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自動車部品業界における 「e-かんばん」の展開と かんばん」の展開と
生産管理/EDI研究会 研究会フォーラム 生産管理 研究会フォーラム、 フォーラム、2013/9/23 自動車部品業界における 「e-かんばん」の展開と かんばん」の展開とIT化 かんばん」の展開と 化 黒岩惠 ([email protected]) 一般社団法人「持続可能なモノづくり・人づくり支援協会(ESD21)」会長 NPO法人「ものづくりAPS推進機構(APSOM)]理事長 九州工業大学大学院情報工学研究院客員教授 www.esd21.jp 創設の狙い ・中小中堅製造業、ソフト業界の支援 ・TPSとIT(情報技術)のシナジー ・「三方よし」の理念実践による 持続可能な社会づくりに貢献 ・参加者の生涯現役、QOL “TPSと とITのシナジー のシナジー” のシナジー”による企業競争力 ビジネス活動とは「人間系(TPS)・機械系(IT)による、情報加工/生産 のプロセス」をとおして、お客様が満足(CS)する価値を創る活動 TPSの本質は、顧客視点のビジネスプロセスの流れの構築。 そのためにムダを削除し、“改善できる人づくり”にある 顧客満足・価値(CS/CV)づくり 入力 人 モノ 金 情報 情報の処理・加工・伝達 (設計図/決済書/生産情報 など、情報の流れ) 生産 (モノの流れ) QCD (Quality, Cost, Delivery) CS=Customer Satisfaction CV=Customer Value 出力 質・量・コスト・タイミング CS/CVの増大 人間系(TPS)・機械系(IT) オフィス業務 =人間系+機械系(コンピュータ) 生産現場業務=人間系+機械系(ロボット化/自動化) TPS IT ものづくりとトヨタ生産方式(TPS) ものづくりとトヨタ生産方式( ) TPS/Lean/Agile方式は業種業態を超えた競争優位のビジネスモデル 1970 ’37 トヨタ創立 1990 NUMMI 2000 2010 伝統的TPSからの脱皮 ’78 トヨタ生産方式出版(大野) ’83 トヨタ生産方式出版(門田) トヨタ 生産方式 の発展 リーン 方式の 発展・展開 (US,海外) 1980 ’85~90 Visit of Japanese industry from US ’03 The Toyota Way (Liker) ’90 The machine that change the world (Womack) リーン方式がUS から世界に普及 Made in America TPSを起源とした 手法/コンセプト 6Sigma, ECR, TOC リーン方式が多業種に 普及 Agile software process TPSと情報システム( と情報システム(IT)の融合 と情報システム( )の融合 ・伝統的TPS(人間情報処理システム)はITで進化 ・現在、TPSは“トヨタウェイ”としてトヨタの全部門へ <80年代前半> 本社 生産工場 IT TPS 人中心の日本的管理 人中心の日本的管理 <90年代~> <現在> IT IT TPS 人間系(TPS) と機械系(IT) 技術(IT)中心 技術( 中心の欧米的管理 中心の欧米的管理 -結果指向 結果指向 -プロセス指向 プロセス指向 イノベーション ・経営管理の融合 -イノベーション -改善 改善 -創造 創造 -協働 協働 ・良いとこ取り ・人種の“るつぼ” ・単一民族 -クローズ クローズ -オープン オープン の経営へ ・狩猟文化 ・農耕文化 -固定化 固定化 -フレキシブル フレキシブル ・「要求、自己主張」 ・「和」や「道」 (マニュアル)・形式知 ・暗黙知 TPSを支えてきた機械仕掛け を支えてきた機械仕掛けの生産指示装置例 を支えてきた機械仕掛けの生産指示装置例 80年代初までのトヨタの現場で多用。[電気仕掛け装置は見えない」として、TPS指導者、 現場スタッフ中心に知恵と改善で機械仕掛の装置を工夫。これがトヨタの改善文化?? お客様の引き( PULL) )による流れの構築 ビジネス活動(生産システム)のあるべき姿、ありたい姿とは何か? ・お客様のPULL ・QCDの向上 ・平準化 ・同期化 ・流れ化 ・小ロット化 流れをつくるための改善ステップ お客様の引きに応じた「おおまかな流れ」をつくり、改善する。 ①大まかな流れをつくる ⇒ ②強い流れをつくる ⇒ ③正確な流れをつくる ⇒ ④管理された流れをつくる 車両組立工場 部品、ユニット工場 かんばん 部品組立 ライン 出荷場 部品 置場 部品受入 部品 置場 車両組立 ライン かんばん方式による Pull System ・お客様(次工程)の引き(Pull)による作業(運搬、生産) ・かんばん方式は次工程の引き(Pull)による連続した流れを実現 一般的なビジネスプロセス : Push Process Push 中間在庫 ボトルネック スペース 指示装置から各工程へPush情報 工程1 工程2 工程 工程3 工程 工程4 工程 指示装置 待ち時間 個々のペーパークリップがバリューチェーンにおける お客様のPush それぞれの仕事のプロセスとイメージ トヨタ生産方式(TPS) トヨタ生産方式( ): Pull Process ボトルネックを無くす 仕事に流れをつくる 作業場所を小さくできる お客様の引き 品質は向上する 後工程のかんばんのPull情報 工程1 工程2 工程 工程4 工程 引取りかんばん Customer Pull 工程3 工程 お客様のPull 後工程のPullによる「かんばん方式」 後工程の による「かんばん方式」 Process 注文(Push) Process Process 注文(Push) <MRP(Push)> 注文(Push) モノの流れ 情報の流れ 情報システム 注文(Pull) 注文(Pull) 注文(Pull) Process Process Process <Kanban(Pull)> 内示(Push) 情報システム 内示注文; 情報システム(MRP) によるPush、確定注文; かんばんによるPull 部品発注の量 (Forecast, Real) 内示 (Push) かんばん(実需) (Pull) Time (Month) 9 “かんばん”を外す 90年代初のかん 年代初のかんばん情報の電送 年代初のかんばん情報の電送 ・人間系中心の 「かんばん方式」は情報技術で進化 ・人間系中心のTPS,「 かんばん方式」は情報技術で進化 ・九州、北海道の遠隔地工場でのトライと評価の後に 九州、北海道の遠隔地工場でのトライと評価の後に 三河地区にTOPPSというシステム名で というシステム名で展開 三河地区に というシステム名で展開 TMK TMH KN岩手 TOPPS =Toyota Parts Procurement System パーツ メーカ かんばん 振出装置 かんばん 電送かんばん トヨタ自動車 北海道 T/M生産 生産 かんばん 電送かんばん 上郷集荷センター (KCC) パーツ メーカ 電送かんばん かんばん トヨタ ユニット工場 かんばん トヨタ自動車 九州 本社地区 車両工場 完成車生産 関東自動車 岩手 完成車生産 伝統的かんばん方式とTOPPSの模式図 伝統的かんばん方式と の模式図 伝統的かんばん方式 (生産実績による外れかんばん) TOPPS (e-Kanban) 組立ラインの深度と進度を反映 した確定オーダによる部品展開 納入指示 かんばん枚数、 発注タイミング決定 かんばん枚数、 発注タイミング決定 Po 車両オーダ ±⊿Pc 外れかんばん 外れかんばん ±⊿Pc 生産計画 Pv 生産計画 かんばん枚数計算 かんばん枚数計算 部品展開 部品展開 Pi= Po± ±⊿Pc Pi= Pv± ±⊿Pc お客様 Po 実績 Pi 納入指示 車両オーダ 販売店 組立ライン 部品仕入先 お客様 販売店 組立ライン 部品仕入先 Po 実績 Pi トヨタの1次サプライヤから EDI開発の提案 開発の提案 トヨタGの優良部品メーカ、小島プレス工業《株)が、 RFID付き,「リライトかんばん」によるEDIの開発提案 ホンダ、三菱、マツダ 自動車メーカー 自動車メーカー OEM独自EDI⇒EDIFACT トヨタ 自動車メーカー デンソーなどトヨタ 以外に取引のある 会社は、発注先の EDI標準に対応。 業界での標準化要 デンソー 自動車部品 大手メーカー 1次サプライヤ 自動車部品 大手メーカー 自動車部品 大手メーカー メーカー独自Web-EDI 2次サプライヤ 自動車部品 メーカー 自動車部品 メーカー 自動車部品 メーカー 自動車部品 メーカー 一部メーカー独自EDI、電話・FAXが主流 3次サプライヤ 中小 協力会社 中小 協力会社 中小 協力会社 中小 協力会社 中小 協力会社 対象範囲 <将来像> <開発の基本方針> 1.ソフトはオブジェクト指向のフレームワーク構造とする。 2.フレームワークは他の業界にもオープンにすること。 3.アジャイル型のソフト開発手法の採用。 業界共通EDIによる中小中堅のIT化促進 業界共通 による中小中堅のIT化促進 1995年 CALS/EC <関係団体、プロジェクト> 2000年 2004年 ECOM COXEC 電子商取引推進協議会(ECOM) 電子商取引推進協議会( 経産省(ECOM/COXEC) EDI標準化、普及活動 (独自EDIの規制) BM:ボデーメーカ 2008年 ビジネスインフラ 研究会 部工会(デンソー)P 小島プレス組合P JNX共通EDI トヨタWG-共通EDI 業界団体(JAMA/JAPIA)、自工会方針として ・1次サプライヤ以下でのEDI利用促進 ・中小企業も受発注データの活用(IT化) PM: パーツメーカ これまでの受発注のEDIの課題 (1)管理工数大 e-かんばん かんばん(2000年代初一本化) 年代初一本化) かんばん ・紙ベースの手作業 ・多端末、多画面対応 (あるPMでは20画面) (2)個別データフォーマット 独自Web-EDI,FAX,帳票などバラバラ のため、自社システム などとのI/Fコスト大 CALS/ECとは とは CALSは は、1985年に米 年に米DOD(国防総省)で提唱。 (国防総省)で提唱。Continuous Acquisition 年に米 (国防総省)で提唱。 and Life-Cycle Support(継続した調達とライフサイクル支援)の (継続した調達とライフサイクル支援)の意味。 (継続した調達とライフサイクル支援)の意味。 企業間の電子商取引、電子ビジネス( )と同義で扱われる。 企業間の電子商取引、電子ビジネス(e-Business)と同義で扱われる。 の電子商取引、電子ビジネス( EC( (Electronic Commerce=電子商取引)とは、 電子商取引)とは、 『全ての経済主体が様々なコンピュータネットワークを用い、 全ての経済主体が様々なコンピュータネットワークを用い、 あらゆる経済活動を行うこと。』 あらゆる経済活動を行うこと。』 設計開発/製造/広告/商取引/決済 (95,通産省) 企業間EC( (CALS) (BtoB) B) PAPER FLOW 企業・消費者間EC (BtoC) (B C) DIGITAL FLOW Çr Çs Ç` Çm Çc Ç` Çq Çc Çr 紙による伝達 電子データ交換 SHARED FLOW INTEGRATED DATA BASE データ共有 EDIの現状と課題 EDIの現状と課題 グローバル化進展の中で、我が国だけがガラパゴス にならないために、EDIも標準の遵守は必須 2013年4月4日(木)日刊工業新聞 関係資料は以下からダウンロード可 http://www.toyotawg-edi.info/html/dl_top2.rhtml トヨタ系部品メーカの企業間商取引、現状 トヨタWG共通EDIのホームページより トヨタ系部品メーカーの取引構造 各社独自のEDI、 各社独自の 、帳票を利用することによる問題点 http://www.toyotawg-edi.info/html/edi.html トヨタWGによる共通 による共通EDIサービス トヨタ による共通 サービス トヨタWG共通EDIのホームページより トヨタWG共通EDIとは トヨタWG共通EDIのシステムイメージ ESD21の 支援範囲 ESD21の 支援範囲 http://www.toyotawg-edi.info/html/edi.html JNXセンターも「 センターも「JNX共通 共通EDIサービス」を開始 センターも「 共通 サービス」を開始 ■「JNX共通EDIサービス」を開始いたしました(2013.2.1) 一般財団法人日本自動車研究所 JNXセンターは、2013年2月1日より、「JNX共 通EDIサービス」の提供を開始いたしました。 本サービスは、紙・FAXでの部品の発注/受注業務の EDI (Electronic Data Interchange、ここでは自動車部品の電子商取引を指す)化や、既にEDI化されて いる環境における複数の取引先との多端末、多画面などの問題解消を目指し、 JNX上に業界共通基盤として、主に中小企業向けに提供するJNX上の専用サー ビスです。 詳細はこちらをご覧ください。 トヨタ WG共通 共通 EDIの導入 の導入 トヨタWG共通EDIのホームページより 生産マネジメントのシステム例と普及 製造業は「売り,買い、造り」。「売り、買い」がEDI化されると「造り」EC/IT化される 中小中堅製造業(50~200人)の「造り」すなわち生産情報ステムをOSSとして普及。 あるいはフレームワークを開発し、トヨタGのTier1,2,3にOffice程度の廉価で提供。 売り 造り 秋山さんの提案例 買い どのタイミングで生産を開始するか ビジネスモデルで競合他社との差別化 注文対応形態 在庫販売STS Ship to Stock 部品 開発 部品 調達 原材料 加工 最終 組立 ▼ リードタイム リードタイム ▼ ▼ Configure to Order 半製品 ▼ 受注加工組立BTO 価格 納期 リードタイム 受注仕様組立CTO 部品要望への対応 部品要望への への対応 最終製品 半製品 リードタイム 部品 Build to Order Engineer to order ▼ 最終製品 Assemble to Order 受注設計生産ETO 短い 難しい 安い ▼ 受注組立ATO Make to Order 流通 在庫 出荷 輸送 ▼=ストックポイント 見込生産MTS Make to Stock 受注生産MTO 価値観 への対応 ▼ リードタイム 在庫なし (長納期部品のみ) リードタイム 長い 容易 22高い なぜ、「e-かんばん」展開がIT化を促進するのか なぜ、「 かんばん」展開がIT化を促進するのか 「e-かんばん」の導入で、ITに強い一次メーカ(Tier1)は、生産情報システム という名称で、「仕掛けかんばん」相当のIT化「生産マネジメント」展開。 トヨタと Tier1の「e-かんばん」に続いて、 Tier1間、 Tier1とTier2にEDIが普及 約30年前に、トヨタで「e-かんばん」を進める時に描いてもらった絵。 生産管理/EDI研究会の発足(案) 研究会の発足(案) 生産管理 ESD21内に生産マネジメントに関わる 内に生産マネジメントに関わるコ研究会 内に生産マネジメントに関わるコ研究会をスタートさせる コ研究会をスタートさせる ・MASP/APSOM/ESD21との連携も視野に入れる ・ITシステムのコアとなるフレームワーク、ソフト開発につなげる ・ESD21会員中心に、以下3者のコラボレーション。 ①ユーザ(小島プレス、協和工業、エイベックス、古川電機など) ②ベンダー(富士通マーケ、グローバルワイズなど法人B会員) ③ESD21の個人(TPS/生産管理のリソースパーソン) PCのOSはWindowsの様に、中小中堅製造業にはJMPを 部品引取りかんばん (かんばんEDI) 部品の流れ 中小 協力会社 自動車部品 メーカー JMP:日本の製造業のプラットフォーム e-かんばん 自動車部品 大手メーカー 生産指示かんばん (生産管理/指示システム) OEM (トヨタなど) JMP(仮) 発注EDI, BOM, スケジューラ, 受注EDI 生産マネジメント共通フレームワーク JMP=Japan Manufacturing Platform ありがとうございました ・拘らない心、捉われない心、偏らない心, ・拘らない心、捉われない心、偏らない心 広く、広くもっと広く、これ般若信教、空の心なり ・障子を開けてみよ、外は広いぞ (豊田佐吉) 黒岩惠 :[email protected]