、47∼67℃および116∼127℃付近に観測され る各々の吸熱ピークは十分に解明されていない6)が、ハードセグメントが弱く凝集 しているドメインに、160℃付近の吸熱ピークはハードセグメントが比較的秩序性が 高いドメインの融解に、200℃付近以上の吸熱ピークは、強固に結晶化したハー ドセグメント相の融解に基づくと推定される。これらの結果より、TPUの相分離状 態は重合温度の上昇に伴い、ミクロ相混合の傾向を示すことが明らかとなった。 Figure 2−4に、固体NMRで測定した40℃におけるOS−25−140の磁化強度を 規格化したFIDシグナルおよび各成分に分離した結果を示す。各温度で測定し たFIDシグナルに対して、緩和時間が短い成分にガウス型、緩和時間が長い成 分にローレンツ型の二成分からなる磁化強度の式(1)7)を用い最小二乗法による 近似を試みたが、実験値との整合性が低かった。そこで、前記の中間領域にある 緩和時間の成分をローレンツで近似する項を加えた三成分からなる式(2)8)にて解 析を行った結果、実験値と良く一致した。 〆 ず Mω霊鵬)exp(窃)+M(ら脚( ム) 。33一 (1) 一32.噸 ◎s晒露繹図露謬㊧ 躍 お 一33.1 50.9 125,0 158.2 藷 ◎ 鷲 藍 囲 ◎$鵬豊羅四調騒⑰ −37β 50.燦 127.1 158.8 ◎s囲露鰯鵬唱ア@ 一37.9 47.1 116.2 189.2 198.3 ◎騒囮露騒繭噌毒⑪ 67.2 125.7 199、1 210.4 _100 0 100 200 300 Tempera加rerCl Fl騨緯豊一$DSC竃h豊rm◎gr鼠m$苧◎r P罷A−MD同,4−BD b麗㊧d TPUs prep農r㊧d説 V醗ri◎聡polym㊧ri顯ti◎n槍mp3r綾芒ur盤・ 一34一 〃i麿ノは緩和時間が短い成分の規格化した磁化強度の初期値であり、ル雍。ノ は緩和時間が長い成分のそれである。71fおよび7;、はそれぞれ対応する成分 のスピンースピン緩和時間である。 〆 診 診 脚)謡鵬)exp(皿 怐j+M(ろ)exp( 可)+礁)exp(τ) (2) M畠ノは緩和時間の中間にあたる成分の規格化した磁化強度の初期値であり ろ1はそれに対応する成分のスピンースピン緩和時間である。その結果、緩和時 間が約10∼30μs、約100∼600μs、および約600∼3500μsの三成分に分離 できることがわかった。緩和時間が短い成分は凝集し、運動性が低いハードセグ メント相に、緩和時間が中間の成分はソフトセグメント相とハードセグメント相の界 面領域の相と推定した。一方、緩和時間が最も長い成分は、ソフトセグメント相に 由来していると考えられる。このように分離した成分から各相の相対プロトン含有 量を算出した。Figure 2−5に、緩和時間が短い成分の相対プロトン含有量およ びそのスピンースピン緩和時間(7砂の温度依存性を示す。測定温度の上昇に伴 いその相対プロトン含有量は低下し、71fは増加した。これは、測定温度の上昇と 共にハードセグメント相の凝集が徐々に緩和し、セグメントが運動しやすくなった ためと考えられる。その相対プロトン含有量は60∼120℃の測定温度領域では 重合温度によらず、ほぼ同じであったが、120℃以上の測定温度領域において は、重合温度の上昇に伴い、減少した。OS−25−190およびOS−25−230ではハー ドセグメント相の融点である測定温度150℃付近から、その減少の程度が増し、 200℃ではハードセグメント相がほぼ消失した。 一35一 1、o ⑪s圃露昏咽尋⑪ ζ ◎ 鵜℃ 冨O.8 N 冨 ⑪ ◎ 薩xperlm繍t副 億 ⑳0.6 一一一 躍 b副cu陰ted 弁 ” ⑪0.4 Sbw dec議y c◎mp◎陥耐 。製 禰 羅 F綾就dec繊y oomp◎r濤n驚 ◎O。2 z h癬m磯di飢e de綾yc◎mp◎鵠耐 o.o 0 100 200 300 400 500 Tlme印s1 F噛腿騰 窺一羅 $ch豊m欝 o響FID d㊧c◎mposi電1◎n for P薩A−MD1−1,4−BD b麗㊧d TPU (OS−25−140). 一36一 一方、測定温度領域において、重合温度の上昇に伴い、7}fは僅かに増加したこ とから、ハードセグメント相の凝集が弱くなっていると考えられる。Figure 2−6に、 緩和時間が中間領域である成分の相対プロトン含有量(中間相の相対プロトン含 有量)およびそのスピンースピン緩和時間(71i)の温度依存性を示す。中間相の相 対プロトン含有量および7憂iは測定温度120℃まで観測され、中間相の相対プロト ン含有量は測定温度の上昇に伴い減少し、乃はTPUの重合温度の上昇に伴い 増加した。その程度は、OS−25−230では単調に減少するのに対して、その他の試 料では測定温度70∼80℃以上で緩やかになった。Figure 2−7に、緩和時間が最 も長い成分の相対プロトン含有量およびそのスピン玖ピン緩和時間(71,)の温度 依存性を示す。その相対プロトン含有量は、60∼120℃の測定温度領域では、重 合温度によらずほぼ同じ傾向であるが、120℃以上の測定温度領域では重合温 度の上昇と共に増加し、緩和時間が短い成分の相対プロトン含有量の測定温度 依存性と逆の傾向を示した。OS−25−190およびOS−25−230では、ハードセグメン ト相の融点である150℃付近の測定温度からその増加の程度を増し、200℃では ほぼすべてがソフト相として観察された。一方、乃,は7;fと同様に、すべての試料 において測定温度の上昇と共に増加する領向を示した。また、重合温度の上昇 に伴い乃、は減少したことから、ソフトセグメント相の運動性が拘束されていると考 えられる。これらの固体NMRの結果から、 OS−25−140ではろfが短く,ろ,が長い こと、およびハードセグメント相の相対プロトン存在量が高く、ソフトセグメント相の 相対プロトン存在量が低いことより、OS−25−140は他のTPUと比較してハードセグ メントの凝集が発達したミクロ相分離構造を形成していることがわかる。また、重合 温度の上昇に伴い乃が長くなったことより、ハードセグメントとソフトセグメントとの 相容性が増し、ハードセグメント相にソフトセグメントが取り込まれた界面領域が 一37一 ⑪。3◎ や ◎ ⑪25 ◇ 誉姦㈱ 日 ◇os・驚一鯛⑪ □⑪s一麗・咽7⑪ 馨萎 △ ⑪s圃豊鰯囲咽曾⑪ Oos・麗・盤⑪ ○ 麗㊤ ㊤⑪⑪。帽 □◇ △〔コ 糧隷 ⑳罵⑪』⑪ ム ◇◇◇◇ △口 ◇ △ 難 躍⑪。薦 ○ △ 盤.器 8 △□ □□ △ 。≧醐 ○ △ 鋸 3⑪ 臨 驚 、 2⑪ ○△ △6□ ○[コ 自 □ ◇ 。。§◇◇ 2$零㊤ 9□ 帽 嘱⑪ ⑪ 5⑪ 帽⑪⑪ 嗜5⑪ 鴛⑪⑪ 量5⑪ 7鯵齢匪》回米趨電聰ド馨ノ◎C Fl騨鵬緯:2一騒T総m羅)緋綾加r㊧d豊P㊧汽d㊧nc鯵◎響r釧副iv露pr◎t◎n c◎n驚繰n篤翻ndア2r◎響f翻st d㊧o農y oompon@蹴 in P騒A−MDト欄,4−BD b麗㊧d TPU豊 pr馨隅翻陀d 副 v翻rbu$ Pdym㊧r慮副i◎r筆驚mp㊧r副ur㊧撃・ 一38一 ⑪2騒 溜墾 ○ ◇ ◎s一日畿}咽尋⑪ 婬盆㈱ □ ◎s圏盤鰯圏咽7⑪ △ ○ ⑳蟹 響呈⑪』5 [コ 讐馨 ◇ △os・簾・惚⑪ ○ ◎s一盤5圃盤豊⑪ △ ○ 翻灘◎。惚 ○ 〔] ⑳。鰹 □ 茜琶 馨謹◎。鱒 艦盤 ◇ △ 囚Ω □ ◇ ◇ ◇ ア⑪o ○ 6⑪⑪ ○[コ ○△ ◇ 5⑪o ○△ 瞬 臥 、 △ 4⑪◎ □ □◇ □ ○ [コ 3◎⑪ ◇ △ ◇ ◇ ⑳⑪ 望⑪◎ ⑪ 5⑪ 畷⑪⑪ 唱5⑪ 盤⑪⑪ 露騒⑪ 騰騨粥舳剛。C Fl嚢糊騰 慧一鯵丁駐m眸r齪ur§ d響P㊧nd㊤n⑯ ◎f r釧翻豊iv愚 pr◎豊◎臨 O◎n㈱n竃蕊 舗d ア2i◎f int㊧rm奮di畿t@d奮。綾y comp◎騰n豊b釧w響繍f綾叙農nd slow d豊。綾y in P旺A−MDM,魂一BD b翻舘dTPU§pr㊧隙階d謙v畿ri◎聡P◎lym疇ri顯蓬i◎m㊧mp㊧r齪“r麓・ 一39一 噸。o ○△ 2合□ 含口 自盛⑪・9 △◇◇◇◇ 今自㊨ 選馨 纒盤 豊馨◎・8 自目・ 影 ◎鰯 △ 鼠器⑪・7 盤馨 △ ◇ os吻盤昼一咽趨⑪ ○ 9 0 事⑪。㊨ □ os闘盤苫田咽7⑪ △ os囲干鰯園田$⑪ ○ ◎s一豊鰯一豊$⑪ 3騎⑪ ◇ ◇○ ◇□只 $⑪⑪⑪ 盤◎◎ ◇ ○ □△ ◇ ◇ □Ω 豊露◎⑪⑪ 、 ぱ噛5◎◎ ◇ □6 ◇□目。 噸◎⑪⑪ 昼Q 象 5⑪⑪ ⑪ ⑪ 5⑪ 喉⑪◎ 儒⑪ 量⑪⑪ 驚⑪ 丁鶴mp総鞭甑碧睡ノ◎C 晦騰露一7T㊤m騨翻t鵬d㊧P馴d鶴鵬。野r釧融鵬pr。t◎nc◎n繍総綾ndア2・◎響$1◎w d㊧o農y oomp◎鷲耐 in P旺A−MD団,4−BD b翻鵠d TPUs pr㊧p翻r縷d 副 v貧rbus Pdym㊧龍翻芒i◎n豊㊨mp㊧r翻燈ur㊧s・ 一40一 増加していることが示唆される。各試料のハードセグメントドメインの平均サイズを 見積もるため、核種プロトンの固体NMRによるスピン緩和モードによって、スピン 拡散時間を測定した。ハードセグメントドメインが小さく分散し、境界領域が多い 試料は磁化の流れが速く、ハードセグメントとソフトセグメントあ磁化が均一になる 時間も短くなるため、その時間の長短でハードセグメントドメインの平均サイズの推 定が可能と考えられる。本研究におけるTPUのハードセグメントはMDIと1,4−BD の繰り返し構造から構成されており、そのモデルハードセグメントの融点は1940C9) あるいは208℃10)であることが報告されている。重合反応過程における最高樹脂 温度は、重合温度190℃では約197℃、重合温度230℃では約231℃であった。 すなわち、これらの重合温度の場合、重合過程における樹脂温度はハードセグメ ントの融点以上であった。OS−25−140およびOS−24−170では、スピン拡散時間が それぞれ24.Omsおよび23。4msとほぼ同じであったが、ハードセグメントの融点以 上で重合されたOS一一25−190およびOS−25−230は、スピン拡散時間がそれぞれ 17.6msおよび17.3msと非常に短くなった。これらの結果より、ハードセグメントドメ インの平均サイズはOS−25−140およびOS−25−170が大きく、OS−25−190および OS−25−230では小さくなっていることが明らかとなった。ハードセグメントの融点以 上での重合の場合、ハードセグメント間の凝集性が低下するため、ハードセグメン トとソフトセグメントとの相互作用が増し、ハードセグメントドメインのサイズが小さく なったと考えられる。 2。3.2力学物性への重合温度の影響 』Figure 2−8に、種々の重合温度で合成したTpuの貯蔵弾性率(Eうおよび損失 正接(tan 6)の温度依存性を示す。 Table 2−2に、25℃におけるE’およびtaMの 一41一 α緩和ピーク温度を示す。190℃以上の重合温度では、ゴム状平坦領域のβ’が 著しく低下した。また、OS−25−190およびOS−25−230の流動領域における8の 温度依存性は、OS−25−140およびOS−25−170と比較して大きかった。重合温度 の上昇に伴い、ソフトセグメントのtanがのα緩和ピーク幅は大きくなり、重合温度 が140℃から230℃に上昇するとピーク温度は、一27.8℃から一22.8℃へと5。0℃上 昇した。重合温度の上昇に伴いゴム状平坦領域のβ’が著しく低下したことから、 高温でTPUを重合することにより、その物理架橋点距離の増加、すなわち、ハー ドセグメントドメインの平均サイズが小さくなったことが考えられる。また、E’の流動 領域の温度依存性から、そのサイズ分布は比較的均一になっていると考えられ る。 Table 2−2に、種々の重合温度で合成したTPUの引張物性の結果を示す。 100%モジュラスは、重合温度の上昇と共に5。5から3.3MPaまで低下しており、 Fig亡re 2−8に示したゴム状平坦領域のβ’の結果とほぼ一致した。伸びが約200% の領域に至るまでは、重合温度の低いOS−25−140の応力は高いが、400%以上 の高い伸長領域になるとOS−25−170、 OS−25−190、 OS−25−230の応力および破 断強度はOS−25−140より高かった。その理由として、これらのTPUの平均分子量 はOS−25−140より高いため、破断に至るまでの伸長率が向上したことが考えられ る。さらに、OS−25−140では、ガラス状からゴム状への転移領域における8の温 度依存性が大きかった。そのため、ハードセグメントドメインのサイズに分布があり、 他のTPUと比較してソフトセグメントの鎖長分布が広くなっていたと考えられる。こ れらの理由により、OS−25述40ではソフトセグメント鎖の伸長配向結晶化が抑制さ れ、他のTPUと比較して、高伸長領域での応力および破断強度が低くなったと考 えられる。 一42一 胤◎ 樋 十〇s囲豊騒圏層4⑪ 吾os囲盤騒囲璽7⑪ 騒 士os囲豊鰯圃咽⑭⑪ ⑪趨 一◎一一◎s囲豊鰯隅農豊⑪ 鍵 践 幽 》 ⑪。銭 噂 藍 7 蕊 畠 ◎,尋 細 6 ⑪2 5 4 ◎。⑪ 圏留鰯⑪圏噸◎⑪ 幽5⑪ ⑪ 5⑪ 噌⑪⑪ 噛5⑪ 量⑪⑪ 黛5⑪ ゆ T㊧㈱era鰍e瞳q Fl鰯購騰露一鯵丁@mp鷺r農加r露d㊧P㊧nd㊧n㊧◎f dyn綾mic醜◎縢9㊧modul聡(薦’)翻nd I◎s魯 鰍◎噸nのf◎rP藍A−MD同,4−BD㈱@d TPU$脚P綾r㊤鰍v翻ri◎us層 odym㊧rl罵畠伽 セ鶴mp馨r綾turξ蓼s. 。43一 T諭1㊨麗Vl鵬囎1薦輔⑭P騨舗鵬㌔瀬T囎$ll㊧P貯⑪麟鵬㌔蕾TP鵬 pe繍k temper就ure s&卿且e (OC) 目 三 島 暉 E評。 M至oo M200 M3◎o M400“ Tse ELf (MP麗) (MPの (MPの (MP轟) (MP&) (MP菰) (%) of重蹴δ OS−25−140 一27.& 44.3 553 731 9。76 13.1 23.6 609 0S−25−170 一26.0 3&3 5.19 7.4豆 U5 豆7。O 27。7 621 0S−25−190 −21.9 17.4 443 6.52 11.1 17.4 31.⑪ 644 0S−25−230 −22.8 18.0 3.32 5.17 9。83 16.7 30。7 632 ロ 認V亘scoe盈翻。脚夢e麹s we罫e me麗騨ed就虚eq鵬簸cy of盈Hz w雛a零墨9甑e◎f 5 C/翻聡. ヤe簸si旦e pmpe麓量es we鵬me盆s髄ed畿23℃w漉雛e亘◎簸g厩i◎簸ve且od重y of 300醗醗/m鹸. CDy簸四四亘cs電。惣ge醗◎d翻亘耳s《Eダ)就25℃. 砿i曲e轍s姐es惣9曲説認s副直fκ%. eTe簸s亙且e s髄鐙9電遜. 墾副。簸9鏡量◎取回b鎌ea:k. 2。3。3溶融粘度への重合温度の影響 Figure 2−9に、アニール後のTPUを用いて195℃で測定したせん断速度とみ かけの溶融粘度の重合温度依存性を示す。せん断速度100s−1未満の低せん断 速度領域では、TPUの重合温度の上昇に伴い、みかけのせん断粘度のせん断 速度依存性が小さくなった。特に、OS−25−230ではハードセグメントドメインの大 部分が融解し、分子間相互作用が低下したため、ニュートン領域に近づいたと考 えられる。一方、せん断速度100s『1以上の領域では、みかけのせん断粘度のせ ん断速度依存性が大きくなり、非ニュートン性を示した。 Figure 2−10に、アニール後のTPU(?砥とみかけのせん断粘度の関係を示す。 608s−1以上の高いせん断速度領域では、 TPUの砥の増加と共にみかけのせん 断粘度は上昇した。つまり、益せん断速度領域でのみかけの溶融粘度は、測定 温度において溶融せずに残存しているハードセグメント相の存在に、せん断速度 が高い領域における溶融粘度は、TPUの砥に依存していることがわかった。 一45一 1伊 195℃ 一◇一◎s團豊5囲『1躍。 廿◎s鳳豊鰯繍噌7◎ 野 春。騒皿露5囲帽騒⑪ 縣 鯉』畷03 一〇一◎s晒羅5皿豊3⑪ 豊 娯 102 唖⑪o 1σ 1⑪2 節3 1⑪4 Ψ圖 F噛魑騰豊一騒R釧識iO践畠㎞ipS b戯W㊧{罰哉pp畿陀nセ$h驚農r Vi欝C◎謬i電y(ηapp.)翻nd釜h簿翻r r翻憶饒t 195 ℃f◎rP置A−MD団,4−BD b農$㊧d TPU欝 pr㊧p婁r豊d 饒亀v融◎us p◎lym劇認訓on t㊧mp奮r綾tur㊧s。 一46一 103 v(sつ ◇ 壌21,6 ◇ A、鱗3.2 ◇ 纏 亀 △ 豊 響 ◇ ぬ盒 ◇ △ 608.⑪ A ○至216。O ㊧243黛.0 △△ △ ○○ ○ ○ ㊧ ㊧ ㊧ ㊧ 102 5x101 102 3x102 層wx10冊3191mo明 F薗嚢購謬鯵 藷一唱⑪ R釧畠豊i◎n菖わip駐 b㊧旬veen 農PP翻r鍵n豊 $h㊧畿r v慮co釧豊y (ηaPP) 婁萱 $h㊧縫r r畿t罎 農b◎v繕壌21.6♂畿nd w㊧i帥捻v㊧鍛ge mol壼cul翻rw㊧i帥豊。夢TPU菖盆f笠㊧r翻m鱒ling議10⑪ 。Cf◎r24h. 一47一 2.4まとめ PEA、 MDI、および1,4−BDを原料として、重合温度140、170、190ならびに 230℃で、動的重合下でのワンショット法によりTPUを合成し、そのミクロ凝集構造、 および力学、溶融物性に与える重合温度の影響を検討した。その結果、ワンショ ット法により動的重合したTPUでは、その凝集構造、および物性に及ぼす重合温 度の影響が大きいことが明らかとなった。重合温度の上昇、特にそのハードセグメ ントの融点以上になると、ハードセグメントの凝集性が低下し、ハードおよびソフト セグメントとがミクロ相混合しやすくなるため、ソフトセグメント相とハードセグメント 相との界面領域が増し、ハードセグメントドメインの平均サイズが低下することがわ かった。そのことに起因して、ゴム状平坦領域の貯蔵弾性率、および引張物性に おける低伸長領域の弾性率の低下、ならびに低せん断速度領域におけるみかけ のせん断粘度が著しく低下することが明らかとなった。 一48一 参考文献 (1) Abouzahr, S。;Wilkes, G。 L。ノ:凶ρρノ.ん加η。50!。1984,29,2695. (2) Okamoto, H。;Yoshinaga, K。ノ:7h左θo牲ノ∼θ5。.乙∂ゑ,1988,47;105。 (3) Furukawa, M。;Komiya, M。;Yokoyama, T。ノ肋8θ翫ル危如αηoZ,0ゐθzη, 1996,240,205。 (4) Sekine, S。;Aoki, M。ノ::〈娩。 P∂∠zzη。,ノ加,1998,19αノ,11. (5) Goldman, M。;Shen, L。乃」贋。πθγ。1966,144,321。 (6) Yoon, P。 J。;Han, C。 D。漁orozηoノθo〃ノθ512000,33,2171. (7) Yang, G。;Chen, Q。;Wang, Y.;Yang, C.;Wu, X。ノ:〃bノθ。5加。ご.1994, 323,209。 (8) Clayden, N。 J.;Howick, C。 Po∠7zηθ!・1993,34(72ノ,2508。 (9) Saotome, K。;Komoto, H。 JhPo∠7:η7。50∫,,ノ4−11967,5,119。 (10) Chamberlin, Y。;Pascault, J. P.;Letoffe, M。;Claudy, P,ノ:Po∠辺η,50!。・4 1982,20,1445。 一49一 第3章プレポリマー法により重合したTPUの構造と物性への重合温度の影響 3.1緒言 第2章において、ポリ(エチレンアジペート)グリコール、4,4㌔ジフェニルメタンジ イソシアナートおよび1,4一ブタンジオールを用い、重合温度140∼230℃の範囲に てワンショット法により動的重合したTPUのミクロ凝集構造、および力学、溶融物 性に及ぼす重合温度の影響を報告した1)。一方、TPUの重合にはプレポリマー法 も広く用いられている。プレポリマー法は、イソシアナート基末端ポリウレタンプレポ リマーを予め合成し、このプレポリマーと鎖延長剤とを撹拝混合し、重合させて TPUを得る方法であり、ワンショット法と比較して、分子量分布が狭いハードセグメ ントを形成する2)と言われている。また、低分子量ジイソシアナートモノマーの一方 のイソシアナート基が他方のイソシアナート基より速い反応性を示す場合、プレポ リマー法はワンショット法と比較して、分布の狭いハードセグメントを形成することが 理論的に明らかにされている3)。 プレポリマー法はワンショット法と比較して、ハードセグメントの鎖長分布に及ぼ す重合温度の影響は少ないことが予想されるが、著者らの知る限りでは、プレポリ マー法による動的重合下での工業的な重合温度がTPUの構造および物性に及 ぼす影響について報告された例は皆無である。 本章では,第2章に続き、工業的な製造方法におけるTPUの重合温度とミクロ 凝集構造、物性との関係を明確にし、重合技術の基礎的知見を得ることを目的と した。動的重合下、プレポリマー法により重合したTPUのミクロ凝集構造、および 力学、溶i融物性に与える重合温度の影響について調べた。 。50一 3.2実験 3。2。1原料 ポリオールとして、第2章と同様、触媒を使用せずに重合した数平均分子量 ル4=2074のポリ(エチレンアジペート)グリコール(PEA)を用いた。また、ジイソシアナ ートとして、4,4’一ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)を、鎖延長剤として、 1,4−BDを用いた。1,4−BDは100℃、4時間、減圧下で乾燥窒素を吹き込むこと により脱水した後に使用した。 3.2.2TPUの重合およびシートの調製 ポリオールとジイソシアナートとの配合比K=[NCO]/[OH]を3,32とし、 PEAおよ びMDIを2L容積のセパラブルフラスコに秤量し、窒素雰囲気下、撹威しながら 76℃で反応させた。ジーかブチルアミンを用いたアミン当量法によりNCO%を追跡 しながら、120分間鉱脈を行い、イシシアナート基末端プレポリマーを合成した。そ の後、プレポリマーを60℃、1,4−BDを80℃に調整iした。次いで、 NCO INDEX ([プレポリマー中のイソシアナート基のモル数]/[1,4−BDの水酸基のモル 数])=1.01の条件で1,4−BDを添加し、気泡が混入しないように、窒素雰囲気下、 80℃で1分間撹拝混合した。ハードセグメント濃度は25wt%に統一∫した。混合液 をラボブラストミル(㈱東洋精機製作所製、型式4C−150、ミキサー容量100mL)に 素早く移評した後、撹搾開始から2分30秒後にラボブラストミルの混練を開始し た。ブレードローターの回転数を100rpmとし、ミキシングチャンバーの設定温度を 変えることにより、TPUの重合温度を制御した。設定温度は140、170、190および 230℃とした。重合温度140℃では反応時間を15分間、重合温度170、190およ び230℃では反応時間を10分間とした。170℃以上の重合温度では10分間以 一51一 上重合すると、アロファナート基濃度が急激に増加したため、前記した反応時間 とした。所定時間重合した後、ラボブラストミルから素早く取り出し、窒素雰囲気下、 100℃のオーブン中で24時間アニールした。その後、23℃、相対湿度55%の恒温 恒雨下、1週間熟成を行いペレット状に切断した。以下、試料名は、PP−25−140 のように、プレポリマー(PP)法’ハードセグメント含有量(25)、重合温度(140、170、 190、230)の順に付けた。また、ペレット状に切断したTPUを用いて、第2章で報 告した方法と同様な方法でシートを調製した。 3。2。3TPUペレットのキャラクタリゼーション 3.2。3.1 分子量 第2章記載の方法に従い、各試料の分子量(以および属)をGPCにより測定 した。 3.2。3。2 アロファナート基濃度 第2章記載の方法に従い、ジー炉ブチルアミンを用いるGCによる方法にて定 量した。 3.2.3.3 TPUのハードセグメントの分子量分布 第2章記載の方法に従い、0。01mol/しのKOHメタノール溶液を用い、TPUの ソフトセグメントを選択的に加水分解することによって、ハードセグメントを分取後、 GPCにより、その分子量分布を評価した。さらに、第2章と同様、 BIORAD製 FT−IR測定(Excalibur FTS3000series)および日本電子㈱製 玉H−NMR(JNM−GX400)測定によりハードセグメントの;構造を同定した。 一52一 3。2.3.4固体NMR ミクロ相分離構造を推定するために、第2章記載の方法に従い、日本電子㈱ 製固体NMR(JNM−MU25)を用い、ソリッドエコー法によって、測定温度40∼ 200℃における1H核のFree Induction Decay(FID)シグナルを測定した。得られ たFIDシグナルを、緩和時間が短い成分にガウス型、緩和時間が最も長い成分 にローレンツ型からなる磁化強度の式を適用し、最小二乗法による近似によって 各成分に分離した。その後、ハード、ソフトセグメント相のスピンースピン緩和時間と 相対プロトン含有量を算出した。また、ハードセグメントドメインの平均サイズを評 価するため、第2章記載の方法に従い、スピン拡散法にてそのスピン拡散時間を 測定した。その条件は、Chemagnetics社製CMX−300を用いて、 Goldman−Shen 法に基づいたパルスシークエンスである。 3.2.3。5みかけのせん断粘度 第2章記載の方法に従い、TPUのみかけのせん断粘度のせん断速度依存性を、 ㈱東洋精機製作所製キャピログラフ(1D)を用いて評価した。 3。2.4TPUシートのキ壷ラクタリゼーション 3.2.4.1 熱的性質 第2章記載の方法に従い、DSCによりTPUシートの熱的性質を評価した。 3.2。4。2固体粘弾性 第2章記載の方法に従い、動的粘弾性の温度依存性を、レオメトリックス・サイ 一53一 エンティフィック・エフ・イー製RSA皿を用いて、周波数1H:z、昇温速度5℃/minの 条件下、一100℃から250℃の範囲で測定した。 3。2。4.3 引張試験 第2章記載の方法に従い、JIS 4号ダンベル試験片を用いて測定した。 3.3 結果および考察 3.3。1一次構造およびミクロ凝集構造に及ぼす重合温度の影響 Table 3−1に、ラボブラストミルでの塊状重合直後、および重合後100℃、24時 間アニール処理を行った後のTPUの分子量、ならびにアロファナート基濃度を示 す。重合直後のTPUの砥は、重合温度140℃では105,600であったのに対し、 重合温度170、190および230℃では反応時間が短いにも関わらず、132,700、 130,300および167,600と高い値を示した。重合直後に直ちに100℃、24時間ア ニール処理を行った試料のM.は、重合直後のそれらと比較して、それぞれ71、 4臥31および17%増加した。特に、重合温度が低いTPUではアニール処理による 分子量の増加率が高かった。一方、TPUのアロファナート基濃度は重合温度に 大きく依存せず、仕込み攣から計算したウレタン基濃度に対するアロファナート基 濃度は、約0。4∼0、7mol%の範囲であった。さらに、本重合条件で得られたTPU は、DMFに溶解したことからも、アロファナート結合による架橋がほとんど無い線 状ポリウレタンであることが確認された。 Figure 3−1に、種々の重合温度で合成したTPUより選択的に分取したハード セグメントのGPC曲線を示す。 一54一 T鍵晦麗㊧講一『l A¶》㊧r綾⑭馨,朧《》固⑲c麗匪綾rw総琶鰯臨燈ヨ璽論竃》国鰹窮魍囲暴匿騨総葭鰯㎞電鵡誌§量晶㎞魍舗⑪購繍髄姻訟闘⑪睡睡麗慰醜繍電総㊨⑪睡電総繭電⑪曾TPU P(濃ym.eπiz説沁簸 s躍孤P且ea 欝且ec曲weigh重㌔fTPUs 惣。且e偲丑雛weigh宣C ofTPUs 窪盆er璽》o豊y勲e熊z窺豆。簸 諭e膿蹴銀且㎞.9 雛盟⑪曲蹴蹴 δ 舳e (翻㎞) c(瞳艇麗 砿×墨0葡3πw:×豆0畠3MWD e 砿×且0嘲3砥x量0−3MWD e (盤oWg) PP−25一皿4(l 畳5 17.6 且05。6 6.0 27.⑪ 豆書。.5 6.7 0.026 PP−25一且7(》 且0 25.6 且32。7 5.2 27.4 旦93.9 7.且 ⑪.028 PP−25一且90 10 255 丑30。3 5.量 26.魯 且7童.遭 6.4 ⑪.⑪且6 PP−25−23(》 且o 32.0 豆67.6 5.2 37。書 遇95.6 5.2 ⑪.⑪膿 舅 憐 験 匡 艮S雛蔓》且e簸謹e♂e簸otes重恥e po旦y蟄erizε纈。聡騰Le重無◎罷(pre蔓)◎且y醗er),躯纒.〔丑se菖豊簸e墾食。◎駿重e顛重a酸〔澱夢。豊y醗e麺z鏡亘◎簸輩e艶夢er我蟹e。 b’C lo旦ec聰且顕we亘菖醜◎f T欝Us麟er互}dy艶e壷z霞亘。賑鹸認L認b豆》璽認to醗亘豆且蹴d[懲e掘並g鏡100。C最)r 24蝕・were《丑e匙e灘藤e(遺by GPC血⑪.0且醗oML LiBr−DMF就総cd樋麟鐡p痴話・e◎f 40℃髄s{聾g po亘ys八三e s纐“霞“s fbr c我馳鋤i◎盤. 姐A盟◎p恥磁離ec《鵬琶e鵬w認“e愈e雛沁e姐もy GC就(丑聰農囎磁鏡量ve I灘認豊ys亘s◎f“査一b腿数且融㎞e w量臨GC謡eκreaG琶沁g w瀬置TPU纒醗e農璽e轟離10(》.C量蒐 24恥。 eMWD亘s脚亘ec腿且鐙weig號“i離b説亘。館of TPU. 胃 罷 畠 圃誘 騨P圏駿講圃慧$⑰ £ 躍 PP。豊馴蜘 脾P臨豊騒照欄7⑪ PP図盤:麟;囮懸守⑪ 音 量7 2曾 舗 33 35 瞬e覧e『魔:1⑪『臨輔『㎞㊧膿瞬論麗『噸 F噛翻騰 謬凋 G㊧lp讐rm餓ti◎n chr◎m齪◎gr議m$ ◎f hard 舘gmen萱comp◎騰nセs in 円議A−MDI−t4−BD b畿s醐TPUs pr㊨p畿r㊧d融t v畿riou$p◎lym㊧r慮訓◎n㈱mp酬副ur麗. 一56一 Figure 3−2に、 PP−25−230から分取した化合物の1H−NMRスペクトルを示す。 NMRおよびFT−IRスペクトルから、得られた化合物は、第2章で述べたワンショッ ト法で得られたTPUと同様に、 MDIと1,4−BDとの繰り返し構造からなり、両分子 末端には、ポリエステルポリオールのエステル結合のグリコール残基であるエチレ ングリコールユニットを有する構造であった。TPUの重合温度が高くなるに従い、 ハードセグメント化合物のピークの保持時間はわずかに短くなり、保持時間が約 31.6分のショルダーの強度がわずかに増加したが、顕著な違いは認められなかっ た。 Figure 3−3に、 TPUシートのDSCサーモグラムを示す。 TPUの重合温度によら ず、ソフトセグメントのガラス転移温度は約一33℃に、ハードセグメントの融点は約 123∼124℃と約160℃に観測された。ハードセグメントの低温側の融点は、ペレッ トを220℃にてプレス成形後、25℃に素早く冷却したことにより、十分に凝i集できな かったハードセグメントの融解に基づくと考えられる。一方、各試料のハードセグメ ント相の融解熱量は、PP−25−140、 PP25−170、 PP−25−190およびPP−25−230の 順にそれぞれ14.4、13.8、13.7および13.4mJ/mgであった。重合温度が170℃以 上になると、融解熱量が減少していることから、が一ドセグメント相の凝集性がわ ずかに低下したと考えられる。 Figure 3−4に、固体NMRで測定した40℃におけるPP−25−140の磁化強度を 規格化したFIDシグナルおよび各成分に分離した結果を示す。各温度で測定し たFIDシグナルに対して、緩和時間が短い成分にガウス型、緩和時間が長い成 分にローレンツ型の二成分からなる磁化強度の式を用い最小二乗法による近似 を試みた結果、実験値と良く一致した。 一57一 H⑪盈£。一環讐裁響躍⑪一溜潔霊_ 一齢環饗面明私細認_ 《恥 璽? }. ↓ 1 1耳) 滑 i 《G) ↓ 〔購 li ぼ 壷 1 i li ll蔭 (c》 ↓ il一 ! め の ↓ 繍 レー i i ._二___一___ゴUL__._____二Lよ二鼠ゴL腹ゴL_」こ二_塗__一一__⊥ …’唱 ニ”’㎜皿‘「舶}叩一 u一…一脚一㎜『榊一}「}一’}一『…酌’r『’ へほぼヒ ア } がア ル てロロ ヒや @ へほへ マヤ 豊⑳ 霧 囁 娼 卿 7 …’り’〒 S }E’一 …一 秩c響マ}一’噛「γ”㎝一一「“一一}” 7顧} 豊 騨 Fl鰯鵬鎗1H−NMR欝P㊧。豊r駿◎f愉d舘gm鎌。。mp◎n禽nt◎bt翻i酬fr◎m PP−25−23。・ 。58一 講3.⑪ PP囲豊5邸謹30 繧 。3鼠唱 お 謹 畠 奮露尋9騒 駒引⑪塑騒 PP晒露鰯勘噸駐⑪ 趨露.騒 唱露轟。瑠 唱騒§。銭 緬 PP脚壼5皿餐7⑪ 。鎗,騒 餐慧豊陰7 喰謬騒魯7 PP囮豊騒㎜噸尋⑪ 頸豊盤。§ 唱餐⑬。§ 四唱⑪⑪ o 唱⑪⑪ 露◎o $o⑪ 畷『@朧騨》e職聴秘匿◎C諏 F噛騨馨$一呂DSC th㊤rmogr綾m豊of円羅A−MDl−1,4−BD b鎚@d TPU$pr㊧閏r㊧d飢v翻ri◎“§ Pdymeri獺量i◎n箆mp㊧r瓢ur㊤s・ 一59一 胤⑪ PP一露:繹;圏欄魂⑪ 。皇 毒⑪⑫c 駕⑪。毬 ・翻 窪 ⑪。㊧ 罰 窪 S臣◎W《驚盤y ◎◎m静◎騰醜 罵⑪認 製 繹⑪2 F翻窃驚下肥◎鶴y お o◎鵬屡》⑪鵬馨鵬電 麗 ⑪。⑪ ⑪ 鷲⑪ ⑳⑪ $⑪⑪ 羅⑪⑪ 5⑪⑪ 脇『1朧㊧匿騨s瀾 Fl嚢糊緯$一躍FlD curv㊧◎響n◎rm農1櫨㊧d m翻gn酬澱ti◎n for円羅A−MDl−1,4−BD b畿舘d面『PU (PP−25一唾40)、 。60一 その結果、緩和時間が約20∼40μs、および約400∼3000μsの二成分に分 離できることがわかった。緩和時間が短い成分は凝集により運動性が低下したハ ードセグメント相に、緩和時間が長い成分は、ソフトセグメント相に由来していると 考えられる。このように分離した成分から各相の相対プロトン含有量を算出した。 Figure 3−5に、 TPUの緩和時間が遅い成分の相対プロトン含有量およびそのス ピンースピン緩和時間(71、)の温度依存性を示す。測定温度の上昇と共に、緩和時 間が遅い成分の相対プロトン含有量は増加した。測定温度160℃以上の領域で は、PP−25−140のその相対プロトン含有量が他の系と比較して若干少なかったが、 その他のTPUでは大きな差異は観測されなかった。一方、7},は測定温度の上昇 に伴い、単調な増加傾向を示し、TPUの重合宵泊によらずほぼ同じ傾向であっ た。 Figure 3−6に、緩和時間が短い成分の相対プロトン含有量およびそのスピンー スピン緩和時間(7妙の温度依存性を示す。測定温度の上昇に伴い、緩和時間が 短い成分の相対プロトン含有量は低下し、71fは増加した。各TPUのその相対プ ロトン含有量は、測定温度160℃未満において、顕著な相違を示さなかったが、 測定温度160℃以上においては、PP−25−140についてのみ、他のTPUと比較し てわずかに大きい値を示した。つまり、PP−25−140は、他のTPUと比較して、高温 までハードセグメント相が保持されていることが示唆された。一方、71fについては、 測定温度120℃以下において、重合温度による影響は観察されず、また、測定温 度依存性も低かった。しかしながら、測定温度160℃以上では、71fは、測定温度 の上昇に伴い増加した。また、測定温度が180℃以上になると、7}fはPP−25−140 が最も短く、次いでPP−25−170、 PP−25−190の順に長くなった。 一61一 咽。⑪ Q 難 琴♂ 惹曹鱒 □ ◇ ◇ 零謬 箋婁 暮 農蕩 婁鴛囎 ◇PP闘農5囲欄尋⑪ ○ □PP晒盤騒囲嘲7⑪ 誰 △PP圃盤5幽嘲騒⑪ OPP一盤5園盤窃⑪ 書⑪⑪⑪ ○ △ □ 離⑪⑪ § ◇ ⑳⑪⑪ 堺 睡錘 X⑪⑪ 口 倉 咽⑪⑪⑪ 會会 曾禽 5⑪⑪ ⑪ 含 騒⑪ 咽⑪⑪ 囎鰯⑪ 盤⑪⑪ 盤5⑪ T㊨脚㊧臓鰍輔⑪q Fl騨薄$一翻丁㊧mpe幟ur㊧d㊧pend響no欝◎ず豊れ鯵r釧論V㊧pr◎ton c◎n萱㊧職臆◎偽low d@C農y o◎mp◎n㊧nセ闘d 7『2、 f◎r P置A−MD同,4−BD b践舘d TPU豊 pr即饅r㊧d 副 v酬◎us P◎lym㊧riz副ion t㊧mp餅齪ure欝・ 一62一 ⑪。3 義 ◇PP四一5脇噌尋⑪ 〔]PP吻盤鰯翻欄7⑪ 惹曹囎 ◇ △PP圃盤5圃瑠勲⑪ OPP一量5囲豊3⑪ 罷 各 善釜 亀鐙 豊も加 聾 茜1 董 哉 ◇ 口 鰯⑪ 轟⑪ 〔] ◇ 堺 ,島3⑪ ㊧ 謹 △㊤8◇ 豊⑪ β写 鵠 ⑪ 騎 ◎89 咽⑪⑪ 帽⑪ ⑳⑪ 窺5⑪ T㊧齢鵬隔舳睡『C藷 Fl騨騰$一$丁書mp㊧r副輔r響d㊤P@nd響nc欝◎f電h豊r㊧隊i囎pr◎驚◎n c◎蹴@n総◎管翻$豊dec翻y oompon㊧n電繊nd ア2r f◎r P置A−MD団,鼻BD b融囎d TPUs pr印翻r㊤d 綾t Pdym㊧r櫨融ti◎n temp㊧r農tur麗. 。63一 V綾rlOUS さらに、測定温度200℃では、PP−25490およびPP−25−230の緩和時間が短い 成分(ハードセグメント相)が消失したため、ηfは測定できなかった。これからの結 果は、DSCにより評価したハードセグメント相の融解熱量の結果と同様、重合温 度の上昇に伴い、ハードセグメント相の凝集性がわずかに低下したためと考えら れる。 各試料のハードセグメントドメインの平均サイズを見積もるため、核種プロトンの 固体NMRによるスピン緩和モードによって、スピン拡散時間を測定した。本研究 におけるTPUのバーードセグメントは、第2章で述べたように、MDIと1,4−BDの繰り 返し構造から構成されており、そのモデルハードセグメントの融点は194℃あるい は208℃であることが報告されている。重合温度140、170、190および230℃の試 料について重合過程における最高樹脂温度は、それぞれ約162、約184、約199 および約232℃であった。重合温度190および230℃の場合、重合過程における 樹脂温度はハードセグメントの融点以上であり、重合温度170℃での最高樹脂温 度はハードセグメントの融点に近かった。各試料のスピン拡散時間はPP−25−140 では、18。2msであったが、 PP−25−170、 PP−25−190およびPP−25−230では、それ ぞれ、17.5、16.7および17.4msとほぼ同じ傾向であり、わずかに短くなった。ハー ドセグメントの融点近傍および融点以上の温度で重合を行うと、ハードセグメント 間の凝集性が低下するため、ハードセグメントとソフトセグメントとの相互作用が増 し、ハードセグメントドメインのサイズが小さくなったためと考えられる。 3.3.2力学物性への重合温度の影響 Figure 3−7に、種々の重合温度で合成したTPUの貯蔵弾性率(E’)および損失 正接(tanのの温度依存性を示す。 一64一 胤◎ {◎ 一く〉一一騨P囲鑑馨剛懇尋⑪ 一{}一PP脇二一画品7⑪ 9 ◎、霧 十PP囲駿翻囮噸9◎ 一(〉一PP日量騒囲豊鵬⑪ 織 臨 》 鍵 ◎。㊧ 7 盤 瞬 ⑪ 囲 ◎。轟 細 6 ⑪2 5 ⑪。◎ 轟 圃帽5◎ 脇噌⑪◎ 鰯鰯⑪ ◎ 5◎ 噌⑪⑪ 咽5⑪ 盤◎◎ 豊5◎ T㊧㈱㊧同断erCl F噛鵬騰欝一アT㊧mp響r瓠ur㊧d即闘d㊧nc露◎f dy憾mio st◎糧9響m◎d副囎(働農nd lo舘 愴晦g馨nt(伯nのf◎r P鑑A−MDI−1,4−BD b農鵠d TPUspr印農r勇d畿tv翻ri◎us polym豊ri顯豊i◎n 塘mp藷r翻臆r魯蕊。 。65一 Table 3−2に、25℃における8およびtanδのα緩和ピーク温度を示す。 PP−25−140は、他のTPUと比較して、ゴム状平坦領域におけるFがわずかに高 かったが、PP−25−170、 PP−25−190およびPP−25−230のβ’およびtanδでは顕著 な差異は観測されなかった。ソフトセグメントのtanづのα緩和ピーク幅はTPUの 重合温度によらず、ほぼ同じ傾向であり、tanδのピーク温度も約一21℃とほぼ同じ 温度であった。Table 3−2に、種々の重合温度で合成したTPUの引張物性の結 果を示す。100%弾性率(ル4。。)および引張強度は、重合温度が170℃以上になる とPP−25−140と比較してわずかに低下した。これは、前節で述べたように、重合温 度の上昇に伴い、ハードセグメントドメインの平均サイズおよびその凝集性が低下 したためと考えられる。 3.3.3溶融粘度への重合温度の影響 Figure 3−8に、アニール後のTPUについて195℃で測定したせん断速度とみ かけの溶融粘度の重合温度依存性を示す。すべての試料において、ニュートン 領域が明確に観測されなかったが、TPUの重合温度の上昇と共に、当せん断速 度領域におけるみかけのせん断粘度の速度依存性は低下した。これは、重合温 度の上昇に伴い、ハードセグメント相の凝集性がわずかに低下し、融解しやすく なったためと考えられる。せん断速度の上昇につれて、みかけのせん断粘度の差 異は小さくなったが、測定範囲において、PP−25−140のみかけのせん断粘度が最 も高く、次いでPP−25−170、 PP−25−190およびPP−25−230の順に低下した。 Table 3−1に示したようにTPUの砥がほぼ同じであったことを考慮すると、このみかけの せん断粘度の大小関係は、重合温度の上昇に伴い、ハードセグメント相の凝集 性が低下したことに起因すると考えられる。 一66一 T諭睡麗Vl$鵬1薦踊。 Pr◎麟鵬魂襯翻T舗曲Pr⑪騨鵬㌔瀞鵬 s&mp豊e pe我k tempe罫我舳.re of EタC M璽oo M200 M300 M40♂ Tse ELf 撚δ(.C) (MP鋤(MPの (MPの. (MP&) (MP農) (MP鋤 (%) PP−25−140 一20.9 23.8 4.聡 6.44 12。0 22.1 42.5 722 PP−25−170 一20.9 聡.4 4.23 630 11.6 215 4且。3 6呂2 PP−25−190 一21.0 19.丑 4.24 6.27 115 2⑪。豆 415 7且8 PP−25−230 一2LO 1&4 4.21 6.22 1L呂 20.O 4⑪。且 695 ロ ひ 鵡 鼠 ロ 隷V亘sc◎e員麟cp㈱e寵重eswe跡膿e薦鞭ed説罐eq購cy◎f l Hzw雌ahe漁9㈱of 5 C/m亘麹. bT鐙s重置e騨op磁亙es、we影。醗。麗s纈ed銃23℃w醜蹴e亘◎璽g就亘。蝕ve且。磁y of 300 mm/三星. CDy聡a鵬量。 s重◎鍛ge mod翻題s(Eゲ)就25℃. 廼砥紬・継i璽e欝d麗臆・厩as重魎・fx%. eT錐si且e就影鐙9血. 槍且・騨量◎鍛b燃.. 5 +PP一盤:鰯一畷尋⑪ +PP一農誉一咽7⑪ な 齢 廿PP團釜鰯圃『1曾⑪ 鰯 臨。 轟 一〈〉一PP一農5一慧講⑪ 、 欝 ε 習3 羅 豊 ⑪ 咽 黛 3 尋 1⑪釧》ノs剛鰯1 置1幽鯛匿馨謬晒鯵R㊧1畿ti◎穐ship蕊b㊧セvv奮㊤n畿PP融r㊧蹴t欝}1㊤畿r v協。◎$ity綾nd欝h㊧翻r r霞匙㊧農t 195。C f◎rP陰A−MD口,4−BD b農舘dTPUs pr印融r㊧d農tv観ri◎囎p◎lym$終編鷺i◎n t㊧mp㊧r農加r響$. 一68一 3.4まとめ PEA, MDIおよび1,4−BDを原料として、重合温度140、170、190ならびに 230℃で、動的重合下でのプレポリマー法によりTPUを合成し、そのミクロ凝集構 造、および力学、溶融物性に与える重合温度の影響を検討した。その結果、プレ ポリマー法により動的重合したTPUでは、ハードセグメントの分子量分布、ソフトセ グメントのガラス転移温度、およびハードセグメント相の融点に与える重合温度の 影響はほとんど見られなかった。固体NMR測定より、重合温度140℃では、他の TPUと比較して、高温までハードセグメント相が保持されていることが明らかとなっ た。また、重合温度が140℃のTPUと比較して、重合温度が170℃以上ではハー ドセグメントドメインの平均サイズが若干低下した。これらの構造に起因して、重合 温度が170℃以上になると、重合温度140℃のTPUと比較してゴム状平坦領域の 貯蔵弾性率がわずかに低下した。一方、溶融物性では、重合温度の上昇に伴い、 低せん断速度領域において、ニュートン領域に近づく傾向であった。また、高せ ん断速度領域において、ハードセグメント相の凝集性の低下に伴い、みかけのせ ん断粘度が低下することが明らかとなった。 参考文献 (1) Ya!hasaki, S.;Nishiguchi, D.;Kojio, K。;Furukawa, M。 A々1ρρoηOo∬zθ ノ(レア。ノヒ∂1汐、ゐノ;2005, 718」260。 (2) Ahn, T。0.;Choi, S。 H;Jeong, H。 M。;Cho, K.1日目加η・加ごθ/η∂ご・1993, 31,329。 (3) Peebles, L。 H。蛎α・oノη01θoび!θ51976,9,58。 。69一 第4章ワンショット法およびプレポリマー法により重合したTPUの構造と物性の 比較 4。1緒言 第2章ではワンショット法により、第3章ではプレポリマー法により重合したTPU の構造と物性の関係について、報告した。ワンショット法、プレポリマー法ともに・ TPUのミクロ凝集構造および力学、溶融物性に及ぼす重合温度の影響が確認さ れた。本章では、ワンショット法、プレポリマー法で得られたTPUの一次およびミク ロ凝集構造、ならびに力学、溶融物性の比較を詳細に行うことにより、それらに与 える重合温度の影響について、考察した。 4。2実験 固体NMR測定をTPUのプレスシートで行った以外は、第2章・第3章で報告 した結果を用いた。尚、固体NMRの測定は、第2章記載の方法に従った・ 4.3結果および考察 4。3。1TPUの重合過程におけるトルクの推移 重合後のワンショット法TPU(OS−TPU)の外観は、重合温度140から230℃への 上昇とともに白濁から透明状態となった。一方、プレポリマー法TPU(PP−TPU)で は、PP−25−170、一190および一230の外観は透明であったが・PP−25−140のそれ は、わずかに濁っていた。Table 4−1に、ラボブラストミルでの動的重合直後、お よび重合後100℃、24時間アニール処理を行った後のOS一およびPP−TPUの分 子量を示す。 一70一 Figure 4−1に、動的重合過程におけるOS−25−140とPP−25440(a)、 OS−25−170とPF25−170(b)、 OS−25d90とPP−25−190(c)、およびOS−25−230と PP−25−230(d)のトルクの推移を示す。トルクは、測定値をラボブラストミルに投入し たPEA、 MDIおよび1,4−BDの総重量で除して規格化した。重合温度140℃にお いて、OS−TPUと戸P−TPUに大きな差が観察された。反応時間200秒までは、 OS−25−140のトルクがPP−25−140より高かったが、それ以降では、 PP一一25−140の トルクは急激に増加した。最終的に、反応終了時のPP−25−140のトルクは、 OS−25−140のそれに対して、約し6倍高かった。 OS−25−170とPP−25−170のト ルクの挙動は、重合温度1400Cでの挙動と似ていたが、反応終了時のトルクの差 は、重合温度140℃での結果より小さかった。重合温度が1go℃以上になると、反 応終了時のOS一およびPP−TPUのトルクの差は非常に小さくなり、重合温度 230℃では、OS一およびPP−TPUともにほぼ同じトルクの挙動を示した。また、反応 初期のPP−TPUのトルクは、その重合温度の上昇とともに急激に増加した。この 結果は、重合温度の上昇に従い、イソシアナート基末端プレポリマーのイソシアナ ート基と1,4−BDの水酸基との反応性が増し、 TPUの分子量が上昇したことに基 づくと考えられる。一方、反応初期におけるOS−TPUのトルクには、その重合温度 の影響が少なかった。ワンショット法では、重合温度が影響されにくい低分子量の MDIと1,4−BDとの反応が優先したため、TPUの分子量に大きな影響を及ぼさな かったと考えられる。重合温度230℃での反応終了時のトルクは、重合温度 190℃以下のそれと比較して、大きく低下していた。重合温度230℃のTPUの嘱 がその温度以下の砥とほぼ同じであることを考慮すると、著しいトルクの低下は、 重合過程で形成されたハードセグメントが凝集できないため、TPUのせん断粘度 が大きく低下したことに起因している。 一71一 丁諭睡尋一唱Av餅翻g鷺m◎1㊧o副農rw翻gh脇翻d m◎1@o“憾rwei帥豊d総豊rib傭◎聡a◎f TPU s徽μ㊤a mdec曲轍幽b・fT圃 mdec鷺旦継weightC ofTPU &食㊧rpolymer直z鏡io強 窺f嚢e罫㎜e我h:腹9 π。×1σ3πw×10醤3 OS−25一且40 16。7 騒 π。×1σ3拡w×1・6% 60。0 3.6 19.9 72。0 3.6 24.5 5.1 20.6 123.9 160.5 7.8 4.5 6.7 0S−25−170 0S−25−190 0S−25−230 23.2 117.9 5。1 19.8 且42.5 7.2 20.9 且01.1 4,8 29.7 豆34.0 PP−25−140 17.6 105.6 6.0 27.0 180.5 星》P−25−170 25,6 25.5 32.0 132。7 130.3 5.2 193.9 7.1 亘71、1 6.4 167。6 5。2 27.4 26.8 37.8 195。6 5.2 PP−25−190 PP−25−230 5.1 aSample na㎜e de蝕otes the polymerセa意ion method, hard segment conte耐and polymeriza意ion 重empera加re. b’GMolecular weight ofT曲s polym磁zed in a:Lab plastom丑1ξmd a㎜ealed 100。C丑)r 24h were む dete曲ed by硬C㎞0.Olmo肌盈ゆ憾a意acoi醐e即e礁e o餌O C us血g polys敏rene standards fbr calibration. 。72一 300 300 腎 腎 oos四25伽1轟。 霧25。 論 豊20。 豊 鳶15。 轡 》 夏2。。 鯵 曼150 羅 魯〆〆 命! 占 鯵 之 』㎡100 ⑳ 瓢 乙100 磐 爾 蟹 50 ← 0 ぜ 署50 ◎ ◎ 400 800 12◎0 1600 2000 2400 ト 0 0 400 800 1200 1600 2000 2400 R㊧翻。セi◎ntim㊧同 R@鍵。萱i◎r琶豊im総囹 (農) (b) 300 300 冨 管 ロ OS−2ξ5−190 藻250 一 港150 鳶15。 罪 豊 之 囲100 鍵 翻 ・一・100 口 ① 欝 灘8 窪50 ◎ o 禽 PP−25−23⑪ 訟 ◎ 儀200 皇 豊2。。 要 △ OS−25−230 躍25◎ 翻 PP−25隅190 壽 ト o ◇ OS−25一壌70 會 PP−25−170 婁25。 麟 PP−25−140 響50 ◎ 400 800 壌200 1600 2000 2400 ← 0 o 400 800 1200 1600 2000 2400 R餓C電bn豊im㊧同 R繍。電i◎mim@固 (d) (c) Fl騨騰轟一噛V翻ri繊豊i◎ns◎f t◎rq鵬wi竃h r㊧綾。豊i◎n tim鍵durin黛bulk polym難ri罵翻芒io践for 0$一25−140 綾nd PP−25440 (畠), OS−25一壌70 翻nd PP−25−170 (b), OS−25一庵90 農nd PP−25−190(c)畿nd OS−25−230翻資d PP−25−230(d)。 一73一 4.3.2ハードセグメントの分子量分布 Figure 4−2に、 GPCにより測定した各重合温度で得られたOS一およびPP−TPU のハードセグメントの分子量分布を示す。OS−25−140のハードセグメントのピーク が消失する時間は、他のTPUとほぼ同じであったが、ピークの裾が観察される時 間およびメインピークの保持時間は、他のTPUのそれよりも短かった。この結果か ら、OS−25−140のハードセグメントの分子量およびその分布は、他のTPUのそれ よりも大きく、ブロードであると考えられる。OS−25470におけるハードセグメントの メインピークの保持時間は、OS−25−140を除く他のTPUのそれとほぼ同じであっ .たが、そのピークの裾は、OS−25−140と同様、他のTPUよりも早く観察されており、 PP−25−170のピーク形状とは異なっていた。重合温度190℃以上になると、重合 方法によらず、OS一およびPP−TPUでのハードセグメントの分子量分布、およびそ のメインおよびサブピークの保持時間はほぼ同じであった。これらの結果から、重 合温度の上昇に伴い、ワンショット法におけるMDIのイソシアナート基と1,4−BDの 水酸基との反応性が、プレポリマー中のイソシアナート基と1,4−BDの水酸基との 反応性≧ほぼ同じになったことが示唆される。 4.3.3 熱白勺・性質 Figure 4−3に、各重合温度で得られたOS一およびPP−TPUのDSCサーモグラ ムを示す。すべてのTPUにおいて、ソフトセグメントのガラス転移温度(乙)は約 一35℃付近に、ハードセグメントドメインの融点(瑞)は120∼210℃にかけて観察さ れた。OS−25−140および一170の穐は、 OS−25−190および一230のそれよりも低く、 OS−25−140および一170のるは、 OS−25−190および一230のそれよりも高かった。 一方、PP−TPUの晃およびるは、重合温度によらず、ほぼ同じ値であった・ 一74一 PP電量5睡量3⑪ ◎s囲豊5圃盤3⑪ 5 PP囲盤5臨画曾⑪ ビ 》 溜 ◎s圃露5圃囎勲⑪ ① PP圃量5囲咽7⑪ お 鰯⑫ 餐 os囲量鰯圏咽7⑪ PP棚商s圏咽尋⑪ ◎s國中門圃咽尋⑪ 25 27 29 31 33 35 R銚㊧噛◎哺me帥司 Fl翻購緯羅一農G㊧1眸rm囎ti◎n ohrom農t◎gr農ms◎f h綾rd舘gme醒。◎mp◎n禽n捻◎貴h奮0$一 綾nd漁e PP−TPU$, 。75一 一33.o PP醗露5圏慧3◎ 一32.1 羅 お 50,9 PP囲盤5㈱編9⑪ 125,0 158. 一3:3.1 覇 ◎ ” 藍 幽 os伽鴛5圏露3◎ 124.5 160.6 −33.1 124.4 159.6 os囮麗5圃略軸⑪ −32.9 5◎.1 PP圃駿5圖帽7⑪ 127.1 158.8 一37.6 ◎s蹴25囲彊70 123.7 159.7 一32、9 47.1 116.2 PP囲露5囮帽4⑪ P98『 189・2 一37.9 122.9 16α5 ◎S一丁二一哨4⑪ 67.2 125.7 199.1210.4 。欄 。5⑪ 0 50 100 150 20◎ 250 Tempera舳re l◎q 瞬繍C鵬r三軸m菖ず◎r鵬。S。翻ndth㊧PP。TPu$. 。76一 300 すべてのTPUにおいて、その塩は、約125℃付近に観察された。また、 OS−TPU のみ、約60℃付近にるが観察された。これらのハードセグメントドメインのモルホ ロジーについては十分に解明されていない1)が、約60∼125℃に観察された OS−TPUの吸熱ピークは、ハードセグメントが弱く凝i嘱したドメインに、約160℃付 近に観察された吸熱ピークは、秩序性が低いドメインに、約200℃付近に観察さ れたそれは、秩序性が高いドメインの融解に基づくと考えられる。一方、TPUの熱 的性質においで、重合温度140および170℃では、TPUの重合方法により大きな 差が見られた。しかし、重合温度190および230℃では、OS−TPUで観察された 約50℃の吸熱ピークを除き、筏および殊は重合方法によらず、ほぼ同じ値であっ た。これらの結果から、ワンショット法では、TPUのミクロ凝集構造はその重合温度 に大きく依存し、重合温度の上昇とともに、ミクロ相分離性が低下するが、プレポリ マー法では、そのミクロ凝集構造の重合温度依存性はほとんど見られないこと、 および重合温度が190℃以上になると、その重合方法に依存せず、ミクロ凝集構 造はほぼ同じ傾向を示すことがわかった。 4。3:4固体NMR Figure 4−4に、固体NMRにより40℃で測定したOS−25−140(a)および PP−25−140(b)のシートにおけるFIDシグナルならびに第2章で述べた式(2)で分 離した各成分の計算結果を示す。シート形状だと、ペレット形状での結果と異なり、 OS一およびPP−TPUの実測値はともに、三成分からなる式の近似と良く一致した。 他の温度でのFIDシグナルも三成分からなる式で近似できた。式(2)を用いた計 算から、OS一およびPP−TPUの緩和時間は、それぞれ、∼30μs、∼550μsおよ び∼4000μsの三成分に分離された。 一77一 哩。o o$一徳鰯一品4⑪ ◎ 醤 鰯 4⑪⑫c o.8 鵠 ⑳ 鶴 嚇 O Expe『lme耐翻 0.6 一一 Calcu輪驚ed 鰯 躍 魑 0.4 s’◎wdeoay o◎mρ◎ηeηf ⑪ 罐 窪 拍$fde(》ayc◎mρoηeηオ 0.2 1η拾rmed伯fθdeoay oomρ◎ηeηf お 0、0 o 100 200 300 400 500 囲『1鵬㊧匿騨s翻 (a) 1.0 ◎ PP圏盤鰯隅欄魂⑪ 鵠 0.8 瑠⑪⑪c 鍔 ① 鰐 駒 O Experlme輔翻 0.6 一 C翻。逡』la豊ed 餐 瑠 0.4 s/ow deo∂y oomρ◎ηθηf ⑳ 慧 智 躍 ㌍$fdeoay oomρoηeηf 02 ’η♂ermθ(ガafe decay C◎mρ◎ηeη’ お 罵 0.0 0 歪oo 200 300 400 500 囲『1鵬㊧眩夢輔 (b) F鞠翻騰羅一尋FlD sign畿臨◎f n◎rm豊闘欝d m農gn劇顯電ion農nd o副oul謙㊧d v副u麗ob豊融in㊧d 響rom閃u訓◎n oonsis篶d◎f thr舘d響。畿y c◎mp◎n㊧n捻響or OS−25一唾40畿nd PP−25−140, 鵬薦鵬d翻豊4⑪。C(鋤農nd(b)、 。78一 35 o.3 〈〉() OS−25−140 ぶ 量蓬a25 気 魯㊧ PP−25−140 審豊。.2 婁奪 鯵o £Q・o.15 o轡 2i詮 駄Q 聖書。.1 魑轡霧 鷲駕 o o o 帥 鱒 o 謹凛。.◎5 o 一く》◇O$回25吻170 一㊧‘争PP_25四17⑪ ぶ ◎陶◎.25 3。瀧 燈◎ o.2 30 ◇ ◎織 ◇ $ 7 Q駐 調」 魔◎ 25』=ご. £ Q ◎.15 ◇ ぼgi詮 鉱Q 聖{睾。・1 蓉 磯目 婦 20 鰭駕 謹慶…5 0 15 0 51) 壌◎0 150 200 250 15 0 50 100 150 200 250 T㊧rnp㊧ra宝ur¢£OC1 (b) (譲) 35 35 0.3 O.3 {=トロ O$一25−190 お舳 藩蓮。ゐ 轡翻 魔0 8景。・2 口 騒 §8 PP−25一循90 口 鍵i詮。・15 Q。Q 鐵α1 圏贈國 鰐 春△ OS−25−230 琶魎 壷塵、 PP_25_230 鋤莚1α25 △ 8景◎・2 ォ豊i蛍α15 2。 重量 信 O.05 駕 O.05 15 ム 会禽 一 (c) 20 o o 15 50 100 150 200 250 Fl騒賭騰羅一講丁㊧mp驚r瓠ur㊧d印釜nd欝nc㊧of th§r釧翻tive pr◎t◎n con覧㊧n豊◎fねst d㊤o融y o◎mp◎騰nセ農nd 7皿 Qrfor OS−25−140畿nd PP−25−140(畠), OS−25470畿n醐PP−25470(b), OS−25一壌90繊nd PP−25−190(c)綾nd OS−25−230畠n(爵PP−25−230(d)。 。79一 25謹 会 T㊤mp㊧r畿ture[Oq (d) Temper饒ture[。C] ω ユ 剛 盒 婁豊。.1 50 100 150 2 0 250 30 盆 軍簑8 25 器逓 o 竃 25謹 20 コへ Temp㊧rature【Oq 0 35 o.3 Figure 4−5に、 OS−25−140とPP−25−140(a)、OS−25−170とPP−25−170(b)、 OS−25490とPP−25−190(c)、およびOS−25−230とPP−25−230(d)の緩和時間が 短い成分の相対プロトン含有量およびそのスピンースピン緩和時間(7砂の温度依 存性を示す。第2章、第3章で述べたように、緩和時間が短い成分は、凝集して、 その運動性が低いハードセグメント相に基づくと考えられる。すべてのTPUにおい て、測定温度の上昇とともに、緩和時間が短い成分の相対プロトン含有量は減少 し、その7}fは上昇した。これらの結果から、結晶構造を形成していたハードセグメ ントのパッキングが徐々に緩和し、ハードセグメントが運動しやすくなったと考えら れる。測定温度160℃以上では、他のTPUと比較して、 OS−25−140の緩和時間 が短い成分の相対プロトン含有量は多く、その7},は短かった。この結果は、 OS−25−140では他のTPUよりもハードセグメントの凝集が発達していることを示唆 している。一方、測定温度140℃以下では、PP−TPUの緩和時間が短い成分の相 対プロトン含有量はほぼ同じであったが、測定温度1600C以上では・PP−25−140 の相対プロトン含有量は、PP−25−170、一190および一230のそれらよりもわずかに 多かった。OS−25−140および一170の相対プロトン含有量は、 PP−25−140および 一170のそれよりも多い(Figure 4−5(a)および(b))が、 OS−25−190および一230の相 対プロトン含有量は、DSC測定で得られた結果と同様、 PP−25−190および一230の それとほぼ同じ傾向を示した(Figure 4−5(c)および(d))。 Figure 4−6に、 OS−25−140とPP−25−140(a)、OS−25−170とPP−25−170(b)、OS−25−190と PP−25−190(c)、およびOS−25−230とPP−25−230(d)の緩和時間が中間の成分の 相対プロトン含有量およびそのスピンースピン緩和時間(71i)の温度依存性を示す。 第2章、第3章で述べたように、緩和時間が中間の成分は、その緩和時間のオー ダーから、ハードセグメントによって弱く拘束されたソフトセグメントからなるハードと 一80一 600 。軸O・3 ㌦審 ◎ £器。、25 500 麟。 鯵。 竃こ島 婁駐 ㈱Q一→ o o $80・2 論 £お。,15 400 7 凱 3◎0『二 轡 イ}OOS。25。鱒O o 毎㊥叩一25一壌40 鎚 ぼ 200 .鍵。・1 ◇ ◎Q 麟 イ》◇o$.25.170 £器。・15 & 争禽PP。25。170 磯 ◇ 會◇→ .◇ ◇ 境。⑪.2 論 題 500 400 冨 300 ヲ 200 聖達。・1 鞠範◎ 諜α・5 100 葦。 0 50 100 150 200 凝還α・5 0 250 ㈲ 0 翻 翻肖□ 圏ロ1=1 隠織 $§ 竃80.2 詫 齢 論 £毬。.15 口 9療 醤圏PP。25−190 養亀 聖.鰹⑪.1 、 篭も 諜α・5 500 o 100 150 200 250 Tempe『融加r⑱[OC1 600 o,3 も ㌦審 盒 £器。.25 △ 電Q。 400 ・{=}□ ○$一25−190 0 5Q (b) 600 ㌦竃 £器。.25 100 ミ Temper議tur@[Oq 魎。・3 600 ◎.3 魎 ㌦⑳ ◎隠。.25 魎◎ 鰹鉱 £駐 500 画 △ $駐 △ △ §80.2 論 騎 300晶 贈 £80.15 200 重 .鰹。.1 倉 &錘 → 400 「△一△ Q$一25−230 竃 壷虐癒 PP_25_230 300俘 200 も 嚇① 100 謹§・.・5 100 軸 葦。 .ミ 0 o 0 50 100 150 200 250 Temperat“re[OC1 (c) 0 0 50 100 150 200 250 Temperatur@[Oq (d) Fl騨謬麟一㊨T㊧mp㊧r農tur馨d叩㊧nd嚢n⑯◎賛艶r釧舗v㊤pr◎t◎n c◎一蹴◎f i鵬r鵬di霞重e d魯。農yc◎mp◎nent農nd τ2, f◎r OS−25−140綾nd PP−25一韓O(翁〉, OS−25−170畠nd PP−25一至70(b), OS−25−190農nd PP−25−190(o)婁nd OS−25−230豊nd PP−25−230(d). 一81一 ソフトセグメントの界面相に基づくと考えられる。すべてのTPUの相対プロトン含有 量および7⊇iは測定温度の上昇とともに、それぞれ減少および上昇した・OS−TPU の71iは測定温度60℃以上でゆるやかに上昇するのに対して・PP−TPUの乃iは 測定温度とともに徐々に上昇した。この傾向は、OS−TPUのみに観察された約50 ∼70℃付近の吸熱ピークと関係していることが考えられる。 OS−25−140の相対プロトン含有量は、約180℃まで観察されており、PP−25−140 のそれよりも高い値を示した。重合温度が190℃以上になると、測定温度100℃付 近ではわずかな差が見られたが、重合方法に依存せず、緩和時間が中間成分の 相対プロトン含有量はほぼ同じ傾向を示した。 Figure 4−7に、 OS−25−140とPP−25−140(a)、 OS−25−170とPP−25−170(b)、 OS−25−190とPP−25−190(c)、およびOS−25−230とPP−25−230(d)の緩和時間が 長い相対プロトン含有量およびそのスピンースピン緩和時間(7益、)の温度依存性を 示す。第2章、第3章で述べたように、緩和時間が長い成分は、ソフトセグメント 相に基づくと考えられる。すべてのTPUにおいて、緩和時間が長い成分の相対 プロトン含有量および勾,は、測定温度とともに上昇した。この相対プロトン含有量 および7至,も、他の成分での結果と同様、重合温度190℃以上になると・ほぼ同じ 傾向を示した。次に、Table 4−2に、ワンショット法およびプレポリマー法での重合 過程における最高樹脂温度と得られたTPUのスピン拡散時間を示す。第2章お よび第3章で述べたように、MDIと1,4−BDからなるモデルハードセグメントの融点 は194℃あるいは208℃であることが報告されている。重合過程における最高樹脂 温度がハードセグメントの融点より低いOS−25−140および一170、ならびに PP−25−140では、そのスピン拡散時間が長いことから、ハードセグメントドメインの 平均サイズが他のTPUより大きいと考えられる。重合温度が190℃以上になると・ 。82一 1 ㌦ ◎魎 o 魎醒こ 糠Φo.8 襲6 ◎ 鯵 。 魍 o 達奄 o 織駐。.4 聖や 。’ 盤→ 鳥≧ 廻ミ o &の。・2 o 禽 o 4000 喋 3500 も魎 3000 馨§ 2500_ §§α6 晶 2000ω 副 1500 這語 の 10◎0 騒 く}0 0S−25−140 魯翻 PP−25−140 ㌦ ◎.軸 電ΦO.8 ロ ロ翻 ①竃こ 誉§ $80・6 口 這出 量§α4 澤蕩α2 0 島 2。oo ◇騨 り 1500 ㌶・③ゆ一◇Os−25−170 100 150 ’ 200 0 50 “『emper繍tu『㊧[OCl 250 (b) 4◎◎o 1 △ 3500 △ 企 30◎0 岩噛 超$o・8 2500_ 豊 500 0 ◎ 3000 Φ燈 誉§α, 2500_ 豊 鱒 謬 20GO』稿 諜 △ △ 1500 △£ぬ 1000 禽 含盒 PP−25−230 500 騨 口 ぱ 150◎ 職QO.4 象{睾 口 伯oo 鵡≧ 畿。。2 500 0 0 50 100 150 200 250 △ 轟 会 ム 春△ OS−25−230 2000㎞跳 o 0 50 100 150 200 250 Temperatu『e[OC] Temper畿tur㊧[OC1 (c) (d) Fl騨鵬総鼻7 T㊤mp㊧r翫ur㊧d即㊧nd㊧n囎。夢漁愚r釧翻tiv馨pro奄◎n c◎n㈱n窒◎f slow d§o農y o◎mpo騰n篇nd 7肥 Qs響orOS−25一楓0翻nd PP−25−140(の, OS−25−170翻d PP−25−170(b), O$一25−190畠ndPP−25−190(c)翻ndOS−25−230畿ndPP−25−230(d). 。83一 ゙ 1000 ◇ 一確卜・融 PP_25_170 4000 脇訴噛冨9誇=ll=118 &⑳2 25◎or謬 ◇ 麟 鵡≧ 5◎0 環圏 逼壺 3000 ◇ 量§鱗 :3500 魎竃こ ◇ ◇ o 1 o 3500 置竃。.8 0 50 100 150 200 250 T㊧mpera加r㊧[OC] (議) 4000 τ論睡轟一露Spin−di秤鵬i◎n輌m鋸翻nd m翻ximum鐙釧nセ㊧mp㊨r副ur麗 during b副k p◎lym㊧彪副i◎n◎響TPU窪 sam副e spln−du鐸usl◎n 齢elmsl m翻X瑠mun res鵬 総mper謙ure lOq OS−25一咽40 240 152 0S−25一噸70 23。4 囁78 0S−25−190 畷7。6 197 0$一25−230 173 23馬 PP−25−14⑪ 侶2 蝿62 PP−25一咽70 17、5 PP−25−190 唱6。7 PP−25−23⑪ 17。4 侶4 檜9 232 。84一 重合方法によらず、重合過程における最高樹脂温度はほぼ等しくなり、スピン拡 散時間が同じ値を示すこと、つまりハードセグメントドメインの平均サイズがほぼ同 じになること演わかった。 4。3。5動的粘弾性 Figure 4−8に、 OS−25−140とPP−25−140(a)、 OS−25−170とPP−25−170(b)、 OS−25−190とPP−25−190(c)、およびOS−25−230とPP−25−230(d)の貯蔵弾性率 (E’)および損失係数(tanδ)の温度依存性を示す。すべてのTPUのβ’は、約一30℃ 付近で急激に、約120℃付近からゆるやかに低下した。OS−25−140および一170 のtanδのα緩和ピーク温度は、PP−25−140および一170より低く、OS−25−140およ び一170の室温付近のE’は、PP−25−140および一170より高かった。すべての測定 温度において、OS−25−170のE’はPP−25−170よりも高かったが、 OS−25−140の E’は温度の上昇とともにゆるかに低下し、約120℃付近では、PP−25−140の8と ほぼ一致した。OS−25−140の嘱はPP−25−140のそれより小さいが、 OS−25−170 の砥は、PP−25−170とほぼ同じであることから、この8の傾向は、 TPUのミクロ相 分離性の影響にくわえ、数平均分子量の差異に基づくと考えられる。また、 OS−25−140および一170の流動領域におけるE’の温度依存性は、 PP−25−140お よび一170より低かった。この結果から、PP−25−140および一170のハードセグメント ドメインの平均サイズは、OS−25−140および一170より均一であることが示唆される。 OS−25−140および一170のDSCサーモグラムには、 PP−25−140および一170に観 察され℃いない約200QC付近の吸熱ピークが存在していたことからもこの結果を支 持すると考えられる。また、重合温度が190℃以上になると、動的粘弾性の温度 依存性についても重合方法に依存せず、その挙動はほぼ同じになった。 一85一 一く〉一・OS−25−170 一()一 〇S_2544◎ 9 毎 PP_25_140 9 0.8 0,6 僅 o.4 豊 0,轟 穣 蕊∼ 6 ◎.2 4 一150−100 膳50 0 50 100 150 200 0 4 10 、 ←呈軸 1 10 8 『 欝 皇 齢 9 0.8 0.6 8 欝 ゆ 山 7 理 朝 4 1 一△一 〇S−25−230 一壷一 PP−25−230 0.8 0.6 集 Q.4 葛 £ 6 0.2 5 0 4 蕊∼ 6 5 0 Tem 悔罫u「e[Oq 一{=ト ○$一25凋go 量 PP−25−190 0.2 幽150四100 一50 0 50 100 150 :200250 250 ㈲ 葛 理 5 Temperature[Oq 隻 7 山 腰 6 5 9 0.8 欝8 辿7 0,6 山 7 葛 十 PP−25−170 匙 _ 8 隻 1 10 1 10 腱 0.4 0.2 0 僻150冊100 一5C} 0 50 100 壌50 200 250 Temper鍛ture[OC] 鵬150聯100 回5Q O 50 100 150 200 250 Temperature【OC] (d) (c) F噛騨醗羅一総Temp鎗r謎ur@d卵㊧nd㊧no奮of dyn翻mio s量◎r綾9鳶m◎duiu豊(ε’)餉d lo舗 t翻ng㊧nセ(憾nδ)f◎r OS−25−140翻職d PP−25−1轟O(翻),0$一25励170 翻nd PP−25−170 (b), OS−25−190銭nd PP−25−190(o)and OS−25−230饒nd PP−25−230(d>, 。86一 理 T畿bl聾轟閥$V幡。◎㊧1義笛萱io軍)r◎降豊rti磨$a勲nd T㊧nsH㊧pr◎P㊧r魎総$b ◎蕾Tpu欝 P夢ak tempe繍ur㊤ sample E’・払。。M2。。 M3。。 M4。。dσbe εbf (MPa)(MPa)(MPa)(MPa)(MPa)(MPa) (%) oftanδ (℃) OS−25−140 一27.8 44.3 5.53 7.31 9.76 13.1 23.6 609 0S−25−170 −26.0 38.3 5.董9 7.41 11.5 17.0 27.7 621 0S−25−190 −21.9 17,4 4,43 6.52 11.1 17.4 31.0 0S−25−230 −22.8 18.0 332 5.17 9.83 16,7 30.7 644 632 PP−25−140 一20,9 23.8 4.48 6.44 12.0 22.1 42.5 PP−25−170 −20.9 18.4 4.23 6,30 11.6 21.5 41.3 PP−25−190 −2LO 19.1 4.24 6.27 115 20.1 41.5 PP−25−230 −21.0 6.22 11.8 20.0 40.1 18.4 4.21 aViscoelastic properties w(ズe measured at a ffequen(写of l Hz with a heating rate of 5。C/r㎡n. bTe丑sile properties were measured at 23。C with an elongation rate of 300mm/血n. cDynamic storage modulus(E’)at 250C. %4κ is the tensile modulus at a strain of x%. eTens且e strength. 胞10ngation at break. 。87一 722 682 718 695 4。3.6引張物性 Table 4−3に、 OS一およびPP−TPUの引張物性を示す。 OS一一25−140のル舌。。が最 も高く、次いでOS−25−170の順であった。この傾向は25℃での8の結果と一致し た。重合温度が190℃以上であるOS−25−190および一230の乃400、%ooおよび ルる。。は、PP−25−190および一230のそれとほぼ同じ値を示したが、400%以上のひず みになると、PP−TPUのル400はOS−TPUのそれよりも明らかに高かった。また、 PP−TPUのδbおよびεbについてもOS−TPUのそれより高い値を示した。引張強度 は、ポリマーの数平均分子量(嘱)に影響される2)ことが知られている。PP−TPUの 砥はOS−TPUよりも高かったため、破断に至るまでの伸長が大きくなり、δbが上昇 したと考えられる。 4。3.7みかけのせん断粘度 Figure 4−9に、195℃で測定したOS−25−140とPP−25−140(a)、 OS−25−170と PP−25−170(b)、 OS−25−190とPP−25−190(c)、およびOS−25−230とPP−25−230(d) のみかけのせん断粘度(η、,p.)のせん断速度依存性を示す。すべてのOS一および PP−TPUについて、η、,P.の測定が可能であったため、195℃を測定温度とした。す べてのPP−TPUのη。pP。はOS一↑PUよりも高かった。ポリマーのゼロせん断粘度は その重量平均分子量(砥)に比例する3)。TPUについても、そのゼロせん断粘度は 砥の3。4乗に比例する4)ことが知られている。この結果は、各重合温度における PP−TPUの砥がOS−TPUのそれより高いことに起因すると考えられる。重合温度 の上昇に伴い、OS一およびPP−TPUのη、p,.のせん断速度依存性は低下し、ニュ ートン領域が観察された。重合温度140および170℃におけるOS一および PP−TPUのη、pp.は、すべてのせん断速度の範囲で非ニュートン挙動を示した。 一88一 4 4 貧3 バ 鱗 畿 3 血 、d 、鉱 審 審 5馨 鐸 》2 窃 一〇一〇S−25−140 ◎ 壷PP−25−140 1 0 1 2 3 2 一◇一〇S−25−170 +PP−25−170 1 4 o 1◎響(マ1s−1) 壌 2 3 4 ゆ9(マ1sつ ㈲ (b) 4 4 奮3 バ 縫 3 ロー{1 「コ\口「コ 襲』d 血 ㌔、 3 \d。 締 鐸 誉2 )2 ⑳ →コーOS−25−190 壌 o 1 2 3 一奮一〇$一25−230 ◎ 暑PP−215−190 4 噛一PP−25−230 1 0 ロ 1◎黛(γ1鯵回1) 1 2 b9(γ1豊繭1) (c) (d) 3 Fl騨鵬r縷 ・毒一騒 Sh釜霞r r畿豊㊧ d磯P馨nd㊧nc嚢 ◎f 農PP畿r磁n芒 $he融r visc◎siセy 畿萱 195 ◎C for OS−25−140 融n翻 PP−25一醗40 (農), O$一25−170 哉nd PP−25−170 (b), OS−25−190 綾nd PP−25−190(c>農ndOS−25−230綾ndPP−25−230(d). 一89一 4 重合温度の上昇に伴うニュートン領域の出現は、測定温度である195℃において、 大部分のハードセグメントドメインが融解し、分子間相互作用が低下したことに基 づくと考えられる。重合温度が190℃以上では、PPTPUのη。pP.はOS−TPUよりも 高いが、η、pp.のせん断速度依存性はOS一およびPP−TPUともにほぼ同じであっ た。 4。4まとめ ワンショット法およびプレポリマー法で動的重合したTPUの一次およびミクロ凝 集構造、ならびに力学、溶融物性に及ぼす重合温度の影響を考察した。その結 果、ワンショット法はプレポリマー法と比較して、構造と物性に及ぼす重合温度の 影響が大きかった。重合温度の上昇に伴い、TPUの凝集構造はミクロ相混合の 傾向を示した。また、予想されたように、PP−TPUの数平均分子量(属)および重量 平均分子量(砥)はOS−TPUよりも大きかった。重合温度が190℃以上・すなわち 重合過程においてそのハードセグメントの融点以上の温度で重合すると、重合方 法に依存せず、TPUのハードセグメントの分子量分布、およびミクロ凝集構造は 同一の傾向を示した。その結果、嘱に関係する破断伸び、および砥に関係する みかけのせん断粘度を除き、OS一およびPP−TPUの力学ならびに溶融物性はほ ぼ同じ挙動を示すことがわかった。これらの実験結果から、そのハードセグメントの 融点以上の温度で重合すると、TPUの構造と物性に及ぼす重合方法の影響は 少ないと結論付けられる。この考察は、工業的なTPUの製造において重要な知 見となり得る。 一90一 参考文献 (1) Yoon, P。 J。;Han, C。 D。漉αroノη0!θoロノθ52000,33,2171。 (2) Nielsen, L. E著、’ ャ野木重治訳,高分子と複合材料の力学的性質, 1990,化学同人。 (3) (4) 日本レオロジー学会編,講座・レオロジー,’1993,高分子刊行会. Van Krevelen D。 W。」仔opθr施30∫ρo加ηθr3,1990, Ed., Elsevier Appiled Science Press:Amsterdam,0ん∂ρオθr且 一91一 第5章TPUの構造と力学物性に及ぼすアニール温度の影響 5.1緒言 TPUの多くは、射出あるいは押出工程を経て、靴底、工業用部品、シート、チ ューブ、繊維およびフィルムなど様々な形状に成形される1)。これらの成形過程に おける熱履歴や変形および成形後のアニールは、TPUのミクロ凝集構造ならびに 物性に大きく影響する。特に、TPUをアニールすることにより、その構造および熱 的性質が大きく変化することが知られている2−7)。 工業的に最も広く使用されているMDIと1,4−BDをハードセグメントとするTPU では、DSC測定より、幅広い温度範囲にて数個の吸熱ピークが観測されている 2・4,8−10)。これらの吸熱ピークのうち、アニール温度の上昇に伴い、約140℃以下の それは顕著に高温にシフトするが、190℃以上に観測される吸熱ピークはアニー ル温度に殆ど影響されないことが明らかにされている2・9・10)。また、アニール温度に より上昇するこれらの吸熱ピーク温度は熱機械分析(TMA)により評価した軟化点 に対応することが報告されている5)。このように、TPUのミクロ凝集構造および熱的 性質に及ぼすア附置ール温度の影響については、多数の報告例があるが、力学物 性に及ぼすアニール温度の影響に関する報告は非常に少ない11,12)。 本章では、異なるアニール温度で処理したTPUのミクロ凝集構造と力学物性 について、報告する。 5.2実験 5.2.1試料および調製法 TPUとして、硬さ85(shore A)の市販のペレット(BASFジャパン㈱製、エラストラン 一92一 C85A−10)を用いた。このTPUは、1H一および13C−NMRスペクトルの解析から、ポリ (テトラメチレンアジペートー。ゲヘキサメチレンアジペート)グリコール(PBHA)をソ フトセグメント、それぞれ14mol%のMDIおよびBDをハードセグメントとして構成さ れている。PHBAを構成するモノマーの比率は、1,4−BD、1,6一ヘキサンジオール およびアジピン酸の順に、22、14および36mol%であった。 ペレットを窒素雰囲気下、90℃、24時間乾燥させた後、スクリューの直径が 40mmである射出成形機(名機製作所㈱製、型式M100AH−DH)を用いて、長さ 200mm、幅150mmおよび厚み2mmの金型によりTPUのシートを射出成形した。 なお、ホッパーからスクリュー一先端までの3箇所のシリンダー温度は、180,200お よび200℃とし、ノズルの温度は200℃とした。また、金型温度は30℃、射出圧力 は200MPa、保持時間を30秒とした。ミクロ凝集構造が異なるTPU試料を得るた め、成形後、直ちに以下の温度条件でシートをアニールした。工業上、TPUのア ニールは100℃前後で行われることを考慮して、23℃、相対湿度55%の恒温恒湿 下、80、100および120℃のオーブンでそれぞれ4時間アニールすることにより、4 種類の試料を調製した。アニール処理終了後、試料を23回目相対湿度55%の恒 温前論下、1週間静置した後に、シートの長さ方向に試料を採取し、測定に供し た。得られた試料の名称を、ES−85−23のように、ポリエステルポリオール(ES)、硬 度(85)、アニール温度(23、80、100、120)の順に記す。 5。2.2TPUシートのキャラクタリゼーション 5.2.2.1分子量 各試料の数平均分子量(嘱)および重量平均分子量(砥)を第2章記載の方法 に従い、GPCにより測定した。嘱および砥は、1枚のシートの長さ方向に沿って、 一93一 ほぼ等間隔の三箇所から試料を採取し、GPC測定で求めた平均値とした。 5。2。2。2熱的性質 セイコー電子工業㈱製DSC(SSC5200/SSC5200H)を用い、窒素雰囲気下、 25℃から一100℃まで降温させ、10分間保持した後、270℃まで送電する条件で測 定した。なお、昇降温速度は10℃/minとした。 5.2。2.3固体NMR ミクロ相分離構造を推定するために、日本電子㈱製固体NMR(JNM−MU25)を 用い、ソリッドエコー法によって、測定温度40℃における1H核のFree Induction Decay(FID)シグナルを測定した。得られたFIDシグナルを、緩和時間が短い成分 にガウス型、緩和時間が中間の成分および最も長い成分にローレンツ型の三成 分からなる磁化強度の式(2>を用い、最小二乗法による近似によって各成分に分 離した後、ハード、ソフトセグメント相、およびその界面相中のスピンースピン緩和 時間と相対プロトン含有量を算出した。 5。2.2.4力学物性 23℃における硬度を、shore Aタイプのデュロメータにより測定した。 動的粘弾性の温度依存性を、レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー 製RSA IIを用いて、周波数1Hz、昇温速度3℃/minの条件下、一80℃から200℃ の範囲で測定した。 応カーひずみ曲線を、JIS 3号ダンベル試験片を用いて、23℃、相対湿度55% の恒温恒湿度下、引張速度300mm/minの条件で標線間追跡装置を装着した㈱ 一94一 オリエンテック製テンシロン(MODEL U4410/U4400)を用いて測定した。 5。3結果および考察 5.3、1TPUのミクロ凝集構造に及ぼすアニール温度の影響 Table 5−1に、射出成形シートをアニールした後の各TPUシートの鵬、畝.およ び分子量分布を示す。射出成形前のペレットの磁および夙.は、それぞれ35,000、 197,000であった。ES−85−23の嘱および畝、は、他の試料と比較してわずかに高 かったが、すべての試料においてほぼ同じ範囲の分子量であった。また、1枚の 、TPUシートにおける嘱および砥の差異は±5%以内であった。さらに、本アニール 条件で得られたTPUシートはDMFに溶解したことからも、アロファネート結合によ る架橋が殆ど無い線状ポリウレタンであることが確認された。 Figure 5−1に、各TPUシートのDSCサーモグラムを示す。 Table 5−2に、 DSC 測定から得られたTPUシートのソフトセグメントのガラス転移温度(篠)、およびその 開始温度(7忌、、。,t)と終端温度(71,,d)、ならびにるにおける熱容量(△6pおよびハ ードセグメントドメインの融点(7温,h)を示す。7繭は低い温度から観測された順に、 瑞,h1、7』,h、および7漏,とした。アニール温度の上昇に伴い、ソフトセグメント4)7壱 は約7℃低下し、△(ろは約0。02J/gK増加した。これは、アニール温度の上昇に 伴い、ソフトセグメント成分がより純成分に近づき、その運動性が向上したためと 考えられる。一方、7』,h、はアニーール温度の上昇に伴い、著しく上昇したが・7張,h2 および7漏、は、アニール温度に依存しなかった。7』,hlの上昇傾向は、 Cooperら 2)・10)の結果と一致し、7論、は、アニール温度より約20∼40℃以上高く、約140℃ 以下に観測された。また、ハードセグメントのモデルとなるMDIとBDから構成され るポリウレタンの融点が約194℃あるいは208℃であること、およびTPUがプロッタ ー95一 丁諭睡5一瑠Av奮r翻9奮m◎1馨。ul綾r w釧g鵬綾醐m◎1鶯。ul綾r聡i鮮醜楠uti◎聡a。鐸PU$ 砿×1σ3(9/m・1) ES−85−23 deviati・践(%)Mw・1σ3(9/m・互) 31.4 2.1 18五.7 0.8 5.78 30.8 0.1 180.1 −0.1 5.84 30.1 −2.2 179:2 −0.6 180.3 30.8 αvθ7口 β ES−85−80 27.8 0.4 27.1 −22 28.2 1.8 ES−85−100 ES−85−120 5.29. 151.8 0.2 5.60 155.4 2.6 551 5.47 27.8 2.5 147.1 一2.1 27.4 1.0 150.9 0.4 26.2 −3.4 152.8 1.7 150.3 528 552 5.83 5.54 27.2 一4。7 152.4 一〇.3 5.60 29.6 3.7 151.4 −1.O 5.11 28.8 0.9 155.0 L4 5.39 .152.9 28.5 αvθ7’o θ 一2.8 151.5 27.1 ovθ7α 召 5.95 5.86 1472 27.7 σりθγα θ devi農£ion(%) ノ匠w∠んグ盤 5.37 aM・1ecula・weigh寛・f剛shee鵬s dete㎜ined by G蟄C in O.01 m・l r1 LiB・一DMF s・1uti・n飢a co1㎜飢empe㈱re of 40。C using polys取rene s伽da鵡s飴r c誠ibration. 画『畿臨出世一団Th驚rm副pr◎P㊧rti四品a o響TPU蕊 1「 samp玉e code №唐狽″o (。C) rg 1「 №?nd b △7’ № (。C) (。C) 4 rm,h1 rm,h2 rm,h3θ (J/9・K) (。C) (◎C) (◎C) △Cp ES−85−23 一49.6 一40,9 。31.8 17.8 0.395 64,1 1624 177.4 ES−85−80 −53,9 。47.0 −38,6 15.3 0.405 107.9 160.0 177.1 ES−85−100 。54.2 −47.6 −39、8 14.4 0.4U 120.2 161.2 176.2 ES−85−120 −55,2 。48,2 −4L4 13.8 O.412 138.5 160.3 176.9 αTe㎜al prop戯ies w飢e measur(ガby DSC㎞the temp(罪ature rang面om−100 to 270。C with a heat血g rate of 10。C min口l under a nitrogen atmosphere, うGlass transition t㎝peratures of the so負segm㎝ts. c△7、wa・ca1・u1・t・d丘・m(r、,nd−r、、、、。)・ 4H:eat capacity at glass transition region. θ7「 c,恥(i鴇1,2,3)are melting points of the hard segmont domains. 一96一 一40.9 薦s姻謬5麗23 47.0 餌、壌 髭 薯 薦s團謬5圃8ゆ 177.1 曜07.9 160.q 薦s翻謬5吻プゆ@ 176.2 120.2 16唱・2 屠s囲露5厨プ20 町47.6 鴛 糧 騨 177.轟 壌62。轟 一482 176.9 160.3 138.5 一唖O⑪ 一5⑪ ⑪ 50 100 15⑪ 20⑪ 25⑪ T曹鵬瞬e騨翻電曝謬㊧ノ@C F噛鵬緯5一嗜DSO愉@rm◎gr農m書of隆S−85−23,一80,一100即d−120。 。97一 300 ポリマーであることを考慮すると、約161℃付近で観測された塩,h2は、7温,h1で観測 されたハードセグメントドメインよりもやや凝集性は向上しているが、秩序性が低い 結晶から形成されているドメインの融解に基づく4)・5)と考えられる。さらに、7張,h3は、 180℃付近で観測されていることから、より秩序性が高いハードセグメントドメインの 融解に基づく4)・5)と考えられる。 Figure 5−2に、固体NMRで測定した各TPUシートの40℃における緩和時間 が短い成分、中間の成分および長い成分のスピンースピン緩和時間(7丑f、71iおよ び7⊇、)およびそれらの相対プロトン含有量のアニール温度依存性を示す。固体 NMRで測定したFIDシグナルは三成分に分離され、緩和時間が短い成分は凝i 記して運動性が低ヤ・ハードセグメント相に、緩和時間が中間の成分はその緩和 時間の程度から、ハードセグメント相に拘束されたソフトセグメントから形成される 界面相に、緩和時間が長い成分はソフトセグメント相にそれぞれ帰属した。アニー ル温度の上昇に伴い、7壱fおよびその相対プロトン含有量は減少、乃は増加し、 その成分の相対プロトン含有量が減少した。さらに、緩和時間が最も長い成分に ついては、ろ,およびその成分の相対プロトン含有量の増加が観測された。 以上のDSCおよび固体NMRの測定結果から、アニールによるTPUのミクロ凝 集構造の変化を以下のように考察した。アニール温度の上昇に伴い、ハードセグ メント相によって拘束あるいはその界面に存在していたソフトセグメントに由来する 界面相が減少し、ソフトセグメントの運動性が上昇すること、ソフトセグメント相に分 散している比較的凝集が弱いハードセグメント相の凝集が進行すること、およびそ の凝集の進行に伴い、ハードセグメント相全体としての運動性は低下し、その存 在量は減少すると考えられる。 一98一 o。鱒 盤 鵜◎C ◎。驚 ◇・・。勒 脚も亀隔 勉馳 肉、魎 軸 馳 璽》細 細 認 灘 @ 、縛 、 ◎。憾 盛 ㍉伽 、、 、 、似 、 、 ’疹 。。噸ア ⑪.憾 鞭 。。7⑪ 3鱒 3露。 ◎。鋸 ◇・㍉。向 簡馳隅一・ロ軌随 馳町一・◇一・犀・ 臨 ㍉ 襯諭 島⑪ 撃霧 罰 300 鰐⑪ ◎農 ⑬羅 鰐⑮ ⑪⑪ 面 馳⑳ ◎麗 細⑪ 鰐鳥 切愛 綴◎ ◎⑪ 膿》 藍竃婿 、’顧 、 、 、 ◎⑪ 盤。 魍⑪ 豊噂 隆剛 ◇ 。。60 欝⑪ 盤婁 ⑳綱 蓋鷺 羅 館② む .襲 鱗。 o。鶴 7罰 。。麗 躯 ⑪20 700 ’ S 器豊 憲隷 @グ’ o.憾 鳥瀦 ①綾 羅叢 照◎ ゆ o。輪農翅稔 675 薦。 劔鰐 醗⑳ 7農5 臥 ㍉佛 軸 ◎,細 o。韓 0 蹉0 羅⑪ 6◎ 雛節0稔⑪唱遮O A麟鰍鴫臆聯鵬鱈罎’◎C Fl響騨騰5一露Am㊥副ing豊㊧mper副ur㊤dep繍d傍n館◎f th㊧spin−spi轟r@1翻x農驚bn tim豊$(ア2f, γ2i,γ2s)of c◎rr㊧sp◎nding響畿s豊, in捻rm㊧di翻t㊧翻nd釧ow dao畿y o◎mp◎n㊧n電繍d豊h露 r奮繍ive pr◎to践con歪㊧nt菖◎f f鶴豊, in㈱rm3di議捻即d slow d奮。譲y oomp◎聡n萱・ 一99一 5.3。2TPUの力学物性に及ぼすミクロ凝集構造の影響 Figure 5−3に、各TPUシートの貯蔵弾性率(∬’)および損失正接(tanδ)の温度 依存性を示す。Table 5−3に、23℃における5’、 tanδのα緩和ピーク温度およ びゴム状平坦領域の終端温度(7包。d)を示す。アニール温度の上昇に伴い、ガラス 状からゴム状に転移する領域の万’の温度依存性(傾き)が増加し、tanδのα緩和 ピークは低温側にシフトした。これは、ソフトセグメントのミクロブラウン運動の緩和 機構がより単一化し、その運動性が向上しているを示唆している。この結果は、 DSCで観測されたソフトセグメントの乃の低下および△61の増加、ならびに固体 NMRで観測された界面相の低下とよく一致した傾向である。これらの結果より、ア。 ニール温度の上昇に伴い、ハードセグメント相に混合していたソフトセグメントが溶 出し、ミクロ相分離が進行したと考えられる。一方、23℃におけるβ’は、25.6MPa から15。6MPaに低下したが、7』dは、48、2℃から132。60Cまで約84℃上昇した。ま た、23℃における硬度もFの傾向と同様に、アニール温度の上昇に伴い86から 83まで低下した。 Figure 5−4に、8の温度依存性における71。dとDSC測定で観測された7温,h1と の関係を示す。71。dは7温,h1と直線関係にあることから、アニールに伴うハードセグ メントの凝集の進行は、ゴム状平坦領域の終端温度に大きく影響することが明ら かである。 Figure 5−5に、23℃で測定した各TPUシートの応カーひずみ曲線を示す。 Table 2に、得られた引張物性の結果を示す。アニール温度の上昇に伴い、微小 変形領域における応力が低下し、破断伸び(εb)は顕著に増加した。100%弾性 率(〃i。。)の低下は、23℃における動的粘弾性でのβ’および硬度の低下と一致し た。23℃における8、硬度および賜。。の低下は、物理架橋濃度の減少、 。100一 鋤 咽。⑪ 一吟一鶴s盟鶴謬確盤欝 ア。騒 一や一臨s囲鯵謬遷⑪ 鴫一一$囮亀甲胆餐⑪⑪ 竃 黛 曾 噛一薦講四鯵響囲嗜露⑪ ⑪趨 匙ア・⑰ 量 畿霧 ⑪。窃 $。菖 ⑪ 謬。 雪⑪o 噸謬⑪ こ ゆ 7薩鵬隣馨縢惣r馨’②c 馳 瀞7 飼 → 圏 ⑪。尋 購 ⑪2 5 ⑪。⑪ 一物⑪ 一器⑪ ⑪ 5⑪ 嗜◎⑪ 駕⑪ 窺⑪⑪ T響m屡鴻㈱舳騰ノ⑪C 罰翻眺緯5一謬T豊mper鎌ure d㊧p㊧nd㊧no㊧◎f dy陥mic st◎r融g鎗m◎dul聡(ε’)融nd b$s 繍g鋒nt(豊餓nδ)for罷S−85−23ド80…00饒nd司20. Th鶯鵬釧shows豊h㊧覧㊧rmin婁ti◎n t㊧mp㊧r副ur聾◎響r“bbery pl農t餓u r㊧gion(アend). 一101一 T義臨睡器。謬Vlsc⑪e瞼s電1◎Pr⑪瞬鱒r輔鋸翻融騨礁T⑲薦1睡Pr⑪瞬⑲r慰睡s爵6蕾TPU S㎞轍醜$ pe麗k temper雛雛e s窺mP且ec《》《豊e of重鐡δ (OC) EタG 通 詞綴 (MP麗) (OC) Mioo M200 M3。。畝。。e (MP鋤 (MP認)(MP帥 (MPの (MP窺) 昏 9 εb (%) ES一調5−23 一27.7 25.6 48.2 5。go 7.73 1豆.o 且93 4&3 49且 ES名5一容0 一32.野 23.6 99.6 5,窓9 7.9且 10.9 17.3 4&6 540 ES一騎5−100 晒32.馨 2旦.6 且09.5 5.76 7.器 且且.o 且7.2 46.7 549 ES−85一旦20 一33。呂 15.6 132.6 5.43 7.6且 且⑪.4 且55 46.5 596 冒 り 。 鵠 f ◎b αV孟scodastic prope麓ies were meas甑ed就a負eq鵬蝕cy of睡{z wi重h窺heati簸g r我Ie◎f 3。C/mi鶴・ うT錐s麺epr・p磁重es were mea瓢e戯23。C轍h離e豆・騨醜veb劔・f 300灘/蜘・ CDy簸am亘os重。鍛gemod麗us(Eっ就23。C 4Term沁鍾亘。簸電empe罫就聰re(》f聾bbery p置a電eau罫egi《鵬 ε鳥影s旗e織si塁e欝d論s蹴s麗i醜of x%. ∫T錐s亘且est懸9面. 9E旦◎蝕gati(鵬a,t brea,k. 鶴⑪ く》 鯛⑪ 膿⑪ 薩s・雛・盤 ○ 鷹s一三・纐 口 鷹i:s一露鰯騰咽⑪⑪ △ 薩s囲趨鰯圏咽盤⑪ 撃 、働⑪ 欝 』 雛 ㊨⑰ 尋⑪ 騎 嘲⑪⑪ 帽⑪ 7醐ノ⑪c Fl騨緯菖4 R奮1畠ti◎n$hips b麟w舘償㊧rmin畿ti◎n箆mp欝r議u騰。奮rubb㊤ry回藷窒銘u r豊gion (7『end)飢d m㊧脆ing P◎i耐of始rd舘gm㊧nt d◎m霞i胸s◎b囎rv㊧d in th釧◎wer tem眸糧芒ur㊧ re儲i◎n(アm,hの◎苧TPU$h@銚s翻nne翻1鳶d副v覇riou戯emp§r齪ur㊧$。 一103一 60 6 盤⑫c 5 5◎ 畿4 葛3 協 錺2 鰯轟。 血 唯 へ 鵬30 齢 o 0 10 20 30 ① 40 50 60 70 80 90 鷹00 s薯r盆in ノ % 詣 一◇一麗s姻霧唇圃露簿 {晩20 一◎一国s一霧繹罫囮謬⑪ 一{ト匿s一謬難岡嘱⑪⑪ 10 舎鷹s画露騒團櫃量⑪ o ◎ 200 400 60⑪ 800 s電『翻1龍ノ% F麟騨幽緯5一邸Str鍵ss一$tr農in curv醗for TPU曲囎ts農nn㊧副㊧d翻v畿rl◎u$temp㊨隙tu博s・ 一104一 すなわち、架橋点距離の増加を示唆している。固体NMRの結果からわかるように、 ハードセグメント相および界面相の減少により、ソフトセグメントの運動性が向上し、 物理架橋点間距離が増加したものと考えられる。同様に、アニール温度の上昇に 伴うε、の増加は、ソフトセグメントの運動を拘束する界面相の減少に基づき、ソフ トセグメントの伸びきり鎖効果が抑制されたことに起因すると推測される。 5。4まとめ TPUのミクロ凝集構造に及ぼすアニール温度の影響、およびアニールによっ て変化したミクロ凝集構造が力学物性に与える影響について調べた。その結果、 アニール温度の上昇に伴い、ハードとソフトセグメントとの界面相が減少し、ソフト セグメントの運動性が上昇すること、ソフトセグメント相に分散している比較的凝集 が弱いハードセグメント相の凝集が進行すること、およびその凝集の進行に伴い、 ハードセグメント相全体としての運動性は低下し、その存在量が減少することが確 認された。このようなミクロ凝集構造の変化に伴い、動的粘弾性におけるガラス状 からゴム状領域に転移するソフトセグメントの緩和分布が単一化し、その転移温 度が低下すること、およびゴム状平坦領域の弾性率の低下ならびにゴム状平坦 領域の終端温度は上昇することがわかった。さらに、界面相の減少によって応カー ひずみ挙動における破断伸びは著しく増加した。 一105一 参考文献 (1) Randall, D;Lee, S。7乃θ」Po、加rθご加ηθ3加。左,2000, Ed., John Wiley& Sons, New York, p315。 (2) Seymour, R、 W.;Cooper, S. L。物oro加0!θωノθ5,1973,6ω,48. (3) Koberstein, J。 T.;Russell, T。 P。漉oro、の。ノθo〃Zθ3,1986,19,714。 (4) Koberstein, J. T.;Leung, L. M.ル勿orαηoノθω1θ5,1986,19,706. (5) Koberstein, J。 T。;Galambos, A。 F。ん殆。/・ozηoノθoμノθ3,1992,245618。 ノ (6) Hu, W.;Koberstein, J. T.ノ:1ρo加η.5砿β’Po加刀。 Pめ・3.,1994,32,437. (7) Phillips, R。 A.;Cooper, S。 L.ノ∴ρoZ勤zη。50孟β!Po〃zη。ノ丑∼」贋。,1996,34, 737。 (8) Leung, L。 M。;Koberstein, J。 T。∫Po∠7zη。50孟」ρoヶzη。勘γ。βゴ,,11985,23, 1883。 (9) Van Borgart, J。 W。 C。;Bluemke, D。 A。;Cooper, S. L。1Po加ηθr,1981,22, 1428。 (10) Hesketh, T。 R.;Van Borgart,」. W。 C.;Cooper, S。 L。1%加η。 Eη8。50Z。, 1980,20ω,190。 (11) Matsuura, Y.;Nishimoto, H。;Okatani, S.;Abe, T。ノ:7滋左θo乞πθ5。乙∂わ。, 1983,42,313。 (12) Matsuura, Y。 Z 7一罐θ∂左πθ3。五∂わ。,1986,45,154. 一106一 第6章TPUのレオロジー的性質に及ぼすミクロ凝集構造の影響 6。1緒言 TPUの構造と物性には、第5章で述べたようにアニールの他、成形過程におけ る熱履歴、およびせん断、伸長変形も大きく影響する。ポリマーの成形加工にお いて、射出成形でのポリマー鎖の変形はせん断流動が支配的であるが、ブロー、 インフレーションフィルム、紡糸成形など断面積が変化する成形加工でのポリマー 鎖の変形は伸長流動が支配的となる1)。しかしながら、第1章で詳述したように、 それらの基礎的知見となるTPUの溶融物性、特にMDIをベースとしたTPUのレ オロジー的性質に関する研究2−5)は極めて少ない。その上、成形加工の基礎とな るTPUの伸長流動挙動に関する研究例は皆無である。また、 Cooperら、および KobersteinらのFT−IRの測定結果から、 TPUは溶融状態においてもバーードセグメ ントの凝集構造の存在が示唆されている。このような背景のもと、TFUのレオロジ ー的性質に及ぼすミクロ凝集構造の影響を調べることは、成形加工性の改良に 有益な知見となると考えた。そこで、本章では、アニールによってミクロ凝集構造を 変化させたTPUを用い、溶融状態におけるせん断ならびに一軸伸長流動変形に 及ぼすミクロ凝集構造の影響について、報告する。 6。2実験 6。2。1試料 第5章2.1で調製した4つの試料(ES−85−23、ES−85−80、 ES−85−100および ES−85−120)を用いた。 一107一 6。2.2レオロジー測定 6.2.2。1せん断流動変形 動的粘弾性の周波数分散、温度分散および時間分散を、レオメトリックス・サイ エンティフィック・エフ・イー製の応力制御型レオメータSR−5000を用いて、窒素雰 囲気下、直径25mm、コーン角0。1rad(0.570)のコーンプレートにより線形粘弾性 の範囲内にある応力を印加し、測定した。高温下での測定に際して、試料中の水 分の影響を抑制するために、射出成形シートから円柱状、もしくは短冊状に切り 抜いた厚さ2mmの試料を70℃、1。5時間、減圧下で乾燥した後に、レオロジー測 定に供した。 周波数分散は、175∼215℃の範囲にて、線形粘弾性領域内である初期応力 100Paを印加し、周波数0。1∼100rad/sの条件により測定した。ギャップは 0。056mmとした。試料をレオメータに装着後、法線応力を緩和させながらギャップ を調整し、データを取り込むまで、測定温度175、180および185℃では、6∼10 分間要した。一方、測定温度195、205および215℃では、データの採取まで3分 間要した。 温度分散は、昇降温速度3℃/min、周波数0。628rad/sおよび初期応力100Pa の条件により、180℃から215℃まで昇雨後、保持することなく215℃から130℃ま で降職させて測定した。試料を予め180℃に調整したレオメータに装着後、コーン プレートから試料がスリップしないように3分間、静置した。次いで、法線応力を緩 和させながら、ギャップを0。056mmに調整p、測定を開始するまでに3分間要した。 温度分散における測定は、約38分間要した。 ES−85−23について、窒素雰囲気下、180∼225℃の範囲にて、3000秒間の時 間分散測定を行った。180および190℃の測定における周波数は0。314rad/s、 。108一 195、205、215および225℃の測定における周波数は0.628rad/sとした。ギャップ は0.056mmとした。各溶融温度における動的粘弾性の時間分散を3000秒間測 定した後、レオメータ上にある試料を直ちに0、5%(w/v)のジーかブチルアミンを溶解 したDMF溶液に溶:かした。 TPUの熱安定性を調べるために、GPCにより ES−85−23の砥を測定した。 6.2.2。2一軸伸長流動変形 一軸伸長粘度のひずみおよび温度依存性を、窒素雰囲気下、レオメトリックス・ サイエンティフィック・エフ・イー製の溶融伸長レオメータRME6)により評価した。 175、180および190℃にて、ひずみ速度を0。01∼1。Os−1の範囲で変えて測定した。 測定冶具からの試料のスリップおよび試料の弛みを無くするため、一軸伸長粘度 の測定開始までに、175℃ではゴ。5分、180℃では3分および190℃では1分間 要した。一軸伸長粘度の解析には、測定温度および25℃におけるTPUの密度が 必要であった。溶融状態から250CにおけるTPUの密度を求めるため、圧カー体積 一温度測定装置(SWO Polymertechnik GmbH社製、PVT−100)を用いて、シートと 同様な条件でアニールしたペレットの比容を測定した。圧力をそれぞれ20、60お よび100MPaに調整後、5℃/minの条件にて、230℃から25℃まで降温させる等 圧冷却法により評価した。その後、装置に付属している解析ソフトを用いて 0.1MPaの比蓉を外挿し、密度に換算した。 ES−85−23の密度は、180℃にて 1,092g/cm3であり、25℃では1.215g/cm3であった。 6.2.3 熱白々†生命 ハードセグメントの結晶開始温度は、セイコー電子工業㈱製 一109一 DSC(SSC5200/SSC5200H)を用い、窒素雰囲気下、昇降温速度を10℃/minとし、 25℃から215℃まで昇温後、保持することなく、25℃まで索話させた時の降温過 程における発熱ピークの開始温度とした。 6.3結果および考察 6。3。1TPUの溶融物性に及ぼすミクロ凝集構造の影響 すべてのTPUシートの周波数分散を測定し、各粘弾性関数の重ねあわせを試 みたが、本組成のTPUは時間一温度の換算則が成立しなかった。 Figure 6−1に、 ES−85−23について、基準温度を180℃とし、アレニウス式7)を用いて、貯蔵弾性 率(0’)および損失弾性率(0”)を移動させた結果を示す。Cooperらも指摘してい るように、溶融状態であってもハードセグメントドメインが存在する温度では、時間一 温度換算則は成立しない8)。ES−85−23では215℃において、0’および0”が角周 波数に対して、それぞれ傾き2および1となる線形粘弾性領域が観察されたが、 205℃以下の温度領域では、線形粘弾性から逸脱した。215℃における周波数分 散測定は、試料をレオメータに装着後、測定終了までに約13分間要した。215℃ では温度が高く、測定時間が長かったため、ハードセグメントドメインがほぼ融解し、 線形粘弾性を示したと考えられる。つぎに、成形加工での熱履歴におけるTPUの レオロジー的性質を調べるため、昇降温過程における0’および0”の温度依存 性を評価した。 Figure 6−2に、ES−85−23(a)、ES−85−80(b)、ES−85−100(c)および ES−85−120(d)の昇降温過程における0’および0”の温度依存性を示す。通常、 TPUは、175∼215℃の温度範囲で押出され9)、冷却しながら成形される。 Figure 6−3に、ES−85−23における175および180℃の6『’,0”の周波数分散を示す。 。110一 6 薩s・雛・盤 講轟◇ T麟。憾◎◎C 5 馨鰐 《 晶 計 ◇、急ぎ轄 く,〆♪タ’−懸騒 4 騨整ダ ㊧膠 ・謙㌔’ 罵 轟.夢・し㌔轟 禽 磯窩 竃 鼠・.読 ・一ゐ ㊤盤 愈△ 、〆閣圏一△ ◇憾◎◎C 護/レ震園幽 ・” ; 篇 念△ 血 ㍗ 圏惚蕊◎C 罰’ 罵 皇 宦掾揩b 盒惚5◎C ∠量 △⑳5◎C 哨 囎舗5◎C ◎ ・慧 ・帽 ◎ 畷 豊 3 1噸ω鮒♂》 Fl騨緯麟M鶴t禽r curv㊧f◎r齢一85−23翻捻r㊧f㊧renc禽絶mp㊤r融豊ur⑳f 180℃. 。111一 総 駐 農1器舗一盤 麟。騒 鴛 臨 謬 十《翁馴 } 《〉一α5 豊瑠 鴛 臨 騒 一轡一《藷。 計 傘《翁肺 豊尋 、 翻 £ 罐 3 鴛 鴛 臨 盤 、 野 ⑪ ◎ 鴛⑪ 、韓◎ 幡◎ 駕。 露oo 《 罵 驚鵬鰐磁鵬’◎c 緋 働 認◎ 6 c》齢一薦葡。 鱒甑酸 餐 一翻一《藁留 騎潟 奮6耀 計 冠}G開 羅 の齢一薦聡。 盆 臨 菖 右(§曜図 駐尋 》 、 瞬 豊 磁 謬 3 奮 島 o罵 鱗。 憾⑪・ 鷺◎ 露。◎ 驚朧静㊧磁鵬ノ⑪c 豊 乱 } 檎。 盤⑪ ㊨ b 、 ♪ 豊噛 豊 豊唱 窒 臨 ㍗ 、 鵬 £ 蝿 謬 乱 盤 齢1齢一麗嶋⑪ 鱗総。鰯 露 鑑 豊 素 、 } 墨引 唱 登 £ ⑪ ⑪ 惚◎ 韓。 鰯。 憾。 罰。 麗⑪ 穏⑪ 韓⑪ 韓。 憾。 露。⑪ 輸脚粥舳副◎C 踏餓翻論幽醗匿畿量魍r㊧ノ◎C l鶴》 鱗 麗o F噛鵬鯵㊨一璽掩mp㊧r翻ur奮d讐pendenc㊧◎f dyn畿mic st◎縢9㊧m◎dulus(Gり融nd dy礁mic l◎舗m◎dul聡(Gりduring b◎th笛魯h@議ing翻nd oo◎舗ng pr◎ce舗㊧s for羅S−85−23(畿), 鷺S−85−80(b),隆S−8馴OO(c)翻d置S−85−120(d>議ω調0・628r綾dls・ 一112一 ㊧ 躍s一麗・盤 G『G醐 ◎ ◎駒 鶴鯵金 鹿△盤⑪◎◎ 臨 ㊧ 愈 ◎ △ ㊨ △禽 麟露量論轟 ㊧◎囎躍◎C ◎鰯 磯 晶 計鰯’ ㊤ 罵 鯵◎ △盒 鐙◎ 麹◎ △論 謹 響◎ △轟 鴛 △禽 鳥禽 鮎 } 鳥論 ㊤轟 罵 盒 畠 講 一露 一櫃 ⑪ 嘱 慧、 豊 1◎蜘櫓國唱》 Fl騨騰昏謬Fr鳶q囎noy dep奮nd釦。㊧of dy陥mio瓢◎r翻9㊧m◎dulu$(Gう鋤d dyn綾mio I◎$騒modulu$(Gっ◎f l羅S−85−23綾t咽75翻nd 18000. 一113一 ES−85−23を含むすべてのTPUにおいて、175℃では0”と0’はほぼ等しく、 180℃での0”は0’より高く、流動状態であったことから、180℃を測定の開始温度 とした。Figure 6−2に見られるように、すべての試料において、180から215℃まで の昇温過程における0’および0”、および215から約160℃での冷却過程におけ る0・および0・は一致せず、ヒステリシスが観測された。また、約145∼153℃付近 にかけて0’と0”が重なる温度(臨界ゲル化温度:7三g)が観測された。 Figure 6−4に、 ES−85−23の180∼225℃における複素粘度の時間依存性、お よび時間分散測定後の畝,の測定温度依存性を示す。測定温度の上昇と共に・ 複素粘度は大きく低下した。また、測定温度の上昇に伴い、測定開始後の複素 粘度は大きく低下し、定常値を示す時間が長くなった。時間分散測定後の砥は 測定温度の上昇に伴い、ほぼ直線的に低減した。これらの結果から、溶融状態 での昇降温過程における0’と0”のヒステリシスは、主にTPUの分子量の低下に 起因すると考えられる。 Figure 6−5に、各TPUのハードセグメントの結晶化開始温度(7三,、t、,,)と臨界ゲ ル化温度(冗、)の関係を示す。各TPUシートを25℃からレオメータによる時間分 散測定と同じ215℃まで、昇温させた後、冷却した時の発熱ピークの開始温度は・ ES−85−23、一80、一100および一120の順に、それぞれ147.6、148。3、151.1および 152。2℃であった。アニール温度の上昇と共に、ハードセグメントの凝集性が向上 していることが示唆される。71,、t、,,とともに71,は上昇していることから・ミクロ相分離 構造の進行により、ゾルからゲルへ転移する温度が上昇することがわかった・アニ ール温度の上昇に伴う71,の上昇は、Cooperら10)およびKobersteinら11)による 赤外吸収(IR)スペクトルを用いて評価したMDIおよびBDをハードセグメントとする ポリウレタンのN−H基が、220℃付近でも水素結合しているという報告と、本実験 。114一 7 ㊨ 轟 匿 鮎 ㌔ r謬 智 5 。講 雫㈱ 一柵。 @慧鵬 噛 憾騨。 よ鵬 →一⑳駅。 讐 _囎鰹。 l譲麗 一。一 ユ齪C 磁 雪総 器⑪ 麗⑪ 鴫 覇 ◎ 囲 $ 盤 罵___鋤__ ⑪ 7⑪⑪ 櫃羅⑪⑪ 農咽⑪⑪ 豊毬⑪⑪ $鰯⑪⑪ R鋸薩撫二二騰e/s Fl翻腿騰総4 V翻畿ti◎n§◎f dyn霞mio vi$co訓y with r鋸idu副豊im釜f◎r旺S−85−23翻t 萱㊧mp㊤蜘r㊧r翻ng欝fr◎m 180 t◎2250C,趨nd惚i㈱セsh幡w㊧igわ箇v醐93 m◎1魯ou幅r w㊧ight綾f憶r th$tim㊧sw㊧㊧p@xp㊧riments囎綾ずuncti◎n oず量h@r艶d◎gic翻l m㊧鶴ur@m㊧nt捻mp㊧r翻加r㊧. 一115一 帽5 Q 怖0 ◎ 、 窃 ぱ 145 140 145 150 155 7c,s撚ノ◎C 晦鵬鯵一5Rd畠ti◎繍p$b3t㈱n糖。騨農賎iz謡◎n t@mp豊r謙鵬◎f th㊧檎d 舘gm㊧ntS(ア』,s量art)◎bセ翻in盤d fr◎m DSC m㊧麗Ur魯m馨ntS翻nd電h璽CritiC副g㊧1捻mp豊r訓Ur奮 (ア。9)obt農i騰d斧r◎m th磁dyn融剛。憶mper餓tur繰sw欝即m㊧翻sur鍵m㊧n笠謬・ 。116一 で観測されたDSCにおける7』,hの挙動から、215℃でも凝集している僅かなハード セグメントドメインが冷却過程において成長核となり、ハードセグメントの凝集を進 行させたことによると考えられる。アニール温度の上昇によるハードセグメントの凝 集性の向上は、TPUのゾルからゲルへの転移温度に大きく影響すること、および 溶融状態における動的粘弾性の時間分散測定は、DSCで観測が困難な微細な ハードセグメントドメインの凝集状態の評価に有効であることが示唆された。 6.3。2TPUの一軸伸長流動変形に及ぼすミクロ凝集構造の影響 Figure 6−6に、175、180および190℃にて、ひずみ速度を0。01∼1.Os−1の範囲 で変えて測定したES−85−23(a)、ES−85−80(b)、ES−85−100(c)および ES−85−120(d)の一軸伸長粘度の時間依存性を示す。実線は180および190℃に おける周波数分散で測定した粘弾性関数を用いて計算したゼロせん断粘度の3 倍の値(3η(t))1)である。η(t)は、0’(ω)および0”(ω)の実測値を用いて、尾崎らの 近似式(3)12)により計算したせん断応力の成長係数である。 η(t)釜tlG曜曜㈲+L12G歴(0。56)一・・2・・α価)]曜 (3) 175℃では先に述べたように、0”および0’が測定した範囲の周波数において ほぼ等しく、ゲル化状態であったため、3η(t)は算出できなかった。本研究で用い た試料での一軸伸長粘度の測定温度範囲は、175∼190℃であった。170℃以下 になると、試料が完全に溶融できていないため、測定中に試料が本心からスリッ プした。一方、200℃以上になると、試料が十分置溶融したため、チャック間で試 料が弛み、測定が困難であった。 一117一 175および180℃では、ひずみ速度の増加に伴い、伸長粘度も増加しており、 伸長粘度のひずみ硬化性が観測された。このひずみ硬化性は、DSCサーモグラ ムにおいて175℃でハードセグメントドメインの融解に帰属される吸熱ピークが観 測されていることから、完全に融解していない微量のハードセグメントドメインが物 理的架橋点となり、ソフトセグメントが伸長されたことに基づくと考えられる。180℃ でも同様に、伸長粘度のひずみ硬化性が観測されているが、試料によって長時 間側の伸長粘度の挙動が異なっていた。180℃では、3η(t)と微小変形領域にお ける伸長粘度が一致していることから、Trouton比6)が成立することが明らかとなっ た。 ひずみ速度の増加に伴い、伸長粘度のひずみ硬化性が確認されたが、180℃ でのひずみ速度0。10および1。00s−1における伸長粘度は、175℃の伸長粘度と比 較して、非線形領域に移行する時間は長くなった。180℃では1750Cと比較して、 融解せずに残存しているハードセグメントドメインの存在量がわずかに低減したと 考えられる。190℃で測定したすべての試料において、ひずみ速度が最も速い 1。00s−1では伸長粘度の急激な増加は観測されなかった。すべての試料において、 190℃では、ソフトセグメントを伸長配向させるために必要なハードセグメントドメイ ンが残存せずに融解しているためと考えられる。また、動的粘弾性の測定から求 めた3η(t)は伸長粘度よりも低かった。ひずみ速度1.00s−1での測定時間は約240 秒弱であったが、動的粘弾性の測定には約800秒要したことから、この差異は測 定温度の上昇に伴う砿,の低下に起因すると考えられる。 Figure 6−7に、各TPUシートの175℃におけるひずみ速度0。01、0.1および1.O s幽1で測定した一軸伸長粘度の非線形パラメーター(λ,)(a)、および180℃における ひずみ速度0.1および1。Os−1で測定したλ。の時間依存性(b)を示す。非線形パラ 一118一 メーター(λ,n)は小山らの提案した式(4)13)により計算した。Figure 6−8に、線形およ び非線形領域の一軸伸長粘度を示す。 λ評ηEωn。n4臓ノηE(t)1臓 (4) ひずみ速度の0.1から1。Os−1への増加に伴い、λ,は短い時間で急激に増加し た。これは、早い伸長変形によるソフトセグメントの伸びきり鎖効果に基づくと考え られる。また、それぞれのひずみ速度において、アニール温度の上昇に伴い、λ, が急激に増加する時間は早くなり、ひずみ硬化性が増加した。この結果も、アニ ール温度の上昇に伴い進行したハードセグメントの凝集が、溶融状態においても 伸長粘度に影響することを明確に示している。 Figure 6−9に、180℃におけるひずみ速度0。01s−1の伸長粘度を時間6秒での 伸長粘度で規格化した結果を示す。16秒を超えると、ES−85−23および一80の伸 長粘度が時間とともに減少したため、180℃におけるひずみ速度0。01s−1のλ,は計 算できなかった。そこで、伸長粘度の線形領域内において最も時間の短い6秒の 値を用いて規格化することにより、各試料の伸長粘度の時間依存性を比較した。 ES−85−23および一80では、伸長粘度が時間とともに緩やかに増加した後、16秒 を超えてから、低下後、100秒を超えると急に立ち上がる現象を示したのに対して、 ES−85−100および一120では、時間とともに低下することなく、伸長粘度が立ち上 がった。ひずみ速度0。01s−1での伸長粘度の測定時間は試料の余熱時間を含め、 約1000秒間要した。しかし、すべての試料の畝,がほぼ同じであることを考慮する と、伸長粘度を測定している間に、ES−85−23および一80の砥がES−85−100およ び420のそれより低下したとは考えにくい。 。119一 伸長粘度が時間と共に増加した後に低下するといった現象は・高橋らによって P。ly(styrene吻ノ・・たb慧tadiene一わノ・・たstyrene)tribl・ck c・P・lymer(SBS)におい ても報告されている14・15)。本現象は、伸長およびせん断変形下、SBSのmelt elasticity(溶融時の弾性)が減少することに基づくと結論付けられている。変形過 程において、伸長方向に対してラメラ構造が配向することにより、溶融時の弾性が 低下するため、SBSの一軸伸長粘度は、緩やかに増加した後、ひずみ硬化挙動 を示さないと考察している。本研究において、伸長粘度の緩やかな減少は、アニ ール温度の低下、すなわち、ハードセグメントのミクロ凝集性が低下した試料にお いて観察されている。本現象は、ハードセグメントのミクロ凝集性の程度および伸 長方向に対するハードセグメントドメインの配向の差に起因していると考えられる が、ES−85−23および一80が示したように、一軸伸長粘度が時間と共に減少した後、 急激に上昇する機構については不明な点が残されている・ 。120一 7 7 薩s一麗一灘 薩s一雛一農3 禽轡圏鱒Os’糧 磯翻圏1,◎Os駒1 磯璽 o.10s’肇 欝 ア ◇O O.0{s4 ド /’ア駅。 魯鯵 o.嘩Os鱒1 磯 唯75。o ◇O o.o幅’1 ノ! 鰯 6 畿6 書 響 臨 も 戸 麿 幅 貯 響馨 唯9◎。o 囲 。譜・ノ 圏ψ。四脚〆 。岬・〆 帽。。o 罵昌 憾。。c 盧 一下㈹閥80・c 窄9◎。o −3聡ω間80・c 臨 Rη㈹閥go・c .騨醐幽.廓。岬ヂ 。ダ夢一翻ゆ 3η(芒》閥go・c 尋 轟 o 。1 噸 盤 凋 $ 。 i 窪 1⑪雛億》 l◎鰍愛周 (農》 働 3 ア 7 躍s一雛一惚⑪ 蹉s一雛一物⑪ 命鯵團1.OOs4 辱薩 o.伯s騨備 《 傘懸 o.iOs凋 欝 ◇O o.Ois冒雫 ◇0 0.0虐S4 幡 6 畿§ 費 嘔 蕎 薄 臨 も 180。C 貯 4ア5.。 命働騒1.00S4 噸75。o 帽O。C 響欝 蓄§ 謹 唱90。(; 調ノ9騨 9國凶。鯉岬凶 母 ・噸 ! 囲 一3η㈹ア罰80・c −3n㈹閥go・c 1go。o 一3晦(丘》閥80・c 岬, 一・岬認 一一・ R噛㈹閥9。・c 8脅四5鵡匿岬回 凶騨岬凶 堪 ◎ 噌 箆 3 ・1 o 噸 1⑪離億》 1⑪蝉掬》 (¢》 赤 豆 3 晦灘北Tim@d印奮nd魯nc㊧。l un關副el◎ng融額。n副vi$。◎si豊y(n,(t))wl望h翻鵬in 書㈱◎響0.帆。愉d1。。謬・1翻75」8。翻nd19。・Cf。r齢一85−23(融〉,齢一85−8。(b), 旺S−85−100(o)and陰$一85−120(d>. 一121一 翻 毬 7 意⑪。◎噌霧ロ窒 唱75⑪C 命著◇ 謹§;囲$餐剛露3 齢。徳ロ彊 騒馨○ 躍s囮翻騒囲雛⑪ 6 騒 ぼ 尋 { 騒羅ロ 薦S幽毬騒幽彊⑪◎ 禽血△ 騒s臨霧騒四唱露⑪ 飛電。⑪聾魂 { 3 露 噌 ⑪ 一噸 露 咽 ◎ 1⑪騨《鴬1騒》 ㈹ 轟 轟 需⑪◎C 鱒。唱♂ { 磯壷置s隅灘騒國露命 7 ㊨ 5 ぜ 鴫 壽 量 麟襲薩s図嚢騒圓脇◎ 圏躍騒s一趨講囲咽⑪⑪ 《ム曙s図二二囲唱璽⑪ 謹鱒♂ { 唱 ⑪ 。咽 ⑪ 嘔 農 1⑪騒《虜ノ簿》 《甥 晦鵬㌫アTi鵬d@脚d難n。㊧◎h◎n桶翻rp翻r㈱t釜r(λ・)◎fun㈱囹◎ng翻歪i◎n副 vis。◎釧ty me翻s鵬d訓75・C wi電h翻鵬in s㈱◎f。・。1,0・ねnd壌・。♂(副,鼠nd 豊h◎s㊧訓8。・Cwi豊h畿str翻i脚㊤@d。f O、粕nd 1.0$”1(b>. 。122一 轟 圏 幽 、 幅の睡◎蜘謝 億 嘔 ε 聯 ◎ 嘱⑪1職匿 囲 1◎雛ノsl F脚総一総S。h㊧鰍ic m。d釧fr「th磯酬in銘「uni翻xi副釧。n農帥n副visc。$ity and th㊧hn㊧翻r visoosity t◎o副oul翻騰of n◎n−lin銘r p翻r農m就⑲r(λn)o蓄uni翻xi副d◎ng農ti◎n副 vi欝C◎si萱y. 一123一 咽。翌 壼⑪。⑪咽s⑳唱 盤⑪⑬o 一←置s・麗・盤3 一躍s・雛・⑭⑪ 咽。欄 ほ 鰯 一薩s・雛・咽⑪⑪ 血 へ 唖一 Fs・薦・憺⑪ 趨 麟 聖 ㌔ 咽。⑪ 貯 ⑪。9 ⑪。5 欄 咽。5 黛 農。5 1◎蝋奮ノ勃 晦鵬㈹N◎rm副書d uni畿xi農1釧。噸ti◎n議Ms。◎sity(n麗1n置t・6、)副8。℃農nd。・。1 ♂◎f翻舘農in sp囎d with uni翻xぬl dong畿ti◎n副viscosiセy◎b捻i騰d農豊鮮6s. 。124一 6。4まとめ MDIおよびBDをハードセグメントとするポリエステル系TPUの射出成形シート, をアニールにより、ミクロ凝集構造を変化させ、TPUのレオロジー的性質について 調べた。アニール温度の上昇に伴うソフトおよびハードセグメントのミクロ相分離の 進行によって、TPUのレオロジー的性質は大きく影響されることがわかった。 溶融状態におけるせん断流動変形での温度分散から、215℃まで昇温させた 後、冷却するゾルからゲルに転移する過程において、融解せずに残存している微 量のハードセグメントドメインの存在により、0’と0”が重なる臨界ゲル化温度が上 昇することが示唆された。さらに、一軸伸長粘度における非線形領域の比較から、 アニール温度の上昇に伴うハードセグメントの凝集性の向上により、ひずみ硬化 が強くなることがわかった。特に、ハードセグメントの凝集が弱い試料では、高温 (本研究では180℃)で、かつ印加したひずみが小さい場合、時間とともに一軸伸 長粘度が一旦低下し、その後、急激に立ち上がる現象を示した。このような伸長 粘度の低下は、成形加工の過程において、製品の厚み分布が広がる可能性を 引き起こすと考えられる。 フィルムキャスティング、インフレーションフィルムおよび溶融紡糸成形など、伸 長流動が支配する成形加工では、TPUのミクロ凝集構造の制御がその成形加工 性の改良に重要であることが示唆された。 。125一 参考文献 (1) Takahashi, M.;Masuda, T.;Onogi, S。 A励。ηπθo!αガ0∂盈∂Z5方41983,〃, 13。 (2) Lu, Q。 W.;Hernandez−Hernandez, M. E.;Macosko, C・W・Po加zηθろ 2003,44,3309。 (3) Hentschel, T。;M伽stedt, H。 Po」ヶzηθr,2001,42,3195。 (4) Yoon, P. J。;Han, C。 D。漉αり、㎝0!θo〃!θ3,2000,幽33,2171. (5) Cossar, S。;Nichetti, D.;Grizzuti, N。ノ1ノ∼んθo孟2004,48傷),691, (6) Ya。, M.肋卿0・加〃κγ・磁力ろ1997,π},550∴ (7) Ferry,」。 D。1傭ooθ伽ごノ。乃oρθ!ご〆θ50!勘加ηθ/汐1980, EdりJohn Wiley and Sons:New York。 (8) VelankarジS.;Cooper, S。 L。擁α・ozηoノθo〃ノθ52000,33,395・ (9) Ra準dall, D・;Lee, S・窃θん〃囲伽θ5加・左・2000・Ed・, J・hn Wiley& Sons Press:New York,0ゐ∂rごθr 21。 (10) Seymour, R。 W.;(⊇ooper, S。 L.惚orozηoノθo〃ノθ5,1973,6ω,48. (11) Koberstein, J。 T.;Gancarz,1。ノ:Po∠7zη。50孟βノノ:)∂∠7zη,1肪γ3・,1986,24, 2487。 (12) Osaki, K;Murai, N.;Bessho, N。;Kin, B. S。 A励。η1∼θorqが0∂左左∂∫5以 1985,13,93. (13) Koyama, K。;Ishizuka,0。 A励oz∼πθorαガ0∂左左∂Z5似1985,13,93. (14) Takahashi T,;Toda H。;Minagawa, K.;Iwakura K.;Koyama K。 Erooθθo物8 。鋤θ勘。痂0。漉rθη。θ。η勲θ・ノ・8γ8ηゴP・加θ〃}・・θ33Z刀8ζPOπ夕%), 一126一 1994,134。 (15)Takahashi T。;Toda H。;Minagawa, K。;Takimoto, J。;Iwakura K。;Koyama K,ノ;ノ4/2pZ.ん∠7zη。50五,1995,56,411. 一127一 第7章総括 TPUが上市されてから約50年号が経過しているが、その高次;構造と物性につ いては不明な点が数多く残されている。他の熱可塑性ポリマーに見られない特長 を活かし、さらなる用途展開を図っていくためには、TPUの重合技術および成形 加工技術に関する基礎的知見の深耕が重要と考えられる。本研究は、TPUのミク ロ凝集構造と物性の関係をより明確にすることを目的とし、動的重合によるTPU のミクロ凝集構造と力学および溶融物性に及ぼす重合方法の影響、およびTPU のレオロジー的性質に及ぼすミクロ凝集構造の影響について検討したものである。 第1章では、既報の研究および最近の特許を含めて、本研究の目的および課題 について述べた。 第2章では、「ワンショット法により重合したTPUの構造と物性への重合温度の 影響」について述べた。重合温度140∼230℃の範囲にて、ラボブラストミルを用 いた動的重合でのワンショット法によってTPUを合成し、そのミクロ凝集構造およ び力学、溶融物性に与える重合温度の影響を調べた。その結果、重合温度がそ のハードセグメントの融点以上になると、ハードセグメントドメインの平均サイズが低 下することがわかった。このことに起因して、ゴム状平坦領域の貯蔵弾性率および 則せん断速度領域におけるみかけのせん断粘度が著しく低下することを明らかに した。第3章では、「プレポリマー法により重合したTPUの構造と物性への重合温 度の影響」について述べた。第2章で述べた同じ原料および装置を用いて、プレ ポリマー法により、TPUの動的重合を行った。その結果、一次構造、熱的性質に 及ぼす重合温度の影響はほとんど見られなかったが、重合温度が170℃以上に なると重合温度140℃のTPUと比較して、ハードセグメントドメインの平均サイズが 。128一 わずかに低下した。このことに起因して、重合温度が170℃以上になると、ゴム状 平坦領域の貯蔵弾性率および高せん断速度領域におけるみかけのせん断粘度 が低下することを明らかにした。第4章では、「ワンショット法およびプレポリマー法 により重合したTPUの構造と物性の比較」を行った。重合温度が低い140、170℃ におけるワンショット法TPUでは、その重合温度で合成したプレポリマー法TPUと 比較して、ソフトセグメントのガラス転移温度は低く、ハードセグメントドメインの融 点は高かった。しかし、重合温度が190℃以上になると、ハードセグメントの分子 量分布、熱的性質および動的粘弾性は良く一致した。これらの結果から、TPUを そのハードセグメントの融点以上の温度で重合すれば、重合方法に依存せず、ほ ぼ同じミクロ凝集構造を形成することを明らかにした。一方、プレポリマー法TPU の平均分子量は、ワンショット法TPUより高かった。これらのことに起因して、数平 均分子量と関係する破断伸び、および重量平均分子量と関係するみかけのせん 断粘度を除き、ワンショット法およびプレポリマー法でのTPUの動的粘弾性ならび に引張物性はほぼ同じ挙動を示した。 第5章では、「TPUの構造と力学物性に及ぼすアニール温度の影響」について 述べた。TPUをシートに射出成形した後、直ちに23∼120℃の範囲でアニールし た試料について、そのミクロ凝集構造を調べた。その結果、アニール温度の上昇 に伴い、ソフトとハードセグメントの界面相が減少し、ソフトセグメントの運動性が上 昇、ハードセグメント相全体の運動性が低下することがわかった。このミクロ相分離 構造の進行により、ゴム状平坦領域の弾性率の低下およびその終端温度の上昇、 ならびに引張試験における破断伸びが著しく増加することがわかった。第6章で は、rTPUのレオロジー的性質に及ぼすミクロ凝集構造の影響」について述べた。 第5章で述べた試料を用いて、溶融状態における動的粘弾性および一軸伸長 一129一 流動挙動に及ぼすミクロ凝集構造の影響を調べた。その結果、ミクロ相分離が進 行した試料では、TPUの成形加工の上限温度範囲まで昇温後、冷却する過程に おいて、貯蔵弾性率と損失弾性率が一致する臨界ゲル化温度が上昇した。さら に、一軸伸長流動におけるひずみ硬化性が増加することを確認した・ミクロ相分 離構造の進行は、TPUのレオロジー的性質にも大きく影響していることを明らかに した。 以上で述べたように、TPUの力学物性およびその成形加工性の改良には・原 料の化学構造ならびにその比率のみならず、重合温度およびミクロ凝集構造の 制御が非常に重要であることがわかった。本研究で得られた重合技術および成 形加工技術の基礎的知見を活用することによって、TPUの特長を活かし・伸縮 性を有した不織布1・2)などの新しい用途を開発することができた。今後、これらの 基礎的知見を活用して、TPUのさらなる用途展開を図っていく所存である。 参考文献 (1) 特開2004−244790. (2) 特開2004−244791. 一130一 論文リスト (1)ワンショット法により重合した熱可塑性ポリウレタンエラストマーの構造と物性 への重合温度の影響 山崎聡、西口 大介、小椎尾謙、古川睦久 日本ゴム協会誌,78(7),260−266(2005) (2)プレポリマー法により重合した熱可塑性ポリウレタンエラストマーの構造と物 性への重合温度の影婁 山崎聡、西口 大介、小椎尾謙、古川睦久 日本ゴム協会誌,78(12),447−452(2005) (3)熱可塑性ポリウレタンエラストマーのミクロ凝集構造と物性に及ぼすアニール 温度の影響 山崎聡、西口 大介、小椎尾謙、古刃 睦久 日本ゴム協会誌,79(1),3−9(2006) (4)Effects of Polymerization Method on Structure and Properties of Thermoplastic Polyurethanes Satoshi Yamasaki, Daisuke Nishiguchi, Ken Kojio, and Mutsuhisa Furukawa Submitted to〃左α・oノηoノθoμZθ3(2006) 一131一 も (5)Effects of Aggregation Structure on Rheological Properties of Thermoplastic Polyurethanes Satoshi Yamasaki, Daisuke Nishiguchi, Ken Kojio, and Mutsuhisa Furukawa Submitted to擁orozηoノθoひノθ3(2006) (6)Effects of Polymerizatiorl Temperature on Structure and Properties of Thermoplastic Polyurethar主e Elastomers Satoshi Yamasaki, Daisuke Nishiguchi, Ken Kojio, and Mutsuhisa Furukawa The 8th SPSJ International Polymer Conference,274(2005)。 (7)Effects of Polymerizatiorl Temperature on Aggregation Structure and Properties of Thermoplastic Polyurethane副astomers Satoshi Yamasaki, Dai由ke Nishiguchi, Ken Kojio, and Mutsuhisa Furukawa International Rubber Co孕ference(IRC)2005 YOKOHAMA full text,1−6 (2005). (8)Ef£ects of Polymerization Method on the Structure and Properties of Thermoplastic Polyurethane Elastomers Satoshi Yamasaki, Daisuke Nishiguchi, Ken Kojio, and Mutsuhisa Furukawa API Polyurethanes 2005 Technical Con慣erence&Trade Fair full test,543− 551 (2005) 一132一 その他の論文 (1)Stress−strain behavior of segmented polyurethaneureas under pure shear deformation Toshikazu Takigawa, Satoshi Yamasaki, Kenji Urayama, Masaoki Takahashi, and Toshiro Masuda Rheol。 Acta,35,288−295(1996) (2)Elastic properties of real Elastomers at small deformation T・shikazu Takigawa・Kenji Urayama・Sat・shi Yamasakil T・shir・Masuda Die Angew。 Makromol。 Chem.,240,197−203(1996) (3)Elongational behavior of Re.al Elastomers Satoshi Yamasaki, Toshikazu Takigawa, Toshiro Masuda The Pacific Conference on Rheology and Polymer Processing(PCR)94, 375−376(1994) 総説 (1)新規ホスファゼン触媒の開発 林貴臣、山崎聡、浦上頬面、昇忠仁 触媒,43(7),532−537(2001) 一133一 謝辞 本研究を遂行するにあたり、常に適切なご指導、ご鞭捷を賜りました長崎大学 大学院教授古川睦久先生に心から感謝致します。また、ご討論頂いた長崎 大学工学部助教授小椎尾謙先生に感謝致します。 本論文をまとめるにあたり有益なご意見を頂きました長崎大学工学部教授江 頭誠先生、長崎大学工学部教授相三二正先生に感謝致し直す。 また、高分子レオロジーに関するご指導、および研究者としてのお手本をご教 示頂きました京都大学名誉教授升田利回郎先生、京都大学大学院教授瀧 川敏算先生、京都大学大学院助教授浦山健治先生に深く感謝の意を表し ます。 さらに、京都大学への留学、長崎大学大学院への入学および本研究の遂行に あたり、ご理解を承り、こころよく許可してくださいました三井武田ケミカル㈱坦ケ 良彦副社長兼研究所長、天簑ポリウレタン有限公司境誠二郎総経理、三井 武田ケミカル㈱研究所工学博士阿部哲郎主席研究員、同社研究所ウレタン 原料事業部研究室上田洋室長、同社ウレタン樹脂事業部名郷卓グルー プリーダー、および森本義郎氏(元三井東圧化学㈱名古屋工業所副所長)、 浅井技術+事務所工学博士浅井清次所長}ならびに三井武田ケミカル㈱研 究所工学博士伊豆川作主席研究員に深く感謝致します。 実験の遂行にあたり、多大な協力を頂きました三井武田ケミカル㈱研究所西 口 大介主席研究員をはじめ、三井武田ケミカル㈱研究所ウレタン開発研究室 TPUチームのみなさまに感謝致します。 最後に、陰ながら支えてくれた妻富希子と成実、駿に感謝します。 。134一