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皮膚の弱い子のための スキンケア
のスキンケア 3 )アトピー性皮膚炎児のスキン ケア 4 )おむつかぶれのできやすい子 のスキンケア 皮膚の弱い子のための 2 )病気などで入浴できないとき スキンケア 1 )入浴のポイント 皮膚は身体の一番外側にあって、いろいろな外からの刺激に対 して身体の内部を保護しています。また、皮膚の表面につくられ た汗や脂(皮脂)は、膜を作ってバイキンが発育しにくいように 働いています。このような皮膚の働きがスムーズに行なわれるた めには、普段の生活においてスキンケアに注意して皮膚を清潔に 保って、皮膚本来の役割を発揮させることが大切です。子どもと くに赤ちゃんは、皮膚の一番外側の死んだ部分(角層)が薄くは がれやすく、また汗や脂がでやすいため皮膚が汚れやすく、汗や 脂がつくられる出口を塞いでバイキンが繁殖したり、体温が必要 以上に高くなりがちです。そこで日常生活における赤ちゃんのス キンケアのうち、とくに大切なポイントについてお話しします。 −1− 1) 入浴のポイント 一般的なこどもの入浴の目的は、暖まるというより皮膚を清潔 にすることです。このためお湯の温度は38〜39℃くらいの大人の 適温より少しぬるめで、 5 〜10分で切りあげる程度でかまいませ んし、石鹸も普通の石鹸で結構です。むしろよく洗い流すことの 方が大切です。 赤ちゃんは皮脂が出やすく、とくに頭髪は不潔になりやすいも のです。乳幼児用の刺激性の少ないシャンプーや石鹸を使い、洗 髪したあとはすすぎを充分して洗剤が残らないようにしましょ う。ヘアリンスは、シャンプーによって除かれた毛髪表面の皮脂 のあとを包み、毛髪の外側にあるキューティクルをスムーズにす るのが主な作用ですので、赤ちゃんの場合は頭皮からの皮脂が出 やすいため必ずしも使用する必要はありません。 −2− 以前は入浴後に首、わきの下、股間部などに主にアセモの予防 のためパウダーがよく使われていました。現在では、皮膚自体に ある自浄作用(自分できれいにしようとする作用)に期待して、 特別の場合を除き使用されなくなってきています。 入浴後に耳の穴周辺を綿棒などで水分を拭き取りましょう。耳 の穴にミミアカがみられれば取り出します。ただしキズをつけた り、奥の方に押し込んでしまうことのないよう、身体の動きが激 しいときや、奥の方にある時は無理にとるのはやめましょう。ま た、耳には自浄作用があるので、定期的にミミアカを取る必要は ありません。鼻汁は綿棒で取出し、固くなってはがしずらいとき は、オリーブ油で軟らかくしてからとります。入浴後に目を拭く ときは、消毒綿でまぶたを軟らかく拭き取り、左右の目は別々の 消毒綿を使います。 −3− 2) 病気などで入浴できないときのスキンケア お湯で絞った熱めのタオルで身体を拭きましょう。特に汗をか きやすい頭、顔、わきの下は念入りにします。おむつかぶれので きやすい陰部、臀部は洗面器にお湯をはりその内につけて洗いま す。 3) アトピー性皮膚炎児のスキンケア スキンケアでは皮膚を清潔に保つことが一番大切です。アトピ ー性皮膚炎の患者さんに以前は入浴を制限し、石鹸の使用を禁止 していたときもありましたが、現在ではこの 「 清潔に保つ 」 ため に入浴をすすめ、石鹸で洗う(ただし、柔いタオルをつかってあ まり強くこすらない)ことが良いとされます。乾布まさつを含め て、ナイロンタオルやブラシでこすることは、皮膚の一番外側に −4− ある角質の機能が低下し、皮脂を必要以上に取り除いて乾燥がひ どくなるため奨められません。石鹸の種類には気をつける必要は 無く、普通の石鹸でかまいません。熱いお湯に長く入ると痒みが ひどくなり、皮脂が少なくなるのでやめましょう。むしろシャワ ーだけで洗う方が清潔でいい場合もあります。石鹸は手で泡立て て顔や擦れる部分を洗います。外人がよく使用するバスバブルは やめましょう。次に大切なのは夏の発汗と冬の乾燥を避けること です。汗をかいたらすぐシャワーなどで洗い流し、吸湿性のよい 通気性のある木綿の肌着を着せて、汗のついた肌着を取り替えま しょう。また、身体にぴったりしたものでなくゆったりとしたも のを着せましょう。 また、皮膚をしっとりさせることも大切で す。もともとアトピー児は皮膚がカサカサです。けれども鼻の周 囲はアトピーの症状がでません。これは鼻の頭から皮脂がでて、 常にしっとりの状態になっているからです。つまり全身がしっと −5− りになるようにすればよいのです。ただしこのことは、単なるス キンケアをこえてクスリのことになりますし、 また個人個人に よっても違うのでかかりつけ医を受診する必要があります。 4) おむつかぶれのできやすい子のスキンケア 排泄(排尿、排便)のたびにできるだけ頻回におむつをとりか えましょう。そして、取り替えるたびに皮膚を微温湯で洗い、乾 燥させましょう。排泄物のついた陰部や臀部は、布でぬぐっただ けでは清潔になりません。排泄物を軟らかい布または紙で取り除 き、そのあとを濡れたウエットティッシュなどで清拭します。お むつと皮膚と接触する部分とくにおむつの端はお腹や太ももの皮 膚と擦られたり、またよく肥えた赤ちゃんの場合など股間部の皮 膚同士の摩擦により皮膚が赤くなることがありますので注意が必 要です。 −6− 愛 媛 県 愛 媛 県 医 師 会 愛媛県小児科医会 〒790-8585 松山市三番町4−5−3 ☎089−943−7582