Comments
Description
Transcript
ファイルを開く - MIUSE
Departmental Bulletin Paper / 紀要論文 フレッシュコンクリートの性状変化に及ぼ す温度の影響 The Influence of Temperature on the Changes of the State of Fresh Concrete 月岡, 存 Tsukioka, Susumu 三重大学生物資源学部紀要 = The bulletin of the Faculty of Bioresources, Mie University. 1995, 15, p. 19-25. http://hdl.handle.net/10076/3111 三重大生物資源紀要 第15腎:19∼25 判或7年12月11ヨ フレッシュコンクリ脚卜の性状変化に及ぼす温度の影響 月 岡 存 三盛大学生物資配学郡 The‡nrlueneeorTempera.tureonthe Cha.ngesortheStateorダresh(ブonerete Susumu Tsuiて10KÅ FaculLyorBiolteSOurCeS,MieUniversILy Abstract Theexperlimerltalstudyonthechangesofthestate orfresh concrctc was conducted. 1nthisexperimenも,も】1eもemperatureortheconcretewassettedin the threerang・eS(30∼ 330c,20∼23Qc,10∼13℃).Concrete\VaSllュixed,uSingtwokindsofchemicaladnlix山re (accelel∼ativetypeandsLandardLype). rrherollowingisthesummaryoftheI・eSult. 1)Whatdegヱ、eeもheぬnperature of’concretehaderrecton changes orslump,bleeding・ ratioandsettingtimewasdemoIIStヱ・ated. 2)1111edirferenceorchemicalad】mixturehadgreaLesterrectonsetいngtimeora11the natureof、fr(∋SilCOnCrete. 3)Thele咽もhorelapsedtimesi!1CethecollCretehadbeeilmixedhadinrlue11CeOnSulump, aircontent,bleeding,Settlngtimeandcompressivesとre咽thorconcrete. I(eywords:rreShcorlCrete・telnperatul、e・Sluml〕・Seもti咽time・ COmpreSSivestreng・抽 は,コンクリートの材料分離ができるだけ少なくなるよ ま えか き コンクリートは,練混ぜ後,時間が経過するとワ…カ ビリチーなどの性状が変化する。そのために,土木学会 うに行わなければならない。 現在,わが国では,コンクリート構造物の現場施工に 使用されるコンクリートの大部分がレディーミクストコ の示方訝〉では,コンクリートは速やかに運搬し,ただ ンクリートであり,近年,セメントがレディーミクスト ちに打込み,十分に柿間めなければならないとして,練 コンクリートに使用される剰余も世界血である㌔ この 混ぜてから打終えるまでの時間の限度の冒安を規定して レディーミクストコンクリートが工場で練混ぜられたあ いる。ところが,この時閲の限度は■■、・■・般的な目安であっ と,運搬され,打込みが完了するまでには,交通渋滞等 て,コンクリートの種々の条件によって邁抑こ対処する による現場到着の遅れや,現場作業の都合により,規定 ことが必澄であるとしている。また,運搬および打込み された時間を超過することが十分考えられる。また,練 混ぜ後のコンクリ…卜の性状の変化は、セメントの水和 平成6年10月1=甘受盟!三塁鮎馳離苗上浜=J1515 作用が化学反応によることから,コンクリートを打込む 20 月 岡 季節に大きく影哲されるものと思われる。ところで,わ 実験概要 が国のレディーミクストコンクリートをf鋸1たコンクリー トニ1二事の現状をみると,荷卸しまでのコンクリートの品 1.使用材料 セメントは普通ボルトランドセメントを使用した。そ 質は生コンクリート業者の発任,それ以後のコンクリ鵬 トについては施工米者の嚢任となっており,このことが の物理的性蘭の試験結果をT正1elに示す。紬骨材は 硬化後のコンクリート構造物に欠陥が生じた場合などに 三蔑叔雲出川魔の川砂で比蔑2.58,粗拉率2.91のもの, 問題となることがある。 租骨材は同じく雲出川魔の川砂利で比螢2、66,戯大寸 ところが,レディーミクストコンクリ岬卜の練混ぜ後 法20潤潤,租税率6.89のものをそれぞれ使用した。混和 の品質変化について楓∴艶定時間内に運搬されたコンク 剤はレディーミクストコンクリート等に融般によく用い リ押トの,荷卸し地点でのスランプや空襲駿の測定値な られており,JISA6204のコンクリート用化学混和剤 どの記録は残されることはあるが,規定時間を超過した に適合するAE減水剤の標準形と遅延形(いずれも王 ものについては明らかにされないことが多いようである。 将で主成分は有機酸系統導体)の2櫻類を使用した。 また,脱皮条件を考慮したフレッシュコンクリートの性 2.コンクリートの種類および配合 コンクリートの種類と配合ほ1−able2に示すように, 状の変化については,スランプや凝結時間など個々の特 スランプと空気恩の矧脱 水セメント比および鮒骨朝嘩 性にI媚する紺野…はみられるが,間ト・のコンクIノート を用いて練混ぜ後段時閥肇適した場合の種々のフレッシュ 各一定とする5種類である。コンクリートの単位水厳は, コクリートの性質(硬化後の圧縮強度も含む)について 練混ぜ直後のスランプを隋トペ勒淵にするために,温度に の報喜ば少ないようである。 応じて変えてある。また,混和剤の使用駿は,製造メ… カー推奨の櫻準使絹魔の範囲内で、セメント漆脇の そこで本研究は,レディーミクストコンクリ岬卜がバッ チャープラントで練混ぜられ,トラックアジチーターで 0.25%である。 現場まで運搬される場合を想定した室内実験により,フ 3.実験方法 レッシぶ∴コンクリートの性状変化に及ぼす温度ならびに コンクリートの温度は,畿中と寒中およびその中間期 使用混和剤の影轡について明らかにし,練混ぜ後,艮時 におけるレディ岬ミクストコンクリートの離脱ぜ,運搬 間経過したコンクリートの問題点などについて検討しよ および打込みを想逢し,次の3稀根とした。 うとしたものである。 ・高温期:30∼33℃ rrablelPhysicalf汀Opertiesorcemenも 凝結(時:分) 種 類 ‡比 蔓 71ヨ i26日 普通ボルトランド憂 3.i6 ′rable2 Mjxpropoェ、tiorlSOfcollCrete スランプ 空無感 の範囲 の範閉 (cJn) 桝形ぎ12±1・5 l巨霊慧芸;琵 ・−∴. 12:套1.5 12±1.5 12:ヒl,5 ・:・≡・ −・、 月三縮強さ(MPa) 12=ヒ1.5 (%) 水セメ ント比 1V/C(%) フレッシュコンクリ…卜の性状変化と温度 21 ・礫準期:20∼230c 実験結果および考察 ・低温期:10∼130c (1)コンクリートの練混ぜ コンクリートの練棍ぜは,8月(高温期),10月 1.フレッシュコンクリートの性質 (1)スランプと空気蜃の経時変化について (機準期)および12月(低温期)に可繊式のミキサを 使用して実験箋内で行った。ミキサには回転速度竃磯 Fig、.1は,雛混ぜ後,ミキサ内で低速酬広されたコ ンクリートのスランプの測定結果を示したものである。 節できる変速機が取り付けてあり,各配合ごとに1バッ スランプの砥は,時間の経過とともに対数目盛でほぼ チ75∼110ゼを高速(60回転/分)で約3分間で練 敵組的に低下することがわかる。スランプ低下の割合 混ぜた後,薗ちに,後に示すコンクリートの試験と試 はコンクリート温度の高いほど大きく,練蘭ぜ直後に 料の採取を行った。ミサキ内の残りのコンクリートに 12cm程度のスランプが,たとえば土木の一般構造物 ついては,ミキサ輩(トラックアジテ一夕)を想定し, 用としてよく用いられる5c別になるのは,およそ高温 水分の未発を防ぐためにミキサの投入口に蓋をして, 期で100分,梗準灘で120分,低温購では180分経過 低速(6回転/分)で,練混ぜ後,盛大3時間30分 後になる。コンクリート櫻準示方詔では,練混ぜてか までミキサを回転させた。低速回転の間,所定の時間 ら打終るまでの時間を,原則として外気温が25℃を にミキサを血一時止めてコンクリ…卜試料の採取と試験 超えるときで1.5時間,250C以下の噂で2時間を遇え を行った。 てはならないと規定している。今回のスランプの測定 (2)コンクリートのスランプと空気厳の試瀾 コンクリートのスランプと空気嵐試験は,錬混ぜ麗 結果からみると,この規定は,高温期と機準期では納 得できるが,低温期ではもう少し時間に余裕を与えて 後とコンクリ…トの温度に応じた所定の時間ごとに, もよいのではないかと考えられる。次に,遅延形の温 それぞれ,JISAllOlとJISAl】28により実施した。 和剤を使用したコンクリートは楼準形を用いたものよ (3〉 コンクリートのブリージング試験 プリージング試験は,練混ぜ緻後と雑混ぜ後90分 りスランプ低下がやや小さい傾向は見られるがその差 は小さい。したがって,本実験に用いた遅延形混和剤 のコンクリートから試料を採取して,JIS Al123に は,その使用駿を増加するなどしないかぎり,スラン より実施した。 プ低下防止のための対策としてはあまり期待できない (d)コンクリートの凝結時間試験 と思われる。 コンクリートの凝結時間試験ほ,JIS A6204の附 属沓1の規定に従って,油圧式の質入試験装置を使用 Fig・.2は,同様に空気厳の測定結米を示したもので ある。コンクリートの温度または種類により空気駿の して行った。試験体(¢15×15cm)は,コンクリー いて,各条件ごとに3個ずつ作製した。脱型後の供試 体は,すべて材令28日まで棲準水中養生し,JIS A llO8により強度試験を行った。 S R S R S H H S S L 圧縮強度試験用の円柱供試体(¢10c耽)は,練混 ぜ抵後と練混ぜ後3時間までのコンクリ【ト試料を用 こ‥二+一、 ◎完 鶉姦 O ◎ ロ ロ ム 接触した時刻を基準(経過時間0分)とした。 (5)コンクリートの圧縮強度試験 2 が8∼100cであった。また,セメントが水と最初に ニー∴ 4 なお,凝結時間試験のみ低温期のコンクリートの脱皮 6 入抵抗値が5M】つaを越えるまで質入抵抗を測定した。 ︵憾癒表慧棋︰買こゝ∵八椚代 板でふたをして作製した。試験は恒温室内で行い,質 4208 111 トを5胴ふるいでふるったモルタルを試料として用い, 各配合ともに2偶の金属製の円筒容器に詰め,ガラス 言 0 30 60 90 120150 180 210 低速回転の経過時間 弼乃) yig.1RelaもionbetweenslumporconcreもO andelapsedtime. 月 岡 ココ 存 減少する時刻は異なるようあるが,練蘭ぜ後150分経 7 過すると,コンクリートの空気駿は1%程度減少する。 5 幽ご塀邸 (1nぜ当り10β)に相当する大きさである5)。さらに, 適度の空気駁の確保は,とくに,賀も象作用に対する耐 ︵摂 ︶ コンクリートで一般に行われている容概の割増し′駁 だU この1%の空気恩の値(減少)は,レディーミクスト バり. 久性を要灘されるコンクリートでは東要である。した がって場合によっては,このような空気駿の減少を見 3 込んだコンクリートの配合も必要になるものと考えら 2 れる。なお,練混ぜ波後(経過時間0)の空気駿は, 30 60 90 120 150 180 低速回転の経過時間(如り 高温期に械準形の混和剤を使潤した場合,コンクリー yig.2 RelatiorlbeもWeenaircontentor ユ HSが他のコンクリートの空気駿より小さい。これは, oorlCreteandelapsedtinle. ト申に空気が混入しにくいことを示すものではないか 0 と思われる。 トのスランプと空気敬の測定結果を比較したものであ る。ただし,静置したコンクリートは各試験の緻紬こ プリージング水を含めて練直しを行った。両図より, 練混ぜ後の経過時間が貴くなると,低速回転されたコ ンクリートのスランプの低下と空気魔の減少がともに ︵囁皿森夜︰琶︶トヽかぺ Fig.3,Fig,4は,練混ぜ後,ミキサ内で低速回転 したコンクリートとi割振させないで静置したコンクリー やや大きくなる傾向はみられるが,低速回転をしても 0 30 60 90 120 150 180 210 静置しても,コンクリートは同じようなスランプと空 経過時間 梱り 気麹の経時変化を示すことがわかる。このような,ミ yig.3 RelaとionbetweellSlumpoI■concrete キサ各低速回転した場合と静置の場合のスランプと空 andelapsedtime. 気麹の変化の比較では,高性能減水剤を用いたコンク (0ニlowvelociLyrevolutionormixel,, リートについて,長滝3)も本実験と同じような結果を ⑳:StillsLanding) 報督している。ところが,明石¢)は,練混ぜ後に放置 2 (2)プリ・−ジングについて ‰−≠叫−∼−−_ ◎∼◎叫◎ ニニ冨ニ つU のではないかと考えられる。 嘲・躾翻 グ水など,コンクリートの材料の分離が影関している ○ 4 としては,おもに放置したコンクリートのプリージン ︵故︶ よりスランプ低下が大きかったとしている。この原‡表 5 したコンクリートのスランプは練返したコンクリート ニ芯コL◎ ○低速回転 梯準靭:SS ◎静 置 Fig.5は,練混ぜ政後と練混ぜ後90分(ミキサ内 である。コンクリw卜の脱皮が低いはどプリージング ∧U ジング率と試料採取後の経過時間の関係を示したもの 1 で砥遇瀬】転)経過後に採取したコンクリ岬卜のプリー 0 30 60 90 120 150 180 経過時間(緬) Fig.4 Relationbeもweenaircontentof 率は大きく,また,プリージングの終る時間が遅くな COnCreteandelapsedtime. る。最終のプリージング率は,高温期では低温期の半 (0:lowvelosity】1eVOlutionorIⅥixer, 分以下,櫻準期では低温鐸】の2/3程度である。これ ◎:Sもillstandingう フレッシュコンクリ…卜の性状変化と温度 らは温度によるセメントの水和反応の活発さの程度を 渦潮(この場合,8∼100c)では1馴時間程度であり, 表していると考えられる。なお,大塩ら7)の普通ボル 温度が低くなると急激に良くなる。また,高温期に遅 トランドセメントを用いたコンクリートのプリージン 延形混和剤を使用した場合の凝結時間は,櫻準期に機 グ試験の結果と比較すると,温皮が砥いほどブリージ 準形混和剤を用いた場合の凝結時機に近い櫨を示して ング率が多い傾向は同じであったが,温度の違いによ いるなど,混和剤の種難がコンクリートの取結時閲に るプリージング率の差は本実験の方が大きい。この理 影響している。なお,標準j鋸こ遅延形の混和剤を用い 由は,おもに紬骨材の桧皮などの違いによるものでは ることは,機準形使用に比べはるかに少ないと考え, ないかと考えられる。 SRのコンクリートの凝結時間試験は省略した。 Fig・.7は,高温期におけるコンクリート試料の採取 次に,コンクリートの採取時期の違いでは,90分 経過後のものは練混ぜ緻後のものの25∼40%程度の 時凋の遠いによる質入抵抗の大きさを示したものであ 最終プリージング率の大きさである。これほ,ミキサ る。ミキサ内で120分間低速回転されたコンクリート の低速回転ヰの水和作用のためにプリージング水が少 の凝紺辱閥は,練混ぜ直後に採取したものより短く, なくなったものと考えられる。なお,高温期のコンク とくに,遅延形の混和剤を使用した場合は始発時憫で リート(Fig・.5)では,高温拶=こよく位相される遅延 1日引綱程度の差があり鋸着である。低速回転されたコ 形混和剤使用のHRとしたが,練混ぜ後90分経過後 ンクリートの凝結が早くなる原因は,ミキサの回転に に採取したHRとHSのコンクリートのブリージン よる水和反応の促進のためと考えられ,このことから, グ率曲線はばぼ同じであった。 運搬時聞の良いコンクリートの打込みに】賢しては,コー 山般に,プリージングが多いとコンクリートが多孔 質となり,強度、水密性烏よび耐久性に恋い影轡を及 ぼすといわれている。この点からみると,レディーミ クストコンクリートでは,低温糊で運搬時間の短い場 合が般も不利であるといえる。 ルドジョイントの防止等の点からより迅速な施二】二が望 まれる。 2.コンクリートの圧縮強度 Fig・.8は,練混ぜ蔭後を0分とし,低速回転を受けた コンクリートの試料採取時刻と材令28【‡】強度の関係を 示したものである。図より,コンクリートの温度および (3)凝結時間について Fig.6は,練混ぜぬ後に採取したコンクリートの斑 入抵抗と練混ぜ後の経過時間の関係である。コンクリー 種類に牒】係なく,採取時刻の遅いコンクリートほど圧縮 強度が大きい傾向のあることがわかる。たとえば,試料 トの凝結時間は,たとえば,橡準形混和剤を用いたコ 採取時刻が】20分のコンクリートの圧縮強度は,練蘭ぜ ンクリ…卜の始発時憫(質入抵抗:3.43MPa)で比 政後に採取したものの1.08∼1.31倍である。このおも 較すると,高温掴では5時間,橡灘灘では7時間,低 な原因としては,前述のように,ミキサ内で長時間低速 .4− (試料採取時) ■ 8 .4 100 200 300 400 500 600 700 経過昭一粗(蜘) Fig.5 Bleeding・OrCOnCrete. 2 _ 3 6 ∴二 d一 ノ ロ/0 5 0 絡ゝ∴n−へ■ト ム/ ム′ ︵£稟︶媒遇Y呵 2 ︵故︶ ム ′ ∴ ム′ 6 /ムームLS:緋混ぜ蔽後 ム/ 23 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 経過時間(h) Fig.6 PenetraLioIlヱ、eSistanceofconcrete. 24 月】河 存 回転を受けたことによるコンクリートの空気燦とプリー さいのは,水セメント比が等しいことと材令28日まで ジングの減少の2つが挙げられる。仙磯に,コンクリー 機準水中寒生したためであると思われる。なお,運搬時 トの豊艶陰が1‰増加するとほ鮒強度は5%程度減少す fぞ星′ヨの艮いレディ…ミクストコンクリートの圧縮強度の試 るといわれている郎。また,採取時刻の遅いコンクリー 験データほほとんどみられないが,池闇らは,練上げ麗 トはプリージングが少ないために,硬化彼のコンク1ノー 彼のコンクリートと艮時間運搬したコンクリートの圧縮 トの内部がより密実になったものと考えられる。ここで, 強度聞に差がないか運搬によりやや強皮が増加したと報 督している㌔ 温度等の異なる5椰類のコンクリートについて,練混ぜ 蔭後に採取した試料で作製した供試体の強度間に差が小 以上のことから,きモ縮強度の点からみると,運搬時間 の長いコンクリートの方が練混ぜ麗後のコンクリートよ り有利であるといえる。 (試料探取時) DヱS:練混ぜ麿後 ′ ム あ と か き ′/ 分 △ / ムHR:練混ぜ後120 漕 ムHR:練混ぜ感後 0分 ︵d鶏冠︶霊婁Y転 臼HS:梯混ぜ後12 レディーミクストコンクリートを想定した,フレッシュ コンクリートの性状の変化に及ぼす温度と使用混和剤の △ ム′ ′′/ 一 分 / 分 ム 高温期 種類の影響について,実験で得られ結果をまとめると以 下のようである。 1)コンクリートのスランプは,経過時閥とともに対数 目盛りでほぼ直線的に低下し,この場合の低下の割合 は温度の商いほど大きかった。また,スランプの低下 100 0 200 300 経過時間(裾ぬ) Fig.7 PenetraもまonI・esistanceofconcrete underconditionofhighもemperattlre. に及ばす混和剤の種類(棲準形と遅延形)の影響は比 較的小さかった。 2)コンクリートの空貿も厳は,温度と混和剤の種類に関 係なく,練混ぜ政後より150分経過後でほ1%程度減 少した。 3)コンクリートのプリージングは温度の高いほど少な ︵虎勘繋︶触感諜出Q芯∞N¢葦 く,高温期(30∼33℃)のプリージング率は低温期 (10∼13℃)の半分以下であった。また,練混ぜ後 90分経過した試料のプリージング率は練混ぜ直後の 試料の25∼40%程度であった。 4)コンクリートの凝結時間は脱皮の影響を大きくうけ, とくに,温度が低い場合はコンクリ岬トの凝結が非常 20 に遅れた。また,混和剤の種類とコンクリート試料の 採取時刻が粛結時間に影響した。 10 5)コンクリートの28日強度は,温度や使用混和剤の 椰難にはあまり関係がなかったが,練混ぜ後の経過時 間の良いはど大きい傾向が認められた。 0 30 60 90 120150180 低速回転の経過時間(油) Fi軌8 Relationbetween28−daystrengt】1 andmixing・time. 」こ紀のことから,荷卸しまでのレディ岬ミクストコン クリートでは,とくに,スランプの低下と空気鼠の減少 が問題であることがわかった。このうち,スランプほ温 度に大きく影響されるが,混和剤の種類(遅延形)では フレッシュ∴コンクリートの性状変化と温度 スランプ低下防止の対策にならないものと考えられた。 編).土木学会,71叫83(まg91). また,空気蒐減少の対策としては,温度にかかわらず, 2)武直隠 レディーミクストコンクリート技術の現状と将来 あらかじめ練成ぜ直後の空気腰を多め(もちろん,J!S 展望.土木学会論文集,4gO:ト13(1994), 3)たとえば,長織成教.i馬性能AE減水別の現状と課胤 コ の許容矧謝内でもある1%以内)の配合にしておくのが よいと思われる。 ンクリ…卜1二学.28(6):5仙15(1990). 4)たとえば,仕入豊批 地濃茂組 コンクリートの凝結徽化 次に、施工業者の変圧となる荷卸し後のコンクリート では,練混ぜてから打終えるまでの時間の長いコンクリー トは,硬化後の圧縮強腰に関してはむしろ技所となるが, 殻総時間がいちばん問題となる(とくに,高温潮などで はブリージングが少ないことによる表面乾燥の問題も加 わる)。このための対策としては,荷卸し後のコンクリー トの効率のよい施工はもちろんであるが,遅延形の混和 剤使用の効果が大きいと思われる。 に及ぼす温度灸件の影響.日本建築学金言余文相皆集313: 1m‖(1982). 5)全国生コンクリート工業紙合連合会編.生コン工場品質周 期ガイドブック.薫球数生コンクリート工衆組合連合会.139− Ⅰ48(1992). 6)岡阿漕,六灘魔魔.コンクリート工学ハンlさブック.朝食 嚢挙ば,276仙278(1981), 7)大塩呪JL‡嫡満弘 曽根徳明.各種センメトを用いたコン クリートのヨ妄ぢ礎的渚性貿.セメント技術年報,42:180血 183. 8)たとえば,小林山輔.戯斯コンクリート工学(節2版).森 謝 辞 本研究の実験はまに平成5年度に行ったものであり, 三東大学生物資源学部土木材料・施工学研究塞の当時の 専攻学生であった河辺努,鼠郎智裕,杉山広幸の諸君に 多大のぬ力を得た。また,竹本油脂㈱より実験材料(混 和剤)を提概していただいた。記して感謝の恵を表する。 要 約 レディーミクストコンクリートを想定したフレッシュ コンクリートの性状の変化に関する室内楽験を実施した。 実験では,コンクリートの温度条件を3種類(30∼33 0c,20∼230c,10∼13℃)に設定した。また,コンク リートには2種類の温和剤(機準形と遅延形)を使用し た。そ・の級乳 次のことが明らかとなった。 1)コンクリートの温度が,スランプの変化 プリージ ング率,凝結時間に影轡を及ぼす程度を示した。 2)混和剤の種類は,フレッシュコンクリートの性質の 中では凝結時間に蔑も影響を及ぼした。 3)コンクリートの練混ぜ後の経過時間の長さが、コン クリートのスランプ,空党旗,プリージング,凝結時 間および圧縮強度に影響を及ぼした。 文 献 1)土木学会嫡.コンクリート標準示方額(平成3糾坂・施工 北出版,62m66(1988), 9)前出5),265 25