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1 「海外投資不動産鑑定評価ガイドライン(案)」

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1 「海外投資不動産鑑定評価ガイドライン(案)」
「海外投資不動産鑑定評価ガイドライン(案)
」に対する意見
平成 20 年1月18日
日本公認会計士協会
このたび公表されました標記ガイドライン案に対する当協会としての意見を、以下のと
おり申し上げます。
1.海外現地において認定又は公認された不動産の鑑定評価基準について
(Ⅰ
海外不動産の鑑定評価の基本的な実施方法)
(コメント)
「Ⅰ
海外不動産の鑑定評価の基本的な実施方法」の「(2)」において、「海外現地
において認定又は公認された不動産の鑑定評価基準に基づき、鑑定評価を行うことが
原則である。
」とされているが、現地の鑑定評価基準の使用が認められるのは、我が国
の不動産鑑定評価基準で算定した場合と同等の結果が得られる場合に限ることを明記
すべきである。
(理由)
入手する鑑定評価書においては、鑑定結果だけでなく、我が国の不動産鑑定評価基
準に基づく鑑定評価書と同等の情報が得られることが必要であると考える。例えば、
鑑定評価においては、机上の計算だけではなく物件及び周囲の環境の実地調査を行っ
て鑑定評価額に反映させることや、鑑定評価書に価格算定根拠を明示すること等、必
要な手続や算定が行われることを確保すべきである。また、現地の鑑定評価基準が我
が国の不動産鑑定評価基準に照らして著しく不合理であると認められる場合には、我
が国の不動産鑑定評価基準に準拠して実施することを検討する必要があるとすべきで
ある。
2.利害関係について(Ⅲ
現地鑑定人の選任)
(コメント)
「Ⅲ 現地鑑定人の選任 (1) ③」における「不動産取引の利害関係者以外の者」
の範囲について、鑑定評価報告書記載事項とされている利害関係との対比で明示して
ほしい。特に依頼者との利害関係の有無については留意する必要があると考えられる
が、包含されていると理解してよいか。
1
3.不動産鑑定士、不動産鑑定業者及び現地不動産鑑定士の責任について
(Ⅴ
現地鑑定人との連携・共同作業
及び
Ⅵ
現地鑑定人との連携・共同作業の
ための契約内容)
(コメント)
Ⅴの責任分担は、あくまで不動産鑑定士及び不動産鑑定業者(以下「不動産鑑定士
等」という。
)と海外現地の不動産鑑定人との二者間でのいわば内部的責任分担範囲で
あり、依頼者及びデータ利用者との関係では、我が国の不動産鑑定士等が全責任を負
うことを明記すべきである。
(理由)
特に証券化関係の不動産鑑定評価に関しては、その評価プロセスが財務ディスクロ
ージャーの一部を構成する場合も多く、その場合の我が国の不動産鑑定士等は、依頼
者のみならず広くデータ利用者に対しても法的責任を負う可能性があることを明記す
べきである。また、その場合、国内の依頼者等が海外現地の不動産鑑定人に対して民
事上の責任を追及することは事実上不可能であり、その点で我が国の不動産鑑定士等
が全責任を負うのでなければ、我が国の不動産鑑定士等が介在する価値は著しく低く
なる。なお、我が国の会計監査人が海外の監査人等他の専門家の情報を利用する場合
には、その結果に我が国の会計監査人が全責任を負うことになっている。
4.本邦通貨への換算の基準について(Ⅹ
鑑定評価報告書等の記載事項等)
(コメント)
鑑定評価額を海外現地の通貨の単位で表示した場合において併記される本邦通貨の
単位での表示について、その性質を明らかにすべきである。
(理由)
14ページにおいて「鑑定評価額は、海外現地の通貨の単位とし、鑑定評価の基準日
の為替レート(終値)及び当該レートにより換算した本邦通貨(日本円)での表示も
併記することを原則とするが、本邦通貨への換算は鑑定評価の基準日の為替レート(終
値)以外の為替レートや一定期間を決めて平均化した為替レートを使用するなど依頼
者の意向により変更して差し支えない。」とされているが、これが参考情報としての記
載であるならばその旨を明示すべきである。また、これが参考情報ではなく鑑定評価
額を構成するものであるならば、恣意性を排除するために、換算の基準について原則
的な方法を提示すべきである。
以
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上
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