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ー. *慢性胃腸炎に於け る新知見
白血球の核移動の本態と其臨床的意義 171ブ 喰機能二丁ボス影響二三テ.1−V.同誌,一 各型相互關係ノ年齢的差異.児科雑誌,357: 42:3244−43:(叢表ノ豫定). 268. 256)山本傳:1937(昭和12),肺結核二於ケル「モ ノチーテソ」ノ臨床的意義二就イテ,特二 Schi11ing氏ノ三:椙説二關スルー提唱.臨床病 理學」血1雫夜學雑誌, =1:497. 258)一:1931(昭和6),脾臓別納による白血球 像攣化の年齢的差異.同誌,375:1183. 259) Ztindel, W. : 1936, Ein Fall von 1’elger− scher familiarer Kernanomalie. Folia haemat., 257)八代武夫:1930(昭和5),白血球総数及ピ 54 : 1. =外國:文獄抄= L 慢性胃腸炎に於ける新知見 慢性胃腸炎患者に於ては骨儲筋の運動代謝が障碍されることを考へ,筋のエネルギt一一賦與 には筋の「クレアチン」「グリコーゲン」「アドニール酸」が關係して居ることから,筋の運動代 謝に障碍があれば,これらの諸物質の代謝にも影響あるべきことを推測して,慢性胃腸患者 に看て「クレアチン」代謝を研究して次の結論に到達した. (1)筋健常なる人は通常尿中へ「クレアチン」を排泄しなV・が,慢性胃腸炎患者は大抵の 場合尿中に「クレアチン」を認める.しかも大量に存することが多い. (2)「クレアチン」排泄量は胃腸炎の臨床症歌の程度に正比例する. (3) 胃腸炎の輕快と共に尿中「クレアチン」量は減少し,全快すると全く浩失する. (4)筋健常なる人に「クレアチン」1.5]1を維口的に與へても尿中に「クレアチン」の出現 を見なV・が,胃腸炎患者に同様の試験をすると尿中に該投與量:の30%乃至100%に排泄され ることを認めた. (5)治療によって略治癒した胃腸炎患者に於て「クレアチン」負荷試験を行ふと,尿申に 尚多量の「クレアチン」の排泄されるのを認めた. (H. Bolm: Klin. Woch. 2. April. 1938). 2.徽毒のS廠S癬躍s雛療法 組織に用ひるSalvarsanとしては從來からMyosalvarsanがあるが,これは粉末であるか ら溶解して使用する必要があり,且注射時に疹痛があるから,著者はその代りに,液歌にな って居るSolu−Salvarsanを用ひた成績を述べて As As 量織灘麗灘訊鼠〕__〔許脚a OH :N工ICOCH3 の使用量は1乃至6ccである.著者は家兎によ [ 337 ] 1718 纂 読 ってその胆力試験拉に治療試験を行ひ,且Solu−Sa夏varsanによる約3年時に於ける徽毒患者 治療成績を齪察して次の如く述べて居る. (1)Solu−SalvarsanはSalvarsanの静脈内使用を避くべき場合叉は静脈内使用の不可能 な場合にすべて使用せらるべきである. (2)Solu−SalvarsanはMyosalvarsanに比して注射部位に痙痛なく,且使用に便利であ る. (3)Solu−Salvarsanの奏効力が他のSa lvarsanに比して優iるか否かは街今後の問題に残 されて居る. (Heinz, Wendt:Mttnch・med. Woch.11, Mttrz.1938) 3.「スbロンチウム、の治療的癒用 「ストロンチウム」が治療に用ひられるやうになったのは最近20年のことである.それ以前 は「ストロンチウム」は人膿に張い毒作用を呈し,人艦内に普通存在して居なV・ものと信じら れて居たが,Gerlach及MUIIerによって「カルシウム」と「ストロンチウム」は常に或る一定 の比率で艦内に存して居るものであることがわかり,それ以上治療に用ひられるやうになっ た.Grassheimは「ストロンチウム」が蓮動紳維及び知畳棘経の興奮性を低下させると述べて 居る. 「ストロンチウム」の製剤Bromostrontiuran(Natriumbromi(!−Strontiumchlorid−Harnstoff)は 淋経の中心部を麻痺させると共に末梢部を張く麻醇させるものであり,且これを静脹内に用 ひても「カルシウム」の如き熱感を畳えす,叉筋内に用ぴても壊死を起さない.著者は本製剤 の錠剤及び注射液を癌痒を訴ふる皮膚諸疾患に憲用したが,その成績として次のやうに述べ て居る. (1)癌痒を件ふ皮膚病殊に漁疹,茸麻疹或ひは原因不明の三二によく奏効する. (2)癌痒感の溝失は使用後概して極めて短時間におこる. (3)副作用は全然認められなV・. (F. X. Gassmann: Schweiz med. Woch. 19, Marz. 38) 4。敗血症に於σる輸血の効果 敗血症に於てはその原獲化膿竈を手術によって除去するのが最:善の方法ではあるが,原護 竈の不明な場合に屡遭遇するし,叉感染が全身へ極めて劇甚に進行する場合には他の種々の 療法が考へられて居るが,輸血も一度は試むべき:方法とせられて居る.輸血は健康者の血液 を給與するのであるが,敗血症患者の恢復期の血液或ひは血清を用ふるのが更によV・結果を もたらすもので,且再三繰返して行ふことがよV・とせられて居る。著者は最近5ケ年聞に於 て敗血症68例に於て輸血を試みてその維過を観察した.その結果は次の通りである. [ 338 ] 纂 説 1719 (1)著者の経験せる68例中31例は死亡した(45.5%). (2)極めて急激に奔馬性の経過をとるものには輸血も勿論無効である. (3)第1回目の輸血だけでは多くはその効果がない(反って一時的の禮温上昇其他があ ることが多レ・). (4)数回輸血をくりかへすと,罷温は速かに叉は階段的に下降し,全身症歌が恢復する ことが多V、,、 (」.G, K:noflach:Med・KL 18・:MCtrz・1938) コ内國:文獄抄一 L 簡易に轟寧ろ駈油乳搾の作ヒ}方 著者は簡易なる肝油乳剤の製法を考案せり.射ち著者は投藥瓶を:使用し初め投藥瓶の中へ 其牛量の水を入れ之に所要肝油量の約孚量と「アラビヤゴム」を入れて瓶の栓を一一度して強く 震盧す.「アラビヤゴム」の溶解するを待ち然る後其上へ更に所要の肝油と舎利別を加へて再 び栓をなし4−5回強く瓶を震旦すれば乳剤が出來る.之に残iりの水を加ふればよし・ (宇山安夫.診療と維験,1巷,6號727頁) 2.左旋性:「アスコルピン.酸と百目咳 著者は3歳以下には「アスコルビン」酸の25%液1.G耗を4歳以上には同液2・0蛇叉は5・0% 液LO耗を蓮日叉は隔日に注射し早きは注射當日より弱くも3日目あたりより先づ「レプリー ゼ」の激減叉は潰失を來し次V・で護作回数の減少と咳噺時闇の短縮安眠一般歌態の頓に好轄 するを経験せり.此際百日咳菌多償「ワクチン」の同時併用は効果をより卜書ならしめたり. (飯塚憲.實駿讐報,23年,276號,1961) 3.慢性貧血に封ずろ銅イオン、加 輸血の効果に就て 著者は10例の慢性貧血患者に就て軍純輸血をなしたる成績と16例の慢性貧血患者に銅イオ ン」加輸血をなしたる成績とを比較し興味ある成績を得たり. 帥ち慢性貧血に樹する銅イオン」加輸血の効果は軍純輸血の効果に遙に優iるものにして, 箪純輸血に於ては2週間後の赤血球敷の増加は李均75萬に過ぎざるも,銅イオン」加輸血後 に於ては不均87.6萬に及ぶ. E 339 :1 1720 纂 説 2週間後の血色素は軍純輸血に於ては卒均5%の増加なるも,銅イオン」加輸血に於ては 雫均12%の増加を認む. かNる効果の差異を生する所以を著者は軍純輪血に於ては造血機能一時休養し,敷日後に 於て漸く其の充進認めらる瓦に反し,銅イオン」加輸血に於ては,既に第1Hより造血機能 の充進が認めらるX外,銅イオン」が輸血の直接作用たる貯藏赤血球の動員並に溶血系統機 能の抑制を助長するによるとなす. (齋藤一郎.東北讐學雑誌,第20巻,第6號,717頁) 4.:輸血に際し顧慮すべきニー三の注意 著者は輸血に際し顧慮すべきニー三の注意を述べ下記の如く一括してみる. 1.輸血に際しては血液型の判定を確實にせねばならぬ. 2.血液型の判定は色々の原因により誤まられる事が多い. 3.不適合血液型を輸.血してはならぬ. 4.從來のABO式血液型の外にQ式血液型, MN式血液型, AI A2,:Bl:B2の亜型, E式 血液型等の新血液型の存在を顧慮することが必要である. 5.特にQ式血液型は輸血に際し臨床家の留意すべきものである.帥ちOQ型血液型を 抗Q凝集素を含有する人の血管内に輸入してはv・けない. 6.Q型血球はABO式各論血液型の約32%にあり,抗Q凝集素は正常人血清中に約3% の割合に護見せられる. (古畑種基.臨床の日本,第6巻,第5冊,第55號,491頁) [ 340 )